JP3195596U - 立体感を醸し出す印刷シート - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的簡便の方法で印刷されたにもかかわらず立体感を醸しだすことのできる印刷シートを提供する。【解決手段】シート1の表面側となる両面が平滑な透明基材層3と、透明基材層の背面側に表象する文字、図柄等を抜き文字、抜き図柄等として残してそれら文字、図柄等以外の部分に透明インクを印刷して形成した透明インク層4と、透明インク層の背面側のみに着色インクを印刷して形成した着色インク層5と、透明基材層の残された背面部分、透明インク層の側面、着色インク層の側面と背面を覆い、その背面側が平滑になるようにして光反射性金属微粉末入り透明インクを印刷して形成したメタリックインク層6と、メタリックインク層の背面を覆い、表面で光を反射する鏡面インクで形成した鏡面インク層7を備えて構成する。【選択図】図1
Description
本考案は、シートに印刷された文字、図形、模様等の図柄に立体感を醸し出させる印刷シートに関する。
シートに印刷された文字、図形、模様等の図柄が視認者に立体的に視認されるように工夫した印刷シートが各種提案されている。例えば、特許文献1には、表面側の透明基材層とその背面に部分的に印刷された図象表現層と、その図象表現層の周縁に隣接又は間隔をあけて印刷される厚みがあって細幅の透明縁部層と、図象表現層と透明縁部層を覆って透明基材層の背面に印刷される遮光性下地層を備える立体表現印刷物が提案されている。しかし、この印刷物の場合、図象表現層の周縁に隣接又は間隔をあけて印刷する厚みがあって細幅の透明縁部層の形成には高精度の位置合わせが要求される問題がある。
また、特許文献2には、平滑表面の基材表面に図柄を形成するため基材がもつ溶剤に対する溶解性と比較して大きいか小さい溶解性をもつクリアーを部分的に印刷した部分クリアー層、及び基材と部分クリアー層を覆う光反射性微粉末を混合した透明な全面クリアー層からなり、部分クリアー層が存在する部位と存在しない部位における全面クリアー層中の溶剤の吸い込みに差をもたせて光反射微粉末の分布密度を異ならしめることにより立体感を現出させる印刷シートが開示されている。しかし、この印刷物の場合、立体感を高めるには溶剤の吸い込み差により生ずる光反射微粉末の分布密度の差が大きくなるように基材、部分クリアー層、全面クリアー層の材料を選択しなければならず、材料選択の自由度が狭くなる問題がある。
本考案は、従来技術のこうした問題点を解決するためになされたもので、その課題は、材料インクの選択自由度が高く、それほど高精度の位置合わせの必要もなく、比較的簡便の方法で印刷できて立体感の生ずる印刷シートを提供することにある。
前記課題を解決するための請求項1に記載の考案は、立体感を醸し出す印刷シートであって、シートの表面側となる両面が平滑な透明基材層と、該透明基材層の背面側に、表象する文字、図柄等を抜き文字、抜き図柄等として残してそれら文字、図柄等以外の部分に透明インクを印刷して形成した透明インク層と、該透明インク層の背面側のみに着色インクを印刷して形成した着色インク層と、前記透明基材層の残された背面部分、透明インク層の側面、着色インク層の側面と背面を覆い、その背面側が平滑になるようにして光反射性金属微粉末入り透明インクを印刷して形成したメタリックインク層と、該メタリックインク層の背面を覆い、表面で光を反射する鏡面インクを印刷して形成した鏡面インク層とを備えることを特徴とする印刷シートである。
このような構成によれば、文字、図形等を形成するメタリックインク層内部に、その表面や側面から光が入り込み、内部で光反射性金属微粉末に当たって乱反射されたり、鏡面インク層表面で反射されたりを繰り返す。そうした反射を繰り返した光の一部は文字、図形等を形成しているメタリックインク層の側面や表面から再び外に出てくる。その光の効果、特に、文字部側面から出てくる光の効果により文字、図形等の立体感が強調されて視認される効果を奏する。
また、請求項2に記載の考案は、請求項1に記載の印刷シートにおいて、光反射性金属微粉末入り透明インクに代えて、光が透過する程度に薄く着色した光反射性金属微粉末入りインクを使用したことを特徴とする印刷シートである。
このような構成によれば、着色インク層の色との連係でデザイン性を高めることができる。
以下、本考案に係る印刷シートの構成例について図面を参照して説明する。図1はその印刷シート1の平面図、図2はその部分縦断端面図である。図2の上側が視認者の視認する表面側、下側が裏面で、本実施形態では裏面に紙2が張り付けてある。印刷シート1は表面側から透明基材層3、透明インク層4、着色インク層5、メタリックインク層6、鏡面インク層7の5層で形成される。製作は、上下を逆にし、表面側透明基材層3の裏面に透明基材層3、透明インク層4、着色インク層5、メタリックインク層6を順に印刷で積み重ねる方法で行なう。
表面側の透明基材層3は透明塩化ビニール、透明アクリル、透明ポリカーボネイト、透明ポリエステル等の素材からなるフィルムで、両面は平滑にされている。透明基材層3は保護膜として機能する。
透明基材層3の裏面には、透明インク層4が形成される。透明インク層4は、視認者に視認してもらう文字、図柄等を除いた部分、図1でいえば「1 2 3」の文字部分を除いた残り部分に形成される。表象する文字、図柄等は抜き字、抜き図柄等の形で残される。透明インク層4は、紫外線硬化型メジウムインキや透明性のあるUVインクをスクリーン印刷して形成する。厚みは10〜20ミクロン程度である。
表象する文字、図柄等を抜き字、抜き図柄等として残して形成された透明インク層4の背面には着色インク層5が形成される。着色インク層5は、透明インク層4の裏面にのみ着色インクをスクリーン印刷して形成する。透明インク層4と着色インク層5は同じパターンであるため、透明基材層3を動かさず、洗浄した同一印刷板を同位置において着色インクを使用して印刷する。着色インクとしては、有機顔料や無機顔料を含むカラーインクを使用する。厚みは10〜20ミクロン程度である。
着色インク層5の次には、メタリックインク層6を形成する。メタリックインク層6は、透明基材層3の白抜きで残された背面部分、透明インク層4の側面、着色インク層5の側面と背面を覆うように、光反射性金属微粉末入り透明インクをスクリーン印刷して形成する。その背面側は平滑に形成する。金属微粉末入り透明インクは、透明インクにアルミニウム粉末、金粉末等を拡散させたインクであり、インク中の金属微粉末は無規則に配列しているため入射する光を乱反射させる。
メタリックインク層6の背面側には、鏡面インクをスクリーン印刷して光を反射する鏡面インク層7を形成する。鏡面インク層7は鏡のような効果を発揮する層で、メタリックインク層6を通過してその表面に入射した光はメタリックインク層6側に反射される。鏡面インクは特殊形状のアルミニウム粉末を含むインクである。インクに顔料を加えて着色したものでもよい。鏡面インク層7の背面側には、名刺に使用するのであれば紙2を貼り付ける。
このように構成した5層からなる印刷シート1は、透明インク層4と着色インク層5に白抜きで残された文字、図柄部分を埋める光反射性金属微粉末入り透明インクで形成されたメタリックインク層6部分が着色インク層5からかなり浮き上がった状態で視認される。図3の(1)は、図4に示すように印刷シート1の表面に斜め前方から蛍光灯10の光を当てた状態で印刷シート1のほぼ真上のカメラ11で撮影した写真である。図3の(2)は、斜め手前からカメラ12で撮影した写真である。実際には文字部分を取り巻く着色インク層5はピンク色で、文字部分は薄い金色に輝いている。図3はグレースケール写真であるため明度差のみが現れている。
図3に示すように文字部分がかなり浮き上がって立体的に視認される。印刷シート1の物理的構造から、メタリックインク層6の文字表面部分は着色インク層5の表面より透明インク層4の厚み分だけ上に位置しているため立体的に見えるのは当然といえば当然である。しかし、本発明の印刷シート1では、その浮き上がり方が強調されて視認される点に特徴がある。発明者らはメタリックインク層6を光反射性金属微粉末入り透明インクではなく、普通の着色インクで形成した印刷カードと比較してみたが、光反射性金属微粉末入り透明インクを使用した本発明の印刷シート1の方が浮き上がり方が強調されて視認された。
また、発明者らは鏡面インク層7の代わりに、鏡面性のないインク層を形成した印刷シートとも比較してみた。この場合も鏡面インク層7を形成した本発明の印刷シート1の方が浮き上がり方が強調されて視認された。こうしたことから、本発明の印刷シート1で文字部分の浮き上がりが強調され、立体性が強調されて視認される原因は、文字部分を光反射性金属微粉末入り透明インクを使用したメタリックインク層6で形成していること、その背面全体に光を反射する鏡面インク層7を形成していること、加えて、着色インク層5の上面のみに透明インク層4を形成し、文字を形成しているメタリックインク層6の側面を透明物質で覆っていることにあるように思われる。
色相が同じ通常の不透明物体、例えば、黒一色、白一色の立方体が立体に見えるのは、一平面(例えば、上面)と、それに直角な側面に明度の差が現れるからである。周囲から入射する光の反射具合が面の角度により異なり、視認者の目に入る光の量に違いが生ずるためである。即ち、不透明物体の表面における光の反射の違いから視認者はその物体の立体感を認識する。
これに対して本発明の印刷シート1では、視認者は文字を構成しているメタリックインク層6の表面と、透明インク層4に接しているその側面における光の反射の違いのみから立体感を感ずるのではないと思われる。勿論、側面境界における光の反射の違いも理由の一つと考えられるが、本発明の印刷シート1の場合はそれだけではない。透明インク層4を通過した光は文字を構成している光反射性金属微粉末透明インクからなるメタリックインク層6の内部に文字側面を通過してかなりの量が入り込む。また、文字表面に入射した光は表面で多くが反射されるが残りはメタリックインク層6の内部に入り込む。それら内部に入り込んだ光は、層内の光反射性金属微粉末に当たって様々な方向に乱反射を繰り返す。更に、最下層の鏡面インク層7に向かった光は反射されて再びメタリックインク層6に戻って乱反射する。そうした乱反射を繰り返した光の一部は、今度は文字を構成しているメタリックインク層6の側面や表面から外に出てくると思われる。
このメタリックインク層6内部に表面や側面から入り込み、内部で乱反射を繰り返して再び側面や表面から外に出てくる光、特に、文字部側面から出てくる光の存在が、立体感が強調されて視認される大きな理由と思われる。そうでないとメタリックインク層6を普通の不透明インクに置き換えた場合や、鏡面インク層7を形成しなかった場合との立体感の違いを説明することは困難である。メタリックインク層6の内部に、弱い光を放つ擬似発光体が存在するかのごとき見え方をするのである。それにより立体感が強調される。実際、図3の(1)、(2)の写真でみるように、文字側面がかなり明るく光って明確に見え点に特徴があり、これが立体感が強調されて見える理由と思われる。
なお、上記実施形態ではメタリックインク層6に透明インクに光反射性金属微粉末を混ぜたものを使用したが、透明インクに代えて薄く着色した透明性の高いインクを使用してもよい。そうすることで着色インク層5の色と連係してデザイン性を高めることもできる。
図面中、1は印刷シート、2は紙、3は透明基材層、4は透明インク層、5は着色インク層、6はメタリックインク層、7は鏡面インク層を示す。
Claims (2)
- 立体感を醸し出す印刷シートであって、シートの表面側となる両面が平滑な透明基材層と、
該透明基材層の背面側に、表象する文字、図柄等を抜き文字、抜き図柄等として残してそれら文字、図柄等以外の部分に透明インクを印刷して形成した透明インク層と、
該透明インク層の背面側のみに着色インクを印刷して形成した着色インク層と、
前記透明基材層の残された背面部分、透明インク層の側面、着色インク層の側面と背面を覆い、その背面側が平滑になるようにして光反射性金属微粉末入り透明インクを印刷して形成したメタリックインク層と、
該メタリックインク層の背面を覆い、表面で光を反射する鏡面インクを印刷して形成した鏡面インク層とを備えることを特徴とする印刷シート。 - 請求項1に記載の印刷シートにおいて、前記光反射性金属微粉末入り透明インクに代えて、光が透過する程度に薄く着色した光反射性金属微粉末入りインクを使用したことを特徴とする印刷シート。
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CN108586784A (zh) * | 2018-03-14 | 2018-09-28 | 东莞市东彩印刷包装有限公司 | 一种pet闪光料及其制备方法 |
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