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JP3195452B2 - 26,27−ジメチレン−1α,25−ジヒドロキシビタミンD2 及び26,27−ジメチレン−24−エピ−1α,25−ジヒドロキシビタミンD2 及びその調製方法 - Google Patents

26,27−ジメチレン−1α,25−ジヒドロキシビタミンD2 及び26,27−ジメチレン−24−エピ−1α,25−ジヒドロキシビタミンD2 及びその調製方法

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JP3195452B2
JP3195452B2 JP35879092A JP35879092A JP3195452B2 JP 3195452 B2 JP3195452 B2 JP 3195452B2 JP 35879092 A JP35879092 A JP 35879092A JP 35879092 A JP35879092 A JP 35879092A JP 3195452 B2 JP3195452 B2 JP 3195452B2
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dimethylene
methyl group
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Wisconsin Alumni Research Foundation
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    • C07C401/00Irradiation products of cholesterol or its derivatives; Vitamin D derivatives, 9,10-seco cyclopenta[a]phenanthrene or analogues obtained by chemical preparation without irradiation
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビタミンD2 に関し、よ
り詳しくは26,27−ジメチレン−1α,25−ジヒ
ドロキシビタミンD2 及び26,27−ジメチレン−2
4−エピ−1α,25−ジヒドロキシビタミンD2 に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】1α,
25−ジヒドロキシビタミンD3 がビタミンの活性形と
して発見されて、このビタミンDのホルモン形態の類似
体の研究が選択的な活性を有する類似体の発見を意図し
て激しく行われてきた。現在までに、1,25−ジヒド
ロキシビタミンD3 の分化作用を行い、他方カルシウム
活性がわずかまたはほとんどない化合物がいくつか発見
されている。そのうえ、骨からのカルシウム移動につい
ての活性が少なくて腸内カルシウム移送を刺激する活性
が大きいその他の化合物が発見されている。ビタミンD
側鎖を24−炭素の位置で長くするというビタミンDの
変形はカルシウム活性を失わせ、分化活性を高めるか損
なわれないものにするという結果もたらした。エピ配列
中に1α,25−ジヒドロキシビタミンD2の24−メ
チルを入れることは骨からのカルシユム移動での活性を
低下させると考えられる。他方、26−及び27−炭素
上での疎水性の増加は25−ヒドロキシを存在させたビ
タミンD化合物の総体的な活性を増加させるようであ
る。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は望ましく、かつ
高度に有利な生物活性パターンを示す新規な化合物を提
供する。これらの化合物は腸内カルシウム移送活性にお
いて1α,25−ジヒドロキシビタミンD3 のそれに比
較して顕著な活性を示し、他方骨からのカルシウム移動
活性は1α,25−ジヒドロキシビタミンD3 のそれよ
りも非常に低い活性を示すことを特徴とする。すなわ
ち、これらの化合物はそのカルセミック (calcemic) 活
性において高度に特異的である。それらの腸内カルシウ
ム移送での優越した活性及び骨中のカルシウム移動での
低活性のため、これらの化合物を骨の損失が主問題とな
る骨代謝疾病の治療にインビボ(生体内)投与を可能に
する。それら化合物はその優越したカルセミック活性の
ゆえに骨粗しょう症、骨軟化症及び腎性骨異栄養症など
の骨の形成が望まれる疾病の治療剤として好ましいもの
となる。
【0004】構造的には、これら望ましい生物特性を有
する化合物のキーとなる特徴はそれらが1,25−ジヒ
ドロキシビタミンDの類似体、1α,25−ジヒドロ
キシビタミンDの側鎖の25炭素上にシクロペンタン
環を導入したもの及びそのエピマーであることである。
すなわちこのタイプの化合物は下記の一般構造式(I)
によって特徴づけられる:
【0005】
【化4】 式中、R及びRは水素原子またはメチル基を表わ
す。ただしRが水素原子である時Rが水素原子であ
ることはなく、Rがメチル基である時Rがメチル基
であることはない。したがって、本発明は腸内カルシウ
ム移送での優越した活性及び骨中のカルシウム移動での
低活性を示し、骨の損失が主問題となる骨粗しょう症な
どの骨代謝疾病の治療に有用な新規な化合物を提供す
る。より詳しくはそれらの化合物は26,27−ジメチ
レン−1α,25−ジヒドロキシビタミンD及び2
6,27−ジメチレン−24−エピ−1α,25−ジヒ
ドロキシビタミンDである。
【0006】さらに本発明は最終生成物の合成中に生成
する新規な中間体化合物を提供する。構造的に、この中
間体化合物は下記の一般構造式(II)によって特徴づ
けられる:
【0007】
【化5】 式中、R及びRは水素原子またはメチル基を表わ
す。ただしRが水素原子である時Rが水素原子であ
ることはなく、Rがメチル基である時Rがメチル基
であることはない。R、R及びRは水素原子また
はヒドロキシ保護基を表わす。本明細書及び特許請求の
範囲において用いられる「ヒドロキシ保護基」は例えば
アルコキシカルボニル基、アシル基、アルキルシリル基
及びアルコキシアルキル基のようにヒドロキシ官能基を
一時的に保護するために通常使用されるいかなる基も意
味しており、保護されたヒドロキシ基はこれら保護基に
より誘導体化されたヒドロキシ官能基である。アルコキ
シカルボニル保護基はメトキシカルボニル、エトキシカ
ルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカル
ボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニ
ル、tert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカ
ルボニルまたはアリルオキシカルボニルなどの基の群で
ある。「アシル基」は炭素数1〜6のすべての異性体を
含んだアルカノイル基またはオキサリル、マロニル、ス
クシニル、グルタリル基などの炭素数1〜6のカルボキ
シアルカノイル基またはベンゾイルなどの芳香族アシル
基、またはハロ、ニトロもしくはアルキル置換ベンゾイ
ル基を意味する。本明細書及び特許請求の範囲において
用いられる「アルキル」は炭素数1〜10のすべての異
性体を含む直鎖または枝分れ鎖のアルキルラジカルを意
味する。アルコキシアルキル保護基はメトキシメチル、
エトキシメチル、メトキシエトキシメチルまたはテトラ
ヒドロフラニル及びテトラヒドロピラニルなどの群であ
る。好ましいアルキルシリル−保護基はトリメチルシリ
ル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、及
びアルキル化シリル類似基である。
【0008】
【実施例】本発明を以下の実施例によってより明確に説
明するが、これは新規な化合物の合成の方法、それから
得られる最終生成物及び中間体を説明するためにのみ示
すものである。これらの例において、アラビア数字によ
り示すそれぞれの化合物(例えば、化合物1、2、3
等)は工程スキームにおいて数字をつけた構造に対応す
る。さらに、これらの例は新しい化合物の生物特性、骨
代謝疾病の治療にこれらの化合物を適用する基礎として
用いられる特性を明白に示すものである。
【0009】
【化6】
【化7】
【0010】化合物の合成一般操作 紫外線(UV)吸収スペクトルはパーキン−エルマーラ
ムダ3b (Perkin-Elmer Lambda 3b) UV−VIS分光
光度計を用い記録した。核磁気共鳴(NMR)スペクト
ルはブルーカー (Bruker) AM−500マルチヌクレア
(multinuclear) またはAM−400ワイドボアマルチ
ヌクレア分光光度計を用い記載の溶媒中で500または
400MHzで記録した。化学シフト(δ)は内部Me
4 Si(δ0.00)またはCHCl3 (δ7.24)
からのダウンフィールドを記録した。低分解能及び高分
解能質量スペクトルはクラトス (Kratos) DS−55デ
ータシステムを設置したクラトスMS−50・TC装置
により(特に指定しない限り)70eVで記録した。高
分解能データはピークマッチングにより求めた。試料は
直接挿入プローブを経て120〜250℃に維持したイ
オン源中ヘ導入した。カラムクロマトグラフィーにはシ
リカゲル60(メルク (Merck)、230〜400メッシ
ュ)を用いた。高性能液体クロマトグラフィー(HPL
C)は6000A型溶媒分配システム、U6K型ユニバ
ーサルインジェクター及び400型可変波長検出器を設
置したウォータース・アソシエーツ (Waters Associate
s)液体クロマトグラフを用いて行った。ゾルバックス・
ジル・ジュポン (Zorbax Sil Dupont)カラム(4x6m
mx25cm)を用いた。溶媒系:n−ヘキサン中15
%2−プロパノール。テトラヒドロフラン(THF)は
ベンゾフェノン・ケチル・ナトリウムから蒸留した。そ
の他の溶媒は標準法で精製した。ビタミンD化合物を含
有する反応はマグネチックスターラーを用い窒素雰囲気
下で行った。
【0011】実施例1 26,27−ジメチレン−1α,25−ジヒドロキシビ
タミンD2 (化合物11a)及びその24−エピマー
(化合物11b)の合成(工程スキームI及びII)。
ここに記載の合成及びスキームI及びIIにおいて次の
略号を用いた: DHP: 2,3−ジヒドロピラン PPTS: ピリジニウム p−トルエンスルホン酸 THP: 2−テトラヒドロピラニル THF: テトラヒドロフラン Ts: p−トルエンスルホニル DMAP: 4−ジメチルアミノピリジン DMF: N,N−ジメチルホルムアミド Ph: フェニル mCPBA: m−クロロ過安息香酸 TES: トリエチルシリル TBAF: フッ化テトラブチルアンモニウム
【0012】化合物11a及び11bの合成を下記のよ
うに行った:側鎖スルホン7a、bの合成を(R)−ま
たは(S)−メチル 3−ヒドロキシ−2−メチルプロ
パン酸から開始した。ヒドロキシ基を保護して2−テト
ラヒドロピラニル(THP)エステルを得た。エステ
を1,4−ジブロモマグネシオブタンの作用により
シクロペンタノールに変換した。THP保護基を除去
してジオールとした。ジオールの第一級ヒドロキシ基
を対応するp−トルエンスルホン酸に変換した。p−
トルエンスルホン酸をチオフェノールでの処理により
フェニルスルフィドに変換した。スルフィドを過酸で
酸化してスルホンにした。第三級ヒドロキシ基をトリ
エチルシリル(TES)エーテルとして保護し、保護さ
れたスルホンにした。
【0013】スルホンをジエチルアミドリチウムで脱
プロトン後、アルデヒドと縮合した。得られたヒドロ
キシスルホンをアセチル化し、その後ナトリウムアマル
ガムによる還元的脱離処理に付し(E)−オレフィン
にした。25−及び3β−ヒドロキシ基の保護基を除去
してプロビタミン10にした。プロビタミン10の光学
的及び熱的異性化とそれに続く1α−ヒドロキシ基の保
護除去によりビタミンD誘導体11を得た。この説明及
びスキームIIにおける化合物は公知の化合物である
ことを述べるべきである。化合物はPCT特許出願W
O88/07545号記載に基いて調製することができ
る。
【0014】(R)−メチル 3−(2−テトラヒドロ
ピラニル)オキシ−2−メチルプロパノエート 1a
ジクロロメタン(100ml)中の(R)−(−)−メ
チル3−ヒドロキシ−2−メチルプロパノエート(アル
ドリッチ (Aldrich);4.94g,41.8mmol)
と2,3−ジヒドロピラン(4.22g,50.2mm
ol)の混合物へ一部のピリジニウムp−トルエンスル
ホン酸(525mg,2.08mmol)を添加し、そ
の混合物を室温で2.25時間かきまぜた。その混合物
へ2,3−ジヒドロピラン(1.05g,12.5mm
ol)を添加し、その混合物を室温で30分間かきまぜ
た。その混合物を食塩水中へ注ぎ、有機層を分離した。
水層をジエチルエーテルで抽出し、その有機溶液を統合
して食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。ろ
過及び濃縮により14.83gの油物質を得、カラムク
ロマトグラフイー(シリカゲル75g,n−ヘキサン中
酢酸エチル、5〜10%)による精製で8.20g(9
7.0%)の1aを無色油として得た。1 H-NMRδ(CDCl3, 500MHz); 1.12, 1.13 (3H,2つのd, J
=7.0Hz), 1.38-1.85(6H), 2.21 (1H, m), 3.32-3.91 (4
H), 3.63 (3H, br s), 4.54 (1H, dd, J=12.0および 2.
9Hz)
【0015】(S)−メチル 3−(2−テトラヒドロ
ピラニル)オキシ−2−メチルプロパノエート 1b
1aと同じ方法で、(S)−(−)−メチル 3−ヒド
ロキシ−2−メチルプロパノエート(アルドリッチ;
4.96g,42.0mmol)を8.38g(98.
7%)の無色の油としての1bに変換した。これは1a
と事実上同じ 1H−NMRスペクトルを示した。
【0016】(R)−1−[1−(2−テトラヒドロピ
ラニル)オキシ−2−プロピル]−1−シクロペンタノ
ール 2a。 1,4−ビスブロモマグネシオブタン
(55mlのテトラヒドロフラン中の1.24gのマグ
ネシウム削り片と5.03gの一,4−ジブロモメタン
から調製)溶液を氷冷しかきまぜながら、その中へ1a
(4.0g,19.8mmol)のジエチルエーテル
(30ml)溶液を窒素気下0〜25℃で70分間かけ
て滴加した。その混合物を室温で2時間かきまぜた後、
塩化アンモニウム溶液の添加により反応停止させた。有
機層を分離し、水層をジエチルエーテルで抽出した。統
合した有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾
燥した。ろ過及び濃縮により5.98gの油物質を得、
カラムクロマトグラフイー(シリカゲル60g,n−ヘ
キサン中酢酸エチル、2.5〜20%)による精製で
3.58g(79.3%)の2aを無色油として得た。1 H-NMRδ(CDCl3, 500MHz); 1.00, 1.02 (3H,2つのd, J
=7.3Hz), 1.38-1.93(15H), 3.04 (1H, d, J=16.2Hz),
3.35 (0.5H, dd, J=9.8および 4.9Hz),3.42-3.56 (1.5
H), 3.73-3.85 (1.5H), 3.97 (0.5H, dd, J=9.6 および
4.7Hz), 4.55 (1H, d, J= 14.9Hz)
【0017】(S)−1−[1−(2−テトラヒドロピ
ラニル)オキシ−2−プロピル]−1−シクロペンタノ
ール 2b2aと同じ方法で、1b(3.0g,1
4.8mmol)を3.58g(定量)の無色の油とし
ての2bに変換した。これは2aと事実上同じ 1H−N
MRスペクトルを示した。
【0018】(R)−1−(1−ヒドロキシ−2−プロ
ピル)−1−シクロペンタノール 3a。エタノール
(100ml)中の2a(3.42g,15.0mmo
l)とピリジニウムp−トルエンスルホン酸(188m
g)の混合物をかきまぜながら10時間40〜50℃に
加熱した。その混合物をトルエンで希釈し、少量のトリ
エタノールアミンを混合物へ添加した。エタノール蒸発
後残留物を食塩水中へ注ぎこみ、水層中の生成物がなく
なるまで酢酸エチルで抽出した。統合した有機層を食塩
水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。ろ過及び濃
縮により2.53gの油物質を得、カラムクロマトグラ
フイー(シリカゲル20g,n−ヘキサン中酢酸エチ
ル、20〜50%)による精製で1.88g(86.9
%)の3aを無色油として得た。1 H-NMRδ(CDCl3, 500MHz); 0.97 (3H, d, J=7.2Hz), 1.
38-1.86 (9H), 3.44(1H, br s), 3.60 (1H, dd, J=9.7
および4.8Hz), 3.81 (1H, d, J=8.0Hz),3.93 (1H, br
s)
【0019】(S)−1−(1−ヒドロキシ−2−プロ
ピル)−1−シクロペンタノール 3b3aと同じ方
法で、2b(3.41g,14.9mmol)を1.9
8g(92.1%)の無色の油としての3bに変換し
た。これは3aと事実上同じ 1H−NMRスペクトルを
示した。
【0020】(R)−1−(1−p−トルエンスルホニ
ルオキシ−2−プロピル)−1−シクロペンタノール
4a。ジクロロメタン(40ml)中の3a(1.79
g,12.4mmol)、ピリジン(5ml)とp−ト
ルエンスルホニルクロリド(4.26g,22.3mm
ol)の混合物を10℃以下で2日間かきまぜた。反応
混合物を硫酸銅(II)溶液中に注ぎこみ、ジエチルエ
ーテルで抽出した。統合した有機層を硫酸銅(II)溶
液、水、炭酸水素ナトリウム溶液及び食塩水で洗浄し、
硫酸ナトリウム上で乾燥した。ろ過及び濃縮により6.
27gの油物質を得、カラムクロマトグラフイー(シリ
カゲル60g,n−ヘキサン中酢酸エチル、5〜33
%)による精製で3.74g(定量)の4aを無色油と
して得た。1 H-NMRδ(CDCl3, 500MHz); 0.95, (3H, d, J=6.8Hz),
1.28-1.92 (9H),2.42 (3H, s), 3.91 (1H, dd, J=9.6
および7.8Hz), 4.18 (1H, dd, J=9.6および4.6Hz), 7.3
2 (2H, d, J=8.0Hz), 7.75 (2H, d, J=8.0Hz)
【0021】(S)−1−(1−p−トルエンスルホニ
ルオキシ−2−プロピル)−1−シクロペンタノール
4b4aと同じ方法で、3b(1.92g,13.
3mmol)を3.46g(87.2%)の無色の油と
しての4bに変換した。これは4aと事実上同じ 1H−
NMRスペクトルを示した。
【0022】(S)−1−(1−ベンゼンスルフェニル
−2−プロピル)−1−シクロペンタノール 5a
N,N−ジメチルホルムアミド(18ml)中の4a
(3.65g,11.9mmol)とトリエチルアミン
(2.5ml)の混合物へチオフェノール(1.8m
l)を一度に添加した。混合物を室温で一晩かきまぜ
た。混合物を水中へ注ぎこみジエチルエーテルで抽出し
た。統合した有機層を炭酸水素ナトリウム溶液及び食塩
水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。ろ過及び濃
縮により3.26gの油物質を得、カラムクロマトグラ
フイー(シリカゲル40g,n−ヘキサン中酢酸エチ
ル、2.5〜20%)による精製で2.06g(73.
3%)の5aを淡黄色の油として得た。1 H-NMR δ (CDCl3, 500MHz); 1.24 (3H, d, J=6.3Hz),
1.53 (1H, br s),1.56-2.04 (9H), 2.85 (1H, dd, J=1
2.9および 10.2Hz), 3.44 (1H, dd, J=12.9および2.8H
z), 7.28 (1H, t, J=8.0Hz), 7.39 (2H, t, J=8.0Hz),
7.46(2H, d, J=8.0Hz)
【0023】(R)−1−(1−ベンゼンスルフェニル
−2−プロピル)−1−シクロペンタノール 5b
5aと同じ方法で、4b(3.65g,11.9mmo
l)を2.23g(82.8%)の淡黄色の油としての
5bに変換した。これは5aと事実上同じ 1H−NMR
スペクトルを示した。
【0024】(S)−1−(1−ベンゼンスルホニル−
2−プロピル)−1−シクロペンタノール 6a。ジク
ロロメタン(19ml)と飽和炭酸水素ナトリウム溶液
(28ml)中の5a(2.06g,8.71mmo
l)の混合物中へm−クロロ過安息香酸(85%,4.
24g,20.9mmol)を一度に添加した。混合物
を氷浴中で50分間かきまぜた。過剰量の過酸を少量の
ヨウ化カリウムの存在下でチオ硫酸ナトリウムにより分
解した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出し
た。統合した有機層を炭酸水素ナトリウム溶液及び食塩
水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。ろ過及び濃
縮により3.16gの油物質を得、カラムクロマトグラ
フイー(シリカゲル32g,n−ヘキサン中酢酸エチ
ル、20〜33%)による精製で2.43g(定量)の
6aを無色の油として得た。1 H-NMR δ (CDCl3, 400MHz); 1.17 (3H, d, J=6.8Hz),
1.46-2.86 (8H),2.18 (1H, m), 3.00 (1H, dd, J=14.5
および 9.0Hz), 3.41 (1H, br d, J=14.5Hz), 7.57 (2
H, t, J=7.3Hz), 7.65 (1H, t, J=7.3Hz), 7.92 (2H,d,
J=7.3Hz)
【0025】(R)−1−(1−ベンゼンスルホニル−
2−プロピル)−1−シクロペンタノール 6b
と同じ方法で、5b(2.23g,9.43mmo
l)を2.34g(92.5%)の無色の油としての
に変換した。これは6aと事実上同じ 1H−NMRス
ペクトルを示した。
【0026】(S)−1−(1−ベンゼンスルホニル−
2−プロピル)−1−トリエチルシロキシシクロペンタ
7a。N,N−ジメチルホルムアミド(20ml)
中の6a(2.40g,8.94mmol)とイミダゾ
ール(1.22g,17.9mmol)の溶液中へクロ
ロトリエチルシラン(2.2ml,13.1mmol)
を一度に添加した。その混合物を室温で3日間かきまぜ
た。混合物を氷水中へ注ぎこみ、ジエチルエーテルで抽
出した。統合した有機層を水及び食塩水で洗浄し、硫酸
ナトリウム上で乾燥した。ろ過及び濃縮により4.24
gの油物質を得、カラムクロマトグラフイー(シリカゲ
ル40g,n−ヘキサン中酢酸エチル、10%)による
精製で3.67g(定量)の7aを無色の油として得
た。1 H-NMR δ (CDCl3, 500MHz); 0.52 (6H, q, J=7.9Hz),
0.88 (9H, t, J=7.9Hz), 1.11 (3H, d, J=6.7Hz), 1.35
-1.74 (8H), 2.06 (1H, m), 2.901H, dd, J=14.4および
9.7Hz), 3.42 (1H, d, J=14.4Hz), 7.56 (2H, t, J=7.
5Hz), 7.64 (1H, t, J=7.5Hz), 7.91 (2H, d, J=7.5Hz)
【0027】(R)−1−(1−ベンゼンスルホニル−
2−プロピル)−1−トリエチルシロキシシクロペンタ
7b7aと同じ方法で、6b(2.20g,
8.19mmol)を3.19g(定量)の無色の油と
しての7bに変換した。これは7aと事実上同じ 1H−
NMRスペクトルを示した。
【0028】(22E,24R)−26,27−ジメチ
レン−1α,3β−ビス(メトキシカルボニルオキシ)
−25−トリエチルシロキシエルゴスタ−5,7,22
−トリエン 8a。テトラヒドロフラン(30ml)中
7a(1.0g,2.61mmol)の溶液をかきま
ぜながらその中へリチウムジメチルアミド(7mlのテ
トラヒドロフラン中で0.44mlのジメチルアミンと
2.5mlの1.6N・n−ブチルリチウムから調製、
6.6ml)を窒素気下、−50〜−60℃で滴加し
た。混合物を−50〜−60℃で1時間かきまぜ、その
後−78℃に冷却した。混合物へテトラヒドロフラン
(20ml)中の(20S)−1α,3β−ビス(メト
キシカルボニルオキシ)−20−メチルプレグナ−5,
7−ジエン−21−アル (670mg,1.45m
mol)の溶液を50分かけて滴加した。混合物を50
分間かきまぜた後、飽和塩化アンモニウム溶液と酢酸エ
チルの添加により反応停止させた。有機層を分離し、水
層を酢酸エチルで抽出した。統合した有機層を食塩水で
洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。ろ過と濃縮によ
り2.97gの残留物を得た。その残留物をジクロロメ
タン(20ml)に溶解し、その溶液へ4−ジメチルア
ミノピリジン(2.12g,17.4mmol)と無水
酢酸(1.3ml,13.8mmol)を添加し、混合
物を室温で一晩かきまぜた。混合物を氷と酢酸エチルの
混合物中に注ぎ、有機層を分離した。水層を酢酸エチル
で抽出し、統合した有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナト
リウム上で乾燥した。ろ過と濃縮により2.37gの残
留物を得た。その残留物をテトラヒドロフラン(30m
l)とメタノール(30ml)の混合物に溶解し、その
溶液を−40〜−30℃でかきまぜた。溶液へ炭酸水素
ナトリウム(2.27g)と5%ナトリウムアマルガム
(微細し、テトラヒドロフランで洗浄した;10.72
g)を添加した。混合物を−40〜−30℃で2.5時
間かきまぜた。上澄みをセライト (Celite) パッドを通
してろ過し、固形物を酢酸エチルで洗浄した。統合した
有機溶液を冷却した希塩酸と酢酸エチルの混合物中に注
ぎ、有機層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出し、統
合した有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾
燥した。ろ過と濃縮により2.75gの残留物を得た。
その残留物をカラムクロマトグラフイー(シリカゲル5
0g,n−ヘキサン中酢酸エチル、5〜50%)による
精製で648mg(から65.2%)の8aを白色固
体として得た。1 H-NMR δ (CDCl3, 500MHz); 3.77 (3H, s), 3.78 (3H,
s), 4.84 (1H, brs), 4.89 (1H, m), 5.20 (1H, dd, J
=15.2および 8.5Hz), 5.30 (1H, dd, J=15.2および 8.6
Hz), 5.36 (1H, m), 5.67 (1H, m)
【0029】(22E,24S)−26,27−ジメチ
レン−1α,3β−ビス(メトキシカルボニルオキシ)
−25−トリエチルシロキシエルゴスタ−5,7,22
−トリエン 8b8aの場合と同様にして、7b
(1.0g,2.61mmol)を転換して803mg
から67.4%)の8bを白色固体として得た。1 H-NMR δ (CDCl3, 500MHz); 3.77 (3H, s), 3.79 (3H,
s), 4.84 (1H, brs), 4.90 (1H, m), 5.21 (1H, dd, J
=15.3および 8.3Hz), 5.30 (1H, dd, J=15.3および 8.4
Hz), 5.37 (1H, m), 5.68 (1H, m)
【0030】(22E,24R)−26,27−ジメチ
レン−1α−メトキシカルボニルオキシエルゴスタ−
5,7,22−トリエン−3β,25−ジオール 10
。テトラヒドロフラン(12ml)中の8a(597
mg,0.871mmol)の溶液へテトラヒドロフラ
ン(4.4ml)中のフッ化テトラブチルアンモニウム
の1M溶液を添加し、混合物を室温で一晩かきまぜた。
混合物を冷食塩水中に注ぎこみ、酢酸エチルで抽出し
た。統合した有機層を炭酸水素ナトリウム溶液と食塩水
で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。ろ過と濃縮に
より0.78gの残留物を得た。その残留物へメタノー
ル(50ml)と炭酸カリウム(0.5g)を添加し、
混合物を冷却室(8℃)で一晩かきまぜた。混合物を冷
却した食塩水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。統合し
た有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し
た。ろ過と濃縮により1.54gの残留物を得て、その
残留物をカラムクロマトグラフイー(シリカゲル30
g,n−ヘキサン中酢酸エチル、20〜80%)による
精製で313mg(70.1%)の10aを白色固体と
して得た。1 H-NMR δ (CDCl3, 500MHz); 0.62 (3H, s), 1.00 (3H,
s), 1.02 (3H, d,J=6.7Hz), 1.03 (3H, d, J=6.2Hz),
3.78 (3H, s), 3.99 (1H, br), 4.82(1H, br s), 5.33
(2H, m), 5.36 (1H, m), 5.66 (1H, m)
【0031】(22E,24S)−26,27−ジメチ
レン−1α−メトキシカルボニルオキシエルゴスタ−
5,7,22−トリエン−3β,25−ジオール 10
10aの場合と同様にして、8b(588mg,
0.858mmol)を転換して302mg(68.7
%)の10bを白色固体として得た。1 H-NMR δ (CDCl3, 500MHz); 0.63 (3H, s), 1.01 (3H,
s), 1.03 (3H, d,J=6.8Hz), 1.04 (3H, d, J=6.SHz),
3.78 (3H, s), 4.00 (1H, m), 4.82(1H, br s), 5.34
(1H, dd, J=15.4および 8.2Hz), 5.37 (1H, m), 5.40
(1H,dd, J=15.4および 7.4Hz), 5.67 (1H, m)
【0032】(5Z,7E,22E,24R)−26,
27−ジメチレン−9,10−セコエルゴスタ−5,
7,10(19),22−テトラエン−1α,3β,2
5−トリオール 11a。かきまぜ、冷却したジエチル
エーテル(100ml)とベンゼン(20ml)の混合
物中の10a(103mg,0.201mmol)の溶
液を窒素気下で中圧水銀灯で30分間照射した。混合物
を減圧濃縮し、残留物をベンゼンに溶解し、アルミニウ
ムフォイルのふたをして窒素下室温で15日間放置し
た。混合物を減圧濃縮し、残留物をメタノール(5m
l)中の1%水酸化リチウム水和物溶液で窒素下室温で
1時間処理した。混合物を冷却水の中へ注ぎ、酢酸エチ
ルで抽出した。統合した有機層を食塩水で洗浄し、硫酸
ナトリウム上で乾燥した。ろ過と減圧濃縮により油物質
を得て、それをカラムクロマトグラフイー(シリカゲル
10g,n−ヘキサン中酢酸エチル、33〜80%)に
よる精製で37.6mg(36.5%)の10aと2
7.4mg(30.0%,回収した10aに対し47.
2%)の11bを白色固体として得た。
【0033】UV (エタノール);λmax 266nm, λmin
228nm, MS(EI) m/z 454 (M+), 436(M+-H2O), 418 (M+-
2H2O), 400 (M+-3H2O), 370 (M++1-C5H9O), 352 (M++1-
C5H9O-H2O), 334 (M++1-C5H9O-2H2O), 285 (M++1-C9H12
O2-H2O), 269(M+--C11H19O2-H2O), 152 (C9H12O2), 85
(ベースピーク), C5H9O) HRMS m/z; 測定値 454.3434, C30H46O3として計算値 45
4.3447。1 H-NMRδ (CDCl3, 500MHz); 0.55 (3H, s), 1.01 (3H,
d, J=6.9Hz),1.02 (3H, d, J=6.4Hz), 4.23 (1H, br
s), 4.43 (1H, m), 4.99 (1H, s),5.36-5.42 (3H), 6.0
1 (1H, d, J=11.3Hz), 6.38 (1H, d, J=11.3Hz) HPLC TR (min); 12.0
【0034】(5Z,7E,22E,24S)−26,
27−ジメチレン−9,10−セコエルゴスタ−5,
7,10(19),22−テトラエン−1α,3β,2
5−トリオール 11b11aの場合と同様にして、
10(100mg,0.195mmol)を転換して
白色固体として23.5mg(26.5%,回収した
0bに対し55.4%)の10bと52.2mg(5
2.2%)の10bを回収した。
【0035】UV(エタノール); λmax 266nm, λmi
n 228nm, MS(EI) m/z; 454 (M+),436 (M+-H2O), 418
(M+-2H2O), 352 (M++1-C5H2O-H2O), 334 (M++1-C5H9O-2
H2O), 285 (M++1-C9H12O2-H2O), 269 (M+-C11H19O-H
2O), 152 (C9H12O2),85(ベースピーク, C5H9O) HRMS m/z; 測定値 454.3472, C30H46O3 として計算値 4
54.3447。1 H-NMRδ (CDCl3, 500MHz); 0.56 (3H, s), 1.03 (6H,
d, J=7.0Hz), 4.23(1H, br s), 4.43 (1H, m), 5.00 (1
H, s), 5.32 (1H,s), 5.35 (1H, dd, J=15.4および 7.6
Hz), 5.38 (1H, dd, J=15.4 および6.8Hz), 6.01 (1H,
d, J=11.3Hz), 6.38 (1H, d, J=11.3Hz) HPLC TR (min); 12.1
【0036】26,27−ジメチレン−1α,25−ジ
ヒドロキシビタミンD2 (化合物11b)及びそのエピ
マー(化合物11a)の生物活性
【0037】例2 カルセミック活性 ホルツマン社 (Holtzman Company) から入手した乳離れ
したオスのラットに低カルシウム(0.02%),0.
3%リン、ビタミンD欠乏餌を3週間与えた。この時以
後動物はひどい低カルセミック (hypovalcemic) 症にな
った。動物たちはアルゼット (Alzet)ミニポンプにより
5%エタノール、95%プロピレングリコール中に溶解
した表1に示す投与量を含有する液を一日約13ml注
入された。7日後動物たちは殺され、その十二指腸がひ
っくりかえし腸サック法(マーチン・デルーカ (Martin
& DeLuca)1967)による腸内カルシウム移送及び血
清カルシウム(骨カルシウム移動)の測定に用いられ
た。試験は1,25−ジヒドロキシビタミンD3 に対し
て行われ、表1にそれを記録した。
【0038】
【表1】
【0039】この結果はジメチレン−1,25−ジヒド
ロキシ−ビタミンD2 及びジメチレン−24−エピ−
1,25−ジヒドロキシ−ビタミンD2 がともに骨から
のカルシウム移動及び腸内カルシウム移送において1,
25−ジヒドロキシ−ビタミンD3 よりも低活性である
ことを示している。しかしながら、両方の26,27−
ジメチレン−D2 化合物はともに高度に重要な腸内カル
シウム移送活性をもっている。骨カルシウム移動活性の
程度は1,25−ジヒドロキシビタミンD3 よりも相当
低く、24−エピ化合物の場合、その点に関しかなり低
活性である。それゆえ、これらの化合物は腸内カルシウ
ム移送に優位の活性と骨のカルシウム移送での低活性を
示すことによって骨粗しょう症、骨軟化症及び腎性骨異
栄養症のような骨の欠乏が主要問題となる疾病に有用と
なることを示唆している。
【0040】例3 HL−60細胞における分化活性の
測定 HL−60細胞(ヒトの白血病細胞)における分化の測
定をデルーカ (DeLuca) らの米国特許第4,717,7
21号に記載の一般的な操作に準じて行った。表2に示
すように、分化の程度は標準検定法、すなわち、NBT
還元により検定し、種々の濃度のビタミンD化合物での
処置に応じて得られた分化した細胞のパーセントで表わ
した。
【0041】
【表2】
【0042】この検定の結果は表2に示す。これから明
らかなように、新規な類似体(化合物11a及び11
b)は培養中のHL−60細胞の分化を生じさせること
で1,25−(OH)23 自体とほぼ同等である。
【0043】図1に示す結果はこれらの化合物をヒトの
HL−60細胞の培養物に添加した時のその単核細胞へ
の分化を表わし、1α,25−ジヒドロキシビタミンD
3 とほぼ同じ活性を示している。図2は26,27−ジ
メチレン−1,25−ジヒドロキシビタミンD2 とその
24−エピマーがともに1,25−(OH)2 Dブタ腸
内核レセプターへの結合において1,25−(OH)2
3 の活性と少なくとも同じであることを示す。
【0044】これらの化合物が分化、レセプター結合に
おいて1,25−(OH)23 と少なくとも同じ活性
で、かつ腸内カルシウム移送においてほぼ同じである
が、骨のカルシウム移動での活性が非常に低いので、骨
の形成が望まれる疾病の治療には理想的であると考えら
れる。治療目的には本発明の新規な化合物はこの技術分
野で公知の方法に準じ、通常、無害の溶媒での溶液とし
て、適当な溶媒または担体での乳剤、懸濁液または分散
液として、または固体担体とともの丸薬、錠剤、カプセ
ルとして製薬用途に調合することができる。これらのど
の調合においても薬学的に許容される無毒の賦形剤、例
えば、安定剤、酸化防止剤、結合剤、着色剤、乳化剤ま
たは調味剤などを含有することができる。
【0045】これらの化合物は経口的、非経口的または
皮膚経由的に投与することができる。化合物は適当な無
菌溶液での注射または静脈注射、消化管を経る液体また
は固体品として、またはクリーム、軟膏、膏薬または皮
膚経由外用薬として適当なベヒクルとして有利に投与さ
れる。治療用として化合物の1日あたり0.5から50
μgの用量が適切であり、この用量はこの技術分野でよ
く理解されているように治療すべき疾病、その病状、対
応性に応じて調整される。この新化合物は作用特異性を
示すから、カルシウム移送刺激のみが望まれる時には単
独で、あるいはある程度の骨のミネラル移動が(カルシ
ウム移送刺激とともに)有利であるとわかった場合には
他の活性なビタミンD化合物、例えば、1α−ヒドロキ
シビタミンD2 またはD3 、または1α,25−ジヒド
ロキシビタミンD3 の適した用量とともによ投与するこ
とができる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、骨からのカルシウム移
動において1,25−ジヒドロキシ−ビタミンD3 より
も低活性で腸内カルシウム移送に優位な活性をもってい
る化合物が得られ、骨粗しょう症、骨軟化症及び腎性骨
異栄養症のような骨の欠乏が主要問題となる疾病の治療
に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】26,27−ジメチレン−1α,25−ジヒド
ロキシビタミンD2 、その24−エピマー及び1α,2
5−ジヒドロキシビタミンD3 の濃度とHL−60細胞
分化%の関係を示すグラフである。
【図2】26,27−ジメチレン−1α,25−ジヒド
ロキシビタミンD2 、その24−エピマー及び1α,2
5−ジヒドロキシビタミンD3 の1,25−ジヒドロキ
シビタミンDブタ腸内核レセプターとの結合活性の比較
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 直 アメリカ合衆国 53705 ウイスコンシ ン マデイソン シエボイガン アベニ ユー 4715 #223 (56)参考文献 特表 平3−501259(JP,A) 国際公開91/3246(WO,A1) 有機合成化学 第48巻第12号(1990) 第1082−1091頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 401/00 A61K 31/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I)で表される化合物。 【化1】 (式中、R及びRは水素原子またはメチル基を表わ
    す。ただしRが水素原子である時Rが水素原子であ
    ることはなく、Rがメチル基である時Rがメチル基
    であることはない。)
  2. 【請求項2】 26,27−ジメチレン−1α,25−
    ジヒドロキシビタミンD
  3. 【請求項3】 26,27−ジメチレン−24−エピ−
    1α,25−ジヒドロキシビタミンD
  4. 【請求項4】 下記の一般式(I)で表される化合物を
    含んでなることを特徴とする骨のマスを維持または増加
    するための骨の代謝の疾病治療用薬学的組成物。 【化2】 (式中、R及びRは水素原子またはメチル基を表わ
    す。ただしRが水素原子である時Rが水素原子であ
    ることはなく、Rがメチル基である時Rがメチル基
    であることはない。)
  5. 【請求項5】 疾病が骨粗しょう症、骨軟化症又は腎
    性骨異栄養症である請求項4記載の薬学的組成物
  6. 【請求項6】 経口投与、非経口的投与又は皮膚経由的
    投与用の投与形である請求項4記載の薬学的組成物
  7. 【請求項7】 請求項4記載の一般式(I)で表される
    化合物を一日あたりの用量0.5μgから50μgの範
    囲で含む請求項4記載の薬学的組成物。
  8. 【請求項8】 約0.5μgから約50μgの量の請求
    項4記載の一般式(I)で表される26,27−ジメチ
    レン−1α,25−ジヒドロキシビタミンD2を含有す
    る請求項4記載の薬学的組成物。
  9. 【請求項9】 約0.5μgから約50μgの量の請求
    項4記載の一般式(I)で表される26,27−ジメチ
    レン−24−エピ−1α,25−ジヒドロキシビタミン
    2を含有する請求項4記載の薬学的組成物。
  10. 【請求項10】 下記の一般式(II)で表される化合
    物。 【化3】 (式中、R及びRは水素原子またはメチル基を表わ
    す。ただしRが水素原子である時Rが水素原子であ
    ることはなく、Rがメチル基である時Rがメチル基
    であることはない。R、R及びRは水素原子また
    はヒドロキシ保護基を表わす。)
  11. 【請求項11】 R及びRがともに水素原子であ
    り、Rがヒドロキシ保護基である請求項10記載の化
    合物。
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