JP3195051B2 - エンジンのバルブタイミング制御装置 - Google Patents
エンジンのバルブタイミング制御装置Info
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- JP3195051B2 JP3195051B2 JP16053492A JP16053492A JP3195051B2 JP 3195051 B2 JP3195051 B2 JP 3195051B2 JP 16053492 A JP16053492 A JP 16053492A JP 16053492 A JP16053492 A JP 16053492A JP 3195051 B2 JP3195051 B2 JP 3195051B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エンジンの吸気弁又
は排気弁の開閉タイミングを可変制御するようにしたバ
ルブタイミング制御装置に関する。
は排気弁の開閉タイミングを可変制御するようにしたバ
ルブタイミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のバルブタイミング制
御装置として、例えば特開平2―221616号公報に
示されるように、エンジンのカムシャフトの端部に、エ
ンジン出力軸に駆動連結されるカムプーリ(タイミング
プーリ)をヘリカルスプラインを有する油圧シリンダの
ピストンを介して相対回転可能に取り付け、油圧シリン
ダの作動によりピストンをヘリカルスプラインに沿って
移動させてカムプーリとカムシャフトとの回転位相差を
変更するようにしたものは知られている。
御装置として、例えば特開平2―221616号公報に
示されるように、エンジンのカムシャフトの端部に、エ
ンジン出力軸に駆動連結されるカムプーリ(タイミング
プーリ)をヘリカルスプラインを有する油圧シリンダの
ピストンを介して相対回転可能に取り付け、油圧シリン
ダの作動によりピストンをヘリカルスプラインに沿って
移動させてカムプーリとカムシャフトとの回転位相差を
変更するようにしたものは知られている。
【0003】一方、このような油圧式のものとは異な
り、ヘリカル溝を有するハブをカムシャフト側に駆動連
結する一方、カムプーリ側にヘリカル溝を有するヘリカ
ルギヤを駆動連結し、ハブ及びヘリカルギヤのヘリカル
溝にそれぞれ係合するアドバンシングプレートを設ける
とともに、このアドバンシングプレートに螺合されるド
ラムを設け、電磁コイルによりドラムを制動し、アドバ
ンシングプレートをドラムに対し螺進させてハブ及びヘ
リカルギヤのヘリカル溝間の係合位置を変えることによ
り、カムプーリとカムシャフトとの回転位相差を変更す
るようにした電動式のものも知られている。そして、こ
の電動式のものは、アドバンシングプレートを螺進させ
てハブ及びヘリカルギヤのヘリカル溝間の係合位置を変
えるので、アドバンシングプレートをヘリカル溝の中間
位置に位置付けることで、上記油圧式のものに比べバル
ブタイミングを緻密に制御できるという利点がある。
り、ヘリカル溝を有するハブをカムシャフト側に駆動連
結する一方、カムプーリ側にヘリカル溝を有するヘリカ
ルギヤを駆動連結し、ハブ及びヘリカルギヤのヘリカル
溝にそれぞれ係合するアドバンシングプレートを設ける
とともに、このアドバンシングプレートに螺合されるド
ラムを設け、電磁コイルによりドラムを制動し、アドバ
ンシングプレートをドラムに対し螺進させてハブ及びヘ
リカルギヤのヘリカル溝間の係合位置を変えることによ
り、カムプーリとカムシャフトとの回転位相差を変更す
るようにした電動式のものも知られている。そして、こ
の電動式のものは、アドバンシングプレートを螺進させ
てハブ及びヘリカルギヤのヘリカル溝間の係合位置を変
えるので、アドバンシングプレートをヘリカル溝の中間
位置に位置付けることで、上記油圧式のものに比べバル
ブタイミングを緻密に制御できるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記2つの
従来例では、ヘリカルスプラインでのピストンの軸方向
の移動、或いはアドバンシングプレートのヘリカル溝で
の軸方向の移動によりカムプーリとカムシャフトとの回
転位相を変えているので、位相角を大きくするには、ピ
ストンやアドバンシングプレートの移動量を大きくする
必要があり、その分、ヘリカル部分の軸方向長さが長く
なって装置の大形化を招くという問題がある。また逆
に、スペースの制約上、上記ヘリカル部分の軸方向長さ
を大きくとれない場合には、位相角が小さくなり、バル
ブタイミングの制御幅が制限されることとなる。
従来例では、ヘリカルスプラインでのピストンの軸方向
の移動、或いはアドバンシングプレートのヘリカル溝で
の軸方向の移動によりカムプーリとカムシャフトとの回
転位相を変えているので、位相角を大きくするには、ピ
ストンやアドバンシングプレートの移動量を大きくする
必要があり、その分、ヘリカル部分の軸方向長さが長く
なって装置の大形化を招くという問題がある。また逆
に、スペースの制約上、上記ヘリカル部分の軸方向長さ
を大きくとれない場合には、位相角が小さくなり、バル
ブタイミングの制御幅が制限されることとなる。
【0005】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、上記油圧式及び電動式のバルブタ
イミング制御装置を旨く組み合わせることで、電動式の
ものの持つバルブタイミングの緻密な制御を活かしつ
つ、装置の小形化と大きな位相角によるバルブタイミン
グ制御幅の拡大化とを両立させることにある。
であり、その目的は、上記油圧式及び電動式のバルブタ
イミング制御装置を旨く組み合わせることで、電動式の
ものの持つバルブタイミングの緻密な制御を活かしつ
つ、装置の小形化と大きな位相角によるバルブタイミン
グ制御幅の拡大化とを両立させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1の発明では、油圧式及び電動式のものをカ
ムプーリとカムシャフトとの間の伝動経路で直列になる
ようにカムシャフトの周りに半径方向に並べて配置する
こととした。
に、請求項1の発明では、油圧式及び電動式のものをカ
ムプーリとカムシャフトとの間の伝動経路で直列になる
ようにカムシャフトの周りに半径方向に並べて配置する
こととした。
【0007】すなわち、この発明では、エンジンのカム
シャフトのカムプーリとの回転位相差を変えて吸気弁又
は排気弁の開閉タイミングを制御するようにしたエンジ
ンのバルブタイミング制御装置において、油圧アクチュ
エータによりカムシャフトのカムプーリとの位相差を変
える第1位相制御手段と、電動アクチュエータによりカ
ムシャフトのカムプーリとの位相差を変える第2位相制
御手段とを設ける。
シャフトのカムプーリとの回転位相差を変えて吸気弁又
は排気弁の開閉タイミングを制御するようにしたエンジ
ンのバルブタイミング制御装置において、油圧アクチュ
エータによりカムシャフトのカムプーリとの位相差を変
える第1位相制御手段と、電動アクチュエータによりカ
ムシャフトのカムプーリとの位相差を変える第2位相制
御手段とを設ける。
【0008】そして、これら両位相制御手段は、上記カ
ムプーリの内周側に位置して上記カ ムシャフトの端部を
取り囲むようにカムシャフトと同心状に配置された円筒
箱状のケーシング内において、カムシャフトと直交する
面上にカムシャフトの軸方向に近接して設けられ、かつ
両位相制御手段の作動によるカムシャフト及びカムプー
リ間の回転位相方向が同じ方向となるようにカムプーリ
とカムシャフトとの間の伝動経路に直列に配置されてい
るとともに、カムシャフト及びカムプーリ間の回転位相
方向が上記両位相制御手段の作動による回転位相方向と
反対の回転位相方向になるように付勢する付勢手段を備
えていることを特徴として請求項2の発明では、上記第
2位相制御手段はカムシャフトの周上に配置されている
一方、第1位相制御手段は上記第2位相制御手段よりも
カムシャフト端部側でかつカムシャフト端部の外側に配
置され、第2位相制御手段の電動アクチュエータは、カ
ムシャフトと同心状に配置された電磁コイルを備え、第
1位相制御手段の油圧アクチュエータは、カムシャフト
の径方向において上記電磁コイルの位置よりも外側に配
置されたピストン部を備えている構成とする。
ムプーリの内周側に位置して上記カ ムシャフトの端部を
取り囲むようにカムシャフトと同心状に配置された円筒
箱状のケーシング内において、カムシャフトと直交する
面上にカムシャフトの軸方向に近接して設けられ、かつ
両位相制御手段の作動によるカムシャフト及びカムプー
リ間の回転位相方向が同じ方向となるようにカムプーリ
とカムシャフトとの間の伝動経路に直列に配置されてい
るとともに、カムシャフト及びカムプーリ間の回転位相
方向が上記両位相制御手段の作動による回転位相方向と
反対の回転位相方向になるように付勢する付勢手段を備
えていることを特徴として請求項2の発明では、上記第
2位相制御手段はカムシャフトの周上に配置されている
一方、第1位相制御手段は上記第2位相制御手段よりも
カムシャフト端部側でかつカムシャフト端部の外側に配
置され、第2位相制御手段の電動アクチュエータは、カ
ムシャフトと同心状に配置された電磁コイルを備え、第
1位相制御手段の油圧アクチュエータは、カムシャフト
の径方向において上記電磁コイルの位置よりも外側に配
置されたピストン部を備えている構成とする。
【0009】請求項3の発明では、第2位相制御手段
は、エンジン回転数に応じて第1位相制御手段に優先し
て作動させるようにした。すなわち、この発明では、エ
ンジンの低回転域では第2位相制御手段のみを作動さ
せ、エンジンの高回転域では第1及び第2位相制御手段
を作動させるように構成する。
は、エンジン回転数に応じて第1位相制御手段に優先し
て作動させるようにした。すなわち、この発明では、エ
ンジンの低回転域では第2位相制御手段のみを作動さ
せ、エンジンの高回転域では第1及び第2位相制御手段
を作動させるように構成する。
【0010】
【作用】上記の構成により、請求項1の発明では、油圧
アクチュエータを備えた第1位相制御手段と電動アクチ
ュエータを備えた第2位相制御手段とが、カムプーリの
内周側においてカムシャフト端部を取り囲むようにカム
シャフトと同心状に配置された円筒箱状のケーシング内
に、カムシャフトと直交する面上にカムシャフトの軸方
向に近接して設けられ、これら両位相制御手段は各々の
作動によるカムシャフト及びカムプーリ間の回転位相方
向が同じ方向となるようにカムプーリとカムシャフトと
の間の伝動経路に直列に配置されているので、両位相制
御手段を付勢手段による回転位相方向への付勢に抗して
カムシャフト及びカムプーリ間の回転位相方向が同じ方
向となるように同時に制御することで、各位相制御手段
の最大位相角を大きく設定することなく、全体として大
きな位相角を得ることができる。このようにカムプーリ
とカムシャフトとの間に直列に配置された2つの位相制
御手段による位相角を加え合わせて大きな位相角を形成
するので、各位相制御手段での軸方向の長さは短くて済
み、装置の収容スペースを小さくすることができる。
アクチュエータを備えた第1位相制御手段と電動アクチ
ュエータを備えた第2位相制御手段とが、カムプーリの
内周側においてカムシャフト端部を取り囲むようにカム
シャフトと同心状に配置された円筒箱状のケーシング内
に、カムシャフトと直交する面上にカムシャフトの軸方
向に近接して設けられ、これら両位相制御手段は各々の
作動によるカムシャフト及びカムプーリ間の回転位相方
向が同じ方向となるようにカムプーリとカムシャフトと
の間の伝動経路に直列に配置されているので、両位相制
御手段を付勢手段による回転位相方向への付勢に抗して
カムシャフト及びカムプーリ間の回転位相方向が同じ方
向となるように同時に制御することで、各位相制御手段
の最大位相角を大きく設定することなく、全体として大
きな位相角を得ることができる。このようにカムプーリ
とカムシャフトとの間に直列に配置された2つの位相制
御手段による位相角を加え合わせて大きな位相角を形成
するので、各位相制御手段での軸方向の長さは短くて済
み、装置の収容スペースを小さくすることができる。
【0011】請求項2の発明では、第1位相制御手段
は、カムシャフトの周上に配置されている第2位相制御
手段よりもカムシャフト端部側でかつカムシャフト端部
の外側に配置され、その油圧アクチュエータのピストン
部は、カムシャフトの径方向において第2位相制御手段
の電動アクチュエータにおける、カムシャフトと同心状
に位置する電磁コイルの位置よりも外側に配置されてい
るので、この油圧アクチュエータにおけるピストン部の
油圧受圧面積を大きく設定することができ、油圧がエン
ジン回転数に応じて増大するものである場合に、エンジ
ンの低回転域の低い油圧でも油圧アクチュエータを十分
に作動させることができる。
は、カムシャフトの周上に配置されている第2位相制御
手段よりもカムシャフト端部側でかつカムシャフト端部
の外側に配置され、その油圧アクチュエータのピストン
部は、カムシャフトの径方向において第2位相制御手段
の電動アクチュエータにおける、カムシャフトと同心状
に位置する電磁コイルの位置よりも外側に配置されてい
るので、この油圧アクチュエータにおけるピストン部の
油圧受圧面積を大きく設定することができ、油圧がエン
ジン回転数に応じて増大するものである場合に、エンジ
ンの低回転域の低い油圧でも油圧アクチュエータを十分
に作動させることができる。
【0012】請求項3の発明では、エンジンの低回転域
で、電動アクチュエータを持つ第2位相制御手段のみが
作動し、エンジンの高回転域では第2位相制御手段のみ
ならず油圧アクチュエータを持つ第1位相制御手段が作
動する。このため、上記のように油圧がエンジン回転数
に応じて増大する場合に、上記油圧アクチュエータは油
圧の低いエンジンの低回転域で非作動状態となり、該油
圧アクチュエータをエンジン低回転域で使用するときの
制限がなく、制御幅が拡大する。また、油圧の低い低回
転域で第2位相制御手段を作動させ、高回転域で油圧が
十分に高まったときに第1位相制御手段をも作動させる
ことで、制御の応答性を高めることができる。
で、電動アクチュエータを持つ第2位相制御手段のみが
作動し、エンジンの高回転域では第2位相制御手段のみ
ならず油圧アクチュエータを持つ第1位相制御手段が作
動する。このため、上記のように油圧がエンジン回転数
に応じて増大する場合に、上記油圧アクチュエータは油
圧の低いエンジンの低回転域で非作動状態となり、該油
圧アクチュエータをエンジン低回転域で使用するときの
制限がなく、制御幅が拡大する。また、油圧の低い低回
転域で第2位相制御手段を作動させ、高回転域で油圧が
十分に高まったときに第1位相制御手段をも作動させる
ことで、制御の応答性を高めることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の一実施例を示し、1はOHC式エ
ンジンで、このエンジン1はシリンダヘッド2に回転可
能に支持された吸気側又は排気側のカムシャフト3を有
し、図示しないが、このカムシャフト3には吸気弁又は
排気弁を押圧して開弁させるためのカムが形成されてい
る。カムシャフト3の前端(図で左端)にはカムプーリ
4(タイミングプーリ)がバルブタイミング制御装置5
を介して所定角度だけ相対回転可能に取り付けられてい
る。上記カムプーリ4はエンジン1の図外のクランク軸
上のタイミングプーリとの間にタイミングベルトが巻き
掛けられており、カムシャフト3をクランク軸の1/2
の回転数比で同期して回転させることで、吸気弁又は排
気弁を所定の開閉タイミングで開閉させるようになって
いる。
する。図1は本発明の一実施例を示し、1はOHC式エ
ンジンで、このエンジン1はシリンダヘッド2に回転可
能に支持された吸気側又は排気側のカムシャフト3を有
し、図示しないが、このカムシャフト3には吸気弁又は
排気弁を押圧して開弁させるためのカムが形成されてい
る。カムシャフト3の前端(図で左端)にはカムプーリ
4(タイミングプーリ)がバルブタイミング制御装置5
を介して所定角度だけ相対回転可能に取り付けられてい
る。上記カムプーリ4はエンジン1の図外のクランク軸
上のタイミングプーリとの間にタイミングベルトが巻き
掛けられており、カムシャフト3をクランク軸の1/2
の回転数比で同期して回転させることで、吸気弁又は排
気弁を所定の開閉タイミングで開閉させるようになって
いる。
【0014】上記バルブタイミング制御装置5は、クラ
ンク軸に連結されているカムプーリ4とカムシャフト3
との間の回転位相角を変えて吸気弁又は排気弁の開閉タ
イミングをエンジン回転数に応じて変化させるもので、
油圧作動式の第1位相制御機構6と電磁作動式の第2位
相制御機構30とを組み合わせてなる。上記第1位相制
御機構6はカムシャフト3から離れた半径方向外側に配
置されている一方、第2位相制御機構30はカムシャフ
ト3に近い半径方向内側に配置されていて、これら両位
相制御機構6,30は、カムシャフト3周囲でカムシャ
フト3と略直交する面上にカムシャフト3の軸方向に近
接してかつカムプーリ4とカムシャフト3との間の伝動
経路に直列に配置されている。
ンク軸に連結されているカムプーリ4とカムシャフト3
との間の回転位相角を変えて吸気弁又は排気弁の開閉タ
イミングをエンジン回転数に応じて変化させるもので、
油圧作動式の第1位相制御機構6と電磁作動式の第2位
相制御機構30とを組み合わせてなる。上記第1位相制
御機構6はカムシャフト3から離れた半径方向外側に配
置されている一方、第2位相制御機構30はカムシャフ
ト3に近い半径方向内側に配置されていて、これら両位
相制御機構6,30は、カムシャフト3周囲でカムシャ
フト3と略直交する面上にカムシャフト3の軸方向に近
接してかつカムプーリ4とカムシャフト3との間の伝動
経路に直列に配置されている。
【0015】すなわち、両位相制御機構6,30は、上
記カムプーリ4の内周側に位置してカムシャフト3の前
端部を取り囲むようにカムシャフト3と同心状に配置さ
れた円筒箱状のケーシング7内において、カムシャフト
3と直交する面上にカムシャフト3の軸方向に近接して
設けられている。このケーシング7はカムシャフト3前
端部を覆う有底円筒状の本体8と、この本体8底部にボ
ルト11,11,…を介して一体的に取り付けられ、本
体8底部中心の貫通孔8aをシールリング12により液
密状に閉塞する円板状のシール部9と、本体8の後側開
口を覆うように配置され、中心孔10aにカムシャフト
3が相対回転可能に貫通されている蓋部10とからな
り、上記本体8の後側内周面にはカムシャフト3の軸線
方向に向かって円周方向に変位する、第1位相制御機構
6におけるヘリカルスプライン13が形成されている。
また、本体8の周りには上記カムプーリ4が配置され、
このカムプーリ4のボス部4a内周と本体8及び蓋部1
0の各外周縁部は、ボス部4a外周と蓋部10の外周縁
部との間に本体8の外周縁部を挟んだ状態でボルト1
4,14,…により一体的に接合されている。
記カムプーリ4の内周側に位置してカムシャフト3の前
端部を取り囲むようにカムシャフト3と同心状に配置さ
れた円筒箱状のケーシング7内において、カムシャフト
3と直交する面上にカムシャフト3の軸方向に近接して
設けられている。このケーシング7はカムシャフト3前
端部を覆う有底円筒状の本体8と、この本体8底部にボ
ルト11,11,…を介して一体的に取り付けられ、本
体8底部中心の貫通孔8aをシールリング12により液
密状に閉塞する円板状のシール部9と、本体8の後側開
口を覆うように配置され、中心孔10aにカムシャフト
3が相対回転可能に貫通されている蓋部10とからな
り、上記本体8の後側内周面にはカムシャフト3の軸線
方向に向かって円周方向に変位する、第1位相制御機構
6におけるヘリカルスプライン13が形成されている。
また、本体8の周りには上記カムプーリ4が配置され、
このカムプーリ4のボス部4a内周と本体8及び蓋部1
0の各外周縁部は、ボス部4a外周と蓋部10の外周縁
部との間に本体8の外周縁部を挟んだ状態でボルト1
4,14,…により一体的に接合されている。
【0016】カムシャフト3の前端部にはカムシャフト
3と同心の中間スペーサ15がケーシング7における本
体8底壁と間隙をあけてボルト25により取り付けられ
ている。この中間スペーサ15はピン16により後述の
ハブ31と共にカムシャフト3と一体的に回転するもの
で、その外周縁とケーシング7における本体8側壁部と
の間には略リング状のヘリカルピストン17が中間スペ
ーサ15の外周及び本体8側壁部の内周をそれぞれシー
ルリング18,19によりシールされてカムシャフト3
の軸線方向に移動可能に配設され、このヘリカルピスト
ン17の後側外周部には上記ケーシング7のヘリカルス
プライン13に噛合する外周側ヘリカルスプライン20
が、また後側内周部には同様にカムシャフト3の軸線方
向に向かって円周方向に変位する内周側ヘリカルスプラ
イン21がそれぞれ形成されている。ヘリカルピストン
17は後側に開いた断面略U字状のもので、その内底部
と上記ケーシング7の蓋部10前面との間にはカムシャ
フト3と同心に配置したスプリング22(付勢手段)が
縮装されており、このスプリング22によりヘリカルピ
ストン17が前側に付勢されている。そして、上記中間
スペーサ15とケーシング7における本体8底壁との間
の間隙は上記ヘリカルピストン17を移動させるための
油圧室23とされ、このケーシング7の本体8及びシー
ル部9、中間スペーサ15並びにヘリカルピストン17
により油圧アクチュエータとしての油圧シリンダ24が
構成されている。上記油圧室23は、エンジン1の所定
部分に潤滑ないし冷却用のオイルを圧送するための図外
のオイルポンプにボルト25ないしカムシャフト3の各
々の中心部に連続して貫通形成したオイル通路26を介
して接続され、上記オイル通路26の途中にはソレノイ
ドバルブ(図示せず)が配設されており、ソレノイドバ
ルブの制御により油圧シリンダ24の油圧室23にオイ
ルを導入し、ヘリカルピストン17をスプリング22の
付勢力に抗して後方に移動させて、その外周側ヘリカル
スプライン20とケーシング7内周のヘリカルスプライ
ン13との噛合位置を変更することにより、第2位相制
御機構30を介してカムシャフト3とカムプーリ4との
位相差を変えるようにしている。
3と同心の中間スペーサ15がケーシング7における本
体8底壁と間隙をあけてボルト25により取り付けられ
ている。この中間スペーサ15はピン16により後述の
ハブ31と共にカムシャフト3と一体的に回転するもの
で、その外周縁とケーシング7における本体8側壁部と
の間には略リング状のヘリカルピストン17が中間スペ
ーサ15の外周及び本体8側壁部の内周をそれぞれシー
ルリング18,19によりシールされてカムシャフト3
の軸線方向に移動可能に配設され、このヘリカルピスト
ン17の後側外周部には上記ケーシング7のヘリカルス
プライン13に噛合する外周側ヘリカルスプライン20
が、また後側内周部には同様にカムシャフト3の軸線方
向に向かって円周方向に変位する内周側ヘリカルスプラ
イン21がそれぞれ形成されている。ヘリカルピストン
17は後側に開いた断面略U字状のもので、その内底部
と上記ケーシング7の蓋部10前面との間にはカムシャ
フト3と同心に配置したスプリング22(付勢手段)が
縮装されており、このスプリング22によりヘリカルピ
ストン17が前側に付勢されている。そして、上記中間
スペーサ15とケーシング7における本体8底壁との間
の間隙は上記ヘリカルピストン17を移動させるための
油圧室23とされ、このケーシング7の本体8及びシー
ル部9、中間スペーサ15並びにヘリカルピストン17
により油圧アクチュエータとしての油圧シリンダ24が
構成されている。上記油圧室23は、エンジン1の所定
部分に潤滑ないし冷却用のオイルを圧送するための図外
のオイルポンプにボルト25ないしカムシャフト3の各
々の中心部に連続して貫通形成したオイル通路26を介
して接続され、上記オイル通路26の途中にはソレノイ
ドバルブ(図示せず)が配設されており、ソレノイドバ
ルブの制御により油圧シリンダ24の油圧室23にオイ
ルを導入し、ヘリカルピストン17をスプリング22の
付勢力に抗して後方に移動させて、その外周側ヘリカル
スプライン20とケーシング7内周のヘリカルスプライ
ン13との噛合位置を変更することにより、第2位相制
御機構30を介してカムシャフト3とカムプーリ4との
位相差を変えるようにしている。
【0017】一方、第2位相制御機構30は、カムシャ
フト3の前端に上記中間スペーサ15との間に挟まれて
回転一体に取り付けられたハブ31を有し、このハブ3
1には、その円板部31a外周の複数箇所からカムシャ
フト3の軸線方向後側に向かって円周方向に斜めに延び
る複数(例えば3つ)の係合片31b,31b,…(1
つのみ図示する)が形成されている。この係合片31
b,31b,…の周りにはヘリカルギヤ32が同心に配
設され、このヘリカルギヤ32の外周には上記ヘリカル
ピストン17の内周側ヘリカルスプライン21に噛合す
るヘリカルスプライン33が形成されている。ヘリカル
ギヤ32の内周には軸方向に延びる縦溝34,34,…
(1つのみ図示する)が形成され、この各縦溝34には
リング状のアドバンシングプレート35がその外周の係
合突部35a,35a,…(1つのみ図示する)にて摺
動可能に係合されている。このアドバンシングプレート
35の外周には上記隣り合う係合突部35a,35a間
に凹部35bが形成され、この凹部35bは上記ハブ3
1の係合片31bに係合されており、カムプーリ4の回
転力をアドバンシングプレート35及びハブ31を介し
てカムシャフト3に伝達させるようになっている。
フト3の前端に上記中間スペーサ15との間に挟まれて
回転一体に取り付けられたハブ31を有し、このハブ3
1には、その円板部31a外周の複数箇所からカムシャ
フト3の軸線方向後側に向かって円周方向に斜めに延び
る複数(例えば3つ)の係合片31b,31b,…(1
つのみ図示する)が形成されている。この係合片31
b,31b,…の周りにはヘリカルギヤ32が同心に配
設され、このヘリカルギヤ32の外周には上記ヘリカル
ピストン17の内周側ヘリカルスプライン21に噛合す
るヘリカルスプライン33が形成されている。ヘリカル
ギヤ32の内周には軸方向に延びる縦溝34,34,…
(1つのみ図示する)が形成され、この各縦溝34には
リング状のアドバンシングプレート35がその外周の係
合突部35a,35a,…(1つのみ図示する)にて摺
動可能に係合されている。このアドバンシングプレート
35の外周には上記隣り合う係合突部35a,35a間
に凹部35bが形成され、この凹部35bは上記ハブ3
1の係合片31bに係合されており、カムプーリ4の回
転力をアドバンシングプレート35及びハブ31を介し
てカムシャフト3に伝達させるようになっている。
【0018】上記アドバンシングプレート35の内周は
カムシャフト3に相対回転可能に支持したドラム36外
周のねじ部36aに螺合されている。また、上記ドラム
36はその周りに配置した図外のスパイラルスプリング
(付勢手段)により一方向に回転付勢されている。ドラ
ム36の内側には電動アクチュエータとしての電磁コイ
ル37が配置され、この電磁コイル37はスペーサ38
により回転不能にシリンダヘッド2に取り付けられてい
る。電磁コイル37の前側には上記ドラム36に接触可
能な制動板39が配置されており、電磁コイル37への
通電により制動板39でドラム36を押圧して、該ドラ
ム36をスパイラルスプリングの付勢力に抗して他方向
に相対回転させ、このドラム36の相対回転によりアド
バンシングプレート35を軸方向に移動させて、そのハ
ブ31の係合片31bとの係合位置を変えることで、カ
ムプーリ4をヘリカルギヤ32を介してハブ31つまり
カムシャフト3と相対回転させて吸気弁又は排気弁の開
閉タイミングを変更するようになっている。
カムシャフト3に相対回転可能に支持したドラム36外
周のねじ部36aに螺合されている。また、上記ドラム
36はその周りに配置した図外のスパイラルスプリング
(付勢手段)により一方向に回転付勢されている。ドラ
ム36の内側には電動アクチュエータとしての電磁コイ
ル37が配置され、この電磁コイル37はスペーサ38
により回転不能にシリンダヘッド2に取り付けられてい
る。電磁コイル37の前側には上記ドラム36に接触可
能な制動板39が配置されており、電磁コイル37への
通電により制動板39でドラム36を押圧して、該ドラ
ム36をスパイラルスプリングの付勢力に抗して他方向
に相対回転させ、このドラム36の相対回転によりアド
バンシングプレート35を軸方向に移動させて、そのハ
ブ31の係合片31bとの係合位置を変えることで、カ
ムプーリ4をヘリカルギヤ32を介してハブ31つまり
カムシャフト3と相対回転させて吸気弁又は排気弁の開
閉タイミングを変更するようになっている。
【0019】そして、上記バルブタイミング制御装置5
における第2位相制御機構30は、エンジン回転数に応
じて第1位相制御機構6に優先して作動するように制御
され、エンジン1の低回転域では第2位相制御機構30
のみが作動し、エンジン1の高回転域では第1及び第2
位相制御機構6,30が作動するように構成されてい
る。また、第1及び第2位相制御機構6,30の作動に
よるカムシャフト3及びカムプーリ4間の回転位相方向
は互いに同じ方向で、スプリング22及びスパイラルス
プリング(付勢手段)は、カムシャフト3及びカムプー
リ4間の回転位相方向が上記両位相制御機構6,30の
作動による回転位相方向と反対の回転位相方向になるよ
うに付勢している。
における第2位相制御機構30は、エンジン回転数に応
じて第1位相制御機構6に優先して作動するように制御
され、エンジン1の低回転域では第2位相制御機構30
のみが作動し、エンジン1の高回転域では第1及び第2
位相制御機構6,30が作動するように構成されてい
る。また、第1及び第2位相制御機構6,30の作動に
よるカムシャフト3及びカムプーリ4間の回転位相方向
は互いに同じ方向で、スプリング22及びスパイラルス
プリング(付勢手段)は、カムシャフト3及びカムプー
リ4間の回転位相方向が上記両位相制御機構6,30の
作動による回転位相方向と反対の回転位相方向になるよ
うに付勢している。
【0020】したがって、上記実施例においては、エン
ジン1の運転中、クランク軸からカムプーリ4に伝達さ
れた動力は、該カムプーリ4からバルブタイミング制御
装置5のケーシング7、ヘリカルピストン17、ヘリカ
ルギヤ32、アドバンシングプレート35及びハブ31
を介してカムシャフト3に伝えられ、このことでカムシ
ャフト3がクランク軸の1/2の回転数比で同期して回
転駆動され、吸気弁又は排気弁が所定の開閉タイミング
で開閉される。そして、エンジン1の運転状態(エンジ
ン回転数)に応じて上記バルブタイミング制御装置5が
作動制御され、このバルブタイミング制御装置5の作動
により、クランク軸8と同期して回転するカムプーリ4
とカムシャフト3との間の位相角が変えられて吸気弁又
は排気弁の開閉タイミングが変更される。
ジン1の運転中、クランク軸からカムプーリ4に伝達さ
れた動力は、該カムプーリ4からバルブタイミング制御
装置5のケーシング7、ヘリカルピストン17、ヘリカ
ルギヤ32、アドバンシングプレート35及びハブ31
を介してカムシャフト3に伝えられ、このことでカムシ
ャフト3がクランク軸の1/2の回転数比で同期して回
転駆動され、吸気弁又は排気弁が所定の開閉タイミング
で開閉される。そして、エンジン1の運転状態(エンジ
ン回転数)に応じて上記バルブタイミング制御装置5が
作動制御され、このバルブタイミング制御装置5の作動
により、クランク軸8と同期して回転するカムプーリ4
とカムシャフト3との間の位相角が変えられて吸気弁又
は排気弁の開閉タイミングが変更される。
【0021】具体的には、例えば第2位相制御機構30
の電磁コイル37が非通電状態にあり、かつソレノイド
バルブが閉じていて第1位相制御機構6における油圧シ
リンダ24の油圧室23の油圧がない状態にあるときに
は、第2位相制御機構30のドラム36、アドバンシン
グプレート35及びヘリカルギヤ32はカムシャフト3
と一体的に回転しており、また油圧シリンダ24のヘリ
カルピストン17はスプリング22の付勢力により前端
位置に位置付けられている。
の電磁コイル37が非通電状態にあり、かつソレノイド
バルブが閉じていて第1位相制御機構6における油圧シ
リンダ24の油圧室23の油圧がない状態にあるときに
は、第2位相制御機構30のドラム36、アドバンシン
グプレート35及びヘリカルギヤ32はカムシャフト3
と一体的に回転しており、また油圧シリンダ24のヘリ
カルピストン17はスプリング22の付勢力により前端
位置に位置付けられている。
【0022】そして、バルブタイミングの可変制御を行
う場合、エンジン1の低回転域では第2位相制御機構3
0のみが作動し、その電磁コイル37が通電される。こ
の電磁コイル37への通電により制動板39がドラム3
6を押圧して、該ドラム36がスパイラルスプリングの
回転付勢力に抗してヘリカルギヤ32と相対回転し、こ
のドラム36の相対回転によりアドバンシングプレート
35が軸方向に螺進移動して、そのハブ31の係合片3
1bとの係合位置が変り、このことでヘリカルギヤ3
2、つまり該ヘリカルギヤ32にヘリカルピストン17
及びケーシング7を介して連結されているカムプーリ4
と、ハブ31つまりカムシャフト3との間に回転位相差
が生じ、このことで吸気弁又は排気弁の開閉タイミング
が変更される。そして、上記アドバンシングプレート3
5の移動位置を変更することで、バルブタイミングを細
かく緻密に制御することができる。
う場合、エンジン1の低回転域では第2位相制御機構3
0のみが作動し、その電磁コイル37が通電される。こ
の電磁コイル37への通電により制動板39がドラム3
6を押圧して、該ドラム36がスパイラルスプリングの
回転付勢力に抗してヘリカルギヤ32と相対回転し、こ
のドラム36の相対回転によりアドバンシングプレート
35が軸方向に螺進移動して、そのハブ31の係合片3
1bとの係合位置が変り、このことでヘリカルギヤ3
2、つまり該ヘリカルギヤ32にヘリカルピストン17
及びケーシング7を介して連結されているカムプーリ4
と、ハブ31つまりカムシャフト3との間に回転位相差
が生じ、このことで吸気弁又は排気弁の開閉タイミング
が変更される。そして、上記アドバンシングプレート3
5の移動位置を変更することで、バルブタイミングを細
かく緻密に制御することができる。
【0023】一方、エンジン1の高回転域では第2位相
制御機構30のみならず第1位相制御機構6も作動可能
となる。すなわち、この第1位相制御機構6の作動状態
においては、ソレノイドバルブが開いて油圧シリンダ2
4の油圧室23にオイルポンプからのオイルが供給さ
れ、このオイルによる油圧の上昇によりヘリカルピスト
ン17が後方に移動し、その内周側ヘリカルスプライン
21と上記ヘリカルギヤ32外周のヘリカルスプライン
33の噛合位置、及び外周側ヘリカルスプライン20と
ケーシング7内周のヘリカルスプライン13との噛合位
置がそれぞれ変わって、ヘリカルギヤ32、つまり該ヘ
リカルギヤ32にアドバンシングプレート35及びハブ
31を介して連結されているカムシャフト3と、ケーシ
ング7つまりカムプーリ4との間に回転位相差が生じ、
このことで吸気弁又は排気弁の開閉タイミングが変更さ
れる。
制御機構30のみならず第1位相制御機構6も作動可能
となる。すなわち、この第1位相制御機構6の作動状態
においては、ソレノイドバルブが開いて油圧シリンダ2
4の油圧室23にオイルポンプからのオイルが供給さ
れ、このオイルによる油圧の上昇によりヘリカルピスト
ン17が後方に移動し、その内周側ヘリカルスプライン
21と上記ヘリカルギヤ32外周のヘリカルスプライン
33の噛合位置、及び外周側ヘリカルスプライン20と
ケーシング7内周のヘリカルスプライン13との噛合位
置がそれぞれ変わって、ヘリカルギヤ32、つまり該ヘ
リカルギヤ32にアドバンシングプレート35及びハブ
31を介して連結されているカムシャフト3と、ケーシ
ング7つまりカムプーリ4との間に回転位相差が生じ、
このことで吸気弁又は排気弁の開閉タイミングが変更さ
れる。
【0024】このとき、上記第1及び第2位相制御機構
6,30は、カムプーリ4とカムシャフト3との間の伝
動経路で直列になるように配置されているので、両位相
制御機構6,30が同じ方向の回転位相に同時に制御さ
れると、各位相制御機構6,30の最大位相角を大きく
設定せずとも全体として大きな位相角を得ることができ
る。このように2つの位相制御機構6,30による位相
角を加え合わせて大きな位相角を形成することで、各位
相制御機構6,30での軸方向の長さは短くて済み、バ
ルブタイミング制御装置5の収容スペースを小さくする
ことができる。すなわち、上記電動式の第2位相制御機
構30の持つバルブタイミングの緻密な制御を活かし、
小形化によるスペース効率の向上及びバルブタイミング
制御幅の拡大化を両立させることができる。
6,30は、カムプーリ4とカムシャフト3との間の伝
動経路で直列になるように配置されているので、両位相
制御機構6,30が同じ方向の回転位相に同時に制御さ
れると、各位相制御機構6,30の最大位相角を大きく
設定せずとも全体として大きな位相角を得ることができ
る。このように2つの位相制御機構6,30による位相
角を加え合わせて大きな位相角を形成することで、各位
相制御機構6,30での軸方向の長さは短くて済み、バ
ルブタイミング制御装置5の収容スペースを小さくする
ことができる。すなわち、上記電動式の第2位相制御機
構30の持つバルブタイミングの緻密な制御を活かし、
小形化によるスペース効率の向上及びバルブタイミング
制御幅の拡大化を両立させることができる。
【0025】また、上記のようにエンジン1の低回転域
で第2位相制御機構30のみが作動し、エンジン1の高
回転域では第2位相制御機構30のみならず第1位相制
御機構6が作動するため、油圧シリンダ24の油圧室2
3に供給される油圧がエンジン回転数に応じて変化する
オイルポンプからのものであっても、油圧シリンダ24
は油圧の低いエンジン1の低回転域で非作動状態とな
り、該油圧シリンダ24をエンジン1の低回転域で使用
するときの制限がなく、制御幅が拡大する。
で第2位相制御機構30のみが作動し、エンジン1の高
回転域では第2位相制御機構30のみならず第1位相制
御機構6が作動するため、油圧シリンダ24の油圧室2
3に供給される油圧がエンジン回転数に応じて変化する
オイルポンプからのものであっても、油圧シリンダ24
は油圧の低いエンジン1の低回転域で非作動状態とな
り、該油圧シリンダ24をエンジン1の低回転域で使用
するときの制限がなく、制御幅が拡大する。
【0026】しかも、油圧の低い低回転域で第2位相制
御機構30を作動させ、高回転域で油圧が十分に高まっ
たときに第1位相制御機構6をも作動させることで、制
御の応答性を高めることができる。また、第1位相制御
機構6がカムシャフト3から離れた半径方向外側に配置
されているので、このカムシャフト3からの距離が大き
い分だけ、油圧シリンダ24におけるヘリカルピストン
17の油圧受圧面積を大きく設定でき、第2位相制御機
構30における電磁コイル37の電気負荷を低減させる
ことができる。
御機構30を作動させ、高回転域で油圧が十分に高まっ
たときに第1位相制御機構6をも作動させることで、制
御の応答性を高めることができる。また、第1位相制御
機構6がカムシャフト3から離れた半径方向外側に配置
されているので、このカムシャフト3からの距離が大き
い分だけ、油圧シリンダ24におけるヘリカルピストン
17の油圧受圧面積を大きく設定でき、第2位相制御機
構30における電磁コイル37の電気負荷を低減させる
ことができる。
【0027】尚、上記実施例では、エンジン1の低回転
域で第2位相制御機構30のみを作動させるようにして
いるが、油圧シリンダ24を持つ第1位相制御機構6を
作動させるようにしてもよい。そのとき、上記のように
第1位相制御機構6がカムシャフト3から離れた半径方
向外側に配置されていて、油圧シリンダ24におけるヘ
リカルピストン17の油圧受圧面積を大きく設定できる
ので、エンジン1の低回転域で油圧が低下していても、
油圧シリンダ24を十分に作動させることができ、エン
ジン1の低回転域で有利となる。
域で第2位相制御機構30のみを作動させるようにして
いるが、油圧シリンダ24を持つ第1位相制御機構6を
作動させるようにしてもよい。そのとき、上記のように
第1位相制御機構6がカムシャフト3から離れた半径方
向外側に配置されていて、油圧シリンダ24におけるヘ
リカルピストン17の油圧受圧面積を大きく設定できる
ので、エンジン1の低回転域で油圧が低下していても、
油圧シリンダ24を十分に作動させることができ、エン
ジン1の低回転域で有利となる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、エンジンのカムシャフトのカムプーリとの回転
位相差を変えて吸気弁又は排気弁の開閉タイミングを制
御するバルブタイミング制御装置として、油圧アクチュ
エータにより位相差を変える油圧式の位相制御手段と、
電動アクチュエータにより位相差を変える電動式の位相
制御手段とを、カムプーリの内周側にあってカムシャフ
ト端部を取り囲むようにカムシャフトと同心状に配置さ
れた円筒箱状のケーシング内において、カムシャフトと
直交する面上にカムシャフトの軸方向に近接して、かつ
両位相制御手段の作動によるカムシャフト及びカムプー
リ間の回転位相方向が同じ方向となるようにカムプーリ
とカムシャフトとの間の伝動経路に直列に配置したこと
により、各位相制御手段の最大位相角を大きく設定せ
ず、各々の軸方向の長さを短く保って装置の収容スペー
スを小さくしつつ、全体として大きな位相角を得ること
ができ、よって電動式の位相制御手段の持つバルブタイ
ミングの緻密な制御を活かし、小形化によるスペース効
率の向上及びバルブタイミング制御幅の拡大化を両立さ
せることができる。
よると、エンジンのカムシャフトのカムプーリとの回転
位相差を変えて吸気弁又は排気弁の開閉タイミングを制
御するバルブタイミング制御装置として、油圧アクチュ
エータにより位相差を変える油圧式の位相制御手段と、
電動アクチュエータにより位相差を変える電動式の位相
制御手段とを、カムプーリの内周側にあってカムシャフ
ト端部を取り囲むようにカムシャフトと同心状に配置さ
れた円筒箱状のケーシング内において、カムシャフトと
直交する面上にカムシャフトの軸方向に近接して、かつ
両位相制御手段の作動によるカムシャフト及びカムプー
リ間の回転位相方向が同じ方向となるようにカムプーリ
とカムシャフトとの間の伝動経路に直列に配置したこと
により、各位相制御手段の最大位相角を大きく設定せ
ず、各々の軸方向の長さを短く保って装置の収容スペー
スを小さくしつつ、全体として大きな位相角を得ること
ができ、よって電動式の位相制御手段の持つバルブタイ
ミングの緻密な制御を活かし、小形化によるスペース効
率の向上及びバルブタイミング制御幅の拡大化を両立さ
せることができる。
【0029】請求項2の発明によれば、油圧式の位相制
御手段を電動式の位相制御手段よりもカムシャフト端部
側でかつカムシャフト端部の外側に配置し、この油圧ア
クチュエータのピストン部を、電動式位相制御手段の電
動アクチュエータにおける、カムシャフトと同心状に配
置された電磁コイルの位置よりもカムシャフトの径方向
外側に配置したことにより、油圧式位相制御手段のカム
シャフトからの距離が大きい分だけ、その油圧アクチュ
エータにおけるピストン部の油圧受圧面積を大に設定し
て、エンジンの低回転域の低い油圧でも油圧アクチュエ
ータを十分に作動させることができ、エンジンの低回転
域で有利となる。
御手段を電動式の位相制御手段よりもカムシャフト端部
側でかつカムシャフト端部の外側に配置し、この油圧ア
クチュエータのピストン部を、電動式位相制御手段の電
動アクチュエータにおける、カムシャフトと同心状に配
置された電磁コイルの位置よりもカムシャフトの径方向
外側に配置したことにより、油圧式位相制御手段のカム
シャフトからの距離が大きい分だけ、その油圧アクチュ
エータにおけるピストン部の油圧受圧面積を大に設定し
て、エンジンの低回転域の低い油圧でも油圧アクチュエ
ータを十分に作動させることができ、エンジンの低回転
域で有利となる。
【0030】請求項3の発明によれば、エンジンの低回
転域では電動式の位相制御手段のみを作動させ、エンジ
ンの高回転域では電動式のみならず油圧式の位相制御手
段をも作動させるようにしたことにより、油圧式の位相
制御手段をエンジンの低回転域で使用するときの制限が
なく、制御幅を拡大できるとともに、制御のレスポンス
タイムを短くして応答性を高めることができる。
転域では電動式の位相制御手段のみを作動させ、エンジ
ンの高回転域では電動式のみならず油圧式の位相制御手
段をも作動させるようにしたことにより、油圧式の位相
制御手段をエンジンの低回転域で使用するときの制限が
なく、制御幅を拡大できるとともに、制御のレスポンス
タイムを短くして応答性を高めることができる。
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
1 エンジン 2 シリンダヘッド 3 カムシャフト 4 カムプーリ 5 バルブタイミング制御装置 6 第1位相制御機構(第1位相制御手段) 17 ヘリカルピストン22 スプリング(付勢手段) 24 油圧シリンダ(油圧アクチュエータ) 30 第2位相制御機構(第2位相制御手段) 31 ハブ 32 ヘリカルギヤ 35 アドバンシングプレート 36 ドラム 37 電磁コイル(電動アクチュエータ)
Claims (3)
- 【請求項1】 エンジンのカムシャフトのカムプーリと
の回転位相差を変えて吸気弁又は排気弁の開閉タイミン
グを制御するようにしたエンジンのバルブタイミング制
御装置において、 油圧アクチュエータによりカムシャフトのカムプーリと
の位相差を変える第1位相制御手段と、 電動アクチュエータによりカムシャフトのカムプーリと
の位相差を変える第2位相制御手段とを備え、 上記両位相制御手段は、上記カムプーリの内周側に位置
して上記カムシャフトの端部を取り囲むようにカムシャ
フトと同心状に配置された円筒箱状のケーシング内にお
いて、カムシャフトと直交する面上にカムシャフトの軸
方向に近接して設けられ、かつ両位相制御手段の作動に
よるカムシャフト及びカムプーリ間の回転位相方向が同
じ方向となるようにカムプーリとカムシャフトとの間の
伝動経路に直列に配置されているとともに、カムシャフ
ト及びカムプーリ間の回転位相方向が上記両位相制御手
段の作動による回転位相方向と反対の回転位相方向にな
るように付勢する付勢手段を備えていることを特徴とす
るエンジンのバルブタイミング制御装置。 - 【請求項2】 請求項1記載のエンジンのバルブタイミ
ング制御装置において、第2位相制御手段はカムシャフトの周上に配置されてい
る一方、 第1位相制御手段は、上記第2位相制御手段よりもカム
シャフト端部側でかつカムシャフト端部の外側に配置さ
れ、 第2位相制御手段の電動アクチュエータは、カムシャフ
トと同心状に配置された電磁コイルを備え、 第1位相制御手段の油圧アクチュエータは、カムシャフ
トの径方向において上記電磁コイルの位置よりも外側に
配置されたピストン部を備えている ことを特徴とするエ
ンジンのバルブタイミング制御装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のエンジンのバルブ
タイミング制御装置において、 エンジンの低回転域では第2位相制御手段のみを作動さ
せ、エンジンの高回転域では第1及び第2位相制御手段
を作動させるように構成されていることを特徴とするエ
ンジンのバルブタイミング制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16053492A JP3195051B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | エンジンのバルブタイミング制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16053492A JP3195051B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | エンジンのバルブタイミング制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH062512A JPH062512A (ja) | 1994-01-11 |
JP3195051B2 true JP3195051B2 (ja) | 2001-08-06 |
Family
ID=15717058
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16053492A Expired - Fee Related JP3195051B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | エンジンのバルブタイミング制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3195051B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4066967B2 (ja) * | 2004-03-03 | 2008-03-26 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関のバルブ特性変更装置 |
JPWO2020162016A1 (ja) * | 2019-02-06 | 2021-12-02 | 日立Astemo株式会社 | 内燃機関のバルブタイミング制御装置 |
-
1992
- 1992-06-19 JP JP16053492A patent/JP3195051B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH062512A (ja) | 1994-01-11 |
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