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JP3193004B2 - カートリッジ式繰り出し容器 - Google Patents

カートリッジ式繰り出し容器

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Publication number
JP3193004B2
JP3193004B2 JP21164898A JP21164898A JP3193004B2 JP 3193004 B2 JP3193004 B2 JP 3193004B2 JP 21164898 A JP21164898 A JP 21164898A JP 21164898 A JP21164898 A JP 21164898A JP 3193004 B2 JP3193004 B2 JP 3193004B2
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cartridge
guide member
liner
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container body
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仁一 谷
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Tokiwa Co Ltd
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Tokiwa Co Ltd
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Publication date
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  • Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)
  • Containers And Packaging Bodies Having A Special Means To Remove Contents (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カートリッジ式繰
り出し容器に関し、詳しくはアイライナー、アイブロ
ウ、リップライナー、アイシャドウなどの棒状化粧料を
これを保持する芯チャックに取り付け、この芯チャック
を先筒と称する筒体に組み込んでカートリッジに形成
し、このカートリッジをこれを取付ける容器本体から繰
り出すカートリッジ式繰り出し容器に関する。
【0002】
【従来の技術】カートリッジ式繰り出し容器はこれまで
いくつか提案されており、例えば、特開平7−4701
4号公報開示のカートリッジ式繰り出し容器が挙げられ
る。この公報記載のカートリッジ式繰り出し容器によれ
ば、容器本体とこの容器本体に組み入れたカートリッジ
とを相対回転することで、容器本体からカートリッジの
棒状化粧料の部分を繰り出すことができる。この繰り出
しは、前記相対回転によって、容器本体内に内蔵してあ
る押出棒が軸方向先端側に移動してカートリッジを押し
出すことでなす。
【0003】また、容器本体のうちカートリッジを入れ
る部分には、カートリッジ式繰り出し容器の使い勝手を
よくするための板バネを介在してある。
【0004】この板バネは、前記相対回転に、ある程度
の抵抗をもたらして前記相対回転を抑制するものであ
る。このため、カートリッジ式繰り出し容器にちょっと
した弾みで外力がかかっても、このことに起因して前記
相対回転が使用者の意に反して生じないので、カートリ
ッジが容器本体から勝手に出ないようにできる。しかも
板ばねの抵抗によってカートリッジの安定した繰出動作
を行える。また、前記相対回転をするにあたり、ある程
度の抵抗感があった方が手応えがある。そして、この手
応えは、化粧品の持つ高級感を高める上で必要である。
このように、容器本体とカートリッジとの相対回転で生
じる抵抗は、前記繰出動作を行うときに生じる抵抗であ
るから、これを作動抵抗ということにする。
【0005】さらに、板ばねの持つ弾撥力を利用して、
カートリッジを容器本体に嵌合するだけの簡単な所作で
カートリッジが容器本体から抜け出るのを防止してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようにこれまでの
技術では、板ばねに前記作動抵抗の確保を期待するばか
りか、カートリッジの抜け防止効果をも期待しているの
で、その形状は自ずと複雑になる。よって、板ばねの製
造、延いてはカートリッジ式繰り出し容器の製造が面倒
にならざるを得なかった。
【0007】一方、カートリッジの先筒や容器本体は、
通常射出成形によって製造するものである。よって、そ
の外周面には、微細ではあってもパーティングライン等
の筋やひけ等に起因して凹凸が生じる場合がある。筋や
凹凸があると、これらが板ばねにあたり、それが原因と
なって前記相対回転がスムーズに行かなくなる虞れがあ
る。
【0008】本発明は前記実情に鑑みなされたものであ
り、棒状化粧料を有するカートリッジと容器本体とを相
対回転することでカートリッジになっている棒状化粧料
の部分を容器本体から繰り出すカートリッジ式繰り出し
容器において、これまでの技術でカートリッジと容器本
体との相対回転に作動抵抗をもたらすために必要であっ
た板ばねを用いなくても、前記作動抵抗を確保するとと
もに、カートリッジの先筒や容器本体にパーティングラ
イン等の筋やひけ等に起因した凹凸が生じていても前記
相対回転を好適に行えるカートリッジ式繰り出し容器を
提供することを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、以下の手段を採用した。
【0010】すなわち、本発明のカートリッジ式繰り出
し容器は、先筒2に摺動自在に挿入する棒状塗布材を有
する芯チャック8を第1の弾性体7により前記先筒の反
先端側に付勢した状態で有するカートリッジ10と、こ
のカートリッジ10を相対回転可能に嵌合する容器本体
20と、この容器本体20に内蔵し前記相対回転に応じ
て前記容器本体20内を軸方向に移動することで前記芯
チャック8を前記第1の弾性体7の付勢力に抗して前記
先筒2の先端に向けて押圧する押し棒4と、を有するカ
ートリッジ式繰り出し容器1において、前記容器本体2
0の内部には、前記押し棒4を挿通した状態でこれを前
記軸方向に案内する案内部材54を有し、この案内部材
54には、前記容器本体20と前記カートリッジ10と
の嵌合部分に配する部材であって前記カートリッジ10
を前記容器本体20に嵌合すると前記カートリッジ10
の嵌合部分を包囲する合成樹脂製で円筒形をしたライナ
40と遊び状態で嵌合する遊嵌部60および非遊び状態
で嵌合する非遊嵌部62を形成し、前記非遊嵌部62を
介した前記案内部材54の前記ライナ40との嵌合は、
前記容器本体20への前記カートリッジ10の組み込み
によって為すとともに、前記案内部材54の前記遊嵌部
60を介した前記ライナ40との嵌合は、前記容器本体
20からの前記カートリッジ10の取り外しによって為
し、前記案内部材54はこれを軸方向に付勢する第2の
弾性体52を有し、この第2の弾性体52による付勢力
は、前記非遊嵌部62を介して前記案内部材54が前記
ライナ40と嵌合する場合に前記カートリッジ10に作
用してこれを前記軸方向先端側へ押しやり、このときの
付勢力を前記ライナ40を介して前記容器本体20と前
記カートリッジ10との間で生じる摩擦力とすることを
特徴とする。
【0011】ここで、 (1)先筒は貫通穴を有するものであり、この貫通穴の
断面形状は、通常は円形であるが、これに限らず芯チャ
ックの断面形状に合わせて楕円形でも六角形その他の多
角形でもよい。また、この貫通穴の先端側を棒状化粧料
等、棒状の塗布材と同一の断面形状に形成することが好
ましい。先筒の外周面の断面形状も円形、楕円形、多角
形など適宜の形状を採用することができ、さらに先筒全
体が先細りになるようにしてもよい。そして、先筒の後
部を小径円筒部とし、この小径円筒部の外周面にはリン
グ状に形成した段部を設けることが好ましい。先筒の段
部に限らずリング状に形成した段部のことを、以下、特
に断らない限り「周段部」という。また、先筒の貫通穴
の後端は、貫通穴に芯チャックを入れた後で尾栓が嵌め
られる。この尾栓は貫通しており、そこに押し棒が貫通
するようになっていることが好ましい。
【0012】(2)芯チャックは、前記先筒の貫通穴に
摺動自在に挿通され、かつ先端に棒状塗布材を保持し、
これを押し棒によって押して先筒の貫通穴から繰り出
す。芯チャックに含まれる第1の弾性体は、引張スプリ
ングであることが望ましい。
【0013】(3)容器本体は、カートリッジを構成す
る先筒の小径円筒部を嵌合できるように先端が開口しか
つ中空な棒体であって、その内部に軸方向に移動する押
し棒を組み込んだものである。なお、以後「軸方向」と
いえば、特に断らない限り容器本体の長手方向に沿った
方向のことを意味する。容器本体の先端とは、容器本体
の両端のうちカートリッジを組み込む側の端をいう。よ
って容器本体の反先端側である後端とは、容器本体の両
端のうちの他方の端をいう。また、先筒の小径円筒部に
形成した前記周段部に相当する別の周段部を容器本体の
内面にも形成しておく。容器本体に係るこの別の周段部
の形成位置は、容器本体にカートリッジを嵌合したとき
に先筒に係る周段部の位置よりも軸方向後端側にある。
また、容器本体の後端に口紅のような化粧品あるいは刷
毛やスポンジでできたチップなどの化粧料塗布具を取付
けることも可能である。
【0014】(4)ライナは、容器本体のうちカートリ
ッジとの嵌合部分に配する筒状体であって、これを容器
本体の内周面と先筒の小径円筒部の外周面との間に介在
することで容器本体とカートリッジとを相対回転するた
めのものである。ライナのうちライナを容器本体に組み
込んだときに容器本体に係る前記別の周段部に対応する
箇所および小径円筒部に係る周段部に対応する箇所に
は、これら周段部と係合するリング状の溝(以下「周
溝」という。)を形成し、ライナを容器本体とカートリ
ッジとの間に組み込んだときに、これら周段部と周溝と
が係合することで、ライナが容器本体の軸方向に外れな
くなるようにしておくことが好ましい。よって、周溝を
有するライナは、カートリッジと容器本体とを係合する
係合部を有するということができ、係合部は、ライナに
設けた一対の溝と、この一対の溝の各溝に対応してカー
トリッジおよび容器本体にそれぞれ設けた段部というこ
とができる。
【0015】前記一対の周溝の各溝はライナの外面およ
び内面にそれぞれ設けるとともに、カートリッジの周段
部および容器本体の周段部をそれぞれカートリッジの外
面および容器本体の内面に設けることが望ましい。
【0016】また、カートリッジはこれを交換するもの
であるからライナとカートリッジとはスプライン結合に
よって容易に着脱できるようにすることが望ましい。よ
ってライナの一端開口には複数の縦溝を形成しておき、
カートリッジを構成する先筒の小径円筒部にもライナの
縦溝に対応させてこの縦溝に嵌まる嵌合部分を設けてお
くのが好ましい。
【0017】ライナを介して容器本体にカートリッジを
組み込み、その状態で容器本体とカートリッジとを相対
回転すると、ライナとカートリッジとはスプライン結合
して一体化しているので、ライナは容器本体に対してカ
ートリッジとともに回転する。
【0018】そして、ライナの他端開口にも別の縦溝を
設けておき、案内部材をライナにスプライン結合できる
ようにしておく。
【0019】また、容器本体にカートリッジを組み込ん
だときにライナを介してカートリッジがその外面で容器
本体の内面を外側に押圧するように、容器本体,カート
リッジおよびライナの組み込み寸法、具体的には、容器
本体の内径,ライナの外径および内径ならびにカートリ
ッジの先筒の小径円筒部の外径の各寸法を定めておくこ
とが望ましい。そのためにも、ライナはある程度の弾性
のある合成樹脂からなるものであることが好ましい。こ
のような合成樹脂からライナがなることで、容器本体に
ライナを介してカートリッジを組み込んだときに容器本
体とライナとの間がライナの持つ弾力により隙間なく接
合するようになり、容器本体とカートリッジとを相対回
転したときに両者の間で生じる作動抵抗を確実に得られ
るようになるからである。よって、作動抵抗の大小は、
ライナの材質によっても決まるといえるので、その材料
の選定も作動抵抗を得る上で重要となる。
【0020】(5)容器本体の内部に組み込まれる押し
棒は、容器本体とその内部で螺合するものであることが
望ましい。そこで押し棒には、容器本体との係合部とし
て螺子状突起を設け、この突起を容器本体の内周面に設
けた雌ねじ状螺旋溝と螺合するようにすることもでき
る。また、押し棒は第3の弾性体により反先端側に付勢
力がかかるようにすることが好ましく、第3の弾性体と
しては圧縮スプリングが挙げられる。
【0021】(6)案内部材は、ここに挿通する押し棒
が容器本体内を軸方向に移動するのを案内する筒状体で
ある。案内部材は、カートリッジを容器本体に組み込ん
だ際に先筒の後部と当接するように、容器本体における
適宜の位置に組み込む。また、案内部材は、その一端に
外側に張り出すフランジを設け、案内部材の軸方向にお
けるほぼ二分した一方の部位であって、前記フランジの
形成してない側の部位には、その外周面に単数、好まし
くは複数の係止片を形成する。複数の係止片を案内部材
に備えた場合、前記フランジと前記複数の係止片との間
の部分は、リング状の溝形態を画するようになる。そし
て、案内部材は、ライナと嵌合するが、その嵌合には、
前記リング状の溝形態を呈した部分と嵌合する場合と前
記単数または複数の係止片と嵌合する場合とがある。そ
して、前者の場合にあっては案内部材はライナと遊び状
態で回転自在に嵌合し、後者の場合にあっては案内部材
はライナと係止片を介してスライド可能状態で嵌合する
のが好ましい。よって案内部材の軸方向における部位の
うち、前者を遊嵌部といい後者を非遊嵌部という。案内
部材がライナと遊嵌部で嵌合するのは、容器本体にカー
トリッジを入れてないときであって、案内部材がライナ
と非遊嵌部で嵌合するのは、容器本体にカートリッジを
入れてあるときである。案内部材がライナと非遊嵌部を
介して嵌合する場合、案内部材の前記係止片とライナの
一端開口に設けた前記別の縦溝とがスプライン結合する
よう前記係止片と前記別の縦溝とを形成することが望ま
しい。
【0022】また、案内部材とこれに挿通する押し棒と
もスプライン結合することが好ましい。
【0023】さらに案内部材は、これを容器本体に組み
込む場合は、そのフランジ側が軸方向後端側に位置する
ように組み付けると好適である。フランジで第2の弾性
体の付勢力を受け、この付勢力によって案内部材を軸方
向先端側へ押しやるためである。
【0024】(7)案内部材が有する第2の弾性体は、
これが案内部材のフランジに当接するようにその大きさ
を設定したものであり、案内部材とともに容器本体内に
介装する。第2の弾性体としては圧縮スプリングが望ま
しく、案内部材とともに第2の弾性体を容器本体内に介
装する。また、第2の弾性体にはNBR等の合成ゴム、
圧縮スプリング、竹の子バネなど適宜の弾性体を用いる
ことができる。
【0025】そして、前記案内部材の軸方向長さを適宜
選定することにより、案内部材のストローク量を適宜設
定して第2の弾性体の圧縮量を選択することができる。
その他、先筒の容器本体への組み込み長さを選択するこ
とにより、前記圧縮量を変化させられることは言うまで
もない。
【0026】本発明のカートリッジ式繰り出し容器の各
構成部材は、合成樹脂からなり、例えば、ABS,A
S,ポリアセタール,ポリエチレン,ポリプロピレンな
どを挙げられる。
【0027】本発明は、繰り出し式のカートリッジ容器
に関するものであるから、棒状化粧料分野に限らず、繰
り出し式の筆記具、例えばシャープペンシルなどに好適
に利用できる。
【0028】本発明によれば、カートリッジを容器本体
に組み込む前は、案内部材はその遊嵌部とライナとが嵌
合した状態にある。このとき第2の弾性体は非圧縮状態
にある。また、押し棒は第3の弾性体の付勢力によって
押しやられ特定の初期位置にあるものとする。初期位置
とは、押し棒が軸方向先端側に向けて進行する最初の始
端位置である。また、初期位置においても案内部材と押
し棒とはスプライン結合しており、案内部材から押し棒
が軸方向先端側に突出した状態にあるものとする。この
ときの押し棒の案内部材からの突出量は、カートリッジ
を容器本体に組み込んだときにカートリッジの後端部か
らカートリッジ内に尾栓を経由して入り、芯チャックの
後端に押し棒の先端がちょうど当たる程度である。
【0029】カートリッジを容器本体に組み込むと、案
内部材はカートリッジの尾栓に押されて軸方向後端側へ
押しやられ、案内部材のライナとの嵌合は、遊嵌部から
非遊嵌部による嵌合に変わり、よって案内部材はライナ
と回転不能で軸方向に摺動可能な状態になる。また、カ
ートリッジを容器本体に組み込むことで、ライナを介し
てカートリッジがその外面で容器本体の内面を外側に押
圧する。この押圧によって容器本体とライナとの間がラ
イナの持つ弾力によって隙間なく接合するようになるた
め、容器本体とカートリッジとを相対回転したときに両
者の間には作動抵抗が生じるようになる。
【0030】さらに、カートリッジを容器本体に組み込
むと、案内部材の軸方向後端側への移動に伴い第2の弾
性体が圧縮される。そして、このときに第2の弾性体に
生ずる弾撥力は、カートリッジを軸方向先端側へ押しや
る付勢力となって作用し、この付勢力がカートリッジと
容器本体との間で生じる更なる作動抵抗となってカート
リッジと容器本体との相対回転を阻止する。つまり、第
2の弾性体に生ずる弾撥力は、軸方向先端側に向かう付
勢力となるが、この状態においてカートリッジと容器本
体とは、それぞれライナと、前記周段部および周溝を介
して係合しているので、カートリッジは、これを軸方向
先端側に押しやる前記付勢力を案内部材を介して第2の
弾性体から受けても進まず、その分の力は、前記周段部
および周溝との係合部分で生じる摩擦力となる。この摩
擦力がカートリッジと容器本体との間の相対回転を妨げ
る一層の作動抵抗となる。つまり、本発明では、作動抵
抗は、ライナの存在と第2の弾性体とから得ることがで
きる。これらの作動抵抗は、相互に他との兼ね合いを考
慮して最適な大きさの作動抵抗とするのがよい。
【0031】このように本発明にあっては、作動抵抗を
得るにあたり、これまでの技術で必要であった板ばねを
用いないでも済むので、カートリッジ式繰り出し容器の
製造を簡単にできる。しかも、カートリッジと容器本体
とは、それぞれライナと、前記周段部および周溝を介し
て係合しているので、板ばねの弾力を利用せずともカー
トリッジが容器本体から抜け出るのを防止できる。つま
り、本発明にあっては、作動抵抗を得る手段とカートリ
ッジの抜け出し防止手段とを別の手段によって行ってお
り、従来技術の板ばねに期待したように一部材に複数の
効果を期待するものではないので、構造が複雑にならず
に済む。したがって、構造が簡単である。なお、前記周
段部と周溝との係合は、カートリッジを交換するときに
使用者がカートリッジを引っ張れば容易に解除できる程
度のものとする。
【0032】容器本体にカートリッジを嵌合した状態で
これらを相対回転すると、容器本体に含まれている押し
棒は、これが案内部材にスライド結合しており、案内部
材は回転不能状態にあるから、押し棒は、容器本体内を
軸方向先端側に向けて移動し、やがて押し棒の先端が芯
チャックの後端を第3の弾性体の付勢力に抗して押圧
し、芯チャックを軸方向先端側へ押し出すので、芯チャ
ックの棒状化粧料が先筒の貫通穴から繰り出される。
【0033】また、カートリッジを容器本体から抜き取
ると、案内部材が有する第2の弾性体にかかっていた圧
縮力が解除され、案内部材は第2の弾性体による付勢力
により軸方向前端側に移動するが、フランジがライナに
当接することにより案内部材のそれ以上の進行を阻止す
る。同時に案内部材は遊嵌部を介してライナと嵌合す
る。案内部材が遊嵌部を介してライナと嵌合すると、案
内部材は回転可能となる。そして、案内部材と押し棒と
はスプライン結合しており、押し棒にはこれを前記軸方
向における後端側に向けて第3の弾性体による付勢力が
かかっている。また、押し棒と容器本体とは螺合関係に
ある。したがって、この第3の弾性体による付勢力で押
し棒は、案内部材とともに回転しつつ軸方向後端側に向
けて迅速に戻る。
【0034】さらに、棒状化粧料が使用済みとなった
り、異なった色の棒状化粧料と交換するためにカートリ
ッジを容器本体から抜くと、それまで容器本体の第1の
弾性体を引き伸ばしていた押し棒による第1の弾性体へ
の力が解除されるので、押し棒によって先筒の貫通穴か
ら押しやられていた芯チャックには、これを先筒内に引
き戻す力が作用する。よって、第1の弾性体の力によっ
て棒状化粧料は先筒内に自動的に収納されるので、棒状
化粧料が何かに当たって折れてしまったり傷つけたりす
るようなことを自動的に防止することができる。
【0035】そして、容器本体とカートリッジとの間に
介在されるライナは、ある程度の弾性を有する合成樹脂
でできているので、カートリッジの先筒や容器本体にパ
ーティングライン等の筋やひけ等に起因して凹凸ができ
ていたにしてもライナによってそれら筋や凹凸は平滑化
する。このため容器本体とカートリッジとの相対回転を
スムーズに行える。
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係るカート
リッジ式繰り出し容器1を図面を参照して説明する。
【0036】〔カートリッジ式繰り出し容器1(図1,
図2参照)〕カートリッジ式繰り出し容器1は、その全
体形状が筆記具のごとき細長い棒状をしたものであり、
先筒2内に棒状化粧料17を有する芯チャック8を含む
カートリッジ10と、このカートリッジ10が回転可能
に組み込まれる容器本体20と、容器本体20の内部に
組み込まれかつ芯チャック8を繰り出すのに用いる押し
棒4と、カートリッジ10を容器本体20に組み込んだ
ときに圧縮されて適度の作動抵抗をカートリッジ10と
容器本体20との間で生じる第2の弾性体である圧縮ス
プリング52などの部材から構成される。
【0037】〔先筒2(図1,図2および図5参照)〕
先筒2は大径部2aと小径部2bとからなり、大径部2
aはその横断面が例えば円形をし、かつ先端に向けて次
第に細くなる先細り形状をしている。また、小径部2b
は大径部2aの後端に連続する円筒部のことであって、
この小径部2bの外周面のうち大径部2a寄りの箇所に
は、小径部2bの周方向に巡らせた周段部13を形成し
てある。そして、小径部2bの外周面のうち周段部13
と大径部2aとの間の領域には、軸方向に延びかつ対向
する少なくとも一対の突条14,14を有する。
【0038】また、先筒2は、その長手方向に芯チャッ
ク8を収納しかつ押し棒4が通る貫通穴3を、大径部2
aと小径部2bとを通じて有する。貫通穴3の後端開口
は尾栓3aで塞がれているが、尾栓3aも貫通穴3と同
軸の貫通穴3a1を有する。尾栓3aと芯チャック8と
の間には引張スプリング7を取り付けてある。この引張
スプリング7は、尾栓3aの側に芯チャック8を付勢す
る第1の弾性体である。また、貫通穴3は、その長手方
向に沿って、相互に対向する一対の長溝3b,3bを有
する。先筒2にこのような構成部材を備えてなるものが
カートリッジ10である。
【0039】〔芯チャック8(図1〜図3および図5参
照)〕芯チャック8は、アイライナー、アイブロウ、リ
ップライナー、アイシャドウなどの棒状化粧料17を把
持する把持部8aと、この把持部8aの後端に連続しか
つ押し棒4と当接する把持部8aよりも小径円筒な当接
部8bとからなる。把持部8aはその後端から軸方向先
端側に向けて延びる一対の突起8e,8eを有する。突
起8e,8eは、先筒2の前記長溝3b,3bに係合
し、これにより先筒2の貫通穴3に沿って芯チャック8
を案内する。よって、先筒2の長溝3b,3bは、芯チ
ャック8を貫通穴3に沿って案内する案内溝であり、芯
チャック8の突起8e,8eは案内片といえる。
【0040】また、当接部8bにはその外面のうち把持
部8a寄り箇所に引張スプリング7の一端を係止する節
条部8b1を有する。また、引張スプリング7の他端
は、尾栓3aで貫通穴3を塞ぐときに尾栓3aと小径部
2bの内壁面との間で挟持される。引張スプリング7
は、押し棒4により芯チャック8が貫通穴3を軸方向先
端側に移動したときに、これを軸方向後端側へ向けて付
勢して引き戻す。
【0041】〔容器本体20(図1〜図4参照)〕容器
本体20は、一端開口他端閉塞状の中空円筒形をしてお
り、その中にカートリッジ10の一部すなわち先筒2の
小径部2bと、押し棒4の全部とを収納する。
【0042】容器本体20は、先端側3分の1の範囲に
小径部2bを収納し、残りの3分の2の範囲に押し棒4
を収納する。
【0043】また、容器本体20の内面には、容器本体
20の先端開口からほぼ3分の1ほど隔たった箇所に周
方向に巡る段部である周段部20aを有する。
【0044】容器本体20には、カートリッジ10と押
し棒4の容器本体20への収納に先立って、カートリッ
ジ10に係るライナ40と押し棒4に係るライナ42と
が入っている。これらのライナ40および42は、とも
に合成樹脂製であって円筒形をしており、ライナ40は
容器本体20内で回転自在に入れられるが、ライナ42
はこれを容器本体20に圧入するので回転しない。
【0045】容器本体20の後端には、口紅のような化
粧品あるいは刷毛やスポンジでできたチップなどの化粧
料塗布具20bとこれを保護するキャップ20cとを備
えている。
【0046】〔ライナ40(図1〜図4および図6〜図
8参照)〕カートリッジ10に係るライナ40は、両端
開口の円筒形であって、その両端開口40aおよび開口
40bには、それぞれ軸方向に延びる多数の縦溝44,
44,…および複数の縦溝46,46,…を周方向に等
間隔でかつ放射状に形成してある。縦溝44,44,…
と縦溝46,46,…とでは、縦溝46,46,…の方
が大きい。これら縦溝44,44,…および縦溝46,
46,…を形成することで、縦溝44,44,…同士の
間および縦溝46,46,…同士の間には、突条4
4’,44’,…および突条46’,46’,…ができ
る。また、縦溝44,44,…は、先筒2の突条14,
14とスプライン結合できるようにその大きさや長さを
設定してあり、縦溝46,46,…は、後述する案内部
材54と嵌合するようにその大きさや長さを設定してあ
る。そして、ライナ40の外面のうち縦溝46のある側
には周方向に巡る溝である周溝48を形成し、ライナ4
0の内面のうち縦溝44のある側には同じく周方向に巡
る溝である周溝50を形成してある。
【0047】このようなライナ40は、縦溝46,4
6,…のある開口40aの側を挿入端として容器本体2
0内に入れる。すると容器本体20の周段部20aがラ
イナ40の周溝48に係合し、ライナ40が容器本体2
0に対して軸方向に抜け出なくなる。また、ライナ40
は容器本体20よりも幾分その外径が小さくされてお
り、したがって、ライナ40は容器本体20に対して自
在に回転できるようになる。さらに、ライナ40の内面
に形成した周溝50には、先筒2の周段部13が係合
し、ライナ40を介してカートリッジ10を容器本体2
0に入れたときにライナ40からのカートリッジ10の
抜けを防止する。
【0048】〔ライナ42(図1〜図4参照)〕押し棒
4に係るライナ42も両端開口の円筒形をしているが、
後端はその開口径が小さくされており、押し棒4がそこ
から抜け出ないようにしてある。また、ライナ42の内
周面には先端部を除き雌ねじ状螺旋溝42aを形成して
ある。先端部は、雌ねじ状螺旋溝42aの形成箇所より
も肉厚が薄いので、この先端部を薄肉部とし符号42b
で示す。よって雌ねじ状螺旋溝42aと薄肉部42bと
の間は段差42cが生じる。薄肉部42bに第2の弾性
体である圧縮スプリング52を入れる。圧縮スプリング
52は、段差42cにより軸方向後端側への進行が阻止
される。また、圧縮スプリング52は、これにその反段
差42c側で当接する次に述べる案内部材54によって
圧縮される。
【0049】〔案内部材54(図1〜図4および図9〜
図11参照)〕案内部材54は、ここに押し棒4が挿通
される筒状体である。よって案内部材54の中央には貫
通穴54aを形成してある。貫通穴54aに押し棒4を
入れた案内部材54は、容器本体20内で押し棒4を軸
方向に案内する。案内部材54はその一端に外側に張り
出すフランジ56を有する。そして、案内部材54はそ
のフランジ56が圧縮スプリング52側に向けられた状
態で薄肉部42b内に少なくともフランジ56が常にあ
るように配置してある。このようにするのはフランジ5
6で圧縮スプリング52を受けるためである。また、貫
通穴54aはフランジ56側で拡径した段差穴であっ
て、径大部54a1と径小部54a2とからなる。そし
て、案内部材54をその軸方向においてほぼ二分した一
方の部位であって、フランジ56の形成してない側の部
位には、その外周面に4つの係止片58,58,…を9
0°の等間隔で形成してある。よって、残りの他方の部
位はフランジ56と係止片58,58,…とによって、
リング状の溝形態を画するようになる。このような案内
部材54は、ライナ40の溝46,46,…のある側の
開口に嵌合するようになっており、その嵌合には、前記
リング状の溝形態を呈した部分と嵌合する場合と、前記
係止片58,58,…と嵌合する場合とがある。つま
り、前者にあっては案内部材54は、ライナ40の開口
40aと遊び状態で嵌合し、後者にあっては案内部材5
4はライナ40の開口40aの縦溝46,46,…と係
止片58,58,…を介してスライド可能状態で嵌合す
るようになっている。よって、案内部材54の軸方向に
おける部位のうち、前者を遊嵌部といい後者を非遊嵌部
といい、それぞれ符号60および62で示す。
【0050】案内部材54がライナ40と遊嵌部60で
嵌合するのは、容器本体20にカートリッジ10を入れ
ていないときであって、案内部材54がライナ40と非
遊嵌部62で嵌合するのは、容器本体20にカートリッ
ジ10を入れたときである。すなわち、容器本体20に
カートリッジ10を入れると、圧縮スプリング52の弾
撥力に抗してカートリッジ10により案内部材54が押
されて軸方向後端側へ移動し、案内部材54がライナ4
0と非遊嵌部62で嵌合する。そして、カートリッジ1
0を容器本体20から抜くと、案内部材54が圧縮スプ
リング52の付勢力を受けて軸方向先端側へ移動し、案
内部材54がライナ40と遊嵌部60で嵌合する。
【0051】案内部材54がライナ40と非遊嵌部62
を介して嵌合する場合、案内部材54の係止片58,5
8,…とライナ40の縦溝46,46,…とがスプライ
ン結合するように両者を形成してある。
【0052】また、案内部材54には、押し棒4をスプ
ライン結合の状態で挿通するようになっている。このた
め、案内部材54の内面には案内部材54の長手方向に
4本の縦溝64,64,…を形成してある。よって、縦
溝64,64,…同士の間には、突条64’,64’,
…ができる。
【0053】〔押し棒4(図1〜図4参照〕押し棒4は
先端に向けて長手方向に平行に複数の条溝31と突条3
2とを交互に4条ずつ形成したスプライン軸となってお
り、さらに後端には径大棒部26を有する。この径大棒
部26にはライナ42内に形成した雌ネジ状螺旋溝42
aに係合する雄ネジ状の突起25を形成してある。そし
て、押し棒4を案内部材54に挿通するにあたり、その
前に押し棒4には第3の弾性体である圧縮コイルバネ2
9を外嵌状に介装し、押し棒4を案内部材54に挿通す
ることで前記径大棒部26と案内部材54との間に第3
の弾性部材である圧縮コイルバネ29が位置するように
なる。この圧縮スプリング29によって押し棒4は常時
軸方向後端側に付勢される。また、圧縮スプリング29
は、圧縮スプリング52よりも小径であって、案内部材
54の径大部54a1にその先端が保持され後端が径大
棒部26の仮面26aに当接する。
【0054】〔実施の形態の作用・効果(図1〜図4参
照)〕カートリッジ式繰り出し容器1によれば、カート
リッジ10を容器本体20に組み込む前は、案内部材5
4はその遊嵌部60とライナ40の開口40aとが嵌合
した状態にある。このとき圧縮スプリング52は非圧縮
状態にある。また、押し棒4は圧縮コイルバネ29の付
勢力によって軸方向後端側に押しやられた特定の位置
(以下この特定の位置のことを「初期位置」という。)
にあるものとする。初期位置とは、押し棒が軸方向先端
側に向けて進行する最初の位置である。また、初期位置
においても案内部材54と押し棒4とはスプライン結合
しており、案内部材54から押し棒4が軸方向先端側に
突出した状態にあるものとする(図4参照)。このとき
の突出量は、カートリッジ10を容器本体20に組み込
んだときにカートリッジ10の後端部からカートリッジ
10内に尾栓3aを経由して入り、芯チャック8の後端
に押し棒4の先端がちょうど当たる程である(図1参
照)。
【0055】カートリッジ10を容器本体20に組み込
むと、案内部材54はカートリッジ10の尾栓3aに当
たりその後軸方向後端側へ押しやられる(図1および図
3参照)。このため、そのときの案内部材54のライナ
40との嵌合は、遊嵌部60から非遊嵌部62による嵌
合に変わり、案内部材54はライナ40と回転不能で軸
方向に摺動可能な状態になる(図3および図4参照)。
また、カートリッジ10を容器本体20に組み込むこと
で、ライナ40を介してカートリッジ10がその外面で
容器本体20の内面を外側に押圧する。この押圧によっ
て容器本体20とライナ40との間がライナ40の持つ
弾力によって隙間なく接合するようになるため、容器本
体20とカートリッジ10とを相対回転したときに両者
の間には作動抵抗が生じるようになる。さらに、案内部
材54の移動に伴って圧縮スプリング52が圧縮され
(図3参照)、このときに圧縮スプリング52に生ずる
弾撥力は、カートリッジ10を軸方向先端側に押しやる
付勢力となって作用し、この付勢力がカートリッジ10
と容器本体20との間で生じるさらなる作動抵抗となっ
てカートリッジ10と容器本体20との相対回転を阻止
する。つまり、圧縮スプリング52に生ずる弾撥力は、
軸方向先端側に向かう付勢力となるが、この状態におい
てカートリッジ10と容器本体20とは、それぞれライ
ナ40と、周段部13および周溝50ならびに周段部2
0aおよび周溝48を介して係合しているので(図1〜
図4参照)、カートリッジ10は、これを軸方向先端側
に押しやる前記付勢力を案内部材54を介して圧縮スプ
リング52から受けても進まず、その分の力は、周段部
13および周溝50ならびに周段部20aおよび周溝4
8との係合部分で生じる摩擦力となる。この摩擦力がカ
ートリッジ10と容器本体20との間の相対回転を妨げ
る一層の作動抵抗となる。つまり、作動抵抗は、ライナ
40の存在と圧縮スプリング52とから得ることができ
る。これらの作動抵抗は、相互に他との兼ね合いを考慮
して最適な大きさの作動抵抗にされている。
【0056】このようにカートリッジ式繰り出し容器1
にあっては、作動抵抗を得るにあたり、従来技術で必要
であった板ばねを用いないでも済むので、カートリッジ
式繰り出し容器の製造を簡単にできる。しかも、カート
リッジ10と容器本体20とは、それぞれライナ40
と、周段部13および周溝50ならびに周段部20aお
よび周溝48を介して係合しているので(図1〜図4参
照)、板ばねの弾力を利用せずともカートリッジ10が
容器本体20から抜け出るのを防止できる。つまり、カ
ートリッジ式繰り出し容器1にあっては、作動抵抗を得
る手段とカートリッジ10の容器本体20からの抜け出
し防止手段とを別の手段によって行っており、従来技術
の板ばねに期待したように一部材に複数の効果を期待す
るものではないので、構造が複雑にならずに済む。な
お、前記周段部13および周溝50ならびに周段部20
aおよび周溝48の係合は、カートリッジ10を交換す
るときに使用者がカートリッジ10を引っ張れば容易に
解除できる程度のものとする。
【0057】容器本体20にカートリッジ10を嵌合し
た状態でこれらを相対回転すると、容器本体20に含ま
れている押し棒4は、これが案内部材54にスライド結
合しており、案内部材54は回転不能状態にあるから、
押し棒4は、容器本体20内を軸方向先端側に向けて移
動し、この移動に伴って押し棒4の先端が芯チャック8
の後端を圧縮コイルバネ29の付勢力に抗して押圧し、
芯チャック8を軸方向先端側へ押し出すので、芯チャッ
ク8の棒状化粧料が先筒2の貫通穴3から繰り出され
る。
【0058】また、カートリッジ10を容器本体20か
ら抜き取ると、案内部材54が有する圧縮スプリング5
2にかかっていた押圧が解除され、案内部材54は圧縮
スプリング52による付勢力により軸方向前端側に移動
するが、フランジ56がライナ40に開口40a側端に
当接することにより、案内部材54のそれ以上の進行を
阻止する(図4参照)。同時に案内部材54は遊嵌部6
0を介してライナ40の縦溝46,46,…と嵌合する
(図1,図2および図4参照)。案内部材54が遊嵌部
60を介してライナ40と嵌合すると、案内部材54は
回転可能となる。そして、案内部材54と押し棒4とは
スライド結合しており、押し棒4にはこれを軸方向にお
ける後端側に向けて圧縮コイルバネ29による付勢力が
かかっている。また、押し棒4と容器本体20とは螺合
関係にある(図1〜図4参照)。したがって、この圧縮
コイルバネ29による付勢力で押し棒4は、案内部材5
4とともに回転しつつ軸方向後端側に向けて前記初期位
置に瞬時に戻る。
【0059】さらに、棒状化粧料を有する芯チャック8
を異なった色の棒状化粧料を有する芯チャック8と交換
する場合にカートリッジ10を容器本体20から抜く
と、それまで容器本体20の引張スプリング7を引き伸
ばしていた押し棒4による引張スプリング7への力が解
除されるので、押し棒4によって先筒2の貫通穴3から
軸方向先端側に押しやられていた芯チャック8には、こ
れを先筒2内に引き戻す力が作用する(図3および図4
参照)。よって、引張スプリング7の力によって棒状化
粧料17は先筒2内に自動的に収納されるので、棒状化
粧料17が何かに当たって折れてしまったり傷つけたり
するようなことを自動的に防止することができる。
【0060】そして、容器本体20とカートリッジ10
との間に介在されるライナ40は、ある程度の弾性を有
する合成樹脂でできているので、カートリッジ10の先
筒2や容器本体20にパーティングライン等の筋やひけ
等に起因して凹凸ができていたにしてもライナ40によ
ってそれら筋や凹凸は平滑化する。このため容器本体2
0とカートリッジ10との相対回転をスムーズに行え
る。
【0061】
【発明の効果】棒状化粧料を有するカートリッジと容器
本体とを相対回転することでカートリッジになっている
棒状化粧料の部分を容器本体から繰り出すカートリッジ
式繰り出し容器において、カートリッジと容器本体との
相対回転に作動抵抗をもたらすために従来必要であった
板ばねを用いなくても、前記作動抵抗を確保することが
できる。また、カートリッジの先筒や容器本体にパーテ
ィングライン等の筋やひけ等に起因した凹凸が生じてい
ても前記相対回転を好適に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカートリッジ式繰り出し容器の断面図
であって繰り出し前の状態を示す図である。
【図2】本発明のカートリッジ式繰り出し容器の断面図
であって繰り出した後の状態を示す図である。
【図3】図1の要部拡大図である。
【図4】カートリッジを引き抜いた場合における図3に
相当する図である。
【図5】カートリッジの半断面図である。
【図6】カートリッジとの嵌合部分に配するライナの断
面図である。
【図7】図6に係るライナを矢印VII方向から見た図
である。
【図8】図6に係るライナを矢印VIII方向から見た
図である。
【図9】案内部材の側面図である。
【図10】案内部材の縦断面図である。
【図11】案内部材の底断面図である。
【符号の説明】 1 カートリッジ式繰り出し容器 2 先筒 2a 大径部 2b 小径部 3 貫通穴 3a1 貫通穴 3a 尾栓 3b 長溝 4 押し棒 8 芯チャック 8a 把持部 8b 当接部 8b1 節条部 8e 突起 7 引っ張りスプリング(第1の弾性体) 8 芯チャック 10 カートリッジ 13 周段部(段部) 14 突条 17 棒状化粧料 20 容器本体 20a 周段部(段部) 20b 化粧料塗布具 20c キャップ 25 突起 26 径大棒部 29 圧縮コイルバネ(第3の弾性体) 31 条溝 32 突条 40 カートリッジ10に係るライナ 42 押し棒4に係るライナ 42a 雌ねじ状螺旋溝 42b 薄肉部 42c 段差 44 縦溝 44’ 突条 46 縦溝 46’ 突条 48,50 周溝(ライナ40の一対の溝) 52 圧縮スプリング(第2の弾性体) 54 案内部材 54a 貫通穴 54a1 径大部 54a2 径小部 56 フランジ 56a 有底落とし穴 58 係止片 60 遊嵌部 62 非遊嵌部 64 縦溝

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先筒(2)に摺動自在に挿入する棒状塗
    布材を有する芯チャック(8)を第1の弾性体(7)に
    より前記先筒の反先端側に付勢した状態で有するカート
    リッジ(10)と、 このカートリッジ(10)を相対回転可能に嵌合する容
    器本体(20)と、 この容器本体(20)に内蔵し前記相対回転に応じて前
    記容器本体(20)内を軸方向に移動することで前記芯
    チャック(8)を前記第1の弾性体(7)の付勢力に抗
    して前記先筒(2)の先端に向けて押圧する押し棒
    (4)と、 を有するカートリッジ式繰り出し容器(1)において、 前記容器本体(20)の内部には、前記押し棒(4)を
    挿通した状態でこれを前記軸方向に案内する案内部材
    (54)を有し、 この案内部材(54)には、前記容器本体(20)と前
    記カートリッジ(10)との嵌合部分に配する部材であ
    って前記カートリッジ(10)を前記容器本体(20)
    に嵌合すると前記カートリッジ(10)の嵌合部分を包
    囲する合成樹脂製で円筒形をしたライナ(40)と遊び
    状態で嵌合する遊嵌部(60)および非遊び状態で嵌合
    する非遊嵌部(62)を形成し、 前記非遊嵌部(62)を介した前記案内部材(54)の
    前記ライナ(40)との嵌合は、前記容器本体(20)
    への前記カートリッジ(10)の組み込みによって為す
    とともに、前記案内部材(54)の前記遊嵌部(60)
    を介した前記ライナ(40)との嵌合は、前記容器本体
    (20)からの前記カートリッジ(10)の取り外しに
    よって為すことを特徴とするカートリッジ式繰り出し容
    器(1)。
  2. 【請求項2】 前記案内部材(54)はこれを軸方向に
    付勢する第2の弾性体(52)を有し、この第2の弾性
    体(52)による付勢力は、前記非遊嵌部(62)を介
    して前記案内部材(54)が前記ライナ(40)と嵌合
    する場合に前記カートリッジ(10)に作用してこれを
    前記軸方向先端側へ押しやり、このときの付勢力を前記
    ライナ(40)を介して前記容器本体(20)と前記カ
    ートリッジ(10)との間で生じる摩擦力とすることを
    特徴とする請求項1に記載のカートリッジ式繰り出し容
    器(1)。
  3. 【請求項3】 前記ライナ(40)は、このライナ(4
    0)を介して前記カートリッジ(10)と前記容器本体
    (20)とを係合する係合部を有することを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載のカートリッジ式繰り出
    し容器。
  4. 【請求項4】 前記係合部は、前記ライナ(40)に設
    けた一対の溝(48,50)と、この一対の溝(48,
    50)の各溝に対応して前記カートリッジおよび前記容
    器本体(20)にそれぞれ設けた段部(13,20a)
    とからなるものであることを特徴とする請求項3に記載
    のカートリッジ式繰り出し容器。
  5. 【請求項5】 前記一対の溝(48,50)の各溝を前
    記ライナ(40)の外面および内面にそれぞれ設けると
    ともに、前記カートリッジ(10)の段部(13)およ
    び前記容器本体(20)の段部(20a)をそれぞれ前
    記カートリッジ(10)の外面および前記容器本体(2
    0)の内面に設けることを特徴とする請求項4に記載の
    カートリッジ式繰り出し容器(1)。
  6. 【請求項6】 前記押し棒(4)は、前記容器本体(2
    0)と螺合して前記容器本体内をその軸方向に移動し、
    前記案内部材(54)が前記遊嵌部(60)を介して前
    記ライナ(40)と嵌合する時は、前記案内部材(5
    4)は、前記ライナ(40)に対して回転可能であると
    ともに、前記案内部材(54)が前記非遊嵌部(62)
    を介して前記ライナ(40)と嵌合する時は、前記案内
    部材(54)は、前記ライナ(40)に対して回転不能
    かつ摺動可能であって、前記案内部材(54)が少なく
    とも前記ライナ(40)に対して回転不能かつ摺動可能
    であって、前記押し棒(4)が特定の初期位置よりも前
    記軸方向における先端側にあるときは、第3の弾性体
    (29)により前記押し棒(4)には前記軸方向におけ
    る後端側に向けて付勢力がかかることを特徴とする請求
    項1〜請求項5のいずれかに記載のカートリッジ式繰り
    出し容器(1)。
  7. 【請求項7】 前記第1の弾性体(7)および第2の弾
    性体(52)はそれぞれ引張スプリングおよび圧縮スプ
    リングであることを特徴とする請求項6に記載のカート
    リッジ式繰り出し容器(1)。
  8. 【請求項8】 前記第3の弾性体(29)は圧縮スプリ
    ングであることを特徴とする請求項6に記載のカートリ
    ッジ式繰り出し容器(1)。
  9. 【請求項9】 前記押し棒(4)と前記案内部材(5
    4)とは、前記押し棒(4)を前記案内部材(54)に
    挿通するとスプライン結合することを特徴とする請求項
    5〜請求項8のいずれかに記載のカートリッジ式繰り出
    し容器(1)。
  10. 【請求項10】 前記案内部材(54)と前記ライナ
    (40)との前記非遊嵌状態での嵌合は、前記案内部材
    (54)を前記ライナ(40)に挿通するスプライン結
    合であることを特徴とする請求項9に記載のカートリッ
    ジ式繰り出し容器(1)。
  11. 【請求項11】 前記ライナ(40)はある程度の弾性
    を有する合成樹脂でできていることを特徴とする請求項
    10に記載のカートリッジ式繰り出し容器(1)。
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