本考案は、例えばエレキギター等のオーディオ機器に接続されるプラグに関する。
従来、この種のプラグとしては、例えば下記特許文献1に記載の構成のプラグが知られている。このプラグは、プラグ端子(プラグピン)の中心線と配線コードの接続方向とのなす角度が略135°として一体成型部にて回動可能に取り付けられている。
また、この種のプラグとしては、例えば下記特許文献2に記載の構成のプラグ付シールドケーブルも知られている。このプラグ付シールドケーブルは、プラグ端子(コンタクト)の先端側を、先端側のハウジングに挿通させて係止させた状態で、この先端側のハウジングの基端部に、基端側のハウジングがねじ止めされて固定されている。
特開2003−380764号公報
特開2005−322525号公報
しかしながら、上記特許文献1にかかる従来技術によれば、プラグ端子(プラグピン)と配線コードとが一体成型部にて回動可能とされていることから、一体成型部が大型化してしまい、配線コードに対しプラグ端子を直線状にした場合に、一体成型部の膨らみが邪魔になる等し、使い勝手が良くない。
また、上記特許文献2に係る従来技術によれば、先端側のハウジングを基端側のハウジングから取り外した場合に、プラグ端子の基端側に取り付けられている接続部が露出してしまい、例えば、種々のデザインが外周面に付されたハウジングに取り換える等することについては考慮されておらず、使い勝手が良くないという問題を有している。
そこで本考案は、従来技術における上記問題を解決し、使い勝手の良いプラグを提供することを目的とする。
この課題を解決するため、請求項1にかかる本考案は、オーディオ機器に接続されるプラグであって、軸方向を有するプラグ端子と、このプラグ端子の基端部に設けられ、配線コードの端部が接続される接続部と、この接続部と前記プラグ端子との間に設けられ、前記プラグ端子を前記配線コードに対して回転可能とさせる回転部と、を有し、この回転部は、前記プラグ端子に電気的に接続された第1電極部と、前記配線コードの端部に電気的に接続される第2電極部とを有し、これら第1電極部と第2電極部とは、前記回転部の回転中心に等しい回転中心にて回転可能に電気的に接続されていることを特徴とするプラグである。
そして、このように構成したことにより、プラグ端子に電気的に接続された第1電極部と、配線コードの端部の端部に電気的に接続される第2電極部とが、回転部の回転中心に等しい回転中心にて回転可能に電気的に接続されている。このため、第1電極部と第2電極部との電気的な接続を維持しつつ回転部の回転中心にて配線コードに対するプラグ端子の向きを適宜変更することができるから、このプラグ端子を接続するオーディオ機器の位置や形状に合わせてプラグ端子の向きを変更できるため、利用者の使い勝手を向上することができる。
請求項2は、前記回転部は、前記プラグ端子の軸方向を前記配線コードの軸方向に対し略90°屈曲可能とさせることを特徴とするプラグである。
そして、このように構成したことにより、回転部によって、プラグ端子の軸方向を配線コードの軸方向に対し略90°屈曲可能とされる。このため、プラグ端子を接続するオーディオ機器の位置や形状に対応させて、配線ケーブルに対するプラグ端子の向き変更することにより、ほとんどの需要に対応することができるから、利用者の使い勝手をより向上することができる。
請求項3は、前記回転部の第1電極部と第2電極部とは、前記回転部の回転中心に等しい回転中心を有するピン材にて回転可能に連結されていることを特徴とするプラグである。
そして、このように構成したことにより、第1電極部と第2電極部とが、回転部の回転中心に等しい回転中心を有するピン材にて回転可能に取り付けられている。このため、プラグ端子を配線コードに対して回転させると、ピン材を回転中心として第1電極部と第2電極部との電気的な接続を維持させつつ、プラグ端子を回転させることができる。
請求項4は、前記回転部の第1電極部は、前記プラグ端子の回転方向に沿った円弧状の摺動部とされ、前記回転部の第2電極部は、前記摺動部に対し摺動可能に接触させて取り付けられ、前記回転部は、前記第2電極部を前記摺動部に向けて付勢する付勢部を備えたことを特徴とするプラグである。
そして、このように構成したことにより、回転部の摺動部に対し第2電極部が付勢部にて付勢されているため、プラグ端子を配線コードに対して回転させると、回転部の摺動部に第2電極部を接触させた状態が維持されるため、これら摺動部と第2電極部との電気的な接続を維持させつつ、プラグ端子を回転させることができる。
また、請求項5にかかる本考案は、オーディオ機器に接続されるプラグであって、プラグ端子と、このプラグ端子の基端部にねじ止めされ、配線コードの端部が接続される略円筒状の接続部と、この接続部に前記プラグ端子を取り付けた状態で、このプラグ端子側から挿入して前記接続部に取り付け可能な略円筒状のカバー部材と、を有することを特徴とするプラグである。
そして、このように構成したことにより、配線コードの端部が接続される略円筒状の接続部にプラグ端子をねじ止めした状態で、このプラグ端子側からカバー部材を挿入させて接続部に取り付け可能とされている。このため、カバー部材を接続部から取り外しても、接続部がプラグ端子にねじ止めされており、カバー部材の取り外しが容易にできる。したがって、種々のデザインがされた複数のカバー部材を予め用意しておくことにより、利用者の希望に沿ったデザインのカバー部材に交換することができるから、利用者の使い勝手を向上させることができる。
請求項6は、前記接続部は、この接続部の外周部に設けられた外周ねじ溝を備え、前記カバー部材は、このカバー部材の内周部に設けられ前記接続部の外周ねじ溝に螺合可能な内周ねじ溝を備えたことを特徴とするプラグである。
そして、このように構成したことにより、カバー部材を接続部に挿入させつつ、カバー部材の内周ねじ溝を接続部の外周ねじ溝に係合させてねじ止めすることにより、このカバー部材を接続部に取り付けることができ、このカバー部材の内周ねじ溝による接続部の外周ねじ溝へのねじ止めを解除することにより、カバー部材を接続部から取り外すことができる。よって、この接続部に対するカバー部材の交換が容易にでき、利用者の使い勝手をより向上させることができる。
請求項7は、前記接続部は、少なくとも前記プラグ端子側の部分が円筒状に形成された円筒部を備え、前記カバー部材は、前記接続部の円筒部の外径寸法に等しい内径寸法を有する円筒状に形成されていることを特徴とするプラグである。
そして、このように構成したことにより、接続部のプラグ端子側の部分の円筒部にカバー部材を嵌合させて取り付けることができ、接続部の円筒部をカバー部材にて覆うことができる。よって、カバー部材にて接続部のプラグ端子側を覆うことにより、接続部の審美性を向上することができるから、利用者の使い勝手を向上させることができる。
請求項8は、前記接続部は、前記円筒部の基端側に設けられ前記カバー部材の外径寸法に略等しい円筒状の大径部を備えていることを特徴とするプラグである。
そして、このように構成したことにより、接続部の経大部よりプラグ端子側の円筒部をカバー部材にて覆うことができる。したがって、カバー部材の取り付け位置が明確になり、接続部の経大部の形状を考慮したデザインとすることにより、接続部の審美性をより向上でき、利用者の使い勝手を向上させることができる。
本考案によれば、プラグ端子に電気的に接続された第1電極部と、配線コードの端部の端部に電気的に接続される第2電極部とが、回転部の回転中心に等しい回転中心にて回転可能に電気的に接続されている。このため、第1電極部と第2電極部との電気的な接続を維持しつつ回転部の回転中心にて配線コードに対するプラグ端子の向きを適宜変更することができる。よって、プラグ端子を接続するオーディオ機器の位置や形状に合わせてプラグ端子の向きを変更できるため、利用者の使い勝手を向上することができる。
また、接続部にプラグ端子をねじ止めした状態で、プラグ端子側からカバー部材を挿入させて接続部に取り付け可能とされている。このため、カバー部材を接続部から取り外しても、接続部がプラグ端子にねじ止めされており、カバー部材の取り外しが容易にできる。したがって、種々のデザインがされた複数のカバー部材を予め用意しておくことにより、利用者の希望に沿ったデザインのカバー部材に交換することができるから、利用者の使い勝手を向上させることができる。そして、前述した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明より明らかにされる。
本考案の第1実施形態に係るプラグを示す図で、(a)は正面図、(b)はその内部構造を示す概略図、(c)はその回動状態を示す概略図、(d)はその左側面図である。
上記プラグの内部構造を示す図で、(a)は接続部およびカバー部材の取り付け前の状態図、(b)は接続部を取り付けた後の状態図、(c)はカバー部材を取り付けた後の状態図である。
本考案の第2実施形態に係るプラグの内部構造を示す図で、(a)は概略図、(c)はその回動状態を示す概略図、(d)はその左側面図である。
[第1実施形態]
本考案の第1実施形態のプラグについて図1および図2を参照して説明する。図1は、本考案の第1実施形態に係るプラグを示す図で、(a)は正面図、(b)はその内部構造を示す概略図、(c)はその回動状態を示す概略図、(d)はその左側面図である。図2は、プラグの内部構造を示す図で、(a)は接続部およびカバー部材の取り付け前の状態図、(b)は接続部を取り付けた後の状態図、(c)はカバー部材を取り付けた後の状態図である。
<構成>
本第1実施形態に係るプラグ1は、例えばエレキギターやアンプ等のオーディオ機器に接続されるもので、図1(a)に示すように、軸方向を有するプラグ端子としてのプラグピン2と、このプラグピン2の基端部に設けられ、配線コード3の端部が挿通される挿通部としての接続部であるキャップ材4と、このキャップ材4とプラグピン2との間に設けられたプラグ本体5と、キャップ材4にプラグピン2を取り付けた状態で、このプラグピン2側から挿入してキャップ材4に取り付け可能な略円筒状のカバー部材としての飾りスリーブ6とを備えた回転プラグである。
プラグピン2は、略細長円筒形状の接続端子であって、オーディオ機器等に設けられたソケット(図示せず)に挿入されることによって、オーディオ機器と電気的に接続され、オーディオ機器から出力された電気信号が入力され、または配線コード3側から入力された電気信号をオーディオ機器へ出力する。プラグピン2には、音声信号を伝送するために、2つの端子2a,2bが設けられている。
配線コード3は、2本の同軸ケーブル3a,3bが内包されたケーブルであり、一方の同軸ケーブル3aの一端部がプラグ本体5に半田付けされプラグピン2に電気的に接続されている。配線コード3の他端部にもまた、プラグ1が取り付けられている。
キャップ材4は、略円筒状に形成されたキャップ本体4aを備え、このキャップ本体4aのプラグ本体5に接続される側である先端側の内周面に内ねじ4bが形成されている。また、キャップ本体4aの基端側の中央部には、配線コード3を挿通させるための開口部4cが形成され、このキャップ本体4aの基端側の外周部は、先端側より経大な円筒状の大径部4dが形成されている。この大径部4dより先端側であるプラグピン2側の部分が、この大径部4dの外径寸法より小さな外径寸法を有する円筒状の円筒部である縮径部4eとされ、この縮径部4eの大径部4dよりの位置の外周面に外周ねじ溝としての外ねじ4fが形成されている。
プラグ本体5は、プラグピン2をキャップ材4および配線コード3に対し回転可能とさせる回転部5aと、プラグピン2を配線コード3に電気的に接続させる接続部5bとで構成されている。回転部5aは、プラグピン2の軸方向を配線コード3の軸方向に対し略90°屈曲可能とさせる。また、回転部5aは、プラグピン2の基端部に接続されたプラグ側回転部5cと、キャップ材4に接続されるキャップ側回転部5dとで構成されている。プラグ側回転部5cは、プラグピン2の基端部に一体的に設けられた部分であって、両側面が平行かつ平坦な摺動面5eとされている。この摺動面5e間には、プラグピン2の一方の端子2aに電気的に接続された第1電極部5fが設けられている。
第1電極部5fは、図1(b)ないし図1(d)に示すように、キャップ側回転部5dに接続するための平板円環状の回転接続部5gと、この回転接続部5gに一端側が一体的に接続された支持部5hとで構成されている。回転接続部5gは、この回転接続部5gの軸方向(厚さ方向)を、摺動面5eの法線方向に沿わせた状態とされて、これら摺動面5e間に取り付けられている。また、支持部5hは、他端側がプラグピン2の一方の端子2aに電気的に接続されている。
次いで、キャップ側回転部5dは、本体部5jの両側に対向する一対の支持片5kが取り付けられた略コの字状に形成され、これら一対の支持片5k間にプラグ側回転部5cの摺動面5eが嵌合されて取り付けられ、これら一対の支持片5kに取り付けられたピン材5mにて回転可能に固定されている。本体部5jの中央部には、一対の支持片5k間に突出する第2電極部5nが設けられている。
第2電極部5nは、第1電極部5fに対しプラグピン2の回転方向に回転可能に取り付けられ、第1電極部5fの回転接続部5gに接続するための平板円環状の回転接続部5pと、この回転接続部5pに一端側が一体的に接続された支持部5qとで構成されている。回転接続部5pは、この回転接続部5pの軸方向(厚さ方向)を、支持片5kの法線方向に沿わせた状態とされて、これら支持片5k間に取り付けられ、ピン材としての連結ピン5wを介して第1電極部5fに電気的かつ機械的に接続されている。連結ピン5wは、一対の支持片5kに取り付けられたピン材5mの回転中心に等しい回転中心を有し、プラグピン2に対するプラグ本体5の回転方向の同軸上に第1電極部5fと第2電極部5nとを回転可能とさせる。すなわち、第1電極部5fと第2電極部5nとは、プラグピン2に対するプラグ本体5の回転中心に等しい回転中心にて回転可能に電気的に接続されている。また、支持部5qは、絶縁性を有する円筒状のスリーブ材5rの中心部に挿通されて取り付けられ、このスリーブ材5rが本体部5jの中心部に嵌合されて取り付けられている。
また、接続部5bは、第2電極部5nに加え、キャップ側回転部5dの本体部5jの基端側に位置し、外周面にねじ溝5sが形成された係合部5tを備えている。ねじ溝5sは、キャップ材4の内ねじ4bにねじ止め可能に形成されている。すなわち、係合部5tは、キャップ材4の縮径部4eの内径寸法に等しい外径寸法に形成され、キャップ材4の先端側に挿入可能とされている。また、キャップ側回転部5dの本体部5jとスリーブ材5rとの間には、配線ケーブル3をかしめ固定して位置決めしつつ一方の同軸ケーブル3aに電気的に接続させるための第1接続部5uが取り付けられている。第1接続部5uは、プラグ本体5を介してプラグピン2の一方の端子2bに電気的に接続されている。また、支持部5qの他端部には、配線ケーブル3の他方の同軸ケーブル3bが半田付けされて電気的に接続される第2接続部5vが一体的に設けられている。第2接続部5vは、支持部5q、第2電極部5n、連結ピン5w、第1電極部5f等を介してプラグピン2の他方の端子2aに電気的に接続されている。
飾りスリーブ6は、キャップ材4の縮径部4eの外径寸法に等しい内径寸法を有するとともに、キャップ材4の経大部4dの外径寸法に略等しい外径寸法を有する略円筒状のスリーブ本体6aを有している。スリーブ本体6aは、キャップ材4の縮径部4eの長さ寸法に等しい長さ寸法に形成されている。スリーブ本体6aの基端側の内周面には、キャップ材4の外ねじ4fにねじ止め固定させるための内周ねじ溝としての内ねじ6bが形成されている。スリープ本体6aの外周面は、種々のデザインを付すことができるよう平坦な円筒面とされ表装部6cとされている。
<調整動作>
次に、上記第1実施形態のプラグ1の調整動作について、図1を参照して、より詳細に説明する。
まず、配線コード3の一端側に取り付けられたプラグ1のプラグピン2を、例えばアンプ等の所定の接続口(図示せず)に差し込んで電気的に接続してから、この配線コード3の他端側に取り付けられたプラグ1のプラグピン2を、例えばエレキギター等の所定の接続口(図示せず)に差し込んで電気的に接続させる。
このとき、図1(a)および図1(b)に示す状態から、図1(c)および図1(d)に示すように、プラグ1のプラグピン2をプラグ本体5に対して回転させて屈曲させる場合には、例えば、このプラグ1の飾りスリーブ6等を押え、この飾りスリーブ6に対してプラグピン2を回転させる。
この場合には、プラグ本体5とプラグピン2とを固定しているピン材5mを回転中心として、プラグピン2がプラグ本体5に対して回転されて屈曲され、プラグピン2の端子2aに電気的に接続されている第1電極部5fが、プラグ本体5の第2接続部5vに電気的に接続されている第2電極部5nに対し、電気的に接続された状態を維持しつつ摺動されて、プラグピン2が回動される。
したがって、プラグ1のプラグピン2のプラグ本体5に対する回転角(屈曲角)を調整することができる。すなわち、回転部5aを用いて配線コード3に対するプラグピン2の向きを適宜変更できるから、このプラグピン2を接続するオーディオ機器の位置や形状に合わせてプラグピン2の向きを変更することができる。よって、利用者の使用用途等に対応させて調整でき、利用者の使い勝手を向上することができる。特に、プラグピン2の軸方向を配線コード3の軸方向に対して略90°屈曲可能とさせたことにより、プラグピン2を接続するオーディオ機器の位置や形状に対応させて、配線ケーブル3に対するプラグピン2の向き変更することにより、ほとんどの需要に対応することができる。
<組立動作>
次に、上記第1実施形態のプラグ1の組立動作について、図2を参照して、より詳細に説明する。
まず、図2(a)に示すように、キャップ材4の大径部4d側から、配線コード3の一端側を挿入し、この配線コード3の一端部を、プラグ本体5の第1接続部5uにて挟んでかしめ固定する。そして、この配線コード3の一方の同軸ケーブル3aの端部を、プラグ本体5の第1接続部5uの中間部に半田付けして電気的かつ機械的に接続させる。また同時に、この配線コード3の他方の同軸ケーブル3bの端部を、プラグ本体5の第2接続部5vの端部に半田付けして電気的かつ機械的に接続させる。
この状態で、キャップ材4をプラグ本体5側に移動していき、図2(b)に示すように、このキャップ材4の内ねじ4bを、プラグ本体5のねじ溝5sにねじ止めさせて固定させる。
次いで、飾りスリーブ6の内ねじ6bが設けられている側である基端側から、プラグピン2の先端側を挿入して、プラグピン2およびプラグ本体5を挿通させ、図2(c)に示すように、飾りスリーブ6をキャップ材4に嵌合させ、この飾りスリーブ6の内ねじ6bをキャップ材4の外ねじ4fにねじ止めさせる。この結果、キャップ材4の縮径部4eの全体が飾りスリーブ6にて覆われる。
さらに、飾りスリーブ6を回転させて、この飾りスリーブ6の内ねじ6bによるキャップ材4の外ねじ4sへのねじ止めを外すことにより、図2(b)に示すように、飾りスリーブ6をプラグピン2側へスライドさせて容易に取り外すことができる。
この結果、プラグ本体5に配線ケーブル3の端部を接続し、この配線ケーブル3の端部をキャップ材4にて覆いプラグ本体5にねじ止めさせた状態のまま、飾りスリーブ6の取り付けおよび取り外しを容易に行うことができる。よって、飾りスリーブ6をキャップ材4から取り外しても、キャップ材4がプラグ本体5に取り付けられ、このプラグ本体5に対する配線ケーブル3の電気的な接続箇所が露出しない。したがって、種々の異なるデザインおよび色彩が表装部6cに施された複数の飾りスリーブ6を予め用意しておくことにより、分解等することなく、利用者の希望に沿ったデザイン等の表装部6cを有する飾りスリーブ6に容易に交換することができるから、利用者の使い勝手を向上させることができる。
また、飾りスリーブ6をキャップ材4に取り付けることにより、このキャップ材4の縮径部4eに飾りスリーブ6を嵌合させて取り付けることができ、この縮径部4eの全体を飾りスリーブ6にて覆うことができるから、飾りスリーブ6をキャップ材4の縮径部4eに取り付けることにより、このキャップ材4の審美性を向上でき、利用者の使い勝手を向上できる。
さらに、飾りスリーブ6は、キャップ材4の大径部4dより先端側の縮径部4eのみに取り付けられるため、このキャップ材4の大径部4dを押えつつ飾りスリーブ6の取り付けおよび取り外しができるとともに、飾りスリーブ6の取り付け位置が明確になり、飾りスリーブ6の表装部6cのデザインを、キャップ材4の大径部4dの形状およびデザインを考慮したデザインとすることにより、キャップ材4の審美性をより向上でき、利用者の使い勝手を向上させることができる。
[第2実施形態]
図3は、本考案の第2実施形態に係るプラグの内部構造を示す図で、(a)は概略図、(c)はその回動状態を示す概略図、(d)はその左側面図である。本第2実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、第1実施形態は、第1電極部5fに対して第2電極部5nを回転させて電気的接続を維持したプラグ1に対し、第2実施形態は、第1電極部5fに対して第2電極部5nを摺動させて電気的接続を維持したスワン式のプラグ1Aである。なお、本第2実施形態において、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
<構成>
本第2実施形態に係るプラグ1Aは、プラグ側回転部5cと第1電極部5fとの間に、絶縁性の保持部材7が取り付けられて固定され、第1電極部5fが保持されている。第1電極部5fは、上述した第1実施形態より大きな厚さ寸法を有する構成とされており、第1電極部5fの円弧状の外周面が摺動部としての付勢摺動面8とされている。
一方、キャップ側回転部5dは、第2電極部5nがピン状とされており、この第2電極部5nの先端部を、第1電極部5fの付勢摺動面8に接触させた状態とされて取り付けられている。第2電極部5nの基端側には、導電性を有するコイル状の付勢部としての弾性部材9aが同心状に取り付けられ、弾性部材9aが有する弾性力にて第2電極部5nの先端部が第1電極部5fの付勢摺動面8に付勢された状態とされている。
弾性部材9aは、スリーブ材5r内に収容され、スリーブ材5rの基端側には、導電性を有するキャップ体9bが取り付けられて封止されている。キャップ体9bとスリーブ材5rとの間に第1接続部5uが取り付けられ、スリーブ材5rと係合部5tとの間に第2接続部5vが取り付けられている。
よって、第1接続部5uは、キャップ体9b、弾性部材9a、第2電極部5nおよび第1電極部5fを介してプラグピン2の端子2aに電気的に接続されている。また、第2接続部5vは、係合部5t、本体部5j、支持片5kおよび摺動面5eを介してプラグピン2の端子2bに電気的に接続されている。
<調整動作>
次に、上記第2実施形態のプラグ1Aの調整動作について、図3を参照して、より詳細に説明する。
図3(a)に示す状態から、図3(b)および図1(c)に示すように、プラグピン2をプラグ本体5に対して回転させ屈曲させる場合には、上述した第1実施形態と同様に、ピン材5mを回転中心として、プラグピン2がプラグ本体5に対して回転されて屈曲される。
このとき、第1電極部5fの付勢摺動面8に対して第2電極部5nが弾性部材9aにて付勢されているため、配線コード3に対するプラグピン2の回転に伴い、プラグピン2の端子2aに電気的に接続されている第1電極部5fの付勢摺動面8に沿って、第2電極部5nの先端部が摺動していき、これら第1電極部5fと第2電極部5nとの電気的な接続が維持されつつ、プラグピン2が回転される。
よって、プラグピン2のプラグ本体5に対する回転角を、利用者の使用用途等に対応させて調整することができる。
<組立動作>
また、上述した第1実施形態と同様に、配線ケーブル3の端部をキャップ材4にて覆いプラグ本体5にねじ止めした状態のまま、飾りスリーブ6の交換ができるため、分解等することなく、利用者の好みに応じた表装部6cを有する飾りスリーブ6に容易に交換することができる。
[その他]
なお、本考案は前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形態様が含まれる。例えば、前述した実施形態は、本考案を分りやすく説明するために説明したものであり、本考案は、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1,1A プラグ
2 プラグピン(プラグ端子)
2a,2b 端子
3 配線コード
3a,3b 同軸ケーブル
4 キャップ材(接続部)
4a キャップ本体
4b 内ねじ
4c 開口部
4d 大径部
4e 縮径部(円筒部)
4f 外ねじ(外周ねじ溝)
5 プラグ本体
5a 回転部
5b 接続部
5c プラグ側回転部
5d キャップ側回転部
5e 摺動面
5f 第1電極部
5g 回転接続部
5h 支持部
5j 本体部
5k 支持片
5m ピン材
5n 第2電極部(電極部)
5p 回転接続部
5q 支持部
5r スリーブ材
5s ねじ溝
5t 係合部
5u 第1接続部
5v 第2接続部
5w 連結ピン(ピン材)
6 飾りスリーブ(カバー部材)
6a スリーブ本体
6b 内ねじ(内周ねじ溝)
6c 表装部
7 保持部材
8 付勢摺動面(第1電極部,摺動部)
9a 弾性部材(付勢部)
9b キャップ体
本考案は、例えばエレキギター等のオーディオ機器に接続されるプラグに関する。
従来、この種のプラグとしては、例えば下記特許文献1に記載の構成のプラグが知られている。このプラグは、プラグ端子(プラグピン)の中心線と配線コードの接続方向とのなす角度が略135°として一体成型部にて回動可能に取り付けられている。
しかしながら、上記特許文献1にかかる従来技術によれば、プラグ端子(プラグピン)と配線コードとが一体成型部にて回動可能とされていることから、一体成型部が大型化してしまい、配線コードに対しプラグ端子を直線状にした場合に、一体成型部の膨らみが邪魔になる等し、使い勝手が良くない。
そこで本考案は、従来技術における上記問題を解決し、使い勝手の良いプラグを提供することを目的とする。
この課題を解決するため、請求項1にかかる本考案は、オーディオ機器に接続されるプラグであって、軸方向を有するプラグ端子と、このプラグ端子の基端部に設けられ、配線コードの端部が接続される接続部と、この接続部と前記プラグ端子との間に設けられ、前記プラグ端子を前記配線コードに対して回転可能とさせる回転部と、を有し、この回転部は、前記プラグ端子に電気的に接続された第1電極部と、前記配線コードの端部に電気的に接続される第2電極部とを有し、これら第1電極部と第2電極部とは、前記回転部の回転中心に等しい回転中心にて回転可能に電気的に接続されていることを特徴とするプラグである。
そして、このように構成したことにより、プラグ端子に電気的に接続された第1電極部と、配線コードの端部の端部に電気的に接続される第2電極部とが、回転部の回転中心に等しい回転中心にて回転可能に電気的に接続されている。このため、第1電極部と第2電極部との電気的な接続を維持しつつ回転部の回転中心にて配線コードに対するプラグ端子の向きを適宜変更することができるから、このプラグ端子を接続するオーディオ機器の位置や形状に合わせてプラグ端子の向きを変更できるため、利用者の使い勝手を向上することができる。
請求項2は、前記回転部は、前記プラグ端子の軸方向を前記配線コードの軸方向に対し略90°屈曲可能とさせることを特徴とするプラグである。
そして、このように構成したことにより、回転部によって、プラグ端子の軸方向を配線コードの軸方向に対し略90°屈曲可能とされる。このため、プラグ端子を接続するオーディオ機器の位置や形状に対応させて、配線ケーブルに対するプラグ端子の向き変更することにより、ほとんどの需要に対応することができるから、利用者の使い勝手をより向上することができる。
請求項3は、前記回転部の第1電極部と第2電極部とは、前記回転部の回転中心に等しい回転中心を有するピン材にて回転可能に連結されていることを特徴とするプラグである。
そして、このように構成したことにより、第1電極部と第2電極部とが、回転部の回転中心に等しい回転中心を有するピン材にて回転可能に取り付けられている。このため、プラグ端子を配線コードに対して回転させると、ピン材を回転中心として第1電極部と第2電極部との電気的な接続を維持させつつ、プラグ端子を回転させることができる。
請求項4は、前記回転部の第1電極部は、前記プラグ端子の回転方向に沿った円弧状の摺動部とされ、前記回転部の第2電極部は、前記摺動部に対し摺動可能に接触させて取り付けられ、前記回転部は、前記第2電極部を前記摺動部に向けて付勢する付勢部を備えたことを特徴とするプラグである。
そして、このように構成したことにより、回転部の摺動部に対し第2電極部が付勢部にて付勢されているため、プラグ端子を配線コードに対して回転させると、回転部の摺動部に第2電極部を接触させた状態が維持されるため、これら摺動部と第2電極部との電気的な接続を維持させつつ、プラグ端子を回転させることができる。
請求項5は、前記接続部は、前記プラグ端子の基端部にねじ止めされた略円筒状とされ、この接続部に前記プラグ端子を取り付けた状態で、このプラグ端子側から挿入して前記接続部に取り付け可能な略円筒状のカバー部材を有することを特徴とするプラグである。
そして、このように構成したことにより、配線コードの端部が接続される略円筒状の接続部にプラグ端子をねじ止めした状態で、このプラグ端子側からカバー部材を挿入させて接続部に取り付け可能とされている。このため、カバー部材を接続部から取り外しても、接続部がプラグ端子にねじ止めされており、カバー部材の取り外しが容易にできる。したがって、種々のデザインがされた複数のカバー部材を予め用意しておくことにより、利用者の希望に沿ったデザインのカバー部材に交換することができるから、利用者の使い勝手を向上させることができる。
請求項6は、前記接続部は、この接続部の外周部に設けられた外周ねじ溝を備え、前記カバー部材は、このカバー部材の内周部に設けられ前記接続部の外周ねじ溝に螺合可能な内周ねじ溝を備えたことを特徴とするプラグである。
そして、このように構成したことにより、カバー部材を接続部に挿入させつつ、カバー部材の内周ねじ溝を接続部の外周ねじ溝に係合させてねじ止めすることにより、このカバー部材を接続部に取り付けることができ、このカバー部材の内周ねじ溝による接続部の外周ねじ溝へのねじ止めを解除することにより、カバー部材を接続部から取り外すことができる。よって、この接続部に対するカバー部材の交換が容易にでき、利用者の使い勝手をより向上させることができる。
請求項7は、前記接続部は、少なくとも前記プラグ端子側の部分が円筒状に形成された円筒部を備え、前記カバー部材は、前記接続部の円筒部の外径寸法に等しい内径寸法を有する円筒状に形成されていることを特徴とするプラグである。
そして、このように構成したことにより、接続部のプラグ端子側の部分の円筒部にカバー部材を嵌合させて取り付けることができ、接続部の円筒部をカバー部材にて覆うことができる。よって、カバー部材にて接続部のプラグ端子側を覆うことにより、接続部の審美性を向上することができるから、利用者の使い勝手を向上させることができる。
請求項8は、前記接続部は、前記円筒部の基端側に設けられ前記カバー部材の外径寸法に略等しい円筒状の大径部を備えていることを特徴とするプラグである。
そして、このように構成したことにより、接続部の経大部よりプラグ端子側の円筒部をカバー部材にて覆うことができる。したがって、カバー部材の取り付け位置が明確になり、接続部の経大部の形状を考慮したデザインとすることにより、接続部の審美性をより向上でき、利用者の使い勝手を向上させることができる。
本考案によれば、プラグ端子に電気的に接続された第1電極部と、配線コードの端部の端部に電気的に接続される第2電極部とが、回転部の回転中心に等しい回転中心にて回転可能に電気的に接続されている。このため、第1電極部と第2電極部との電気的な接続を維持しつつ回転部の回転中心にて配線コードに対するプラグ端子の向きを適宜変更することができる。よって、プラグ端子を接続するオーディオ機器の位置や形状に合わせてプラグ端子の向きを変更できるため、利用者の使い勝手を向上することができる。そして、前述した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明より明らかにされる。
本考案の第1実施形態に係るプラグを示す図で、(a)は正面図、(b)はその内部構造を示す概略図、(c)はその回動状態を示す概略図、(d)はその左側面図である。
上記プラグの内部構造を示す図で、(a)は接続部およびカバー部材の取り付け前の状態図、(b)は接続部を取り付けた後の状態図、(c)はカバー部材を取り付けた後の状態図である。
本考案の第2実施形態に係るプラグの内部構造を示す図で、(a)は概略図、(c)はその回動状態を示す概略図、(d)はその左側面図である。
[第1実施形態]
本考案の第1実施形態のプラグについて図1および図2を参照して説明する。図1は、本考案の第1実施形態に係るプラグを示す図で、(a)は正面図、(b)はその内部構造を示す概略図、(c)はその回動状態を示す概略図、(d)はその左側面図である。図2は、プラグの内部構造を示す図で、(a)は接続部およびカバー部材の取り付け前の状態図、(b)は接続部を取り付けた後の状態図、(c)はカバー部材を取り付けた後の状態図である。
<構成>
本第1実施形態に係るプラグ1は、例えばエレキギターやアンプ等のオーディオ機器に接続されるもので、図1(a)に示すように、軸方向を有するプラグ端子としてのプラグピン2と、このプラグピン2の基端部に設けられ、配線コード3の端部が挿通される挿通部としての接続部であるキャップ材4と、このキャップ材4とプラグピン2との間に設けられたプラグ本体5と、キャップ材4にプラグピン2を取り付けた状態で、このプラグピン2側から挿入してキャップ材4に取り付け可能な略円筒状のカバー部材としての飾りスリーブ6とを備えた回転プラグである。
プラグピン2は、略細長円筒形状の接続端子であって、オーディオ機器等に設けられたソケット(図示せず)に挿入されることによって、オーディオ機器と電気的に接続され、オーディオ機器から出力された電気信号が入力され、または配線コード3側から入力された電気信号をオーディオ機器へ出力する。プラグピン2には、音声信号を伝送するために、2つの端子2a,2bが設けられている。
配線コード3は、2本の同軸ケーブル3a,3bが内包されたケーブルであり、一方の同軸ケーブル3aの一端部がプラグ本体5に半田付けされプラグピン2に電気的に接続されている。配線コード3の他端部にもまた、プラグ1が取り付けられている。
キャップ材4は、略円筒状に形成されたキャップ本体4aを備え、このキャップ本体4aのプラグ本体5に接続される側である先端側の内周面に内ねじ4bが形成されている。また、キャップ本体4aの基端側の中央部には、配線コード3を挿通させるための開口部4cが形成され、このキャップ本体4aの基端側の外周部は、先端側より経大な円筒状の大径部4dが形成されている。この大径部4dより先端側であるプラグピン2側の部分が、この大径部4dの外径寸法より小さな外径寸法を有する円筒状の円筒部である縮径部4eとされ、この縮径部4eの大径部4dよりの位置の外周面に外周ねじ溝としての外ねじ4fが形成されている。
プラグ本体5は、プラグピン2をキャップ材4および配線コード3に対し回転可能とさせる回転部5aと、プラグピン2を配線コード3に電気的に接続させる接続部5bとで構成されている。回転部5aは、プラグピン2の軸方向を配線コード3の軸方向に対し略90°屈曲可能とさせる。また、回転部5aは、プラグピン2の基端部に接続されたプラグ側回転部5cと、キャップ材4に接続されるキャップ側回転部5dとで構成されている。プラグ側回転部5cは、プラグピン2の基端部に一体的に設けられた部分であって、両側面が平行かつ平坦な摺動面5eとされている。この摺動面5e間には、プラグピン2の一方の端子2aに電気的に接続された第1電極部5fが設けられている。
第1電極部5fは、図1(b)ないし図1(d)に示すように、キャップ側回転部5dに接続するための平板円環状の回転接続部5gと、この回転接続部5gに一端側が一体的に接続された支持部5hとで構成されている。回転接続部5gは、この回転接続部5gの軸方向(厚さ方向)を、摺動面5eの法線方向に沿わせた状態とされて、これら摺動面5e間に取り付けられている。また、支持部5hは、他端側がプラグピン2の一方の端子2aに電気的に接続されている。
次いで、キャップ側回転部5dは、本体部5jの両側に対向する一対の支持片5kが取り付けられた略コの字状に形成され、これら一対の支持片5k間にプラグ側回転部5cの摺動面5eが嵌合されて取り付けられ、これら一対の支持片5kに取り付けられたピン材5mにて回転可能に固定されている。本体部5jの中央部には、一対の支持片5k間に突出する第2電極部5nが設けられている。
第2電極部5nは、第1電極部5fに対しプラグピン2の回転方向に回転可能に取り付けられ、第1電極部5fの回転接続部5gに接続するための平板円環状の回転接続部5pと、この回転接続部5pに一端側が一体的に接続された支持部5qとで構成されている。回転接続部5pは、この回転接続部5pの軸方向(厚さ方向)を、支持片5kの法線方向に沿わせた状態とされて、これら支持片5k間に取り付けられ、ピン材としての連結ピン5wを介して第1電極部5fに電気的かつ機械的に接続されている。連結ピン5wは、一対の支持片5kに取り付けられたピン材5mの回転中心に等しい回転中心を有し、プラグピン2に対するプラグ本体5の回転方向の同軸上に第1電極部5fと第2電極部5nとを回転可能とさせる。すなわち、第1電極部5fと第2電極部5nとは、プラグピン2に対するプラグ本体5の回転中心に等しい回転中心にて回転可能に電気的に接続されている。また、支持部5qは、絶縁性を有する円筒状のスリーブ材5rの中心部に挿通されて取り付けられ、このスリーブ材5rが本体部5jの中心部に嵌合されて取り付けられている。
また、接続部5bは、第2電極部5nに加え、キャップ側回転部5dの本体部5jの基端側に位置し、外周面にねじ溝5sが形成された係合部5tを備えている。ねじ溝5sは、キャップ材4の内ねじ4bにねじ止め可能に形成されている。すなわち、係合部5tは、キャップ材4の縮径部4eの内径寸法に等しい外径寸法に形成され、キャップ材4の先端側に挿入可能とされている。また、キャップ側回転部5dの本体部5jとスリーブ材5rとの間には、配線ケーブル3をかしめ固定して位置決めしつつ一方の同軸ケーブル3aに電気的に接続させるための第1接続部5uが取り付けられている。第1接続部5uは、プラグ本体5を介してプラグピン2の一方の端子2bに電気的に接続されている。また、支持部5qの他端部には、配線ケーブル3の他方の同軸ケーブル3bが半田付けされて電気的に接続される第2接続部5vが一体的に設けられている。第2接続部5vは、支持部5q、第2電極部5n、連結ピン5w、第1電極部5f等を介してプラグピン2の他方の端子2aに電気的に接続されている。
飾りスリーブ6は、キャップ材4の縮径部4eの外径寸法に等しい内径寸法を有するとともに、キャップ材4の経大部4dの外径寸法に略等しい外径寸法を有する略円筒状のスリーブ本体6aを有している。スリーブ本体6aは、キャップ材4の縮径部4eの長さ寸法に等しい長さ寸法に形成されている。スリーブ本体6aの基端側の内周面には、キャップ材4の外ねじ4fにねじ止め固定させるための内周ねじ溝としての内ねじ6bが形成されている。スリープ本体6aの外周面は、種々のデザインを付すことができるよう平坦な円筒面とされ表装部6cとされている。
<調整動作>
次に、上記第1実施形態のプラグ1の調整動作について、図1を参照して、より詳細に説明する。
まず、配線コード3の一端側に取り付けられたプラグ1のプラグピン2を、例えばアンプ等の所定の接続口(図示せず)に差し込んで電気的に接続してから、この配線コード3の他端側に取り付けられたプラグ1のプラグピン2を、例えばエレキギター等の所定の接続口(図示せず)に差し込んで電気的に接続させる。
このとき、図1(a)および図1(b)に示す状態から、図1(c)および図1(d)に示すように、プラグ1のプラグピン2をプラグ本体5に対して回転させて屈曲させる場合には、例えば、このプラグ1の飾りスリーブ6等を押え、この飾りスリーブ6に対してプラグピン2を回転させる。
この場合には、プラグ本体5とプラグピン2とを固定しているピン材5mを回転中心として、プラグピン2がプラグ本体5に対して回転されて屈曲され、プラグピン2の端子2aに電気的に接続されている第1電極部5fが、プラグ本体5の第2接続部5vに電気的に接続されている第2電極部5nに対し、電気的に接続された状態を維持しつつ摺動されて、プラグピン2が回動される。
したがって、プラグ1のプラグピン2のプラグ本体5に対する回転角(屈曲角)を調整することができる。すなわち、回転部5aを用いて配線コード3に対するプラグピン2の向きを適宜変更できるから、このプラグピン2を接続するオーディオ機器の位置や形状に合わせてプラグピン2の向きを変更することができる。よって、利用者の使用用途等に対応させて調整でき、利用者の使い勝手を向上することができる。特に、プラグピン2の軸方向を配線コード3の軸方向に対して略90°屈曲可能とさせたことにより、プラグピン2を接続するオーディオ機器の位置や形状に対応させて、配線ケーブル3に対するプラグピン2の向き変更することにより、ほとんどの需要に対応することができる。
<組立動作>
次に、上記第1実施形態のプラグ1の組立動作について、図2を参照して、より詳細に説明する。
まず、図2(a)に示すように、キャップ材4の大径部4d側から、配線コード3の一端側を挿入し、この配線コード3の一端部を、プラグ本体5の第1接続部5uにて挟んでかしめ固定する。そして、この配線コード3の一方の同軸ケーブル3aの端部を、プラグ本体5の第1接続部5uの中間部に半田付けして電気的かつ機械的に接続させる。また同時に、この配線コード3の他方の同軸ケーブル3bの端部を、プラグ本体5の第2接続部5vの端部に半田付けして電気的かつ機械的に接続させる。
この状態で、キャップ材4をプラグ本体5側に移動していき、図2(b)に示すように、このキャップ材4の内ねじ4bを、プラグ本体5のねじ溝5sにねじ止めさせて固定させる。
次いで、飾りスリーブ6の内ねじ6bが設けられている側である基端側から、プラグピン2の先端側を挿入して、プラグピン2およびプラグ本体5を挿通させ、図2(c)に示すように、飾りスリーブ6をキャップ材4に嵌合させ、この飾りスリーブ6の内ねじ6bをキャップ材4の外ねじ4fにねじ止めさせる。この結果、キャップ材4の縮径部4eの全体が飾りスリーブ6にて覆われる。
さらに、飾りスリーブ6を回転させて、この飾りスリーブ6の内ねじ6bによるキャップ材4の外ねじ4sへのねじ止めを外すことにより、図2(b)に示すように、飾りスリーブ6をプラグピン2側へスライドさせて容易に取り外すことができる。
この結果、プラグ本体5に配線ケーブル3の端部を接続し、この配線ケーブル3の端部をキャップ材4にて覆いプラグ本体5にねじ止めさせた状態のまま、飾りスリーブ6の取り付けおよび取り外しを容易に行うことができる。よって、飾りスリーブ6をキャップ材4から取り外しても、キャップ材4がプラグ本体5に取り付けられ、このプラグ本体5に対する配線ケーブル3の電気的な接続箇所が露出しない。したがって、種々の異なるデザインおよび色彩が表装部6cに施された複数の飾りスリーブ6を予め用意しておくことにより、分解等することなく、利用者の希望に沿ったデザイン等の表装部6cを有する飾りスリーブ6に容易に交換することができるから、利用者の使い勝手を向上させることができる。
また、飾りスリーブ6をキャップ材4に取り付けることにより、このキャップ材4の縮径部4eに飾りスリーブ6を嵌合させて取り付けることができ、この縮径部4eの全体を飾りスリーブ6にて覆うことができるから、飾りスリーブ6をキャップ材4の縮径部4eに取り付けることにより、このキャップ材4の審美性を向上でき、利用者の使い勝手を向上できる。
さらに、飾りスリーブ6は、キャップ材4の大径部4dより先端側の縮径部4eのみに取り付けられるため、このキャップ材4の大径部4dを押えつつ飾りスリーブ6の取り付けおよび取り外しができるとともに、飾りスリーブ6の取り付け位置が明確になり、飾りスリーブ6の表装部6cのデザインを、キャップ材4の大径部4dの形状およびデザインを考慮したデザインとすることにより、キャップ材4の審美性をより向上でき、利用者の使い勝手を向上させることができる。
[第2実施形態]
図3は、本考案の第2実施形態に係るプラグの内部構造を示す図で、(a)は概略図、(c)はその回動状態を示す概略図、(d)はその左側面図である。本第2実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、第1実施形態は、第1電極部5fに対して第2電極部5nを回転させて電気的接続を維持したプラグ1に対し、第2実施形態は、第1電極部5fに対して第2電極部5nを摺動させて電気的接続を維持したスワン式のプラグ1Aである。なお、本第2実施形態において、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
<構成>
本第2実施形態に係るプラグ1Aは、プラグ側回転部5cと第1電極部5fとの間に、絶縁性の保持部材7が取り付けられて固定され、第1電極部5fが保持されている。第1電極部5fは、上述した第1実施形態より大きな厚さ寸法を有する構成とされており、第1電極部5fの円弧状の外周面が摺動部としての付勢摺動面8とされている。
一方、キャップ側回転部5dは、第2電極部5nがピン状とされており、この第2電極部5nの先端部を、第1電極部5fの付勢摺動面8に接触させた状態とされて取り付けられている。第2電極部5nの基端側には、導電性を有するコイル状の付勢部としての弾性部材9aが同心状に取り付けられ、弾性部材9aが有する弾性力にて第2電極部5nの先端部が第1電極部5fの付勢摺動面8に付勢された状態とされている。
弾性部材9aは、スリーブ材5r内に収容され、スリーブ材5rの基端側には、導電性を有するキャップ体9bが取り付けられて封止されている。キャップ体9bとスリーブ材5rとの間に第1接続部5uが取り付けられ、スリーブ材5rと係合部5tとの間に第2接続部5vが取り付けられている。
よって、第1接続部5uは、キャップ体9b、弾性部材9a、第2電極部5nおよび第1電極部5fを介してプラグピン2の端子2aに電気的に接続されている。また、第2接続部5vは、係合部5t、本体部5j、支持片5kおよび摺動面5eを介してプラグピン2の端子2bに電気的に接続されている。
<調整動作>
次に、上記第2実施形態のプラグ1Aの調整動作について、図3を参照して、より詳細に説明する。
図3(a)に示す状態から、図3(b)および図1(c)に示すように、プラグピン2をプラグ本体5に対して回転させ屈曲させる場合には、上述した第1実施形態と同様に、ピン材5mを回転中心として、プラグピン2がプラグ本体5に対して回転されて屈曲される。
このとき、第1電極部5fの付勢摺動面8に対して第2電極部5nが弾性部材9aにて付勢されているため、配線コード3に対するプラグピン2の回転に伴い、プラグピン2の端子2aに電気的に接続されている第1電極部5fの付勢摺動面8に沿って、第2電極部5nの先端部が摺動していき、これら第1電極部5fと第2電極部5nとの電気的な接続が維持されつつ、プラグピン2が回転される。
よって、プラグピン2のプラグ本体5に対する回転角を、利用者の使用用途等に対応させて調整することができる。
<組立動作>
また、上述した第1実施形態と同様に、配線ケーブル3の端部をキャップ材4にて覆いプラグ本体5にねじ止めした状態のまま、飾りスリーブ6の交換ができるため、分解等することなく、利用者の好みに応じた表装部6cを有する飾りスリーブ6に容易に交換することができる。
[その他]
なお、本考案は前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形態様が含まれる。例えば、前述した実施形態は、本考案を分りやすく説明するために説明したものであり、本考案は、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1,1A プラグ
2 プラグピン(プラグ端子)
2a,2b 端子
3 配線コード
3a,3b 同軸ケーブル
4 キャップ材(接続部)
4a キャップ本体
4b 内ねじ
4c 開口部
4d 大径部
4e 縮径部(円筒部)
4f 外ねじ(外周ねじ溝)
5 プラグ本体
5a 回転部
5b 接続部
5c プラグ側回転部
5d キャップ側回転部
5e 摺動面
5f 第1電極部
5g 回転接続部
5h 支持部
5j 本体部
5k 支持片
5m ピン材
5n 第2電極部(電極部)
5p 回転接続部
5q 支持部
5r スリーブ材
5s ねじ溝
5t 係合部
5u 第1接続部
5v 第2接続部
5w 連結ピン(ピン材)
6 飾りスリーブ(カバー部材)
6a スリーブ本体
6b 内ねじ(内周ねじ溝)
6c 表装部
7 保持部材
8 付勢摺動面(第1電極部,摺動部)
9a 弾性部材(付勢部)
9b キャップ体