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JP3181517U - バイトフォーク - Google Patents

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JP3181517U JP2012006481U JP2012006481U JP3181517U JP 3181517 U JP3181517 U JP 3181517U JP 2012006481 U JP2012006481 U JP 2012006481U JP 2012006481 U JP2012006481 U JP 2012006481U JP 3181517 U JP3181517 U JP 3181517U
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Abstract

【課題】フェイスボウ・トランスファーにおいて、正中矢状面を基準とした左右対称な理想的咀嚼器を咬合器に具現化するために、上顎歯列模型の位置関係を容易に調整できるバイトフォークを提供する。
【解決手段】バイトフォーク10は、バイト板12と、バイト板12を支持する支持板20と、支持板20に対してバイト板12のスライドと回転を可能とするバイト板取付機構とを備えたことを特徴とする。バイト板取付機構は、バイト板12に開口部16を設け、開口部16からネジ18により支持板にネジ止めする構造である。開口部16は、バイト板がネジ18を基準に左右にスライドできるように、横方向に長い形状とする。支持板20は、バイト板12がネジ18を基準に時計方向と反時計方向に回転可能な範囲およびバイト板12のスライド範囲は平面で形成されている。
【選択図】図1

Description

本考案は、フェイスボウにセットして、患者の歯型の印象を採取する際に使用するバイトフォークに関する。
喪失した歯の機能再獲得のために、金属やセラミックス等の人工材料により置換して喪失した口腔機能を補う手段としては、義歯を歯根に被せたり、完全に歯根まで喪失した場合は、健康な歯にブリッジをかけ義歯を置いたり等の治療手段があり、有歯顎、無歯顎を問わず補綴物を間接的に製作したり、口腔内の診断、治療計画を立てる場合に咬合器が用いられている。
義歯等の口腔内に装着する機能的な補綴物を製作し、顎関節の動きと下顎運動の状態を咬合器上に再現させ、患者の咬合に調和させるように補綴物を製作するためには、フェイスボウにより上顎三角をトランスファーする。
このフェイスボウ・トランスファーは、フェイスボウ(顔弓)とバイトフォークを用いて、上顎歯列と解剖学的基準点の三次元的な位置関係を咬合器で再現する操作である。すなわち、咬合器の下顎の開閉軸と顔面上の他の1点によってできる水平基準面に対する生体の上顎歯列の位置関係と咬合器にトランスファーすることである。
フェイスボウ・トランスファーで使用される基準点は、1点の前方基準点と2点の後方基準点である。前方基準点は、眼窩下縁、鼻翼下縁と、上顎右中切歯切端から約43mm上方にあるアキシス平面の基準がある。後方基準点は、ヒンジ・ポイント、外耳孔、任意顆頭点と耳珠がある。
しかしながら、この3点を利用し上顎三角をトランスファーすると、患者の顎の形態が多様であるため、生体と咬合器の正中矢状面が合致せず、上顎模型の水平面が傾いてしまい、上下顎歯列位置及び審美的、機能的咬合関係を高精度に調整すること困難となっていた。すなわち、この様な3点を基準としたフェイスボウ・トランスファーにおいては、上顎模型の付着の際、生体の正中矢状面と咬合器の正中矢状面が合致しない、水平面が傾くことの不備により、顔貌要素を考慮することは困難である。
このために、機能的審美的要素の決定装置が提案されている。上顎歯列と両瞳孔間線と口唇線との関係で、両瞳孔間線と左右外耳道を結ぶラインが平行でない場合や、咬合器の上顎弓と上顎歯列が平行になっていても、その上顎歯列が患者の顔面のなかでズレが生じ、審美的にバランスがとれなくなることがある。
そこで、上顎模型の付着の際の咬合器の正中からのズレを修正するために、フェイスボウ・トランスファーの操作の中に、新たに正中線両瞳孔間線審美的咬合平面あるいは必要に応じてリップラインの顔貌要素を加味してフェイスボウ・トランスファーを行うようにしている。審美的咬合平面の決定装置は、咬合器の上顎弓にフェイスボウを着脱自在に装着し、該フェイスボウのイヤーピース附近の位置に、後方基準点位置が上下に調節可能な弓形形状の審美的咬合平面決定用ワイヤを設けている。このような顔貌要素を加味することにより、従来のフェイスボウ・トランスファーでしばしば生じる上顎模型の付着の際の咬合器の正中からのズレを修正することが出来る(特許文献1参照)。
また、咬合器上で、矯正学的分析とスマイルの分析ができる歯科用咬合平面版にバイトフォークを一体化した歯科用フェイスボウを使用して、患者の正確な正中矢状面と顎関節から上顎歯列弓までの距離を同時に咬合器にトランスファーする方法もある。図17は、バイトフォーク200と、咬合平面版202に正中矢状平面指示板204と、左右のイヤーロッド206−1,206−2が装着された斜面図である。患者の顔面部前方正中と頭蓋骨後方部の正中まで考慮した患者の水平面、前頭面に直交した正中矢状平面を決定する。その後、上下前後左右の可動性を有したイヤーピースを患者の耳に挿入し、固定する。咬合器には左右どちらかの顆頭を代表として使うか、その平均を顎関節からの距離とし、正中矢状平面を重視した装着をする(特許文献2参照)。
患者の正中矢状面及び咬合平面に対して容易に位置合せすることができるバイトフォークを備えた下顎運動測定装置による咬合状態の再現方法の提案もある。図18は、バイトフォーク210を示しており、口内に挿入されるバイト部212と口外に配置される露出部214を有する。露出部214には、歯列の左右中央位置に対応してバイト部212を左右方向に略2等分する線を通り、バイト部212と直交する基準平面上に配置され、下顎の運動に従動するように患者に対して装着する発信機の孔218、正中線を示す指示ピンを配置する穴220が備えられている。バイト部212の左右には支持部216があり、一方の指示部216にはサポート板222が設けられ、相対変位させることにより、患者の側頭部との位置関係を明確にする(特許文献3参照)。
さらに、審美性基準として顔面の瞳孔線と正中線の少なくともいずれかを、下顎運動を再現させる咬合器上に表示させるために記録するための装置がある。ここで使用されているバイトフォークは、図19に示すように口腔内に挿入するバイトフォーク本体230に設けたアーム232に、瞳孔線記録装置234と正中線記録装置236を設けたものである。アーム232は、バイトフォーク本体230を取り付ける水平部と、瞳孔線記録装置234と正中線記録装置238を取り付けるサイドアーム部からなり、瞳孔線記録装置234と正中線記録装置238は、サイドアーム部の長さ方向にスライド可能である。
瞳孔線記録装置234は、ほぼ水平に設けた平板状の瞳孔線記録具236を回動可能に支持し、正中線記録装置238は、ほぼ垂直に設けた平板状の正中線記録具240を回動可能に支持している。これにより、患者の審美基準である瞳孔線や正中線を咬合器に簡単確実に再現させることができる(特許文献4参照)。
正中線のズレや瞳孔線の傾きに対しては、フェイスボウ本体の正面にインデックスピンから垂直に延びたポールに、インデックスピンと常に平行で左右に回動、移動が可能なポールに取り付けた正中線記録具を備え、記録した正中線を咬合器のインサイザルポールに記録して顔面の基準線を再現する方法の提案もある(特許文献5参照)。
特開平10−295707号広報 特開2006−187407号広報 特開2006−305125号広報 特開2005−95500号広報 特開2011−83568号広報
人間の頭蓋の下半分の機能を機械的な構造で再現する咬合器に、フェイスボウを用いて患者と同じ開閉機能をさせるために、上顎模型の水平基準面を咬合器の上顎フレームと平行に設定する。矢状顆路傾斜度は、この面を0度として調整される。左右の後方基準点の中点を通り、水平基準面と直行する矢状面に投影され、矢状角が割り出される。この設定は、運動力学的見地からの設定であり、患者の顔の状態がそのまま設定されているものではなく、審美的な基準とは相違している。このために、補綴物の正中を咬合器の正中に合わせたり、咬合平面を上顎フレームと平行にしたりしても患者の顔の審美とは調和せず、トラブルの原因となっている。
一般に、フェイスボウを用いて患者の顎機能をトランスファーする場合に、フェイスボウの左右にあるサイドアームに設けられたイヤーピースの取り付け位置や、サイドアームの移動により左右のサイドアームの中点が咬合器の正中に来るようにしている。ところが、実際の人間の顔の状態は正中矢状面を基準とした対称形ではなく、左右が非対象に発育しているが実情であり、咬合器の中央が患者の正中と一致することのほうが稀である。
このため、正中矢状軸を示す正中線や瞳孔線といった審美情報をフェイスボウに伝えるメカニズムを付加した様々な構造や方法が試みられているが、前述したように、構造が複雑になったり、使用方法が難しかったりする問題があった。さらに、審美情報は正中矢状軸、瞳孔線に限らず、上下の顎構造の正中が、フェイスボウ中心に対してズレがある場合や傾いている場合があり、これらの審美情報についても考慮する必要があった。
また、解剖学的基準点としては、上顎歯列における1点の前方基準点と2点の後方基準点があり、前方基準点は咬合器のコンダイルの中心と下弓までの1/2を患者の中切歯の切縁から上方へ求め、後方基準点はトランスバース・ホリゾンタルアキシスが顔面の皮膚を通過する点で、これをトランスファーすることで咬合器上に患者の開閉軸を再現する。後方基準点は、目測法によっているが、これは、真のトランスバース・ホリゾンタルアキシスとの誤差が下顎運動と調和した咬合面を構築する場合の影響が少ないことによる。
この基準点にしても、左右のトランスバース・ホリゾンタルアキシス・ポイントの位置が生体の正中矢状面を基準とすると側方的位置や前後的位置が、左右で非対称であることからフェイスボウ・トランスファーの結果として、上顎歯列の正中線は咬合器上では正中の位置になかったり、正中線と直交する水平線は左右の高さが異なったり、傾いたりすることが多い。
これら上顎歯列の顔面正中矢状面からのズレや非対称性は、審美補綴臨床での不備を招くばかりでなく、人体に対して他の組織との整合性が保てなくなり、健康への影響も懸念される。
従って、フェイスボウ・トランスファーにおいては、単に上下顎模型を患者の生体と同じ位置関係に咬合器に固定するだけでなく、理想的咀嚼器を意図した咬合診断・構築がなされなければならない。理想的な咀嚼器とは、適正な位置の下顎位を備え、その状態を維持し、下顎偏位を起こさない咀嚼器であると考えられ、構造的には、正中矢状面を中心として左右対称、左右同高、左右同傾斜であることと考えられる。
本考案は、フェイスボウ・トランスファーにおいて、上顎歯列の高精度なトランスファーを実現する際に、理想的な咀嚼器とするために、咬合器において上顎歯列模型の位置関係を容易に調整できるバイトフォークを提供することを目的としている。
本考案によるバイトフォークは、バイト板と、バイト板を支持する支持板と、支持板に対してバイト板のスライドと回転を可能とするバイト板取付機構とを備えたことを特徴とする。
バイト板取付機構は、バイト板に開口部を設け、開口部からネジによりワッシャーを介して支持板にネジ止めする構造である。開口部は、バイト板がネジを基準に左右にスライドできるように、横方向に長い形状とする。支持板は、バイト板がネジを基準に、時計方向と反時計方向に回転可能な範囲およびスライド範囲は平面で形成されている。
また、バイト板取付機構は、支持板に開口部を設け、バイト板の孔からネジを通して、開口部を覆う大きさのワッシャを介して支持板にナットでネジ止めするする構造であってもよい。この構造においても、開口部は、バイト板がボルトを基準に左右にスライドできるように、横方向に長い形状であり、支持板は、バイト板がネジを基準に、時計方向と反時計方向に回転可能にし、回転可能な範囲およびスライド範囲は平面で形成される。
支持板には、フェイスボウに取り付けるためのアームが備えられている。
フェイスボウ・トランスファーは、フェイスボウを使用して、頭蓋の上に空間の3点(後方基準点および前方基準点)を決定する事によって、1つの水平面を作り、その面に対して上顎の審美情報を含めた位置的関係を生体から取り出し、咬合器の上弓にあたる平面と一致させることにより、患者固有の上顎歯列模型の位置的関係を咬合器に移し替えることができる。
このフェイスボウ・トランスファーにおいて、本考案のバイトフォークを使用することにより、咬合器の正中矢状面に上顎模型の正中矢状面を合致させて付着することができる。
本考案によるバイトフォークAを示す図。 本考案によるバイトフォークBを示す図。 エステティックフェイスボウ 基準平面と基準線を説明する図。 ターミナル・ヒンジ・アキシス・ポイントの垂直的位置が左右同じ高さとならない例を説明する図。 ABE咬合器 咬合平面診断・設定器具(SHILLA−II) 水平基準指示バー 咬合平面診断・設定器具(SHILLA−II)を側方から見た図。 ABE咬合器に、咬合平面診断・設定器具(SHILLA−II)をセットした状態を示す図。 フェイスボウ・トランスファー操作により、バイト板の上顎歯列圧痕が診断テーブル上に配置された例を示す図。 本考案によるバイトフォークのバイト板が左右方向に移動する状態を示す図。 本考案によるバイトフォークのバイト板がネジを軸として回転する状態を示す図。 上顎歯列模型を上顎歯列圧痕に配置した状態を説明する図。 上顎模型の正中矢状面と咬合器の正中矢状面を合致させた状態を示す図。 上マウンティングプレートに上顎歯列模型を連結した状態を示す図。 従来のフェイスボウの一例を示す図。 従来のバイトフォークの一例を示す図。 バイトフォークに調整機構を設けた従来例を説明する図。
図1は、本考案による歯科用のバイトフォークA10を示している。図1(A)は平面図、(B)は正面図である。バイトフォークA10は、バイト板12、支持板20とアーム14で構成されている。
バイト板12は、咬合面の記録材を設置し、上面に上顎歯列の咬合面を印記させるものであり、馬蹄形をした平板である。中心軸は正中線22がマークされて、正中線22に直交するように、細長い開口部16が設けられている。
バイト板12を支持する支持板20には、ネジ孔が設けられており、ネジ18をバイト板12の開口部を通してネジ孔に入れて締めることにより、支持板20にバイト板12が固定される。支持板20にはアーチ円弧状の連結部を介して、アーム14が取り付けられている。アーム14は、フェイスボウの支柱にクランプで固定される。
バイト板12の開口部16にネジ18を介して支持板に取り付けるバイト取付機構は、ネジ18を緩めることにより、ネジ18を軸として、バイト板12が、開口部16に沿ってスライドし、また、ネジ18を軸として回転させることができる。この機能が付加されたことで、フェイスボウ・トランスファーによる咬合器への上顎歯列模型のセッティングにおいて、上顎模型の正中矢状面を咬合器の正中矢状面に合致させて、容易にセットすることができる。
図2は、本考案による歯科用のバイトフォークB24を示している。図2(A)は平面図、(B)は正面図である。バイトフォークB24も、バイトフォークA10と基本的な構成は同じであり、バイト板12、支持板20とアーム14で構成されている。
バイト板12は、馬蹄形をした平板である。中心軸は正中線22がマークされ、正中線22上にネジ孔(図示せず。)が設けられている。
バイトフォークB24では、支持板20に開口部16が設けられており、ネジ18をバイト板12のネジ孔に通し、支持板20を両側からワッシャ26で挟んで、ネジ16で締める。ここでは、ネジ18は六角ネジを使用して、ナットで締めている。支持板20にはアーチ円弧状の連結部を介して、アーム14が取り付けられている。アーム14は、フェイスボウにクランプで固定される。
バイト板12を、バイト板12のネジ孔にネジ18を通して、支持板20の開口部をワッシャ26で挟んで介して支持板20に取り付けるバイト取付機構は、ネジ18を緩めることにより、ネジ18を軸として、バイト板12が、支持板20の開口部16に沿ってスライドし、また、ネジ18を軸として回転させることができる。このため、バイトフォークA10と同様に、フェイスボウ・トランスファーによる咬合器への上顎歯列模型のセッティングにおいて、上顎模型の正中矢状面を咬合器の正中矢状面に合致させて、容易にセットすることができる。
本考案によるバイトフォークは、バイト板がバイト板の支持部に対して、スライドと回転が可能で一定の位置で固定される構造を特徴としておりバイト取付機構でのバイト板の固定方法も、ネジである必要は無く他の方法でもよく、図1及び2の構造に限定されるものではない。
本考案によるバイトフォークは、正中矢状面と左右の対称性、同高性を考慮した理想的な咬合面を実現するためのフェイスボウ・トランスファーの術式において効果があり、以下に説明する。
フェイスボウ・トランスファーは、頭蓋に対する上顎歯列の位置関係を計測し、咬合器上に石膏模型を解剖学的に正しく位置づけることを目的として行われる。顎関節に対する上顎歯列の位置関係、すなわち、生体における顆頭点と歯列弓の位置関係を記録し、同じ位置関係で咬合器の開閉軸に対して上顎模型を取りつけるために用いる装置はフェイスボウ(顔弓)と呼ばれている。
このフェイスボウを用いて、咬合器に垂直・水平的に左右対称な咀嚼器像を理想とする考え方に基づき、正中矢状面を基準に採ることを基本とし、左右の咬合平面に対して、生体にとって理想的なバランスである、シンメトリーな咬合を付与することができるシステムとして、(公序良俗違反につき、不掲載)開発されたのが、SHILLAシステムである。
SHILLAシステムは、エステティックフェイスボウ、正中矢状面分析器具SHILLA−I、上顎用の咬合平面診断・設定器具SHILLA−II、下顎用の咬合湾曲面診断・設定器具SHILLA−III、およびABE咬合器からなっている。このSHILLAシステムは、株式会社ハーマンズにより製造・販売されており、本考案によるバイトフォークは、SHILLAシステムにおいてその使用方法を説明する。なお、バイトフォークは、本考案によるバイトフォークB24を用いて説明するが、バイトフォークA10であっても同じ方法で使用できる。
フェイスボウ・トランスファーの術式としては、まず、本考案によるバイトフォークB24のバイト板12に上顎歯列の印象を採取する。このために、咬合面の記録材を設置する。そして、咬合面記録材が設置されたバイトフォークB24を、患者の上顎の歯列に圧接し、硬化を待つ。これにより上顎歯列の圧痕がバイト板12に印記される。
次に、軽く咬合してもらい、フェイスボウをセットして、バイトフォークB24のアーム14をフェイスボウに固定する。
図3は、フェイスボウとして使用する、エステティックフェイスボウ30である。スライド式で左右側方的位置移動できるイヤーピース・フェイスボウで患者の生体に合わせて幅を調節し、中央部のスライド固定部48の手ネジで固定される。フェイスボウ本体の両端部のサイドアームには左右の耳にセットするイヤーピース34−1、34−2が設けられ、イヤーピース34−1、34−2をセットした場合に、後方基準点であるヒンジアキシスを示すのがヒンジスタイラス36−1、36−2である。
また、フェイスボウ本体31の上面には、正中位置調節機構50が取り付けられ、正中長軸指示弓42に取り付けた前後的位置調節桿46を正中位置調節機構50により固定する。正中長軸指示弓42は、前後的位置調節桿46により矢状的に前後方向に、正中位置調節機構50により水平方向に移動させ、水平度調節機構44を調節し、顔面正中長軸に合わせるように調節される。
バイトフォークB24は、バイトフォーク固定垂直ポール38とバイトフォーク固定水平ポール40により固定されている。バイトフォーク固定垂直ポール38は、スライド固定部48の下方に取り付けられている。
フェイスボウ本体31の右側のサイドアームには、リファレンスポインタ52が設けられており、患者の鼻翼点や眼窩下点を基準とするためのポインタとなっている。左側のサイドアーム32には、水平度調節機構44が設けられ、正中長軸指示弓42の垂直軸を顔面正中長軸に合わせるように調節される。正中位置調節機構50及び水平度調節機構44を備えているために、外耳道の高さが左右同高でないケースにおいても、正確にトランスファーすることができる。
フェイスボウ・トランスファーは、頭蓋に対する上顎歯列の位置関係(上顎三角)を計測し、上顎歯列模型を咬合器に付着し、再現するまでの一連の操作であるが、上顎歯列の位置関係2点の後方基準点と1点の前方基準点より決まる仮想平面を基準平面としている。
図4は、基準平面と基準線を説明する図である。図4(A)顔面を正面から見た図であり、(B)は顔面を側面からみて、頭蓋と下顎の位置を示している。基準平面としては、フランクフルト平面54とカンペル平面58が多く用いられている。カンペル平面58は、鼻翼下点と左右の外耳道上縁とを結んだ仮想平面であり、フランクフルト平面54は外耳道上縁と左右の眼窩下縁とを結んだ仮想平面である。鼻翼下点と左右の外耳道下縁とを結んだ仮想平面がより咬合平面と平行になることからこちらを基準平面とする場合もある。
また、前方基準点を切歯切縁から43mm上方とするアキシス平面56とする場合もある。審美情報としては、瞳孔線62が用いられる場合もある。さらに、顔面の中心線である正中軸64は、正中矢状面の基準軸として利用されている。
これらの基準面は仮想平面であり、フェイスボウは、上顎歯列と特定した3点の解剖学基準点との空間的関係を記録し、咬合器にその関係を移し、咬合器の開閉軸に上顎歯列模型を同じ関係で方向づけるのに用いる。顆頭点は、顆頭の代表点として、顆頭部に設定する後方基準点であり、両側面の顆頭点を結ぶ線は、咬合器の開閉軸に対応させる。現在、顆頭点の設定方法は統一されておらず、研究者ごとに独自の定義で設定されているのが現状である。
平均的顆頭点は、解剖学的平均値に基づいて設定された顆頭中心点であり、例えば、ギージーによる耳珠上縁と外眼角を結ぶ線上で外耳道の前方13mmの点とされているが、研究者によってその位置は異なっている。
また、後方基準点として、ヒンジアキシス上のヒンジアキシス・ポイントを使用することもある。ヒンジアキシスは、下顎の開閉運動の軸として求められたものであり、下顎の矢状面内のすべての運動はヒンジアキシスを解剖学的基準点としている。ただし、下顎の顆路は、前方運動によって記録される顆路と、開口運動によるそれとは、異なつた経路をたどり、後方限界運動という特定な運動から求めた中心であるヒンジアキシス矢状面内のすべての回転中心として普遍化できるものではない。
このため、後方基準点の多くは、目測法により、眼耳平面上で耳珠前方11〜13mmに設定している。
基準点が設定されたら、患者の上顎歯列の圧痕が印記されたバイトフォークB24を、患者の口内に挿入し、歯列を圧痕に合わせて噛ませる。エステティックフェイスボウ31の本体は、スライド固定部48を緩めておき、バイトフォークB24のアーム14に、エステティックフェイスボウ30のバイトフォーククランプを差し込み、イヤーピース34−1、34−2を患者の外耳動に挿入し、正中位置調節機構50で正中を調節し、水平度調節機構44で顔面正中長軸を調節する。
次に、リファレンスポインタ52を患者の前方基準点、例えば鼻翼下点に合わせて、フェイスボウ本体31とリファレンスポインタを固定する。
さらに、バイトフォークB24を、バイトフォーク固定垂直ポール38とバイトフォーク固定水平ポール40に、クランプで固定する。
従来のフェイスボウ・トランスファーでは、上顎歯列と基準点との空間的位置関係は記録されるが、実際の人間の顔の状態は正中を基準とした対称形ではなく、左右が非対象に発育している実態にあり、理想的な咀嚼器を考えるとズレが生じているのが実情である。
図5は、患者の左右の耳の位置が水平面になく、上顎のある頭蓋66に対して下顎のヒンジアキシス68が上下にずれ、ターミナル・ヒンジ・アキシス・ポイントの垂直的位置が左右同じ高さとならない例を示している。顔面62の両側面にあるヒンジアキシス68の高さが左右で異なり、耳の位置も左右で高さが異なっている。このため、イヤーピース72を外耳道76に挿入すると、フェイスボウ70が傾いてしまい、フェイスボウ70を、後方基準点を活用してフェイスボウ・トランスファーを行うと、フェイスボウ70の平面が、正中軸64から傾いてしまう。このことを回避するには、生体の正中矢状面を咬合器にトランスファーする必要がある。生体の正中矢状面をトランスファーできれば、それと直交する水平面はおのずと出現する。
このため、生体では正中矢状面と直交した上顎歯列74の咬合平面60をフェイスボウ・トランスファーして上顎模型を咬合器付着すると咬合平面60は傾いてしまい、正確に生体の正中矢状面と咬合器の正中矢状面を合致させたトランスファーが咬合器に行われなくなってしまう。
この傾斜に対して、左右の高さ方向のズレは、図3で示したエステティックフェイスボウ30では、サイドアーム32に設けられている水平度調整機構44により調節して、正中線64と合致するように設定することができる。
しかしながら、側方的方向のズレは、フェイスボウ・トランスファーを行う場合に、左右のトランスバース・ホリゾンタルアキシスが、正中矢状面を中心に前額面観での側方的位置、矢状面観での前後的位置が左右対称ではないために、生体の正中は咬合器の正中と一致せず、審美学的基準は、咬合器上で消失することとなる。このために、フェイスボウを咬合器へセットする際に、理想的な咀嚼器を意図した咬合平面を具現化し、設定することが必要となる。
上顎の前方基準点と後方基準点がエステティックフェイスボウ30に記録されたら、エステティックフェイスボウ30を口腔外へ取り出し、咬合器へのトランスファー操作に移る。
図6は、ABE咬合器を示している。ABE咬合器80のアッパーフレーム90には、上顎用歯列模型を装着する上マウンティングプレート86が備えられ、マウンティングプレート保持機構100により保持されている。また、ABE咬合器80の下方位置にも、アンダーフレーム92に下顎用歯列模型を装着する下マウンティングプレート88が備えられている。
アッパーフレーム90の最前方部には、垂直方向にインサイザルポール82が取り付けられている。インサイザルポールは、ABE咬合器80の正中に設けられている。インサイザルポール82の下端部は針形状となっており、切歯指導板84に接している。切歯指導板84はアンダーフレーム92の最前方部に設置し、インサイザルポール82を誘導して顎間距離を保持し、矢状および側方切歯路を再現する。
切歯指導板84は、処方角設定済みインサイザルテーブル、メカニカルインサイザルテーブルと即時重合レンジを用いて各個調製できるインサイザルテーブルの3種類を備えている。
処方角設定済みインサイザルテーブルは、下顎運動のシミュレータとしてゼロホビー咬合器の機能を付加するものであり、意図する咬合様式に対応できるよう処方角が設定されている。処方角設定済みインサイザルテーブルは、前面が矢状傾斜角25度、後面が矢状傾斜角45度となっており、有歯顎において臼歯離開咬合を付与する場合は前者を、総義歯に対して両側性平衡咬合を付与する場合は後者を利用する。
メカニカルインサイザルテーブルは、意図するアンテリアガイダンスを付与し調節することができ、また、プロビジョナルレストレーションで漕ぎ着けた咬合関係でのアンテリアガイダンスを矢状的、側方的に評価することができる。即時重合レンジを用いた各個調製法によるインサイザルテーブルは、機能的運動経路における習慣性咬合関係のアンテリアガイダンス、あるいはプロビジョナルレストレーションで漕ぎ着けた咬合関係でのアンテリアガイダンスを、平坦なインサイザルテーブルの上に即時重合レジンを用いて、各個調製法で調製できる。
アンダーフレーム92の後方両側にはサイドフレーム104があり、上部の軸には、顆頭ロッド94、セントリッククラッチ102、矢状顆路と側方顆路を調整し記録する側方顆路指導機構96と矢状顆路指導機構98が設けられている。顆頭ロッド94は、フェイスボウ・トランスファーに際しての後方基準点となる。
側方顆路指導機構96は、非作業側側方顆路指導機構と作業側側方顆路指導機構とで構成され、非作業側側方顆路指導機構は0〜90°、作業側側方顆路指導機構は前方30°〜後方30°の可変機構が設けられ、広いベネット角、ベネット運動に対応できる。
ABE咬合器80は、下顎運動のみではなく咀嚼機能時の機能運動路を忠実に再現でき、ABE咬合器80へのフェイスボウ・トランスファーによる上顎模型の付着は、垂直・水平的に左右対称な咀嚼器像を理想とする考え方に基づき、正中矢状面を基準に採ることを基本としている。
理想的な咀嚼器は、咬合平面が左右同高、同傾斜、咬合接触が均衡、歯列が左右対称、顎運動が前方運動では真前方へ、側方運動では左右対称に、スマイルラインが口唇に平行で歯軸が左右対称、そして咬合様式はミューチャリープロテクテッドオクルージョンであることと考えられる。ミューチャリープロテクテッドオクルージョンは、(公序良俗違反につき、不掲載)が提唱した理想咬合様式であり、中心咬合位では臼歯が咬合して前歯はわずかに離開して保護され、前方運動では前歯が咬合して臼歯を保護し、側方運動では犬歯が前・臼歯を保護すること、すなわち、側方運動時には犬歯のみが咬合し臼歯は離開する様式である。
この理想的な咀嚼器実現のために、SHILLAシステムは、頭蓋の正中矢状面を分析し、それを基準に咬合器付着を行い、直交する面を咬合器上で具現化して咬合平面を診断構築する、正中矢状面を基本とする技法である。
正中矢状面を記録採取する方法は、上顎歯列模型を使用して正中矢状面分析器具(SILLA−I)で分析採取する方法と、顔面の正中長軸をエステティックフェイスボウで記録方法があるが、どちらの方法でも咬合平面診断・設定器具(SHILLA−II)は必ず使用する。ここでは、エステティックフェイスボウ30を使用したフェイスボウ・トランスファーでの記録方法を説明する。
図7は、咬合平面診断・設定器具(SHILLA−II)110である。咬合器に取り付けるための取付台112と、取付台112の中央部には支柱114があり、支柱114には診断テーブル116が載置されている。
診断テーブル116は、台形の平板で、正中線を中心に左右各6本、前後的に7本の歯列ガイドライン118が刻印されている。正中線を示す2本の正中指導羅針120−1,120−2は、診断テーブル116の正中線に正中溝122を設けて前後方向に移動可能とし、診断テーブル116に対して垂直方向に配置されている。歯列ガイドライン118は、有歯顎・無歯顎にかかわらず、歯列の診査・診断、構築、人工歯排列に際し、正中、ならびに側方的かつ前後的な左右対称のガイドとなる。
図8は、水平基準指示バー130であり、上顎歯列模型のハミュラーノッチ部に設定された水平基準点支持する。上顎歯列模型の前後的位置、垂直高経の調節は2本の正中指導羅針12−1,120−2で行われる。このバーは、正中矢状面分析器具(SILLA−I)を用いて上顎模型を分析後に咬合平面診断・設定器具(SHILLA−II)上に設置し、使用する。
図9は、咬合平面診断・設定器具(SHILLA−II)110を側方から見た図である。取付台112には、矢状的正中調節・設定機構124があり、咬合平面診断・設定器具110の正中矢状面を、ABE咬合器80の正中矢状面と合致させる。診断テーブル116は、上下昇降調節・固定機構126により高さが調節され、矢状傾斜可変・固定機構128により矢状傾斜が調節される。
このように、咬合平面診断・設定器具110は、垂直座標、水平座標、矢状座標、側方座標及び前後座標の5つの座標を設定でき、3次元的に生体と同じ座標関係の下における咬合器の空間が具現化でき、SHILLAシステムの特徴となっている。
図10は、ABE咬合器80に、咬合平面診断・設定器具(SHILLA−II)110をセットした状態を示している。この図は、ABE咬合器80のアッパーフレーム90を取り外した状態である。顆頭球ホールドアーム134の両側端には、軸により顆頭球136が取り付けられ、軸の一方の端部は、顆頭ロッド94となっている。顆頭球136は、顆路運動の基準点となる。
咬合平面診断・設定器具(SHILLA−II)110は、取付台112をアンダーフレーム92へセットする。セットされた咬合平面診断・設定器具(SHILLA−II)110は、矢状的正中調節・固定機構124を調節し、ABE咬合器80の正中矢状面に対し、咬合平面診断・設定器具(SHILLA−II)110の正中矢状面を合致させる。
次に、エステティックフェイスボウ30を、ABE咬合器80にセットして、トランスファー操作を行う。このとき、左右のヒンジスタイラス36−1,36−2がABE咬合器80の顆頭球ロッド94に適合するように、スライド固定部48を緩めて調節する。この時、スライド固定部48を緩めてもフェイスボウ本体31が開かないように、左右のイヤーピース部に輪ゴムをかけておく。
正中長軸指示弓42がABE咬合器80の正中長軸と一致した状態に位置するために、水平度調節機構44を利用して正中長軸指示弓42を直立させる。この時点で、生体の正中顔面長軸とABE咬合器80の正中長軸が合致するか平行な状態となった為、フェイスボウ本体31から正中長軸指示部を外す。前方の正中、後方の正中を記録した上顎模型をバイトフォークB24のバイト板12の上に載せた咬合面記録材の圧痕にあわせて置く。この時、上顎模型に記録した後方の正中にはラウンドバーなどで穴を掘っておく。
次にスライド固定部48をスライドさせて、咬合平面診断・設定器具(SHILLA−II)の後方の正中溝に設置した正中指導羅針120−1,120−2で、上顎模型の後方の正中に記録した穴を支持する。
バイトフォークB24の下面には、キャスト・サポートとしても機能する咬合平面診断・設定器具(SHILLA−II)110が配置されているので、バイト板12の裏面が診断テーブル116に接するように、診断テーブル116の高さ、傾斜を調節する。
図11は、フェイスボウ・トランスファー操作により、バイト板12の上顎歯列圧痕138が診断テーブル116上に配置された例である。正中指示バー140は、ABE咬合器80の正中、即ち、診断テーブル116の正中を示している。次に、上顎模型の正中矢状面をABE咬合器80の正中矢状面に合致させるのに、上顎歯列模型を上顎歯列圧痕138に配置して調整するときに、上顎歯列模型のスライドと回転動作が要求される。このとき、本考案によるバイトフォークB24を使用して調整される。
図12は、本考案によるバイトフォークB24のネジ18を緩めて、バイト板12が左右方向に移動する状態を示している。
図13は、本考案によるバイトフォークB24のネジ18を緩めて、バイト板12がネジ18を軸として回転する状態を示している。
この図で示したように、本考案のバイトフォークB24によれば、バイト板取付機構のネジ18を緩めることによって、バイト板12の左右へのスライドと回転が自由にでき、上顎歯列の位置を容易に調整できる。
図14は、上顎歯列模型142を上顎歯列圧痕138に配置した後に、バイト板12と支持板14の固定を緩めている状態を示している。ネジ18は、具体的には六角穴付ボルトであり、六角ナットともに使用している。このため、六角穴に六角レンチ144を差し込み、図14において矢印で示したように回転させ、バイト板12の支持板14への固定を緩める。この操作により、上顎歯列圧痕138に配置された上顎歯列模型142は、左右にスライドでき、六角穴付ボルトを軸に回転可能となる。
図15は、バイト板12に配置された上顎歯列模型142を上顎模型の後方の正中に記録した穴を支持した正中矢状羅針120−1を中心に、スライド、回転させ、上顎模型の正中矢状面とABE咬合器80の正中矢状面を合致させた状態である。正中指示バー140が、上顎歯列模型142の正中矢状面に一致している。咬合平面診断・設定器具(SHILLA−II)110の正中矢状面はABE咬合器80の正中矢状面と合致させてあり、咬合平面診断・設定器具(SHILLA−II)110はキャスト・サポートとして使用している。
この操作の後、上顎歯列模型142とABE咬合器80の上マウンティングプレート86を連結するために、アッパーフレーム90を開いて、上顎歯列模型142の上部に石膏を練和して盛り上げる。上顎歯列模型142の上部に石膏を盛り上げた後、アッパーフレーム90を閉じて、上マウンティングプレート86に上顎歯列模型142を連結する。石膏が乾くと、上マウンティングプレート86と上顎歯列模型142が固着する。
図16は、上マウンティングプレート86に上顎歯列模型142を連結した状態である。石膏が硬化後に、バイトフォークB24ともにエステティックフェイスボウ30を取り外す。この状態が、ABE咬合器80上に、患者の上顎の正中矢状面と顎関節の位置関係を再現している。
下顎歯列模型は、下顎歯列模型咬合平面に対して湾曲面所見からの診断・構築を目的として、咬合湾曲診断・設定器具(SHILLA−III)により調節される。咬合平面診断・設定器具(SHILLA−II)110と同様に、垂直座標、水平座標、矢状座標、側方座標及び前後座標の5つの座標を設定でき、咬合器の空間に具現化される。
下顎歯列模型は顎間関係記録を介して石膏を使用して上顎歯列模型と同様の手順で、咬合器に付着することで、咬み合わせ状態を再現できる。
下顎模型は上顎模型に対して咬合採得の結果として正しく咬合器へ付着できるので、上顎模型顆頭点を基準として、生体と同じ位置関係で咬合器にトランスファーすることが重要になってくる。咬合器は生体の顎のシュミュレーターである。したがって咬合器の関節部と模型との位置関係は、生体での顎関節と顎との位置関係に近似することが望まれる。このような考え方に立てば、咬合器の大きさ、構造、機能にもそれなりのものが要求されることになる。生体での顎関節と顎との位置関係の記録は、一般にフェイスボウで行われる。このフェイスボウの記録には、少なくとも、左右の顎関節部を想定した2点と上顎の位置を同時に写し込んだ歯列咬合面の印記とがある。関節部を想定した指示桿の目盛自体はそのまま利用できないが、ここには上顎三角の近似値が記録されている。
また、下顎三角(Mandibular triangle)は(公序良俗違反につき、不掲載)とも呼ばれ、左右の下顎頭の上面中央と、左右の下顎切歯近心切端隅角間の中点とを結んでできる三角形である。下顎三角の計測値は咬合器に利用され、ボンウィル自身咬合器を作り、咬合器の顆頭間距離を10cmとしており、その後のほとんどの咬合器においても、顆頭間距離は10cmに近い値に設定されている。
上顎三角が計測されたら、フェイスボウを口腔外へ取り出し、咬合器へのトランスファー操作に移る。フェイスボウのヒンジスタイラスが咬合器の顆頭球の適合するように調節する。フェイスボウのヒンジスタイラスを左右等距離ずつ移動させ、咬合器の顆頭球にぴったりと適合させる。左右の移動量は必ず等しくさせる必要があり、さもないと記録された正中と咬合器の正中がずれてしまうので注意を要するとされてきたが、生体のターミナル・ヒンジ・アキシスは左右対称、同高の位置にないため、左右等距離を移動すると咬合器の正中と模型に記録された正中は合致しない。よって、生体の正中矢状面と咬合器の正中矢状面を合致させるには、模型を直立・移動・回転できる機構が必要である。すなわち、この機構を活用してフェイボウトランスファー時に若干の補正が必要である。バイトフォークの下面にキャスト・サポートをおき、バイトフォークの圧痕に上顎模型を適合させ、咬合器に固着すれば、フェイスボウ・トランスファーは完了する。
以上、補綴臨床において正中矢状面を基準として左右対称で理想的な咀嚼器を実現するSHILLAシステムにおいて、本考案のバイトフォークと、その使用方法について説明したが、本考案はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態よる限定は受けない。
10 バイトフォーク
12 バイト板
14 アーム
16 開口部
18 ネジ
20 支持板
22 正中線
24 バイトフォークB
26 ワッシャ
30 エステティックフェイスボウ
31 フェイスボウ本体
32 サイドアーム
34−1,34−2 イヤーピース
36−1,36−2 ヒンジスタイラス
38 バイトフォーク固定垂直ポール
40 バイトフォーク固定水平ポール
42 正中長軸指示弓
44 水平度調節機構
46 前後的位置調節桿
48 スライド固定部
50 正中位置調節機構
52 リファレンスポインタ
54 フランクフルト平面
56 アキシス平面
58 カンペル平面
60 咬合平面
62 瞳孔線
64 正中軸
66 頭蓋
68 下顎
70 フェイスボウ
72 イヤーピース
74 上顎歯列
76 外耳道
80 ABE咬合器
82 インサイザルポール
84 切歯指導板
86 上マウンティングプレート
88 下マウンティングプレート
90 アッパーフレーム
92 アンダーフレーム
94 顆頭ロッド
96 側方顆路指導機構
98 矢状顆路指導機構
100 マウンティングプレート保持機構
102 セントリッククラッチ
104 サイドフレーム
110 咬合平面診断・設定器具(SHILLA−II)
112 取付台
114 支柱
116 診断テーブル
118 歯列ガイドライン
120−1,120−2 正中指導羅針
122 正中溝
124 矢状的正中調節・固定機構
126 上下昇降調節・固定機構
128 矢状傾斜可変・固定機構
130 水平基準支持バー
134 顆頭球ホールドアーム
136 顆頭球
138 上顎歯列圧痕
140 正中指示バー
142 上顎歯列模型
144 六角レンチ
このフェイスボウを用いて、咬合器に垂直・水平的に左右対称な咀嚼器像を理想とする考え方に基づき、正中矢状面を基準に採ることを基本とし、左右の咬合平面に対して、生体にとって理想的なバランスである、シンメトリーな咬合を付与することができるシステムとして開発されたのが、SHILLAシステムである。
理想的な咀嚼器は、咬合平面が左右同高、同傾斜、咬合接触が均衡、歯列が左右対称、顎運動が前方運動では真前方へ、側方運動では左右対称に、スマイルラインが口唇に平行で歯軸が左右対称、そして咬合様式はミューチャリープロテクテッドオクルージョンであることと考えられる。ミューチャリープロテクテッドオクルージョンは、理想的な咬合様式として提唱されており、中心咬合位では臼歯が咬合して前歯はわずかに離開して保護され、前方運動では前歯が咬合して臼歯を保護し、側方運動では犬歯が前・臼歯を保護すること、すなわち、側方運動時には犬歯のみが咬合し臼歯は離開する様式である。
また、下顎三角(Mandibular triangle)は、左右の下顎頭の上面中央と、左右の下顎切歯近心切端隅角間の中点とを結んでできる三角形である。下顎三角の計測値は咬合器に利用され、咬合器の顆頭間距離を10cmとしており、その後のほとんどの咬合器においても、顆頭間距離は10cmに近い値に設定されている。

Claims (8)

  1. バイト板と、
    前記バイト板を支持する支持板と、
    前記支持板に対して前記バイト板のスライドと回転を可能とするバイト板取付機構と、
    を備えたことを特徴とするバイトフォーク。
  2. 請求項1に記載のバイトフォークにおいて、
    前記バイト板取付機構は、前記バイト板に開口部を設け、前記開口部からネジにより前記支持板にねじ止めすること、
    を特徴とするバイトフォーク。
  3. 請求項2に記載のバイトフォークにおいて、
    前記開口部は、前記バイト板がネジを基準に左右にスライドできるように、横方向に長い形状であること、
    を特徴とするバイトフォーク。
  4. 請求項2に記載のバイトフォークにおいて、
    前記支持板は、前記バイト板がネジを基準に、時計方向と反時計方向に回転可能な範囲およびスライド範囲は平面であること
    を特徴とする歯科用バイトフォーク。
  5. 請求項1に記載のバイトフォークにおいて、
    前記バイト板取付機構は、前記支持板に開口部を設け、前記バイト板の孔からネジを通して、前記開口部を覆う大きさのワッシャを介して前記支持板にナットでネジ止めするする構造であること、
    を特徴とするバイトフォーク。
  6. 請求項5に記載のバイトフォークにおいて、
    前記開口部は、前記バイト板がボルトを基準に左右にスライドできるように、横方向に長い形状であること、
    を特徴とするバイトフォーク。
  7. 請求項5に記載のバイトフォークにおいて、
    前記支持板は、前記バイト板がネジを基準に、時計方向と反時計方向に回転可能な範囲およびスライド範囲は平面であること
    を特徴とする歯科用バイトフォーク。
  8. 請求項1に記載の歯科用バイトフォークにおいて、
    前記支持板は、フェイスボウに取り付けるためのアームを備えていることを特徴とする歯科用バイトフォーク。

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