JP3173591B2 - 光送信器と光伝送システムおよび信号光変調方法 - Google Patents
光送信器と光伝送システムおよび信号光変調方法Info
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Description
伝送システムに関し、特に伝送路光ファイバ中で生じる
非線形効果の影響を抑圧することにより伝送特性を向上
する光伝送システムに関する。
mを越える伝送距離についても中継器における電気的な
3R動作(retiming, reshaping, regenerating)なしに
伝送することが可能となり、その結果システムの信頼
性、コスト等の面で光伝送技術が大幅に向上することに
なった。また、1つの伝送路に複数の異なる波長を有す
る波長多重光通信の研究において、伝送距離数百kmで
は既に1Tb/sを越える伝送容量も実現されている。
このような伝送距離、伝送容量の向上は、光ファイバ増
幅器が複数チャネルの信号光を一括で増幅する能力を持
つことに起因する。この光ファイバ増幅器と波長多重技
術とを用い、長距離大容量光伝送実現のための研究が積
極的に行われている。特に、日本−米国間のような太平
洋を横断する超長距離(〜10,000km)システムに
対しては、インターネットの普及に代表されるような今
後の爆発的な通信容量の需要に備え精力的に研究が行わ
れている。
長多重光伝送技術水準としては、1チャネルあたり5G
b/s、32チャネル多重信号(総容量160Gb/s)
の伝送を実現した技術が下記の文献1、2に記載されて
いる。
cal Fiber Communication Conference’97,PD16,199
7)、(文献2:N.Shimojoh et. al., ElectronicsLett
ers,vol.33,No.10,PP.877−879,1997)また、1チャ
ネルあたり10Gb/sのビットレートでは、20チャ
ネル多重信号(総容量200Gb/s)の伝送を実現した
技術が下記の文献3に報告されている。
Communication Conference '98、PD-13,1998)このよう
な長距離波長多重通信における重要な課題には、中継光
増幅器の特性改善(雑音指数の低減、増幅帯域拡張、利
得の平坦化)、伝送路の分散配置及び分散補償法、伝送
路中で生ずる各種非線形光学効果抑圧などがある。
も伝送容量の向上を妨げている要因が、自己位相変調効
果(Self Phase Modulation:SPM)と群速度分散(Grou
p Velocity Dispersion:GVD)との相互作用であるS
PM−GVD効果による波形劣化である。
説明する。
媒体であるガラスの屈折率に依存している。光ファイバ
が有する特性として、この屈折率は非常に微少であるが
通過している信号光の瞬時強度の影響を受ける。光ファ
イバ中での自己位相変調効果とは、上述のように屈折率
が信号光の瞬時強度に依存するため、その結果として信
号光へ位相変調が施されてしまう効果のことをいう。こ
の自己位相変調効果により、強度が一定でない信号光
は、その強度に応じて位相が変化する。しかし自己位相
変調効果は信号波形自体を変化させる効果ではないの
で、信号光スペクトルを変化させることはするが、信号
光波形は変化させない。
果(GVD)の扱いについて説明する。
その波長に依存し、このとき、より短波長の光の方が速
く進む波長領域を正常分散領域(負分散領域)、長波長側
の光の方が速く進む波長領域を異常分散領域(正分散領
域)と呼ぶ。また光ファイバの分散スロープ(群速度分散
の波長依存性)は群速度分散値によらず同じ方向に傾き
を持ち(例外的に逆向きの傾きを持つファイバもある)、
波長が短くなるにつれ群速度分散値も小さくなる特徴を
持つ。
半を正常分散ファイバ(信号波長帯域周辺で負の分散を
有するファイバ)により構成し、伝送路の途中で何度か
蓄積された負分散を補償するために正分散補償光ファイ
バを挿入する。このようにすることによりチャネル間の
四光波混合を抑圧すると同時に、信号光が受ける蓄積分
散値が大きくなりすぎないようにしている。伝送路中で
正の分散量と負の分散量がちょうどつりあう波長は平均
零分散波長と呼ばれ、この波長付近では伝送途中での群
速度分散による信号波形の変化は小さい。
路に異なる波長を持つ複数のチャネルを配置する。平均
零分散波長付近に配置された信号光には分散は蓄積され
ないが、前述の分散スロープの影響により平均零分散波
長より短波長側のチャネルでは負の、長波長側では正の
分散が徐々に蓄積されていき、それに従い信号波形が最
初の状態から変化していく。
えば受信端においてそれまで蓄積された分散値に対して
逆の大きさの分散を付加することにより回復可能であ
る。しかし、自己位相変調は非可逆な課程のため、蓄積
分散によって波形が変化している状態で自己位相変調が
生じると、受信端において分散補償しても波形はもとの
状態に戻らない。これがSPM−GVD効果による波形
劣化である。このSPM−GVD効果の影響は伝送路光
ファイバ中での蓄積分散量に依存するため、平均零分散
波長から離れた波長に割り当てられたチャネルほどこの
影響は顕著となる。
するためには、伝送路中の信号光強度は低くあることが
望ましい。というのは、自己位相変調は光強度が強いほ
ど生じるからである。しかし信号光強度の低下は信号対
雑音比の劣化につながるため限界がある。信号光強度を
極力低く抑えること以外に従来用いられる技術として
は、信号光にプリチャープを重畳するというものがあ
る。この技術は、伝送路中の偏波依存性効果を抑圧する
ための技術、偏波スクランブルと大きく関係がある。そ
れについて続いて説明する。
形劣化には、上述のSPM−GVD効果によるものとは
別に、伝送路中の偏波依存性効果によって引き起こされ
るものがある。この偏波依存性効果とは、光ファイバの
伝送特性が信号光の偏波状態に依存する、という効果で
あり、例えば偏波依存性損失などがそれに当たる。
ファイバの概念的な断面図を参照して説明する。例えば
信号光の偏波状態が矢印30により示した方向の場合
と、矢印32に示した方向の場合にその伝送特性が異な
っているものとすると、信号光が伝送路光ファイバを通
過する際の偏波状態により光受信器に到達した際の信号
対雑音比が変化し、その結果として伝送特性が時間的に
変動してしまうという問題が発生する。
偏波依存性効果の影響を抑圧するための発明が特開平8
−111662号公報に記載されている。この発明は、
伝送路中の偏波依存性効果の影響を抑圧するために、光
送信器から出力される信号光に対して偏波スクランブル
をビット同期でかけるという発明である。ビット同期の
偏波スクランブルとは、信号光の1ビット間において偏
波状態を平滑化、無偏光化させることである。このビッ
ト同期の偏波スクランブルにより、偏波依存性効果は1
ビット間で平滑化され信号光の偏波状態により伝送特性
がばらついてしまうという問題は解決する。
路中の偏波依存性効果の影響を抑圧する効果だけを有
し、SPM−GVD効果による波形劣化に対してはほと
んど効果を有していない。ところが、特開平8−111
662号公報には明記されていないものの、ビット同期
偏波スクランブルの際に信号光上に必然的に重畳される
ビットレート周波数による位相変調であるビット同期位
相変調(プリチャープ)が、SPM−GVD効果による
波形劣化に対し有効であることが今日ではよく知られて
いることであり、例えば下記の文献4に記載されてい
る。
tical Fiber Communication Conference '96,TuN1,199
6)このビット同期偏波スクランブルによるSPM−GV
D効果を抑圧する効果は、1チャネルあたりのビットレ
ートが5Gb/s以下のシステムでは特に有効で、文献
1、2の伝送実験でも採用されている。
を示す。図14は、上記の文献2の中で用いられている
構成の光送信器であり、図15は文献5(M.Suzuki et.
al.,Optical Fiber Communication Conference '98,PD-
17,1998)の中で用いられている構成の光送信器である。
度変調器2と、偏波変調器4とから構成されている。
号光に対して、RZ(Returnto Zero)デ
ータ101の論理に基づいた強度変調を施している。
れた信号光に対して、ビットレート周波数正弦波105
のレベルに応じた偏波変調を行なっている。
して、偏波変調器4と強度変調器2の間に位相変調器3
が追加されていることが特徴である。文献5には1チャ
ネルあたりのビットレートが5Gb/s及び10Gb/
s両方の場合の伝送実験が記載されているが、ビットレ
ートが10Gb/sの場合ではビット同期偏波変調の際
に付加されるプリチャープの深さがSPM−GVD効果
による波形劣化抑圧のためには最適でないため、プリチ
ャープの深さを最適化するためにこの位相変調器3が設
けられている。
ら送出される信号光にはビットレート周波数正弦波10
5により偏波変調が施されることによりビット同期の偏
波スクランブルが施されているため、上記で説明したよ
うに偏波依存効果の影響を抑圧することができるととも
に、ビット同期位相変調(プリチャープ)が重畳される
ことにより、SPM−GVD効果による波形劣化が抑圧
されるという別の効果を有している。
という超長距離における伝送後で、SPM−GVD効果
による波形劣化の影響がそれほど顕著にならない帯域は
伝送路の平均零分散の周辺の8nm弱であり、チャネル
数にすると10チャネル以下に制限される。よって今後
の大容量伝送を実現させるためには、SPM−GVD効
果によって生じる波形劣化に対する新たな対策が必要と
なる。
システムでは、SPM−GVD効果による信号光の劣化
を充分に抑圧することができないという問題点があっ
た。
る信号波形の劣化を充分に抑圧することができる光伝送
システムを提供することである。
に、本発明の光送信器は、光源と、送信データに基づい
て、前記光源から入力された信号光に対して強度変調を
施す強度変調器と、前記強度変調器から入力された信号
光に対して、それぞれ時間的に隣接するビットにおける
偏波状態が直交するように偏波変調を施す偏波変調器を
有している。
により波形が歪んだ時にも、時間的に前後のビットに対
して偏波状態が直交しているため干渉することがない。
そのため長距離大容量光波長多重伝送において伝送容量
の向上を妨げるSPM−GVD効果による波形劣化を抑
圧することができる。
データに基づいて、前記光源から入力された信号光に対
して強度変調を施す強度変調器と、前記送信データのビ
ットレートに相当する周波数の正弦波であるビットレー
ト周波数正弦波に基づいて、前記強度変調器から入力さ
れた信号光に対して位相変調を施す位相変調器と、前記
位相変調器から入力された信号光に対して、それぞれ時
間的に隣接するビットにおける偏波状態が直交するよう
に偏波変調を施す偏波変調器を有している。
偏波状態が直交するとともにビット同期位相変調(プリ
チャープ)が重畳されているため、SPM−GVD効果
による波形劣化をさらに抑圧することができる。
送信データのビットレートに相当する周波数の正弦波で
あるビットレート周波数正弦波に基づいて、前記光源か
ら入力された信号光に対して位相変調を施す位相変調器
と、前記送信データに基づいて、前記位相変調器から入
力された信号光に対して強度変調を施す強度変調器と、
前記強度変調器から入力された信号光に対して、それぞ
れ時間的に隣接するビットにおける偏波状態が直交する
ように偏波変調を施す偏波変調器を有している。
調器と強度変調器を設ける順序を入れ替えたものであ
り、得られる効果は入れ替えを行う前の構成により得ら
れる効果と同様である。
調器は、前記送信データと周期が同一であり隣接するビ
ットどうしの論理が異なっている信号である交番信号に
基づいて、入力された信号光に対して偏波変調を施すこ
とによりそれぞれ時間的に隣接するビットにおける偏波
状態が直交するように偏波変調を施している。
送信データに基づいて、前記光源から入力された信号光
に対して強度変調を施す強度変調器と、前記送信データ
がオン状態となる度に論理が反転する偏波状態制御信号
を出力している偏波状態制御回路と、前記強度変調器か
ら入力された信号光の偏波状態を、前記偏波状態制御信
号の論理に基づいて、直交する偏波状態間で切り替える
ような偏波変調を施す偏波変調器を有している。
く、送信データがオン状態となり“1”信号を示す度に
偏波状態を変化させて時間的に前のビットと偏波状態が
直交するように偏波変調を施してる。そのため、干渉す
る可能性のあるビット数を減らすことができるためSP
M−GVD効果による波形劣化抑圧効果を大きくするこ
とができる。
と前記強度変調器の間、および前記強度変調器と前記偏
波変調器の間の両方またはいずれか一方に光増幅器が挿
入されている。
と前記強度変調器の間、前記強度変調器と前記位相変調
器の間、および前記位相変調器と前記偏波変調器の間の
全てまたはいずれか1箇所もしくは2箇所に光増幅器が
挿入されている。
と前記位相変調器の間、前記位相変調器と前記強度変調
器の間、および前記強度変調器と前記偏波変調器の間の
全てまたはいずれか1箇所もしくは2箇所に光増幅器が
挿入されている。
の間に光増幅器を設けているので、各変調器を通過する
際の信号対雑音比の劣化を防ぐことができる。
データとしてRZ(Returnto Zero)信号
を用いるRZ変調方式と併用することにより、より一層
発揮される。
図面を参照して詳細に説明する。
実施形態の光伝送システムについて説明する。
M−GVD効果による波形劣化を詳細に検討すると、下
記のことが明らかになった。つまり、伝送路中における
波長分散により波形がひずむことにより前後のビットと
干渉する状態が発生し、この状態で非線形効果が生じる
と、その非線型効果の度合いにより受信端での波形ひず
みの量が決定されているのである。よって何らかの方法
で、ビット同期位相変調を受けた信号光が波長分散によ
って波形がひずんだ際にもなるべく前後のビットと干渉
しないような対策を施せば、このSPM−GVD効果に
よる波形劣化を緩和することが出来る。
とを用いてSMP−GVD効果による波形劣化を抑圧す
るようにしたものである。
ステムにおける光送信器の構成を示したブロック図であ
る。図13中と同番号は同じ構成要素を示す本実施形態
の光伝送システムにおける光送信器は、光源1、強度変
調器2、偏波変調器4により構成されている。
号光を送信データであるNRZ(Non Return
to Zero)データ101により強度変調して出
力している。
れた信号光を交番信号102により偏波変調して出力し
ている。
タ101と同じ周期の信号であり、隣接するビットどう
しが全て異なっている“101010…”という信号で
ある。
び図3を参照して説明する。
号102の波形を示したタイミングチャート、図3は信
号光を模式的に示した図である。
2によりNRZ変調方式で強度変調される。強度変調さ
れた信号光は続いて偏波変調器4により交番信号102
に基づいて偏波変調されることにより、それぞれ時間的
にとなりあうビットが偏波に関して直交するように偏波
変調される。
(a)に示す強度変調された信号光は、それぞれ時間的
にとなりあうビットが偏波状態に関して直交するように
偏波変調されて送信される。そのため、図3(b)のよ
うに偏波変調された信号光は、図3(c)に示すよう
に、信号路光ファイバを通過したことによる群速度分散
効果で劣化した場合でも、時間的に隣接するビットとの
干渉による影響が少なくなる。そのため、SPM−GV
D効果による波形劣化を抑圧することができる。
2、位相変調器3、偏波変調器4が設けられる順序にお
いて、強度変調器2と位相変調器3の順序は任意である
が、強度変調器2および位相変調器3は一般に偏波依存
性を持つため、偏波変調器4が最後に配置されることが
必要である。
ける光送信器について説明したが、光伝送システムでは
光信号の強度によりデータを伝達しているため、信号光
に位相変調や偏波変調が施されても信号光の強度自体が
変化するわけではない。そのため、本実施形態における
光伝送システムにおいても、受信器は従来の光伝送シス
テムにおける受信器と同じ構成のものを使用することが
できる。
実施形態の光伝送システムについて説明する。
ける光送信器の構成を示したブロック図である。図1中
と同番号は同じ構成要素を示す。
信器は、光源1と、強度変調器2と、偏波変調器4と、
偏波状態制御回路11とから構成されている。
理和回路10と、1ビット遅延回路とから構成されてい
る。
10からの出力信号である偏波状態制御信号を1ビット
遅延させてから出力している。
01と1ビット遅延回路6からの出力信号との間の排他
的論理和の演算を行ない、その演算結果を偏波状態制御
信号として出力している。
Zデータ101が“1”信号となると1ビット遅延回路
6から出力された信号(つまり前回排他的論理和回路1
0から出力された信号)の論理を反転した信号を偏波状
態制御信号として出力している。
号に基づいて偏波変調を行なっているため、NRZデー
タ101がオン状態となり“1”信号を示す度に強度変
調器2からの信号光の偏波状態が直交するように変調し
ている。
動作を示したタイミングチャートである。
偏波状態が直交するように偏波変調を行っていた。この
方式は光伝送システムを構成する上で最も簡単な方式で
ある。しかしあるビットにとって時間的に次のビット
が”0”信号(信号光オフ状態)であるとすると、この2
つのビットの間で偏波状態を切り替えることは無意味で
ある。なぜならば2番目のビットにはもともと信号光パ
ワーがないため偏波状態を切り替えなくても干渉をおこ
さないからである。
法を説明する。例えば次のような連続した10ビットの
信号列があるとする。上段はビットの順番を示し、下段
が信号である。
と、奇数番目のビットと偶数番目のビットはそれぞれ異
なる偏波状態を持つ。よって例えば5番目の”1”信号
と干渉する可能性のあるビットは、1、3、7、9番目
の計4つの”1”信号である。
ットの信号列を、”1”信号(信号光オン状態)の度に偏
波状態が直交するように偏波変調すると下記のようにな
る。 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 (番目) 1 0 1 1 1 0 1 1 1 0 ○ ○ ● ○ ● ● ○ ● ○ ○ ここで○、●はそれぞれ偏波状態を表し、同じマークの
もの同士が同じ偏波状態を持つ。このとき5番目の”
1”信号と干渉する可能性のあるビットは、3、8番目
の計2つの”1”信号であり、上記第1の実施形態によ
る場合と比較して、干渉する可能性のあるビット数を減
らすことが出来る。
オン状態)の度に偏波状態が直交するように偏波変調す
ることを行うと、1ビットおきに偏波変調する方式と比
較して干渉しあうビットの数を減らすことが出来、その
結果として波形劣化を小さくすることが出来る。
態制御回路11が必要となる分、電気回路が複雑にな
る。
実施形態の光伝送システムについて説明する。光送信器
の構成は第1の実施の形態と同じである。第1の実施の
形態との違いは、強度変調器2における変調が送信デー
タにRZ(Return to Zero)信号104
を用いたRZ変調方式であることである。長距離伝送に
おいては、強度変調の方式はNRZ変調と比較するとR
Z変調の方が非線型効果による波形劣化の影響を抑圧し
やすく、そのためより優れた伝送特性を示す。
送信データとしてRZ信号を用いるRZ変調方式と併用
することにより、より一層発揮される。その2つの理由
を下記に示す。
対してもともと受信感度が優れることによるもので、伝
送後の光SNR劣化が大きい長距離伝送の場合ではこの
影響が大きいということである。
調を行う場合、各ビットの切れ目で比較的大きなチャー
プが信号光上に付加されるが、RZ変調方式ではビット
の切れ目に信号パワーのないためである。NRZ変調で
はビットの切れ目においても信号パワーが存在すること
があるので、チャープの影響を受けやすくなるというこ
とである。
ためには、変調器駆動用の電気回路、及び強度変調器は
NRZ変調に対して2倍近くの周波数帯域を必要とす
る。このような高速な電気回路及び強度変調器が作成上
困難な場合には、文献1、5でも行われているように2
つ以上の強度変調器を用いることによりRZ変調化を行
う。
度変調器の構成を示す。図6は、1つの強度変調器によ
りRZ変調を行う場合の構成である。図7は、RZ変調
を2つの強度変調器を用いて行う場合の構成である。
る実施形態においては、強度変調器に図6または図7の
強度変調器を用いる。
実施形態の光伝送システムについて説明する。
の実施の形態と同じである。第2の実施の形態との違い
は、強度変調器2における変調方式がRZ変調方式であ
ることである。本実施形態は、第3の実施形態と同様
に、第2の実施形態の光伝送システムと比較して更に伝
送特性が向上される。
実施形態の光伝送システムについて説明する。
ように、光源1と、強度変調器2と、位相変調器3と、
偏波変調器4とから構成されている。図1中と同番号は
同じ構成要素を示す光源1から出射された信号光は強度
変調器2によりNRZ変調方式で強度変調される。次
に、強度変調された信号光は、位相変調器3により信号
のビットレート周波数に相当するビットレート周波数正
弦波105に基づいて位相変調される。この強度変調器
2と位相変調器3の順番は逆でも良い。そして、位相変
調された信号光は偏波変調器4により交番信号102に
基づいて偏波変調されることにより、それぞれ時間的に
となりあうビットが偏波に関して直交するように偏波変
調される。図9に、強度変調器2、位相変調器3及び偏
波変調器4の動作のタイミングを示す。
変調された信号光上へビットレート周波数に相当する繰
り返し波で信号光を位相変調する(プリチャープをかけ
る)ことは、SPM−GVD効果による波形劣化を抑圧
する効果を有する。本実施形態は、このプリチャープの
効果と隣接ビットとの干渉を避けるための偏波変調によ
る効果の2つを併用することにより、更にSPM−GV
D効果による波形劣化を抑圧する効果をさらに高めたも
のである。
実施形態について説明する。光送信器の構成は第5の実
施の形態と同じである。第5の実施の形態との違いは、
強度変調器2における変調方式がRZ変調方式であるこ
とである。本実施形態の光伝送システムは、RZ変調方
式の使用により第5の実施の形態と比較して更に伝送特
性が向上される。 (第7の実施形態)次に、本発明の第7の実施形態につ
いて説明する。図10を参照すると、光送信器は、光源
1と、強度変調器2と、位相変調器3と、偏波変調器4
により構成されている。光源1から出射された信号光は
強度変調器2によりNRZ変調方式で強度変調される。
続いて位相変調器3により信号のビットレート周波数に
相当する繰り返し波で信号光を位相変調される。この強
度変調器2と位相変調器3の順番は逆でも良い。信号光
は続いて偏波変調器4によって、”1”信号(信号光オ
ン状態)の度に偏波状態が直交するように偏波変調され
る。図11に、強度変調器、位相変調器及び偏波変調器
の動作のタイミングを示す。 (第8の実施形態)次に、本発明の第8の実施形態につ
いて説明する。本実施形態における光送信器の構成は、
第7の実施の形態と同じである。第7の実施の形態との
違いは、強度変調方式がRZ変調方式であることであ
る。本実施形態は、RZ変調方式の使用により第7の実
施の形態と比較して更に伝送特性が向上される。
実施形態について説明する。一般に1つの変調器を通過
すると信号光は3〜8dBの損失を受ける。図2、4に
示した構成では光源1を出射した信号光は3つの変調器
を通過するため大きな損失を受け、その結果適切な信号
対雑音比を維持するのが難しい。そのため、本実施形態
の光伝送システムは、図12に示すように、各変調器を
通過する際に受ける損失を補償するため、光源1と強度
変調器2の間、または強度変調器2と位相変調器3の
間、または位相変調器3と偏波変調器4の間の全てまた
はいずれか1箇所もしくは2箇所に光増幅器5a〜5c
を挿入することを行う。このようにすることにより多段
の変調器の通過による信号対雑音比の劣化を防ぐことが
可能となる。
光波長多重伝送システムにおいてSPM−GVD効果に
よる波形劣化の影響を抑圧して伝送特性を向上すること
ができるため、チャネル数の増加が可能となり、その結
果伝送容量の向上が可能となるという効果を有する。
ける光送信器の構成を示したブロック図である。
示したタイミングチャートである。
(a))、偏波変調された信号光を示した図(図3
(b))、光ファイバ通過後の信号光を示した図(図3
(c))である。
ける光送信器の構成を示したブロック図である。
示したタイミングチャートである。
ける光送信器の構成を示したブロック図である。
調用の強度変調器を構成を示したブロック図である。
ける光送信器の構成を示したブロック図である。
示したタイミングチャートである。
おける光送信器の構成を示したブロック図である。
作を示したタイミングチャートである。
おける光送信器の構成を示したブロック図である。
の断面の概念図である。
成を示したブロック図である。
の構成を示したブロック図である。
Claims (23)
- 【請求項1】 光源と、 送信データに基づいて、前記光源から入力された信号光
に対して強度変調を施す強度変調器と、 前記強度変調器から入力された信号光に対して、それぞ
れ時間的に隣接するビットにおける偏波状態が直交する
ように偏波変調を施す偏波変調器を有する光送信器。 - 【請求項2】 光源と、 送信データに基づいて、前記光源から入力された信号光
に対して強度変調を施す強度変調器と、 前記送信データのビットレートに相当する周波数の正弦
波であるビットレート周波数正弦波に基づいて、前記強
度変調器から入力された信号光に対して位相変調を施す
位相変調器と、 前記位相変調器から入力された信号光に対して、それぞ
れ時間的に隣接するビットにおける偏波状態が直交する
ように偏波変調を施す偏波変調器を有する光送信器。 - 【請求項3】 光源と、 送信データのビットレートに相当する周波数の正弦波で
あるビットレート周波数正弦波に基づいて、前記光源か
ら入力された信号光に対して位相変調を施す位相変調器
と、 前記送信データに基づいて、前記位相変調器から入力さ
れた信号光に対して強度変調を施す強度変調器と、 前記強度変調器から入力された信号光に対して、それぞ
れ時間的に隣接するビットにおける偏波状態が直交する
ように偏波変調を施す偏波変調器を有する光送信器。 - 【請求項4】 前記偏波変調器は、前記送信データと周
期が同一であり隣接するビットどうしの論理が異なって
いる信号である交番信号に基づいて、入力された信号光
に対して偏波変調を施すことによりそれぞれ時間的に隣
接するビットにおける偏波状態が直交するように偏波変
調を施している請求項1から3のいずれか1項記載の光
送信器。 - 【請求項5】 光源と、 送信データの論理に基づいて、前記光源から入力された
信号光に対して強度変調を施す強度変調器と、 前記送信データがオン状態となる度に論理が反転する偏
波状態制御信号を出力している偏波状態制御回路と、前記強度変調器から入力された信号光の偏波状態を、前
記偏波状態制御信号の論理に基づいて、直交する偏波状
態間で切り替えるような 偏波変調を施す偏波変調器を有
する光送信器。 - 【請求項6】 光源と、 送信データに基づいて、前記光源から入力された信号光
に対して強度変調を施す強度変調器と、 前記送信データのビットレートに相当する周波数の正弦
波であるビットレート周波数正弦波に基づいて、前記強
度変調器から入力された信号光に対して位相変調を施す
位相変調器と、 前記送信データがオン状態となる度に論理が反転する偏
波状態制御信号を出力している偏波状態制御回路と、前記位相変調器から入力された信号光の偏波状態を、前
記偏波状態制御信号の論理に基づいて、直交する偏波状
態間で切り替えるような 偏波変調を施す偏波変調器を有
する光送信器。 - 【請求項7】 光源と、 送信データのビットレートに相当する周波数の正弦波で
あるビットレート周波数正弦波に基づいて、前記強度変
調器から入力された信号光に対して位相変調を施す位相
変調器と、 前記送信データに基づいて、前記位相変調器から入力さ
れた信号光に対して強度変調を施す強度変調器と、 前記送信データがオン状態となる度に論理が反転する偏
波状態制御信号を出力している偏波状態制御回路と、前記強度変調器から入力された信号光の偏波状態を、前
記偏波状態制御信号の論理に基づいて、直交する偏波状
態間で切り替えるような 偏波変調を施す偏波変調器を有
する光送信器。 - 【請求項8】 前記偏波状態制御回路が、 前記偏波状態制御信号を入力し1ビット遅延させてから
出力している1ビット遅延回路と、 前記送信データと前記1ビット遅延回路の出力信号との
間の排他的論理和演算を行ない、該演算結果を前記偏波
状態制御信号として出力している排他的論理和回路とか
ら構成されている請求項5から7のいずれか1項記載の
光送信器。 - 【請求項9】 前記送信データが、NRZデータである
請求項1から8のいずれか1項記載の光送信器。 - 【請求項10】 前記送信データが、RZデータである
請求項1から8のいずれか1項記載の光送信器。 - 【請求項11】 前記光源と前記強度変調器の間、およ
び前記強度変調器と前記偏波変調器の間の両方またはい
ずれか一方に光増幅器が挿入されている請求項1または
5記載の光送信器。 - 【請求項12】 前記光源と前記強度変調器の間、前記
強度変調器と前記位相変調器の間、および前記位相変調
器と前記偏波変調器の間の全てまたはいずれか1箇所も
しくは2箇所に光増幅器が挿入されている請求項2また
は6記載の光送信器。 - 【請求項13】 前記光源と前記位相変調器の間、前記
位相変調器と前記強度変調器の間、および前記強度変調
器と前記偏波変調器の間の全てまたはいずれか1箇所も
しくは2箇所に光増幅器が挿入されている請求項3また
は7項記載の光送信器。 - 【請求項14】 請求項1から13のいずれか1項記載
の光送信器と、 前記光送信器から送信された信号光を受光して復調する
ための光受信器と、 前記光送信器と前記光受信器との間を接続するための光
ファイバを有する光伝送システム。 - 【請求項15】 送信データに基づいて、光源から入力
された信号光に対して強度変調を施し、 強度変調された前記信号光に対して、それぞれ時間的に
隣接するビットにおける偏波状態が直交するように偏波
変調を施す信号光変調方法。 - 【請求項16】 送信データに基づいて、光源から入力
された信号光に対して強度変調を施し、 前記送信データのビットレートに相当する周波数の正弦
波であるビットレート周波数正弦波に基づいて、強度変
調された前記信号光に対して位相変調を施し、 位相変調された前記信号光に対して、それぞれ時間的に
隣接するビットにおける偏波状態が直交するように偏波
変調を施す信号光変調方法。 - 【請求項17】 送信データのビットレートに相当する
周波数の正弦波であるビットレート周波数正弦波に基づ
いて、光源から入力された信号光に対して位相変調を施
し、 前記送信データに基づいて、位相変調された前記信号光
に対して強度変調を施し、 強度変調された前記信号光に対して、それぞれ時間的に
隣接するビットにおける偏波状態が直交するように偏波
変調を施す信号光変調方法。 - 【請求項18】 入力された信号光に対して、それぞれ
時間的に隣接するビットにおける偏波状態が直交するよ
うに偏波変調を施す方法が、前記送信データと周期が同
一であり隣接するビットどうしの論理が異なっている信
号である交番信号に基づいて、前記入力された信号光に
対して偏波変調を施す方法である請求項15から17の
いずれか1項記載の信号光変調方法。 - 【請求項19】 送信データに基づいて、光源から入力
された信号光に対して強度変調を施し、強度変調された前記信号光に対して、前記送信データが
オン状態となる度に偏波状態が直交する偏波状態間で切
り替わるような 偏波変調を施す信号光変調方法。 - 【請求項20】 送信データに基づいて、光源から入力
された信号光に対して強度変調を施し、 前記送信データのビットレートに相当する周波数の正弦
波であるビットレート周波数正弦波に基づいて、強度変
調された前記信号光に対して位相変調を施し、位相変調された前記信号光に対して、前記送信データが
オン状態となる度に偏波状態が直交する偏波状態間で切
り替わるような 偏波変調を施す信号光変調方法。 - 【請求項21】 送信データのビットレートに相当する
周波数の正弦波であるビットレート周波数正弦波に基づ
いて、光源から入力された信号光に対して位相変調を施
し、 前記送信データに基づいて、位相変調された前記信号光
に対して強度変調を施し、強度変調された前記信号光に対して、前記送信データが
オン状態となる度に偏波状態が直交する偏波状態間で切
り替わるような 偏波変調を施す信号光変調方法。 - 【請求項22】 前記送信データが、NRZデータであ
る請求項15から21のいずれか1項記載の信号光変調
方法。 - 【請求項23】 前記送信データが、RZデータである
請求項15から21のいずれか1項記載の信号光変調方
法。
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伊東俊治、福知清、洲崎哲行"交番偏波変調方式を用いた非線形波形劣化抑圧の検討"、1998年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会、1998年9月7日、B−10−97、p419 |
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