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JP3147112B2 - 直接拡散受信装置 - Google Patents

直接拡散受信装置

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Publication number
JP3147112B2
JP3147112B2 JP7274199A JP7274199A JP3147112B2 JP 3147112 B2 JP3147112 B2 JP 3147112B2 JP 7274199 A JP7274199 A JP 7274199A JP 7274199 A JP7274199 A JP 7274199A JP 3147112 B2 JP3147112 B2 JP 3147112B2
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JP
Japan
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signal
interference
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Inventor
善生 和田
Original Assignee
株式会社ワイ・アール・ピー移動通信基盤技術研究所
東洋通信機株式会社
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パイロットチャン
ネルを用いたDS−CDMA(Direct Sequence- Code
Division Multiple Access)システム等に使用する直接
拡散受信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】DS−CDMAシステムとして、北米で
標準化されたCDMA方式セルラ電話システム(TIA
IS95)がある。このシステムでは、下りリンクに
おいて、パイロットチャンネルにパイロットシンボルを
挿入して送信し、受信側でこのパイロットチャンネルの
受信信号に基づいてキャリア位相を検出して同期検波を
行っている。図7は、DS−CDMAシステムにおける
下りリンクの構成を示す図である。101は基地局、1
02は子局である。下りリンクは基地局101から子局
102へのリンクである。図8は、DS−CDMAシス
テムにおける基地局の送信装置の概要構成図である。符
号多重部103においては、データ1からデータNまで
の通信チャンネル(Nは1以上の整数)のデータとパイ
ロットチャンネル用にオール1とされたデータとが、直
交符号発生器107において生成された直交符号をそれ
ぞれ割り当てられて符号多重され、乗算器104におい
てPN発生器108からのPN信号を乗算されることに
より直接拡散され、乗算器105において、基準周波数
発振器109の基準周波数信号(キャリア)と乗算(変
調)し、このキャリアに乗せて送信アンテナ106から
送信される。
【0003】図9は、DS−CDMAシステムにおける
子局の受信装置の概要構成図である。受信アンテナ11
0により受信された信号は、乗算器111において基準
周波数発振器112の正弦波基準周波数信号と乗算され
て、ベースバンドの受信信号に変換される。DS−CD
MAシステムの復調器の特徴として、Rake受信方式
が採用されている。基地局から送信された信号は、複数
のパスを通って受信アンテナ110に到達するので、受
信信号は、振幅、キャリア位相、および、遅延時間の異
なる複数の信号が合成されたものとなる。Rake受信
方式は、ベースバンドの受信信号を逆拡散することによ
り、パス1〜パスKの受信信号に分離して最大比合成
(Rake合成)することにより、1つのインパルスレ
スポンスにして、受信信号のC/N特性を向上させる。
【0004】ベースバンドの受信信号は、Rake受信
部121およびサーチャー部122に出力される。ベー
スバンドの受信信号は、Rake受信部121におい
て、K個のフィンガー1181〜118Kに入力される。
各フィンガー1181〜118Kは、それぞれ1〜K番目
のパスに対する復調器である。図示の例では、最大K個
のパスの信号を受信できる。各フィンガー1181〜1
18Kは、同一構成である。ベースバンドの受信信号
は、乗算器113において、PN発生器114から出力
されるPN符号と乗算されてPN同期が取られ、乗算器
115において、直交符号発生器117から出力され
た、この子局(以後、「ユーザ」という)の通信チャン
ネルの直交符号と乗算され、積分器116において、こ
のユーザの通信チャンネルの受信信号が1シンボル期間
にわたって積分されることにより逆拡散される。フィン
ガー1181〜118Kからは、それぞれに対応するパス
1〜Kにおけるユーザの通信チャンネルの逆拡散された
受信信号が合成回路119に出力される。
【0005】ここで、PN発生器114および直交符号
発生器117には、インパルスレスポンスを推定するサ
ーチャー部122内の制御部129から、それぞれのパ
ス1〜Kに対するタイミング信号が供給される。その結
果PN発生器114および直交符号発生器117は、そ
れぞれ、対応するパス1〜KのPN符号および直交符号
と同期がとられたPN符号および直交符号を出力する。
【0006】サーチャー部122において、ベースバン
ドの受信信号は、乗算器123においてPN発生器12
4から出力されるPN符号と乗算され、乗算器125に
おいて直交符号発生器126から出力された、パイロッ
トチャンネルの直交符号と乗算されて、パイロットチャ
ンネルの受信信号が分離される。つぎに、積分器127
において1シンボル分積分され、さらに複数シンボル分
の平均化を行うフィルタ128を通し、ある1つのパス
kにおけるパイロットチャンネルのベースバンドの受信
信号振幅、および、基準周波数信号に対する位相(キャ
リア位相)を表す基準信号W(k)が作られ、制御部12
9に出力される。W(k)は複素数であり、k=1〜Kで
ある。パス1〜パスKとしては、電力の大きいパスがK
個選択される。
【0007】制御部129においては、PN発生器12
4のPN符号が受信信号に符号同期するようにPN発生
器124をタイミング制御するとともに、直交符号発生
器126の直交符号が受信信号に符号同期するように直
交符号発生器126をタイミング制御する。制御部12
9は、時間を分割して、Kフィンガー分のK個の基準信
号W(k)を生成する。また、時間を分割して、Rak
e受信部121のKフィンガー1181〜118KのPN
発生器114および直交符号発生器117にタイミング
信号を出力する。
【0008】合成回路119において、各フィンガー1
181〜118Kからのユーザの通信チャンネルの信号
は、各パス1〜Kのパイロットチャンネルの受信信号か
ら得た基準信号W(k)に基づいて、各パス1〜Kにおけ
るユーザの通信チャンネルの受信信号の位相オフセット
が取り除かれることにより同期検波され、さらにRak
e合成される。Rake合成された受信信号は、デコー
ド部120においてデコードされて、自局の通信チャン
ネルの所望のデータが出力される。
【0009】このように、既知のデータが伝送されてい
るパイロットチャンネルの、逆拡散された受信信号を用
いて各パスkのインパルスレスポンスを推定することに
より、各パスkの受信信号の位相オフセットを除去して
いる。なお、図示を省略したが、図9に示した乗算器1
11は、実際には2個設けられ、受信アンテナ110に
より受信された信号は、基準周波数信号と直交する直交
基準周波数信号とも乗算され、基準周波数信号と同相お
よび直交する2系列のベースバンドの受信信号(通常、
複素数で表される)となる。そして、2系列に対して個
別に後段の処理が行われ、合成回路119において、こ
の2系列が基準周波数信号(キャリア)の位相に対する
同相成分および直交成分となって同期検波される。
【0010】一般に、高速データ伝送をDS−CDMA
システムで行おうとすると、データレートの高速化にし
たがって、チップレートも当然大きくなる。チップレー
トが大きくなると、マルチパスによる干渉量が増大す
る。マルチパス数が増大すると、もはやRake受信方
式では伝送性能の劣化を防ぐことができない。時間遅延
したパス1〜パスKの到来波を合成したものが受信され
ると、あるパスkの到来波を逆拡散するときには、時間
遅延した他のパスの到来波は干渉信号となる。そのた
め、ある1つのパスkのインパルスレスポンスには、他
のパスの到来波との間の相互相関によって生じた干渉波
成分が含まれている。そのため、パス1〜パスKのイン
パルスレスポンスをRake合成すると、伝送性能が劣
化する。
【0011】このようなマルチパスによる干渉を除去す
る技術として、干渉キャンセラ技術がある、例えば、和
田ほか1名「B5−140 DS−CDMAシステムに
おけるマルチユーザ・マルチステージ型干渉キャンセラ
の一検討」,電子情報通信学会ソサイエティ大会(19
98.9)で知られているものがあり、このような干渉
キャンセラを、本出願人は、特願平10−236777
号として出願している。
【0012】概要を説明すると、パイロットチャンネル
等を用いて正確なインパルスレスポンスを推定する。振
幅の大きなパスをK個選択し、その値をWkとする。そ
の中で振幅値が最大となるパスPを選択する。干渉キャ
ンセラには、Rake受信データあるいは前段の干渉キ
ャンセラの出力データが入力される。さらに、振幅最大
パスP以外の各パスに対する拡散符号とWkを用いて各
ユーザにおける干渉レプリカを生成する。受信信号から
全ユーザの干渉レプリカを差し引いて、パスPに対して
逆拡散を行い、全ユーザに対するデータを検出する。す
なわち、あらかじめWkを推定し、電波伝搬の情報は推
定後固定する。
【0013】また、異なる方法で干渉信号をキャンセル
するものとして、佐和橋ほか2名「パイロット及びデー
タシンボルを用いるチャネル推定逐次更新型DS−CD
MAコヒーレントマルチステージ干渉キャンセラ」,信
学技報96(354),電子情報通信学会(1996−
11)RCS96−100,p.9−16等で知られて
いるものがある。
【0014】概要を説明すると、フレーム内に周期的に
パイロットシンボルを有するDS−CDMAシステムで
あって、パワーの大きなユーザから1ユーザずつキャン
セルを行う。ユーザkにおいて、ユーザkよりもパワー
の大きいユーザに対するiステージでの干渉レプリカ
と、パワーの小さな他ユーザに対するi−1ステージで
の干渉レプリカを除去し、さらに、受信信号から自局の
各パスにおいて、それぞれ、各パス以外の干渉レプリカ
を除去し、パイロットシンボルを用いて各パスにおける
インパルスレスポンスを推定し、その値に基づいて、逆
拡散を行う。各パスで逆拡散された信号がRake合成
される。合成後、デコードされたデータと推定されたイ
ンパルスレスポンスをもとに干渉レプリカを生成する。
【0015】ここで、上述した干渉キャンセラ技術の第
1の例である、インパルスレスポンスを推定し、電力が
最大となるパスPを少なくとも除いたパスの干渉をキャ
ンセルする先願に記載の技術(以下、先行技術という)
を説明することにより、干渉キャンセラの機能を具体的
に説明しておく。図10は、先行技術の基本ブロック構
成図である。1つのPN符号を共有する符号多重された
チャンネルが、1つの通信チャンネル(1ユーザ)およ
び1つのパイロットチャンネルからなる場合のものであ
る。これに対し、図9は、1つのPN符号を共有する符
号多重された通信チャンネル(ユーザ)が複数の場合で
あるので前提が若干異なるが、Rake部に関しては、
この図9を流用して説明する。
【0016】この基本構成においては、インパルスレス
ポンスを推定し、このインパルスレスポンスを表す基準
信号W(k)を固定し、Rake受信部121で出力デ
ータDRを検出する。また、電力最大パス検出器131
は、基準信号W(k)に基づいて、電力が最大となるパ
スPを選択する。干渉キャンセラ133においては、R
ake受信部121から出力されたデータを初期データ
として、電力が最大となるパスP以外のパスにおける、
同期検波および逆拡散を行う以前の信号を生成するとと
もに、パイロットチャンネルの既知のデータに基づい
て、電力が最大となるパスP以外のパスにおける、逆拡
散を行う以前のパイロットチャンネルの信号を生成して
干渉レプリカとし、受信信号からその干渉レプリカを差
し引いて、電力が最大のパスPについて再び逆拡散およ
び同期検波を行うことによりデータを再び検出しなお
す。このようにして、受信信号品質の劣化要因である干
渉を除去することによりビット誤り率が向上する。
【0017】図9に示した、サーチャー部122では、
パイロットチャンネルの受信信号を逆拡散して得られる
電力の大きいパスがK個選択され、各パス1〜Kのイン
パルスレスポンスの値として基準信号W(k)(k=1
〜K)を出力する。電力最大パス検出器131は、基準
信号W(k)の中から、電力が最大となるパスPを選択
して、Pの値を干渉キャンセラ133に出力する。
【0018】図13は、干渉キャンセラ133の動作説
明図である。基地局1から送信された信号は複数のパス
を通って、それぞれが異なる遅延時間の信号の合成とし
て受信される。上段の図は、マルチパスによるインパル
スレスポンスを示す。電力が最大となるパスPを選択
し、他のパスにおける同期検波および逆拡散を行う以前
のベースバンドの受信信号を、検出データおよびパイロ
ットチャンネルのデータに基づいて仮想的に生成し、こ
れを差し引いた受信信号に対し、最大電力のパスPにお
ける逆拡散を行い、下段に示すような干渉信号のキャン
セルされたデータを検出する。
【0019】電力が最大となるパスPは、干渉信号を含
む割合が少なく、パスPを除くパスについては、主に干
渉信号であると推定する。そして、Rake受信部12
1から出力された1ユーザの通信チャンネルの一応確か
らしいデータDRを初期値として用い、これから、逆の
信号処理をして、同期検波および逆拡散を行う以前の信
号を生成する。同時に、パイロットチャンネルの既知の
データDpに基づいて逆拡散を行う以前のパイロットチ
ャンネルの信号も生成する。このようにして、パスPを
除くパス1〜パスKにおける干渉レプリカを生成する。
そして、ベースバンドの受信信号から、パスPを除くパ
ス1〜パスKの干渉レプリカをすべて差し引くと、ほぼ
パスPだけのベースバンドの受信信号となる。
【0020】したがって、干渉キャンセラ133は、R
ake受信部121から出力される1つの通信チャネル
の出力データDRおよびパイロットチャンネルの既知の
データDpを用いて、最大電力のパスPを除いたK−1
個のパスの干渉レプリカを生成する。そして、ベースバ
ンドの受信信号からこの干渉レプリカを除去したベース
バンドの受信信号に対し、パスPについて改めて逆拡散
を行う。このようにして、仮に単一のパスPの到来波の
みが受信されたと仮定したときとほぼ同様なベースバン
ドの受信信号に対して逆拡散をすることができる。その
結果、パスの相互相関による干渉信号が除去された、通
信チャンネルの受信データDCが得られる。なお、遅延
部132は、Rake受信部121においてRake受
信に要する処理遅延を補償するものである。
【0021】図11は、図10に示した干渉キャンセラ
133の内部構成図である。1ユーザの干渉レプリカ生
成部135は、1ユーザのみが使用する唯一の通信チャ
ンネルについて、パスPを除く、K−1個のパスに対す
る干渉レプリカを生成する。また、パイロットチャンネ
ルの干渉レプリカ生成部135pは、パイロットチャン
ネルについて、パスPを除く、K−1個のパスに対する
干渉レプリカを生成する。
【0022】図12(a),図12(b)は、それぞ
れ、図11に示した干渉レプリカ生成部135,135
pの内部構成図である。パス1に対する干渉レプリカ生
成部1411については、Rake受信部121から出
力されたデータDRは、乗算器138において、パス1
に対する基準信号W1(1)と乗算されることにより、
パス1のキャリア位相および振幅が付与された信号点位
相および振幅を有する、同期検波される前の信号に戻さ
れる。つぎに、乗算器139においてパス1に対するP
N符号であるPN1(1)、さらに、乗算器140にお
いて1ユーザのパス1に対する直交符号WS1(1)と
それぞれ乗算されて拡散されることにより、パス1の時
間遅延を有する、逆拡散される前のベースバンド受信信
号に戻されて、パス1の干渉レプリカが生成される。パ
ス1に対する干渉レプリカ生成部1411と同様の構成
が、パスPを除いてK−1個あり、これらのK−1個の
信号が加算器142により加算されて、その出力信号が
パスPを除くパス1〜Kの干渉レプリカの出力信号とな
る。
【0023】ここで、W1(k)(k=1〜K,k=P
を除く)は、図9に示した制御部129が出力する基準
信号、PN1(k)(k=1〜K,k=Pを除く)は、
図9に示したフィンガー118kのPN発生器114が
出力するPN符号、直交符号WS1(k)(k=1〜
K,k=Pを除く)は、図9に示したフィンガー118
kの直交符号発生器117が出力する1ユーザの直交符
号に基づくものである。ただし、図10におけるベース
バンドの受信信号を遅延部132で遅延させたように、
Rake受信部121における処理遅延を補償するため
に、時間遅れを持たせているが、干渉キャンセラ133
の内部での処理遅延も考慮して時間遅れを調整する。W
1(k),PN1(k),WS1(k)は、上述した制御
部129,PN発生器114,直交符号発生器117の
出力のそれぞれに、遅延部132と同様な遅延部を設け
ることによって作ることができる。
【0024】図12(b)に示す、パイロットチャンネ
ルに対する干渉レプリカ生成部135pについては、パ
イロットチャンネルの既知のデータDpは、乗算器13
8において、パス1に対する基準信号W1(1)と乗算
されることにより、パス1のキャリア位相および振幅が
付与された信号点位相および振幅を有する信号になる。
つぎに、乗算器139においてパス1に対するPN符号
であるPN1(1)、さらに、乗算器140においてパ
イロットチャンネルのパス1に対する直交符号WS
1(p,1)とそれぞれ乗算されて拡散されることによ
り、パス1の時間遅延を有する、逆拡散される前のベー
スバンド受信信号に戻されて、パス1の干渉レプリカが
生成される。図12(a)と同様に、パス1に対する干
渉レプリカ生成部1411と同様の構成が、パスPを除
いてK−1個あり、これらのK−1個の信号が加算器1
42により加算されて、その出力信号がパスPを除くパ
ス1〜Kの干渉レプリカの出力信号となる。
【0025】ここで、W1(k)(k=1〜K,k=P
を除く)は図9に示した制御部129が出力する基準信
号、PN1(k)(k=1〜K,k=Pを除く)は図9
に示したサーチャー部122のPN発生器124が出力
するPN符号(フィンガー118kのPN発生器114
が出力するPN符号と一致する)、直交符号WS
1(p,k)(k=1〜K,k=Pを除く)は図9に示
したサーチャー部122の直交符号発生器126が出力
するパイロットチャンネルの直交符号に基づくものであ
る。ただし、Rake受信部121における処理遅延を
補償するために時間遅れを持たせ、かつ、干渉キャンセ
ラ133の内部での処理遅延も考慮して時間遅れが調整
される。W1(k),PN1(k),WS1(p,k)
は、上述した制御部129,PN発生器124,直交符
号発生器126の出力のそれぞれに、遅延部132と同
様な遅延部を設けることによって作ることができる。
【0026】再び、図11に戻って説明をする。加算器
136において、遅延されたベースバンドの受信信号か
ら、干渉レプリカ135の出力信号が差し引かれ、パス
Pに対する逆拡散部137に入力される。このパスPに
対する逆拡散部137は、図9に示したフィンガー部1
181〜118K中のパスPのフィンガー部と同様の構成
である。すなわち、パスPに対する基準信号W
1(P)、パスPに対するPN符号であるPN1(P)、
および、パスPに対する1ユーザの直交符号WS
1(P)を用いて、干渉レプリカが削除されたベースバ
ンドの受信信号に対して、パスPに対する逆拡散を行
い、データを検出する。この出力データは、相互相関に
よる干渉が除かれて伝送性能が改善された1ユーザのデ
ータとなる。上述した基準信号W1(P)、PN符号P
1(P)、および、1ユーザの直交符号WS1(P)
は、先に説明したパスPを除いたパスの基準信号W
1(k)、PN符号PN1(k)、および、1ユーザの直
交符号WS1(k)と同様に、Rake受信部121に
おける処理遅延を補償するために時間遅れを持たせ、か
つ、干渉キャンセラ133の内部での処理遅延も考慮し
て時間遅れが調整される。
【0027】図14は、先行技術のブロック構成図であ
る。1つのPN符号を共有する符号多重されたチャンネ
ルが、NユーザのN個の通信チャンネルおよび1つのパ
イロットチャンネルからなる場合のものである。そし
て、複数ユーザに対応した干渉キャンセラが、1〜M段
目の干渉キャンセラ1511〜151Mとして縦続接続さ
れたものである。この具体例では、複数のユーザ1〜N
のパスに対して複数の干渉キャンセラを動作させて、干
渉を除去し、さらに複数段の干渉キャンセラを動作させ
るものであって、より確からしいデータが検出される。
第1段目の干渉キャンセラ1511は、Rake受信部
146から出力されたデータDR(1)〜DR(N)を
確からしいデータとして入力するとともに、パイロット
チャンネルの既知のデータを入力し、干渉信号がキャン
セルされた、より確からしいデータDC(1,1)〜D
C(1,N)を出力する。
【0028】第2段目以降については、前段の干渉キャ
ンセラからの出力データが次の段の干渉キャンセラの入
力データになるとともに、パイロットチャンネルの既知
のデータも入力される。いずれの段の干渉キャンセラ1
511〜151Mも、電力最大パス検出器131から出力
される同じパスPを電力最大パスとして選択する。な
お、各段の干渉キャンセラのうち、1〜(M−1)段目
の干渉キャンセラ151 1〜151M-1については、自局
(ユーザ1)のデータを含めたユーザ1〜Nのデータを
出力する必要がある。すなわち、1〜(M−1)段目の
干渉キャンセラ1511〜151M-1については、ユーザ
1〜ユーザNに対する逆拡散部が必要となる。
【0029】上述した干渉キャンセラの性能をさらに向
上させるために、従来は、干渉キャンセラ自体の性能向
上を図ることが考えられていた。しかし、受信データの
誤りを少なくする別の技術を干渉キャンセラにうまく適
用することにより受信データの誤りを少なくすることは
考えられていなかった。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、受信データ
の誤りを少なくすることができる直接拡散受信装置を提
供することを目的とするものである。
【0031】
【課題を解決するための手段】
【0032】
【0033】本発明は、請求項に記載の発明において
は、直接拡散受信装置において、複数系列の初期逆拡散
信号受信手段、初期合成判定手段、複数系列の干渉キャ
ンセラ、および、合成判定手段を有し、前記複数系列の
初期逆拡散信号受信手段は、それぞれの系列に対応した
アンテナで受信された直接拡散信号を逆拡散して初期逆
拡散信号を出力するものであり、前記初期合成判定手段
は、前記複数系列の初期逆拡散信号受信手段が出力する
前記初期逆拡散信号を合成した信号をデコードして初期
受信データを判定するものであり、前記複数系列の干渉
キャンセラは、前記初期受信データに基づき、前記それ
ぞれの系列に対応したアンテナで受信された直接拡散信
号に含まれる干渉信号のレプリカを生成し、前記直接拡
散信号から前記レプリカを差し引いて、干渉信号の影響
が低減された逆拡散信号を出力するものであり、前記合
成判定手段は、前記複数系列の干渉キャンセラから出力
される前記逆拡散信号を合成した信号をデコードして受
信データを判定するものである。したがって、マルチパ
スによる干渉によって受信性能が劣化することを防止す
ることができる。フェージング変動がある場合などにお
いて、受信データの誤りを少なくすることができる。初
期受信データを得る際にも、合成した信号により初期受
信データを判定しているため、初期受信データがより確
からしくなり、より確かな干渉キャンセルを行うことが
できる。
【0034】請求項に記載の発明においては、直接拡
散受信装置において、多段で複数系列の干渉キャンセ
ラ、および、多段の合成判定手段を有し、第1段目の前
記複数系列の干渉キャンセラは、それぞれの系列に対応
したアンテナで受信された直接拡散信号からあらかじめ
得られた初期受信データに基づき、前記直接拡散信号に
含まれる干渉信号のレプリカを生成し、前記それぞれの
系列に対応したアンテナで受信された直接拡散信号から
前記レプリカを差し引いて、干渉信号の影響が低減され
た逆拡散信号を出力するものであり、第1段目の前記合
成判定手段は、第1段目の前記複数系列の干渉キャンセ
ラから出力される前記逆拡散信号を合成した信号をデコ
ードして第1段目の受信データを判定するものであり、
第2段目以降の前記複数系列の干渉キャンセラは、前段
の前記合成判定手段の出力する受信データに基づき、前
記それぞれの系列に対応したアンテナで受信された直接
拡散信号に含まれる干渉信号のレプリカを生成し、前記
それぞれの系列に対応したアンテナで受信された直接拡
散信号から前記レプリカを差し引いて、干渉信号の影響
が低減された前記逆拡散信号を出力するものであり、第
2段目以降の前記合成判定手段は、当該段の複数系列の
干渉キャンセラから出力される前記逆拡散信号を合成し
た信号をデコードして当該段の受信データを判定するも
のである。したがって、マルチパスによる干渉によって
受信性能が劣化することを防止することができる。フェ
ージング変動がある場合などにおいて、受信データの誤
りを少なくすることができる。干渉キャンセラの段数に
応じて、単に干渉キャンセラ自体の性能が向上するだけ
でなく、後段の干渉キャンセラは、合成した信号により
判定された前段の受信データに基づいて干渉キャンセル
を行うため、より確かな干渉キャンセルを行うことがで
きる。
【0035】請求項に記載に発明においては、複数系
列の初期データ受信手段、多段で複数系列の干渉キャン
セラ、および、多段の合成判定手段を有し、前記複数系
列の初期データ受信手段は、それぞれの系列に対応した
アンテナで受信された直接拡散信号を受信して初期受信
データを出力するものであり、第1段目の前記複数系列
の干渉キャンセラは、それぞれの系列に対応した前記初
期受信データに基づき、前記それぞれの系列に対応した
アンテナで受信された直接拡散信号に含まれる干渉信号
のレプリカを生成し、前記直接拡散信号から前記レプリ
カを差し引いて、干渉信号の影響が低減された逆拡散信
号を出力するものであり、第1段目の前記合成判定手段
は、第1段目の前記複数系列の干渉キャンセラから出力
される前記逆拡散信号を合成した信号をデコードして第
1段目の受信データを判定するものであり、第2段目以
降の前記複数系列の干渉キャンセラは、前段の前記合成
判定手段の出力する受信データに基づき、前記それぞれ
の系列に対応したアンテナで受信された直接拡散信号に
含まれる干渉信号のレプリカを生成し、前記それぞれの
系列に対応したアンテナで受信された直接拡散信号から
前記レプリカを差し引いて、干渉信号の影響が低減され
た前記逆拡散信号を出力するものであり、第2段目以降
の前記合成判定手段は、当該段の複数系列の干渉キャン
セラから出力される前記逆拡散信号を合成した信号をデ
コードして当該段の受信データを判定するものである。
したがって、マルチパスによる干渉によって受信性能が
劣化することを防止することができる。フェージング変
動がある場合などにおいて、受信データの誤りを少なく
することができる。干渉キャンセラの段数に応じて、単
に干渉キャンセラ自体の性能が向上するだけでなく、後
段の干渉キャンセラは、合成した信号により判定された
前段の受信データに基づいて干渉キャンセルを行うた
め、より確かな干渉キャンセルを行うことができる。
【0036】請求項に記載の発明においては、直接拡
散受信装置において、複数系列の初期逆拡散信号受信手
段、初期合成判定手段、多段で複数系列の干渉キャンセ
ラ、および、多段の合成判定手段を有し、前記複数系列
の初期逆拡散信号受信手段は、それぞれの系列に対応し
たアンテナで受信された直接拡散信号を逆拡散して初期
逆拡散信号を出力するものであり、前記初期合成判定手
段は、前記複数系列の初期逆拡散信号受信手段の出力す
る前記初期逆拡散信号を合成した信号をデコードして初
期受信データを判定するものであり、第1段目の前記複
数系列の干渉キャンセラは、前記初期受信データに基づ
き、それぞれの系列に対応したアンテナで受信された前
記直接拡散信号に含まれる干渉信号のレプリカを生成
し、前記それぞれの系列に対応したアンテナで受信され
た直接拡散信号から前記レプリカを差し引いて、干渉信
号の影響が低減された逆拡散信号を出力するものであ
り、第1段目の前記合成判定手段は、第1段目の前記複
数系列の干渉キャンセラから出力される前記逆拡散信号
を合成した信号をデコードして第1段目の受信データを
判定するものであり、第2段目以降の前記複数系列の干
渉キャンセラは、前段の前記合成判定手段の出力する前
段の受信データに基づき、前記それぞれの系列に対応し
たアンテナで受信された直接拡散信号に含まれる干渉信
号のレプリカを生成し、前記それぞれの系列に対応した
アンテナで受信された直接拡散信号から前記レプリカを
差し引いて、干渉信号の影響が低減された前記逆拡散信
号を出力するものであり、第2段目以降の前記合成判定
手段は、当該段の複数系列の干渉キャンセラから出力さ
れる前記逆拡散信号を合成した信号をデコードして当該
段の受信データを判定するものである。したがって、マ
ルチパスによる干渉によって受信性能が劣化することを
防止することができる。フェージング変動がある場合な
どにおいて、受信データの誤りを少なくすることができ
る。初期受信データを得る際にも、合成した信号により
初期受信データを判定しているため、初期受信データが
より確からしくなる。干渉キャンセラの段数に応じて、
単に干渉キャンセラ自体の性能が向上するだけでなく、
後段の干渉キャンセラは、合成した信号により判定され
た前段の受信データに基づいて干渉キャンセルを行うた
め、より確かな干渉キャンセルを行うことができる。
【0037】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の直接拡散受信装
置の第1の前提構成の概要ブロック図である。図中、1
は受信アンテナ、2は乗算器、3は基準周波数発振器、
4は逆拡散部、5は遅延部、6は干渉キャンセラ、7は
合成判定部である。この実施の形態においては、2系統
の受信機を有する。第1,第2の受信機を区別するため
に、1〜6にはaまたはbの添字を付している。
【0038】受信アンテナは、ダイバーシチ用に2系統
設けられる。例えば、2本の受信アンテナが距離を隔て
て設けられる(スペースダイバーシチ)。あるいは、2
本の同一の指向性アンテナが、アンテナの向きを異なら
せて設けられる(角度ダイバーシチ)。あるいは、異な
る指向性のアンテナが用いられる(角度ダイバーシ
チ)。これらのアンテナの指向特性および設置条件は、
単独または、適宜組み合わされて2系統のアンテナとさ
れる。
【0039】このように異なる受信アンテナ1a,1b
により受信された信号は、乗算器2a,2bにおいて基
準周波数発振器3a,3bの正弦波基準周波数信号と乗
算されて、ベースバンドの直接拡散受信信号に変換され
る。基準周波数発振器3a,3bは、同一周波数の正弦
波基準周波数信号を出力する。基準周波数発振器3a,
3bは、1つの基準周波数発振器を共用してもよい。こ
のベースバンドの直接拡散受信信号は、逆拡散部4a,
4bにおいて逆拡散され、内部でデコードされて、初期
値としての受信データを出力する。
【0040】この逆拡散部4a,4bは、干渉キャンセ
ラ6a,6bにおける干渉キャンセル動作に必要な、あ
る程度確からしい初期データを与えるものである。単に
逆拡散をしただけの、マルチパス信号の混在する逆拡散
信号では、初期受信データをデコードすることができな
い。そのため、例えば、ベースバンドの直接拡散受信信
号を逆拡散して、そのうち、電力が最大となるパスPの
逆拡散出力をデコードして初期データとすればよい。
【0041】2系列の干渉キャンセラ6a,6bは、逆
拡散部4a,4bによりあらかじめ得られた受信データ
に基づき、遅延部4a,4bを通して遅延された直接拡
散信号に含まれる干渉信号のレプリカを生成し、直接拡
散信号からこのレプリカを差し引いて、干渉信号の影響
が低減された逆拡散信号を出力する。各干渉キャンセラ
6a,6bとしては、従来技術において説明した任意の
タイプの干渉キャンセラを使用することができる。例え
ば、先行技術として説明した、図10の干渉キャンセラ
133,図14の干渉キャンセラ151を使用すること
ができる。
【0042】ただし、従来技術における干渉キャンセラ
は、データ判定をするためのデコード部を内蔵してい
る。本発明においては、後段の合成判定部7においてデ
ータを判定するものであるため、本発明における干渉キ
ャンセラは、受信データを判定する直前の逆拡散信号の
状態で出力するものである。この逆拡散信号は、従来技
術における干渉キャンセラで判定される受信データのイ
ンパルスレスポンスに対応する。合成判定部7は、2系
列の干渉キャンセラ6a,6bから出力される逆拡散信
号を合成した信号をデコードして受信データを判定す
る。
【0043】2系統それそれのアンテナ1a,1bから
受信される直接拡散信号は、独立である。すなわち、そ
れそれ異なるマルチパスフェージングを受けている。そ
のため、いずれか一方からフェージング変動による出力
低下のない直接拡散信号を受信できる可能性が高くなる
ため、フェージング変動に強くなる。また、2系統の受
信機のノイズに影響を与えるのは、アンテナ1a,1b
からベースバンド直接拡散信号に変換する乗算器2a,
2b等である。2系統の受信機であれば、ノイズは各系
統で独立である。したがって、ノイズの影響が1系統の
場合に比べて平均化される。
【0044】干渉キャンセラ6a,6bでは、干渉除去
された後、受信データが判定される直前における逆拡散
信号が出力される。上述したように、それぞれ独立なマ
ルチパスフェージングを受けた受信信号に、それぞれ独
立なノイズが付加されたベースバンド信号に基づいて、
干渉キャンセラを使用し、さらにその2系統の出力信号
を合成・判定することにより、1系統の干渉キャンセラ
単独の性能よりも優れた受信装置となる。
【0045】図2は、図1に示した合成判定部の説明図
である。図2(a)は合成機能の説明図、図2(b)は
判定機能の説明図である。第1の受信機(系統a)の干
渉キャンセラ6aから出力される逆拡散信号の同相成分
(I相)および直交成分(Q相)を(V1i,V1q)と
し、第2の受信機(系統b)の干渉キャンセラ6bから
出力される逆拡散信号の同相および直交成分を(V2i
2q)とし、合成信号の同相および直交成分を(V0i
0q)とする。
【0046】合成信号は、第1,第2の受信機からの逆
拡散信号に対し、それぞれ、重みW t1,Wt2を加えて作
成される。すなわち、 V0i=1i*Wt1+V2i*Wt2 0q=1q*t1+2q*Wt2 とする。ここで、重みWt1,Wt2としては、例えば、 t1=(V1i 2 +1q 2)/{(V1i+2i2+(V1q+
2q) 21/2t2=(V2i 2 +2q 2)/{(V1i+2i2+(V1q+
2q) 21/2 とする。
【0047】あるいは、重みWt1,Wt2として、 Wt1=(V1i 2 +1q 21/2/{(V1i+2i2+(V
1q+2q) 21/2t2=(V2i 2 +2q 21/2/{(V1i+2i2+(V
1q+2q) 21/2 とする。なお、各分母の値は、第1,第2の受信機の干
渉キャンセラ6a,6bから出力される逆拡散信号を加
算したベクトルの長さである。図2(b)に示すよう
に、4相位相変調の場合には、上述した合成信号
(V0i,V0q)がIQ位相平面上のどの象限にあるかに
よって受信データがデコードされる。
【0048】図3は、本発明の直接拡散受信装置におけ
る第2の前提構成の説明図である。図中、図1と同様な
部分については同じ符号を用い、説明を省略する。11
a,11bはRake受信部、12a,12bはRak
e受信部11a,11bにおける処理時間の遅れを補償
する遅延部である。この実施の形態においては、図1に
示した第1の実施の形態に比べ、干渉キャンセラ6a,
6bへ初期入力データを出力する逆拡散部4a,4bと
して、Rake受信部11a,11bを採用したもので
ある。
【0049】Rake受信部11a,11bにおいて
は、ベースバンドの直接拡散受信信号を逆拡散して、パ
ス1〜パスKの受信信号に分離して同期検波されたもの
が、最大比合成(Rake合成)されることにより、1
つのインパルスレスポンスに対応する逆拡散信号を作成
する。この逆拡散信号をデコードすることにより初期受
信データが得られる。図1を参照して説明した第1の
提構成で例示したような、ある1つの最大パスに対して
逆拡散されてデコードされるより、Rake受信を用い
た方が、初期受信データは、より確からしい。より確か
らしい初期受信入力データが干渉キャンセラ6a,6b
に入力されることによって、合成判定部7の出力データ
は、より確からしくなる。
【0050】図4は、本発明の直接拡散受信装置におけ
る第の実施の形態の説明図である。図中、図1と同様
な部分については同じ符号を用い、説明を省略する。2
1a,21bはRake受信部、22a,22bはRa
ke受信部21a,21bにおける処理時間の遅れを補
償する遅延部である。23は合成判定部である。
【0051】この実施の形態においては、図に示した
第2の前提構成に比べ、初期受信データを得る際にも合
成判定を行うものである。したがって、Rake受信部
21a,21bは、図9に示したRake受信部12
1、図に示したRake受信部11a,11bとは出
力信号が異なる。すなわち、デコード部によりデータ判
定して初期受信データを得る直前の、この初期受信デー
タのインパルスレスポンスに対応する逆拡散信号を出力
する。2系統のRake受信部を用いて合成判定するほ
うが、箇々の系統のRake受信部を用いるよりも、初
期受信データはより確からしくなる。より確からしい初
期受信データが干渉キャンセラ6a、6bに入力される
ことによって、合成判定部4の出力データは、より確か
らしくなる。なお、Rake受信部21a,21bのそ
れぞれに代えて、これらを、ベースバンドの直接拡散受
信信号を逆拡散し、そのうち、電力が最大となるパスP
の逆拡散信号を出力する逆拡散部としてもよい。
【0052】図5は、本発明の直接拡散受信装置におけ
る第の実施の形態の説明図である。図中、図1と同様
な部分については同じ符号を用い、説明を省略する。3
1a,31bは干渉キャンセラ6a,6bにおける処理
時間の遅れを補償する遅延部、32a,32bは2段目
の干渉キャンセラ、33は2段目の合成判定部、34
a,34bは前段の干渉キャンセラにおける処理時間の
遅れを補償する遅延部、35a,35bは最終段の干渉
キャンセラ、36は最終段の合成判定部である。この実
施の形態の直接拡散受信装置は、図1を参照した第1の
前提構成に比べて、2系統の干渉キャンセラと両者の逆
拡散信号出力を入力する合成判定部の1組を複数段、縦
続接続したものである。その結果、干渉キャンセラ32
a,32b・・・35a,35bの各段ごとに性能が改
善される。
【0053】図6は、本発明の直接拡散受信装置におけ
る第の実施の形態の説明図である。図中、図3,図5
と同様な部分については同じ符号を用い、説明を省略す
る。この実施の形態の直接拡散受信装置は、図3を参照
した第2の前提構成に比べて、2系統の干渉キャンセラ
と両者の逆拡散信号出力を入力する合成判定部の1組を
複数段、縦続接続したものである。その結果、干渉キャ
ンセラ32a,32b・・・35a,35bの各段ごと
に性能が改善される。
【0054】この実施の形態においては、初期受信デー
タを得る手段として、図3の場合と同様に、系統別にR
ake受信部11a,11bを用いた。これに代えて、
図4に示したように、Rake受信部21a,21bの
逆拡散出力を合成判定部23で合成判定して初期受信デ
ータを得るようにして、この後に、2系統の干渉キャン
セラと両者の逆拡散信号出力を入力する合成判定部の1
組を複数段、縦続接続したものとしてもよい。
【0055】上述した説明では、干渉キャンセラとし
て、直接拡散受信信号の干渉信号をキャンセルするもの
を前提として説明した。しかし、これに限らず、直接拡
散受信信号を含む一般の受信信号について、ビット誤り
率を低下させる要因となる信号を、受信信号から取り除
くものであれば、干渉キャンセラに限らない。このよう
なキャンセラを多段に縦続接続することにより、ビット
誤り率を低下させる要因となる信号の除去を、複数回繰
り返して行うことにより、より確からしのある受信信号
を出力することができる。
【0056】上述した説明では、2つの受信系統を合成
して判定したが、さらに多数の受信系統としてもよい。
また、例えば、複数系統の受信アンテナの出力を、選択
スイッチ手段により順次切り替えるなどして、少なくと
も受信アンテナを複数系統とし、後続の処理ブロックで
は、複数系統の直接拡散信号を時分割で多重処理するよ
うにしてもよい。
【0057】
【発明の効果】本発明は、上述した説明から明らかなよ
うに、マルチパスによる干渉によって受信性能が劣化す
ることを防止することができ、平均ビット誤り率(BE
R)特性が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直接拡散受信装置の第1の前提構成
概要ブロック図である。
【図2】図1に示した合成判定部の説明図である。
【図3】本発明の直接拡散受信装置における第2の前提
構成の説明図である。
【図4】本発明の直接拡散受信装置における第の実施
の形態の説明図である。
【図5】本発明の直接拡散受信装置における第の実施
の形態の説明図である。
【図6】本発明の直接拡散受信装置における第の実施
の形態の説明図である。
【図7】DS−CDMAシステムにおける下りリンクの
構成を示す図である。
【図8】DS−CDMAシステムにおける基地局の送信
装置の概要構成図である。
【図9】DS−CDMAシステムにおける子局の受信装
置の概要構成図である。
【図10】先行技術の基本ブロック構成図である。
【図11】図10に示した干渉キャンセラの内部構成図
である。
【図12】図11に示した干渉レプリカ生成部の内部構
成図である。
【図13】図10に示した干渉キャンセラの動作説明図
である。
【図14】先行技術のブロック構成図である。
【符号の説明】
1a,1b 受信アンテナ、2a,2b 乗算器、3
a,3b 基準周波数発振器、4a,4b 逆拡散部、
5a,5b,12a,12b,22a,22b遅延部、
6a,6b 干渉キャンセラ、7,23 合成判定部、
11a,11b,21a,21b Rake受信部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−308690(JP,A) 特開 平10−308725(JP,A) 特開 平6−304575(JP,A) 特開 平8−237171(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04J 13/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数系列の初期逆拡散信号受信手段、初
    期合成判定手段、複数系列の干渉キャンセラ、および、
    合成判定手段を有し、 前記複数系列の初期逆拡散信号受信手段は、それぞれの
    系列に対応したアンテナで受信された直接拡散信号を逆
    拡散して初期逆拡散信号を出力するものであり、 前記初期合成判定手段は、前記複数系列の初期逆拡散信
    号受信手段が出力する前記初期逆拡散信号を合成した信
    号をデコードして初期受信データを判定するものであ
    り、 前記複数系列の干渉キャンセラは、前記初期受信データ
    に基づき、前記それぞれの系列に対応したアンテナで受
    信された直接拡散信号に含まれる干渉信号のレプリカを
    生成し、前記直接拡散信号から前記レプリカを差し引い
    て、干渉信号の影響が低減された逆拡散信号を出力する
    ものであり、 前記合成判定手段は、前記複数系列の干渉キャンセラか
    ら出力される前記逆拡散信号を合成した信号をデコード
    して受信データを判定するものである、 ことを特徴とする直接拡散受信装置。
  2. 【請求項2】 多段で複数系列の干渉キャンセラ、およ
    び、多段の合成判定手段を有し、 第1段目の前記複数系列の干渉キャンセラは、それぞれ
    の系列に対応したアンテナで受信された直接拡散信号か
    らあらかじめ得られた初期受信データに基づき、前記直
    接拡散信号に含まれる干渉信号のレプリカを生成し、前
    記それぞれの系列に対応したアンテナで受信された直接
    拡散信号から前記レプリカを差し引いて、干渉信号の影
    響が低減された逆拡散信号を出力するものであり、 第1段目の前記合成判定手段は、第1段目の前記複数系
    列の干渉キャンセラから出力される前記逆拡散信号を合
    成した信号をデコードして第1段目の受信データを判定
    するものであり、 第2段目以降の前記複数系列の干渉キャンセラは、前段
    の前記合成判定手段の出力する受信データに基づき、前
    記それぞれの系列に対応したアンテナで受信された直接
    拡散信号に含まれる干渉信号のレプリカを生成し、前記
    それぞれの系列に対応したアンテナで受信された直接拡
    散信号から前記レプリカを差し引いて、干渉信号の影響
    が低減された前記逆拡散信号を出力するものであり、 第2段目以降の前記合成判定手段は、当該段の複数系列
    の干渉キャンセラから出力される前記逆拡散信号を合成
    した信号をデコードして当該段の受信データを判定する
    ものである、 ことを特徴とする直接拡散受信装置。
  3. 【請求項3】 複数系列の初期データ受信手段、多段で
    複数系列の干渉キャンセラ、および、多段の合成判定手
    段を有し、 前記複数系列の初期データ受信手段は、それぞれの系列
    に対応したアンテナで受信された直接拡散信号を受信し
    て初期受信データを出力するものであり、 第1段目の前記複数系列の干渉キャンセラは、それぞれ
    の系列に対応した前記初期受信データに基づき、前記そ
    れぞれの系列に対応したアンテナで受信された直接拡散
    信号に含まれる干渉信号のレプリカを生成し、前記直接
    拡散信号から前記レプリカを差し引いて、干渉信号の影
    響が低減された逆拡散信号を出力するものであり、 第1段目の前記合成判定手段は、第1段目の前記複数系
    列の干渉キャンセラから出力される前記逆拡散信号を合
    成した信号をデコードして第1段目の受信データを判定
    するものであり、 第2段目以降の前記複数系列の干渉キャンセラは、前段
    の前記合成判定手段の出力する受信データに基づき、前
    記それぞれの系列に対応したアンテナで受信された直接
    拡散信号に含まれる干渉信号のレプリカを生成し、前記
    それぞれの系列に対応したアンテナで受信された直接拡
    散信号から前記レプリカを差し引いて、干渉信号の影響
    が低減された前記逆拡散信号を出力するものであり、 第2段目以降の前記合成判定手段は、当該段の複数系列
    の干渉キャンセラから出力される前記逆拡散信号を合成
    した信号をデコードして当該段の受信データを判定する
    ものである、 ことを特徴とする直接拡散受信装置。
  4. 【請求項4】 複数系列の初期逆拡散信号受信手段、初
    期合成判定手段、多段で複数系列の干渉キャンセラ、お
    よび、多段の合成判定手段を有し、 前記複数系列の初期逆拡散信号受信手段は、それぞれの
    系列に対応したアンテナで受信された直接拡散信号を逆
    拡散して初期逆拡散信号を出力するものであり、 前記初期合成判定手段は、前記複数系列の初期逆拡散信
    号受信手段の出力する前記初期逆拡散信号を合成した信
    号をデコードして初期受信データを判定するものであ
    り、 第1段目の前記複数系列の干渉キャンセラは、前記初期
    受信データに基づき、それぞれの系列に対応したアンテ
    ナで受信された前記直接拡散信号に含まれる干渉信号の
    レプリカを生成し、前記それぞれの系列に対応したアン
    テナで受信された直接拡散信号から前記レプリカを差し
    引いて、干渉信号の影響が低減された逆拡散信号を出力
    するものであり、 第1段目の前記合成判定手段は、第1段目の前記複数系
    列の干渉キャンセラから出力される前記逆拡散信号を合
    成した信号をデコードして第1段目の受信データを判定
    するものであり、 第2段目以降の前記複数系列の干渉キャンセラは、前段
    の前記合成判定手段の出力する前段の受信データに基づ
    き、前記それぞれの系列に対応したアンテナで受信され
    た直接拡散信号に含まれる干渉信号のレプリカを生成
    し、前記それぞれの系列に対応したアンテナで受信され
    た直接拡散信号から前記レプリカを差し引いて、干渉信
    号の影響が低減された前記逆拡散信号を出力するもので
    あり、 第2段目以降の前記合成判定手段は、当該段の複数系列
    の干渉キャンセラから出力される前記逆拡散信号を合成
    した信号をデコードして当該段の受信データを判定する
    ものである、 ことを特徴とする直接拡散受信装置。
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