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JP3144232B2 - 合成樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

合成樹脂組成物およびその成形品

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JP3144232B2
JP3144232B2 JP21620694A JP21620694A JP3144232B2 JP 3144232 B2 JP3144232 B2 JP 3144232B2 JP 21620694 A JP21620694 A JP 21620694A JP 21620694 A JP21620694 A JP 21620694A JP 3144232 B2 JP3144232 B2 JP 3144232B2
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Japan
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resin composition
carbon atoms
synthetic resin
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修 鈴木
淳 遠田
充弘 宝田
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂組成物を金型
を用いて成形して得られた成形品に関する。さらに詳し
くは、成形時の離型性に優れ、製造が容易な合成樹脂組
成物より金型を用いて成形して得られ、潤滑性、印刷性
等の表面特性に優れた成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、塩化ビニル樹脂、アクリル樹
脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂等の各種の
合成樹脂、天然ゴム、または各種の合成ゴムを成形用原
料とし、これらを金型を用いて成形する際には、成形品
の金型からの離型性を向上させるため、金型面に各種の
離型剤を塗布する方法が採用されている。そして離型剤
としては、一般に石油ワックス系、ジメチルシロキサン
系またはこれらの併用、さらにはフッ素系のものが用い
られている。
【0003】しかしながら、この方法では離型剤を繰り
返し塗布することが必要であることから、成形サイクル
の中に一定間隔での塗布工程が入るため、成形サイクル
を短縮するという観点から不利がある。またこの方法で
は、塗布された離型剤の堆積による金型汚れや、これに
伴い得られる成形品に表面荒れが生じるという不利があ
るうえ、塗布時に飛散する離型剤が周囲を汚染するとい
う問題があった。また、金型からの離型性を向上させる
他の手段としては、合成樹脂や合成ゴム等の原料樹脂
に、ジメチルシロキサン系等の離型剤を配合しておく方
法(内部添加法)もあるが、この方法では、配合した離
型剤が原料樹脂から分離し、表面に析出(この現象を
「ブリードアウト」という。)して、成形品の表面を曇
らせる等の問題があり、満足できる方法とはいえない。
【0004】このようなブリードアウトによる問題を解
決する手段として、塩化ビニル系樹脂に低級カルボン酸
変性シリコーン化合物(−OCOR基が珪素原子に直接
結合)を添加してなる樹脂組成物が提案されている(特
公昭52−6751号公報)が、この樹脂組成物におい
ては、添加された低級カルボン酸変性シリコーン化合物
の加水分解安定性が劣るため、樹脂組成物の調製時や成
形時に生成し低級カルボン酸が樹脂の潤滑性や成形品の
外観を悪化させる等の欠点がある。
【0005】また、内部添加法における離型剤として、
長鎖アルコキシアルキル基含有シリコーン化合物も提案
されている(特公平4−6211号公報)。この種のシ
リコーン化合物は、加水分解安定性が向上されている点
では優れているが、その合成に際し、基体となるポリシ
ロキサンへの長鎖アルコキシアルキル基の導入が難し
く、生産性よく製造することができないという問題があ
り、好適な離型剤とはいえない。
【0006】さらに、原料樹脂にエポキシ基、水酸基、
カルボキシル基等の反応性有機基を含有するシリコーン
化合物を添加した樹脂組成物も提案されているが、これ
らの組成物も、良好な離型性を有しておらず、また、潤
滑性、印刷性等の表面特性も満足できるレベルにはな
い。
【0007】また、特開平5−209130号公報に
は、摺動性に優れた樹脂成形品を得ることのできる樹脂
組成物として、ポリプロピレン等に炭素数4以上の脂肪
酸アミド変性シリコーンを配合してなる摺動性樹脂組成
物が提案されている。ここで用いられている脂肪酸アミ
ド変性シリコーンは、金型離型剤としても使用し得るこ
とが示されているが、通常、室温でペースト状であるた
め、配合する際の器具等への付着、汚染等により秤量が
難しく、配合物の樹脂中への混練操作においては、滑り
易いため均一に混合することが困難であり、取扱い性の
点からは必ずしも満足できるものとはいえない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来か
らの技術課題を解決しようとするものであり、成形時の
離型性に優れ、製造が容易な合成樹脂組成物より金型を
用いて成形され、潤滑性、印刷性等の表面特性に優れた
成形品を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、合成樹脂に本発明
で規定する特定構造の高級脂肪酸アミド変性ポリシロキ
サン化合物が所定量配合されてなる合成樹脂組成物より
金型を用いて成形された成形品により、前記本発明の目
的が達成されるとの知見を得、本発明を完成したもので
ある。
【0010】しかして、本発明においては、上記課題を
解決するため次のような手段を講じている。即ち、請求
項1に記載の成形品においては、合成樹脂100重量部
に対し、下記一般式(I)で表される高級脂肪酸アミド
変性ポリシロキサン化合物(以下、「変性ポリシロキサ
ン(A)」ともいう。)が0.1〜50重量部の範囲で
配合されてなる合成樹脂組成物を金型を用いて成形して
得られた成形品にするという手段を講じている。
【0011】
【化4】 [式中、R1 は、炭素数1〜10のアルキル基、または
フェニル基を表し、Xは、炭素数20〜60の高級脂肪
酸アミド基を有する1価の有機基を表す。aは0〜3の
整数、mは10以上の整数、nは0以上の整数をそれぞ
れ表し、かつ、aとnは、同時に0ではなく、2≦2a
+n≦50 なる関係を満たす。]
【0012】
【0013】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
において合成樹脂とは、通常の熱可塑性および熱硬化性
の合成樹脂のみならず、天然ゴム、各種の合成ゴムを包
含したものを意味する。合成樹脂としては、低密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、およびポプロピレン等
のポオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、AB
S、AS等のスチレン系重合体、ポリエチレンテレフタ
レートやポリブチレンテレフタレートや液晶性ポリエス
テル等のポリエステル、ポリカーボネート、ナイロン6
やナイロン6・6等のポリアミド、ポリウレタン、ポリ
エーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、エポキシ樹
脂、マレイミド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、
アルキッド樹脂、メラミン樹脂、セルロース樹脂、ポリ
アセタール等の汎用プラスチック、あるいはエンジニア
リングプラスチック等、またはこれらの混合物が挙げら
れる。
【0014】また合成ゴムとしては、イソプレンゴム、
クロロプレンゴム、ポリウレタンゴム、ポリエーテルゴ
ム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン
・ジエンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、アクリロニ
トリル・ブタジエンゴム等が挙げられる。
【0015】本発明に係る合成樹脂組成物は、上記合成
樹脂に前記一般式(I)で表される変性ポリシロキサン
(A)が、前記特定の割合で配合されてなるものであ
る。合成樹脂に配合される変性ポリシロキサン(A)の
置換基Xは、炭素数が20〜60の範囲である高級脂肪
酸アミド基を有する1価の有機基である限り特に制限は
ない。置換基Xは、上記の要件を満たす限り各種の有機
基であることができるが、下記一般式(II)または一
般式(III)で表される有機基が好ましい。
【0016】
【化5】 −R2−C(O)NR34 (II) [式中、R2 は炭素数19〜59のアルキレン基を表
し、R3およびR4は互いに同種または異種の水素原子ま
たは炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
【0017】
【化6】 −R5−NR6−C(O)R7 (III) [式中、R5 は酸素原子またはNH基が介在していても
よい炭素数2〜10のアルキレン基を表し、R6は水素
原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。R7
炭素数19〜59のアルキル基を表す]
【0018】式(II)で表される有機基の具体例とし
ては、下記の式(IV)〜式(VIII)で表されるも
のが挙げられるが、ここに例示したものに限定されるも
のではない。なお、これらの式中、nは19〜59の整
数を表す。
【0019】
【化7】 −Cn2n(CO)NH2 (IV)
【0020】
【化8】−Cn2n(CO)NHCH3 (V)
【0021】
【化9】 −Cn2n(CO)N(CH32 (VI)
【0022】
【化10】 −Cn2n(CO)NHC25 (VII)
【0023】
【化11】 −Cn2n(CO)NHC49 (VIII)
【0024】また、式(III)で表される有機基の具
体例としては、下記の式(IX)〜式(X)で表される
ものが挙げられるが、ここに例示したものに限定される
ものではない。なお、これらの式中、nは式(IV)〜
式(VIII)におれると同じ範囲の整数を表す。
【0025】
【化12】 −(CH23NH(CO)Cn2n+1 (IX)
【0026】
【化13】 −(CH23NHCH2CH2NH(CO)Cn2n+1 (X)
【0027】上記に例示された置換基X中の高級脂肪酸
アミド基の炭素数nは、通常19〜59の範囲から選ば
れる。変性ポリシロキサン(A)の取扱い性、これを配
合して得られる樹脂組成物の離型性、および樹脂組成物
を金型により成形して得られる成形品の印刷性等の表面
特性等を良好にするという観点から、22以上であるの
が好ましく、24以上であるのが一層好ましい。上記n
が19未満であるときには、変性ポリシロキサン(A)
は軟化点の低いものとなり、ブリードアウト等を生じさ
せ易いことから成形品表面のベトツキが見られたり、ま
た、変性ポリシロキサン(A)自体の取扱い性等に問題
が生じるおそれがあり、好ましくない。
【0028】変性ポリシロキサン(A)中における置換
基Xの数は2〜50個の範囲であるのが好ましい。置換
基Xの数が1個のものは軟化点が低く、これを配合した
樹脂組成物からの成形品は印刷性の劣ったものとなるの
で好ましくない。また、置換基Xの数が50個を超える
ものは、原料樹脂中への分散性という重要な特性が損な
われる傾向を示し、また得られる樹脂組成物の離型性も
低下する傾向を示すので好ましくない。
【0029】この変性ポリシロキサン(A)の置換基R
1 は、炭素数1〜10のアルキル基、またはフェニル基
であることができるが、これらの中では炭素数1〜3の
アルキル基であるのが好ましく、メチル基であるのが特
に好ましい。
【0030】変性ポリシロキサン(A)の骨格は、その
分子の鎖長が、珪素原子の数で10〜1000個である
ものが好ましく、20〜1000個であるものがより好
ましい。分子の鎖長が上記範囲であるものは、通常成形
用合成樹脂組成物に添加されるシリカ、アルミナ等の充
填材やカーボンブラック、チタニア、ベンガラ等の着色
剤、水酸化アルミニウム、酸化アンチモン等の難燃剤等
の各種添加剤を効率よく分散させる効果も発揮する点で
も好ましい。分子の鎖長が上記を超えるものは、高温下
においても粘度が高く、これの製造時の反応装置からの
取り出しが困難であるのみならず、この変性ポリシロキ
サン自体の取扱い性およびこれを配合した樹脂組成物の
成形作業性にも問題が生じる可能性があり、好ましくな
い。
【0031】本発明に係る合成樹脂組成物に配合されて
いる変性ポリシロキサン(A)は、上記構造を有するも
のであって、その軟化点が40〜150℃の範囲である
ものが好ましい。軟化点が40℃未満のものは、これを
配合して得られる樹脂組成物を金型により成形して得ら
れる成形品に、表面のベトツキや荒れが生じ易く、他
方、150℃を超えるものは、これを配合した樹脂組成
物を得る際の混練温度を高くすることが必要となり、ま
た、得られた樹脂組成物の成形温度を高くすることも必
要となるので、好ましくない。このような観点から、変
性ポリシロキサン(A)の軟化点は、50〜120℃の
範囲であるのが特に好ましい。
【0032】以下に、好ましい変性ポリシロキサン
(A)の具体例を構造式を示して列挙するが、ここに例
示したものに限定されるものではない。
【0033】
【化14】
【0034】
【化15】
【0035】
【化16】
【0036】
【化17】
【0037】
【化18】
【0038】
【化19】
【0039】
【化20】
【0040】
【化21】
【0041】
【化22】
【0042】
【化23】
【0043】
【化24】
【0044】
【化25】
【0045】
【化26】
【0046】
【化27】
【0047】
【化28】
【0048】
【化29】
【0049】
【化30】
【0050】
【化31】
【0051】
【化32】
【0052】
【化33】
【0053】このような変性ポリシロキサン(A)は、
従来より公知の方法に従って容易に製造することができ
る。代表的には、(1)対応する3−アミノプロピル基
含有ポリシロキサン、あるいはN−(β−アミノエチ
ル)アミノプロピル基含有ポリシロキサンと、アラキン
酸、ベヘン酸、モンタン酸、メリシン酸等の脂肪酸との
脱水縮合反応により得る方法、(2)白金触媒等の存在
下、対応するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
と、不飽和二重結合を有するオレイン酸アミド、アイコ
セン酸アミド等との付加反応により得る方法を挙げるこ
とができる。
【0054】本発明に係る合成樹脂組成物は、前記合成
樹脂100重量部に対し、上記変性ポリシロキサン
(A)が0.1〜50重量部の範囲で配合されてなるこ
とが必要である。合成樹脂100重量部に対する変性ポ
リシロキサン(A)の配合量が0.1重量部未満である
と、変性ポリシロキサン(A)の離型性の向上効果が不
十分となり、50重量部を超えると、配合操作が困難と
なるうえ、合成樹脂の特性を損なうおそれがあるからで
ある。このような観点から、変性ポリシロキサン(A)
の配合量は、好ましくは0.2〜30重量部の範囲、さ
らに好ましくは0.5〜20重量部の範囲から選ぶのが
よい。また、マスターバッチ法によるときには、最終的
な配合割合が上記範囲となるようにすることが好まし
い。
【0055】また、本発明に係る合成樹脂組成物には、
従来から使用されているジメチルポリシロキサン等の離
型剤等を併用することもできる。さらに、通常の合成樹
脂用添加剤である充填材、着色剤等、具体的には、乾式
または湿式シリカ、アルミナ、珪酸マグネシウム、珪酸
アルミニウム、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、タル
ク、チタニア、マグネシア、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化
アンチモン、ジルコニア、カーボンブラック、ベンガ
ラ、酸化鉄ブラック、ガラス繊維、炭素繊維等を添加す
ることも可能である。また、本発明に係る合成樹脂組成
物には必要に応じ、安定剤、難燃剤、シランカップリン
グ剤、硬化剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯
電防止剤、防カビ剤、接着性付与剤等も添加することが
できる。
【0056】本発明に係る合成樹脂組成物には、置換基
がSi−C結合によって珪素原子に結合している変性ポ
リシロキサン(A)が配合されているため、従来のアル
コキシ基含有シリコーンや、アシロキシ基含有シリコー
ン(Si−O−Cで珪素原子に結合している)等の変性
ポリシロキサンが配合された樹脂組成物に比べ、加水分
解安定性が優れており、これを用いて調製した成形用コ
ンパウンドも、保存安定性に優れたものとなるという利
点もある。
【0057】本発明の成形品は、前記本発明に係る合成
樹脂組成物を金型を用いて成形して得られたものであ
る。成形用原料樹脂としては、本発明に係る合成樹脂組
成物であれば各種のものから任意に選ぶことができ、ま
たこれらの合成樹脂組成物を用いて調製した成形用コン
パウンドであってもよい。この成形品は、金型を用いて
成形したものであれば、特に制限はなく、従来公知の各
種の成形方法、例えば、注型成形、射出成形、熱成形、
射出ブロー成形等で成形されたものが含まれる。本発明
の成形品は、用いた成形用原料樹脂の特性が如何なく発
揮され、表面のベトツキや表面荒れがなく、潤滑性、印
刷性等の表面特性に優れたものである。
【0058】
【実施例】次に、本発明を、実施例により更に具体的に
説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これ
らの実施例の記載に限定されるものではない。なお、以
下の記載において、特に記載のない限り「%」は重量基
準を意味する。
【0059】実施例1 ポリオール・タケネートSI−50R(商品名、武田薬
品工業(株)製)100重量部に、前記式(XIX)で
表され、室温で固形状の変性ポリシロキサン(A)5重
量部を添加して均一に混合し、さらにイソシアネート・
タケネートSI−13P(商品名、武田薬品工業(株)
製、NCO/OH=1.05)95重量部を添加して均
一に混合することにより、均一な樹脂組成物を調製し
た。次いで、この樹脂組成物を30℃に加熱した後、こ
れを50℃に加熱したアルミニウム製の金型に注入し、
60秒間硬化させた後、型を解放したところ、ウレタン
エラストマー成形体は容易に金型から離型された。この
成形品の表面を観察したところ、表面のベトツキはな
く、表面の荒れも認められなかった。さらに、油性マジ
ックインキでの濡れ性についても全く問題なく、印刷性
にも優れたものであることが確認された。
【0060】実施例2 ポリオール・タケネートSI−50R(商品名、武田薬
品工業(株)製)100重量部に、前記式(XIX)で
表され、室温で固形状のポリシロキサン(A)5重量部
を添加して均一に混合し、この混合物を解放系で、室温
下で1ヶ月間放置した後、この混合物にイソシアネート
・タケネートSI−13P(商品名、武田薬品工業
(株)製、NCO/OH=1.05)95重量部を添加
して均一に混合することにより、均一な樹脂組成物を調
製した。次いで、この樹脂組成物を用い、実施例1にお
けるとと同様にして成形体を作成したところ、ウレタン
エラストマー成形体は容易に金型から離型された。この
成形品の表面を観察したところ、表面のベトツキはな
く、表面の荒れも認められなかった。
【0061】比較例1 実施例1に記載の例において、同例で用いた変性ポリシ
ロキサン(A)に代えて、下記式(XXXI)で表さ
れ、室温でペースト状の変性ポリシロキサンを用いたほ
かは、同例におけると同様にして、ウレタンエラストマ
ー成形体を作成した。この成形体の金型からの離型性に
ついては問題なかったが、成形品には表面荒れが観察さ
れ、また、油性マジックインキでの濡れ性は認められ
ず、はじきが大きく、印刷性の極めて劣った成形品であ
った。
【0062】
【化34】
【0063】上記の実施例および比較例から、本発明の
要件を満たす合成樹脂組成物は成形時の離型性に優れ、
その調製製造が容易であり、かつこの合成樹脂組成物よ
り金型を用いて成形された成形品は、表面荒れがなく印
刷性にも優れているのに対し、本発明の要件を満たさな
い合成樹脂組成物からは、このような成形品が得られな
いことは明らかである。
【0064】
【発明の効果】本発明に係る合成樹脂組成物は、成形時
の離型性に優れ、その製造が容易であり、また、本発明
に係る合成樹脂組成物より金型を用いて成形された本発
明の成形品は、表面のベトツキや荒れがなく、印刷性に
も優れている、という有利な効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宝田 充弘 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子 材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平7−244398(JP,A) 特開 平5−209130(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08J 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂100重量部に対し、下記一般
    式(I)で表される高級脂肪酸アミド変性ポリシロキサ
    ン化合物が0.1〜50重量部の範囲で配合されてなる
    合成樹脂組成物を、金型を用いて成形して得られたこと
    を特徴とする成形品。 【化1】 [式中、R1 は、炭素数1〜10のアルキル基、または
    フェニル基を表し、Xは、炭素数20〜60の高級脂肪
    酸アミド基を有する1価の有機基を表す。aは0〜3の
    整数、mは10以上の整数、nは0以上の整数をそれぞ
    れ表し、かつ、aとnは、同時に0ではなく、2≦2a
    +n≦50 なる関係を満たす。]
  2. 【請求項2】 一般式(I)において、Xが、下記一般
    式(II)または一般式(III)で表される有機基で
    あることを特徴とする請求項1記載の成形品。 【化2】 −R2−C(O)NR34 (II) [式中、R2 は、炭素数19〜59のアルキレン基を表
    し、R3およびR4は、互いに同種または異種の水素原子
    または炭素数1〜10のアルキル基を表す。] 【化3】 −R5−NR6−C(O)R7 (III) [式中、R5 は、酸素原子またはNH基が介在していて
    もよい炭素数2〜10のアルキレン基を表し、R6は、
    水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基を表す。
    7 は、炭素数19〜59のアルキル基を表す。]
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KR102248446B1 (ko) * 2019-12-04 2021-05-04 포항공과대학교 산학협력단 지방산 아마이드를 함유한 중합체 및 이를 포함하는 조성물

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