JP3014815B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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- Ink Jet (AREA)
- Paper Feeding For Electrophotography (AREA)
- Feeding Of Articles By Means Other Than Belts Or Rollers (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクを吐出して記録
媒体に記録を行なうインクジェット記録装置と、このイ
ンクジェット記録装置に関する。
媒体に記録を行なうインクジェット記録装置と、このイ
ンクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、吐出口からインク液滴を吐出
させることによって記録媒体(多くの場合は紙、OHP
シートあるいは布など)上に記録を行なうインクジェッ
ト記録装置が知られている。インクジェット記録装置
は、ノンインパクト型の記録装置であって、騒音が少な
いこと、普通紙に直接記録できること、多色のインクを
用いることによりカラー画像記録が容易にできることな
どの特長を有し、近年急速に普及しつつある。中でも、
記録信号に応じて熱エネルギーをインクに加えて相変化
を発生させ、そのときの作用力によってインク液滴を吐
出させる方式のインクジェット記録装置は、構造が簡単
で高密度マルチノズル化が容易であり、高解像度、高速
度のものを容易に得ることができるという利点を有して
いる。
させることによって記録媒体(多くの場合は紙、OHP
シートあるいは布など)上に記録を行なうインクジェッ
ト記録装置が知られている。インクジェット記録装置
は、ノンインパクト型の記録装置であって、騒音が少な
いこと、普通紙に直接記録できること、多色のインクを
用いることによりカラー画像記録が容易にできることな
どの特長を有し、近年急速に普及しつつある。中でも、
記録信号に応じて熱エネルギーをインクに加えて相変化
を発生させ、そのときの作用力によってインク液滴を吐
出させる方式のインクジェット記録装置は、構造が簡単
で高密度マルチノズル化が容易であり、高解像度、高速
度のものを容易に得ることができるという利点を有して
いる。
【0003】しかし、これらインクジェット記録装置で
は、インク液滴を記録ヘッドの記録媒体に対向する面
(吐出面)に設けられた微細な吐出口から直接吐出させ
るので、良好な記録を行なうためには配慮が必要とな
る。例えば、記録の品位を保つため、記録ヘッドと記録
媒体との距離を一定に保ちかつ記録媒体の送りを正確に
制御する必要がある。そのため、記録媒体を搬送手段で
あるベルトなどに静電力によって吸着保持して搬送する
ことが行なわれる。このような記録媒体の搬送方法とし
て、特開昭62-147473号公報に開示されるように、予め
ベルトを帯電させ、このベルトに記録媒体を接触させて
誘電分極による吸引力により吸着させる方法などがあ
る。
は、インク液滴を記録ヘッドの記録媒体に対向する面
(吐出面)に設けられた微細な吐出口から直接吐出させ
るので、良好な記録を行なうためには配慮が必要とな
る。例えば、記録の品位を保つため、記録ヘッドと記録
媒体との距離を一定に保ちかつ記録媒体の送りを正確に
制御する必要がある。そのため、記録媒体を搬送手段で
あるベルトなどに静電力によって吸着保持して搬送する
ことが行なわれる。このような記録媒体の搬送方法とし
て、特開昭62-147473号公報に開示されるように、予め
ベルトを帯電させ、このベルトに記録媒体を接触させて
誘電分極による吸引力により吸着させる方法などがあ
る。
【0004】また、インク液滴の吐出エネルギー源とし
て静電力を併用するものの例が特開昭60-46257号、特開
昭62-151348号、特開昭62-225353号の各公報に開示され
ている。これらはいずれも記録媒体の背後(記録ヘッド
のない側)に電極を配してこの電極と記録用インクとの
間に電圧を印加するものである。
て静電力を併用するものの例が特開昭60-46257号、特開
昭62-151348号、特開昭62-225353号の各公報に開示され
ている。これらはいずれも記録媒体の背後(記録ヘッド
のない側)に電極を配してこの電極と記録用インクとの
間に電圧を印加するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の記録媒
体を静電力により吸着保持するインクジェット記録装置
では、記録媒体表面と記録ヘッド表面との間に電界が生
じており、この電界のために記録ヘッドから吐出された
インク液滴の飛翔が乱れ、記録が良好に行なえないこと
があるという問題点がある。
体を静電力により吸着保持するインクジェット記録装置
では、記録媒体表面と記録ヘッド表面との間に電界が生
じており、この電界のために記録ヘッドから吐出された
インク液滴の飛翔が乱れ、記録が良好に行なえないこと
があるという問題点がある。
【0006】具体的には、飛翔中のインク液滴が分裂し
て形成されたサテライト(従滴)がUターンして吐出面
の吐出口付近に付着することがある。サテライトは記録
媒体と同極性に帯電していることが多く、吐出面の吐出
口付近に付着しやすくなっている。すなわち、吐出口か
ら記録媒体に向かって飛翔するインクの量が、図8(a)
示すように前記電界のない場合、すなわち記録媒体の吸
着保持に静電力を用いない場合に比べて少なくなってし
まう。さらには図8(b)に示すように、前記電界によっ
て、飛翔中のインク液滴が分裂して形成されたサテライ
ト(従滴)がUターンして吐出面の吐出口付近に付着す
ることがある。このように、サテライトが吐出面の吐出
口付近に付着すると、以後の正常なインクの吐出が妨げ
られ、インクが曲って飛翔したり、インク吐出が行なわ
れなくなったりする。インクに水性のものを使用する場
合、吐出面を溌水処理することによりある程度はサテラ
イトの付着を防ぐことができるが、溌水処理だけでは十
分でない。
て形成されたサテライト(従滴)がUターンして吐出面
の吐出口付近に付着することがある。サテライトは記録
媒体と同極性に帯電していることが多く、吐出面の吐出
口付近に付着しやすくなっている。すなわち、吐出口か
ら記録媒体に向かって飛翔するインクの量が、図8(a)
示すように前記電界のない場合、すなわち記録媒体の吸
着保持に静電力を用いない場合に比べて少なくなってし
まう。さらには図8(b)に示すように、前記電界によっ
て、飛翔中のインク液滴が分裂して形成されたサテライ
ト(従滴)がUターンして吐出面の吐出口付近に付着す
ることがある。このように、サテライトが吐出面の吐出
口付近に付着すると、以後の正常なインクの吐出が妨げ
られ、インクが曲って飛翔したり、インク吐出が行なわ
れなくなったりする。インクに水性のものを使用する場
合、吐出面を溌水処理することによりある程度はサテラ
イトの付着を防ぐことができるが、溌水処理だけでは十
分でない。
【0007】次に図面を用いてこのことを具体的に説明
する。図9は従来のインクジェット記録装置の構成を示
す概略側断面図である。
する。図9は従来のインクジェット記録装置の構成を示
す概略側断面図である。
【0008】このインクジェット記録装置では、電源5
2から約+2kVの電圧が印加される帯電ローラ54が
記録媒体50の搬送手段である搬送ベルト51に当接す
ることにより、この搬送ベルト51が正(+)に帯電す
る。搬送ローラ53によってこの帯電した搬送ベルト5
1に記録媒体50が送り込まれると、搬送ベルト51の
静電力によって記録媒体50が搬送ベルト51に吸着、
保持され、図示矢印A方向に搬送される。この際、搬送
ベルト51によって搬送されてくる記録媒体50に当接
するよう設けられた弾性電極56を介して、記録媒体5
0が接地される。そこで、記録媒体50がより強く搬送
ベルト51に吸着、保持されて、4本の記録ヘッド57
に対向する位置まで搬送される。そして、各記録ヘッド
57(57Bk,57y,57m,57c)よりそれぞれブラック、イエ
ロ、マゼンタ、シアン各色のインクが吐出されて記録媒
体50に記録が行なわれる。
2から約+2kVの電圧が印加される帯電ローラ54が
記録媒体50の搬送手段である搬送ベルト51に当接す
ることにより、この搬送ベルト51が正(+)に帯電す
る。搬送ローラ53によってこの帯電した搬送ベルト5
1に記録媒体50が送り込まれると、搬送ベルト51の
静電力によって記録媒体50が搬送ベルト51に吸着、
保持され、図示矢印A方向に搬送される。この際、搬送
ベルト51によって搬送されてくる記録媒体50に当接
するよう設けられた弾性電極56を介して、記録媒体5
0が接地される。そこで、記録媒体50がより強く搬送
ベルト51に吸着、保持されて、4本の記録ヘッド57
に対向する位置まで搬送される。そして、各記録ヘッド
57(57Bk,57y,57m,57c)よりそれぞれブラック、イエ
ロ、マゼンタ、シアン各色のインクが吐出されて記録媒
体50に記録が行なわれる。
【0009】この従来のインクジェット記録装置では、
実験によれば、記録媒体50の表面に約+800Vの電
位がある。そこでこの電位による電界のために、図10
(a)〜(d)にそれぞれ示すように、各記録ヘッド57(57
Bk,57y,57m,57c)より吐出されたインク滴が分極し、ひ
いては主滴とサテライト(従滴)とに分裂することがあ
る。ここでサテライトは記録媒体50と同極性に帯電し
ていることが多い(図10(c))。そしてプラスに帯電
したサテライトは、プラス電荷が誘起されている記録媒
体50と反発して各記録ヘッド57の吐出面31の吐出
口30付近に付着しやすくなっている。このようにサテ
ライトが前記吐出面31に付着すると、正常なインクの
吐出が妨げられ、時にはインクの吐出が行なわれなくな
るおそれがある。またこのサテライトの付着は、一般
に、記録媒体の搬送速度が速いほど著しく、記録の高速
化の妨げともなっていた。
実験によれば、記録媒体50の表面に約+800Vの電
位がある。そこでこの電位による電界のために、図10
(a)〜(d)にそれぞれ示すように、各記録ヘッド57(57
Bk,57y,57m,57c)より吐出されたインク滴が分極し、ひ
いては主滴とサテライト(従滴)とに分裂することがあ
る。ここでサテライトは記録媒体50と同極性に帯電し
ていることが多い(図10(c))。そしてプラスに帯電
したサテライトは、プラス電荷が誘起されている記録媒
体50と反発して各記録ヘッド57の吐出面31の吐出
口30付近に付着しやすくなっている。このようにサテ
ライトが前記吐出面31に付着すると、正常なインクの
吐出が妨げられ、時にはインクの吐出が行なわれなくな
るおそれがある。またこのサテライトの付着は、一般
に、記録媒体の搬送速度が速いほど著しく、記録の高速
化の妨げともなっていた。
【0010】また特にサテライトの付着は、図10(a)
〜(d)に示したような、記録領域の全幅にわたって複数
の吐出口を備えているフルラインヘッドを用いたフルラ
イン記録あるいはカラー記録において顕著である。
〜(d)に示したような、記録領域の全幅にわたって複数
の吐出口を備えているフルラインヘッドを用いたフルラ
イン記録あるいはカラー記録において顕著である。
【0011】なお次に、図10(a)〜(d)を用いて、イン
クが吐出口付近に付着する現象について具体的に説明す
る。図10(a)は吐出液滴形成直前のタイミングを示す
説明図である。搬送ベルト51に対し、+2kV程度の
電圧(高圧電源52によって印加)が印加されている導
電ゴムからなる帯電ローラ54を接触させ、搬送ベルト
51上にプラス電荷を帯電させる。そこで記録媒体50
を搬送ベルト51に密着させることによって記録媒体5
0の搬送ベルト51側にマイナス電荷が誘起され、記録
媒体50と搬送ベルト51との吸着力が発生する。記録
媒体50の搬送ベルト51側でない側[記録ヘッド57
(57Bk,57y,57m,57c)と対向する側]にはプラス電荷が
誘起され、記録ヘッド57(57Bk,57y,57m,57c)と記録
媒体50との間に電位差が生じ、電界が形成される。次
いで、記録ヘッド57(57Bk,57y,57m,57c)の有する電
気熱変換体40をヒート駆動して形成したバブルによっ
て形成される液柱60に、記録媒体50上のプラス電荷
と反対電荷であるマイナス電荷が誘起される。そして空
中に液滴61が飛翔しているタイミングにおける現象を
示す図10(b)に示す通り、液滴61は前述の電界の作
用を受けて分極する。
クが吐出口付近に付着する現象について具体的に説明す
る。図10(a)は吐出液滴形成直前のタイミングを示す
説明図である。搬送ベルト51に対し、+2kV程度の
電圧(高圧電源52によって印加)が印加されている導
電ゴムからなる帯電ローラ54を接触させ、搬送ベルト
51上にプラス電荷を帯電させる。そこで記録媒体50
を搬送ベルト51に密着させることによって記録媒体5
0の搬送ベルト51側にマイナス電荷が誘起され、記録
媒体50と搬送ベルト51との吸着力が発生する。記録
媒体50の搬送ベルト51側でない側[記録ヘッド57
(57Bk,57y,57m,57c)と対向する側]にはプラス電荷が
誘起され、記録ヘッド57(57Bk,57y,57m,57c)と記録
媒体50との間に電位差が生じ、電界が形成される。次
いで、記録ヘッド57(57Bk,57y,57m,57c)の有する電
気熱変換体40をヒート駆動して形成したバブルによっ
て形成される液柱60に、記録媒体50上のプラス電荷
と反対電荷であるマイナス電荷が誘起される。そして空
中に液滴61が飛翔しているタイミングにおける現象を
示す図10(b)に示す通り、液滴61は前述の電界の作
用を受けて分極する。
【0012】次のタイミングにおける現象を図10(c)
に示す。図に示す通り、それぞれマイナスに帯電した主
滴62およびサテライト63-1と、プラスに帯電したサ
テライト63-2とに分離する。そして図10(d)に示す
通り、主滴62は運動エネルギーが大きいので、記録媒
体50に着弾する。しかしながらプラスに帯電したサテ
ライト63-2は、プラス電荷が誘起されている記録媒体
50と反発して吐出面31方向へUターンして吐出口3
0付近に付着する。そして前述した通りの問題点を生ず
る原因となる。
に示す。図に示す通り、それぞれマイナスに帯電した主
滴62およびサテライト63-1と、プラスに帯電したサ
テライト63-2とに分離する。そして図10(d)に示す
通り、主滴62は運動エネルギーが大きいので、記録媒
体50に着弾する。しかしながらプラスに帯電したサテ
ライト63-2は、プラス電荷が誘起されている記録媒体
50と反発して吐出面31方向へUターンして吐出口3
0付近に付着する。そして前述した通りの問題点を生ず
る原因となる。
【0013】本発明の目的は、良好な記録を長期にわた
って維持することのできるインクジェット記録装置を提
供することにある。本発明の他の目的は、品位の高い記
録を長期にわたって維持することのできるインクジェッ
ト記録装置を提供することにある。本発明の他の目的
は、不要なインクを吐出口に付着させることなく、記録
媒体に付着させることによって、インク吐出口の目詰ま
りの発生頻度を低減することができ、メンテナンスに要
する時間を短縮することのできるインクジェット記録装
置を提供することにある。本発明の他の目的は、記録媒
体の吸着保持に静電力を利用しても、記録ヘッドの吐出
面にサテライトが付着せず、良好な記録を行なうことが
できるインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、記録媒体の吸着保持に静電力を利
用するものであっても、インクの吐出不良を防止して良
好な記録を行なうことのできるインクジェット記録装置
を提供することにある。本発明の具体的な目的の一つ
は、インク滴を記録媒体に向けて吐出させる記録ヘッド
と、前記記録媒体を静電力により吸着して保持し前記記
録ヘッドに対向する位置まで搬送する搬送手段と、前記
保持された記録媒体に摺接する電極と、前記保持された
記録媒体に、前記搬送手段が帯びる電荷と逆極性の電荷
を前記電極を介して注入するための電源とを備えたイン
クジェット記録装置を提供することにある。
って維持することのできるインクジェット記録装置を提
供することにある。本発明の他の目的は、品位の高い記
録を長期にわたって維持することのできるインクジェッ
ト記録装置を提供することにある。本発明の他の目的
は、不要なインクを吐出口に付着させることなく、記録
媒体に付着させることによって、インク吐出口の目詰ま
りの発生頻度を低減することができ、メンテナンスに要
する時間を短縮することのできるインクジェット記録装
置を提供することにある。本発明の他の目的は、記録媒
体の吸着保持に静電力を利用しても、記録ヘッドの吐出
面にサテライトが付着せず、良好な記録を行なうことが
できるインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、記録媒体の吸着保持に静電力を利
用するものであっても、インクの吐出不良を防止して良
好な記録を行なうことのできるインクジェット記録装置
を提供することにある。本発明の具体的な目的の一つ
は、インク滴を記録媒体に向けて吐出させる記録ヘッド
と、前記記録媒体を静電力により吸着して保持し前記記
録ヘッドに対向する位置まで搬送する搬送手段と、前記
保持された記録媒体に摺接する電極と、前記保持された
記録媒体に、前記搬送手段が帯びる電荷と逆極性の電荷
を前記電極を介して注入するための電源とを備えたイン
クジェット記録装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明のインクジェ
ット記録装置は、記録媒体を静電力により吸着して搬送
する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送される記録
媒体に当接するように前記記録媒体の搬送方向に対して
記録位置の上流側に設けられ、前記記録ヘッドの上流側
で前記記録媒体に電荷を印加する電極と、前記電極に前
記搬送手段が帯びる電荷と逆極性の電荷を印加すること
のできる電源と、前記記録媒体の搬送方向に対して記録
位置の上流側であってかつ前記電極の下流側に設けら
れ、前記搬送手段によって搬送される記録媒体の表面電
位を検出する表面電位センサと、前記表面電位センサが
計測した表面電位に応じて前記記録媒体に印加すべき電
圧を設定する制御手段とを有する。
ット記録装置は、記録媒体を静電力により吸着して搬送
する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送される記録
媒体に当接するように前記記録媒体の搬送方向に対して
記録位置の上流側に設けられ、前記記録ヘッドの上流側
で前記記録媒体に電荷を印加する電極と、前記電極に前
記搬送手段が帯びる電荷と逆極性の電荷を印加すること
のできる電源と、前記記録媒体の搬送方向に対して記録
位置の上流側であってかつ前記電極の下流側に設けら
れ、前記搬送手段によって搬送される記録媒体の表面電
位を検出する表面電位センサと、前記表面電位センサが
計測した表面電位に応じて前記記録媒体に印加すべき電
圧を設定する制御手段とを有する。
【0015】第2の発明のインクジェット記録装置は、
インク滴を記録媒体に向けて吐出させる記録ヘッドと、
前記記録媒体を静電力により吸着して保持して搬送する
搬送手段と、前記保持された記録媒体に摺接する電極
と、前記保持された記録媒体に前記搬送手段が帯びる電
荷と逆極性の電荷を前記電極を介して注入するための電
源と、前記記録媒体の表面電位を計測する第1のセンサ
と、前記搬送手段の表面電位を計測する第2のセンサ
と、前記第1のセンサおよび第2のセンサの少なくとも
一方が計測した表面電位に応じて前記記録媒体に印加す
べき電圧を設定する制御手段とを備えている。
インク滴を記録媒体に向けて吐出させる記録ヘッドと、
前記記録媒体を静電力により吸着して保持して搬送する
搬送手段と、前記保持された記録媒体に摺接する電極
と、前記保持された記録媒体に前記搬送手段が帯びる電
荷と逆極性の電荷を前記電極を介して注入するための電
源と、前記記録媒体の表面電位を計測する第1のセンサ
と、前記搬送手段の表面電位を計測する第2のセンサ
と、前記第1のセンサおよび第2のセンサの少なくとも
一方が計測した表面電位に応じて前記記録媒体に印加す
べき電圧を設定する制御手段とを備えている。
【0016】
【作用】第1および第2の発明では、搬送手段の静電力
によって吸着、保持された記録媒体に、搬送手段が帯び
る電荷と逆極性の電荷を、記録媒体あるいは搬送手段の
表面電位に応じて設定される電位で電源が電極を介して
注入すると、この注入された電荷により、記録媒体上
の、吐出されたインク滴を分裂させるような電界を生じ
させる電荷が中和される。したがって、インク滴は主滴
とサテライトに分裂することなく記録媒体に着弾し、記
録ヘッドの吐出面にサテライトが付着することが防止さ
れる。
によって吸着、保持された記録媒体に、搬送手段が帯び
る電荷と逆極性の電荷を、記録媒体あるいは搬送手段の
表面電位に応じて設定される電位で電源が電極を介して
注入すると、この注入された電荷により、記録媒体上
の、吐出されたインク滴を分裂させるような電界を生じ
させる電荷が中和される。したがって、インク滴は主滴
とサテライトに分裂することなく記録媒体に着弾し、記
録ヘッドの吐出面にサテライトが付着することが防止さ
れる。
【0017】
【実施例】次に、本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。
して説明する。
【0018】本発明の実施例を説明するに先立って、参
考例を説明する。次に説明する第1の参考例は、搬送手
段の静電力により搬送手段に吸着、保持された記録媒体
に、前記搬送手段が帯びる電荷と逆極性の電荷を電源が
電極を介して注入する。するとこの注入された電荷によ
り、吐出されたインク滴を分裂させるような、記録媒体
上の電界を生じさせる電荷が、中和される。したがっ
て、インク滴は主滴とサテライトとに分裂することなく
記録媒体に着弾し、記録ヘッドの吐出面にサテライトが
付着することが防止される例である。
考例を説明する。次に説明する第1の参考例は、搬送手
段の静電力により搬送手段に吸着、保持された記録媒体
に、前記搬送手段が帯びる電荷と逆極性の電荷を電源が
電極を介して注入する。するとこの注入された電荷によ
り、吐出されたインク滴を分裂させるような、記録媒体
上の電界を生じさせる電荷が、中和される。したがっ
て、インク滴は主滴とサテライトとに分裂することなく
記録媒体に着弾し、記録ヘッドの吐出面にサテライトが
付着することが防止される例である。
【0019】図1は第1の参考例のインクジェット記録
装置の構成を示す概略側面図である。このインクジェッ
ト記録装置は、熱エネルギーを利用してインクを吐出す
るインクジェット方式であって、フルマルチタイプの記
録ヘッドによって多色の記録が可能である。この例で
は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のイ
ンクにそれぞれ対応する4個の記録ヘッド7(7Bk,7
y,7m,7c)が、ヘッド取付枠12に一括して取り付け
られ、後述する搬送ベルト1に対向するよう設けられて
いる。各記録ヘッド7(7Bk,7y,7m,7c)は、図6に
示す記録ヘッド7からそれぞれ構成されており、記録領
域の全幅にわたって吐出口30が並設されているフルラ
インタイプである。図に示す通り、各記録ヘッド7は、
それぞれ吐出口30ごとに電気熱変換体40を内蔵し、
この電気熱変換体40を通電することによって発熱して
膜沸騰を生じ、インク液路(ノズル)41内に気泡を形
成する。そしてこの気泡の成長によりインク液滴を吐出
口30より吐出させるものである。各記録ヘッド7は、
図示紙面に垂直方向に、すなわち記録媒体の搬送方向に
垂直に、多数の吐出口30が一列に並ぶように設けられ
ている。この例においては、400dpi(長さ1インチ
当り400個)の密度で4736個の吐出口30がそれ
ぞれの記録ヘッド7に設けられている。なお31は吐出
面、42は共通液室、43は基板である。
装置の構成を示す概略側面図である。このインクジェッ
ト記録装置は、熱エネルギーを利用してインクを吐出す
るインクジェット方式であって、フルマルチタイプの記
録ヘッドによって多色の記録が可能である。この例で
は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のイ
ンクにそれぞれ対応する4個の記録ヘッド7(7Bk,7
y,7m,7c)が、ヘッド取付枠12に一括して取り付け
られ、後述する搬送ベルト1に対向するよう設けられて
いる。各記録ヘッド7(7Bk,7y,7m,7c)は、図6に
示す記録ヘッド7からそれぞれ構成されており、記録領
域の全幅にわたって吐出口30が並設されているフルラ
インタイプである。図に示す通り、各記録ヘッド7は、
それぞれ吐出口30ごとに電気熱変換体40を内蔵し、
この電気熱変換体40を通電することによって発熱して
膜沸騰を生じ、インク液路(ノズル)41内に気泡を形
成する。そしてこの気泡の成長によりインク液滴を吐出
口30より吐出させるものである。各記録ヘッド7は、
図示紙面に垂直方向に、すなわち記録媒体の搬送方向に
垂直に、多数の吐出口30が一列に並ぶように設けられ
ている。この例においては、400dpi(長さ1インチ
当り400個)の密度で4736個の吐出口30がそれ
ぞれの記録ヘッド7に設けられている。なお31は吐出
面、42は共通液室、43は基板である。
【0020】また記録紙などの記録媒体を静電力で吸着
保持して搬送するための搬送手段であるエンドレスの搬
送ベルト1は、その表面1aが体積抵抗1014Ω・cm
以上の絶縁層からなり、2個のローラ2,3によって図
示矢印A方向に回転自在に保持されている。また、各記
録ヘッド7(7Bk,7y,7m,7c)に対向する位置におけ
る搬送ベルト1の裏面には、搬送ベルト1を平面に保つ
ためのプラテン11が設けられている。これによって記
録ヘッド7の吐出口30と記録媒体10との間隙を精度
良く維持することができ、記録品位が向上する。また供
給側のローラ3は接地され、このローラ3に対向して搬
送ベルト1にバネ4aの弾性力によって圧接する帯電ロ
ーラ4が設けられている。前記帯電ローラ4は搬送ベル
ト1の表面を帯電させるためのものであり、導電性のゴ
ム材料からなっている。そしてこの帯電ローラ4には、
高圧電源5(30μA)により約+2kVの電圧が印加
される。さらに、導電ブラシ6aと樹脂シート6bから
なりホルダー6cに取付けられた電極6の先端が、ロー
ラ3を通過直後の搬送ベルト1の表面に摺接するように
設けられている。この電極6は、搬送ベルト1に吸着、
保持されて矢印A方向に搬送される記録媒体10の先端
が4本の記録ヘッド7に対向する位置に到達する前(図
示右側)の位置で、前記記録媒体10に摺接する。電極
6の後端は、正極が接地された直流電源8の負極に接続
されている。
保持して搬送するための搬送手段であるエンドレスの搬
送ベルト1は、その表面1aが体積抵抗1014Ω・cm
以上の絶縁層からなり、2個のローラ2,3によって図
示矢印A方向に回転自在に保持されている。また、各記
録ヘッド7(7Bk,7y,7m,7c)に対向する位置におけ
る搬送ベルト1の裏面には、搬送ベルト1を平面に保つ
ためのプラテン11が設けられている。これによって記
録ヘッド7の吐出口30と記録媒体10との間隙を精度
良く維持することができ、記録品位が向上する。また供
給側のローラ3は接地され、このローラ3に対向して搬
送ベルト1にバネ4aの弾性力によって圧接する帯電ロ
ーラ4が設けられている。前記帯電ローラ4は搬送ベル
ト1の表面を帯電させるためのものであり、導電性のゴ
ム材料からなっている。そしてこの帯電ローラ4には、
高圧電源5(30μA)により約+2kVの電圧が印加
される。さらに、導電ブラシ6aと樹脂シート6bから
なりホルダー6cに取付けられた電極6の先端が、ロー
ラ3を通過直後の搬送ベルト1の表面に摺接するように
設けられている。この電極6は、搬送ベルト1に吸着、
保持されて矢印A方向に搬送される記録媒体10の先端
が4本の記録ヘッド7に対向する位置に到達する前(図
示右側)の位置で、前記記録媒体10に摺接する。電極
6の後端は、正極が接地された直流電源8の負極に接続
されている。
【0021】なお記録媒体10は、一対のレジストロー
ラ13によって同期をとって搬送ベルト1に送り込ま
れ、記録ヘッド7からのインク吐出によって記録され、
ストッカ14上に排出される。26はヒートパイプであ
って、記録ヘッド7の蓄熱の防止と記録ヘッド7の記録
領域全幅にわたる温度の均一化とを実現するものであ
る。また17はヘッド取付け軸である。さらに18はガ
イドであり、4bはホルダである。
ラ13によって同期をとって搬送ベルト1に送り込ま
れ、記録ヘッド7からのインク吐出によって記録され、
ストッカ14上に排出される。26はヒートパイプであ
って、記録ヘッド7の蓄熱の防止と記録ヘッド7の記録
領域全幅にわたる温度の均一化とを実現するものであ
る。また17はヘッド取付け軸である。さらに18はガ
イドであり、4bはホルダである。
【0022】次に、この参考例の動作について説明す
る。
る。
【0023】まず、帯電ローラ4が搬送ベルト1に当接
することにより、搬送ベルト1の表面が正に帯電する。
そして帯電した搬送ベルト1上に記録媒体10が送り込
まれると、この記録媒体10に分極が起こり、記録媒体
10が搬送ベルト1に吸着される。その後、記録媒体1
0が矢印A方向に搬送されて電極6の先端が記録媒体1
0の表面に摺接すると、電極6を介して直流電源8によ
り、記録媒体10の表面に負の電荷が注入される。そこ
でこの負の電荷によって、記録媒体10がより強く搬送
ベルト1に吸着されるとともに、正に帯電している搬送
ベルト1により生ずる電界がかなりの程度まで打消され
る。
することにより、搬送ベルト1の表面が正に帯電する。
そして帯電した搬送ベルト1上に記録媒体10が送り込
まれると、この記録媒体10に分極が起こり、記録媒体
10が搬送ベルト1に吸着される。その後、記録媒体1
0が矢印A方向に搬送されて電極6の先端が記録媒体1
0の表面に摺接すると、電極6を介して直流電源8によ
り、記録媒体10の表面に負の電荷が注入される。そこ
でこの負の電荷によって、記録媒体10がより強く搬送
ベルト1に吸着されるとともに、正に帯電している搬送
ベルト1により生ずる電界がかなりの程度まで打消され
る。
【0024】実験によれば、搬送ベルト1に電源5から
約+2kVの電圧を印加した状態で、直流電源8より約
−1kVの電圧を印加すると、記録媒体10の表面電位
を約+200Vに抑えることができる。この状態で記録
媒体10の搬送速度を13.3cm/s程度ときわめて
高速にしてA4サイズで約4万枚の記録を行なっても、
サテライトが各記録ヘッド7の吐出面31に付着するこ
とがなく、高品位の記録を継続して得ることができ、良
い結果が得られた。また記録媒体10にサテライトイン
クが付着したとしても、微小であって記録品位を低下さ
せることはない。
約+2kVの電圧を印加した状態で、直流電源8より約
−1kVの電圧を印加すると、記録媒体10の表面電位
を約+200Vに抑えることができる。この状態で記録
媒体10の搬送速度を13.3cm/s程度ときわめて
高速にしてA4サイズで約4万枚の記録を行なっても、
サテライトが各記録ヘッド7の吐出面31に付着するこ
とがなく、高品位の記録を継続して得ることができ、良
い結果が得られた。また記録媒体10にサテライトイン
クが付着したとしても、微小であって記録品位を低下さ
せることはない。
【0025】次に本発明の第2の参考例を説明する。図
2は第2の参考例のインクジェット記録装置の構成を示
す概略側断面図である。
2は第2の参考例のインクジェット記録装置の構成を示
す概略側断面図である。
【0026】この参考例は、図1に示す第1の参考例に
おける直流電源8に代えて、出力電圧が可変な可変直流
電源8aを設けたものである。例えば、記録媒体10の
種類や搬送速度等に応じて記録媒体10に印加すべき電
圧を設定することができる。なおこの電圧の設定は、後
述する制御部100からの信号によって自動的に行なわ
れても良いし、あるいは操作者が手動で行なえるように
しても良い。したがって、この参考例によればより好適
な電圧を設定できるので、確実にサテライトの吐出面3
1への付着を防止できる。他の構成要素については、図
1に示す参考例と同様のため、その説明を援用する。
おける直流電源8に代えて、出力電圧が可変な可変直流
電源8aを設けたものである。例えば、記録媒体10の
種類や搬送速度等に応じて記録媒体10に印加すべき電
圧を設定することができる。なおこの電圧の設定は、後
述する制御部100からの信号によって自動的に行なわ
れても良いし、あるいは操作者が手動で行なえるように
しても良い。したがって、この参考例によればより好適
な電圧を設定できるので、確実にサテライトの吐出面3
1への付着を防止できる。他の構成要素については、図
1に示す参考例と同様のため、その説明を援用する。
【0027】次に本発明の実施例を説明する。図3は本
実施例のインクジェット記録装置の構成を示す概略側断
面図、図4はその制御部分の構成を示すブロック図、図
5はその動作の流れを示すフローチャートである。
実施例のインクジェット記録装置の構成を示す概略側断
面図、図4はその制御部分の構成を示すブロック図、図
5はその動作の流れを示すフローチャートである。
【0028】本実施例は、図2に示す第2の参考例のイ
ンクジェット記録装置に、搬送ベルト1によって搬送さ
れる記録媒体10の表面電位を計測する表面電位センサ
9を付加したものである。この表面電位センサ9は、記
録ヘッド7による記録位置の上流側であって電極6の下
流側(記録媒体10の搬送方向に対して)の地点の記録
媒体10の表面電位を計測するものである。表面電位セ
ンサ9が計測した表面電位に応じて、後述する制御部1
00からの信号によって記録媒体10に印加すべき電圧
を自動的に設定することができる。したがって、記録媒
体10の表面電位に応じて印加電圧を設定できるので、
さらに確実にサテライトの吐出面31への付着を防止で
きる。他の構成要素については、図2に示す参考例と同
様のため、その説明を援用する。
ンクジェット記録装置に、搬送ベルト1によって搬送さ
れる記録媒体10の表面電位を計測する表面電位センサ
9を付加したものである。この表面電位センサ9は、記
録ヘッド7による記録位置の上流側であって電極6の下
流側(記録媒体10の搬送方向に対して)の地点の記録
媒体10の表面電位を計測するものである。表面電位セ
ンサ9が計測した表面電位に応じて、後述する制御部1
00からの信号によって記録媒体10に印加すべき電圧
を自動的に設定することができる。したがって、記録媒
体10の表面電位に応じて印加電圧を設定できるので、
さらに確実にサテライトの吐出面31への付着を防止で
きる。他の構成要素については、図2に示す参考例と同
様のため、その説明を援用する。
【0029】図2に示す第2の参考例または図3に示す
実施例において、周囲環境として気温や湿度等を計測す
るセンサ102(図4)あるいは搬送ベルト表面の電位
を計測するセンサ103(図4)を付加し、これらセン
サ102,103が検出した周囲環境等に応じて電極6
に印加すべき電圧を制御部100(図4)からの信号に
よって自動的に設定ようにしたものも本発明の範疇に含
まれ、このようにすれば、一層確実にサテライトの吐出
面31への付着を防止できる。
実施例において、周囲環境として気温や湿度等を計測す
るセンサ102(図4)あるいは搬送ベルト表面の電位
を計測するセンサ103(図4)を付加し、これらセン
サ102,103が検出した周囲環境等に応じて電極6
に印加すべき電圧を制御部100(図4)からの信号に
よって自動的に設定ようにしたものも本発明の範疇に含
まれ、このようにすれば、一層確実にサテライトの吐出
面31への付着を防止できる。
【0030】また、第1の参考例、第2の参考例、実施
例で使用される電源は、直流のみに限られず、直流に交
流を重畳させた電圧を印加する構成であってもよい。例
えば、 直流分 +700V 交流分 300Vp-p、1kHz のような構成であってもよい。
例で使用される電源は、直流のみに限られず、直流に交
流を重畳させた電圧を印加する構成であってもよい。例
えば、 直流分 +700V 交流分 300Vp-p、1kHz のような構成であってもよい。
【0031】なおこれら参考例、実施例では、搬送手段
に保持された記録媒体に、搬送手段が帯びる電荷と逆極
性の電荷を電極を介して注入するための電源は、出力電
圧が可変なものとすることができる。また前述した通
り、記録媒体の表面電位を計測するセンサ9を備えたも
のはより効果的である。さらに前述した通り、搬送手段
の表面電位を計測するセンサ103を備えたものもより
効果的である。さらに前述した通り、周囲環境を計測す
るセンサ102を備えたものもより効果的である。
に保持された記録媒体に、搬送手段が帯びる電荷と逆極
性の電荷を電極を介して注入するための電源は、出力電
圧が可変なものとすることができる。また前述した通
り、記録媒体の表面電位を計測するセンサ9を備えたも
のはより効果的である。さらに前述した通り、搬送手段
の表面電位を計測するセンサ103を備えたものもより
効果的である。さらに前述した通り、周囲環境を計測す
るセンサ102を備えたものもより効果的である。
【0032】また記録ヘッドは、記録媒体の記録域の全
幅にわたって、複数の吐出口を備えているフルラインタ
イプの記録ヘッドとすることができる。またさらに、記
録ヘッドは、熱エネルギーを利用して吐出口からインク
を吐出させるものであって、熱エネルギーを発生させる
手段として電気熱変換体を有しているものとすることが
できる。
幅にわたって、複数の吐出口を備えているフルラインタ
イプの記録ヘッドとすることができる。またさらに、記
録ヘッドは、熱エネルギーを利用して吐出口からインク
を吐出させるものであって、熱エネルギーを発生させる
手段として電気熱変換体を有しているものとすることが
できる。
【0033】次に、上述の各実施例のインクジェット記
録装置における制御部分の構成について説明する。ここ
では図4を用い、図3のインクジェット記録装置におけ
る制御部分を中心として説明するが、他の実施例におけ
る制御部分の構成も図4に示したものと同様である。
録装置における制御部分の構成について説明する。ここ
では図4を用い、図3のインクジェット記録装置におけ
る制御部分を中心として説明するが、他の実施例におけ
る制御部分の構成も図4に示したものと同様である。
【0034】図中100はインクジェット記録装置全体
の制御を行なう制御部である。この制御部100は、例
えばマイクロプロセッサ等のCPU100a、図5に示すフ
ローチャートで示されるCPU100aの制御プログラムや
各種データを格納しているROM100b、CPU100aのワ
ークエリアとして使用されるとともに、各種データの一
時保存等を行なうRAM100cなどを備えている。
の制御を行なう制御部である。この制御部100は、例
えばマイクロプロセッサ等のCPU100a、図5に示すフ
ローチャートで示されるCPU100aの制御プログラムや
各種データを格納しているROM100b、CPU100aのワ
ークエリアとして使用されるとともに、各種データの一
時保存等を行なうRAM100cなどを備えている。
【0035】この制御部100には、記録紙などの記録
媒体10の有無や記録ヘッド7の温度等を検知するセン
サ群101からの信号が入力インターフェース部(図示
せず)を介して入力される。さらに記録媒体10の表面
電位を計測する表面電位センサ9、周囲環境を計測する
センサ102および搬送手段の表面電位を計測するセン
サ103からの信号が前記入力インターフェース部を介
して入力される。
媒体10の有無や記録ヘッド7の温度等を検知するセン
サ群101からの信号が入力インターフェース部(図示
せず)を介して入力される。さらに記録媒体10の表面
電位を計測する表面電位センサ9、周囲環境を計測する
センサ102および搬送手段の表面電位を計測するセン
サ103からの信号が前記入力インターフェース部を介
して入力される。
【0036】またこの制御部100からは、出力インタ
フェース部(図示せず)を介して各種信号を出力して、
以下の動作制御を行なっている。まず直流電源8(ある
いは8a)の制御を行ない電極6のオン,オフを行なっ
ている。またヘッドコントローラ104を介して記録ヘ
ッド7(7Bk,7y,7m,7c)の電気熱変換体40のオ
ン,オフを行なっている。同様に制御部100は、出力
インターフェース部(図示せず)を介して、記録紙搬送
系(例えば、搬送ローラ114a,114b、ピックア
ップローラ115、レジストローラ13、搬送ベルト
1、排出ローラ123a,123bなど)の制御、定着
系(ヒータ124a、ファン124b)の制御、キャッ
ピングユニット126の制御およびヘッドユニット12
1の制御、あるいはポンプ駆動によるインク循環、ヘッ
ド吸引・加圧等のヘッド回復動作系105の制御などを
行なっている。
フェース部(図示せず)を介して各種信号を出力して、
以下の動作制御を行なっている。まず直流電源8(ある
いは8a)の制御を行ない電極6のオン,オフを行なっ
ている。またヘッドコントローラ104を介して記録ヘ
ッド7(7Bk,7y,7m,7c)の電気熱変換体40のオ
ン,オフを行なっている。同様に制御部100は、出力
インターフェース部(図示せず)を介して、記録紙搬送
系(例えば、搬送ローラ114a,114b、ピックア
ップローラ115、レジストローラ13、搬送ベルト
1、排出ローラ123a,123bなど)の制御、定着
系(ヒータ124a、ファン124b)の制御、キャッ
ピングユニット126の制御およびヘッドユニット12
1の制御、あるいはポンプ駆動によるインク循環、ヘッ
ド吸引・加圧等のヘッド回復動作系105の制御などを
行なっている。
【0037】次にこのインクジェット記録装置の動作を
図5を用いて説明する。
図5を用いて説明する。
【0038】まずステップS1で、スタートボタン(図
示せず)が押下されてコピー動作がスタートする。次い
でステップS2で、ホームポジションにおいて記録ヘッ
ド7(7Bk,7y,7m,7c)の初期化、例えばポンプ駆動
によるインク循環、ヘッド吸引・加圧等の回復動作が行
なわれる。なおこれら回復動作は、記録工程においても
適宜行なわれる。次にステップS3で、記録ヘッド7は
記録時の待機位置でスタンバイする。一方、ステップS
4で記録媒体10の給送が開始される。次いでステップ
S5で搬送ベルト1の矢示A方向への回転を開始し、同
時に高圧電源5がオンして帯電ローラ4による搬送ベル
ト1の帯電も開始する。次いでステップS6で、センサ
群101からの信号で記録媒体10の所定位置への到達
を検出すると、直流電源8(8a)への通電を行ない電
極6を介して記録媒体10に電荷を注入する。そしてス
テップS7で記録を開始し、記録情報に応じて電気熱変
換体40のON/OFF制御が行なわれる。次いでステ
ップS8で所定領域の記録が終了すると、ステップS9
で記録ヘッド7がホームポジションへ復帰する。そして
移動手段(図示せず)が駆動して、キャッピングユニッ
ト126によって記録ヘッド7のキャッピングが行なわ
れる。そしてステップS10で直流電源8(8a)がオ
フする。次いでステップS11でベルト1の駆動が停止
し、また高圧電源5がオフして帯電ローラ4により帯電
も停止する。そしてステップS12でコピー動作が終了
する。
示せず)が押下されてコピー動作がスタートする。次い
でステップS2で、ホームポジションにおいて記録ヘッ
ド7(7Bk,7y,7m,7c)の初期化、例えばポンプ駆動
によるインク循環、ヘッド吸引・加圧等の回復動作が行
なわれる。なおこれら回復動作は、記録工程においても
適宜行なわれる。次にステップS3で、記録ヘッド7は
記録時の待機位置でスタンバイする。一方、ステップS
4で記録媒体10の給送が開始される。次いでステップ
S5で搬送ベルト1の矢示A方向への回転を開始し、同
時に高圧電源5がオンして帯電ローラ4による搬送ベル
ト1の帯電も開始する。次いでステップS6で、センサ
群101からの信号で記録媒体10の所定位置への到達
を検出すると、直流電源8(8a)への通電を行ない電
極6を介して記録媒体10に電荷を注入する。そしてス
テップS7で記録を開始し、記録情報に応じて電気熱変
換体40のON/OFF制御が行なわれる。次いでステ
ップS8で所定領域の記録が終了すると、ステップS9
で記録ヘッド7がホームポジションへ復帰する。そして
移動手段(図示せず)が駆動して、キャッピングユニッ
ト126によって記録ヘッド7のキャッピングが行なわ
れる。そしてステップS10で直流電源8(8a)がオ
フする。次いでステップS11でベルト1の駆動が停止
し、また高圧電源5がオフして帯電ローラ4により帯電
も停止する。そしてステップS12でコピー動作が終了
する。
【0039】以上説明したように前述の各参考例、実施
例では、記録媒体の吸着保持に静電力を利用しても、サ
テライトが記録ヘッドの吐出面に付着することを防止で
きる。そこでこれら実施例によれば吐出口からインクが
正常に吐出され、良好な画像記録を安定して行なうこと
ができる。その結果、インクが吐出されなくなった際の
修理に要する時間を削減できる効果がある。また、記録
媒体の搬送速度を高速にすることができ、記録の高速化
を図ることができる効果もある。さらに電源の出力電圧
が可変な実施例においては、記録媒体の種類や搬送速度
に応じて電圧設定することができ、より確実に前記効果
を奏する。
例では、記録媒体の吸着保持に静電力を利用しても、サ
テライトが記録ヘッドの吐出面に付着することを防止で
きる。そこでこれら実施例によれば吐出口からインクが
正常に吐出され、良好な画像記録を安定して行なうこと
ができる。その結果、インクが吐出されなくなった際の
修理に要する時間を削減できる効果がある。また、記録
媒体の搬送速度を高速にすることができ、記録の高速化
を図ることができる効果もある。さらに電源の出力電圧
が可変な実施例においては、記録媒体の種類や搬送速度
に応じて電圧設定することができ、より確実に前記効果
を奏する。
【0040】さてここで前述した各実施例が適用可能な
インクジェット記録装置の他の実施例について説明す
る。
インクジェット記録装置の他の実施例について説明す
る。
【0041】図7は各実施例におけるインクジェット記
録装置の全体の構成を示す模式的側面図である。また前
述の各実施例と同一の部材には同一の符号を付してあ
る。
録装置の全体の構成を示す模式的側面図である。また前
述の各実施例と同一の部材には同一の符号を付してあ
る。
【0042】図7において、インクジェット記録装置1
11の底部には、所定の大きさに切断された記録紙など
の記録媒体10を納める給紙カセット113が着脱自在
に装着されている。この給紙カセット113の図示右側
には、少なくとも1個が強制回転される一対の搬送ロー
ラ114a,114bがそれぞれ回転自在に軸支されて
いる。そしてこの一対の搬送ローラ114a,114b
の回転に伴い、給紙カセット113からピックアップロ
ーラ115により1枚ずつ押し出された記録媒体10が
挟み付けられて搬送される。そして2枚のわん曲したガ
イド板115a,115bおよび2枚のレジ前ガイド板
116a,116bの各間に順次案内されて一対のレジ
ストローラ13まで送り出される。
11の底部には、所定の大きさに切断された記録紙など
の記録媒体10を納める給紙カセット113が着脱自在
に装着されている。この給紙カセット113の図示右側
には、少なくとも1個が強制回転される一対の搬送ロー
ラ114a,114bがそれぞれ回転自在に軸支されて
いる。そしてこの一対の搬送ローラ114a,114b
の回転に伴い、給紙カセット113からピックアップロ
ーラ115により1枚ずつ押し出された記録媒体10が
挟み付けられて搬送される。そして2枚のわん曲したガ
イド板115a,115bおよび2枚のレジ前ガイド板
116a,116bの各間に順次案内されて一対のレジ
ストローラ13まで送り出される。
【0043】この一対のレジストローラ13は、それぞ
れ回転自在に軸支され、少なくとも1個が所定の回転速
度で強制回転されるものである。その回転に伴い前記記
録媒体10が挟み付けられて送り出され、2枚のレジ後
ガイド板118a,118bの間に順次案内されて帯電
吸着ベルトである搬送ベルト1上に送り出される。
れ回転自在に軸支され、少なくとも1個が所定の回転速
度で強制回転されるものである。その回転に伴い前記記
録媒体10が挟み付けられて送り出され、2枚のレジ後
ガイド板118a,118bの間に順次案内されて帯電
吸着ベルトである搬送ベルト1上に送り出される。
【0044】前記搬送ベルト1は、それぞれ回転自在に
軸支された4個のローラ2,2a,3,3aにかけまわさ
れており、少なくとも1個のローラが所定の回転速度で
強制回転されることにより図示矢印A方向に回転するも
のである。この搬送ベルト1のうち図示上側の走行路の
直下にはバックプラテン120aが配設されており、こ
のバックプラテン120a上を走行する搬送ベルト1が
平面を形成するようになっている。
軸支された4個のローラ2,2a,3,3aにかけまわさ
れており、少なくとも1個のローラが所定の回転速度で
強制回転されることにより図示矢印A方向に回転するも
のである。この搬送ベルト1のうち図示上側の走行路の
直下にはバックプラテン120aが配設されており、こ
のバックプラテン120a上を走行する搬送ベルト1が
平面を形成するようになっている。
【0045】また、前記搬送ベルト1は、この搬送ベル
トに圧接する帯電ローラ4により電荷が与えられて帯電
する。そして静電気により前記記録媒体10を吸着して
後述する4個の記録ヘッド7Bk,7y,7m,7cの下方を搬
送する。さらに、この吸着された記録媒体10に電荷を
注入するための電極4が搬送ベルト1の表面に接触する
ように設けられている。
トに圧接する帯電ローラ4により電荷が与えられて帯電
する。そして静電気により前記記録媒体10を吸着して
後述する4個の記録ヘッド7Bk,7y,7m,7cの下方を搬
送する。さらに、この吸着された記録媒体10に電荷を
注入するための電極4が搬送ベルト1の表面に接触する
ように設けられている。
【0046】4色のインク色にそれぞれ対応した4個の
記録ヘッド7Bk,7y,7m,7cは、インクを吐出する吐出
口30が記録媒体10の記録領域の全幅にわたって40
0dpi(1インチあたり400個)の密度でそれぞれ4
736個配列されたフルラインタイプであり、図示しな
い公知の移動手段に装着されたヘッドユニット121に
等間隔でそれぞれ取り付けられている。
記録ヘッド7Bk,7y,7m,7cは、インクを吐出する吐出
口30が記録媒体10の記録領域の全幅にわたって40
0dpi(1インチあたり400個)の密度でそれぞれ4
736個配列されたフルラインタイプであり、図示しな
い公知の移動手段に装着されたヘッドユニット121に
等間隔でそれぞれ取り付けられている。
【0047】前記各記録ヘッド7Bk,7y,7m,7cの各吐
出口30は、記録時には搬送ベルト1から所定の間隙だ
け離反した位置にある。また、非記録時には前記移動手
段(図示せず)によりヘッドユニット121と共に搬送
ベルト1の図示上方の図中一点鎖線で示す位置まで上昇
する。そして連動して移動してきたキャッピングユニッ
ト126により吐出口30が密封される構成となってい
る。
出口30は、記録時には搬送ベルト1から所定の間隙だ
け離反した位置にある。また、非記録時には前記移動手
段(図示せず)によりヘッドユニット121と共に搬送
ベルト1の図示上方の図中一点鎖線で示す位置まで上昇
する。そして連動して移動してきたキャッピングユニッ
ト126により吐出口30が密封される構成となってい
る。
【0048】前記キャッピングユニット126には、前
記密封時に各記録ヘッド7Bk,7y,7m,7cの各吐出口3
0から排出された廃インクを回収して廃インクタンク
(図示せず)に導く手段が設けられている。
記密封時に各記録ヘッド7Bk,7y,7m,7cの各吐出口3
0から排出された廃インクを回収して廃インクタンク
(図示せず)に導く手段が設けられている。
【0049】さらに前記搬送ベルト1の図示左側には、
複数のガイド板122および一対の排出ローラ123
a,123bが順に列設されており、記録が行なわれた
記録媒体10が搬送ベルト1から必要に応じてヒータ1
24aにより加熱されたファン124bの風を受けなが
ら定着排紙部124を通過して、トレイ125へ排出さ
れるように構成されている。
複数のガイド板122および一対の排出ローラ123
a,123bが順に列設されており、記録が行なわれた
記録媒体10が搬送ベルト1から必要に応じてヒータ1
24aにより加熱されたファン124bの風を受けなが
ら定着排紙部124を通過して、トレイ125へ排出さ
れるように構成されている。
【0050】なお本発明は、特にインクジェット記録方
式の中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し
記録を行なうインクジェット記録方式の記録ヘッド、記
録装置において、優れた効果をもたらすものである。
式の中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し
記録を行なうインクジェット記録方式の記録ヘッド、記
録装置において、優れた効果をもたらすものである。
【0051】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書
に開示されている基本的な原理を用いて行なうものが好
ましい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュ
アス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマ
ンド型の場合には、記録液(インク)が保持されている
シートや液路に対応して配置されている電気熱変換体
に、記録情報に対応していて、記録液に核沸騰を越える
急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印
加する。これによって、電気熱変換体に熱エネルギーを
発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面近傍の記録液を膜沸
騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応して記
録液内に気泡を形成出来るので有効である。この気泡の
成長,収縮過程において生ずる作用力によって吐出口を
介して記録液を大気中に吐出させて、少なくとも一つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性
に優れた記録液(インク)の吐出が達成でき、より好ま
しい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第
4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されてい
るようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度
上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記
載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行
なうことができる。
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書
に開示されている基本的な原理を用いて行なうものが好
ましい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュ
アス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマ
ンド型の場合には、記録液(インク)が保持されている
シートや液路に対応して配置されている電気熱変換体
に、記録情報に対応していて、記録液に核沸騰を越える
急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印
加する。これによって、電気熱変換体に熱エネルギーを
発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面近傍の記録液を膜沸
騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応して記
録液内に気泡を形成出来るので有効である。この気泡の
成長,収縮過程において生ずる作用力によって吐出口を
介して記録液を大気中に吐出させて、少なくとも一つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性
に優れた記録液(インク)の吐出が達成でき、より好ま
しい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第
4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されてい
るようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度
上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記
載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行
なうことができる。
【0052】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600
号明細書にそれぞれ記載の構成でもよい。
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600
号明細書にそれぞれ記載の構成でもよい。
【0053】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満
たす構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでも良いが、いずれの場合でも本発明
は、上述した効果を一層有効に発揮することができる。
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満
たす構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでも良いが、いずれの場合でも本発明
は、上述した効果を一層有効に発揮することができる。
【0054】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体にインク供給タンクが一体的に設
けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合
にも本発明は有効である。
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体にインク供給タンクが一体的に設
けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合
にも本発明は有効である。
【0055】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対しての、キャピング手段、クリーニング
手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこ
れとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる
予備加熱手段である。また記録とは別の吐出を行なう予
備吐出モードを行なうことも安定した記録を行なうため
に有効である。
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対しての、キャピング手段、クリーニング
手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこ
れとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる
予備加熱手段である。また記録とは別の吐出を行なう予
備吐出モードを行なうことも安定した記録を行なうため
に有効である。
【0056】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
もよいが、前述実施例で説明した通りの異なる色の複色
カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つ
を備えた装置にも本発明は極めて有効である。
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
もよいが、前述実施例で説明した通りの異なる色の複色
カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つ
を備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0057】以上説明した本発明の実施例においては、
インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で
固化するインクであって、使用記録信号付与時に液状イ
ンクであれば良い。
インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で
固化するインクであって、使用記録信号付与時に液状イ
ンクであれば良い。
【0058】さらに加えて、本発明の液体噴射記録ヘッ
ドを使用する記録機構を備えた記録装置の形態として
は、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末とし
て用いられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装
置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形
態を採るものであってもよい。
ドを使用する記録機構を備えた記録装置の形態として
は、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末とし
て用いられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装
置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形
態を採るものであってもよい。
【0059】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば良好
な記録を長期にわたって維持することのできるインクジ
ェット記録装置を提供できるという効果が得られる。
な記録を長期にわたって維持することのできるインクジ
ェット記録装置を提供できるという効果が得られる。
【図1】第1の参考例のインクジェット記録装置の構成
を示す概略側断面図である。
を示す概略側断面図である。
【図2】第2の参考例のインクジェット記録装置の構成
を示す概略側断面図である。
を示す概略側断面図である。
【図3】実施例のインクジェット記録装置の構成を示す
概略側断面図である。
概略側断面図である。
【図4】図3のインクジェット記録装置の制御部分の構
成を示すブロック図である。
成を示すブロック図である。
【図5】図3のインクジェット記録装置の動作を説明す
る流れ図である。
る流れ図である。
【図6】各実施例のインクジェット記録装置に使用され
る記録ヘッドの構成を示す斜視図である。
る記録ヘッドの構成を示す斜視図である。
【図7】各実施例におけるインクジェット記録装置の全
体の構成を示す模式的側面図である。
体の構成を示す模式的側面図である。
【図8】(a),(b)はそれぞれインク液滴の飛翔状
態を説明する図である。
態を説明する図である。
【図9】従来のインクジェット記録装置の構成を示す概
略側断面図である。
略側断面図である。
【図10】(a)〜(d)はそれぞれ従来のインクジェ
ット記録装置における記録状態を説明する図である。
ット記録装置における記録状態を説明する図である。
1 搬送ベルト 2,3 ローラ 4 帯電ローラ 5 高圧電源 6 電極 7 記録ヘッド 8 直流電源 9 表面電位センサ 10 記録媒体 13 レジストローラ 16 除電ブラシ 30 吐出口 31 吐出面 40 電気熱変換体 41 インク液路 100 制御部 102,103 センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 節 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 森口 晴彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 森山 次郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−294375(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01
Claims (10)
- 【請求項1】 インクを吐出して記録媒体に記録を行な
うインクジェット記録装置において、 前記記録媒体を静電力により吸着して搬送する搬送手段
と、 前記搬送手段によって搬送される記録媒体に当接するよ
うに前記記録媒体の搬送方向に対して記録位置の上流側
に設けられ、前記記録ヘッドの上流側で前記記録媒体に
電荷を印加する電極と、 前記電極に前記搬送手段が帯びる電荷と逆極性の電荷を
印加することのできる電源と、 前記記録媒体の搬送方向に対して記録位置の上流側であ
ってかつ前記電極の下流側に設けられ、前記搬送手段に
よって搬送される記録媒体の表面電位を検出する表面電
位センサと、 前記表面電位センサが計測した表面電位に応じて前記記
録媒体に印加すべき電圧を設定する制御手段と、 を有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 【請求項2】 前記搬送手段は、前記記録媒体を搬送す
るために前記記録媒体全面を静電吸着する搬送ベルト
と、前記搬送ベルトを帯電する帯電手段とを有する、請
求項1に記載のインクジェット記録装置。 - 【請求項3】 前記電極は導電ブラシと樹脂シートとを
有する請求項1に記載のインクジェット記録装置。 - 【請求項4】 前記電極は直流電源によって電圧を印加
されるものである請求項1に記載のインクジェット記録
装置。 - 【請求項5】 前記電極は可変直流電源によって電圧を
印加されるものである請求項1に記載のインクジェット
記録装置。 - 【請求項6】 前記インクを吐出するインクジェット記
録ヘッドは、熱エネルギーを利用して吐出口からインク
を吐出させるものであって、前記熱エネルギーを発生さ
せる手段として電気熱変換体を有している請求項1に記
載のインクジェット記録装置。 - 【請求項7】 インク滴を記録媒体に向けて吐出させる
記録ヘッドと、 前記記録媒体を静電力により吸着して保持して搬送する
搬送手段と、 前記保持された記録媒体に摺接する電極と、 前記保持された記録媒体に前記搬送手段が帯びる電荷と
逆極性の電荷を前記電極を介して注入するための電源
と、 前記記録媒体の表面電位を計測する第1のセンサと、 前記搬送手段の表面電位を計測する第2のセンサと、 前記第1のセンサおよび前記第2のセンサの少なくとも
一方が計測した表面電位に応じて前記記録媒体に印加す
べき電圧を設定する制御手段と、 を備えたインクジェット記録装置。 - 【請求項8】 前記保持された記録媒体に搬送手段が帯
びる電荷と逆極性の電荷を電極を介して注入するための
前記電源は、出力電圧が可変なものである請求項7に記
載のインクジェット記録装置。 - 【請求項9】 前記記録ヘッドは、記録媒体の記録域の
全幅にわたって複数の吐出口を備えているフルラインタ
イプの記録ヘッドである請求項7または8に記載のイン
クジェット記録装置。 - 【請求項10】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利
用して吐出口からインクを吐出させるものであって、熱
エネルギーを発生させる手段として電気熱変換体を備え
ている請求項7ないし9いずれか1項に記載のインクジ
ェット記録装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3208396A JP3014815B2 (ja) | 1990-08-31 | 1991-08-21 | インクジェット記録装置 |
US07/752,279 US5896148A (en) | 1990-08-31 | 1991-08-28 | Ink jet recording apparatus with control electrode on recording heads preventing adhesion of satellite droplets |
EP91114608A EP0473178B1 (en) | 1990-08-31 | 1991-08-30 | Ink jet recording apparatus and electric field control method therefor |
DE69126260T DE69126260T2 (de) | 1990-08-31 | 1991-08-30 | Tintenstrahlaufzeichnungsgerät und dafür ein Verfahren zur Steuerung eines elektrischen Feldes |
US09/065,526 US6097408A (en) | 1990-08-31 | 1998-04-24 | Ink jet recording apparatus |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2-227928 | 1990-08-31 | ||
JP2-227929 | 1990-08-31 | ||
JP22792990 | 1990-08-31 | ||
JP22793290 | 1990-08-31 | ||
JP2-227932 | 1990-08-31 | ||
JP22792890 | 1990-08-31 | ||
JP3208396A JP3014815B2 (ja) | 1990-08-31 | 1991-08-21 | インクジェット記録装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=27476410
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3208396A Expired - Fee Related JP3014815B2 (ja) | 1990-08-31 | 1991-08-21 | インクジェット記録装置 |
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---|---|
US (2) | US5896148A (ja) |
EP (1) | EP0473178B1 (ja) |
JP (1) | JP3014815B2 (ja) |
DE (1) | DE69126260T2 (ja) |
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