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JP3009502B2 - 車両の動力伝達装置 - Google Patents

車両の動力伝達装置

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JP3009502B2
JP3009502B2 JP13884491A JP13884491A JP3009502B2 JP 3009502 B2 JP3009502 B2 JP 3009502B2 JP 13884491 A JP13884491 A JP 13884491A JP 13884491 A JP13884491 A JP 13884491A JP 3009502 B2 JP3009502 B2 JP 3009502B2
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Japan
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power transmission
transmission path
speed
switching
clutch
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JP13884491A
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和彦 上田
修 佐渡
政治 寺内
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Priority to EP19920105796 priority patent/EP0507329A3/en
Priority to US07/863,174 priority patent/US5213011A/en
Publication of JPH04366051A publication Critical patent/JPH04366051A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、減速装置を含む第1の
動力伝達経路と無段変速機を含む第2の動力伝達経路と
を有して、運転状態に応じて動力伝達経路切換用摩擦要
素を切換作動することにより動力伝達経路を切換えるよ
うにした車両の動力伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジン出力を伝達する動力伝達
装置として、特開平2−240444号公報に見られる
ように、減速装置(1段以上の有段変速機構)を含む第
1の動力伝達経路と、無段変速機を含む第2の動力伝達
経路と、動力伝達経路切換用のクラッチ(ロックアップ
クラッチ)とを有し、運転状態に応じてクラッチの締
結、解放を行うことによりこれら第1の動力伝達経路と
第2の動力伝達経路とを切換えるようにしたものが知ら
れている。
【0003】この装置によると、第1の動力伝達経路で
は比較的大きな変速比が得られ、第2の動力伝達経路で
は比較的小さな変速比の側で連続的に変更可能な変速比
が得られるようにしておくとともに、例えば低車速側の
運転領域では第1の動力伝達経路によってエンジン出力
を伝達し、高車速側の運転領域では第2の動力伝達経路
によってエンジン出力を伝達することにより、各運転領
域での適正な変速比の設定、調整が可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この種の装
置では、クラッチの作動による動力伝達経路の切換わり
が急速に行われるとかなりのショックが生じる。この動
力伝達経路切換わり時のショックを軽減するためにはク
ラッチの作動速度を遅くすることが望ましいが、このよ
うにするとクラッチ入力側と出力側との回転数差が大き
い場合に摩耗が生じ易くなり、また、摩擦要素に対する
入力トルクが大きい加速時等に応答性が低下するなどの
問題が生じる。
【0005】なお、この装置において、動力伝達経路切
換わり時における変速比の急変の抑制等のため、第2の
動力伝達経路の無段変速機の最大変速比を第1の動力伝
達経路の最小変速比よりも大きくすることにより両伝達
経路の変速比変動範囲がオーバラップする領域を設けて
おくことが考えられるが、これだけでは上記ショック等
の問題を十分に解消することができない。
【0006】本発明は、上記問題を解決するもので、動
力伝達経路切換わり動作を適切に調整して、ショックを
低減しつつ摩擦要素の摩耗を防止し、かつ加速応答性を
満足することができる車両の動力伝達装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明はエンジン出力を減速装置を介して車輪側へ
伝達する第1の動力伝達経路と、エンジン出力を無段変
速機を介して車輪側へ伝達する第2の動力伝達経路と、
両経路を切換える動力伝達経路切換用摩擦要素とを有
し、運転状態に応じて上記摩擦要素を切換作動するよう
にした車両の動力伝達装置において、上記摩擦要素の切
換作動時に摩擦要素の入力側回転数と出力側回転数とを
略一致させるように調整する回転数調整手段と、上記摩
擦要素の切換作動時の入力トルクを検出するトルク検出
手段と、上記入力トルクに応じ、上記摩擦要素の切換作
動速度を入力トルクが小さくなるほど遅くするように制
御する作動速度制御手段とを備えたものである。
【0008】この構成において、第1の動力伝達経路は
トルクコンバータを経由するものであり、第2の動力伝
達経路はトルクコンバータをバイパスするものであるこ
とが好ましい。
【0009】また、第2の動力伝達経路の無段変速機の
最大変速比を第1の動力伝達経路の最小変速比よりも大
きくすることにより両伝達経路の変速比変動範囲がオー
バラップする領域を設け、上記回転数調整手段はこのオ
ーバラップ領域内で無段変速機の変速比の調整を行うよ
うに構成することが好ましい。
【0010】
【作用】上記の本発明装置によると、上記入力トルクが
小さいときは、上記摩擦要素の切換作動速度が遅くされ
ることで動力伝達経路切換に伴うショックが軽減され、
かつ、上記入力側回転数と出力側回転数とを略一致させ
るように調整されていることでクラッチの切換わり動作
中の滑りによる摩耗が避けられる。一方、上記入力トル
クが大きいときは上記摩擦要素の切換作動速度が速くさ
れることで加速応答性が満足される。
【0011】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1および図2は本発明の一実施例による動力伝達装置
の伝達経路構成部分を示している。これらの図におい
て、エンジン1の出力側に接続される動力伝達装置は、
経路切換クラッチ(動力伝達経路切換用摩擦要素)2に
より切換えられる第1および第2の動力伝達経路3,4
を有している。第1の動力伝達経路3は、エンジン出力
を減速装置7を介して車輪側へ伝達するもので、当実施
例ではトルクコンバータ5を経由し、前後進切換装置6
および減速装置7を経て車輪側へ動力を伝えるようにな
っている。また第2の動力伝達経路4は、エンジン出力
を無段変速機8を介して車輪側へ伝達するものである。
【0012】上記トルクコンバータ5は、その入力軸5
aに連なるポンプカバー11の内部に、ポンプカバー1
1と一体のポンプインペラ12と、これに対向するター
ビンライナ13と、その間に位置する状態で中空固定シ
ャフト15にワンウェイクラッチ16を介して取り付け
られたステータ14とを備えている。そして、上記入力
軸5aがエンジン出力軸に結合されるとともに、タービ
ンライナ13に出力軸としてのタービンシャフト17が
結合されている。ポンプカバー11内の空間には作動流
体としてのオイルが充満されている。なお、ポンプイン
ペラ12には中空回転シャフト18が連結され、このシ
ャフト18の後端にオイルポンプ50が取り付けられて
いる。
【0013】上記減速装置7は、タービンシャフト17
と同軸上に直列に配置された後進用および前進用の2つ
の遊星歯車機構20,21を有し、両遊星歯車機構2
0,21に共用されるサンギヤ22が上記タービンシャ
フト17に結合されている。
【0014】後進用遊星歯車機構20はシングルピニオ
ン式であリ、上記サンギヤ22の回転が、キャリヤ23
に支持されたピニオン24を介してリングギヤ25に伝
えられるようになっている。上記キャリヤ23は上記中
空固定シャフト15に結合されてケーシング10に固定
されている。また上記リングギヤ25は、リバースクラ
ッチ6aを介して出力軸30に連結されている。一方、
前進用遊星歯車機構21はダブルピニオン式であリ、上
記サンギヤ22の回転が、上記キャリヤ23に支持され
たインナピニオン26およびアウタピニオン27を介し
てリングギヤ28に伝えられるようになっている。上記
リングギヤ28は、フォワードクラッチ6bおよびワン
ウェークラッチ29を介して出力軸30に連結されてい
る。
【0015】上記リバースクラッチ6aとフォワードク
ラッチ6bとで、前後進切換装置6が構成されている。
そして、リバースクラッチ6aが締結されたときには、
タービンシャフト17からの入力が後進用遊星歯車機構
20を介して上記出力軸30に伝達される。また、フォ
ワードクラッチ6bが締結されたときには、タービンシ
ャフト17からの入力が前進用遊星歯車機構21を介し
て上記出力軸30に伝達される。
【0016】一方、第2の動力伝達経路4の無段変速機
8は、当実施例では2つのトロイダル型変速機31,3
2で構成されており、両トロイダル型変速機31,32
が、上記減速装置7に隣接する位置で上記出力軸30と
同軸に、直列に配置されている。各トロイダル型変速機
31,32は、それぞれ、軸方向に離間して配置された
一対のディスク33,34と、これらディスク33,3
4の間に配設されてディスク33,34と摺接するロー
ラ35とを備えている。
【0017】上記一対のディスクのうちの一方のディス
ク(出力ディスク)33は上記出力軸30に固定され、
他方のディスク(入力ディスク)34は上記出力軸30
に対して相対回転可能で、かつ軸方向に移動可能とされ
ている。上記ローラ35は、後述のような油圧機構によ
り傾転角θが変更され、これに応じてトロイダル型変速
機31,32の変速比が変更される。すなわち、入力デ
ィスク34の回転が上記ローラ35を介して出力ディス
ク33に伝えられ、このときの変速比は、ローラ35が
入力ディスク34に摺接する箇所の半径Riと出力ディ
スク33に摺接する箇所の半径Roとの比に対応し、ロ
ーラ35が傾転すると上記摺接箇所が変わることにより
変速比が変化するようになっている。
【0018】上記両トロイダル型変速機31,32は、
入力ディスク34を内側、出力ディスク33を外側にし
て配置されている。そして、両入力ディスク34の間に
中間ディスク36が配設され、この中間ディスク36と
両入力ディスク34との各間に、入力トルクに応じた押
付力を入力ディスク34に作用させるカム37が介装さ
れている。
【0019】この無段変速機8に対する入力は、タービ
ンシャフト17および出力軸30と並列に配置されたバ
イパスシャフト40を介して行われる。すなわち、この
バイパスシャフト40の前端に第1ギヤ41が設けら
れ、この第1ギヤ41はアイドルギヤ42を介して第2
ギヤ43に連係され、この第2ギヤ43は、トルクコン
バータ入力側(ポンプインペラ12)に直結されている
中空回転シャフト18に、経路切換クラッチ2を介して
連結されている。また、バイパスシャフト40の後端に
は第3ギヤ44が設けられ、この第3ギヤ44が上記中
間ディスク36に設けられた第4ギヤ45に噛合してい
る。
【0020】従って、上記経路切換クラッチ2がオフの
ときは、上記中空回転シャフト18とバイパスシャフト
40との間の回転伝達が遮断され、エンジン出力は第1
の動力伝達経路3のトルクコンバータ5、前後進切換装
置6および減速装置7を経て出力軸30に伝達される。
一方、上記経路切換クラッチ2がオンのときは、エンジ
ン出力が、トルクコンバータ5をバイパスして中空回転
シャフト18からギヤ43,42,41、バイパスシャ
フト40およびギヤ44,45より無段変速機8を経て
出力軸30に伝達され、この場合に、前記ワンウェイク
ラッチ29がフリーとなることにより第1の動力伝達経
路3は実質的に働かない。
【0021】上記経路切換クラッチ2および前後進切換
装置6の各クラッチ6a,6bは、車両の運転状態に応
じて表1のように切換えられる。
【0022】
【表1】
【0023】図3は上記各クラッチ2,6a,6bの切
換作動および無段変速機8の変速比制御を行う油圧制御
回路を示している。この図において、51はレギュレー
タバルブであり、レデューシングバルブ52より制御圧
供給ラインを介して与えられる制御圧に応じ、オイルポ
ンプ50から吐出される作動油の油圧(ライン圧)を調
整するようになっている。レギュレータバルブ51に対
する制御圧供給ラインには第1デューティソレノイドバ
ルブ53が接続され、そのデューティ制御によってライ
ン圧が制御されるようになっている。
【0024】上記ライン圧は、上記トロイダル型変速機
31,32に対するレシオコントロールバルブ54と、
マニュアルバルブ55とに送られる。
【0025】上記レシオコントロールバルブ54から導
出された油圧ラインは、上記トロイダル型変速機31,
32に設けられた一対のローラ傾転用アクチュエータ5
6に接続されており、このアクチュエータ56は油圧に
応じたピストン56aの作動によりローラ35を傾転さ
せるようになっている。上記レシオコントロールバルブ
54に対するパイロットラインには第2デューティソレ
ノイドバルブ57が設けられ、そのデューティ制御によ
り、上記ローラ傾転用アクチュエータ56に供給される
油圧が制御され、それに応じてローラ35が傾転される
ことで変速比が制御されるようになっている。
【0026】また、上記マニュアルバルブ55には、フ
ォワードクラッチ6bに至る出力ラインと、リバースク
ラッチ6aに至る出力ラインと、コントロールバルブ5
8を介して経路切換クラッチ2に至る出力ラインとが接
続されている。そしてマニュアルバルブ55は、後進走
行レンジ(Rレンジ)ではリバースクラッチ6aに油圧
を供給する状態となり、前進走行レンジ(Dレンジ)で
はフォワードクラッチ6aとコントロールバルブ58の
入力側とに油圧を供給する状態となるように、手動操作
に応じて作動する。
【0027】上記コントロールバルブ58に対するパイ
ロットラインには第3デューティソレノイドバルブ59
が接続され、このデューティソレノイドバルブ59の作
動に応じてコントロールバルブ58が経路切換クラッチ
2に対する油圧の給排および調整が行われるようになっ
ている。
【0028】上記各デューティソレノイドバルブ53,
57,59は、コントロールユニット(ECU)61か
ら出力されるデューティ制御信号により制御される。こ
のECU61にはエンジン回転数の検出信号71、車速
の検出信号72およびスロットル開度の検出信号73等
がそれぞれのセンサから入力される。
【0029】このECU61の機能的構成を図4によっ
て説明する。このECU61は、エンジントルク等に応
じて第1デューティソレノイドバルブ53を制御するラ
イン圧制御手段62と、後記トロイダル作動状態におい
て無段変速機8の変速比を運転状態に応じて設定した目
標変速比とするように第2デューティソレノイドバルブ
57を制御する変速比制御手段63と、経路切換制御手
段64とを有する。この経路切換制御手段64は、前進
走行時に車速等の運転状態に応じ、例えば低車速領域等
の特定運転領域では、第1の動力伝達経路3による動力
伝達状態(トルコン作動状態)とし、それ以外の運転領
域では第2の動力伝達経路4による動力伝達状態(トロ
イダル作動状態)とするように、経路切換クラッチ3の
切換の基本的制御を行う。前記第1の動力伝達経路3を
用いるべき運転領域(トルコン領域)と前記第2の動力
伝達経路4を用いるべき運転領域(トロイダル領域)は
予めマップにより設定されている。
【0030】さらにECU61は、経路切換クラッチ3
の切換作動時の制御に関係する手段として回転数調整手
段65、トルク検出手段66および作動速度制御手段6
7を含んでいる。
【0031】上記回転数調整手段65は、経路切換クラ
ッチ2の解放から締結への切換作動時に、その入力側回
転数(中空回転シャフト18の回転数)と出力側回転数
(ギヤ43の回転数)とを一致させるように調整し、具
体的には、両動力伝達経路3,4の変速比変動範囲がオ
ーバーラップするところで、第2デューティソレノイド
バルブ57のデューティ制御で無段変速機8の変速比を
調整することにより、上記の回転数調整を行うようにな
っている。
【0032】すなわち、経路切換クラッチ2が解放とな
っているときは、その入力側と出力側との間の動力伝達
は遮断されているが、この状態でも、第1の動力伝達経
路3からの動力伝達による上記出力軸30の回転に伴っ
て無段変速機8のディスク等も回転しているので、無段
変速機8の変速比が変えられれば切換クラッチ2の出力
側回転数が変化する。また、図5に示すように、第2の
動力伝達経路4による変速比変動範囲Aは変速比が比較
的小さい側、第1の動力伝達経路3による変速比変動範
囲Bは変速比が比較的大きい側に設定されるが、第2の
動力伝達経路4の最大変速比iA が第1の動力伝達経路
3の最小変速比(減速装置7の変速比)iB よりも大き
くされることにより、各経路3,4の変速比変動範囲が
一部オーバーラップするように設定されている。そし
て、トルコン作動状態からトロイダル作動状態への切換
は、通常、上記第1の動力伝達経路3の最小変速比に近
いところで行われるので、上記オーバーラップの範囲a
で無段変速機8の変速比を調整すれば経路切換クラッチ
2の締結前にその入力側回転数と出力側回転数とを一致
させるように調整することができる。
【0033】また、上記トルク検出手段66は、経路切
換クラッチ2の切換作動時に経路切換クラッチ2に対す
る入力トルクを検出し、例えば上記スロットル開度とエ
ンジン回転数、トルクコンバータ5の速度比等に基づい
て入力トルクを算出するようになっている。
【0034】上記作動速度制御手段67は、経路切換ク
ラッチ2の切換作動時に、上記入力トルクに応じて第3
デューティソレノイドバルブ59を制御することによ
り、入力トルクが小さくなるほど切換作動速度を遅く
し、つまり入力トルクが小さくなるほど締結時間(また
は解放時間)を長くするように制御する(図6参照)。
具体的には、図7(経路切換クラッチ2の締結作動時の
油圧変化)および図8(経路切換クラッチ2の解放作動
時の油圧変化)に示すような経路切換クラッチ2に対す
る作動油圧P1,P2とその変化率K1,K2を入力ト
ルクに応じて設定し、入力トルクが小さくなるほど変化
率K1,K2を小さくする(図7,図8中の二点鎖線)
ようにしている。
【0035】この制御を、図9のフローチャートによっ
て具体的に説明する。
【0036】このフローチャートがスタートすると、コ
ントロールユニットは先ず車速、スロットル開度TVO
等の信号を読み込む(ステップS1)。次に、現在トロ
イダル作動状態か否か、つまり経路切換クラッチ25が
締結状態か否かを判定する(ステップS2)。
【0037】ステップS2の判定がNOの場合、つまり
トルコン作動状態にある場合は、運転状態がマップ上の
トロイダル領域に移行したか否かを判定する(ステップ
S3)。この判定がNOのときは、トルコン作動状態を
そのまま維持する(ステップS4)。
【0038】ステップS3の判定がYESとなったとき
は、経路切換クラッチ2が解放状態にあるうちに、上記
第2デューティソレノイドバルブ57をデューティ制御
することにより、経路切換クラッチ2の入力側回転数と
出力側回転数とを一致させるようにトロイダル型変速機
31,32の変速比を変化させる(ステップS5)。続
いて、スロットル開度等に基づいて経路切換クラッチ2
の入力トルクを算出し(ステップS6)、この入力トル
クに応じて経路切換クラッチ2に対する油圧P1および
変化率K1(図7参照)を設定し(ステップS7)、こ
の場合に、入力トルクが小さいほど締結時間Δt1を長
くするように設定する。そして、この設定に従って経路
切換クラッチ2に油圧を供給するように第3デューティ
ソレノイドバルブ59を制御することにより、経路切換
クラッチ2を締結してトロイダル作動状態とする(ステ
ップS8,S9)。
【0039】ステップS2の判定がYESの場合、つま
りトロイダル作動状態にある場合は、運転状態がマップ
上のトルコン領域に移行したか否かを判定する(ステッ
プS10)。この判定がNOのときは、トロイダル作動
状態をそのまま維持する(ステップS11)。
【0040】ステップS10の判定がYESとなったと
きは、経路切換クラッチ2の入力トルクを算出し(ステ
ップS12)、この入力トルクに応じて経路切換クラッ
チ2に対する油圧P2および変化率K2(図8参照)を
設定し(ステップS13)、この場合に、入力トルクが
小さいほど解放時間Δt2を長くするように設定する。
そして、この設定に従って経路切換クラッチ2から油圧
を排出するように第3デューティソレノイドバルブ59
を制御することにより、経路切換クラッチ2を解放して
トルコン作動状態とする(ステップS14,S15)。
【0041】以上のような当実施例の装置によると、基
本的な動力伝達経路切換制御としては、予め設定された
運転領域のマップに基づき、低車速域等の特定運転領域
では、経路切換クラッチ2の解放によってトルコン作動
状態とされることにより、比較的大きな変速比およびト
ルクコンバータ5によるトルク増倍作用が得られ、他の
運転領域では、経路切換クラッチ2の締結によってトロ
イダル作動状態とされることにより、トルクコンバータ
5による伝達ロスが避けられるとともに、無段変速機8
により変速比が比較的小さい側で調整されて燃費等に有
利となる。
【0042】ところで、経路切換クラッチ2の解放から
締結への切換(トルコン作動状態からトロイダル作動状
態への切換)が行われる場合には、先ず経路切換クラッ
チ2の入力側回転数と出力側回転数が一致するように調
整された上で経路切換クラッチ2の切換作動が行われる
ため、経路切換クラッチ2の滑りが抑制されつつ、経路
切換クラッチ2の締結によるトロイダル作動状態への移
行がスムーズに行われる。
【0043】さらにこの場合に、経路切換クラッチ2の
入力トルクに応じた油圧供給の調整により、上記入力ト
ルクが小さいときは締結速度が遅くされることにより、
動力伝達経路の切換わりに伴うショックが軽減される。
そして、上記のような切換作動に先立った回転数調整に
より経路切換クラッチ2の入出力回転数が一致し、か
つ、入力トルクが小さいときは切換作動中の回転数変化
も少ないので、締結時間を長くしても経路切換クラッチ
2のすべりによる摩耗を生じることがない。
【0044】また、上記入力トルクが大きいときは、締
結速度が長くなると加速動作等に対する変速の応答性が
悪くなるとともに、切換作動中に入力回転数の変化で経
路切換クラッチ2のすべりを招くことがあるが、締結速
度が速くされることによりこのような事態が避けられ、
応答性の確保等が図られる。
【0045】一方、経路切換クラッチ2の締結から解放
への切換(トロイダル作動状態からトルコン作動状態へ
の切換)が行われる場合には、経路切換クラッチ2が切
換作動前に締結状態にあってその入出力回転数が一致し
ているのでその回転数調整は行われないが、経路切換ク
ラッチ2の入力トルクに応じた油圧排出の調整により、
上記入力トルクが小さいときに解放速度が遅くなり、上
記入力トルクが大きいときに解放速度が速くなるように
する切換速度制御は行われる。これにより、入力トルク
が小さいときの切換ショックの軽減と入力トルクが大き
いときの加速応答性確保の作用が得られることは、経路
切換クラッチ2の締結への切換の場合と同様である。
図10および図11は動力伝達系統の構造の別の実施例
を示している。この実施例では、トルクコンバータ5に
ロックアップクラッチ80が具備されるとともに、この
トルクコンバータ5よりも後段側において、前後進切換
装置6および減速装置7を備えた第1の動力伝達経路
3’と、経路切換クラッチ2’を介して接続される無段
変速機8を備えた第2の動力伝達経路4’とが設けられ
ている。
【0046】すなわち、トルクコンバータ5のポンプカ
バー11とタービンライナ13との間に両者を直結する
ロックアップクラッチ80が設けられている。また、タ
ービンシャフト17に対して前後進切換装置6および減
速装置7が前記の実施例(図1,図2)と同様に接続さ
れる一方、上記タービンシャフト17に、経路切換クラ
ッチ2’を介し、第2の動力伝達経路4’側のギヤ43
が接続されている。このギヤ43にバイパスシャフト4
0の前端のギヤ41がアイドルギヤ42を介して噛合
し、バイパスシャフト40の後端にギヤ44,45およ
び中間ディスク36を介してトロイダル型変速機31,
32が接続されている構造は前記の実施例(図1,図
2)と同様である。
【0047】この実施例においては、経路切換クラッチ
2が解放されると、トルクコンバータ5の出力側から第
1の動力伝達経路3’を通して動力が伝達され、経路切
換クラッチ2’が締結されると、実質的に第1の動力伝
達経路3’が働かずに、第2の動力伝達経路4’を通し
て動力が伝達される。そして、いずれの経路3’,4’
による場合でも、ロックアップクラッチ80を解放する
ことによりトルクコンバータ5を経由する状態と、ロッ
クアップクラッチ80を締結することによりトルクコン
バータ5をバイパスする状態とを、任意に選択すること
が可能となる。従って、基本的制御としては、経路切換
クラッチ2’の切換とロックアップクラッチ80の切換
とをそれぞれ運転状態に応じて行えばよい。
【0048】このような構造による場合も、経路切換ク
ラッチ2’の切換作動時に、前記の回転数調整手段6
5、トルク検出手段66および作動速度制御手段67と
しての処理(図4,図9参照)を行うようにする。
【0049】これらの実施例のほかにも、例えば第1の
動力伝達経路に、減速機に加えまたは減速機として、有
段変速機を設けて、この第1の動力伝達経路の有段変速
機は比較的大きな変速比が得られ、第2の動力伝達経路
の無段変速機は比較的小さな変速比となるようにしてお
いて、これらの経路を切換可能としてもよい。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明は、減速装置を含む
第1の動力伝達経路と、無段変速機を含む第2の動力伝
達経路と、運転状態に応じて両経路を切換える摩擦要素
とを有する動力伝達装置において、上記摩擦要素の切換
作動時に摩擦要素の入力側回転数と出力側回転数とを略
一致させるように調整するとともに、上記摩擦要素の入
力トルクに応じ、摩擦要素の切換作動速度を入力トルク
が小さくなるほど遅くするように制御する構成となって
いる。このため、上記入力トルクが小さいときには摩擦
要素の切換作動を緩やかにすることで動力伝達経路切換
わりのショックを低減し、しかも摩擦要素の摩耗を防止
することができ、一方、上記入力トルクが大きいときに
は摩擦要素の切換作動を速くすることで応答性を満足す
ることができる。
【0051】またこの構成において、第2の動力伝達経
路の無段変速機の最大変速比を第1の動力伝達経路の最
小変速比よりも大きくすることにより両伝達経路の変速
比変動範囲がオーバラップする領域を設け、上記摩擦要
素の切換作動時にこのオーバラップ領域内で無段変速機
の変速比の調整により上記摩擦要素の出力側回転数を調
整するものとすれば、容易に上記摩擦要素の入力側回転
数と出力側回転数とを一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による動力伝達経路の全体構
成図である。
【図2】同実施例の動力伝達経路を概念的に示すブロッ
ク図である。
【図3】油圧制御回路を示すブロック図である。
【図4】制御系統の機能ブロック図である。
【図5】各動力伝達経路による変速比変動範囲等を示す
説明図である。
【図6】経路切換クラッチの切換作動時の入力トルクと
締結時間または解放時間との関係を示す図である。
【図7】経路切換クラッチの締結時のクラッチ作動油圧
の変化を示す図である。
【図8】経路切換クラッチの解放時のクラッチ作動油圧
の変化を示す図である。
【図9】制御のフローチャートである。
【図10】本発明の別の実施例による動力伝達経路の全
体構成図である。
【図11】同実施例の動力伝達経路を概念的に示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 経路切換クラッチ 3 第1の動力伝達経路 4 第2の動力伝達経路 5 トルクコンバータ 7 減速装置 8 無段変速機 61 コントロールユニット 64 経路切換制御手段 65 回転数調整手段 66 トルク検出手段 67 作動速度制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−167750(JP,A) 特開 平2−256959(JP,A) 特開 平3−56762(JP,A) 特開 平4−277357(JP,A) 特開 平4−300449(JP,A) 特開 平4−312261(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 37/02,47/06 F16H 59/14,61/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン出力を減速装置を介して車輪側
    へ伝達する第1の動力伝達経路と、エンジン出力を無段
    変速機を介して車輪側へ伝達する第2の動力伝達経路
    と、両経路を切換える動力伝達経路切換用摩擦要素とを
    有し、運転状態に応じて上記摩擦要素を切換作動するよ
    うにした車両の動力伝達装置において、上記摩擦要素の
    切換作動時に摩擦要素の入力側回転数と出力側回転数と
    を略一致させるように調整する回転数調整手段と、上記
    摩擦要素の切換作動時の入力トルクを検出するトルク検
    出手段と、上記入力トルクに応じ、上記摩擦要素の切換
    作動速度を入力トルクが小さくなるほど遅くするように
    制御する作動速度制御手段とを備えたことを特徴とする
    車両の動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 第1の動力伝達経路はトルクコンバータ
    を経由するものであり、第2の動力伝達経路はトルクコ
    ンバータをバイパスするものである請求項1記載の車両
    の動力伝達装置。
  3. 【請求項3】 第2の動力伝達経路の無段変速機の最大
    変速比を第1の動力伝達経路の最小変速比よりも大きく
    することにより両伝達経路の変速比変動範囲がオーバラ
    ップする領域を設け、上記回転数調整手段はこのオーバ
    ラップ領域内で無段変速機の変速比の調整を行うように
    構成されている請求項1または2記載の車両の動力伝達
    装置。
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