JP3006091B2 - 置換ピラゾールの製造方法 - Google Patents
置換ピラゾールの製造方法Info
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Description
法に係り、特に、医薬、農薬の中間体として有用な、1
−アルキル−3−アルキル(又はアリール)置換−5−
アルコキシカルボニルピラゾールを高い選択率にて製造
する方法に関するものである。
キルヒドラジンとを反応させて置換ピラゾールを製造す
る方法としては、以下のような方法が知られている。
水溶液中、80℃でメチルヒドラジンと反応させて、ジ
メチル−エトキシカルボニルピラゾール異性体、即ち、
1,3−ジメチル−5−エトキシカルボニルピラゾール
(以下「ピラゾール(I)」と称する。)及び1,5−ジ
メチル−3−エトキシカルボニルピラゾール(以下「ピ
ラゾール(II)」と称する。)をピラゾール(I):ピラゾー
ル(II)=25:75の組成で得る方法(Bull. Soc. Che
m. France 1966, 293 )。
エタノールに溶かし、メチルヒドラジンで処理して、同
様にピラゾール(I):ピラゾール(II)=58:42の異性
体混合物を得る方法(特開昭52−87168号公
報)。
ルビン酸エチルエステルをエタノール中、反応温度80
℃でメチルヒドラジンと反応させて、1−メチル−3−
(3−トリフルオロメチルベンゾイル)−5−エトキシ
カルボニルピラゾ−ル:1−メチル−3−エトキシカル
ボニル−5−(3−トリフルオロメチルベンゾイル)−
ピラゾール=75:25の組成からなる異性体混合物を
得る方法(特開昭59−95272号公報)。
法によってアシルピルビン酸エステルとアルキルヒドラ
ジンとを反応させて1−アルキル−3−アルキル(又は
アリール)置換−5−アルコキシカルボニルピラゾール
を合成する場合、目的物異性体への選択率は25〜75
%であって、これは他種の位置異性体との混合物として
生成する。このため、生成物の置換ピラゾールを農薬、
医薬中間体として利用する際には、精製、蒸留又は分別
再結晶等の分離操作が不可欠であり、また、異性体間の
生成比を制御することは難しいことから、直接的な収率
の低下につながり、このことが実用化の大きな問題とな
っている。
ルピルビン酸エステルとアルキルヒドラジンとを反応さ
せて置換ピラゾールを製造する方法において、生成する
置換ピラゾールの異性体のうちの1つの異性体、詳しく
は1−アルキル−3−アルキル(又はアリール)置換−
5−アルコキシカルボニルピラゾールを異性体選択率8
0mol%以上の選択率で効率的に製造する方法を提供
することを目的とする。
の製造方法は、アシルピルビン酸エステルとアルキルヒ
ドラジンとを反応させて1−アルキル−3−アルキル
(又はアリール)置換−5−アルコキシカルボニルピラ
ゾールを製造するにあたり、アミド、アルコール、エー
テル、芳香族炭化水素及びアミンよりなる群から選ばれ
る1種又は2種以上の溶媒を用い、該溶媒中のアシルピ
ルビン酸エステルに対するアルキルヒドラジンのモル比
が1より大きい条件で反応させることを特徴とする。
おいて、原料として用いられるアシルピルビン酸エステ
ルとしては、ピルビン酸のアセチル、プロピオニル、ブ
チリル、ベンゾイル等のアシル置換体のアルキルエステ
ルであって、該エステルがメチル、エチル、プロピル、
ブチル又はベンジル等のエステルであるものが好適であ
る。
は、モノメチルヒドラジン、モノエチルヒドラジン、モ
ノ−n−プロピルヒドラジン、モノ−iso−プロピル
ヒドラジン、モノ−t−ブチルヒドラジン、モノ−n−
ブチルヒドラジン、フェニルヒドラジン等が好ましいも
のとして挙げられる。
されるものではないが、反応温度を40℃以上とすると
目的異性体の選択率が低下し、80mol%以上の目的
異性体純度を得ることが困難となること、また、反応温
度が−10℃以下の場合でも反応は進行するが、反応熱
除去の効率から実用上は実施が困難となること等の理由
により、−10℃〜40℃、特に0℃〜30℃の範囲で
行なうのが好ましい。
料アシルピルビン酸エステルとアルキルヒドラジンの両
者を溶解せしめ、かつ反応における高選択性を有するも
のでなければならない。このような溶媒として、本発明
においては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ジイソプ
ロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、テトラヒド
ロフラン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピコリ
ン、トリアルキルアミン等のアミン系溶媒を用いる。こ
れらの溶媒は1種を単独で用いても、2種以上の混合溶
媒として用いても良い。
5〜30重量%の範囲となる量が好ましいが、この範囲
外で使用することも可能である。
エステルとアルキルヒドラジンを反応させる際、溶媒中
のアシルピルビン酸エステルに対するアルキルヒドラジ
ンのモル比が常に1より大きい条件で反応させる。この
溶媒中のモル比が1より小さい場合、1−アルキル−3
−アルキル(又はアリール)置換−5−アルコキシカル
ボニルピラゾールへの選択率は低下し、本発明方法のよ
うな異性体選択率80mol%以上の結果を得ることは
できない。
作のいずれの方式によっても実施可能である。バッチ操
作の場合には、アルキルヒドラジン、好ましくはアルキ
ルヒドラジン水溶液を本発明で特定される溶媒に溶か
し、所定量のアシルピルビン酸エステルを添加すること
により反応させる。また、流通式操作の場合には、アル
キルヒドラジン対アシルピルビン酸エステルのモル比を
1より大にして、瞬時に両者を混合せしめることにより
実施することができる。
合、アルキルヒドラジンとアシルピルビン酸エステルと
の反応は2段階に進行する。即ち、第1段階においては
アルキルヒドラジンとアシルピルビン酸エステルから分
子間で脱水したヒドラゾンが生成し、次いで第2段階に
おいて分子内でヒドラゾンが更に脱水閉環して目的物で
ある1−アルキル−3−アルキル(又はアリール)置換
−5−アルコキシカルボニルピラゾールが選択的に生成
する。因みに、本発明方法以外の反応条件では、原料ジ
ケトン又は溶媒それ自身により系全体が中性又は酸性と
なっているため、2段階の反応は識別できず、直接最終
の置換ピラゾールを生成する。このため、1−アルキル
−3−アルキル(又はアリール)置換−5−アルコキシ
カルボニルピラゾールの生成の選択率は小さくなる。
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。
ノメチルヒドラジン(以下「MMH」と略す。)として
0.05mol)をエタノール18gに溶解させて得た
混合液を撹拌しつつ、氷冷下、純度97重量%のプロピ
オニルピルビン酸エチルエステル8.44g(プロピオ
ニルピルビン酸エチルエステル(以下「PPE」と略
す。)として0.049mol)を徐々に滴下した。滴
下には1時間半を要し、その間、混合液温度を10℃以
下に保持した。滴下終了後、更に30分放置後、ガスク
ロマトグラフィー(GC)で分析した。その結果、反応
収率は96.2mol%であり、1−メチル−3−エチ
ル−5−エトキシカルボニルピラゾール(以下「ピラゾ
ール[A]」と称する。)と1−メチル−3−エトキシ
カルボニル−5−エチル−ピラゾール(以下「ピラゾー
ル[B]」と称する。)の生成比は87.3:12.7
であった。
HとPPEの反応比を表1に示す値としこと以外は、実
施例1と同様に操作した。GC分析結果を併せて表1に
示す。
mol)をトルエン50gに溶解して得た混合液を撹拌
しつつ、氷冷下、純度98重量%のアセチルピルビン酸
エチルエステル(以下「APE」と略す。)15.81
g(0.1mol)を徐々に滴下した。滴下には1時間
半を要し、その間混合液温度を10℃以下に保持した。
滴下終了後、更に30分放置後、GCで分析したとこ
ろ、反応収率は95.0mol%であり、1,3−ジメ
チル−5−エトキシカルボニルピラゾール(以下「ピラ
ゾール[C]」と称する。)と、1,5−ジメチル−3
−エトキシカルボニルピラゾール(以下「ピラゾール
[D]」と称する。)の生成比は、91.4:8.6で
あった。
プロピルエーテルを用いたこと以外は、実施例5と同様
に操作した。GC分析結果を併せて表2に示す。
ル(PPE)8.85g(0.05mol)をメタノー
ル9.3gに溶解し、急激な撹拌下47重量%モノメチ
ルヒドラジン(MMH)水溶液4.89g(MMHとし
て0.05mol)を徐々に滴下した。反応温度10℃
とし、滴下には1時間を要した。滴下終了後、30分間
10℃に保持した後、反応混合物をGCで分析したとこ
ろ、反応収率90mol%の結果を得た。異性体組成は
表3に示す通りであった。
HとPPEの反応比を表3に示す値としたこと以外は、
比較例1と同様に操作した。GC分析結果を併せて表3
に示す。
ールの製造方法によれば、医薬、農薬の中間体として有
用な1−アルキル−3−アルキル(又はアリール)置換
−5−アルコキシカルボニルピラゾールを高選択率、高
収率で容易に得ることが可能とされる。
Claims (1)
- 【請求項1】 アシルピルビン酸エステルとアルキルヒ
ドラジンとを反応させて1−アルキル−3−アルキル
(又はアリール)置換−5−アルコキシカルボニルピラ
ゾールを製造するにあたり、アミド、アルコール、エー
テル、芳香族炭化水素及びアミンよりなる群から選ばれ
る1種又は2種以上の溶媒を用い、該溶媒中のアシルピ
ルビン酸エステルに対するアルキルヒドラジンのモル比
が1より大きい条件で反応させることを特徴とする置換
ピラゾールの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2405796A JP3006091B2 (ja) | 1990-12-25 | 1990-12-25 | 置換ピラゾールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2405796A JP3006091B2 (ja) | 1990-12-25 | 1990-12-25 | 置換ピラゾールの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH04224565A JPH04224565A (ja) | 1992-08-13 |
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Family
ID=18515404
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2405796A Expired - Fee Related JP3006091B2 (ja) | 1990-12-25 | 1990-12-25 | 置換ピラゾールの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3006091B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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DE19829616A1 (de) * | 1998-07-02 | 2000-01-05 | Bayer Ag | Verfahren zur Herstellung von 1-Alkyl-pyrazol-5-carbonsäureestern |
DE19837067A1 (de) * | 1998-08-17 | 2000-02-24 | Bayer Ag | Verfahren zur Herstellung von 1-Alkyl-pyrazol-5-carbonsäureestern |
-
1990
- 1990-12-25 JP JP2405796A patent/JP3006091B2/ja not_active Expired - Fee Related
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