JP3004897B2 - 艶消し表面の形成方法 - Google Patents
艶消し表面の形成方法Info
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Description
樹脂組成物及び艶消し表面の形成方法に関するもので、
建材用、車両等の内装用、ガラス装飾用、電気電子機器
のハウジング等の各種表面処理工程において、微細な皺
を形成させることにより、光拡散効果、意匠性や美観の
向上を図る目的で使用されるものである。
を図る目的で、種々の表面処理剤により被塗物の表面を
光の拡散効果により艶消し状態にすることが行われてい
る。これらの従来の方法としては、塗料やインキ中に艶
消し顔料等を混入させたり、塗面、表面のブラスト処理
等を行っていた。
ンキ等に混入する方法では、硬化塗膜の光透過率が減少
し、必然的に塗膜が不透明となる欠点を有している。ま
た、ブラスト処理は、処理工程が煩雑で生産性に問題が
ある。
型樹脂を用いる場合は、窒素雰囲気下で紫外線照射を行
い、表面に皺を形成させる方法により艶消しを行う方法
が知られている。しかしながら、窒素雰囲気下における
紫外線硬化は、窒素費用に加え、均一で再現性のある皺
の形成が難しい問題点を有している。
には、300nm以下の紫外線により皺を発生させる方法
が開示されている。けれども、単に低波長の紫外線照射
では、皺が形成されない場合があり、また形成されても
均一な皺が形成されない等の問題があった。
する課題は、優れた意匠性を有する艶消し表面を有し、
且つ塗装物の場合には、素材表面に十分な付着性を有す
る、艶消し表面形成用樹脂組成物を用いての再現性の良
い艶消し表面形成方法を提供することにある。
よる硬化反応で、硬化収縮による硬化物表面の皺を均一
で、且つ再現性良く得ることを目的に、紫外線硬化型樹
脂の種類、並びに、用いる光開始剤の選択が特に重要で
あると考え、鋭意研究した結果、特定の樹脂組成物、即
ち、特定のウレタンアクリレート、反応性希釈剤、及び
400nm以上の波長光に対するモル吸光係数が100
(l・mol-1・cm-1)を越えない吸収特性を有する光開始
剤から成る樹脂組成物を用いることによって、本発明を
完成するに至った。
00nm以下の波長の光に最大発光強度を有し、かつ30
0nm〜800nmの波長の光が相対強度として20%以下
である紫外線照射ランプを用いて照射、硬化させること
により、硬化樹脂表面に微細な皺を発生させる艶消し表
面の形成方法を見出した。さらに、次いで300nm以上
の波長に最大発光強度を有する紫外線照射ランプにより
紫外線を照射することにより、樹脂内部まで十分に硬化
させる艶消し表面の形成方法を見出した。
成物は、(a)脂環族イソシアネート化合物と、(b)
エステル系ポリオールと、(c)水酸基を有するアクリ
レート化合物とを必須成分として製造される(A)ウレ
タンアクリレートと、(B)アクリレート系反応性希釈
剤と、(C)400nm以上の波長光に対するモル吸光係
数が100(l・mol-1・cm-1)を越えない吸収特性を有
する光開始剤を含む艶消し表面形成用樹脂組成物であ
る。
望ましくは、(b)エステル系ポリオールが、水酸基と
して3官能以上のポリカプロラクトンを使用すること、
(B)アクリレート系反応性希釈剤が、テトラヒドロフ
ルフリル基を有するものである。
これら本発明の艶消し表面形成用樹脂組成物に、300
nm以下の波長に最大発光強度を有し、かつ300nm〜8
00nmの波長の光が相対強度として20%以下である紫
外線照射ランプを用いて、紫外線照射、硬化させること
により、硬化樹脂表面に微細な皺を発生させ、艶消し表
面を形成させることを特徴とするものである。
法は、本発明の艶消し表面形成用樹脂組成物に、300
nm以下の波長に最大発光強度を有し、かつ300nm〜8
00nmの波長の光が相対強度として20%以下である紫
外線照射ランプを用いて、光照射、硬化させることによ
り、硬化樹脂表面に微細な皺を発生させ、次いで300
nm以上の波長に最大発光強度を有する紫外線照射ランプ
により紫外線を照射、硬化させることを特徴とするもの
である。
艶消し表面形成用樹脂組成物の(a)脂環族イソシアネ
ート化合物としては、イソホロンジイソシアネート、水
添キシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン
ジイソシアネート等が用いられる。また、かかる脂環族
イソシアネート化合物のイソシアヌレート化物、ビュー
レット化合物等、更に、芳香族イソシアネート化合物、
脂肪族イソシアネート化合物との併用、または、共イソ
シアヌレート化物等も用いることが出来る。また、本発
明の(b)エステル系ポリオールとしては、ポリオール
化合物とポリカルボン酸化合物とのエステル化物が挙げ
られる。また、環状エステル化合物とポリオールとの開
環反応により合成されるものも用いることが出来る。
は、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、
1,10−デカンジオール、2,2,4−トリメチル−1,
3−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタン
ジオール、ジクロロネオペンチルグリコール、ジブロモ
ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペ
ンチルグリコールエステル、シクロヘキサンジメチロー
ル、1,4−シクロヘキサンジオール、スピログリコー
ル、トリシクロデカンジメチロール、水添ビスフェノー
ルA、エチレンオキサイド付加ビスフェノ−ルA、プロ
ピレンオキサイド付加ビスフェノ−ルA、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、3−
メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ペンタエリス
リトール、ジペンンタエリスリトール、トリペンタエリ
スリトール、グルコース類などが挙げられる。
知慣用の各種のカルボン酸、またはそれらの酸無水物、
及びこれらカルボン酸化合物と低級アルキルアルコール
のエステル化物が使用できるが、それらのうちでも特に
代表的なもののみを例示するにとどめれば、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒド
ロフタル酸、ヘット酸、ハイミック酸、クロレンディッ
ク酸、ダイマー酸、アジピン酸、こはく酸、アルケニル
こはく酸、セバチン酸、アゼライン酸、2,2,4−トリ
メチルアジピン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、テレフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル
酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、イソフタル酸、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスル
ホイソフタル酸、またはジメチル−ないしはジエチルエ
ステルの如き、5−ナトリウム−スルホイソフタル酸の
ジ−低級アルキルエステル類、あるいは、オルソフタル
酸、4−スルホフタル酸、1,10−デカメチレンジカ
ルボン酸、ムコン酸、しゅう酸、マロン酸、グルタン
酸、トリメリット酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラブ
ロムフタル酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸も
しくはピロメリット酸、またはこれらの酸無水物、また
は、これらのメタノール、エタノール等によるアルコー
ルエステル化合物などが挙げられる。
ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラク
トン、ε−カプロラクトン、置換ε−カプロラクトン、
D−グルコノ−1,4−ラクトン、1,10−フェナント
レンカルボラクトン、4−ペンテン−5−オリド、12
−ドデカノリド等ラクトン類が挙げられる。
とは、アルキル基が1から12までの炭素原子を有する
種々のε−モノアルキルカプロラクトンであって、例え
ば、ε−メチルカプロラクトン、ε−エチルカプロラク
トン、ε−プロピルカプロラクトン、ε−ドデシルカプ
ロラクトンなどの1置換アルキルラクトン類から、2か
ら3のアルキル置換のものが使用できる。
塗膜の物性等の面から、かかる原料により合成されるポ
リエステルポリオールの中でも、ポリカプロラクトン系
ポリオールが特に好ましく用いられる。その分子量とし
ては、300から5000のものが好ましく、また官能
基数としては、3官能以上のものが硬化性、皺発生の安
定から好ましい。
アクリレート化合物としては、公知慣用のものが使用で
きるが、それらのうちでも特に代表的なもののみを例示
するにとどめれば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−
ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキ
シブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレートまたはグリシジルメタクリレー
ト−(メタ)アクリル酸付加物、上掲された如き、各種
の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物とε−カ
プロラクトン及び、その変性物との開環反応物などであ
る。
レートは、(a)脂環族イソシアネート化合物と、
(b)エステル系ポリオールと、(c)水酸基を有する
アクリレート化合物を、50〜120℃で、必要に応じ
て、ウレタン化触媒の存在下にウレタン化反応させるこ
とにより、容易に合成される。
込みによる反応であっても、ポリオール成分とイソシア
ネート成分を、一度イソシアネート基過剰にてプレポリ
マーを合成した後、残存するイソシアネート基を水酸基
含有のアクリレート化合物により、反応せしめることに
よっても、合成することが可能である。
イソシアネート化合物を、一度イソシアネート基過剰に
てプレポリマーを合成した後、残存するイソシアネート
基をポリエステルポリオールと反応させることも可能で
ある。かかる反応により合成されるウレタンアクリレー
トの分子量としては、700〜20000の範囲内であ
ることが好ましい。
を得る為、更に種々の物性の改良の為、(B)アクリレ
ート系反応性希釈剤を添加することが好ましい。かかる
(B)アクリレート系反応性希釈剤としては、例えばメ
トキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メト
キシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、β
−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタ
レート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイド
ロゲンサクシネート、ノニルフェノキシエチル(メタ)
アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アク
リレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)
アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオキシプ
ロピルハイドロゲンフタレート、β−(メタ)アクリロ
イルオキシプロピルハイドロゲンサクシネート、
アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリ
ル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリ
レート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノ
キシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル
酸、3−アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロキシ−3−
(メタ)アクリロキシプロパン、ポリプロピレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、ポリε−カプロラクトン
モノ(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノエチル
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]ア
ッシドホスフェート、トリフロロエチル(メタ)アクリ
レート、2,2,3,3−テトラフロロプロピル(メタ)
アクリレート、
(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシアルキル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)ア
クリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレー
ト、トリシクロデカニルオキシエチル(メタ)アクリレ
ート、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート
などの単官能重合性希釈剤、
ドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ
プロピオネートのジ(メタ)アクリレート、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジ(メ
タ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシ
ド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA
のプロピレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレー
ト、2,2′−ジ(ヒドロキシプロポキシフェニル)プ
ロパンのジ(メタ)アクリレート、
ル)プロパンのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデ
カンジメチロールのジ(メタ)アクリレート、2,2′
−ジ(グリシジルオキシフェニル)プロパンの(メタ)
アクリル酸付加物等の2官能重合性希釈剤、同様に、例
えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テ
トラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テト
ラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリ
ス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ
(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシプロピル)
イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、トリメ
リット酸のトリ(メタ)アクリレートと、トリアリルト
リメリット酸、トリアリルイソシアヌレート等の多官能
重合性希釈剤が挙げられる。
から、特に好適なものとして、テトラヒドロフルフリル
基を有するアクリレート化合物が挙げられる。かかるア
クリレート化合物としては、テトラヒドロフルフリルア
クリレート、ラクトン変性テトラヒドロフルフリルアク
リレート、ダイマーアクリル酸変性テトラヒドロフルフ
リルアクリレート、ダイマーアクリル酸変性ラクトン変
性テトラヒドロフルフリルアクリレート等が挙げられ
る。
紫外線照射により硬化を行う際、光重合性開始剤、光増
感剤を使用することが好ましい。用いられる光重合開始
剤としては、公知慣用の重合性光開始剤を用いることが
できるが、特に400nm以上の波長光に対するモル吸光
係数が100(l・mol-1・cm-1)を越えない吸収特性を
有する光開始剤(C)を選択することにより、均一で再
現性のよい皺を得ることができる。
は、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジ
エトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アルコキシア
セトフェノン、ベンゾフェノンおよびベンゾフェノン誘
導体等が挙げられる。
樹脂成分100重量部に対して0.2〜30重量部、好
ましくは2〜20重量部の範囲である。かかる光重合開
始剤は公知慣用の光重合促進剤の一種あるいは二種以上
と組み合わせて用いることもできる。
物粘度調製の為、エステル、エーテル、ケトン、アルコ
ール、芳香族、脂肪族等の各種の溶剤を添加することも
可能である。また、本発明の硬化組成物には、更に必要
に応じて、紫外線硬化を妨げない範囲で他の成分を加え
ることも可能である。これらの他の成分は、公知慣用の
重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、無機充
填剤、無機顔料、または有機顔料、有機染料、その他光
安定剤、光吸収剤、レベリング剤、消泡剤、防錆剤等の
添加剤等である。
被塗物に関しては特に制限がなく、フィルム、シート、
成形体等の各種の形状、ポリカーボネート、塩ビ、アク
リル、ポリエステル等プラスチック等や木材、金属、紙
に塗装することができる。また、塗装方法も特に制限は
なく、公知慣用のスクリーン印刷、ロールコート、カー
テンコート、スプレーコート、スピンコート等使用可能
である。塗膜の膜厚としては、皺発生の再現性等の面か
ら、10μm〜1mm程度であり、好ましくは、20μ
m〜500μm程度である。
第1の紫外線ランプとして、300nm以下に最大の発光
強度を有し、かつ300nm〜800nmの光が相対強度と
して20%以下である紫外線照射ランプを用いる。かか
る紫外線ランプとしては、所謂、低圧水銀灯が好まし
い。
灯を使用する場合は、モノクロメーターによる選択的波
長選択、あるいは、フィルターにより300nm以上の光
をカットし、300〜800nmの光が相対強度として2
0%以下にする。かかる波長の紫外線を照射した場合
は、塗布した樹脂の表面と内部での光吸収能の不均一性
により、表面と内部の硬化性、硬化収縮率の不均一性が
生じ、これによって樹脂表面に皺が形成される。このた
め、照射条件によりその皺の形状は異なり、照射紫外線
の波長選択は皺形成の重要な因子である。
面に皺を形成させた後、300nm以上の波長に最大発光
強度を有する第2の紫外線ランプを用いて、紫外線を照
射することにより、塗布した樹脂(塗膜)内部の硬化を
充分に行い、塗膜の被塗物への付着性、あるいは物性、
耐久性の向上を行うことが可能である。
いての、艶消し表面形成方法では、無論、紫外線照射を
窒素等の不活性ガス雰囲気下で行っても良いが、特にそ
の必要性はなく、通常は大気中での紫外線照射により行
われる。また、第1の紫外線ランプにより、塗布した艶
消し表面形成用樹脂組成物の樹脂表面に皺を形成させた
後、加熱により後硬化処理を行い、塗布した樹脂(塗
膜)内部の硬化を充分に行うことも可能である。
果等により、一層、具体的に説明するが、もとより本発
明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。以
下において、部および%は特に断りのない限りは、すべ
て重量基準であるものとする。
の合成例) 温度計、攪拌器およびコンデンサ−を備えたフラスコ
に、イソホロンジイソシアネート666部と、テトラヒ
ドロフルフリルアクリレート440部とポリエチレング
リコールジアクリレート(分子量約300)300部を
加え、70℃まで昇温した。
ンカプロラクトンの開環反応物(水酸基価140KOH
−mg/g、分子量約1200)1200部を1時間で
攪拌しながら添加した。70℃で7時間反応を行い、系
中のイソシアネート基が、4.9%となったことを確認
して、2ーヒドロキシエチルアクリレート350部を仕
込んだ。70℃で7時間反応を行った後、赤外吸収スペ
クトルにより残存のイソシアネート基が消滅したことを
確認した。
た。この塗料をポリカ−ボネート上に50μmの厚さで
塗装を行った。その後、低圧水銀ランプ(1w/cm)2
灯にて15mmの高さから、ラインスピード6m/min
で照射を行った。次いで、高圧水銀灯(80w/cm)に
て、15cmの高さから、ラインスピード6m/minで
照射を行った。評価結果を表1に示す。
ェニルプロパン−1−オンは、400nm以上の光に対し
て、モル吸光係数が 20l・mol-1・cm-1以下である。
た。この塗料をポリカ−ボネート上に50μmの厚みで
塗装を行った。その後、低圧水銀ランプ(1w/cm)2
灯にて15mmの高さから、ラインスピード6m/min
で照射を行った。次いで、高圧水銀灯(80w/cm)に
て15cmの高さから、ラインスピード6m/minで照
射を行った。評価結果を表1に示す。
ルケトンは、400nm以上の光に対して、モル吸光係数
が 20l・mol-1・cm-1以下である。
た。この塗料をポリカ−ボネート上に50μmの厚さで
塗装を行った。高圧水銀灯(80w/cm)にて15cmの
高さからラインスピード6m/minで照射を行った。
評価結果を表1に示す。
た。この塗料をポリカ−ボネート上に50μmの厚さで
塗装した。その後、低圧水銀ランプ(1w/cm)2灯に
て15mmの高さからラインスピード6m/minで照射
を行った。次いで、高圧水銀灯(80w/cm)にて15
cmの高さからラインスピード6m/minで照射を行っ
た。評価結果を表1に示す。
ルフォスフィンオキサイドは、400nm以上の光に対し
て光吸収特性を有しており、そのモル吸光係数は約20
0(l・mol-1・cm-1)である。
た。この塗料をポリカ−ボネート上に50μmの厚さで
塗装した。その後、低圧水銀ランプ(1w/cm)2灯に
て15mmの高さからラインスピード6m/minで照射
を行った。次いで、高圧水銀灯(80w/cm)にて15
cmの高さからラインスピード6m/minで照射を行っ
た。評価結果を表1に示す。
カーボネート板に塗布し、同様に紫外線硬化させ、それ
らの表面の皺の状態を目視で比較判定し、塗装硬化して
作製されたテストピース100枚の艶消し状態の均一
性、再現性の面から下記のランクにて判定した。 ◎:100枚のテストピースがすべて均一で同様なる表
面艶消し状態を有している。 △:艶消し状態を有しているが、テストピースにより、
艶消し状態が異なっているものが存在している。 ×:艶消し状態が得られなかったり、得られてもテスト
ピースにより状態がまちまちであったり再現性が得られ
ない。
測定法に従い、60度のグロス測定した。測定グロス値
が低い方が塗膜の艶消しが良好なことを示す。 (付着性)1mmの100個のクロスカットを塗膜に作
製し、セロテ−プ剥離残存枡目にて評価した。残存数が
多い方が付着性が良好なことを示す。
表面を有し、且つ塗装物の場合には、素材表面に十分な
付着性を有する、艶消し表面形成用樹脂組成物を用いて
の再現性の良い艶消し表面形成方法を提供できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 (a)脂環族イソシアネート化合物と、
(b)エステル系ポリオールと、(c)水酸基を有する
アクリレート化合物とを必須成分として製造される
(A)ウレタンアクリレートと、(B)アクリレート系
反応性希釈剤と、(C)400nm以上の波長光に対する
モル吸光係数が100(l・mol-1・cm-1)を越えない吸
収特性を有する光開始剤を含む樹脂組成物に、300nm以下の波長に最大発光強度を有し、かつ300
nm〜800nmの波長の光が相対強度として20%以下で
ある紫外線照射ランプを用いて、紫外線照射、硬化させ
ることにより、硬化樹脂表面に微細な皺を発生させ、艶
消し表面を形成することを特徴とする艶消し表面の形成
方法。 - 【請求項2】 (a)脂環族イソシアネート化合物と、
(b)エステル系ポリオールと、(c)水酸基を有する
アクリレート化合物とを必須成分として製造される
(A)ウレタンアクリレートと、(B)アクリレート系
反応性希釈剤と、(C)400nm以上の波長光に対する
モル吸光係数が100(l・mol-1・cm-1)を越えない吸
収特性を有する光開始剤を含む樹脂組成物に、300nm以下の波長に最大発光強度を有し、かつ300
nm〜800nmの波長の光が相対強度として20%以下で
ある紫外線照射ランプを用いて、光照射、硬化させるこ
とにより、硬化樹脂表面に微細な皺を発生させ、次いで
300nm以上の波長に最大発光強度を有する紫外線照射
ランプにより紫外線を照射、硬化させることを特徴とす
る艶消し表面の形成方法。 - 【請求項3】 (b)エステル系ポリオールが、水酸基
として3官能以上のポリカプロラクトンであることを特
徴とする請求項1または2記載の艶消し表面の形成方
法。 - 【請求項4】 (B)アクリレート系反応性希釈剤が、
テトラヒドロフルフリル基を有するものであることを特
徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載の艶消し表
面の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7204931A JP3004897B2 (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | 艶消し表面の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7204931A JP3004897B2 (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | 艶消し表面の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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