JP3000310B2 - カルボキシメチルセルラーゼ及びこれを生産する微生物 - Google Patents
カルボキシメチルセルラーゼ及びこれを生産する微生物Info
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Description
セルラーゼに関し、更に詳細には作用pH範囲及び作用温
度範囲が広く、特にpH安定性が極めて優れた新規酵素カ
ルボキシメチルセルラーゼ5430及びこれを生産する
微生物に関する。
をグルコース、又はセロビオース、或いはセロオリゴ糖
まで分解する酵素反応を触媒する複雑な酵素系から成
り、その作用機構により、C1 酵素、Cx 酵素とβ−グ
ルコシダーゼ、或いはエキソ−β−グルカナーゼ、エン
ド−β−グルカナーゼ、セロビアーゼなどの名称で呼ば
れる酵素の総称と理解されている。長年、セルラーゼ研
究の歴史は専らバイオマス資源の有効利用を図る目的か
ら進められてきており、例えばトリコデルマ属、アスペ
ルギルス属、アクレモニウム属、フミコーラ属などのカ
ビ類にその供給源を求めてきた。然るに、カビを含めて
微生物起源のセルラーゼには、その構成酵素群の作用特
異性や物理化学的諸性質等の多様性が有り、その実態は
未だ明確化されたとは言い難い。
セルロースに対する作用、すなわちエンド型水解作用が
特に高いものをカルボキシメチルセルラーゼと称する
が、最近、カルボキシメチルセルラーゼを含むセルラー
ゼの新規な産業用途として、例えば、衣料用洗浄剤組成
物の添加成分としての用途が開発されている。しかしな
がら、自然界において微生物の生産するセルラーゼは、
上述の微生物起源のものをみるかぎり、大部分が酸性pH
で至適活性を有し、かつアルカリpHにおいて失活する、
いわゆる酸性セルラーゼ(至適作用pHが4〜6)であっ
て、衣料用洗浄剤組成物の要件である、アルカリ側で最
大活性を有し、かつ耐性を有する、いわゆるアルカリセ
ルラーゼ及びアルカリ耐性セルラーゼの存在は極めて少
ないのが実情である。
用し得るアルカリセルラーゼ及びアルカリ耐性セルラー
ゼの生産方法としては、好アルカリ性バチルス属細菌の
培養によりセルラーゼAを採取する方法(特開昭50−
28515号公報)、セルロモナス属に属する好アルカ
リ性細菌を培養してアルカリセルラーゼ301−Aを生
産する方法(特開昭58−224686号公報)、好ア
ルカリ性バチルスNo.1139を培養してカルボキシメ
チルセルラーゼを生産する方法(F.Fukumor
i,T.Kudo and K.Horikoshi,
J.Gen.Microbiol.,131,3339
(1985))及びストレプトマイセス属の一種を用い
てアルカリセルラーゼを生産する方法(特開昭61−1
9483号公報)が報告されているに過ぎず、しかもい
ずれも工業的発酵生産に適うものでは無かった。
あるバチルス エスピー(Bacillus sp.K
SM−635)(微工研菌寄第8872号)が、衣料用
洗浄剤組成物として適したカルボキシメチルセルラーゼ
を効率良く生産すること、及び更に培養条件を選択する
ことにより、より高収率で、カルボキシメチルセルラー
ゼが得られ、工業的発酵生産が可能となることが報告さ
れた。
チルス エスピー KSM−635由来のカルボキシメ
チルセルラーゼは、作用至適温度が40℃付近であり、
低温洗浄に適うものであるが、一方では、より高温下で
の洗浄剤として使用できる酵素が望まれている。また、
一般に、pHが高い程洗剤の洗浄力が向上するので、より
高pHにおいて安定性の高いカルボキシメチルセルラーゼ
が求められている。
作用pH範囲が広く、特に高pHにおける安定性の良好なカ
ルボキシメチルセルラーゼを得ることを目的とする。
メチルセルラーゼを生産する微生物を自然界に求め、鋭
意探索を続けて来たが、今般、フィリピン国 ダバオ・
デル・ソール州 ダバオ市内の土壌より採取したバチル
ス属に属する微生物が、衣料用洗浄剤組成物の添加成分
として有効な新規なカルボキシメチルセルラーゼ543
0を生産すること及び該カルボキシメチルセルラーゼ5
430が従来のカルボキシメチルセルラーゼよりも作用
pH範囲が広く、また熱安定性も優れており、特に高アル
カリpHにおける安定性が良好であることを見出し、本発
明を完成した。
30を生産する微生物は次のような菌学的性状を示す。
尚、該酵素生産菌の分離・培養に用いた培地は次のA〜
Cである。また、Na2CO3は他の成分と別滅菌して加
えた。 培地A(PCMC培地):ポリペプトン(日本製薬
(株)製),20g;カルボキシメチルセルロース(C
MC,山陽国策パルプ(株)製),10g;酵母エキス
(ディフコ ラボラトリーズ社製),1g;KH2PO4
(和光純薬(株)製),1g;NaCl(メルク社
製),5g;Na2CO3 (無水、岩井化学(株)
製),5g;MgSO4・7H2O(和光純薬(株)
製),0.2g;トリパンブルー色素(メルク社製),
0.075g;寒天(ディフコ ラボラトリーズ社
製),15g(脱イオン水で1.0lとする) 培地B:培地Aからトリパンブルー色素を除いたもの。 培地C(CMC−ペプトン培地):CMC,10g;ポ
リペプトン,20g;酵母エキス,0.5g;KH2P
O4,1g;NaCl,5g;Na2CO3,5g(脱イ
オン水で1.0lとする)
8μm×1.2〜2.9μmの桿菌であり、菌体の中央
又は末端近くに楕円形の芽胞(0.7〜1.0μm×
0.7〜1.5μm)を作る。 2.運動性;陽性、周鞭毛を有する。 3.グラム染色;陽性。
する。また、集落の色調は白色である。 (2)栄養液体培地(ニュートリエント・ブロス培地) 生育する。 (3)ニュートリエント・ブロス中におけるNaCl耐
性 5%NaCl及び7%NaClで生育し、10%NaC
lで生育しない。 (4)ゼラチン培地 ゼラチンを液化する。 (5)リトマスミルク培地 培養液の上層を弱く脱色する。
性。 クリステンセン(Christensen)クエン酸寒
天平板培地;陽性。 (10)無機窒素源の利用 陰性。 (11)色素の生成 キング(King)A培地;陰性。 キング(King)B培地;陰性。 馬鈴薯デキストロース寒天栄研;陰性。 マンニット・食塩寒天培地;陰性。 (12)ウレアーゼ 陰性。 (13)オキシダーゼ 陽性。 (14)カタラーゼ 陽性。 (15)生育の範囲 生育温度;15〜50℃ 生育至適温度;25〜<50℃ 生育pH;4.7〜10 生育至適pH;6.0〜9.5 (16)酸素に対する態度 好気的かつ嫌気的に増殖する。 (17)O−F試験 発酵(F)。 (18)プロピオン酸の利用 陽性。 (19)チロシン分解性 陰性。 (20)フェニルアラニンの脱アミノ化 陰性。 (21)糖からの酸生成 陽性;D−リボース、L−アラビノース、D−キシロー
ス、D−グルコース、D−マンノース、蔗糖、トレハロ
ース、マンニトール、グリセロール、D−ガラクトー
ス、ソルビトール 陰性;D−フルクトース、麦芽糖、イノシトール、ラク
トース、デキストリン、ラフィノース、澱粉 (22)DNAのG+C含量 42.9モル%。
マニュアル・オブ・システマティック・バクテリオロジ
ー(Bergey′s Mannual of Sys
tematic Bacteriology)第2巻を
参照した結果、本菌株は有胞子桿菌であるバチルス(B
acillus)属の一種であると判定された。
チルスのいずれとも一致しないのでこれを新規菌株と判
断してバチルス エスピー PKM−5430と命名
し、微工研菌寄第12572号として工業技術院微生物
工業技術研究所に寄託した。
30を収得するには、上記バチルスエスピー PKM−
5430若しくはその変異株を培地中で培養し、得られ
た培養物を通常の酵素精製法を用いて、分離、精製すれ
ばよい。
酵生産にあたっては、適当な培地を加熱等により殺菌
後、バチルス エスピー PKM−5430(微工研菌
寄第12572号)を接種し、15℃〜50℃、好まし
くは25℃〜45℃で、1〜4日振盪又は通気攪拌培養
すれば良い。pHは中性〜pH 10に調整すると良い結果
が得られる。時として発泡するが、適当な消泡剤を適宜
添加することによって解消される。
には、資化し得る窒素源と炭素源を適宜組み合わせて培
養培地に含有させれば良く、特に両栄養源を限定するも
のではない。例えば、窒素源としては、コーングルテン
ミール、大豆粉、コーンスチープリカー、カザミノ酸、
酵母エキス、ファーマメディア、イワシミール、肉エキ
ス、ペプトン、ハイプロ、アジパワー、コーヒー粕、綿
実油粕、カルチベータ、アミフレックス及びアジプロ
ン、ゼスト、アジックスなどの有機窒素源が挙げられ
る。又、炭素源としては、籾殻、麩、濾紙、一般紙類、
おが屑などの植物繊維質、廃糖密、転化糖、CMC、ア
ビセル、セルロース綿、キシラン、ペクチンに加え、資
化し得る炭素源、例えば、リボース、アラビノース、キ
シロース、グルコース、マンノース、フラクトース、麦
芽糖、蔗糖、マンニトール、イノシトール、グリセロー
ルや資化し得る有機酸、例えば、酢酸、クエン酸などが
挙げられる。すなわち、これらの窒素源と炭素源を適宜
組み合わせたいかなる培地を使用しても良く、上述の栄
養源を特に限定するものではない。その他、リン酸、M
g2+,Ca2+,Mn2+,Zn2+,Co2+,Na+,K+な
どの無機塩や、必要であれば、無機、有機態微量栄養源
を含有する培地を適宜選択して使用される。
シメチルセルラーゼ5430を得るには、一般の採取及
び精製の手段に準じて行うことができる。すなわち、培
養物を遠心分離、又は濾過等によって菌体を分離し、そ
の菌体及び培養上清から通常の分離手段、例えば、塩析
法、等電点沈澱法、溶媒沈澱法(メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等)によってタン白を沈澱させた
り、又、限外濾過により濃縮しカルボキシメチルセルラ
ーゼ5430の粗酵素液を得る。塩析法では例えば、硫
安(30〜100%飽和画分)、溶媒沈澱では例えば、
75%エタノール中で酵素を沈澱させた後、濾過あるい
は遠心分離、脱塩することによってこれを凍結乾燥粉末
とすることも可能である。脱塩の方法としては透析又は
セファデックスやバイオゲル等を用いるゲル濾過法等の
一般的方法が用いられる。
きるが必要に応じて公知の方法、例えばヒドロキシアパ
タイトクロマトグラフィー、DEAE−セファデックス
又はDEAE−バイオゲル等のイオン交換クロマトグラ
フィー及びセファデックスやバイオゲルのような分子篩
ゲルクロマトグラフィーを適宜組み合わせて精製し、精
製酵素として使用することも可能である。
ーゼ5430(粗酵素)は、以下に示すような性質を有
する。尚、酵素活性の測定は、以下の方法に従って行っ
た。
G.F.Somers,Laboratory Ex
periments in Biological C
hemistry,Academic Press,N
ew York,U.S.A.,1944)に従って行
った。すなわち、グリシン−NaOH緩衝液(pH 9.
0)0.1 M中で、1.1%(w/v)CMC(A0
1MC)の基質溶液0.9mlに適宜希釈した酵素溶液
0.1mlを加え、通常40℃で20分間反応させ、次い
で0.05%(w/v)の3,5−ジニトロサリチル酸
(和光純薬(株)製)1 mlを添加し、すぐに沸騰水浴
に5分間入れ、次に氷水浴で冷却した。これに脱イオン
水4 mlを更に添加し、その後535nmにおける吸光度
で比色定量した。酵素力価は、上記の条件下で1分間に
1μmoleのグルコースに相当する還元糖を生成する酵素
量を1単位とした。
性:水酸化ナトリウム膨潤セルロース及びリン酸膨潤セ
ルロースは、Tomitaらの方法(Y.Tomit
a,H.Suzuki and K.Nisizaw
a,J.Biochem.,78,499(197
5))の方法に従って調製した。セルロース基質を含有
する基質溶液を用いることと反応温度を30℃にした以
外は(a)と同様な操作により、生成した還元糖を測定
した。
活性:ポリサッカライドを含有する基質溶液を用いるこ
とと反応温度を30℃にした以外は(a)と同様な操作
により、生成した還元糖を測定した。
コピラノシド(PNPG:シグマ社製)及びp−ニトロ
フェニル−β−D−セロビオシド(PNPC:シグマ社
製)に対する加水分解活性:pH 7.0の0.1 Mリン
酸緩衝液中で、PNPG又はPNPC,8 mMを含有す
る基質溶液に、適宜希釈した酵素溶液を加え、30℃で
20分間反応させた。生成したp−ニトロフェノールを
400nmで測定し、その生成量を求めた。
して強い活性を有する。また、セロビオース、PNP
G、PNPC、セルロース粉末及びリン酸膨潤セルロー
スに対しても活性を有する。
は約7.7と約9.5に2つある(図1)。尚、pH 1
0.0においても最大活性の約90%の活性を有し、ま
たpH 11.5においても活性は約50%を越え、pH1
2.5においても約20%の活性を維持している。
トリス−塩酸緩衝液(pH 7〜9)、0.1 M グリ
シン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH 8〜11)、0.
1 M 塩化カリウム−水酸化ナトリウム緩衝液(pH 9
〜14)中で一晩5℃で保持した後、pH 6.0の0.
1 M リン酸ナトリウム緩衝液とpH 9.0の0.1
M グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液中で残存活性を
測定し、pH安定性を調べた。その結果、本酵素は両pH共
にpH 4.6〜12.8の範囲で極めて安定で、ほとん
ど失活しない(図2)。
のグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液中で測定した。そ
の作用温度は10〜78℃の広範囲にわたり、至適温度
は55℃付近である(図3)。
0.1 M グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液中で残
存活性を測定し、熱安定性を調べた。その結果、60℃
加熱まではほとんど失活せず、80℃加熱後も若干の活
性が残存していた(図4)。本条件下において、Ca2+
の添加効果は認められなかった。
混合し、カルボキシメチルセルラーゼ活性をpH 9.0
の0.1 M グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液中
で、40℃にて20分間測定した。試験した種々の金属
イオンの中で1mMHg2+は酵素活性を75%程度阻害し
た。1mM Co2+は酵素活性を約50%促進し、1mM
Mn2+は酵素活性を約30%促進した。尚、同表に示し
た他の金属イオンは若干の阻害又は促進のいずれかを示
し、その他の金属イオンによる影響は認められなかっ
た。
メチルセルラーゼ活性をpH 9.0の0.1 M グリシ
ン−水酸化ナトリウム緩衝液中で、40℃にて20分間
測定した。表3の結果より、本酵素はドデシル硫酸ナト
リウム(SDS)、線状アルキルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム(LAS)、アルキル硫酸エステルナトリウム
塩(AS)、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル
ナトリウム塩(ES)、α−オレフィンスルホン酸ナト
リウム(AOS)、α−スルホン化脂肪酸エステルナト
リウム塩(α−SFE)、脂肪酸塩(石鹸)、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテルによってほとんど活性の阻
害を受けないか、あるいは活性を促進した。就中、SD
Sは26%、脂肪酸塩は45%、酵素活性を促進した。
ルセルラーゼ活性をpH9.0の0.1 M グリシン−
水酸化ナトリウム緩衝液中で、40℃にて20分間測定
した。本酵素の活性はN−ブロモスクシンイミドにより
96%と顕著な阻害を受け、フェニルメタンスルホニル
フルオライドにより24%と中程度の阻害を受けるが、
その他の阻害剤によっては活性阻害を受けない。
物及びプロティナーゼ類の影響 表5に示す各試薬を酵素溶液と混合し、カルボキシメチ
ルセルラーゼ活性をpH9.0の0.1 M グリシン−
水酸化ナトリウム緩衝液中で、40℃にて20分間測定
した。本酵素はEDTA又はEGTAにより活性が多少
阻害された。一方、1mMの2−メルカプトエタノールは
39%、ジチオスレイトールは50%酵素活性を促進し
た。また、アルカラーゼ、マキサターゼ、サビナーゼ、
プロテアーゼAPI−21のようなプロティナーゼで
は、本反応条件下で、本酵素の失活は認められなかっ
た。
kata and K.Nisizawa,J.Bio
chem.,78,499(1975))の方法に従っ
てバイオゲル A−0.5mを用いたゲル濾過を行った
ところ、本酵素の分子量は約26,000±1,000
であった。
430は、作用pH範囲が4.2〜12.5と極めて広く
また、pH 12.8まで極めて安定であるという特徴を
有する。また作用温度が10〜78℃と広く、更に熱安
定性も良好であり、高温高アルカリ洗浄もできるという
特徴を有する。更に、界面活性剤、金属イオン、プロテ
ィナーゼ類等の洗浄剤配合成分によってもほとんど阻害
を受けない。従って、本発明酵素は洗浄剤組成物の配合
成分として有利に使用することができるものである。
説明する。
採取した土壌試料約0.5gを滅菌生理食塩水9mlに懸
濁し、80℃で10分間加熱処理した。この熱処理サン
プルを適当に希釈して、寒天平板〔PCMC培地(培地
A)〕に塗抹し、30℃で3日間培養した。その後、集
落の周りに透明斑を有する菌を同じ平板培地に塗抹し3
0℃で3日間培養して、再度集落を形成させた。
スピー PKM−5430(微工研菌寄第12572
号)を取得した。
5430を培地B(培地Aからトリパンブルー色素を除
いたもの)を用いて斜面培養を行った。次いで、得られ
たコロニーを50 ml容の試験管に入れたCMC−ペプ
トン培地(培地C)5 mlに接種し、300rpm で振盪
しながら30℃にて2日間培養した。更に、500 ml
容の坂口フラスコに入れた同培地50 mlに対して、上
記培養物1 mlを接種し、120rpm で振盪しながら3
0℃にて3日間培養した。
により細胞を除去し、カルボキシメチルセルラーゼ54
30含有培養上清を得た。
(希アンモニア水でpHを中性に維持)し、90%飽和で
沈澱したタン白を遠心分離(11,000×g)によっ
て採取した。この沈澱をpH 7.0の20 mMリン酸緩衝
液中に溶解し、同緩衝液に対して5℃で一晩透析した。
ord,Anal.Biochem.,72,248
(1976))に従い、ウシ血漿ガンマ・グロブリンを
標準として用いたバイオラッドタン白アッセイキット
(バイオラッド ラボラトリーズ社製)によりタン白濃
度を測定し、比活性3.47単位(U)/mgタン白の粗
酵素液を得た。
法(B.J.Davis,Ann.N.Y.Acad.
Sci.,121,404(1964))に従ってポリ
アクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)を9%(w/
v)ポリアクリルアミド スラブゲル(70mm×80m
m,1.0mm厚)上で泳動緩衝液として150 mMトリス
−グリシン緩衝液(pH 8.8)を用いて行った。電気
泳動は、室温で約2時間、ゲル1枚当り10mAで行っ
た。Oakleyらの方法(B.R.Oakley,
D.R.Kirsch and N.R.Morri
s,Anal.Biochem.,105,361(1
980))の方法に従い、タン白を銀染色(銀染色キッ
ト、関東化学製)によって検出した。
を有するタン白バンドをコンゴーレッドで活性染色し
た。すなわち、B'eguinの方法(P.B'egui
n,Anal.Biochem.,131,333(1
983)に従い、泳動したスラブゲルをCMC−寒天プ
レートの表面にのせ37℃で30分間放置した。CMC
−寒天プレートの組成は、2%(w/v)CMC(Su
nrose A10MC)、3%(w/v)NaCl、
10%(v/v)0.5 M グリシン−水酸化ナトリ
ウム緩衝液(pH 9.0)及び0.8%(w/v)寒天
(ディフコ社製)とした。このプレートを0.1%(w
/v)コンゴーレッド(和光純薬(株)製)溶液で15
分間室温で染色し、更に、1.0 M NaCl溶液で
15分間脱色した。その結果、相対移動度(Rm)0.
45の位置にカルボキシメチルセルラーゼ活性を有する
タン白バンドが検出された。
の方法(C.W.Wrigley,Methods E
nzymol.,22,559(1971))に従っ
て、PAGEによる等電点(pI)を求めた。各酵素溶
液(1mg/ml)100μlを13.3%(w/v)グリ
セロール及び6.3%(v/v)ファルマライト(ファ
ルマシア社製:pH範囲3−10)含有アクリルアミドゲ
ル5%(w/v)カラム中で200Vの定電圧で約15
時間電気泳動した。陽極は上部チャンバー(20 mM
H3PO4)に、陰極は下部チャンバー(0.1 M 水
酸化ナトリウム)に接続した。泳動後、0.2%(w/
v)コマシーブリリアンドブルー R−250(メル
ク)でタン白染色した。カルボキシメチルセルラーゼ活
性を実施例4に従って活性染色して、活性バンドの相対
移動度を測定し、pI値を既知のタン白の標準曲線から
求めたところ、pH 4.5であった。
のpH−活性曲線を示す図面である。
のpH安定性を示す図面である。
の温度−活性曲線を示す図面である。
の温度安定性を示す図面である。
Claims (2)
- 【請求項1】 次の物理化学的性質を有するカルボキシ
メチルセルラーゼ5430。 (1)作用 カルボキシメチルセルロースを加水分解する。 (2)基質特異性 カルボキシメチルセルロース及びリケナンに対して強く
作用し、セルロース粉末、リン酸膨潤セルロース、セロ
ビオース、p−ニトロフェニル−β−D−グルコピラノ
シド及びp−ニトロフェニル−β−D−セロビオシドに
対しても作用する。 (3)作用pH及び至適pH 作用pHは4.2〜12.5であり、至適pHは約7.7と
約9.5に2つある。 (4)pH安定性 5℃で一晩保持した場合、pH 4.6〜12.8でほと
んど失活しない。 (5)作用温度及び至適温度 作用温度は10〜78℃、至適温度は55℃付近であ
る。 (6)熱安定性 60℃で10分間加熱してもほとんど失活せず、80℃
加熱後も若干の活性が残存する。 (7)界面活性剤の影響 ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、線状アルキルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)、アルキル硫酸エ
ステルナトリウム塩(AS)、ポリオキシエチレンアル
キル硫酸エステルナトリウム塩(ES)、α−オレフィ
ンスルホン酸ナトリウム(AOS)、α−スルホン化脂
肪酸エステルナトリウム塩(α−SFE)、脂肪酸塩
(石鹸)、ポリオシキエチレンアルキルエーテルは活性
を阻害しない。 (8)分子量(バイオゲルA−0.5mによるゲル濾過
法) 26,000±1,000 - 【請求項2】 請求項1記載のカルボキシメチルセルラ
ーゼ5430を生産する、微工研菌寄第12572号と
して寄託されたバチルス エスピー PKM−543
0。
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