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JP3069292B2 - カテコール化合物及びバニリル化合物の蛍光検出用固相化試薬および検出方法 - Google Patents

カテコール化合物及びバニリル化合物の蛍光検出用固相化試薬および検出方法

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Publication number
JP3069292B2
JP3069292B2 JP8152668A JP15266896A JP3069292B2 JP 3069292 B2 JP3069292 B2 JP 3069292B2 JP 8152668 A JP8152668 A JP 8152668A JP 15266896 A JP15266896 A JP 15266896A JP 3069292 B2 JP3069292 B2 JP 3069292B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
reagent
vanillyl
catechol
diarylethylenediamine
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP8152668A
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JPH102862A (ja
Inventor
均 能田
Original Assignee
株式会社分子バイオホトニクス研究所
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Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社分子バイオホトニクス研究所 filed Critical 株式会社分子バイオホトニクス研究所
Priority to JP8152668A priority Critical patent/JP3069292B2/ja
Publication of JPH102862A publication Critical patent/JPH102862A/ja
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Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カテコールおよび
バニリル化合物の蛍光検出用固相化試薬、および該試薬
を用いたカテコールおよびバニリル化合物の蛍光検出法
に関する。
【0002】
【従来の技術】カテコール化合物及びバニリル化合物の
検出法としては、電気化学的検出方法、または蛍光法が
知られている。電気化学的検出方法は、高感度である
が、電極表面が不純物を吸着しやすく再現性のある結果
が得難い。また、多数試料のバッチ処理は困難である。
カテコール化合物の蛍光定量法としては、エチレンジア
ミンを用いる方法や、1、2−ジアリールエチレンジア
ミンを用いる方法がある。前者は、試薬が不安定であ
り、また感度も十分でない。後者は、高感度であり、試
薬もそれ自身は比較的安定であるが、溶液にすると不安
定であり、用時調製することが好ましい。
【0003】さらに、バニリル化合物の蛍光定量法で
は、ポストカラム蛍光誘導体化高速液体クロマトグラフ
ィー(HPLC)において、過ヨウ素酸酸化した後、
1、2−ジフェニルエチレンジアミンを反応させる方法
が報告されているのみで、多数試料の処理は困難であ
る。また、蛍光誘導体化は、蛍光試薬、その他の試薬、
緩衝液等を加えるため、試料中での目的化合物は希釈さ
れる。従って、高感度のためには、抽出、溶媒除去等に
よる濃縮が必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記記載の従来の検出
法のもつ欠点がなく、カテコール化合物及びバニリル化
合物の検出に対して、使用容易な、かつ保存安定性のよ
い蛍光試薬を提供し、かつ反応液を濃縮することなく高
感度に検出できる方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る検出法は、
被検出化合物であるカテコール化合物またはそのo−メ
チル化合物(すなわちバニリル化合物)を特定の固相に
疎水結合的に保持した1,2−ジアリールエチレンジア
ミンと酸化剤の存在下で反応させ、ベンズオキサゾール
誘導体を形成し、得られるベンズオキサゾール誘導体の
蛍光を定量するものである。
【0006】より詳しくは、本発明は、1,2−ジアリ
ールエチレンジアミンを含む疎水結合層を表面に有する
ことを特徴とする固相化試薬を提供するものである。
【0007】また、前記1、2−ジアリールエチレンジ
アミンのアリール部分が、フェニル、アルキルフェニ
ル、アルコキシフェニル、クロロフェニル、ナフチル、
ビフェニルのいずれかであることを特徴とする固相化試
薬を提供するものである。
【0008】
【0009】また、前記固相化試薬が、薄層プレート、
濾紙、粒子のいずれかの形状を有することを特徴とする
固相化試薬に関するものである。
【0010】さらには、本発明は、カテコール化合物及
びバニリル化合物を、酸化剤とともに、1,2−ジアリ
ールエチレンジアミンを含む疎水結合層を表面に有する
固相化試薬と反応させてベンズオキサゾール誘導体を形
成し、該ベンズオキサゾール誘導体の蛍光を測定するこ
とによるカテコール化合物及びバニリル化合物の検出方
法を提供するものである。
【0011】また、前記酸化剤が、フェリシアン化カリ
ウム、過ヨウ素酸ナトリウム、パーオキシダーゼ−過酸
化水素のいずれかであることを特徴とするカテコール化
合物及びバニリル化合物の検出方法を提供するものであ
る。
【0012】以下、本発明に係る固定化試薬、その調
製、使用方法等について詳しく説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】
(固定化試薬)本発明に係る固定化試薬は、1、2−ジ
アリールエチレンジアミンを適当な担体上に設けられた
疎水結合性層表面に固定化したものである(図1参
照)。
【0014】さらに、本発明に係る固定化試薬は、さら
に、上記疎水結合性層のほか他の用途のための層をも設
けることが可能である。例えば、他の化学試薬を含む
層、試料中の不要物を濾過するための層、得られる蛍光
をより効率的に測定するための反射層等である。さら
に、これらの層は複数の組合せでもよい。
【0015】本発明に係る上記疎水結合性層は、特に限
定されることなく、1、2−ジアリールエチレンジアミ
ンを疎水的相互作用に基づき保持することが可能であれ
ばよく、疎水的相互作用を有するとしてすでに公知の基
が選択され得る。特に好ましくは、逆相型分配(吸着)
クロマトグラフで使用する目的で開発された種々の長鎖
のアルキル(C8〜C18)基等である。 更に、疎水性が十
分かどうかは、実際に使用するジアリールエチレンジア
ミンとの吸着性を検討することで容易に判断可能であ
る。例えば、上記疎水結合性層としてオクタデシル基を
選択する場合、吸着された1,2−ジフェニルエチレン
ジアミンは、水(100%)に対してはもちろん、50%アセト
ニトリルに対しても抽出されることはない。
【0016】本発明に係る上記疎水結合性層は、適当な
担体上に設けることも可能であり、図1にその様子が示
されている。この担体は特に制限されることなく、本発
明に係る固定化試薬の使用目的に応じて種々の形態をと
ることが可能である。例えば、担体がシリカゲルからな
る場合であれば、シリケートによる結合が可能である。
【0017】さらに、本発明に係る固定化試薬は、図1
に示されるように、1、2−ジアリールエチレンジアミ
ンが、該固定化試薬の表面の疎水結合性層に疎水結合に
より固定されているものである。従って、1、2−ジア
リールエチレンジアミンはそのアリール部として、十分
上記の疎水結合を可能とするものが必要であり、例え
ば、フェニル、アルキルフェニル、アルコキシフェニ
ル、クロロフェニル、ナフチル、ビフェニル等は好まし
く使用される。この場合、アリール部分が疎水結合層に
深く結合保持され、ジアミン部分が、その親水性のため
に表面から外側に保持されることになる。
【0018】(固定化試薬の形状)本発明に係る固定化
試薬の形状については特に制限はなく、使用目的により
その形状を任意に選択することが可能である。例えば、
プレートまたは濾紙状、粒状、または粉体状等である。
例えばプレート状のものは、試料液に直接適当な酸化剤
とともに浸漬して使用する際に好適な形状であり、粒状
または粉状の場合には、固定化試薬を適当なカラム等に
充填して、試料を流し込み試料液の濃縮をも同時に行い
試料から被検出成分を分離して後、以下説明するベンズ
オキサゾール誘導体の形成を行うことが可能となる。
【0019】また、望む場合には、本発明に係る固定化
試薬を粉状として、特定の担体物上(例えば、ガラス、
プラスチック)に層を形成し、該層の上または下にさら
に必要な酸化剤を含む層等を重ね、ドライケミストリー
の手法に使用することも可能である。
【0020】(蛍光性ベンズオキサゾール誘導体の形
成)図3に示すように、カテコール化合物またはバニリ
ル化合物は、1、2−ジアリールエチレンジアミンと、
適当な酸化剤の存在下で、ベンズオキサゾール誘導体を
形成するものである。生成するベンゾキサゾール誘導体
は、約440〜500nmに強い蛍光を有する。上記酸
化剤は、被検出物たるカテコール化合物またはバニリル
化合物の種類及び、使用する1,2−ジアリールエチレ
ンジアミンの種類に主に依存する。従って、好適な酸化
剤を通常公知の酸化剤から選択することは容易であり、
特に、フェリシアン化カリ、過ヨウ酸ナトリウム、ヨウ
素酸ナトリウム、パーオキシダーゼ-過酸化水素等が好
ましい例である。また、化学的な酸化のみならず、電気
化学的酸化も使用することが可能である。
【0021】さらに、形成されるベンズオキサゾール誘
導体は、ジアミン部に比較して、より疎水性となり、疎
水性結合層により強く結合することとなる。
【0022】上記蛍光性ベンズオキサゾール形成反応の
条件は特に限定されることはなく、使用目的に応じた種
々の条件(例えば、緩衝液の種類、酸化剤の種類、濃
度、試料の濃度、前処理の程度等に応じて)で、固定化
試薬を接触させることにより、表面で蛍光性のベンズオ
キサゾール形成反応を行う。このとき、必要に応じて、
撹拌あるいは振盪を行うことにより反応を促進する。上
で説明したように、蛍光性の生成物は試薬よりもより疎
水性が高いために、通常の反応条件においては、そのま
ま担体中に保持される。
【0023】形成された蛍光性ベンズオキサゾール誘導
体は、安定に固定化試薬表面に保持されてはいるが、後
の蛍光測定のために、特定の手段で固定化試薬から分離
することも可能である(例えば、有機溶媒による抽
出)。
【0024】(蛍光測定)上記固定化試薬表面で形成さ
れた蛍光性ベンズオキサゾール誘導体の蛍光、または溶
媒抽出等で分離されたベンズオキサゾール誘導体の蛍光
を測定する方法においては特に限定されず、種々の蛍光
測定装置が使用可能である。例えば、上記担体の表面を
励起光照射により直接蛍光を観察する方法が可能であ
る。また、既知濃度の試料による蛍光との比較に基づい
て、試料中の被検出物の濃度を測定することも可能であ
る。
【0025】
【実施例】以下実施例に基づき本発明を具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。
【0026】(実施例1)固定化試薬の調製 50−100mMの1、2−ジフェニルエチレンジアミ
ン水溶液(0.1規定塩酸でpH4−6にして溶解す
る)に、逆相分配型薄層クロマトグラフィー(TLC)
プレート(メルク社製、HPTLC RP18)を浸漬
して、10−60分間、遮光して放置する。
【0027】前記HPTLCプレートを取りだし、表面
を蒸留水で洗浄し、表面の水分を濾紙等で除いた後、デ
シケーター中で乾燥する。
【0028】他の1,2−ジアリルエチレンジアミンで
水に難溶性の場合は、5−30%のアルコールを加えて
溶解することができる。
【0029】(実施例2)カテコール化合物の検出 0.1−0.6Mのグリシンを含む50mMビシン緩衝
液2mlに試料1ml、0.05−0.2%フェリシア
ン化カリウム0.1mlを加える。この混液に実施例1
で調製した固定化試薬を加え、室温〜60℃で10−6
0分間反応させる。後、前記固定化試薬を蒸留水で洗浄
し、余分の水分を濾紙で吸取り、表面の蛍光を測定した
(測定装置;島津製作所(株)製RF5000、測定波
長;励起側330nm、発光側440nm)。
【0030】(実施例3)カテコールおよびバニリル化
合物の検出 試料溶液を弱酸性(pH4−5)に調整し、この1ml
に20mM過ヨウ素酸ナトリウム0.1mlを加えて、
10−20分間放置する。(この反応で、カテコール及
びバニリル化合物はo−キノン体となる)この1mlを
実施例2の試料の代わりに用いて同様に操作する。
【0031】(実施例4)少量の試料 実施例2のビシン緩衝液に浸漬した濾紙(パンチして得
た小片)を実施例で作製した固定化試薬の上にのせ、そ
のうえに試料、フェリシアン化カリウムを滴下して固定
化試薬表面上で反応させる。反応後、表面を蒸留水で洗
浄し、表面上に生成した蛍光スポットを測定する。
【0032】(実施例5)濾紙血試料 前記固定化試薬の上に濾紙血(濾紙に血液をつけて、そ
の部分をパンチして、得られた小片;臨床検査で使う)
をのせ、これにビシン緩衝液およびフェリシアン化カリ
ウムを滴下する。反応後、蒸留水で洗浄し、蛍光測定す
る。
【0033】(実施例6)ODSカートリッジを担体に
した固定化試薬を用いてHPLCでのプレカラム蛍光誘
導体化(図4) 前処理用の市販のODSカートリッジを用いて、これに
実施例1と同様な方法で1,2−ジアリルエチレンジア
ミンを保持させる。これに試料を加えて、前処理し、つ
ぎに0.002%フェリシアン化カリウムを溶解したビ
シン緩衝液を加えて、蛍光反応させる。蛍光誘導体をア
ルコールで溶出して、HPLCの試料とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固定化試薬を模式的に示す図であ
り、支持体上に疎水性結合層が設けられておりその疎水
性部分にジアリールエチレンジアミンを吸着させたもの
を示す図である。
【図2】本発明に係る固定化試薬の可能な使用態様を示
すものであり、(a)は担体上に設けられた疎水結合層
(ジアリールエチレンジアミンを含む)からなるもの、
(b)は、(a)にさらに酸化剤を有する酸化物層を設けたも
のを示す図である。
【図3】本発明に係る、1,2−ジアリールエチレンジ
アミンと、カテコール化合物およびバニリル化合物との
反応により、ベンズオキサゾール誘導体が生成する反応
を示す図である。
【図4】本発明に係る固定化試薬の使用例(実施例6)
を示す図であり、カートリッジにしてHPLCを使用し
てオンライン誘導体化を示す図である。
【符号の説明】
1…担体、2…疎水結合性層、3…含有酸化剤層、4…
カラム、5…試料溶液、6…酸化剤溶液、7…誘導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // G01N 30/88 G01N 30/88 K

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,2−ジアリールエチレンジアミンを
    含む疎水結合層を表面に有することを特徴とする固相化
    試薬。
  2. 【請求項2】 前記1,2−ジアリールエチレンジアミ
    ンのアリール部分が、フェニル、アルキルフェニル、ア
    ルコキシフェニル、クロロフェニル、ナフチル、ビフェ
    ニルのいずれかであることを特徴とする、請求項1に記
    載の固相化試薬。
  3. 【請求項3】 前記固相化試薬が、薄層プレート、濾
    紙、粒子のいずれかの形状を有することを特徴とする、
    請求項1に記載の固相化試薬。
  4. 【請求項4】 カテコール化合物及びバニリル化合物
    を、酸化剤とともに、1,2−ジアリールエチレンジア
    ミンを含む疎水結合層を表面に有する固相化試薬と反応
    させてベンズオキサゾール誘導体を形成し、該ベンズオ
    キサゾール誘導体の蛍光を測定することを特徴とする、
    カテコール化合物及びバニリル化合物の検出方法。
  5. 【請求項5】 前記酸化剤が、フェリシアン化カリウ
    ム、過ヨウ素酸ナトリウム、パーオキシダーゼ−過酸化
    水素のいずれかであることを特徴とする、請求項4に記
    載のカテコール化合物及びバニリル化合物の検出方法。
JP8152668A 1996-06-13 1996-06-13 カテコール化合物及びバニリル化合物の蛍光検出用固相化試薬および検出方法 Expired - Lifetime JP3069292B2 (ja)

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JP4849552B2 (ja) * 2007-01-15 2012-01-11 独立行政法人産業技術総合研究所 蛍光誘導体物質の固体基板表面への固定化方法
EP3251694A1 (en) 2007-08-03 2017-12-06 Summit (Oxford) Limited Drug combinations for the treatment of duchenne muscular dystrophy
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CN101788492A (zh) * 2010-03-25 2010-07-28 盐城师范学院 高灵敏检测痕量铁离子的方法

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