JP3063295U - 変向金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来よりも軽量な変向金具を、その強度ある
いは設計可能性を失うことなしに提供すること。 【解決手段】 安全ベルトのための変向金具（１０）に
おいて、目穴（１４）を有する取り付け部分（１２）
と、該部分の両端において曲部連結部分（１８）によっ
て該取り付け部分（１２）に連結されていて、ベルトの
ための通過スロットを取り囲んだ閉鎖リングを形成する
ための変向ウェブ（１６）とを具備し、アルミニウムあ
るいはアルミニウム合金製の鋳造部品として製造されて
いることを特徴とする変向金具を提供すること。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、安全ベルトのための変向金具すなわち、安全ベルトを曲げてその延 在する向きを変えるための金具ないし器具において、目穴を有する取り付け部分 と、該部分の両端において曲部連結部分（すなわち、曲がった連結部分）によっ て該取り付け部分に連結されていて、ベルトのための通過スロット（すなわち、 ベルトを通すためのスロット）を取り囲んだ閉鎖リングを形成するための変向ウ ェブ（すなわち、帯状部分）とを具備する変向金具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

そのような変向金具は、普通はプラスチックの中に包み込まれた、打ち抜き加 工された鋼部分からなっている。該鋼部分は変向金具の必要な強度を保証し、他 方で望みの表面構造物はプラスチックのケースによって得られている。そのよう な変向金具の欠点は特に重量が比較的大きいことにある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、表面構造物の強度あるいは設計可能性を失うことなしに、従 来の変向金具に比べて重量の減少した、上述のタイプの変向金具を創造すること にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記課題は、アルミニウムあるいはアルミニウム合金でできた固体の鋳造部品 として設計された変向金具によって解決される。本考案は、もし同等の断面積を 有していると仮定するならば、アルミニウムあるいはアルミニウム合金でできた 変向金具の方が軽量であり、しかもプラスチック内に包み込まれた鋼部分ででき た変向金具と少なくとも同じ強度あるいは破壊荷重を有しているという認識に基 本を置いている。アルミニウムあるいはアルミニウム合金は処理が非常に簡単な ので、プラスチックケースを用いることを差し控えても、表面構造物の設計可能 性に関してはいかなる損失も生じない。

【０００５】 本考案の好適実施例によると、ベルトのための変向表面が変向ウェブにおいて 直接的に配置されるという対策がなされている。このことは、変向ウェブがプラ スチックケース内に包み込まれていないことを意味している。プラスチック内に 包み込まれた変向金具の場合には発生する可能性があり、またベルトが非常に張 りつめた状態の場合にはベルトが裂けることにもなるような鋭いエッジ状になる 変形状態は、たとえベルトおよび従って変向金具に極めて大きな荷重が掛かって も発生しないことになる。

【０００６】 本考案による変向金具においては、変向金具の変向表面に関して摩擦減少表面 構造物を設けるような対策を講じてもよい。このことによって安全ベルトを使用 している時の安全ベルトに生じる力が減少し、使用者の快適度が増加する。

【０００７】 本考案による変向金具においては、変向金具の変向表面を少なくとも部分的に 陽極処理するという対策を講じてもよい。このようにすると、該変向金具は、も し必要ならば、色付きの陽極処理をすることによって、各種の色彩をつけて製造 することもできる。

【０００８】 本考案による変向金具のさらに有利な開発ないし発展（展開）事項は、第２項 以下の請求項に記載されている。

【０００９】 本考案について、添付図面において説明した実施例を参照しながら以下説明す る。

【００１０】

【考案の実施の形態】

説明している変向金具１０はアルミニウムあるいはアルミニウム合金でできた 一体構造物の鋳物パーツである。該金具はボルト（図示せず）を挿入することの できる目穴１４を有した取り付け部分１２を有しており、例えば該変向金具１０ はこのボルトによって自動車のＢ形柱に取り付けることができる。該変向金具１ ０はまた、曲部連結部分１８によって前記取り付け部分１２に連結された変向ウ ェブ１６を有している。該変向ウェブ１６には、変向金具１０と変向させようと している安全ベルト（図示せず）との間で接触される変向表面２０が配置されて いる。

【００１１】 従来技術によるプラスチックの中へ包み込まれた変向金具に関して知られてい るように、本考案による変向金具の変向表面にも摩擦を減少させるための表面構 造物を設けることができる。そのような摩擦減少表面構造物の例が図２に示され ている。この例においては、普通なら滑らかな変向表面２０において、凹状にな った多数のくぼみ２２を見ることができる。付属的に、あるいは二者択一的に、 そのような摩擦減少表面構造物はまた、図３に示したように変向表面の上を、安 全ベルトの移動方向を横断する方向へ延在する溝２４を有していてもよい。該摩 擦減少表面構造物は、本考案による変向金具の製造中に、鋳型を適当に設計する ことによって得ることができる。さらに、前記変向表面はテフロン（商品名）で 被覆してもよい。

【００１２】 さらに、図１と図３においては、前記変向ウェブが、前記取り付け部分に向い ていない方（すなわち、対面している向き以外の向きの）の側部において、また 変向表面２０の外側において、変向ウェブの長手方向に延在する２つの凹所２６ を有していることがわかる。これらの凹所の間には変向ウェブ１６の長手方向に 延在するリブ２８が残される。これらの凹所は、リブ２８の凹所領域における変 向金具１０の厚さが増加していることの方が、該領域において前記凹所によって 減少されている巾よりも変向ウェブ１６の抵抗モーメントに大きく貢献するので 、変向金具１０の強度を著しく減少させることなしに、その重量を大きく減少さ せることができる。

【００１３】 さらに、本考案による変向金具の表面を少なくとも部分的に陽極酸化処理して もよい。このようにして、本考案による変向金具の表面は、もし望みならば、各 種の色彩で陽極酸化処理してもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による好ましい一実施例の変向金具の概
略的な頂面図。

【図２】図１のＡ部の詳細拡大図。

【図３】図１の線ＩＩＩ−ＩＩＩに沿った部分の拡大
図。

【符号の説明】

１０ 変向金具 １２ 取り付け部分 １４ 目穴 １６ 変向ウェブ １８ 連結部分 ２０ 変向表面 ２２ くぼみ ２４ 溝 ２６ 凹所 ２８ リブ

Claims (8)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 安全ベルトのための変向金具（１０）で
   あって、目穴（１４）を有する取り付け部分（１２）
   と、この取り付け部分（１２）の両端において曲部連結
   部分（１８）によって該取り付け部分（１２）に連結さ
   れていて、ベルトのための通過スロットを取り囲んだ閉
   鎖リングを形成している変向ウェブ（１６）とを具備し
   たものにおいて、 この変向金具（１０）は、アルミニウムあるいはアルミ
   ニウム合金製の鋳造部品として製造されており、 前記ベルトのための変向表面（２０）が前記変向ウェブ
   （１６）に直接的に配置されていることを特徴とする変
   向金具。
2. 【請求項２】 該変向表面（２０）には摩擦減少表面構
   造物（２２、２４）が設けられている、請求項１に記載
   された変向金具。
3. 【請求項３】 該変向表面（２０）が、普通ならば滑ら
   かな変向表面（２０）に多数のくぼみ（２２）が形成さ
   れている、請求項２に記載された変向金具。
4. 【請求項４】 該変向表面（２０）が、安全ベルトの移
   動方向を横断する方向に、該変向表面（２０）の上を延
   在する少なくとも１つの溝（２４）を有している、請求
   項２又は請求項３に記載された変向金具。
5. 【請求項５】 該変向表面（２０）がテフロン（商品
   名）で被覆されている、請求項１から４までのいずれか
   一つの項に記載された変向金具。
6. 【請求項６】 前記変向金具（１０）の表面が陽極酸化
   処理されている、請求項１から５までのいずれか一つの
   項に記載された変向金具。
7. 【請求項７】 該陽極酸化処理された表面が色彩を帯び
   ている、請求項６に記載された変向金具。
8. 【請求項８】 前記変向ウェブ（１６）が、前記取り付
   け部分（１２）とは別の方を向いた側部において、また
   前記変向表面（２０）の外側において、前記変向ウェブ
   （１６）の長手方向に延在する少なくとも１つの凹所
   （２６）を有しており、それによって少なくとも１つの
   リブ（２８）が前記変向ウェブ（１６）の長手方向に延
   在して形成されるようにしている、請求項１から７まで
   のいずれか一つの項に記載された変向金具。