JP3056927B2 - 薄膜トランジスタ素子およびその製造方法 - Google Patents
薄膜トランジスタ素子およびその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、液晶表示装置等に利
用できる薄膜トランジスタ素子およびその製造方法に関
するものである。
用できる薄膜トランジスタ素子およびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶表示装置を構成するアクティ
ブマトリクス基板における薄膜トランジスタ(以下TF
Tと略する)の構造を、図1の部分断面図を用いて説明
する。
ブマトリクス基板における薄膜トランジスタ(以下TF
Tと略する)の構造を、図1の部分断面図を用いて説明
する。
【0003】非晶質シリコン薄膜トランジスタは、ガラ
スや石英などの絶縁性基板1上に第1の電極たとえばア
ルミニウムからなるゲート電極8が形成され、そのゲー
ト電極8を覆うようにしてアルミニウムを陽極酸化する
ことによって第1のゲート絶縁膜9が形成され、さらに
窒化シリコンの第2のゲート絶縁膜10を介して非晶質
シリコン半導体層(a−Si層)11とチャンネルスト
ッパ層12が形成され、チタンおよびアルミニウムから
なるソース電極13aおよびドレイン電極13bがリン
を含む非晶質シリコン半導体層(n+ a−Si層)11
a,11bを介して形成されている。
スや石英などの絶縁性基板1上に第1の電極たとえばア
ルミニウムからなるゲート電極8が形成され、そのゲー
ト電極8を覆うようにしてアルミニウムを陽極酸化する
ことによって第1のゲート絶縁膜9が形成され、さらに
窒化シリコンの第2のゲート絶縁膜10を介して非晶質
シリコン半導体層(a−Si層)11とチャンネルスト
ッパ層12が形成され、チタンおよびアルミニウムから
なるソース電極13aおよびドレイン電極13bがリン
を含む非晶質シリコン半導体層(n+ a−Si層)11
a,11bを介して形成されている。
【0004】このようなTFTの製造方法における製作
工程の例は図2に示す通りである。まず、図2(a)の
ように絶縁性基板1上にアルミニウム(Al)を製膜し
て、フォトリソグラフィ技術によりゲート電極8を形成
する。次に図2(b)のようにゲート電極8の必要部分
に陽極酸化することにより、酸化アルミニウム(AlO
x)の第1のゲート絶縁膜9を形成する。次に図2
(c)のようにTFTの主材料である窒化シリコン(S
iNx )からなる第2のゲート絶縁膜10、非晶質半導
体層(a−Si層)11、チャンネルストッパ層12お
よびソース・ドレイン電極13a,13bと半導体間で
オーミック接触を得るためのn+ a−Si層11a,1
1bをプラズマCVD法により連続製膜し、図2(d)
のようにTFTを形成する部分以外のチャンネルストッ
パ層12とa−Si層11およびn+a−Si層11
a,11bをエッチング除去する。最後に図2(e)の
ようにAlを製膜してフォトリソグラフィ技術によりソ
ース電極13aおよびドレイン電極13bを形成し、T
FTのチャンネル部上のn+ a−Si層11a,11b
を除去してTFTが完成する。
工程の例は図2に示す通りである。まず、図2(a)の
ように絶縁性基板1上にアルミニウム(Al)を製膜し
て、フォトリソグラフィ技術によりゲート電極8を形成
する。次に図2(b)のようにゲート電極8の必要部分
に陽極酸化することにより、酸化アルミニウム(AlO
x)の第1のゲート絶縁膜9を形成する。次に図2
(c)のようにTFTの主材料である窒化シリコン(S
iNx )からなる第2のゲート絶縁膜10、非晶質半導
体層(a−Si層)11、チャンネルストッパ層12お
よびソース・ドレイン電極13a,13bと半導体間で
オーミック接触を得るためのn+ a−Si層11a,1
1bをプラズマCVD法により連続製膜し、図2(d)
のようにTFTを形成する部分以外のチャンネルストッ
パ層12とa−Si層11およびn+a−Si層11
a,11bをエッチング除去する。最後に図2(e)の
ようにAlを製膜してフォトリソグラフィ技術によりソ
ース電極13aおよびドレイン電極13bを形成し、T
FTのチャンネル部上のn+ a−Si層11a,11b
を除去してTFTが完成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来例は、陽極酸化によって形成された第1のゲート絶縁
膜9において、後工程のチャンネルストッパ層12の形
成のためのBHFエッチング中に、たとえば図2(c)
の第2のゲート絶縁膜10の欠陥部17などによる陽極
酸化膜である第1のゲート絶縁膜9の露出部で、図2
(d)のように第1のゲート絶縁膜9がフッ酸によって
エッチングされ、第1のゲート絶縁膜9が薄くなること
により、低耐圧部が発生するという問題点があった。
来例は、陽極酸化によって形成された第1のゲート絶縁
膜9において、後工程のチャンネルストッパ層12の形
成のためのBHFエッチング中に、たとえば図2(c)
の第2のゲート絶縁膜10の欠陥部17などによる陽極
酸化膜である第1のゲート絶縁膜9の露出部で、図2
(d)のように第1のゲート絶縁膜9がフッ酸によって
エッチングされ、第1のゲート絶縁膜9が薄くなること
により、低耐圧部が発生するという問題点があった。
【0006】これに対して、耐フッ酸性に優れた第1の
ゲート絶縁膜9を形成しようとすると、膜表面の凹凸が
大きくなって、絶縁耐圧を低下させるという問題点もあ
った。
ゲート絶縁膜9を形成しようとすると、膜表面の凹凸が
大きくなって、絶縁耐圧を低下させるという問題点もあ
った。
【0007】その結果、図1のようにゲート電極8−ド
レイン電極13b間が短絡15する可能性があった。
レイン電極13b間が短絡15する可能性があった。
【0008】したがって、この発明の目的は、第1の絶
縁膜の耐フッ酸性と絶縁耐圧を達成することができる薄
膜トランジスタ素子およびその製造方法を提供すること
である。
縁膜の耐フッ酸性と絶縁耐圧を達成することができる薄
膜トランジスタ素子およびその製造方法を提供すること
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の薄膜トランジ
スタ素子は、絶縁性基板上に形成された第1の電極と、
この第1の電極の表面に陽極酸化により形成した絶縁層
と耐フッ酸性のある層を含む2層以上の第1の絶縁膜
と、この第1の絶縁膜上に陽極酸化以外の手段によって
形成された第2の絶縁膜と、この第2の絶縁膜上に形成
されたチャンネルストッパ層を含む半導体層と、この半
導体層上に形成された第2の電極とを備えたものであ
る。
スタ素子は、絶縁性基板上に形成された第1の電極と、
この第1の電極の表面に陽極酸化により形成した絶縁層
と耐フッ酸性のある層を含む2層以上の第1の絶縁膜
と、この第1の絶縁膜上に陽極酸化以外の手段によって
形成された第2の絶縁膜と、この第2の絶縁膜上に形成
されたチャンネルストッパ層を含む半導体層と、この半
導体層上に形成された第2の電極とを備えたものであ
る。
【0010】請求項2の薄膜トランジスタ素子の製造方
法は、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法
であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の電解液
の有機溶媒に、第1層は水を20%から30%含み、第
2層は水を60%から80%含むことにより、絶縁層と
耐フッ酸性のある層を形成するものである。
法は、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法
であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の電解液
の有機溶媒に、第1層は水を20%から30%含み、第
2層は水を60%から80%含むことにより、絶縁層と
耐フッ酸性のある層を形成するものである。
【0011】請求項3の薄膜トランジスタ素子の製造方
法は、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法
であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の電流値
が、第1層は1mA/cm 2 を超えた値から10mA/
cm 2 、第2層は0.1mA/cm 2 から1mA/cm
2 とすることにより、絶縁層と耐フッ酸性のある層を形
成するものである。
法は、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法
であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の電流値
が、第1層は1mA/cm 2 を超えた値から10mA/
cm 2 、第2層は0.1mA/cm 2 から1mA/cm
2 とすることにより、絶縁層と耐フッ酸性のある層を形
成するものである。
【0012】請求項4の薄膜トランジスタ素子の製造方
法は、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法
であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の温度
が、第1層は20℃から30℃であり、第2層は50℃
から60℃とすることにより、絶縁層と耐フッ酸性のあ
る層を形成するものである。
法は、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法
であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の温度
が、第1層は20℃から30℃であり、第2層は50℃
から60℃とすることにより、絶縁層と耐フッ酸性のあ
る層を形成するものである。
【0013】請求項5の薄膜トランジスタ素子の製造方
法は、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法
であって、第1の絶縁膜の少なくとも一層を形成する際
の陽極酸化時の電解液にフッ素を含むものである。
法は、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法
であって、第1の絶縁膜の少なくとも一層を形成する際
の陽極酸化時の電解液にフッ素を含むものである。
【0014】請求項6の薄膜トランジスタ素子の製造方
法は、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に
おいて、第1の電極をAlまたはTaを主成分とした薄
膜とするものである。
法は、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に
おいて、第1の電極をAlまたはTaを主成分とした薄
膜とするものである。
【0015】
【作用】請求項1の薄膜トランジスタ素子によれば、第
1の電極上に陽極酸化により形成する第1の絶縁膜を、
絶縁層と耐フッ酸性のある層を含む2層以上に形成した
ため、第2の絶縁膜の欠陥部などによりチャンネルスト
ッパ層の形成の際のBHFエッチング中に欠陥部等を通
して第1の絶縁膜がエッチングされ、低耐圧部が発生す
るのを防止でき、このため耐フッ酸性と絶縁耐圧を同時
に向上できるので、ゲート電極とソース電極間等の短絡
を防止することができる。
1の電極上に陽極酸化により形成する第1の絶縁膜を、
絶縁層と耐フッ酸性のある層を含む2層以上に形成した
ため、第2の絶縁膜の欠陥部などによりチャンネルスト
ッパ層の形成の際のBHFエッチング中に欠陥部等を通
して第1の絶縁膜がエッチングされ、低耐圧部が発生す
るのを防止でき、このため耐フッ酸性と絶縁耐圧を同時
に向上できるので、ゲート電極とソース電極間等の短絡
を防止することができる。
【0016】請求項2の薄膜トランジスタ素子の製造方
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の
電解液の有機溶媒に、第1層は水を20%から30%含
み、第2層は水を60%から80%含むことにより、絶
縁層と耐フッ酸性のある層を形成するため、ゲート電極
とソース電極間等の短絡のない薄膜トランジスタ素子が
形成できるので、歩留りを向上することができる。
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の
電解液の有機溶媒に、第1層は水を20%から30%含
み、第2層は水を60%から80%含むことにより、絶
縁層と耐フッ酸性のある層を形成するため、ゲート電極
とソース電極間等の短絡のない薄膜トランジスタ素子が
形成できるので、歩留りを向上することができる。
【0017】請求項3の薄膜トランジスタ素子の製造方
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の
電流値が、第1層は1mA/cm 2 を超えた値から10
mA/cm 2 、第2層は0.1mA/cm 2 から1mA
/cm 2 とすることにより、絶縁層と耐フッ酸性のある
層を形成するため、請求項2と同作用がある。
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の
電流値が、第1層は1mA/cm 2 を超えた値から10
mA/cm 2 、第2層は0.1mA/cm 2 から1mA
/cm 2 とすることにより、絶縁層と耐フッ酸性のある
層を形成するため、請求項2と同作用がある。
【0018】請求項4の薄膜トランジスタ素子の製造方
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の
温度が、第1層は20℃から30℃であり、第2層は5
0℃から60℃とすることにより、絶縁層と耐フッ酸性
のある層を形成するため、同作用がある。
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の
温度が、第1層は20℃から30℃であり、第2層は5
0℃から60℃とすることにより、絶縁層と耐フッ酸性
のある層を形成するため、同作用がある。
【0019】請求項5の薄膜トランジスタ素子の製造方
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜の少なくとも一層を形成
する際の陽極酸化時の電解液にフッ素を含むため、請求
項2と同作用がある。
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜の少なくとも一層を形成
する際の陽極酸化時の電解液にフッ素を含むため、請求
項2と同作用がある。
【0020】請求項6の薄膜トランジスタ素子の製造方
法によれば、請求項2、請求項3、請求項4または請求
項5において、第1の電極をAlまたはTaを主成分と
した薄膜とするため、請求項2、請求項3、請求項4ま
たは請求項5の作用のほか、第1の電極が単一層および
積層のいずれの場合でも、第1の絶縁膜の形成が容易に
できる。
法によれば、請求項2、請求項3、請求項4または請求
項5において、第1の電極をAlまたはTaを主成分と
した薄膜とするため、請求項2、請求項3、請求項4ま
たは請求項5の作用のほか、第1の電極が単一層および
積層のいずれの場合でも、第1の絶縁膜の形成が容易に
できる。
【0021】
【実施例】この発明の第1の実施例を図3に基づいて説
明する。すなわち、図3は薄膜トランジスタ素子の製造
工程を示す部分断面図であり、1は薄膜トランジスタ素
子の絶縁性基板であり、ガラス基板を用いている。2は
絶縁性基板1上に形成されたストライプ状のAl膜のゲ
ート電極である第1の電極である。3は第1の電極2の
表面に陽極酸化により形成した絶縁層である耐圧性のあ
る第1層3aと耐フッ酸性のある第2層3bからなるA
l2 O3 のゲート絶縁膜である第1の絶縁膜である。4
は第1の絶縁膜3上に陽極酸化以外の手段によって形成
されたSiNx (窒化シリコン絶縁膜)のゲート絶縁膜
である第2の絶縁膜である。5はa−Si層(非晶質シ
リコン半導体層)の半導体層である。6はSiNx 膜の
チャンネルストッパ層である。7は第1の電極2に直交
したソース電極である第2の電極である。
明する。すなわち、図3は薄膜トランジスタ素子の製造
工程を示す部分断面図であり、1は薄膜トランジスタ素
子の絶縁性基板であり、ガラス基板を用いている。2は
絶縁性基板1上に形成されたストライプ状のAl膜のゲ
ート電極である第1の電極である。3は第1の電極2の
表面に陽極酸化により形成した絶縁層である耐圧性のあ
る第1層3aと耐フッ酸性のある第2層3bからなるA
l2 O3 のゲート絶縁膜である第1の絶縁膜である。4
は第1の絶縁膜3上に陽極酸化以外の手段によって形成
されたSiNx (窒化シリコン絶縁膜)のゲート絶縁膜
である第2の絶縁膜である。5はa−Si層(非晶質シ
リコン半導体層)の半導体層である。6はSiNx 膜の
チャンネルストッパ層である。7は第1の電極2に直交
したソース電極である第2の電極である。
【0022】この実施例によれば、第1の電極2上に形
成する第1の絶縁膜3を陽極酸化により、耐圧性のある
第1層3aと耐フッ酸性のある第2層3bを含むため、
図3(d)のように第2の絶縁膜4の欠陥部17などに
よりチャンネルストッパ層6の形成の際のBHFエッチ
ング中に欠陥部17を通して第1の絶縁膜3がエッチン
グされ低耐圧部が発生するのを防止でき、耐フッ酸性と
絶縁耐圧を同時に向上できるので、ゲート電極である第
1の電極2とソース電極である第2の電極7間等の短絡
を防止することができる。
成する第1の絶縁膜3を陽極酸化により、耐圧性のある
第1層3aと耐フッ酸性のある第2層3bを含むため、
図3(d)のように第2の絶縁膜4の欠陥部17などに
よりチャンネルストッパ層6の形成の際のBHFエッチ
ング中に欠陥部17を通して第1の絶縁膜3がエッチン
グされ低耐圧部が発生するのを防止でき、耐フッ酸性と
絶縁耐圧を同時に向上できるので、ゲート電極である第
1の電極2とソース電極である第2の電極7間等の短絡
を防止することができる。
【0023】なお、第1の絶縁膜3は2層以上形成され
てもよい。
てもよい。
【0024】つぎにこの薄膜トランジスタ素子の製造方
法について説明する。すなわち、図3に示すように、絶
縁性基板1としてのガラス基板上にAl膜を300nm
形成し、フォトリソグラフィとエッチングにより第1の
電極2として図3(a)のようにゲート電極を完成し
た。陽極酸化法により、第1の絶縁膜3の第1層3aと
して図3(b)のようにAl2 O3 膜(Alの陽極酸化
膜)を100nm形成した。陽極酸化条件はクエン酸ア
ンモニウムを主成分とし、エチレングリコールを溶媒と
する電解液を30℃に加温し、電流密度5mA/c
m2 、所定電圧70Vまで定電流で行った。続いて第2
層3bとして図3(c)のようにAl2 O3 膜を100
nm形成した。陽極酸化条件はクエン酸アンモニウムを
主成分とし、水を溶媒とする電解液を30℃に加温し、
電流密度0.5mA/cm2 、所定電圧140Vまで定
電流で行った。140V到達後は定電圧で電流値が初期
の1%に低下するまで延長した。
法について説明する。すなわち、図3に示すように、絶
縁性基板1としてのガラス基板上にAl膜を300nm
形成し、フォトリソグラフィとエッチングにより第1の
電極2として図3(a)のようにゲート電極を完成し
た。陽極酸化法により、第1の絶縁膜3の第1層3aと
して図3(b)のようにAl2 O3 膜(Alの陽極酸化
膜)を100nm形成した。陽極酸化条件はクエン酸ア
ンモニウムを主成分とし、エチレングリコールを溶媒と
する電解液を30℃に加温し、電流密度5mA/c
m2 、所定電圧70Vまで定電流で行った。続いて第2
層3bとして図3(c)のようにAl2 O3 膜を100
nm形成した。陽極酸化条件はクエン酸アンモニウムを
主成分とし、水を溶媒とする電解液を30℃に加温し、
電流密度0.5mA/cm2 、所定電圧140Vまで定
電流で行った。140V到達後は定電圧で電流値が初期
の1%に低下するまで延長した。
【0025】つぎに図3(d)のようにプラズマCVD
法により第2の絶縁膜4としてゲート絶縁膜SiN
x (窒化シリコン絶縁膜)を200nm製膜するととも
に、半導体層5のa−Si(非晶質シリコン半導体層)
を50nmと、その上に設けられるチャンネルストッパ
層6のSiNx 膜を100nm連続製膜した。このチャ
ンネルストッパ層6のSiNx 膜を選択的にエッチング
し、図3(e)のようにチャンネルストッパ層6とし
た。Alの300nmをスパッタリング法で形成した
後、フォトリソグラフィとエッチングにより、図3
(f)のようにソース電極7を形成し、薄膜トランジス
タ素子を完成した。
法により第2の絶縁膜4としてゲート絶縁膜SiN
x (窒化シリコン絶縁膜)を200nm製膜するととも
に、半導体層5のa−Si(非晶質シリコン半導体層)
を50nmと、その上に設けられるチャンネルストッパ
層6のSiNx 膜を100nm連続製膜した。このチャ
ンネルストッパ層6のSiNx 膜を選択的にエッチング
し、図3(e)のようにチャンネルストッパ層6とし
た。Alの300nmをスパッタリング法で形成した
後、フォトリソグラフィとエッチングにより、図3
(f)のようにソース電極7を形成し、薄膜トランジス
タ素子を完成した。
【0026】また比較測定のため、第1の絶縁膜3を第
1層3aまたは第2層3bのどちらか一層としたサンプ
ルも用意した。
1層3aまたは第2層3bのどちらか一層としたサンプ
ルも用意した。
【0027】これらのサンプルについて、ゲート電極2
とソース電極7間に50V印加したときのショート発生
数を測定した。尚クロスポイントは一枚あたり10万個
有するものを用いた。その結果、第1の絶縁膜3の構成
と欠陥数の関係を表1に示した。
とソース電極7間に50V印加したときのショート発生
数を測定した。尚クロスポイントは一枚あたり10万個
有するものを用いた。その結果、第1の絶縁膜3の構成
と欠陥数の関係を表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】ここで、第1の実施例のサンプルは、第1
層3aが水系で第2層3bが非水系の場合の欠陥数と、
第1層3aが非水系で第2層3bが水系の場合の欠陥数
を示し、比較のためのサンプルは非水系の場合と水系の
場合の各欠陥数を示している。この表1より、第1の絶
縁膜3を2層構成としたものが良好であることがわかっ
た。
層3aが水系で第2層3bが非水系の場合の欠陥数と、
第1層3aが非水系で第2層3bが水系の場合の欠陥数
を示し、比較のためのサンプルは非水系の場合と水系の
場合の各欠陥数を示している。この表1より、第1の絶
縁膜3を2層構成としたものが良好であることがわかっ
た。
【0030】したがって、この薄膜トランジスタ素子の
製造方法によれば、耐圧性のある層と耐フッ酸性のある
層を形成したため、ゲート電極2とソース電極7間の短
絡のない薄膜トランジスタ素子が形成できるので、欠陥
のない緻密な第1の絶縁膜3を得ることで、歩留りを向
上することができる。
製造方法によれば、耐圧性のある層と耐フッ酸性のある
層を形成したため、ゲート電極2とソース電極7間の短
絡のない薄膜トランジスタ素子が形成できるので、欠陥
のない緻密な第1の絶縁膜3を得ることで、歩留りを向
上することができる。
【0031】この発明の第2の実施例の薄膜トランジス
タ素子の製造方法について説明する。すなわち、絶縁性
基板1としてのガラス基板上にAl:Ta膜を300n
m形成し、フォトリソグラフィとエッチングにより第1
の電極2としてゲート電極を形成した。第1の絶縁膜3
のAl2 O3 膜の第1層3aおよび第2層3bは、表2
に示したように、種々の陽極酸化条件とくに電解液の溶
媒の液組成(水:有機溶媒)と耐HF性の関係に着目し
て、各々100nmの厚さに形成した。この時の陽極酸
化条件は、温度30℃、アジピン酸アンモニウムの非水
溶液を用いて、電流密度1mA/cm2 であった。その
他は第1の実施例と同様である。
タ素子の製造方法について説明する。すなわち、絶縁性
基板1としてのガラス基板上にAl:Ta膜を300n
m形成し、フォトリソグラフィとエッチングにより第1
の電極2としてゲート電極を形成した。第1の絶縁膜3
のAl2 O3 膜の第1層3aおよび第2層3bは、表2
に示したように、種々の陽極酸化条件とくに電解液の溶
媒の液組成(水:有機溶媒)と耐HF性の関係に着目し
て、各々100nmの厚さに形成した。この時の陽極酸
化条件は、温度30℃、アジピン酸アンモニウムの非水
溶液を用いて、電流密度1mA/cm2 であった。その
他は第1の実施例と同様である。
【0032】第1の絶縁膜3の膜質の評価は、チャンネ
ルストッパ層6の形成時に用いるBHF液によるエッチ
ング量と膜表面の凹凸の観察によって行った。第1層3
aと第2層3bの積層構成の良否の判定は、BHF液の
エッチング量では2分浸漬後の陽極酸化膜の残膜量が3
0nm以上のものを○、0より大きく20nm以下を
△、0以下を×とした。膜表面の凹凸は目検で白濁の感
じられるものを×とした。これら2点より両方を満足す
るものを○とした。
ルストッパ層6の形成時に用いるBHF液によるエッチ
ング量と膜表面の凹凸の観察によって行った。第1層3
aと第2層3bの積層構成の良否の判定は、BHF液の
エッチング量では2分浸漬後の陽極酸化膜の残膜量が3
0nm以上のものを○、0より大きく20nm以下を
△、0以下を×とした。膜表面の凹凸は目検で白濁の感
じられるものを×とした。これら2点より両方を満足す
るものを○とした。
【0033】
【表2】
【0034】表2を参照すると、第1層3aと第2層3
bの液組成の構成が、第1層(水:有機溶媒)/第2層
(水:有機溶媒)として、20:80 /60:40 ,20:80 /8
0:20,30:70 /60:40 ,30:70 /80:20 の4種類でよい
結果が得られた。
bの液組成の構成が、第1層(水:有機溶媒)/第2層
(水:有機溶媒)として、20:80 /60:40 ,20:80 /8
0:20,30:70 /60:40 ,30:70 /80:20 の4種類でよい
結果が得られた。
【0035】つぎに、実施例1と同様に4種類の積層構
成の薄膜トランジスタ素子を作製し、これらのサンプル
についてゲート電極2とソース電極7間に50V印加し
たときのショート発生数を測定した。その結果、いずれ
も欠陥数はゼロであった。
成の薄膜トランジスタ素子を作製し、これらのサンプル
についてゲート電極2とソース電極7間に50V印加し
たときのショート発生数を測定した。その結果、いずれ
も欠陥数はゼロであった。
【0036】したがって、第1の絶縁膜3を形成する陽
極酸化時の電解液の溶媒として有機溶媒に、第1層3a
は水を30%以下含み、第2層3bは水を60%以上含
むことにより、耐圧性のある層と耐フッ酸性のある層を
形成し得ることがわかる。これにより、第1の実施例と
同様の効果を得ることができる。
極酸化時の電解液の溶媒として有機溶媒に、第1層3a
は水を30%以下含み、第2層3bは水を60%以上含
むことにより、耐圧性のある層と耐フッ酸性のある層を
形成し得ることがわかる。これにより、第1の実施例と
同様の効果を得ることができる。
【0037】この発明の第3の実施例の薄膜トランジス
タ素子の製造方法について説明する。すなわち、実施例
2と同様に、ガラス基板上にAl:Ta膜を300nm
形成し、フォトリソグラフィとエッチングにより第1の
電極2としてゲート電極を形成した。第1の絶縁膜3の
Al2 O3 膜の第1層3aおよび第2層3bは、表3に
示したように、種々の陽極酸化条件とくに電流密度と耐
HF性の関係に着目して、各々100nmの厚さに形成
した。この時の陽極酸化条件は、温度30℃、アジピン
酸アンモニウムの非水溶液を用いて行った。その他は第
1の実施例と同様である。また膜質評価は実施例2と同
様である。
タ素子の製造方法について説明する。すなわち、実施例
2と同様に、ガラス基板上にAl:Ta膜を300nm
形成し、フォトリソグラフィとエッチングにより第1の
電極2としてゲート電極を形成した。第1の絶縁膜3の
Al2 O3 膜の第1層3aおよび第2層3bは、表3に
示したように、種々の陽極酸化条件とくに電流密度と耐
HF性の関係に着目して、各々100nmの厚さに形成
した。この時の陽極酸化条件は、温度30℃、アジピン
酸アンモニウムの非水溶液を用いて行った。その他は第
1の実施例と同様である。また膜質評価は実施例2と同
様である。
【0038】
【表3】
【0039】表3を参照すると、第1層3aと第2層3
bの構成が、第1層の電流密度/第2層の電流密度とし
て、5mA/cm2 /0.1mA/cm2 ,5mA/cm2 /0.5mA/cm2 ,5m
A/cm2 /1mA/cm2 ,10mA/cm2/0.1mA/cm2 ,10mA/cm2/
0.5mA/cm2 ,10mA/cm2cm2 の6種類でよい結果が得られ
た。
bの構成が、第1層の電流密度/第2層の電流密度とし
て、5mA/cm2 /0.1mA/cm2 ,5mA/cm2 /0.5mA/cm2 ,5m
A/cm2 /1mA/cm2 ,10mA/cm2/0.1mA/cm2 ,10mA/cm2/
0.5mA/cm2 ,10mA/cm2cm2 の6種類でよい結果が得られ
た。
【0040】また実施例1と同様に6種類の積層構成の
薄膜トランジスタ素子を作製し、これらのサンプルにつ
いてゲート電極2とソース電極7間に50V印加したと
きのショート発生数を測定した。その結果、いずれも欠
陥数はゼロであった。
薄膜トランジスタ素子を作製し、これらのサンプルにつ
いてゲート電極2とソース電極7間に50V印加したと
きのショート発生数を測定した。その結果、いずれも欠
陥数はゼロであった。
【0041】したがって、第1の絶縁膜3を形成する陽
極酸化時の電流値が、第1層3aは1mA/cm2 より
大きく、第2層3bは1mA/cm2 以下とすることに
より、耐圧性のある層と耐フッ酸性のある層を形成し得
ることがわかる。
極酸化時の電流値が、第1層3aは1mA/cm2 より
大きく、第2層3bは1mA/cm2 以下とすることに
より、耐圧性のある層と耐フッ酸性のある層を形成し得
ることがわかる。
【0042】この発明の第4の実施例の薄膜トランジス
タ素子の製造方法について説明する。すなわち、実施例
2と同様に、ガラス基板上にAl:Ta膜を300nm
形成し、フォトリソグラフィとエッチングにより第1の
電極2としてゲート電極を形成した。第1の絶縁膜3の
Al2 O3 膜の第1層3aおよび第2層3bは、表4に
示したように、種々の陽極酸化条件とくに温度すなわち
電解液の浴温と耐HF性の関係に着目して、各々100
nmの厚さに形成した。この時の陽極酸化条件は、アジ
ピン酸アンモニウムの非水溶液を用いて電流密度1mA
/cm2 で行った。その他は第1の実施例と同様であ
り、また膜質評価は実施例2と同様である。
タ素子の製造方法について説明する。すなわち、実施例
2と同様に、ガラス基板上にAl:Ta膜を300nm
形成し、フォトリソグラフィとエッチングにより第1の
電極2としてゲート電極を形成した。第1の絶縁膜3の
Al2 O3 膜の第1層3aおよび第2層3bは、表4に
示したように、種々の陽極酸化条件とくに温度すなわち
電解液の浴温と耐HF性の関係に着目して、各々100
nmの厚さに形成した。この時の陽極酸化条件は、アジ
ピン酸アンモニウムの非水溶液を用いて電流密度1mA
/cm2 で行った。その他は第1の実施例と同様であ
り、また膜質評価は実施例2と同様である。
【0043】
【表4】
【0044】表4を参照すると、第1層3aと第2層3
bの構成が、第1層の温度/第1層の温度として、20℃
/50℃,20℃/60℃,30℃/50℃,30℃/60℃,の4種
類でよい結果が得られた。
bの構成が、第1層の温度/第1層の温度として、20℃
/50℃,20℃/60℃,30℃/50℃,30℃/60℃,の4種
類でよい結果が得られた。
【0045】また実施例1と同様に4種類の積層構成で
薄膜トランジスタ素子を作製し、これらのサンプルにつ
いてゲート電極2とソース電極7間に50V印加したと
きのショート発生数を測定した。その結果、いずれも欠
陥数はゼロであった。
薄膜トランジスタ素子を作製し、これらのサンプルにつ
いてゲート電極2とソース電極7間に50V印加したと
きのショート発生数を測定した。その結果、いずれも欠
陥数はゼロであった。
【0046】したがって、第1の絶縁膜3を形成する陽
極酸化時の温度が、第1層3aは30℃以下であり、第
2層3bは50℃以上とすることにより、耐圧性のある
層と耐フッ酸性のある層を形成し得ることがわかる。
極酸化時の温度が、第1層3aは30℃以下であり、第
2層3bは50℃以上とすることにより、耐圧性のある
層と耐フッ酸性のある層を形成し得ることがわかる。
【0047】この発明の第5の実施例の薄膜トランジス
タ素子の製造方法について説明する。すなわち、実施例
2と同様に、ガラス基板上にAl:Ta膜を300nm
形成し、フォトリソグラフィとエッチングにより第1の
電極2としてゲート電極を形成した。第1の絶縁膜3の
Al2 O3 膜の第1層3aおよび第2層3bは、表5に
示したように、種々の陽極酸化条件とくに電解液の添加
剤の種類と耐HF性の関係に着目して、各々100nm
の厚さに形成した。この時の陽極酸化条件は、アジピン
酸アンモニウムの非水溶液を用いて、温度30℃、電流
密度1mA/cm2 で行った。その他は第1の実施例と
同様であり、また膜質評価は実施例2と同様である。
タ素子の製造方法について説明する。すなわち、実施例
2と同様に、ガラス基板上にAl:Ta膜を300nm
形成し、フォトリソグラフィとエッチングにより第1の
電極2としてゲート電極を形成した。第1の絶縁膜3の
Al2 O3 膜の第1層3aおよび第2層3bは、表5に
示したように、種々の陽極酸化条件とくに電解液の添加
剤の種類と耐HF性の関係に着目して、各々100nm
の厚さに形成した。この時の陽極酸化条件は、アジピン
酸アンモニウムの非水溶液を用いて、温度30℃、電流
密度1mA/cm2 で行った。その他は第1の実施例と
同様であり、また膜質評価は実施例2と同様である。
【0048】
【表5】
【0049】表5を参照すると、第1層3aと第2層3
bの構成が、第1層の添加剤/第2層の添加剤として、
なし/HF,NH4 F/なし,NH4 F/NH4 F,N
H4F/HF,の4種類でよい結果が得られた。
bの構成が、第1層の添加剤/第2層の添加剤として、
なし/HF,NH4 F/なし,NH4 F/NH4 F,N
H4F/HF,の4種類でよい結果が得られた。
【0050】また実施例1と同様に4種類の積層構成で
薄膜トランジスタ素子を作製し、これらのサンプルにつ
いてゲート電極2とソース電極7間に50V印加したと
きのショート発生数を測定した。その結果、いずれも欠
陥数はゼロであった。
薄膜トランジスタ素子を作製し、これらのサンプルにつ
いてゲート電極2とソース電極7間に50V印加したと
きのショート発生数を測定した。その結果、いずれも欠
陥数はゼロであった。
【0051】したがって、第1の絶縁膜3の少なくとも
一層を形成する際の陽極酸化時の電解液にフッ素を含む
ことにより、耐圧性のある層と耐フッ酸性のある層を形
成し得ることがわかる。
一層を形成する際の陽極酸化時の電解液にフッ素を含む
ことにより、耐圧性のある層と耐フッ酸性のある層を形
成し得ることがわかる。
【0052】なお、第1の電極2はAlまたはTaを主
成分とした薄膜の単一層および積層構造にすると、第1
の絶縁膜3の形成が容易にできる。
成分とした薄膜の単一層および積層構造にすると、第1
の絶縁膜3の形成が容易にできる。
【0053】
【発明の効果】請求項1の薄膜トランジスタ素子によれ
ば、第1の電極上に陽極酸化により形成する第1の絶縁
膜を、絶縁層と耐フッ酸性のある層を含む2層以上に形
成したため、第2の絶縁膜の欠陥部などによりチャンネ
ルストッパの形成の際のBHFエッチング中に欠陥部等
を通して第1の絶縁膜がエッチングされ、低耐圧部が発
生するのを防止でき、このため耐フッ酸性と絶縁耐圧を
同時に向上できるので、ゲート電極とソース電極間等の
短絡を防止することができるという効果がある。
ば、第1の電極上に陽極酸化により形成する第1の絶縁
膜を、絶縁層と耐フッ酸性のある層を含む2層以上に形
成したため、第2の絶縁膜の欠陥部などによりチャンネ
ルストッパの形成の際のBHFエッチング中に欠陥部等
を通して第1の絶縁膜がエッチングされ、低耐圧部が発
生するのを防止でき、このため耐フッ酸性と絶縁耐圧を
同時に向上できるので、ゲート電極とソース電極間等の
短絡を防止することができるという効果がある。
【0054】請求項2の薄膜トランジスタ素子の製造方
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の
電解液の有機溶媒に、第1層は水を10%から30%含
み、第2層は水を60%から90%含むことにより、絶
縁層と耐フッ酸性のある層を形成するため、ゲート電極
とソース電極間等の短絡のない薄膜トランジスタ素子が
形成できるので、歩留りを向上することができる。
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の
電解液の有機溶媒に、第1層は水を10%から30%含
み、第2層は水を60%から90%含むことにより、絶
縁層と耐フッ酸性のある層を形成するため、ゲート電極
とソース電極間等の短絡のない薄膜トランジスタ素子が
形成できるので、歩留りを向上することができる。
【0055】請求項3の薄膜トランジスタ素子の製造方
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の
電流値が、第1層は1mA/cm 2 を超えた値から10
mA/cm 2 、第2層は0.1mA/cm 2 から1mA
/cm 2 とすることにより、絶縁層と耐フッ酸性のある
層を形成するため、請求項2と同効果がある。
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の
電流値が、第1層は1mA/cm 2 を超えた値から10
mA/cm 2 、第2層は0.1mA/cm 2 から1mA
/cm 2 とすることにより、絶縁層と耐フッ酸性のある
層を形成するため、請求項2と同効果がある。
【0056】請求項4の薄膜トランジスタ素子の製造方
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の
温度が、第1層は20℃から30℃であり、第2層は5
0℃から60℃とすることにより、絶縁層と耐フッ酸性
のある層を形成するため、同効果がある。
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の
温度が、第1層は20℃から30℃であり、第2層は5
0℃から60℃とすることにより、絶縁層と耐フッ酸性
のある層を形成するため、同効果がある。
【0057】請求項5の薄膜トランジスタ素子の製造方
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜の少なくとも一層を形成
する際の陽極酸化時の電解液にフッ素を含むため、請求
項2と同効果がある。
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜の少なくとも一層を形成
する際の陽極酸化時の電解液にフッ素を含むため、請求
項2と同効果がある。
【0058】請求項6の薄膜トランジスタ素子の製造方
法によれば、請求項2、請求項3、請求項4または請求
項5において、第1の電極をAlまたはTaを主成分と
した薄膜とするため、請求項2、請求項3、請求項4ま
たは請求項5の効果のほか、第1の電極が単一層および
積層のいずれの場合でも、第1の絶縁膜の形成が容易に
できる。
法によれば、請求項2、請求項3、請求項4または請求
項5において、第1の電極をAlまたはTaを主成分と
した薄膜とするため、請求項2、請求項3、請求項4ま
たは請求項5の効果のほか、第1の電極が単一層および
積層のいずれの場合でも、第1の絶縁膜の形成が容易に
できる。
【図1】従来の薄膜トランジスタ素子の部分断面図であ
る。
る。
【図2】その薄膜トランジスタ素子の製造工程を示す部
分断面図である。
分断面図である。
【図3】この発明の第1の実施例の薄膜トランジスタ素
子の製造工程を示す部分断面図である。
子の製造工程を示す部分断面図である。
1 絶縁性基板 2 第1の電極 3 第1の絶縁膜 3a 第1層 3b 第2層 4 第2の絶縁膜 5 半導体層 6 チャンネルストッパ層 7 第2の電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 達彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 竹田 守 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−264774(JP,A) 特開 昭63−166236(JP,A) 特開 平4−356926(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/786 H01L 21/336 G02F 1/1368 H01L 21/316 H01L 21/32 H01L 21/473
Claims (6)
- 【請求項1】 絶縁性基板上に形成された第1の電極
と、この第1の電極の表面に陽極酸化により形成した絶
縁層と耐フッ酸性のある層を含む2層以上の第1の絶縁
膜と、この第1の絶縁膜上に前記陽極酸化以外の手段に
よって形成された第2の絶縁膜と、この第2の絶縁膜上
に形成されたチャンネルストッパ層を含む半導体層と、
この半導体層上に形成された第2の電極とを備えた薄膜
トランジスタ素子。 - 【請求項2】 請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の
製造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時
の電解液の有機溶媒に、第1層は水を20%から30%
含み、第2層は水を60%から80%含むことにより、
絶縁層と耐フッ酸性のある層を形成することを特徴とす
る薄膜トランジスタ素子の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の
製造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時
の電流値が、第1層は1mA/cm 2 を超えた値から1
0mA/cm 2 、第2層は0.1mA/cm 2 から1m
A/cm 2 とすることにより、絶縁層と耐フッ酸性のあ
る層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタ素子
の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の
製造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時
の温度が、第1層は20℃から30℃、第2層は50℃
から60℃とすることにより、絶縁層と耐フッ酸性のあ
る層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタ素子
の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の
製造方法であって、第1の絶縁膜の少なくとも一層を形
成する際の陽極酸化時の電解液にフッ素を含むことを特
徴とする薄膜トランジスタ素子の製造方法。 - 【請求項6】 第1の電極がAlまたはTaを主成分と
した薄膜である請求項2、請求項3、請求項4または請
求項5記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5293039A JP3056927B2 (ja) | 1993-11-24 | 1993-11-24 | 薄膜トランジスタ素子およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5293039A JP3056927B2 (ja) | 1993-11-24 | 1993-11-24 | 薄膜トランジスタ素子およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07147407A JPH07147407A (ja) | 1995-06-06 |
JP3056927B2 true JP3056927B2 (ja) | 2000-06-26 |
Family
ID=17789703
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5293039A Expired - Fee Related JP3056927B2 (ja) | 1993-11-24 | 1993-11-24 | 薄膜トランジスタ素子およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3056927B2 (ja) |
-
1993
- 1993-11-24 JP JP5293039A patent/JP3056927B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH07147407A (ja) | 1995-06-06 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |