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JP3053604B2 - 免震床構造 - Google Patents

免震床構造

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Publication number
JP3053604B2
JP3053604B2 JP10015931A JP1593198A JP3053604B2 JP 3053604 B2 JP3053604 B2 JP 3053604B2 JP 10015931 A JP10015931 A JP 10015931A JP 1593198 A JP1593198 A JP 1593198A JP 3053604 B2 JP3053604 B2 JP 3053604B2
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JP
Japan
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base
floor structure
floor
seismic isolation
vibration
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文昭 有馬
久也 田中
憲克 高瀬
Original Assignee
住友建設株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物内に設けられ
る免震床構造に関し、特に建物内で発生する短周期振動
を制震する免震床構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建物内に設けられる免震床構造と
して、建築構造物より懸吊ロッドを介して懸吊される床
を設けた吊り床構造が知られている。この吊り床構造は
懸吊部分に公知の制震手段が設けてあり、この制震手段
により振動エネルギーを吸収することにより制震作用が
達成される。そして、この種の免震床構造は地震に対す
る安全あるいは交通振動等に対する環境保全等の面か
ら、さらに精密機械等の設置条件、作業条件等の面から
広く適用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の免震床構造は、床の固有振動数の長周期化が十分でな
く、また制震手段の配置が適切でなく、しかも制震手段
の機能が十分でないため、人の歩行や作業等の短周期の
人為的振動や交通振動等の制震は十分に達成されていな
いという問題点があった。
【0004】本発明の目的は、長周期の振動を制震でき
るとともに、短周期の人為的振動や交通振動をも制震で
き、精密機械等の設置にも対応できる免震床構造を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る免震床構造は、スラブ上に懸吊ロッド
を介して懸垂支持された架台と、この架台上に垂直振動
減衰手段を介して設けられた免震床とを具備してなるも
のであって、前記架台を縦長の直方体状に形成して該架
台の下部に前記懸吊ロッドの下端部を連結固定し、かつ
前記スラブ上に粘性流体を収容した二つの収納皿体を前
記架台の相対向する二つの角部の下方に位置するように
設置するとともに、前記架台の下面から前記収納皿体に
向けて二本のシャフト管を垂設し、これらのシャフト管
内に上下動可能に設けられた垂直ロッドの下端に前記収
納皿体の底面とベアリングを介して係合する円盤部をそ
れぞれ取り付けたことを特徴とする
【0006】
【0007】
【0008】前記のように構成された本発明の免震床構
造によれば、長周期振動のみならず人為的な短周期振動
や衝撃的な振動、あるいは交通振動等も効率よく制震で
き、精密機器等の設置床にも適用できる免震床構造を提
供することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る
免震床構造の第1の実施形態の一部破断正面図、図2は
図1の要部右側面図、図3は図1の床、免震床、床ステ
ージを省略した状態の拡大平面図である。図1〜3にお
いて、床ステージ10は複数の梁12と、複数の梁12
に連結される吊り梁14、14より構成され、床16を
支持する構造物である。4本の懸吊ロッド18は吊り梁
14にその上端がねじ止めされることにより吊り下げら
れ、懸吊ロッド18の下端には架台20の下辺22、2
2がねじ止めされている。架台20は下辺22、22お
よびこの下辺を連結する下辺24、24と、4本の柱2
6と、柱を連結する4本の上辺28より構成され、ブレ
ースにより補強された略直方体状の形状を呈している。
このように架台20は4本の懸吊ロッド18により床ス
テージ10から懸吊されており、懸吊ロッドの長さが約
3.4m、固有振動の周期が約3.7秒であり、水平方
向の固有振動数の長周期化を実現させている。
【0010】架台20の4本の柱上には垂直方向の制震
手段である4個の垂直振動減衰手段30が固着され、こ
の垂直振動減衰手段30の上部に免震床32が支持され
ている。そして、免震床32は床16の設置穴17内に
間隙を有して位置しており、この間隙部分はカバー17
aにて覆われている。
【0011】ここで、垂直振動減衰手段30について、
図4を参照して詳細に説明する。図4は垂直振動減衰手
段を示す断面図である。垂直振動減衰手段30は、下部
受け座34の中心部より挿入管36が上方に向けて固着
され、その外周に中間筒38および外筒40が上方に向
けて固着されている。また、上部受け座42の中心部に
は摺動筒44およびその外周に減衰筒46が下方に向け
て固着されている。
【0012】下部受け座34および上部受け座42は対
向して嵌合され、挿入管36と摺動筒44との間に横揺
れ防止用のブッシュベアリング48が装着され、両者は
上下動可能に、水平動は不可能に連結されている。ま
た、中間筒38と摺動筒44との間には垂直振動を吸収
する圧縮バネ50が設けてあり、この圧縮バネの上部に
対接する調整リング52に、上部受け座42に螺合して
いる調整ボルト54が対接している。この調整ボルト5
4を調整することにより、下部受け座34と上部受け座
42との水平状態および水平レベルを調整することがで
きる。そして、中間筒38および外筒40の間に注入さ
れた粘性体56内に減衰筒46が位置している。
【0013】架台20とスラブ58との間には、架台2
0の下辺22、22、24、24より構成される略長方
形の対角の2カ所に、水平方向の制震手段である水平振
動減衰手段60が設けてある。図5は水平振動減衰手段
を示す断面図であり、以下に詳細に説明する。
【0014】この水平振動減衰手段60は、図5に示さ
れるように、スラブ58上に設置され粘性体62を収納
する収納皿体64と、架台20の下面に固着されるシャ
フト管66と、このシャフト管内にブッシュベアリング
68を介して上下動可能に支持された垂直ロッド70
と、この垂直ロッド70下方の円盤部71と収納皿体6
4との間に隙間調整ボルト72を介して設けられたベア
リング74と、シャフト管66と垂直ロッド70との間
に設けられた鉛直追従用のコイルスプリング76および
シャフト管66と収納皿体64とを連結する防塵ベロー
ズ78とから構成される。シャフト管66にはエア抜き
孔67が設けられている。
【0015】免震床32と架台20との間に平行維持装
置80が設けてある。この平行維持装置は免震床32の
下面に所定間隔をもって揺動自在に支持された同一長の
2個のリンク82、82と、架台20の上面に所定間隔
をもって揺動自在に支持された同一長の2個のリンク8
4、84とを所定間隔長の平行リンク86でピン結合し
たものであり、二つの平行四辺形リンク構造により、架
台20に免震床32を平行状態に上下動可能に結合した
ものである。この平行維持装置80を四辺形の免震床3
2のX方向の2辺に平行に2組設置してある。なお、平
行維持装置80は図1においてX方向だけ設けてある
が、同様にして図2のY方向にも設けるようにしてもよ
い。
【0016】つぎに、床ステージ10の下面に固定さ
れ、架台20の水平方向の振動を減衰させるバックアッ
プ減衰手段88について、図6を参照して説明する。図
6はバックアップ減衰手段を示す断面図である。バック
アップ減衰手段88はシリンダ・ピストン構造からな
り、シリンダ90内にはピストン92により二つのシリ
ンダ室94、96が区画され、内部に粘弾性体98が収
容され、外付け連通管100を介して連通されている。
そして一方のシリンダ室96にはバッファ室102が設
けてある。またピストン92の軸部の一端にはゴムパッ
ド104を設けてあり、軸部外周にはコイルバネ10
6、106を設けてある。このバックアップ減衰手段8
8により、架台20の水平方向の振動を減衰させること
ができる。
【0017】免震床構造の第1の実施の形態は前記した
構成であり、つぎに動作について説明する。地震、交通
振動等の振動が発生すると、振動の水平方向の成分は水
平振動減衰手段60により減衰され、制震することがで
きる。すなわち、シャフト管66に対し収納皿体64が
移動すると、垂直ロッド70の円盤部71に対しベアリ
ング74を介して収納皿体64が移動し、粘性体62に
より振動エネルギーが吸収される。そして、円盤部71
と収納皿体64とがベアリング74および粘性体62を
介して弾接しているため、短周期の振動は有効に絶縁さ
れる。しかも、水平振動減衰手段60は架台20の下辺
の略長方形の対角の2カ所に適切に配置してあり、振動
エネルギーをバランスよく有効に吸収できる。
【0018】また、水平方向のバックアップ減衰手段8
8においても、シリンダ90内をピストン92が移動す
ることにより粘弾性体98が連通管100内を移動し、
振動エネルギーが吸収される。なおこのバックアップ減
衰手段88は必ずしも必要ではないが、これを設けるこ
とにより水平方向の制震はさらに有効となり、特に衝撃
的な振動の吸収に有効である。
【0019】振動の垂直方向の成分は垂直振動減衰手段
30により減衰され、制震することができる。すなわち
振動の垂直方向の成分により下部受け座34が移動する
と、ブッシュベアリング48によりその移動は上部受け
座42に直接伝達されず、圧縮バネ50の変形および粘
性体56内を減衰筒46が移動する粘性抵抗により、振
動エネルギーが吸収され、特に短周期振動の制震が有効
に行える。しかも、垂直振動減衰手段30は、免震床3
2の四隅に対応して適切に配置してあるため、振動エネ
ルギーの吸収はバランスよく行えるのである。さらに、
平行維持装置80により、架台20と免震床32との平
行状態は確保された状態で、垂直振動減衰手段30によ
り垂直方向の振動を有効に減衰させることができる。
【0020】このように、前記した第1の実施形態の免
震床構造においては、短周期振動を有効に絶縁でき、長
期振動を減衰する制震手段を適切に配置し、制震の機能
が分担されているため、地震や、人為的な短周期振動お
よび衝撃的な振動を三次元的に制震することができる。
また、この実施形態では、在来の鉄骨の床ステージを利
用して架台を懸吊するため、別個の構造体を新規に製造
することを必要としないのでコストを低減することがで
きる。
【0021】つぎに、本発明の第2の実施の形態を図7
を参照して詳細に説明する。図7は本発明に係る免震床
構造の第2の実施形態の一部破断正面図である。なお前
記した実施の形態と実質的に同一構成のものは、同一符
号を付けて説明を省略する。スラブ58上には構造体1
08が設置され、この構造体108はスラブ58上に垂
直方向に立設された4本の柱体110と、これらの柱体
を水平方向に結合する4本の吊り架構112とから構成
される。架台114は吊り架構112の上部に位置する
床部116と、この床部の下部に設けた4本の柱状部1
18と、この柱状部の下部に設けた下辺120より構成
され、略直方体状をしている。
【0022】構造体108の吊り架構112に4本の懸
吊ロッド122の上端がねじ止めされ、懸吊ロッド12
2の下端は架台114の下辺120にねじ止めされ、架
台114は構造体108から懸吊ロッド122を介して
懸吊された構成となっている。懸吊ロッド122は直径
16mm程度の鋼材から構成され、吊り長が2.7m程
度で固有振動の周期が約3.3秒となっており、長周期
化が実現されている。
【0023】架台114の床部116上には4個の垂直
振動減衰手段30が載置固定され、この垂直振動減衰手
段30の上部に免震床32が支持されている。垂直振動
減衰手段30は前記した実施の形態と実質的に同一構成
なので、詳細な説明は省略する。
【0024】また、架台114の下辺120の中央と、
スラブ58上の台座59との間には水平振動減衰手段6
0が設けてある。この水平振動減衰手段60も前記した
実施の形態と実質的に同一構成なので、詳細な説明は省
略する。
【0025】さらに、免震床32と架台114の床部1
16との間に平行維持装置80が設けてある。この平行
維持装置80も前記した実施の形態と実質的に同一構成
なので詳細な説明は省略するが、本実施形態では、四辺
形の免震床32の4辺に沿って平行に4組設置してあ
る。
【0026】前記したように、架台114は構造体10
8から懸吊ロッド122により懸吊され、架台114と
スラブ58との間に水平振動減衰手段60が設けてある
ため、架台114はX方向、Y方向の二次元方向に免震
され、床部116は二次元免震床となっている。また二
次元免震床である床部116に対し、垂直振動減衰手段
30を介して支持された免震床32は、X方向、Y方
向、Z方向に免震された三次元免震床となっている。
【0027】構造体108と架台114の床部116と
の間、また架台114の床部116と免震床32との間
には、鉛トリガー装置124が設けてある。図8は鉛ト
リガー装置の正面図であり、この鉛トリガー装置124
は、例えば、構造体108の上面および床部116の下
面に取り付けられる取付具126、128と、これらの
取付具126、128間を連結する鉛連結部材130と
から構成されている。この鉛トリガー装置124は大地
震時等、構造体108と架台114との相対変位量が大
きくなったとき、鉛連結部材130が破断して振動エネ
ルギーを吸収するとともに、大きな変位があったことの
確認が行えるものである。また鉛トリガー装置124
は、小さな振動の場合は鉛連結部材130が振動エネル
ギーを吸収する機能がある。鉛トリガー装置124は1
カ所に限らず複数箇所に設けるようにしてもよく、第1
の実施形態に架台20と免震床32との間に設けるよう
に構成してもよい。
【0028】この第2の実施形態においては、前記した
第1の実施形態と同様の効果を有するとともに、構造体
108がユニット化しているため設置場所を自由に選べ
るという効果を有する。また、建物内のレイアウトの変
更に対応でき、後付けが容易であるという効果がある。
そして、必要に応じて二次元免震、三次元免震を行うこ
とができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、短
周期振動を絶縁し、人為的振動を減衰する制震手段を適
切に配置し、制震の機能を分担するようにしたので、交
通振動や人為的振動等の短周期振動、衝撃的振動の免震
床への伝達を有効に減衰でき、免震性能を向上させるこ
とができ、また精密機械の設置にも適用する事ができ
る。
【0030】そして、水平方向の二次元免震や、垂直方
向を含む三次元免震を行うことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る免震床構造の第1の実施形態の一
部破断正面図である。
【図2】図1の要部右側面図である。
【図3】図1の床、免震床、床ステージを省略した状態
の拡大平面図である。
【図4】垂直振動減衰手段を示す断面図である。
【図5】水平振動減衰手段を示す断面図である。
【図6】バックアップ減衰手段を示す断面図である。
【図7】本発明に係る免震床構造の第2の実施形態の一
部破断正面図である。
【図8】鉛トリガー装置を示す正面図である。
【符号の説明】
10 床ステージ 12 梁 14 吊り梁 16 床 17 設置穴 18、122 懸吊ロッド 20、114 架台 22、22、24、24 下辺 26 柱 28 上辺 30 垂直振動減衰手段 32 免震床 58 スラブ 60 水平振動減衰手段 80 平行維持装置 108 構造体 116 床部 124 鉛トリガー装置 130 鉛連結部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−173433(JP,A) 特公 平7−72439(JP,B2) 特公 平4−154(JP,B2) 実公 昭57−25942(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/02 E04B 5/43 E04F 15/18 E04F 15/024

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラブ上に懸吊ロッドを介して懸垂支持
    された架台と、この架台上に垂直振動減衰手段を介して
    設けられた免震床とを具備してなるものであって前記架台を縦長の直方体状に形成して該架台の下部に前
    記懸吊ロッドの下端部を連結固定し、かつ前記スラブ上
    に粘性流体を収容した二つの収納皿体を前記架台の相対
    向する二つの角部の下方に位置するように設置するとと
    もに、前記架台の下面から前記収納皿体に向けて二本の
    シャフト管を垂設し、これらのシャフト管内に上下動可
    能に設けられた垂直ロッドの下端に前記収納皿体の底面
    とベアリングを介して係合する円盤部をそれぞれ取り付
    けた ことを特徴とする免震床構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の免震床構造において、前
    記シャフト管の下端部と前記収納皿体の周縁部とを防塵
    ベローズで連結したことを特徴とする免震床構造。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の免震床構造
    において、前記シャフト管の下端と前記円盤部との間に
    鉛直追従用のコイルスプリングを設けたことを特徴とす
    る免震床構造。
  4. 【請求項4】 前記円盤部は、前記収納皿体との隙間を
    調整するための隙間調整ボルトを有している請求項1乃
    至請求項3のいずれかに記載の免震床構造。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    免震床構造において、前記架台と前記免震床との間
    に、鉛トリガー装置を設けたことを特徴とする免震床構
    造。
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