JP2929451B2 - 油圧駆動装置 - Google Patents
油圧駆動装置Info
- Publication number
- JP2929451B2 JP2929451B2 JP9049356A JP4935697A JP2929451B2 JP 2929451 B2 JP2929451 B2 JP 2929451B2 JP 9049356 A JP9049356 A JP 9049356A JP 4935697 A JP4935697 A JP 4935697A JP 2929451 B2 JP2929451 B2 JP 2929451B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hydraulic
- pilot pressure
- passage
- variable displacement
- displacement pump
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Control Of Transmission Device (AREA)
- Operation Control Of Excavators (AREA)
- Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
- Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧駆動装置に関
し、さらに詳しくは、油圧モータを駆動源とする自走式
の建設用機械に設けられ、円滑に発進および停止するた
めの制御回路を備える油圧駆動装置に関する。
し、さらに詳しくは、油圧モータを駆動源とする自走式
の建設用機械に設けられ、円滑に発進および停止するた
めの制御回路を備える油圧駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、典型的な従来技術である油圧駆
動装置1の油圧回路図である。油圧駆動装置1は、たと
えば振動ローラなどの建設用機械を、操作レバー11を
操作して自走させるために設けられる装置であり、エン
ジンなどの原動機によって入力軸2が回転駆動され、作
動油を吐出する可変容量形ポンプ3と、可変容量形ポン
プ3から作動油が供給され、この作動油の油圧によって
出力軸4をE1あるいはE2方向に回転駆動させる油圧
モータ5と、パイロット圧源6から導かれるパイロット
圧によって可変容量形ポンプ3の作動油の吐出量および
吐出方向を制御する制御回路7とを含んで構成される。
動装置1の油圧回路図である。油圧駆動装置1は、たと
えば振動ローラなどの建設用機械を、操作レバー11を
操作して自走させるために設けられる装置であり、エン
ジンなどの原動機によって入力軸2が回転駆動され、作
動油を吐出する可変容量形ポンプ3と、可変容量形ポン
プ3から作動油が供給され、この作動油の油圧によって
出力軸4をE1あるいはE2方向に回転駆動させる油圧
モータ5と、パイロット圧源6から導かれるパイロット
圧によって可変容量形ポンプ3の作動油の吐出量および
吐出方向を制御する制御回路7とを含んで構成される。
【0003】可変容量形ポンプ3の各ポート3a,3b
には、各主通路8,9の各一端部がそれぞれ接続され、
油圧モータ5の各ポート5a,5bには、各主通路8,
9の各他端部がそれぞれ接続され、これらの可変容量形
ポンプ3、油圧モータ5および各主通路8,9によって
閉回路10が構成される。油圧モータ5の出力軸4は、
たとえば建設用機械の車輪軸に接続されており、前記出
力軸4の各回転方向E1,E2に対応して建設用機械が
前進あるいは後進し、前記出力軸4の回転数に対応して
建設用機械の走行速度が変化する。この出力軸4の回転
力および回転方向E1,E2の調整は、可変容量形ポン
プ3から吐出される作動油の吐出量および吐出方向を制
御することによって行われる。
には、各主通路8,9の各一端部がそれぞれ接続され、
油圧モータ5の各ポート5a,5bには、各主通路8,
9の各他端部がそれぞれ接続され、これらの可変容量形
ポンプ3、油圧モータ5および各主通路8,9によって
閉回路10が構成される。油圧モータ5の出力軸4は、
たとえば建設用機械の車輪軸に接続されており、前記出
力軸4の各回転方向E1,E2に対応して建設用機械が
前進あるいは後進し、前記出力軸4の回転数に対応して
建設用機械の走行速度が変化する。この出力軸4の回転
力および回転方向E1,E2の調整は、可変容量形ポン
プ3から吐出される作動油の吐出量および吐出方向を制
御することによって行われる。
【0004】このような可変容量形ポンプ3から吐出さ
れる作動油の吐出量および吐出方向を制御する制御回路
7は、操作レバー11の操作に応じてパイロット圧源6
から導かれるパイロット圧の供給方向を切換える切換弁
12と、可変容量形ポンプ3の作動油の吐出量および吐
出方向を前記切換弁12によるパイロット圧によって変
化させるサーボ弁13と、切換弁12とサーボ弁13と
を接続する2つのパイロット圧通路14,15とを含ん
で構成される。前記パイロット圧源6は、タンク16と
パイロット圧油供給ポンプ17とからなり、タンク16
内の作動油を、パイロット圧油供給ポンプ17によって
パイロット圧P1で通路18を介して切換弁12へ導出
する。
れる作動油の吐出量および吐出方向を制御する制御回路
7は、操作レバー11の操作に応じてパイロット圧源6
から導かれるパイロット圧の供給方向を切換える切換弁
12と、可変容量形ポンプ3の作動油の吐出量および吐
出方向を前記切換弁12によるパイロット圧によって変
化させるサーボ弁13と、切換弁12とサーボ弁13と
を接続する2つのパイロット圧通路14,15とを含ん
で構成される。前記パイロット圧源6は、タンク16と
パイロット圧油供給ポンプ17とからなり、タンク16
内の作動油を、パイロット圧油供給ポンプ17によって
パイロット圧P1で通路18を介して切換弁12へ導出
する。
【0005】切換弁12は、トレーサ弁として用いら
れ、スプール12aは、操作レバー11によって位置操
作される。操作レバー11が、図3に示されるように中
立位置A0にあるときには、切換弁12は通路18を遮
断し、各パイロット圧通路14,15とタンク27とを
連通させる。したがって各パイロット圧通路14,15
の他端側に連通するサーボ弁13の各油圧室13a,1
3b内の圧力は同圧であり、サーボ弁13のスプール1
9はばね20のばね力によって中立位置B0に保持され
ている。このスプール19には、可変容量形ポンプ3か
ら吐出される作動油の吐出量および吐出方向を調整する
傾転部材21が、前記スプール19を中立位置B0に保
持している状態で可変容量形ポンプ3の作動油の吐出量
が零となるように調整され、接続されている。したがっ
て操作レバー11が中立位置A0にあるときには可変容
量形ポンプ3は作動油を吐出しないので、油圧モータ5
は出力軸4を回転駆動しない。
れ、スプール12aは、操作レバー11によって位置操
作される。操作レバー11が、図3に示されるように中
立位置A0にあるときには、切換弁12は通路18を遮
断し、各パイロット圧通路14,15とタンク27とを
連通させる。したがって各パイロット圧通路14,15
の他端側に連通するサーボ弁13の各油圧室13a,1
3b内の圧力は同圧であり、サーボ弁13のスプール1
9はばね20のばね力によって中立位置B0に保持され
ている。このスプール19には、可変容量形ポンプ3か
ら吐出される作動油の吐出量および吐出方向を調整する
傾転部材21が、前記スプール19を中立位置B0に保
持している状態で可変容量形ポンプ3の作動油の吐出量
が零となるように調整され、接続されている。したがっ
て操作レバー11が中立位置A0にあるときには可変容
量形ポンプ3は作動油を吐出しないので、油圧モータ5
は出力軸4を回転駆動しない。
【0006】またスプール19には、連結棒22がピン
結合される。この連結棒22は、その長手方向中間部が
揺動自在に支持され、スプール19がピン結合される長
手方向一端部とは反対側の長手方向他端部には、切換弁
12のスリーブ23に接続される。
結合される。この連結棒22は、その長手方向中間部が
揺動自在に支持され、スプール19がピン結合される長
手方向一端部とは反対側の長手方向他端部には、切換弁
12のスリーブ23に接続される。
【0007】操作レバー11がA1方向に操作される
と、切換弁12のスプール12aが前記A1方向へ変位
し、通路18とパイロット圧通路14とが連通され、ま
たパイロット圧通路15とタンク27とが連通される。
これによってサーボ弁13の油圧室13a内の圧力が昇
圧し、スプール19がばね20のばね力に抗してB1方
向に変位される。スプール19の変位によって連結棒2
2が揺動され、これによって切換弁12のスリーブ23
が前記A1方向に変位される。操作レバー11の操作量
に応じた変位量だけスプール19が変位すると、通路1
8およびパイロット圧通路14、パイロット圧通路15
およびタンク27がそれぞれ遮断され、スプール19は
停止する。このようにしてスプール19は操作レバー1
1の操作量に応じて変位される。スプール19がB1方
向へ変位すると、傾転部材21は、前記スプール19の
変位量に比例した角度でC1方向へ傾転される。可変容
量形ポンプ3は、ポート3bから作動油をD1方向へ吸
い込み、ポート3aから傾転部材21の傾転角に応じた
流量で作動油をD1方向へ吐出する。吐出された作動油
は、主管8を介してポート5aから油圧モータ5内に流
入し、油圧モータ5は出力軸4をE1方向へ回転駆動さ
せる。
と、切換弁12のスプール12aが前記A1方向へ変位
し、通路18とパイロット圧通路14とが連通され、ま
たパイロット圧通路15とタンク27とが連通される。
これによってサーボ弁13の油圧室13a内の圧力が昇
圧し、スプール19がばね20のばね力に抗してB1方
向に変位される。スプール19の変位によって連結棒2
2が揺動され、これによって切換弁12のスリーブ23
が前記A1方向に変位される。操作レバー11の操作量
に応じた変位量だけスプール19が変位すると、通路1
8およびパイロット圧通路14、パイロット圧通路15
およびタンク27がそれぞれ遮断され、スプール19は
停止する。このようにしてスプール19は操作レバー1
1の操作量に応じて変位される。スプール19がB1方
向へ変位すると、傾転部材21は、前記スプール19の
変位量に比例した角度でC1方向へ傾転される。可変容
量形ポンプ3は、ポート3bから作動油をD1方向へ吸
い込み、ポート3aから傾転部材21の傾転角に応じた
流量で作動油をD1方向へ吐出する。吐出された作動油
は、主管8を介してポート5aから油圧モータ5内に流
入し、油圧モータ5は出力軸4をE1方向へ回転駆動さ
せる。
【0008】操作レバー11がA2方向に操作される
と、切換弁12のスプール12aが前記A2方向へ変位
し、通路18とパイロット圧通路15とが連通され、ま
たパイロット圧通路14とタンク27とが連通される。
これによってサーボ弁13の油圧室13b内の圧力が昇
圧し、スプール19がばね20のばね力に抗してB2方
向に変位される。スプール19の変位によって連結棒2
2が揺動され、これによって切換弁12のスリーブ23
が前記A2方向に変位される。操作レバー11の操作量
に応じた変位量だけスプール19が変位すると、通路1
8およびパイロット圧通路15、パイロット圧通路14
およびタンク16がそれぞれ遮断され、スプール19は
停止し、傾転部材21はC2方向へ操作レバー11の操
作量に応じた角度だけ傾転され、これによって可変容量
形ポンプ3は、ポート3aから作動油を吸い込み、ポー
ト3bから傾転部材21の傾転角に応じた流量で作動油
をD2方向へ吐出する。吐出された作動油は、主管9を
介してポート5bから油圧モータ5内に流入し、油圧モ
ータ5が出力軸4をE2方向へ回転駆動させる。
と、切換弁12のスプール12aが前記A2方向へ変位
し、通路18とパイロット圧通路15とが連通され、ま
たパイロット圧通路14とタンク27とが連通される。
これによってサーボ弁13の油圧室13b内の圧力が昇
圧し、スプール19がばね20のばね力に抗してB2方
向に変位される。スプール19の変位によって連結棒2
2が揺動され、これによって切換弁12のスリーブ23
が前記A2方向に変位される。操作レバー11の操作量
に応じた変位量だけスプール19が変位すると、通路1
8およびパイロット圧通路15、パイロット圧通路14
およびタンク16がそれぞれ遮断され、スプール19は
停止し、傾転部材21はC2方向へ操作レバー11の操
作量に応じた角度だけ傾転され、これによって可変容量
形ポンプ3は、ポート3aから作動油を吸い込み、ポー
ト3bから傾転部材21の傾転角に応じた流量で作動油
をD2方向へ吐出する。吐出された作動油は、主管9を
介してポート5bから油圧モータ5内に流入し、油圧モ
ータ5が出力軸4をE2方向へ回転駆動させる。
【0009】操作レバー11がA1あるいはA2方向か
ら中立位置A0に戻されると、切換弁12は図3に示さ
れる状態に戻り、スプール19がばね20のばね力によ
って中立位置B0に変位し、これによって油圧モータ5
には作動油が供給されなくなり、出力軸4の回転が停止
される。
ら中立位置A0に戻されると、切換弁12は図3に示さ
れる状態に戻り、スプール19がばね20のばね力によ
って中立位置B0に変位し、これによって油圧モータ5
には作動油が供給されなくなり、出力軸4の回転が停止
される。
【0010】このようにして制御回路7は油圧モータ5
による出力軸4の回転数および回転方向E1,E2を、
操作レバー11の操作量および操作方向に応じて制御
し、建設用機械を前進あるいは後進させ、かつその走行
速度を調整することができる。
による出力軸4の回転数および回転方向E1,E2を、
操作レバー11の操作量および操作方向に応じて制御
し、建設用機械を前進あるいは後進させ、かつその走行
速度を調整することができる。
【0011】しかしながら、上記したような構成では、
操作レバー11を操作したときスプール19が操作レバ
ー11の操作に迅速に応答して変位するために、油圧モ
ータ5に供給される作動油の流量が操作レバー11の操
作に迅速に応答して変化するので、建設用機械の発進お
よび停止を円滑に行うことができず、操作性が悪いとい
う問題が生じる。この問題を解決するために制御回路7
では、各パイロット圧通路14,15に絞り25,26
を介在させている。この絞り25,26を介在させるこ
とによって、操作レバー11が操作される速さに比較し
て、サーボ弁13の各油圧室13a,13b内の圧力変
化を緩慢にして、スプール19のB1,B2方向への変
位速度を小さくし、傾転部材21をC1,C2方向へゆ
っくり傾転させることができる。したがって、たとえば
操作レバー11を中立位置A0からA1あるいはA2方
向へ操作すると、可変容量形ポンプ3の傾転部材21
は、ゆっくり傾転されるので、油圧モータ5内に流入す
る作動油の流量は緩慢に増加し、これによって建設用機
械の発進を円滑化させることができる。また逆に操作レ
バー11を中立位置A0に戻すと、可変容量形ポンプ3
の傾転部材21は、ゆっくり中立位置C0に戻るので、
油圧モータ5内に流入する作動油の流量は緩慢に減少
し、これによって建設用機械の停止を円滑化させること
ができる。
操作レバー11を操作したときスプール19が操作レバ
ー11の操作に迅速に応答して変位するために、油圧モ
ータ5に供給される作動油の流量が操作レバー11の操
作に迅速に応答して変化するので、建設用機械の発進お
よび停止を円滑に行うことができず、操作性が悪いとい
う問題が生じる。この問題を解決するために制御回路7
では、各パイロット圧通路14,15に絞り25,26
を介在させている。この絞り25,26を介在させるこ
とによって、操作レバー11が操作される速さに比較し
て、サーボ弁13の各油圧室13a,13b内の圧力変
化を緩慢にして、スプール19のB1,B2方向への変
位速度を小さくし、傾転部材21をC1,C2方向へゆ
っくり傾転させることができる。したがって、たとえば
操作レバー11を中立位置A0からA1あるいはA2方
向へ操作すると、可変容量形ポンプ3の傾転部材21
は、ゆっくり傾転されるので、油圧モータ5内に流入す
る作動油の流量は緩慢に増加し、これによって建設用機
械の発進を円滑化させることができる。また逆に操作レ
バー11を中立位置A0に戻すと、可変容量形ポンプ3
の傾転部材21は、ゆっくり中立位置C0に戻るので、
油圧モータ5内に流入する作動油の流量は緩慢に減少
し、これによって建設用機械の停止を円滑化させること
ができる。
【0012】また油圧駆動装置1には緊急時に、走行中
の建設用機械を緊急停止させるために、油圧モータ5の
出力軸4の回転動作を指令信号に応じて制動する制動手
段29と、制動手段29へ指令信号を出力する制動指令
手段30とが設けられている。前記制動手段29は、前
記指令信号に応じて通路31を通路32あるいは通路3
3へ接続する制動切換弁34と、油圧モータ5の回転動
作を制動するシリンダ35とで構成される。
の建設用機械を緊急停止させるために、油圧モータ5の
出力軸4の回転動作を指令信号に応じて制動する制動手
段29と、制動手段29へ指令信号を出力する制動指令
手段30とが設けられている。前記制動手段29は、前
記指令信号に応じて通路31を通路32あるいは通路3
3へ接続する制動切換弁34と、油圧モータ5の回転動
作を制動するシリンダ35とで構成される。
【0013】制動切換弁34は、たとえば電磁操作弁で
あり、制動指令手段30から指令信号が出力され、ソレ
ノイド36が励磁されている状態では、通路31は通路
32に接続される。これによってパイロット圧源6から
導かれるパイロット圧油がシリンダ35の油圧室37内
へ導かれ、油圧室37内の圧力が昇圧しばね38のばね
力に抗して、シリンダ35のピストンロッドに接続され
るシリンダ側ディスク39を、油圧モータ5の回転動作
とともに回転されるモータ側ディスク40から離反する
方向へ変位させ、油圧モータ5の回転動作を解放する。
制動指令手段30からの指令信号の出力が停止され、前
記ソレノイド36が消磁された状態では、通路31は通
路33へ接続され、シリンダ35内の油圧室37内の作
動油は通路33を介してタンク42に吐出され、シリン
ダ側ディスク39がばね38のばね力によってモータ側
ディスク40に押圧され、油圧モータ5の回転動作を制
動する。
あり、制動指令手段30から指令信号が出力され、ソレ
ノイド36が励磁されている状態では、通路31は通路
32に接続される。これによってパイロット圧源6から
導かれるパイロット圧油がシリンダ35の油圧室37内
へ導かれ、油圧室37内の圧力が昇圧しばね38のばね
力に抗して、シリンダ35のピストンロッドに接続され
るシリンダ側ディスク39を、油圧モータ5の回転動作
とともに回転されるモータ側ディスク40から離反する
方向へ変位させ、油圧モータ5の回転動作を解放する。
制動指令手段30からの指令信号の出力が停止され、前
記ソレノイド36が消磁された状態では、通路31は通
路33へ接続され、シリンダ35内の油圧室37内の作
動油は通路33を介してタンク42に吐出され、シリン
ダ側ディスク39がばね38のばね力によってモータ側
ディスク40に押圧され、油圧モータ5の回転動作を制
動する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術で
は、緊急停止時に操作レバー11を中立位置A0に戻し
ても、可変容量形ポンプ3の傾転部材21はゆっくり傾
転されるので、可変容量形ポンプ3の作動油の吐出量の
減少が遅く、制動手段29によって回転動作が制動され
ている油圧モータ5内に、その油圧モータ5の回転動作
に要する流量よりも大きな流量で作動油が供給され、そ
の結果、油圧モータ5内でキャビテーションによる異音
が発生し、また制動手段30による制動力に抗して油圧
モータ5が回転駆動しようとするために衝撃力が発生す
るという問題を有する。
は、緊急停止時に操作レバー11を中立位置A0に戻し
ても、可変容量形ポンプ3の傾転部材21はゆっくり傾
転されるので、可変容量形ポンプ3の作動油の吐出量の
減少が遅く、制動手段29によって回転動作が制動され
ている油圧モータ5内に、その油圧モータ5の回転動作
に要する流量よりも大きな流量で作動油が供給され、そ
の結果、油圧モータ5内でキャビテーションによる異音
が発生し、また制動手段30による制動力に抗して油圧
モータ5が回転駆動しようとするために衝撃力が発生す
るという問題を有する。
【0015】このような問題の対策として、たとえば絞
り25および26の許容通過量を大きくして可変容量形
ポンプ3の傾転部材21の傾転を速くする方法が考えら
れるけれども、その場合には建設用機械の発進および停
止を円滑に行うことができなくなるという問題が生じ
る。
り25および26の許容通過量を大きくして可変容量形
ポンプ3の傾転部材21の傾転を速くする方法が考えら
れるけれども、その場合には建設用機械の発進および停
止を円滑に行うことができなくなるという問題が生じ
る。
【0016】本発明の目的は、前記問題を解決し、油圧
モータを駆動源とする建設用機械の発進および停止を円
滑化し、かつ建設用機械の緊急停止時に、前記異音およ
び衝撃力の発生を防止し得るようにした油圧駆動装置を
提供することである。
モータを駆動源とする建設用機械の発進および停止を円
滑化し、かつ建設用機械の緊急停止時に、前記異音およ
び衝撃力の発生を防止し得るようにした油圧駆動装置を
提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、原動機によって駆動される可変容量形ポンプと、可
変容量形ポンプの作動油が供給され、この作動油の油圧
によって双方向に回転駆動される油圧モータと、パイロ
ット圧源から導かれるパイロット圧によって可変容量形
ポンプの作動油の吐出量および吐出方向を操作レバーの
操作に応じて制御する制御手段とを備え、前記制御手段
は、操作レバーの操作に応じてパイロット圧の供給方向
を切換える切換弁と、可変容量形ポンプの作動油の吐出
量および吐出方向を前記切換弁によるパイロット圧によ
って変化させるサーボ弁と、切換弁とサーボ弁とを接続
し、絞りがそれぞれ介在される2つのパイロット圧通路
と、各パイロット圧通路の絞りよりも切換弁寄りで各一
端部がそれぞれ接続され、かつ各パイロット圧通路の絞
りよりもサーボ弁寄りで各他端部がそれぞれ接続される
2つのバイパス通路と、各バイパス通路に介在され、各
バイパス通路を指令信号に応じて遮断し、または接続す
るバイパス通路切換手段とを含み、油圧モータの回転動
作を、指令信号に応じて制動する制動手段と、制動手段
およびバイパス通路切換手段へ指令信号を出力する制動
指令手段とが設けられることを特徴とする油圧駆動装置
である。本発明に従えば、可変容量形ポンプの作動油の
吐出量および吐出方向は、操作レバーの操作に応じて制
御手段によって制御される。この制御手段のパイロット
圧通路には、絞りが介在されており、前記制動指令手段
が指令信号を出力していない状態、すなわち制動手段が
油圧モータの回転動作を解放している状態では、上記し
た従来技術のように、油圧モータを駆動源とする建設用
機械の発進および停止を円滑化することができる。また
制動手段およびバイパス通路切換手段に制動指令手段か
ら指令信号が与えられると、制動手段は油圧モータの回
転動作を制動し始め、またバイパス通路切換手段は、各
パイロット圧通路の絞りを迂回するように接続される2
つのバイパス通路を、遮断状態から連通状態へそれぞれ
移行させる。したがって供給側のパイロット圧通路内の
作動油は、主に一方のバイパス通路内を通過して、すな
わち絞りを迂回してサーボ弁に導かれ、また吐出側のパ
イロット圧管内の作動油は、主に他方のバイパス通路内
を通過して、すなわち絞りを迂回して切換弁に導かれ
る。このように本発明の油圧駆動装置は、制動手段が油
圧モータの回転動作を制動する際に、上記した従来技術
と比較して、絞りを迂回させて作動油を迅速にサーボ弁
あるいは切換弁へ導くように構成されるので、可変容量
形ポンプから油圧モータに供給される作動油の流量を、
制動手段による油圧モータの回転数の減少に応じて速や
かに減少させることができ、これによって異音および衝
撃力の発生を防止することができる。
は、原動機によって駆動される可変容量形ポンプと、可
変容量形ポンプの作動油が供給され、この作動油の油圧
によって双方向に回転駆動される油圧モータと、パイロ
ット圧源から導かれるパイロット圧によって可変容量形
ポンプの作動油の吐出量および吐出方向を操作レバーの
操作に応じて制御する制御手段とを備え、前記制御手段
は、操作レバーの操作に応じてパイロット圧の供給方向
を切換える切換弁と、可変容量形ポンプの作動油の吐出
量および吐出方向を前記切換弁によるパイロット圧によ
って変化させるサーボ弁と、切換弁とサーボ弁とを接続
し、絞りがそれぞれ介在される2つのパイロット圧通路
と、各パイロット圧通路の絞りよりも切換弁寄りで各一
端部がそれぞれ接続され、かつ各パイロット圧通路の絞
りよりもサーボ弁寄りで各他端部がそれぞれ接続される
2つのバイパス通路と、各バイパス通路に介在され、各
バイパス通路を指令信号に応じて遮断し、または接続す
るバイパス通路切換手段とを含み、油圧モータの回転動
作を、指令信号に応じて制動する制動手段と、制動手段
およびバイパス通路切換手段へ指令信号を出力する制動
指令手段とが設けられることを特徴とする油圧駆動装置
である。本発明に従えば、可変容量形ポンプの作動油の
吐出量および吐出方向は、操作レバーの操作に応じて制
御手段によって制御される。この制御手段のパイロット
圧通路には、絞りが介在されており、前記制動指令手段
が指令信号を出力していない状態、すなわち制動手段が
油圧モータの回転動作を解放している状態では、上記し
た従来技術のように、油圧モータを駆動源とする建設用
機械の発進および停止を円滑化することができる。また
制動手段およびバイパス通路切換手段に制動指令手段か
ら指令信号が与えられると、制動手段は油圧モータの回
転動作を制動し始め、またバイパス通路切換手段は、各
パイロット圧通路の絞りを迂回するように接続される2
つのバイパス通路を、遮断状態から連通状態へそれぞれ
移行させる。したがって供給側のパイロット圧通路内の
作動油は、主に一方のバイパス通路内を通過して、すな
わち絞りを迂回してサーボ弁に導かれ、また吐出側のパ
イロット圧管内の作動油は、主に他方のバイパス通路内
を通過して、すなわち絞りを迂回して切換弁に導かれ
る。このように本発明の油圧駆動装置は、制動手段が油
圧モータの回転動作を制動する際に、上記した従来技術
と比較して、絞りを迂回させて作動油を迅速にサーボ弁
あるいは切換弁へ導くように構成されるので、可変容量
形ポンプから油圧モータに供給される作動油の流量を、
制動手段による油圧モータの回転数の減少に応じて速や
かに減少させることができ、これによって異音および衝
撃力の発生を防止することができる。
【0018】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
発明の構成において、各バイパス通路には、各パイロッ
ト圧通路に介在される前記絞りとは許容通過流量が異な
る第2の絞りがそれぞれ介在されることを特徴とする。
本発明に従えば、前記制御手段の各バイパス通路には、
前記各絞りとは許容通過流量が異なる第2の絞りがそれ
ぞれ介在される。したがって、この各第2の絞りの許容
通過流量を選択することによって、各バイパス通路が連
通したときの可変容量形ポンプの作動油の吐出量を変化
させる速さを任意に設定することができる。たとえば前
記可変容量形ポンプの作動油の吐出量を減少させる速さ
を、制動手段の制動によって油圧モータが吐出する作動
油の吐出量が減少する速さに近似させることが可能であ
る。これによって、油圧モータに供給される作動油の流
量不足によって発生する油圧モータ自身の制動力を小さ
くすることができるので、建設用機械を緊急停止させる
際に、制動力が強すぎて車輪がロックするなどの不具合
をなくすことができ、建設用機械をより安全に、また、
より少ない制動距離で緊急停止させることができる。
発明の構成において、各バイパス通路には、各パイロッ
ト圧通路に介在される前記絞りとは許容通過流量が異な
る第2の絞りがそれぞれ介在されることを特徴とする。
本発明に従えば、前記制御手段の各バイパス通路には、
前記各絞りとは許容通過流量が異なる第2の絞りがそれ
ぞれ介在される。したがって、この各第2の絞りの許容
通過流量を選択することによって、各バイパス通路が連
通したときの可変容量形ポンプの作動油の吐出量を変化
させる速さを任意に設定することができる。たとえば前
記可変容量形ポンプの作動油の吐出量を減少させる速さ
を、制動手段の制動によって油圧モータが吐出する作動
油の吐出量が減少する速さに近似させることが可能であ
る。これによって、油圧モータに供給される作動油の流
量不足によって発生する油圧モータ自身の制動力を小さ
くすることができるので、建設用機械を緊急停止させる
際に、制動力が強すぎて車輪がロックするなどの不具合
をなくすことができ、建設用機械をより安全に、また、
より少ない制動距離で緊急停止させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある油圧駆動装置51の油圧回路図である。油圧駆動装
置51は、振動ローラなどの自走式の建設用機械を、操
作レバー55を操作して自走させるための装置であり、
エンジンなどの原動機によって駆動される可変容量形ポ
ンプ52と、可変容量形ポンプ52の作動油が供給さ
れ、この作動油の油圧によって双方向、すなわちE1,
E2方向に回転駆動される油圧モータ53と、パイロッ
ト圧源54から導かれるパイロット圧によって、可変容
量形ポンプ52の作動油の吐出量および吐出方向D1,
D2を操作レバー55の操作に応じて制御する制御手段
56と、油圧モータ53の回転動作を指令信号に応じて
制動する制動手段57と、制動手段57および制御手段
56のバイパス通路切換手段66へ指令信号を出力する
制動指令手段58とを含んで構成される。前記パイロッ
ト圧源54は、パイロット圧油供給ポンプ59とタンク
60とからなり、タンク60内の作動油をパイロット圧
油供給ポンプ59によって、フィルタ61を介して通路
62に導出させる。この通路62は、各通路63〜65
を介してリリーフ弁66に連通する。リリーフ弁66
は、パイロット圧源54から導出される作動油の圧力、
すなわちパイロット圧が設定値P1よりも大きくなる
と、通路65と通路67とを連通し、前記作動油をタン
ク68に導いて、前記パイロット圧が設定圧P1よりも
増加することを阻止する。このようにしてパイロット圧
は、リリーフ弁66の設定値P1に維持される。
ある油圧駆動装置51の油圧回路図である。油圧駆動装
置51は、振動ローラなどの自走式の建設用機械を、操
作レバー55を操作して自走させるための装置であり、
エンジンなどの原動機によって駆動される可変容量形ポ
ンプ52と、可変容量形ポンプ52の作動油が供給さ
れ、この作動油の油圧によって双方向、すなわちE1,
E2方向に回転駆動される油圧モータ53と、パイロッ
ト圧源54から導かれるパイロット圧によって、可変容
量形ポンプ52の作動油の吐出量および吐出方向D1,
D2を操作レバー55の操作に応じて制御する制御手段
56と、油圧モータ53の回転動作を指令信号に応じて
制動する制動手段57と、制動手段57および制御手段
56のバイパス通路切換手段66へ指令信号を出力する
制動指令手段58とを含んで構成される。前記パイロッ
ト圧源54は、パイロット圧油供給ポンプ59とタンク
60とからなり、タンク60内の作動油をパイロット圧
油供給ポンプ59によって、フィルタ61を介して通路
62に導出させる。この通路62は、各通路63〜65
を介してリリーフ弁66に連通する。リリーフ弁66
は、パイロット圧源54から導出される作動油の圧力、
すなわちパイロット圧が設定値P1よりも大きくなる
と、通路65と通路67とを連通し、前記作動油をタン
ク68に導いて、前記パイロット圧が設定圧P1よりも
増加することを阻止する。このようにしてパイロット圧
は、リリーフ弁66の設定値P1に維持される。
【0020】可変容量形ポンプ52は、たとえば斜板式
ピストンポンプによって実現され、原動機によって入力
軸69が回転駆動されると、一方のポート52aあるい
は52bから作動油を吸入し、その作動油を他方のポー
ト52bあるいは52aから吐出する。この吐出される
作動油の吐出量および吐出方向D1,D2は、傾転部材
70の傾転角および傾転方向C1,C2によって決定さ
れる。この傾転部材70の傾転角および傾転方向C1,
C2の調整は、制御手段56によって行われる。
ピストンポンプによって実現され、原動機によって入力
軸69が回転駆動されると、一方のポート52aあるい
は52bから作動油を吸入し、その作動油を他方のポー
ト52bあるいは52aから吐出する。この吐出される
作動油の吐出量および吐出方向D1,D2は、傾転部材
70の傾転角および傾転方向C1,C2によって決定さ
れる。この傾転部材70の傾転角および傾転方向C1,
C2の調整は、制御手段56によって行われる。
【0021】油圧モータ53は、たとえば斜板式ピスト
ンモータによって実現され、一方のポート53aあるい
は53bから作動油が供給されると、その作動油の油圧
(以後、「作動油圧」と略称することがある)によって
出力軸71を回転駆動させ、他方のポート53bあるい
は53aから前記作動油を吐出する。出力軸71は、前
記建設用機械の車輪軸など走行用駆動部分に接続され
る。出力軸71の回転方向E1,E2および回転数は、
可変容量形ポンプ52から吐出される作動油の吐出方向
D1,D2および吐出量に応じて変化する。
ンモータによって実現され、一方のポート53aあるい
は53bから作動油が供給されると、その作動油の油圧
(以後、「作動油圧」と略称することがある)によって
出力軸71を回転駆動させ、他方のポート53bあるい
は53aから前記作動油を吐出する。出力軸71は、前
記建設用機械の車輪軸など走行用駆動部分に接続され
る。出力軸71の回転方向E1,E2および回転数は、
可変容量形ポンプ52から吐出される作動油の吐出方向
D1,D2および吐出量に応じて変化する。
【0022】可変容量形ポンプ52および油圧モータ5
3は、ポート52aとポート53aとが連通するように
主通路72によって接続され、ポート52bとポート5
3bとが連通するように主通路73によって接続され
る。これらの可変容量形ポンプ52、油圧モータ53お
よび各主通路72,73によって閉回路74が構成され
る。閉回路74において、油圧モータ53は可変容量形
ポンプ52から供給される作動油圧によって回転駆動さ
れるために、主通路72,73はいずれか一方が高圧側
になれば、他方は低圧側となる。
3は、ポート52aとポート53aとが連通するように
主通路72によって接続され、ポート52bとポート5
3bとが連通するように主通路73によって接続され
る。これらの可変容量形ポンプ52、油圧モータ53お
よび各主通路72,73によって閉回路74が構成され
る。閉回路74において、油圧モータ53は可変容量形
ポンプ52から供給される作動油圧によって回転駆動さ
れるために、主通路72,73はいずれか一方が高圧側
になれば、他方は低圧側となる。
【0023】この高圧側の主通路72あるいは73の作
動油圧の上限値を調整するために、油圧モータ53をバ
イパスして各主通路72,73を連通する各通路75,
76には、リリーフ弁77,78がそれぞれ介在され
る。各リリーフ弁77,78は、高圧側の主通路72あ
るいは73の作動油圧が各リリーフ弁77,78の設定
値P2よりも小さい状態では、各通路75,76を遮断
する。また出力軸71に負荷がかかり、高圧側の主通路
72あるいは73の作動油圧が設定圧P2以上になる
と、リリーフ弁78あるいは77は、通路76あるいは
75を連通させて高圧側の主通路72あるいは73の作
動油を低圧側の主通路73あるいは72へ導き、前記作
動油圧が設定圧P2よりも増加することを阻止する。ま
た低圧側の主通路73あるいは72の作動油圧の下限値
を調整するために、パイロット圧油が導かれる前記通路
64と、前記各主通路72,73とをそれぞれ連通する
各通路79,80には、チェック弁81,82がそれぞ
れ介在される。各チェック弁81,82は、低圧側の主
通路73あるいは72の作動油圧がパイロット圧よりも
小さい場合に、それぞれ開弁して前記低圧側の主通路7
3あるいは72にパイロット圧油を導き、低圧側の主通
路73あるいは72の作動油圧がパイロット圧よりも減
少することを阻止する。
動油圧の上限値を調整するために、油圧モータ53をバ
イパスして各主通路72,73を連通する各通路75,
76には、リリーフ弁77,78がそれぞれ介在され
る。各リリーフ弁77,78は、高圧側の主通路72あ
るいは73の作動油圧が各リリーフ弁77,78の設定
値P2よりも小さい状態では、各通路75,76を遮断
する。また出力軸71に負荷がかかり、高圧側の主通路
72あるいは73の作動油圧が設定圧P2以上になる
と、リリーフ弁78あるいは77は、通路76あるいは
75を連通させて高圧側の主通路72あるいは73の作
動油を低圧側の主通路73あるいは72へ導き、前記作
動油圧が設定圧P2よりも増加することを阻止する。ま
た低圧側の主通路73あるいは72の作動油圧の下限値
を調整するために、パイロット圧油が導かれる前記通路
64と、前記各主通路72,73とをそれぞれ連通する
各通路79,80には、チェック弁81,82がそれぞ
れ介在される。各チェック弁81,82は、低圧側の主
通路73あるいは72の作動油圧がパイロット圧よりも
小さい場合に、それぞれ開弁して前記低圧側の主通路7
3あるいは72にパイロット圧油を導き、低圧側の主通
路73あるいは72の作動油圧がパイロット圧よりも減
少することを阻止する。
【0024】前記制動指令手段58は、たとえば建設用
機械に複数設けられる緊急停止用の押釦式のスイッチお
よび建設用機械のバッテリなどから成り、建設用機械
が、操作員によってエンジンをスタートさせるなどして
起動されると、指令信号を出力する。この状態で前記ス
イッチを押圧すると制動指令手段58は指令信号の出力
を停止する。
機械に複数設けられる緊急停止用の押釦式のスイッチお
よび建設用機械のバッテリなどから成り、建設用機械
が、操作員によってエンジンをスタートさせるなどして
起動されると、指令信号を出力する。この状態で前記ス
イッチを押圧すると制動指令手段58は指令信号の出力
を停止する。
【0025】前記制動手段57は、制動指令手段58か
ら出力される指令信号に応じて通路83を通路84ある
いは通路85へ接続する制動切換弁86と、油圧モータ
53の回転動作を制動するシリンダ87とで構成され
る。制動切換弁86は、電磁操作3ポート弁であり、ソ
レノイド88が消磁されている状態では、通路83と通
路84とを接続する。これによってシリンダ87内の油
圧室89は各通路83,84を介してタンク90に連通
し、シリンダ87のピストンロッド91に接続されるシ
リンダ側ディスク92は、油圧モータ53の回転動作に
よって回転駆動されるモータ側ディスク93に、ばね9
4のばね力によって押圧され、油圧モータ53の回転動
作を機械的に制動する。また制動指令手段58から指令
信号が出力され、ソレノイド88が励磁されると、制動
切換弁86は通路83と通路85とを接続する。これに
よってパイロット圧源54から各通路62,63,85
を介して導かれるパイロット圧油が油圧室89内に流入
し、油圧室89内の作動油を昇圧して、シリンダ87が
ばね94のばね力に抗してシリンダ側ディスク92を、
モータ側ディスク93から離反する方向へ変位させ、油
圧モータ53の回転動作を解放する。
ら出力される指令信号に応じて通路83を通路84ある
いは通路85へ接続する制動切換弁86と、油圧モータ
53の回転動作を制動するシリンダ87とで構成され
る。制動切換弁86は、電磁操作3ポート弁であり、ソ
レノイド88が消磁されている状態では、通路83と通
路84とを接続する。これによってシリンダ87内の油
圧室89は各通路83,84を介してタンク90に連通
し、シリンダ87のピストンロッド91に接続されるシ
リンダ側ディスク92は、油圧モータ53の回転動作に
よって回転駆動されるモータ側ディスク93に、ばね9
4のばね力によって押圧され、油圧モータ53の回転動
作を機械的に制動する。また制動指令手段58から指令
信号が出力され、ソレノイド88が励磁されると、制動
切換弁86は通路83と通路85とを接続する。これに
よってパイロット圧源54から各通路62,63,85
を介して導かれるパイロット圧油が油圧室89内に流入
し、油圧室89内の作動油を昇圧して、シリンダ87が
ばね94のばね力に抗してシリンダ側ディスク92を、
モータ側ディスク93から離反する方向へ変位させ、油
圧モータ53の回転動作を解放する。
【0026】上記した可変容量形ポンプ52の傾転部材
70の傾転角および傾転方向C1,C2を調整する制御
手段56は、操作レバー55の操作に応じてパイロット
圧の供給方向を切換える切換弁95と、可変容量形ポン
プ52の作動油の吐出量および吐出方向D1,D2を前
記切換弁95によるパイロット圧によって変化させるサ
ーボ弁96と、切換弁95とサーボ弁96とを接続し、
絞り97,98がそれぞれ介在される2つのパイロット
圧通路99,100と、一方のパイロット圧通路99の
絞り97よりも切換弁95寄りで一端部101aが接続
され、かつ前記パイロット圧通路99の絞り97よりも
サーボ弁96寄りで他端部101bが接続されるバイパ
ス通路101と、他方のパイロット圧通路100の絞り
98よりも切換弁95寄りで一端部102aが接続さ
れ、かつ前記パイロット圧通路100の絞り98よりも
サーボ弁96寄りで他端部102bが接続されるバイパ
ス通路102と、各バイパス通路101,102に介在
され、各バイパス通路101,102を指令信号に応じ
てそれぞれ遮断し、またはそれぞれ連通するバイパス通
路切換手段103とを含んで構成される。
70の傾転角および傾転方向C1,C2を調整する制御
手段56は、操作レバー55の操作に応じてパイロット
圧の供給方向を切換える切換弁95と、可変容量形ポン
プ52の作動油の吐出量および吐出方向D1,D2を前
記切換弁95によるパイロット圧によって変化させるサ
ーボ弁96と、切換弁95とサーボ弁96とを接続し、
絞り97,98がそれぞれ介在される2つのパイロット
圧通路99,100と、一方のパイロット圧通路99の
絞り97よりも切換弁95寄りで一端部101aが接続
され、かつ前記パイロット圧通路99の絞り97よりも
サーボ弁96寄りで他端部101bが接続されるバイパ
ス通路101と、他方のパイロット圧通路100の絞り
98よりも切換弁95寄りで一端部102aが接続さ
れ、かつ前記パイロット圧通路100の絞り98よりも
サーボ弁96寄りで他端部102bが接続されるバイパ
ス通路102と、各バイパス通路101,102に介在
され、各バイパス通路101,102を指令信号に応じ
てそれぞれ遮断し、またはそれぞれ連通するバイパス通
路切換手段103とを含んで構成される。
【0027】切換弁95は、トレーサ弁として用いら
れ、そのスプール95aは、操作レバー55によって位
置操作される。この切換弁95には、前記通路62に連
通し、パイロット圧油を導く通路104が接続される。
操作レバー55が、図1に示されるように中立位置A0
にあるときには、切換弁95は通路104を各パイロッ
ト圧通路99,100のいずれとも遮断する。このとき
各パイロット圧通路99,100の各一端側は、タンク
105にそれぞれ連通する。
れ、そのスプール95aは、操作レバー55によって位
置操作される。この切換弁95には、前記通路62に連
通し、パイロット圧油を導く通路104が接続される。
操作レバー55が、図1に示されるように中立位置A0
にあるときには、切換弁95は通路104を各パイロッ
ト圧通路99,100のいずれとも遮断する。このとき
各パイロット圧通路99,100の各一端側は、タンク
105にそれぞれ連通する。
【0028】サーボ弁96は、サーボシリンダ106内
をB1,B2方向に摺動変位可能なスプール107を有
し、このスプール107によってサーボシリンダ106
の内部空間は油圧室106a,106bに仕切られる。
各油圧室106a,106bは、前記各パイロット圧通
路99,100の他端側に連通する。切換弁95が各パ
イロット圧通路99,100の各一端側とタンク105
とを連通させている状態では、サーボ弁96の各油圧室
106a,106b内の油圧は同圧であり、サーボ弁9
6のスプール107は、各ばね108,109のばね力
によって中立位置B0に保持されている。このスプール
107には、可変容量形ポンプ52の傾転部材70が、
前記スプール107を中立位置B0に保持している状態
で可変容量形ポンプ52の作動油の吐出量が零となるよ
うに調整されて、接続されている。したがって操作レバ
ー55が中立位置A0にあるときには可変容量形ポンプ
52は作動油を吐出しないので、油圧モータ53は出力
軸71を回転駆動しない。また前記スプール107に
は、連結棒110が接続される。連結棒110は、その
長手方向中間部が支持部材111に揺動自在に支持さ
れ、スプール107に接続される長手方向一端部とは反
対側の長手方向他端部が、切換弁95のスリーブ95b
に接続される。
をB1,B2方向に摺動変位可能なスプール107を有
し、このスプール107によってサーボシリンダ106
の内部空間は油圧室106a,106bに仕切られる。
各油圧室106a,106bは、前記各パイロット圧通
路99,100の他端側に連通する。切換弁95が各パ
イロット圧通路99,100の各一端側とタンク105
とを連通させている状態では、サーボ弁96の各油圧室
106a,106b内の油圧は同圧であり、サーボ弁9
6のスプール107は、各ばね108,109のばね力
によって中立位置B0に保持されている。このスプール
107には、可変容量形ポンプ52の傾転部材70が、
前記スプール107を中立位置B0に保持している状態
で可変容量形ポンプ52の作動油の吐出量が零となるよ
うに調整されて、接続されている。したがって操作レバ
ー55が中立位置A0にあるときには可変容量形ポンプ
52は作動油を吐出しないので、油圧モータ53は出力
軸71を回転駆動しない。また前記スプール107に
は、連結棒110が接続される。連結棒110は、その
長手方向中間部が支持部材111に揺動自在に支持さ
れ、スプール107に接続される長手方向一端部とは反
対側の長手方向他端部が、切換弁95のスリーブ95b
に接続される。
【0029】バイパス通路切換手段103は、電磁操作
4ポート弁であり、制動指令手段58から指令信号が出
力されてソレノイド112が励磁されている状態では、
各バイパス通路101,102をそれぞれ遮断してい
る。また制動指令手段58から指令信号が出力されない
状態、すなわちソレノイド112が消磁されている状態
では、バイパス通路切換手段103は各バイパス通路1
01,102をそれぞれ連通させる。なお、各バイパス
通路101,102の流路断面積は、各パイロット圧通
路99,100の流路断面積と同じ大きさを有してい
る。
4ポート弁であり、制動指令手段58から指令信号が出
力されてソレノイド112が励磁されている状態では、
各バイパス通路101,102をそれぞれ遮断してい
る。また制動指令手段58から指令信号が出力されない
状態、すなわちソレノイド112が消磁されている状態
では、バイパス通路切換手段103は各バイパス通路1
01,102をそれぞれ連通させる。なお、各バイパス
通路101,102の流路断面積は、各パイロット圧通
路99,100の流路断面積と同じ大きさを有してい
る。
【0030】このように構成される本実施形態の油圧駆
動装置51において、操作レバー55がA1方向に操作
されると、切換弁95のスプール95aが前記A1方向
へ変位し、通路104とパイロット圧通路100とが連
通され、またパイロット圧通路99とタンク105とが
連通される。これによってサーボ弁96の油圧室106
a内の作動油が昇圧し、また油圧室106b内の作動油
が減圧し、スプール107が各ばね108,109のば
ね力に抗してB1方向に変位する。このスプール107
の変位によって連結棒110が揺動され、切換弁95の
スリーブ95bが前記A1方向に変位し、操作レバー5
5の操作によって変位した切換弁95のスプール95a
の変位量だけスリーブ95bが変位すると、通路104
およびパイロット圧通路99、パイロット圧通路100
およびタンク105がそれぞれ遮断されて、サーボ弁9
6の各油圧室106a,106b内の各油圧がそれぞれ
維持され、スプール107は停止する。
動装置51において、操作レバー55がA1方向に操作
されると、切換弁95のスプール95aが前記A1方向
へ変位し、通路104とパイロット圧通路100とが連
通され、またパイロット圧通路99とタンク105とが
連通される。これによってサーボ弁96の油圧室106
a内の作動油が昇圧し、また油圧室106b内の作動油
が減圧し、スプール107が各ばね108,109のば
ね力に抗してB1方向に変位する。このスプール107
の変位によって連結棒110が揺動され、切換弁95の
スリーブ95bが前記A1方向に変位し、操作レバー5
5の操作によって変位した切換弁95のスプール95a
の変位量だけスリーブ95bが変位すると、通路104
およびパイロット圧通路99、パイロット圧通路100
およびタンク105がそれぞれ遮断されて、サーボ弁9
6の各油圧室106a,106b内の各油圧がそれぞれ
維持され、スプール107は停止する。
【0031】また操作レバー55がA2方向に操作され
ると、切換弁95のスプール95aが前記A2方向へ変
位し、通路104とパイロット圧通路99とが連通さ
れ、またパイロット圧通路100とタンク105とが連
通される。これによってサーボ弁96の油圧室106b
内の作動油が昇圧し、また油圧室106a内の作動油が
減圧し、スプール107が各ばね108,109のばね
力に抗してB2方向に変位する。スプール107の変位
によって連結棒110が揺動され、これによって切換弁
95のスリーブ95bが前記A2方向に変位し、操作レ
バー55の操作によって変位した切換弁95のスプール
95aの変位量だけスリーブ95bが変位すると、通路
104およびパイロット圧通路99、パイロット圧通路
100およびタンク105がそれぞれ遮断され、スプー
ル107は停止する。このようにしてスプール107は
操作レバー55の操作量に応じて変位し、その変位方向
B1,B2は操作レバー55の操作方向A1,A2に対
応する。また傾転部材70は、前記スプール107の変
位量に比例した角度で、スプール107の変位方向B
1,B2に対応してC1,C2方向へ傾転される。
ると、切換弁95のスプール95aが前記A2方向へ変
位し、通路104とパイロット圧通路99とが連通さ
れ、またパイロット圧通路100とタンク105とが連
通される。これによってサーボ弁96の油圧室106b
内の作動油が昇圧し、また油圧室106a内の作動油が
減圧し、スプール107が各ばね108,109のばね
力に抗してB2方向に変位する。スプール107の変位
によって連結棒110が揺動され、これによって切換弁
95のスリーブ95bが前記A2方向に変位し、操作レ
バー55の操作によって変位した切換弁95のスプール
95aの変位量だけスリーブ95bが変位すると、通路
104およびパイロット圧通路99、パイロット圧通路
100およびタンク105がそれぞれ遮断され、スプー
ル107は停止する。このようにしてスプール107は
操作レバー55の操作量に応じて変位し、その変位方向
B1,B2は操作レバー55の操作方向A1,A2に対
応する。また傾転部材70は、前記スプール107の変
位量に比例した角度で、スプール107の変位方向B
1,B2に対応してC1,C2方向へ傾転される。
【0032】傾転部材70が中立位置C0からC1方向
へ傾転されると、可変容量形ポンプ52は、傾転部材7
0の中立位置C0からの傾転角θ1に応じた流量で、作
動油をポート52bから吸入し、ポート52aからD1
方向へ吐出する。吐出された作動油は、主通路72を介
してポート53aから油圧モータ53内に流入し、これ
によって油圧モータ53は出力軸71をE1方向へ回転
駆動させる。また傾転部材70が中立位置C0からC2
方向へ傾転されると、可変容量形ポンプ52は、傾転部
材70の中立位置C0からの傾転角θ2に応じた流量
で、作動油をポート52aから吸入し、ポート52bか
らD2方向へ吐出する。吐出された作動油は、主通路7
3を介してポート53bから油圧モータ53内に流入
し、これによって油圧モータ53は出力軸71をE2方
向へ回転駆動させる。
へ傾転されると、可変容量形ポンプ52は、傾転部材7
0の中立位置C0からの傾転角θ1に応じた流量で、作
動油をポート52bから吸入し、ポート52aからD1
方向へ吐出する。吐出された作動油は、主通路72を介
してポート53aから油圧モータ53内に流入し、これ
によって油圧モータ53は出力軸71をE1方向へ回転
駆動させる。また傾転部材70が中立位置C0からC2
方向へ傾転されると、可変容量形ポンプ52は、傾転部
材70の中立位置C0からの傾転角θ2に応じた流量
で、作動油をポート52aから吸入し、ポート52bか
らD2方向へ吐出する。吐出された作動油は、主通路7
3を介してポート53bから油圧モータ53内に流入
し、これによって油圧モータ53は出力軸71をE2方
向へ回転駆動させる。
【0033】操作レバー55がA1あるいはA2方向に
操作された状態から中立位置A0に戻されると、切換弁
95は図1に示される状態に戻り、スプール107が各
ばね108,109のばね力によって中立位置B0に保
持され、可変容量形ポンプ52の傾転部材70を中立位
置C0に戻し、これによって可変容量形ポンプ52の作
動油の吐出量が零になる。出力軸71が回転駆動されて
いる状態で、可変容量形ポンプ52の作動油の吐出量が
零になると、油圧モータ53自身の慣性および出力軸7
1に接続される負荷の慣性によって、出力軸71は、そ
の回転動作が継続される。しかしながら、このとき油圧
モータ53には作動油が、出力軸71を回転駆動するた
めに要する流量で供給されないので、前記慣性による出
力軸71の回転動作を制動しようとする力(以降、「油
圧モータ53自身の制動力」と記述する)が発生し、こ
れによって前記出力軸71の回転動作は停止する。
操作された状態から中立位置A0に戻されると、切換弁
95は図1に示される状態に戻り、スプール107が各
ばね108,109のばね力によって中立位置B0に保
持され、可変容量形ポンプ52の傾転部材70を中立位
置C0に戻し、これによって可変容量形ポンプ52の作
動油の吐出量が零になる。出力軸71が回転駆動されて
いる状態で、可変容量形ポンプ52の作動油の吐出量が
零になると、油圧モータ53自身の慣性および出力軸7
1に接続される負荷の慣性によって、出力軸71は、そ
の回転動作が継続される。しかしながら、このとき油圧
モータ53には作動油が、出力軸71を回転駆動するた
めに要する流量で供給されないので、前記慣性による出
力軸71の回転動作を制動しようとする力(以降、「油
圧モータ53自身の制動力」と記述する)が発生し、こ
れによって前記出力軸71の回転動作は停止する。
【0034】このようにして操作レバー55の操作に応
じて油圧モータ53の回転数および回転方向E1,E2
を制御する制御手段56において、バイパス通路切換手
段103が各バイパス通路101,102を遮断してい
る状態では、パイロット圧油は絞り97,98を通過し
て、サーボ弁96に供給され、また切換弁95へ吐出さ
れるので、操作レバー55が操作される速さと比較して
サーボ弁96の各油圧室106a,106b内の油圧が
緩慢に変化させ、スプール107のB1,B2方向へ変
位する速さを小さくし、傾転部材76をC1,C2方向
へゆっくり傾転させることができる。したがって、操作
レバー55を中立位置A0からA1あるいはA2方向へ
操作すると、その操作レバー55を操作する速さに比較
して、可変容量形ポンプ52の作動油の吐出量は緩慢に
増加し、これに伴って油圧モータ53を回転駆動させる
ための油圧モータ53内の作動油圧も緩慢に増加する。
また逆に操作レバー55を中立位置A0に戻すと、可変
容量形ポンプ52の傾転部材70はゆっくり中立位置C
0に戻るので、油圧モータ53内の前記作動油圧は緩慢
に減少する。このようにして油圧モータ53内の作動油
圧の変化を緩慢に行うことができるので、前記制動指令
手段58が指令信号を出力していない状態、すなわち制
動手段57が油圧モータ53の回転動作を解放している
状態では、上記した従来技術のように、油圧モータ53
を駆動源とする建設用機械の発進および停止を円滑化す
ることができる。
じて油圧モータ53の回転数および回転方向E1,E2
を制御する制御手段56において、バイパス通路切換手
段103が各バイパス通路101,102を遮断してい
る状態では、パイロット圧油は絞り97,98を通過し
て、サーボ弁96に供給され、また切換弁95へ吐出さ
れるので、操作レバー55が操作される速さと比較して
サーボ弁96の各油圧室106a,106b内の油圧が
緩慢に変化させ、スプール107のB1,B2方向へ変
位する速さを小さくし、傾転部材76をC1,C2方向
へゆっくり傾転させることができる。したがって、操作
レバー55を中立位置A0からA1あるいはA2方向へ
操作すると、その操作レバー55を操作する速さに比較
して、可変容量形ポンプ52の作動油の吐出量は緩慢に
増加し、これに伴って油圧モータ53を回転駆動させる
ための油圧モータ53内の作動油圧も緩慢に増加する。
また逆に操作レバー55を中立位置A0に戻すと、可変
容量形ポンプ52の傾転部材70はゆっくり中立位置C
0に戻るので、油圧モータ53内の前記作動油圧は緩慢
に減少する。このようにして油圧モータ53内の作動油
圧の変化を緩慢に行うことができるので、前記制動指令
手段58が指令信号を出力していない状態、すなわち制
動手段57が油圧モータ53の回転動作を解放している
状態では、上記した従来技術のように、油圧モータ53
を駆動源とする建設用機械の発進および停止を円滑化す
ることができる。
【0035】また制動指令手段58からの指令信号の出
力を停止させ、各バイパス通路101,102をそれぞ
れ連通させると、サーボ弁96の各油圧室106a,1
06b内の油圧が、各バイパス通路101,102の遮
断状態のときと比較して迅速に変化するので、スプール
107をB1,B2方向へ迅速に変位させ、傾転部材7
0をC1,C2方向へ迅速に傾転させることができる。
このようにして操作レバー55を中立位置A0に戻す
と、可変容量形ポンプ52の傾転部材70は、前記操作
レバー55が中立位置A0に戻る速さと同じ速さで、中
立位置C0に戻る。したがって、上記したように制動指
令手段58からの指令信号を停止させて、制動手段57
が油圧モータ53の回転動作を機械的に制動する際に、
作動油を各絞り97,98を迂回させてサーボ弁96あ
るいは切換弁95へ導くので、上記した従来技術と比較
して、可変容量形ポンプ52から油圧モータ53に供給
される作動油の流量を、制動手段57による油圧モータ
53の回転数が低下するにつれて速やかに減少させるこ
とができ、これによって上記したようなキャビテーショ
ンによる異音の発生および衝撃力の発生を防止すること
ができる。
力を停止させ、各バイパス通路101,102をそれぞ
れ連通させると、サーボ弁96の各油圧室106a,1
06b内の油圧が、各バイパス通路101,102の遮
断状態のときと比較して迅速に変化するので、スプール
107をB1,B2方向へ迅速に変位させ、傾転部材7
0をC1,C2方向へ迅速に傾転させることができる。
このようにして操作レバー55を中立位置A0に戻す
と、可変容量形ポンプ52の傾転部材70は、前記操作
レバー55が中立位置A0に戻る速さと同じ速さで、中
立位置C0に戻る。したがって、上記したように制動指
令手段58からの指令信号を停止させて、制動手段57
が油圧モータ53の回転動作を機械的に制動する際に、
作動油を各絞り97,98を迂回させてサーボ弁96あ
るいは切換弁95へ導くので、上記した従来技術と比較
して、可変容量形ポンプ52から油圧モータ53に供給
される作動油の流量を、制動手段57による油圧モータ
53の回転数が低下するにつれて速やかに減少させるこ
とができ、これによって上記したようなキャビテーショ
ンによる異音の発生および衝撃力の発生を防止すること
ができる。
【0036】図2は、本発明の実施の他の形態である油
圧駆動装置121の油圧回路図である。油圧駆動装置1
21は、図1に示される油圧駆動装置51に類似し、対
応する部分には同一の参照符を付し、説明は省略する。
圧駆動装置121の油圧回路図である。油圧駆動装置1
21は、図1に示される油圧駆動装置51に類似し、対
応する部分には同一の参照符を付し、説明は省略する。
【0037】制御手段122の各バイパス通路123,
124には、前記各絞り97,98とは許容通過流量が
異なる第2絞り125,126がそれぞれ介在される。
この各第2絞り125,126の許容通過流量を選択す
ることによって、各バイパス通路101,102が連通
したときのスプール107の変位速さを任意に設定する
ことができ、換言すれば、可変容量形ポンプ52の作動
油の吐出量を変化させる速さを任意に設定することがで
きる。したがって、たとえば前記可変容量形ポンプ52
の作動油の吐出量を減少させる速さを、制動手段57の
制動によって出力軸71の回転数が減少する際に油圧モ
ータ53から吐出される作動油の吐出量の減少速さに近
似させることが可能である。これによって上記した油圧
モータ53自身の制動力を小さくすることができるの
で、建設用機械を緊急停止させる際に、制動力が強すぎ
て建設用機械の車輪がロックするなどの不具合をなくす
ことができる。したがって、上記した実施形態の油圧駆
動装置51と比較して、建設用機械をより安全に、ま
た、より少ない制動距離で緊急停止させることができ
る。
124には、前記各絞り97,98とは許容通過流量が
異なる第2絞り125,126がそれぞれ介在される。
この各第2絞り125,126の許容通過流量を選択す
ることによって、各バイパス通路101,102が連通
したときのスプール107の変位速さを任意に設定する
ことができ、換言すれば、可変容量形ポンプ52の作動
油の吐出量を変化させる速さを任意に設定することがで
きる。したがって、たとえば前記可変容量形ポンプ52
の作動油の吐出量を減少させる速さを、制動手段57の
制動によって出力軸71の回転数が減少する際に油圧モ
ータ53から吐出される作動油の吐出量の減少速さに近
似させることが可能である。これによって上記した油圧
モータ53自身の制動力を小さくすることができるの
で、建設用機械を緊急停止させる際に、制動力が強すぎ
て建設用機械の車輪がロックするなどの不具合をなくす
ことができる。したがって、上記した実施形態の油圧駆
動装置51と比較して、建設用機械をより安全に、ま
た、より少ない制動距離で緊急停止させることができ
る。
【0038】また制御手段122には、傾転速度切換手
段127が設けられる。傾転速度切換手段127は、た
とえば、操作レバー55の近傍に設けられ、スイッチ1
28をONすると、前記制動指令手段58から出力され
る指令信号と同一の指令信号が出力されて、バイパス通
路切換手段103のソレノイド112を励磁し、これに
よって各バイパス通路101,102をそれぞれ挿通さ
せることができる。また前記スイッチ128をOFFす
ると、前記指令信号の出力を停止して、ソレノイド11
2を消磁し、これによって各バイパス通路101,10
2を遮断する。このようにしてスイッチ128のON/
OFF操作によって、各バイパス通路101,102の
挿通/遮断を制御し、上記した可変容量形ポンプ52の
作動油の吐出量の変化速さを切り換えて、操作レバー5
5の操作に対する油圧モータ53の応答性を、高速モー
ドあるいは低速モードに容易に切り換えることができ
る。
段127が設けられる。傾転速度切換手段127は、た
とえば、操作レバー55の近傍に設けられ、スイッチ1
28をONすると、前記制動指令手段58から出力され
る指令信号と同一の指令信号が出力されて、バイパス通
路切換手段103のソレノイド112を励磁し、これに
よって各バイパス通路101,102をそれぞれ挿通さ
せることができる。また前記スイッチ128をOFFす
ると、前記指令信号の出力を停止して、ソレノイド11
2を消磁し、これによって各バイパス通路101,10
2を遮断する。このようにしてスイッチ128のON/
OFF操作によって、各バイパス通路101,102の
挿通/遮断を制御し、上記した可変容量形ポンプ52の
作動油の吐出量の変化速さを切り換えて、操作レバー5
5の操作に対する油圧モータ53の応答性を、高速モー
ドあるいは低速モードに容易に切り換えることができ
る。
【0039】なお、上記した各実施形態において、各タ
ンク60,68,90および105は、同一のタンクで
あってもよい。また、操作レバー55は、ばねを取り付
け、操作レバー55が操作されないときには、中立位置
A0で保持されるように構成してもよい。
ンク60,68,90および105は、同一のタンクで
あってもよい。また、操作レバー55は、ばねを取り付
け、操作レバー55が操作されないときには、中立位置
A0で保持されるように構成してもよい。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、パイロット圧通路に
は、絞りが介在されるので、前記制動指令手段が指令信
号を出力していない状態、すなわち制動手段が油圧モー
タの回転動作を解放している状態では、上記した従来技
術のように、油圧モータを駆動源とする建設用機械の発
進および停止を円滑化することができる。
は、絞りが介在されるので、前記制動指令手段が指令信
号を出力していない状態、すなわち制動手段が油圧モー
タの回転動作を解放している状態では、上記した従来技
術のように、油圧モータを駆動源とする建設用機械の発
進および停止を円滑化することができる。
【0041】また制動手段が油圧モータの回転動作を制
動する際に、上記した従来技術と比較して、絞りを迂回
させて作動油を迅速にサーボ弁あるいは切換弁へ導くよ
うに構成されるので、可変容量形ポンプから油圧モータ
に供給される作動油の流量を、制動手段による油圧モー
タの回転数の減少に応じて速やかに減少させることがで
き、これによって異音および衝撃力の発生を防止するこ
とができる。
動する際に、上記した従来技術と比較して、絞りを迂回
させて作動油を迅速にサーボ弁あるいは切換弁へ導くよ
うに構成されるので、可変容量形ポンプから油圧モータ
に供給される作動油の流量を、制動手段による油圧モー
タの回転数の減少に応じて速やかに減少させることがで
き、これによって異音および衝撃力の発生を防止するこ
とができる。
【0042】また本発明によれば、前記制御手段の各バ
イパス通路には、前記各絞りとは許容通過流量が異なる
第2の絞りがそれぞれ介在される。したがって、この各
第2の絞りの許容通過流量を選択することによって、各
バイパス通路が連通したときの可変容量形ポンプの作動
油の吐出量を変化させる速さを任意に設定することがで
きる。たとえば前記可変容量形ポンプの作動油の吐出量
を減少させる速さを、制動手段の制動によって油圧モー
タが吐出する作動油の吐出量が減少する速さに近似させ
ることが可能である。これによって、油圧モータに供給
される作動油の流量不足によって発生する油圧モータ自
身の制動力を小さくすることができるので、建設用機械
を緊急停止させる際に、制動力が強すぎて車輪がロック
するなどの不具合をなくすことができ、建設用機械をよ
り安全に、また、より少ない制動距離で緊急停止させる
ことができる。
イパス通路には、前記各絞りとは許容通過流量が異なる
第2の絞りがそれぞれ介在される。したがって、この各
第2の絞りの許容通過流量を選択することによって、各
バイパス通路が連通したときの可変容量形ポンプの作動
油の吐出量を変化させる速さを任意に設定することがで
きる。たとえば前記可変容量形ポンプの作動油の吐出量
を減少させる速さを、制動手段の制動によって油圧モー
タが吐出する作動油の吐出量が減少する速さに近似させ
ることが可能である。これによって、油圧モータに供給
される作動油の流量不足によって発生する油圧モータ自
身の制動力を小さくすることができるので、建設用機械
を緊急停止させる際に、制動力が強すぎて車輪がロック
するなどの不具合をなくすことができ、建設用機械をよ
り安全に、また、より少ない制動距離で緊急停止させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である油圧駆動装置51
の油圧回路図である。
の油圧回路図である。
【図2】本発明の実施の他の形態である油圧駆動装置1
21の油圧回路図である。
21の油圧回路図である。
【図3】典型的な従来技術を示す油圧回路図である。
51,121油圧駆動装置 52 可変容量形ポンプ 53 油圧モータ 54 パイロット圧源 55 操作レバー 56,122 制御手段 57 制動手段 58 制動指令手段 95 切換弁 96 サーボ弁 97,98 絞り 99,100 パイロット圧通路 101,102 バイパス通路 103 バイパス通路切換手段 125,126 第2絞り
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 29/04 F02F 9/20 F04B 49/00
Claims (2)
- 【請求項1】 原動機によって駆動される可変容量形ポ
ンプと、 可変容量形ポンプの作動油が供給され、この作動油の油
圧によって双方向に回転駆動される油圧モータと、 パイロット圧源から導かれるパイロット圧によって可変
容量形ポンプの作動油の吐出量および吐出方向を操作レ
バーの操作に応じて制御する制御手段とを備え、 前記制御手段は、 操作レバーの操作に応じてパイロット圧の供給方向を切
換える切換弁と、 可変容量形ポンプの作動油の吐出量および吐出方向を前
記切換弁によるパイロット圧によって変化させるサーボ
弁と、 切換弁とサーボ弁とを接続し、絞りがそれぞれ介在され
る2つのパイロット圧通路と、 各パイロット圧通路の絞りよりも切換弁寄りで各一端部
がそれぞれ接続され、かつ各パイロット圧通路の絞りよ
りもサーボ弁寄りで各他端部がそれぞれ接続される2つ
のバイパス通路と、 各バイパス通路に介在され、各バイパス通路を指令信号
に応じて遮断し、または接続するバイパス通路切換手段
とを含み、 油圧モータの回転動作を、指令信号に応じて制動する制
動手段と、 制動手段およびバイパス通路切換手段へ指令信号を出力
する制動指令手段とが設けられることを特徴とする油圧
駆動装置。 - 【請求項2】 各バイパス通路には、各バイパス通路に
介在される前記絞りとは許容通過流量が異なる第2の絞
りがそれぞれ介在されることを特徴とする請求項1記載
の油圧駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9049356A JP2929451B2 (ja) | 1997-03-04 | 1997-03-04 | 油圧駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9049356A JP2929451B2 (ja) | 1997-03-04 | 1997-03-04 | 油圧駆動装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10246133A JPH10246133A (ja) | 1998-09-14 |
JP2929451B2 true JP2929451B2 (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=12828748
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9049356A Expired - Fee Related JP2929451B2 (ja) | 1997-03-04 | 1997-03-04 | 油圧駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2929451B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10436081B2 (en) * | 2015-06-18 | 2019-10-08 | Hyundai Motor Company | Method for reducing noise of electric oil pump for vehicle |
-
1997
- 1997-03-04 JP JP9049356A patent/JP2929451B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10436081B2 (en) * | 2015-06-18 | 2019-10-08 | Hyundai Motor Company | Method for reducing noise of electric oil pump for vehicle |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10246133A (ja) | 1998-09-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3939956B2 (ja) | 建設機械の油圧制御装置 | |
JP2929451B2 (ja) | 油圧駆動装置 | |
JPH0841933A (ja) | 掘削機の油圧制御装置 | |
JP3978292B2 (ja) | 走行駆動装置 | |
JP4325851B2 (ja) | Hst走行駆動装置 | |
JP3802989B2 (ja) | 作業車両の油圧回路 | |
JPS5919122Y2 (ja) | 油圧駆動回路 | |
JP2001219857A (ja) | 車両の油圧式パワーステアリング装置 | |
JP3736657B2 (ja) | 油圧モータの駆動システム | |
JP3769369B2 (ja) | 油圧制御回路 | |
JP3129825B2 (ja) | 建設機械の油圧回路 | |
JP3739518B2 (ja) | 油圧走行装置のブレーキ装置 | |
JPS649481B2 (ja) | ||
JP3574749B2 (ja) | 車両の走行停止制御装置 | |
JP2882998B2 (ja) | 油圧モータの駆動回路 | |
JPH08189501A (ja) | 油圧モータの駆動回路 | |
JP3669757B2 (ja) | 旋回慣性体油圧駆動装置 | |
JP3559985B2 (ja) | 走行油圧モータの駐車ブレーキ解除機構 | |
JP3864595B2 (ja) | リリーフ弁のリリーフ圧制御装置 | |
JP3321551B2 (ja) | 建機の油圧回路 | |
JP3073036B2 (ja) | 作業車両の走行油圧回路 | |
JP2006258237A (ja) | 液圧モータユニット | |
JP2880365B2 (ja) | 油圧モーターの駆動回路 | |
JPH0517504Y2 (ja) | ||
JPH02225145A (ja) | トラックミキサーのドラム駆動用油圧回路 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |