JP2924850B2 - スパッタ装置シミュレーション方法 - Google Patents
スパッタ装置シミュレーション方法Info
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- JP2924850B2 JP2924850B2 JP9116418A JP11641897A JP2924850B2 JP 2924850 B2 JP2924850 B2 JP 2924850B2 JP 9116418 A JP9116418 A JP 9116418A JP 11641897 A JP11641897 A JP 11641897A JP 2924850 B2 JP2924850 B2 JP 2924850B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタ装置のシ
ミュレーション方法に関し、特に、モンテカルロ法によ
り、背景ガスとの衝突を計算するスパッタ装置のシミュ
レーション方法に関する。
ミュレーション方法に関し、特に、モンテカルロ法によ
り、背景ガスとの衝突を計算するスパッタ装置のシミュ
レーション方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路装置は搭載素子数の増大
に伴い、微細化したコンタクトホールへの導電体膜の埋
め込み技術の開発が急務となっている。
に伴い、微細化したコンタクトホールへの導電体膜の埋
め込み技術の開発が急務となっている。
【0003】この問題を解決するためには、スパッタ装
置の開発が必要である。スパッタ装置の開発の効率化を
目的として、シミュレーション技術が開発されている。
この種のシミュレーション技術として、例えば文献(エ
イチ ヤマダ等、アイ イーデー エム、(199
4)、pp.553〜556)に記載されるように、装
置内の軌道計算を行い、ストリングモデルで形状を計算
する方法が知られている。
置の開発が必要である。スパッタ装置の開発の効率化を
目的として、シミュレーション技術が開発されている。
この種のシミュレーション技術として、例えば文献(エ
イチ ヤマダ等、アイ イーデー エム、(199
4)、pp.553〜556)に記載されるように、装
置内の軌道計算を行い、ストリングモデルで形状を計算
する方法が知られている。
【0004】このスパッタ装置のシミュレーションの従
来技術について、その概略を図3に示すフローチャート
を参照して以下に説明する。
来技術について、その概略を図3に示すフローチャート
を参照して以下に説明する。
【0005】まず、Tiターゲット表面より、エロージ
ョン分布に比例した確率で、Tiスパッタ粒子を発生さ
せ(ステップ301)、0〜1の範囲の数字を同じ確率
で返す一様乱数e1、e2を用いて、 水平方向の角度Φ(Φ=2π・e1)、 垂直方向の角度θ{θ=acos((e2)1/2)} を求め、 さらに放出エネルギーEeおよびTiスパッタ粒子の速
度Vs=(2Ee/m)1/2を、Tompson分布に
従うように、一様乱数e3、e4を用いて棄却法で決め
る。なお、ここで一様乱数とは0〜1の範囲の数字を同
じ確率で返す乱数とする。
ョン分布に比例した確率で、Tiスパッタ粒子を発生さ
せ(ステップ301)、0〜1の範囲の数字を同じ確率
で返す一様乱数e1、e2を用いて、 水平方向の角度Φ(Φ=2π・e1)、 垂直方向の角度θ{θ=acos((e2)1/2)} を求め、 さらに放出エネルギーEeおよびTiスパッタ粒子の速
度Vs=(2Ee/m)1/2を、Tompson分布に
従うように、一様乱数e3、e4を用いて棄却法で決め
る。なお、ここで一様乱数とは0〜1の範囲の数字を同
じ確率で返す乱数とする。
【0006】また、装置ガス温度のMaxwell分布
に従うAr背景ガス粒子の速度Vgを一様乱数e5、e
6を用いて、Box−Muller法により、
に従うAr背景ガス粒子の速度Vgを一様乱数e5、e
6を用いて、Box−Muller法により、
【0007】
【数1】
【0008】と求め(ステップ302)、Tiスパッタ
粒子とAr背景ガス粒子の相対速度Vrel=Vs−V
gをベクトル計算より求める。ここで、Vg′は、Bo
x−Muller(ボックス・ミュラー)法の性質上同
時に求まる値であるため、次のAr背景ガス粒子の速度
計算に用いる。この相対速度Vvelより、衝突エネル
ギーEを求める(ステップ303)。
粒子とAr背景ガス粒子の相対速度Vrel=Vs−V
gをベクトル計算より求める。ここで、Vg′は、Bo
x−Muller(ボックス・ミュラー)法の性質上同
時に求まる値であるため、次のAr背景ガス粒子の速度
計算に用いる。この相対速度Vvelより、衝突エネル
ギーEを求める(ステップ303)。
【0009】また、Ti−Ar間に、Lenard−J
ones(レナード・ジョーンズ)2体ポテンシャルを
仮定し、古典力学の中心力場の計算より、各衝突エネル
ギーEにおいて、重心からみた衝突前後の進行方向のな
す散乱角χと衝突パラメータbとの関係を求め、さら
に、散乱角χと衝突パラメータbの線形性を仮定し、衝
突半径bmaxを求め(ステップ301)、衝突エネル
ギーEと衝突半径bmaxの関係をテーブル化する。
ones(レナード・ジョーンズ)2体ポテンシャルを
仮定し、古典力学の中心力場の計算より、各衝突エネル
ギーEにおいて、重心からみた衝突前後の進行方向のな
す散乱角χと衝突パラメータbとの関係を求め、さら
に、散乱角χと衝突パラメータbの線形性を仮定し、衝
突半径bmaxを求め(ステップ301)、衝突エネル
ギーEと衝突半径bmaxの関係をテーブル化する。
【0010】このテーブル320は、モンテカルロ計算
の前に一度だけ作成しておき、モンテカルロ法でスパッ
タ粒子と背景ガスの衝突を計算する毎に参照する。
の前に一度だけ作成しておき、モンテカルロ法でスパッ
タ粒子と背景ガスの衝突を計算する毎に参照する。
【0011】次に、一様乱数e7を用いて、衝突エネル
ギーEにおける衝突パラメータを、 b=bmax・e7 により求め(ステップ305)、 散乱角χ=π・b/bmax より散乱角χを求め、古典力学の中心力場の理論より散
乱角χでのエネルギー損失κを計算し、衝突後のTiス
パッタ粒子の方向および速度を計算する(ステップ30
6)。
ギーEにおける衝突パラメータを、 b=bmax・e7 により求め(ステップ305)、 散乱角χ=π・b/bmax より散乱角χを求め、古典力学の中心力場の理論より散
乱角χでのエネルギー損失κを計算し、衝突後のTiス
パッタ粒子の方向および速度を計算する(ステップ30
6)。
【0012】同時に、衝突半径も、bmaxから平均自
由工程λ0を計算し、ポワソン分布を仮定し、一様乱数
e8を用いて、Tiスパッタ粒子が次の衝突を起こすま
での距離 dL=λ0・Vrel・|1n(e8)| を計算する(ステップ307)。
由工程λ0を計算し、ポワソン分布を仮定し、一様乱数
e8を用いて、Tiスパッタ粒子が次の衝突を起こすま
での距離 dL=λ0・Vrel・|1n(e8)| を計算する(ステップ307)。
【0013】これらの計算により、衝突後のTiスパッ
タ粒子の軌道を計算する。
タ粒子の軌道を計算する。
【0014】このように、粒子の軌道を、粒子が装置の
側壁またはウェハ上に到達するまでくり返し計算する
(ステップ310)。
側壁またはウェハ上に到達するまでくり返し計算する
(ステップ310)。
【0015】最後に、Tiスパッタ粒子の軌道をウェハ
上の一定領域で抽出し、その結果を用いてストリングモ
デル等を用いて形状を計算する(ステップ322)。
上の一定領域で抽出し、その結果を用いてストリングモ
デル等を用いて形状を計算する(ステップ322)。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のシミュ
レーション技術では、衝突が5〜6回以上起こる高圧領
域で、スパッタ粒子の軌道を計算する際、ターゲットか
ら放出されたスパッタ粒子が衝突によりエネルギーを失
い、平均自由行程が装置の大きさに対して小さくなる
と、ウェハ上で抽出またはトラップされるまで(ステッ
プ308、309の判定参照)、多数の衝突計算を行う
必要がある。
レーション技術では、衝突が5〜6回以上起こる高圧領
域で、スパッタ粒子の軌道を計算する際、ターゲットか
ら放出されたスパッタ粒子が衝突によりエネルギーを失
い、平均自由行程が装置の大きさに対して小さくなる
と、ウェハ上で抽出またはトラップされるまで(ステッ
プ308、309の判定参照)、多数の衝突計算を行う
必要がある。
【0017】このため、モンテカルロ法で統計的に必要
な約1千万個の粒子の軌道を計算するのに、190MI
PS(Million Insutructions Per Second)の
EWS(エンジニアリングワークステーション)で50
時間程度かかり実用的ではない。
な約1千万個の粒子の軌道を計算するのに、190MI
PS(Million Insutructions Per Second)の
EWS(エンジニアリングワークステーション)で50
時間程度かかり実用的ではない。
【0018】したがって、本発明は、上記問題点に鑑み
てなされたものであって、その目的は、スパッタ装置で
スパッタ粒子の軌道計算に要する時間を短縮することを
シミュレーション方法を提供することにある。
てなされたものであって、その目的は、スパッタ装置で
スパッタ粒子の軌道計算に要する時間を短縮することを
シミュレーション方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明のシミュレーション方法は、コンタクトホー
ルの堆積膜形状を形成するスパッタ装置のシミュレーシ
ョン方法において、(a)前記スパッタ装置のターゲッ
トからのスパッタ粒子の放出をシミュレートするステッ
プ、(b)前記スパッタ粒子と背景ガスとの衝突過程を
計算するステップ、(c)前記スパッタ装置内の温度の
マクスウェル(Maxwell)分布に従う粒子の平均
エネルギーと、前記スパッタ粒子のエネルギーと、を比
較し、前記スパッタ粒子のエネルギーが小さい場合に
は、衝突点から基板上での抽出領域を見込む見込角を用
いて前記基板上の抽出領域での抽出の有無を判定するス
テップ、および、(d)抽出した前記スパッタ粒子の軌
道の角度分布から堆積膜形状を計算するステップ、を含
むことを特徴とする。
め、本発明のシミュレーション方法は、コンタクトホー
ルの堆積膜形状を形成するスパッタ装置のシミュレーシ
ョン方法において、(a)前記スパッタ装置のターゲッ
トからのスパッタ粒子の放出をシミュレートするステッ
プ、(b)前記スパッタ粒子と背景ガスとの衝突過程を
計算するステップ、(c)前記スパッタ装置内の温度の
マクスウェル(Maxwell)分布に従う粒子の平均
エネルギーと、前記スパッタ粒子のエネルギーと、を比
較し、前記スパッタ粒子のエネルギーが小さい場合に
は、衝突点から基板上での抽出領域を見込む見込角を用
いて前記基板上の抽出領域での抽出の有無を判定するス
テップ、および、(d)抽出した前記スパッタ粒子の軌
道の角度分布から堆積膜形状を計算するステップ、を含
むことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について以下
に説明する。本発明のシミュレーション方法は、(a)
〜(b)のステップを含む。
に説明する。本発明のシミュレーション方法は、(a)
〜(b)のステップを含む。
【0021】(a)コンタクトホールの堆積膜形状を形
成するスパッタ装置のシミュレーションにおいて、スパ
ッタ装置のターゲットからスパッタ粒子を放出する。
成するスパッタ装置のシミュレーションにおいて、スパ
ッタ装置のターゲットからスパッタ粒子を放出する。
【0022】(b)スパッタ粒子と背景ガスとの衝突を
計算する。
計算する。
【0023】(c)スパッタ装置内の温度のMaxwe
ll分布に従う粒子の平均エネルギーと前記スパッタ粒
子のエネルギーを比較し、スパッタ粒子のエネルギーの
方がが小さい場合に、見込角からウェハ上の抽出領域で
の抽出の有無を判定する。
ll分布に従う粒子の平均エネルギーと前記スパッタ粒
子のエネルギーを比較し、スパッタ粒子のエネルギーの
方がが小さい場合に、見込角からウェハ上の抽出領域で
の抽出の有無を判定する。
【0024】(d)抽出したスパッタ粒子の軌道の角度
分布から堆積膜形状を計算する。
分布から堆積膜形状を計算する。
【0025】上記のように構成されてなる本発明の実施
の形態においては、Maxwell分布に従う背景ガス
粒子と同程度のエネルギー以下になったスパッタ粒子に
ついて、見込角からウェハ上の抽出領域での抽出の有無
を判定するようにしたものである。
の形態においては、Maxwell分布に従う背景ガス
粒子と同程度のエネルギー以下になったスパッタ粒子に
ついて、見込角からウェハ上の抽出領域での抽出の有無
を判定するようにしたものである。
【0026】すなわち、本発明の実施の形態において
は、平均自由行程が、装置の大きさに較べ小さいスパッ
タ粒子の衝突計算を省略できるため、軌道計算を短時間
で行える。なお、上記各ステップの処理は、好ましくは
プログラムで実装され、後述するようにEWS(エンジ
ニアリングワークステーション)等の情報処理装置にお
いてプログラムを実行することにより実現される。
は、平均自由行程が、装置の大きさに較べ小さいスパッ
タ粒子の衝突計算を省略できるため、軌道計算を短時間
で行える。なお、上記各ステップの処理は、好ましくは
プログラムで実装され、後述するようにEWS(エンジ
ニアリングワークステーション)等の情報処理装置にお
いてプログラムを実行することにより実現される。
【0027】
【実施例】上記した本発明の実施の形態について更に詳
細に説明すべく、本発明の実施例について図面を参照し
て以下に説明する。
細に説明すべく、本発明の実施例について図面を参照し
て以下に説明する。
【0028】図1は、本発明の一実施例のスパッタ装置
シミュレーション方法の概略を説明するためのフローチ
ャートである。
シミュレーション方法の概略を説明するためのフローチ
ャートである。
【0029】本実施例では、例えば、モンテカルロ法を
用いてスパッタ粒子の軌道を次のような手順で計算す
る。
用いてスパッタ粒子の軌道を次のような手順で計算す
る。
【0030】まず、Tiターゲット表面より、エロージ
ョン分布に比例した確率で、Tiスパッタ粒子を発生さ
せ(ステップ101)、0〜1の範囲の数字を同じ確率
で返す一様乱数e1、e2を用いて、水平方向の角度Φ
(Φ=2π・e1)、垂直方向の角度θ{θ=acos
((e2)1/2)}を求め、さらに放出エネルギーEeお
よびTiスパッタ粒子の速度Vs=(2Ee/m)1/
2をTompson分布に従うように一、様乱数e3、
e4を用いて棄却法で決める。なお、ここで、一様乱数
とは0〜1の範囲の数字を同じ確率で返す乱数とする。
ョン分布に比例した確率で、Tiスパッタ粒子を発生さ
せ(ステップ101)、0〜1の範囲の数字を同じ確率
で返す一様乱数e1、e2を用いて、水平方向の角度Φ
(Φ=2π・e1)、垂直方向の角度θ{θ=acos
((e2)1/2)}を求め、さらに放出エネルギーEeお
よびTiスパッタ粒子の速度Vs=(2Ee/m)1/
2をTompson分布に従うように一、様乱数e3、
e4を用いて棄却法で決める。なお、ここで、一様乱数
とは0〜1の範囲の数字を同じ確率で返す乱数とする。
【0031】また、装置ガス温度のMaxwell分布
に従うAr背景ガス粒子を発生する(ステップ10
2)。すなわち装置ガス温度のMaxwell分布に従
うAr背景ガス粒子の速度Vgを一様乱数e5、e6を
用いてBox−Muller法により、
に従うAr背景ガス粒子を発生する(ステップ10
2)。すなわち装置ガス温度のMaxwell分布に従
うAr背景ガス粒子の速度Vgを一様乱数e5、e6を
用いてBox−Muller法により、
【0032】
【数2】
【0033】と求め、Tiスパッタ粒子とAr背景ガス
粒子の相対速度Vrel=Vs−Vgをベアリング計算
より求める。ここで、Vg′は、Box−Muller
法の性質上同時に求まる値なので、次のAr背景ガス粒
子の速度計算に用いる。
粒子の相対速度Vrel=Vs−Vgをベアリング計算
より求める。ここで、Vg′は、Box−Muller
法の性質上同時に求まる値なので、次のAr背景ガス粒
子の速度計算に用いる。
【0034】この相対速度Vrelより、衝突エネルギ
ーEを求める(ステップ103)。
ーEを求める(ステップ103)。
【0035】また、Ti−Ar間にLenard−Jo
nes2体ポテンシャルを仮定し、古典力学の中心力場
の計算より、各衝突エネルギーEにおいて、重心からみ
た衝突前後の進行方向のなす散乱角χと衝突パラメータ
bとの関係を求め、さらにχとbの線形性を仮定し衝突
半径bmaxを求めテーブル化する(ステップ10
4)。
nes2体ポテンシャルを仮定し、古典力学の中心力場
の計算より、各衝突エネルギーEにおいて、重心からみ
た衝突前後の進行方向のなす散乱角χと衝突パラメータ
bとの関係を求め、さらにχとbの線形性を仮定し衝突
半径bmaxを求めテーブル化する(ステップ10
4)。
【0036】このテーブル120はモンテカルロ計算の
前に一度だけ作っておき、モンテカルロ法でスパッタ粒
子と背景ガスの衝突を計算する毎に参照する。
前に一度だけ作っておき、モンテカルロ法でスパッタ粒
子と背景ガスの衝突を計算する毎に参照する。
【0037】次に、一様乱数e7を用いて、衝突エネル
ギーEでの衝突パラメータbを、 b=bmax・e7 により求め(ステップ105)、 散乱角χ=π・b/bmax より散乱角χを求め、古典力学の中心力場の理論より散
乱角χでのエネルギー損失κを計算し(ステップ10
6)、衝突後のTiスパッタ粒子の速度を計算する。
ギーEでの衝突パラメータbを、 b=bmax・e7 により求め(ステップ105)、 散乱角χ=π・b/bmax より散乱角χを求め、古典力学の中心力場の理論より散
乱角χでのエネルギー損失κを計算し(ステップ10
6)、衝突後のTiスパッタ粒子の速度を計算する。
【0038】このとき、Tiスパッタ粒子の速度より、
衝突後のスパッタ粒子のエネルギーEaftを計算し(ス
テップ107)、装置ガス温度のMaxwell分布に
従うAr背景ガス粒子の平均エネルギーEgas(=kT/
4π)と比較する(ステップ108)。
衝突後のスパッタ粒子のエネルギーEaftを計算し(ス
テップ107)、装置ガス温度のMaxwell分布に
従うAr背景ガス粒子の平均エネルギーEgas(=kT/
4π)と比較する(ステップ108)。
【0039】Tiスパッタ粒子の衝突後のエネルギーE
aftの方がAr背景ガス粒子の平均エネルギーEgasより
も小さいときは、次のようにして、ウェハ上でTiスパ
ッタ粒子が抽出されるかどうかを判定する(ステップ1
12、113)。
aftの方がAr背景ガス粒子の平均エネルギーEgasより
も小さいときは、次のようにして、ウェハ上でTiスパ
ッタ粒子が抽出されるかどうかを判定する(ステップ1
12、113)。
【0040】まず、図2に示すように、Tiスパッタ粒
子の衝突点1を起点とし、一様乱数e8、e9を用い
て、水平方向の角度Φ′(Φ′=2π・e8)、垂直方
向の角度θ′(θ′=π・e9)をきめ、抽出判定のた
めの軌道3を発生させる。
子の衝突点1を起点とし、一様乱数e8、e9を用い
て、水平方向の角度Φ′(Φ′=2π・e8)、垂直方
向の角度θ′(θ′=π・e9)をきめ、抽出判定のた
めの軌道3を発生させる。
【0041】次に、この抽出判定のための軌道3のウェ
ハ上面との交点を計算し、交点がスパッタ粒子の抽出領
域内にある場合には、ウェハ上の抽出領域2で抽出され
ると判定し、衝突後のTiスパッタ粒子の軌道をファイ
ルに記録する。
ハ上面との交点を計算し、交点がスパッタ粒子の抽出領
域内にある場合には、ウェハ上の抽出領域2で抽出され
ると判定し、衝突後のTiスパッタ粒子の軌道をファイ
ルに記録する。
【0042】交点が抽出領域内にない場合には、Tiス
パッタ粒子の軌道が装置の側壁またはウェハ上にトラッ
プされると判定する。このことにより、衝突点1から抽
出領域2をのぞむ見込角2に比例した割合で、抽出判定
を行う。
パッタ粒子の軌道が装置の側壁またはウェハ上にトラッ
プされると判定する。このことにより、衝突点1から抽
出領域2をのぞむ見込角2に比例した割合で、抽出判定
を行う。
【0043】一方、Tiスパッタ粒子の衝突後のエネル
ギーEaftの方がEgasよりも大きいときは、衝突半径b
maxから平均自由工程λ0を計算し、ポワソン分布を
仮定し、一様乱数e10を用いて、Tiスパッタ粒子が
次の衝突を起こすまでの距離 dL=λ0・Vrel・|1n(e10)| を計算し(ステップ109)、衝突後のTiスパッタ粒
子の軌道を計算する。さらに、粒子の軌道がウェハ上の
抽出領域で抽出されるか、装置の側壁またはウェハ上に
トラップされるまでくり返し衝突計算を行う。
ギーEaftの方がEgasよりも大きいときは、衝突半径b
maxから平均自由工程λ0を計算し、ポワソン分布を
仮定し、一様乱数e10を用いて、Tiスパッタ粒子が
次の衝突を起こすまでの距離 dL=λ0・Vrel・|1n(e10)| を計算し(ステップ109)、衝突後のTiスパッタ粒
子の軌道を計算する。さらに、粒子の軌道がウェハ上の
抽出領域で抽出されるか、装置の側壁またはウェハ上に
トラップされるまでくり返し衝突計算を行う。
【0044】このようにして、角度分布計算に必要な、
約1千万個程度のスパッタ粒子の軌道を計算し、抽出し
た軌道121を用いてストリングモデル等を用い堆積形
状を計算する(ステップ122)。
約1千万個程度のスパッタ粒子の軌道を計算し、抽出し
た軌道121を用いてストリングモデル等を用い堆積形
状を計算する(ステップ122)。
【0045】このときの、モンテカルロ法によるスパッ
タ粒子の軌道計算時間は、エネルギーを失った後の衝突
計算を省略しているので、190MIPSのEWSで約
3時間であり、従来のシミュレーション技術よりも大幅
に低減した実用的な計算時間である。
タ粒子の軌道計算時間は、エネルギーを失った後の衝突
計算を省略しているので、190MIPSのEWSで約
3時間であり、従来のシミュレーション技術よりも大幅
に低減した実用的な計算時間である。
【0046】
【発明の効果】エネルギーが小さくなったスパッタ粒子
について、以降の衝突計算を行わず、抽出領域に対する
見込角の計算により抽出判定を行っているので、スパッ
タ粒子の軌道計算にかかる計算を、従来の技術の約20
分の1程度の計算時間で行える。
について、以降の衝突計算を行わず、抽出領域に対する
見込角の計算により抽出判定を行っているので、スパッ
タ粒子の軌道計算にかかる計算を、従来の技術の約20
分の1程度の計算時間で行える。
【図1】本発明の一実施例のスパッタ装置シミュレーシ
ョン方法の概略を説明するためのフローチャートであ
る。
ョン方法の概略を説明するためのフローチャートであ
る。
【図2】本発明の一実施例を説明するための図であり、
抽出判定の計算を示す模式図である。
抽出判定の計算を示す模式図である。
【図3】従来技術のスパッタ装置シミュレーション方法
の概略を説明するためのフローチャートである。
の概略を説明するためのフローチャートである。
1 衝突点 2 ウェハ上の抽出領域 3 抽出判定のための軌道 4 見込角
Claims (2)
- 【請求項1】コンタクトホールの堆積膜形状を形成する
スパッタ装置のシミュレーション方法において、 (a)前記スパッタ装置のターゲットからのスパッタ粒
子の放出をシミュレートするステップ、 (b)前記スパッタ粒子と背景ガスとの衝突過程を計算
するステップ、 (c)前記スパッタ装置内の温度のマクスウェル(Ma
xwell)分布に従う粒子の平均エネルギーと、前記
スパッタ粒子のエネルギーと、を比較し、前記スパッタ
粒子のエネルギーが小さい場合には、衝突点から基板上
での抽出領域を見込む見込角を用いて前記基板上の抽出
領域での抽出の有無を判定するステップ、および、 (d)抽出した前記スパッタ粒子の軌道の角度分布から
堆積膜形状を計算するステップ、 を含むことを特徴とする、スパッタ装置シミュレーショ
ン方法。 - 【請求項2】 (a)ターゲットからのスパッタ粒子の放出をシミュレ
ートする処理、 (b)前記スパッタ粒子と背景ガスとの衝突過程を計算
する処理、 (c)前記スパッタ粒子の衝突後のエネルギーを算出
し、装置内の温度のマクスウェル(Maxwell)分
布に従うガス粒子の平均エネルギーと、前記スパッタ粒
子のエネルギーと、を比較判定し、 前記スパッタ粒子のエネルギーの方が小さい場合には、
衝突点から基板上での抽出領域を見込む見込角を用い
て、前記基板上の抽出領域での抽出の有無を判定する処
理、 (d)一方、前記スパッタ粒子のエネルギーの方が大き
い場合にはスパッタ粒子が次の衝突を起こすまでの距離
を計算し衝突後のスパッタ粒子の軌道を計算し、粒子の
軌道が前記基板上の抽出領域で抽出されるか、装置の側
壁または前記基板上にトラップされるまでくり返し衝突
計算を行う処理、 (d)抽出した前記スパッタ粒子の軌道の角度分布から
堆積膜形状を計算する処理、 の上記各処理(a)〜(d)を情報処理装置で実行させ
てスパッタ装置のシミュレーションを行うプログラムを
記録した記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9116418A JP2924850B2 (ja) | 1997-04-18 | 1997-04-18 | スパッタ装置シミュレーション方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9116418A JP2924850B2 (ja) | 1997-04-18 | 1997-04-18 | スパッタ装置シミュレーション方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10294293A JPH10294293A (ja) | 1998-11-04 |
JP2924850B2 true JP2924850B2 (ja) | 1999-07-26 |
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ID=14686598
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP9116418A Expired - Fee Related JP2924850B2 (ja) | 1997-04-18 | 1997-04-18 | スパッタ装置シミュレーション方法 |
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Country | Link |
---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1997
- 1997-04-18 JP JP9116418A patent/JP2924850B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH10294293A (ja) | 1998-11-04 |
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