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JP2923848B2 - 新規なポリイミド及びその製造方法 - Google Patents

新規なポリイミド及びその製造方法

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JP2923848B2
JP2923848B2 JP7261028A JP26102895A JP2923848B2 JP 2923848 B2 JP2923848 B2 JP 2923848B2 JP 7261028 A JP7261028 A JP 7261028A JP 26102895 A JP26102895 A JP 26102895A JP 2923848 B2 JP2923848 B2 JP 2923848B2
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JP
Japan
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polyimide
general formula
group
carbon atoms
following general
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修 岡
武司 橋本
剛 西ヶ谷
達也 針幸
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Tomoegawa Co Ltd
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Tomoegawa Paper Co Ltd
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶剤に可溶であ
り、かつ耐熱性に優れた新規なポリイミド及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリイミド樹脂は、耐熱性に優
れているものであるが、その多くのものが不溶不融であ
るために加工性に劣るものである。そのため、従来、ポ
リイミドをフィルム等に成形するためには、ポリイミド
の前駆体であるポリアミド酸を有機溶媒に溶解させたワ
ニスを用いて成形加工し、次いで高温下で脱水閉環反応
によるイミド化を行うことにより、ポリイミドの成形体
を得る方法が採用されている。しかしながら、ポリアミ
ド酸ワニスは、加水分解やアミド結合の交換反応が生起
し易いことから、低分子量化やゲル化を防止するため
に、低温で保存する必要があり、また、その使用される
溶媒が吸湿し易いものであるために、吸湿した樹脂が析
出してくるという問題があった。さらに、フィルム等に
成形した後には、イミド化反応中に生成する縮合水が成
型物中にボイドを作るという問題があった。加えて、イ
ミド化反応を実施させるには、300℃以上の高温を必
要とするために、耐熱性のない基材上にポリイミド皮膜
を設けることは非常に困難であった。
【0003】そこで、ポリイミドに関する上記した問題
を解決するために、有機溶剤に可溶であるか、または軟
化点を有するものとすることにより、成形加工が可能な
ポリイミドを得るための研究開発が行われ、これまでに
数多くの提案がなされている。例えば、特開昭62−1
0051号公報には、下記一般式()で表されるジア
ミンとピロメリット酸から得られるポリイミドが開示さ
れている。しかし、このポリイミドは300℃以上の軟
化点を有し成形加工性を有するものであるが、有機溶剤
には難溶であるために、フィルム化等の成形には前駆体
であるポリアミド酸のワニスを用いる必要があることか
ら、上記した問題点を依然として有するものである。
【化5】 (式中、X′は−SO2 −または−C(=O)−を示
す。)また、特開平1−263116号公報及び特開平
1−263117号公報には、4,4′−メチレンビス
(2,6−ジアルキルアニリン)とビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物等のテトラ
カルボン酸二無水物とから得られるポリイミドが開示さ
れている。このポリイミドは、N−メチル−2−ピロリ
ドンやm−クレゾールに可溶であり、400℃以上にガ
ラス転移温度を有するものである。しかしながら、これ
らの溶媒は、高沸点であるために塗工等によるフィルム
や皮膜の成形には適しないものである。さらに、特公昭
43−18914号公報には、P−フェニレンビス(ト
リメリテート)二無水物とベンジジン、4,4′−ジア
ミノジフェニルエーテル等のジアミンから得られるポリ
イミドが開示され、また、特公昭43−5911号公報
にはビスフェノールAビストリメリテート二無水物がポ
リイミドの原料となることが開示されている。しかし、
これらの方法で得られるポリイミドが、低極性溶剤に溶
解することについては報告されていない。
【0004】特開昭60−258225号公報には、
1,4−ビス(p−アミノクミル)ベンゼンと芳香族酸
または脂肪族酸の二無水物とから得られるポリイミドが
開示されている。このポリイミドは、N−メチル−2−
ピロリドンに可溶であり、ガラス転移温度が200℃よ
り低いという利点を有するが、低極性溶剤及び低沸点溶
剤には不溶であり、また、機械的な強度については耐熱
性が低いという問題がある。また、特開平2−1163
3号公報には、上記一般式()のようなジアミンとビ
スフェノールAビストリメリテート二無水物とからポリ
イミドを製造する方法が開示されている。このポリイミ
ドは、N−メチル−2−ピロリドンばかりでなく、N,
N−ジメチルホルムアミドやジオキサン等にも溶解する
ものであるが、ジエチレングリコールジメチルエーテル
には不溶であり、また、上記ジアミンの製造が難かしい
こともあって、このポリイミドの製造方法は工業的に実
施する可能性の低いものである。
【0005】特開平5−78481号公報には、一般式
)で示されるジアミンとビスフェノールAビストリ
メリテート二無水物等または下記一般式()で表され
る二無水物とから得られるポリイミドが開示されてい
る。このポリイミドは、N−メチル−2−ピロリドン、
N,N−ジメチルホルムアミドばかりでなく、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、トルエン等に溶解するものであるが、その
原料の酸二無水物は高純度で製造することが困難なもの
であるから、工業的に製造することは不適当である。ま
た、一般式()で示されるジアミン(該特許ではR1
=R2 =R3 =R4 =イソプロピル)とビスフェノール
Aビストリメリテート二無水物から得られるポリイミド
は、十分な可撓性を有するものは得られていない。
【化6】
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、従
来の技術における上記のような実情に鑑み、その改善を
図るべくなされたものである。すなわち、本発明の目的
は、広範な有機溶剤に溶解するとともに、耐熱性に優れ
た新規ポリイミド及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のポリイミドは、
下記一般式(1)で表される構造単位または下記一般式
(2)及び下記一般式(3)で表される構造単位を50
〜99モル%及び下記一般式()で表される構造単位
を50〜1モル%からなり、数平均分子量が4,000
〜200,000のポリイミドである。
【化7】 (式中、Xは−SO2 −または−C(=O)−OCH2
CH2 O−C(=O)−を示す。R1 4 は、それぞ
れ炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアル
コキシ基を示す。)
【化8】 (式中、R1 8 は、それぞれ炭素数1〜4のアルキ
ル基または炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。)
【化9】 [式中、Xは−SO2 −または−C(=O)−OCH2
CH2 O−C(=O)−を示し、Rは−R′−[Si
(CH3 2 O]n Si(CH3 2 −R′−(ただ
し、R′は炭素数1〜10のアルキレン基、またはメチ
レン基がSiに結合している−C6 4 OCH2 −基を
示し、nは1〜20の整数を示す)で表されるジメチル
シロキサン基を示す。]このポリイミドは、一般式
)の構造単位が50モル%を越えると溶剤による溶
解性が著しく低下し、また、ガラス転移点及び熱分解開
始温度も著しく低下する。特に、高い熱分解開始温度を
必要とする場合には、一般式()の構造単位は30モ
ル%以下であることが望ましい。
【0008】上記ポリイミドは、下記一般式()で表
されるテトラカルボン酸二無水物と、下記一般式(
で表される化合物及び下記一般式()で表される化合
物とを反応させることにより製造することができる。
【化10】 Y−R−Y (7) (式中、X、R1 〜R4 及びRは、それぞれ前記したと
同意義を有し、Yはアミノ基またはイソシアナート基を
示す。)
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明のポリイミドにおいて、ポリ
イミドの基本的な構造単位を構成する下記一般式(
で表されるテトラカルボン酸二無水物としては、式中の
Xが−SO2 −または−C(=O)−OCH2 CH2
−C(=O)−である2種類の化合物、すなわち、3,
3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物及びエチレングリコールビストリメリテート二
無水物である。
【化11】
【0010】また、本発明のポリイミドにおいて、ポリ
イミドの他の基本的な構造単位を構成する下記一般式
)で表されるジフェニルメタン誘導体としては、そ
の官能基Yはアミノ基またはイソシアナート基である。
【化12】 上記官能基Yがアミノ基であるジアミン類としては、次
のものが挙げられる。4,4′−ジアミノ−3,3′,
5,5′−テトラメチルジフェニルメタン、4,4′−
ジアミノ−3,3′,5,5′−テトラエチルジフェニ
ルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′,5,5′−
テトラ(n−プロピル)ジフェニルメタン、4,4′−
ジアミノ−3,3′,5,5′−テトライソプロピルジ
フェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′,5,
5′−テトラブチルフェニルメタン、4,4′−ジアミ
ノ−3,3′,−ジメチル−5,5′−ジエチルジフェ
ニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチル
−5,5′−ジイソプロピルジフェニルメタン、4,
4′−ジアミノ−3,3′−ジメチル−5,5′−ジブ
チルジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′
−ジエチル−5,5′−ジイソプロピルジフェニルメタ
ン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジエチル−5,
5′−ジブチルジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ
−3,3′−ジイソプロピル−5,5′−ジブチルジフ
ェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,5−ジメチル
−3′,5′−ジエチルジフェニルメタン、4,4′−
ジアミノ−3,5−ジメチル−3′,5′−ジイソプロ
ピルジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,5−
ジメチル−3′,5′−ジブチルジフェニルメタン、
4,4′−ジアミノ−3,5−ジエチル−3′,5′−
ジイソプロピルジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ
−3,5−ジエチル−3′,5′−ジブチルジフェニル
メタン、4,4′−ジアミノ−3,5−ジイソプロピル
−3′,5′−ジブチルジフェニルメタン、4,4′−
ジアミノ−3,3′,5,5′−テトラメトキシジフェ
ニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′,5,5′
−テトラエトキシジフェニルメタン、4,4′−ジアミ
ノ−3,3′,5,5′−テトラ(n−プロポキシ)ジ
フェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′,5,
5′−テトライソプロポキシジフェニルメタン、4,
4′−ジアミノ−3,3′,5,5′−テトラブトキシ
ジフェニルメタン等である。また、一般式()で表さ
れるジフェニルメタン誘導体において、官能基Yがイソ
シアナート基であるジイソシアナート類としては、上記
に例示したジアミン類において、「アミノ」を「イソシ
アナート」に置き換えたものを挙げることができる。
【0011】本発明において、一般式()及び一般式
)と反応させてポリイミドを得るために使用する下
記一般式()で表される化合物としては、式中のRは
−R′−[Si(CH3 2 O]n Si(CH3 2
R′−(ただし、R′は炭素数1〜10のアルキレン
基、またはメチレン基がSiに結合している−C6 4
OCH2 −を示し、nは1〜20の整数を示す。)で表
されるジメチルシロキサン基であり、具体的には1,3
−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン、1,3−ビス(10−アミノデ
シル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、
ビス(m−アミノフェノキシメチル)−1,1,3,3
−テトラメチルジシロキサン及び下記構造式で示される
α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロ
キサン等を挙げることができる。
【0012】
【化13】 (式中、nは3または7である。) Y−R−Y (7) 一般式()で表される化合物における官能基Yがアミ
ノ基であるジアミン類としては、エチレンジアミン、プ
ロピレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメ
チレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレ
ンジアミン、へキサデカメチレンジアミン、ドデカメチ
レンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチ
ルジシロキサン、アミノプロピル末端のジメチルシロキ
サン4量体、8量体、ビス(3−アミノフェノキシメチ
ル)テトラメチルジシロキサン等が挙げられ、これらを
混合して用いることも可能である。また、一般式(
で表される化合物として、官能基Yがイソシアナート基
であるジイソシアナート類には、上記に例示したジアミ
ンにおいて、「アミノ」を「イソシアナート」と置き換
えたものを挙げることができる。上記した一般式(
及び一般式()で表される化合物において、官能基Y
がイソシアナート基であるジイソシアナート類は、上記
に例示した対応するジアミンを常法に従い、ホスゲンと
反応させることにより容易に製造することができる。
【0013】本発明におけるポリイミドは、それぞれ上
記した原料等を用いて製造される新規ポリイミドであっ
て、いずれも数平均分子量が4,000〜200,00
0の範囲であることが必要であり、好ましくは、8,0
00〜100,000の範囲のものである。その数平均
分子量が4,000未満の場合には、成膜性が不十分で
あり、膜が形成されても膜自体の耐熱性が劣るものとな
る。一方、数平均分子量が200,000を越えて大き
い場合は、有機溶剤に対する溶解性が悪く、また、仮に
溶剤に溶解しても、その溶液の粘度が高いために加工性
が困難なものとなる。なお、本発明でいう数平均分子量
は、ゲルパーメーションクロマトグラフィー(GPC)
により測定した値であり、テトラヒドロフランを溶離液
とし、カラムとしてShodex80M×2を使用し、
ポリスチレン換算により算出したものである。
【0014】次に、本発明のポリイミドの製造方法につ
いて説明する。ポリイミドの製造原料に、テトラカルボ
ン酸二無水物とジアミンとを用いるポリイミドの製造方
法としては、以下の方法がある。すなわち、テトラカル
ボン酸二無水物とジアミンとを有機溶媒中、必要に応じ
て、トリブチルアミン、トリエチルアミン、亜リン酸ト
リフェニル等の触媒(反応物の20重量部以下)の存在
下、100℃以上、好ましくは180℃以上に加熱する
ことにより直接ポリイミドを得る方法がある。また、テ
トラカルボン酸二無水物とジアミンとを有機溶媒中、1
00℃以下で反応させることにより、ポリイミドの前駆
体であるポリアミド酸を得た後、必要に応じて、p−ト
ルエンスルホン酸等の脱水触媒(テトラカルボン酸二無
水物の1〜5倍モル)を加え、次いで、この溶液を加熱
してイミド化反応させることによりポリイミドを得る方
法がある。さらに、上記したポリアミド酸を、無水酢
酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸等の酸無水物、ジ
シクロへキシルカルボジイミド等のカルボジイミド化合
物等の脱水閉環剤及び、必要に応じて、ピリジン、イソ
キノリン、イミダゾール、トリエチルアミン等の閉環触
媒(脱水閉環剤及び閉環触媒はテトラカルボン酸二無水
物の2〜10倍モル)を添加して、室温〜100℃程度
の比較的低温で閉環反応させる方法等がある。上記の反
応に用いる有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリ
ドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、
ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,3−ジメチル−2
−イミダゾリドン等の非プロトン性極性溶媒、フェノー
ル、クレゾール、キシレノール、p−クロロフェノール
等のフェノール系溶媒等が挙げられる。また、必要に応
じて、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケ
トン、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モ
ノグライム、ジグライム、メチルセロソルブ、セロソル
ブアセテート、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、塩化メチレン、クロロホルム、トリクレン、ニト
ロベンゼン等を先の溶媒に混合して用いることが可能で
ある。また、製造原料として、テトラカルボン酸二無水
物とジイソシアナートとを使用する場合は、上記したポ
リイミドを直接得る方法に順じて製造することが可能で
ある。また、この場合、反応温度は室温以上、特に60
℃以上であることが好ましい。
【0015】本発明においては、テトラカルボン酸二無
水物とジアミンまたはジイソシアナートとを等モル量で
反応させることにより、高重合度のポリイミドを得るこ
とができるが、必要に応じて、いずれか一方を10モル
%以下の過剰量の範囲で用いてポリイミドを製造するこ
とも可能である。本発明で得られるポリイミド樹脂は、
N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセト
アミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミ
ド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン等の非プロ
トン性極性溶媒、フェノール、クレゾール、キシレノー
ル、p−クロロフェノール等のフェノール系溶媒、イソ
ホロン、シクロヘキサノン、カルビトールアセテート、
ジグライム、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の広範
な有機溶媒に可溶であり、また、400℃以上において
熱分解開始温度を有するものである。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。 実施例1撹拌機を備えたフラスコに、 4,4′−ジアミノ−3,
3′,5,5′−テトラエチルジフェニルメタン7.7
6g(25ミリモル)、ビス(3−アミノプロピル)テ
トラメチルジシロキサン6.21g(25ミリモル)、
3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボ
ン酸二無水物17.91g(50ミリモル)及びN−メ
チル−2−ピロリドン150mlを氷温下に導入し、1
時間撹拌を続けた。次いで、この溶液を40℃で3時間
反応させてポリアミド酸を合成した。得られたポリアミ
ド酸にトルエン50mlとp−トルエンスルホン酸1.
0gを加えて160℃に加熱し、トルエンと共沸して流
出する水分を分離しながら3時間イミド化反応を行っ
た。トルエンを留去した後、得られたポリイミドワニス
をメタノール中に注ぎ、得られた沈殿物を分離、粉砕、
洗浄及び乾燥させる工程を経ることにより、一般式
)で表される構造単位を含むポリイミド28.6g
を得た。得られたポリイミドの赤外吸収スペクトルを測
定したところ、1720cm-1及び1780cm-1に典
型的なイミドの吸収が認められた。また、その分子量、
ガラス転移点及び熱分解開始温度を測定した結果を表1
に示す。このポリイミドの溶解性は、5重量%の濃度で
室温で12時間放置後の溶解状態を観察することにより
確認した。その結果、N−メチル−2−ピロリドン、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサ
メチルリン酸トリアミド、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリドン、フェノール、クレゾール、キシレノール、
p−クロロフェノール、シクロヘキサノン、カルビトー
ルアセテート、ジグライム、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン(THF)の各溶媒に可溶であった。このポリイ
ミドをTHFに20重量%の濃度となるように溶解さ
せ、得られたワニスをガラス板上に流延した後、100
℃で10分間乾燥すると、殆んど無色透明な自立性の強
靭なフィルムが得られた。このポリイミドフィルムの可
撓性試験を行うために、フイルムを180度に折り曲げ
たところ、フィルムは割れることなく良好な可撓性を示
した。
【0017】 実施例2 4,4′−ジアミノ−3,3′,5,5′−テトラエチ
ルジフェニルメタン11.64g(37.5ミリモ
ル)、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロ
キサン3.11g(12.5ミリモル)、エチレングリ
コールビストリメリテート二無水物20.51g(50
ミリモル)及びN−メチル−2−ピロリドン150ml
を用いて、実施例1と同様の方法で、一般式()で表
される構造単位を含むポリイミド30.1gを得た。得
られたポリイミドの赤外吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、1720cm-1及び1780cm-1に典型的なイミ
ドの吸収が認められた。また、その分子量、ガラス転移
点及び熱分解開始温度を測定した結果を表1に示す。ま
た、得られたポリイミドについて、溶解性試験及び可撓
性試験を実施例1で行ったと同様に実施したところ、こ
のポリイミドの溶解性及び可撓性は、実施例1で得たポ
リイミドと同様の結果を得た。
【0018】 実施例3 4,4′−ジアミノ−3,3′,5,5′−テトラエチ
ルジフェニルメタン11.64g(37.5ミリモ
ル)、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロ
キサン3.11g(12.5ミリモル)、3,3′,
4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水
物17.91g(50ミリモル)及びN−メチル−2−
ピロリドン150mlを用いて、実施例1と同様の方法
で、一般式()で表される構造単位を含むポリイミド
27.8gを得た。得られたポリイミドの赤外吸収スペ
クトルを測定したところ、1720cm-1及び1780
cm-1に典型的なイミドの吸収が認められた。また、そ
の分子量、ガラス転移点及び熱分解開始温度を測定した
結果を表1に示す。また、得られたポリイミドについ
て、溶解性試験及び可撓性試験を実施例1で行ったと同
様に実施したところ、このポリイミドの溶解性及び可撓
性は、実施例1で得たポリイミドと同様の結果を得た。
【0019】 実施例4 4,4′−ジアミノ−3,3′,5,5′−テトラエチ
ルジフェニルメタン12.42g(40ミリモル)、ビ
ス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン
2.48g(10ミリモル)、3,3′,4,4′−ジ
フェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物17.91
g(50ミリモル)及びN−メチル−2−ピロリドン1
50mlを用いて、実施例1と同様の方法で、一般式
)で表される構造単位を含むポリイミド27.9g
を得た。得られたポリイミドの赤外吸収スペクトルを測
定したところ、1720cm-1及び1780cm-1に典
型的なイミドの吸収が認められた。また、その分子量、
ガラス転移点及び熱分解開始温度を測定した結果を表1
に示す。また、得られたポリイミドについて、溶解性試
験及び可撓性試験を実施例1で行ったと同様に実施した
ところ、このポリイミドの溶解性及び可撓性は、実施例
1で得たポリイミドと同様の結果を得た。
【0020】 実施例5 4,4′−ジアミノ−3,3′,5,5′−テトラエチ
ルジフェニルメタン7.76g(25ミリモル)、ビス
(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン6.
21g(25ミリモル)、3,3′,4,4′−ジフェ
ニルスルホンテトラカルボン酸二無水物8.96g(2
5ミリモル)、エチレングリコールビストリメリテート
二無水物10.26g(25ミリモル)及びN−メチル
−2−ピロリドン150mlを用いて、実施例1と同様
の方法で、一般式()で表される構造単位を含むポリ
イミド26.7gを得た。得られたポリイミドの赤外吸
収スペクトルを測定したところ、1720cm-1及び1
780cm-1に典型的なイミドの吸収が認められた。ま
た、その分子量、ガラス転移点及び熱分解開始温度を測
定した結果を表1に示す。また、得られたポリイミドに
ついて、溶解性試験及び可撓性試験を実施例1で行った
と同様に実施したところ、このポリイミドの溶解性及び
可撓性は、実施例1で得たポリイミドと同様の結果を得
た。
【0021】
【表1】 分子量測定は、テトラヒドロフランを溶離液とし、カラ
ムはShodex80M×2を使用して行った。分子量
値は、ポリスチレン換算によるものである。ガラス転移
点は、示差熱分析(窒素中、10℃/分で昇温)により
測定し、また、熱分解開始温度は、熱重量分析(窒素
中、10℃/分で昇温)により測定したものである。
【0022】
【発明の効果】本発明のポリイミドは、上記した試験結
果などから明らかなように、低沸点溶剤から高沸点溶剤
にわたる広範囲の有機溶剤に溶解するばかりでなく、そ
の溶解度も高いものであるから、成型加工が容易である
という利点を有し、また、同時に軟化温度を有しながら
も耐熱性に優れたものである。したがって、本発明で得
られるポリイミドは、ワニス、成型品、接着剤及び構造
材料等として、その応用範囲を拡大させることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 針幸 達也 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会 社巴川製紙所電子材料事業部内 (56)参考文献 特開 平6−248241(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 73/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される構造単位ま
    たは下記一般式(2)及び下記一般式(3)で表される
    構造単位を50〜99モル%及び下記一般式()で表
    される構造単位を50〜1モル%からなり、平均分子量
    が4,000〜200,000であるポリイミド。 【化1】 (式中、Xは−SO2 −または−C(=O)−OCH2
    CH2 O−C(=O)−を示す。R1 4 は、それぞ
    れ炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアル
    コキシ基を示す。) 【化2】 (式中、R1 8 は、それぞれ炭素数1〜4のアルキ
    ル基または炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。) 【化3】 [式中、Xは−SO2 −または−C(=O)−OCH2
    CH2 O−C(=O)−を示し、Rは−R′−[Si
    (CH3 2 O]n Si(CH3 2 −R′−(ただ
    し、R′は炭素数1〜10のアルキレン基、またはメチ
    レン基がSiに結合している−C6 4 OCH2 −を示
    し、nは1〜20の整数を示す)で表されるジメチルシ
    ロキサン基を示す。]
  2. 【請求項2】 下記一般式()で表されるテトラカル
    ボン酸二無水物と、下記一般式()で表される化合物
    及び下記一般式()で表される化合物とを反応させる
    ことを特徴とする請求項1記載のポリイミドの製造方
    法。 【化4】 Y−R−Y (7) [式中、Xは−SO2 −または−C(=O)−OCH2
    CH2 O−C(=O)−を示す。R1 〜R4 は、それぞ
    れ炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアル
    コキシ基を示す。Yはアミノ基またはイソシアナート基
    を示す。Rは−R′−[Si(CH3 2 O]n Si
    (CH3 2 −R′−(ただし、R′は炭素数1〜10
    アルキレン基、またはメチレン基がSiに結合してい
    る−C 6 4 OCH 2 を示し、nは1〜20の整数を
    示す。)で表されるジメチルシロキサン基を示す。]
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