JP2915252B2 - 溶解性が改善された製剤の製造法 - Google Patents
溶解性が改善された製剤の製造法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規に発明された製造方
法により、迅速に溶解するように工夫されたアントラサ
イクリングリコシド塩の注射剤に関する。
法により、迅速に溶解するように工夫されたアントラサ
イクリングリコシド塩の注射剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】塩酸ピ
ラルビシン、塩酸ドキソルビシンなどのアントラサイク
リングリコシド塩の注射剤は、水に対する溶解性は良好
であるが、生理食塩水中では溶解速度が遅くなる。一般
にこれらの薬剤を静脈注射用に使用する場合は水に溶解
するため問題はないが、膀胱腔内に注入する場合などで
生理食塩水に溶解しようとすると、溶解に著しく時間が
かかり、使用性の面で不便である。
ラルビシン、塩酸ドキソルビシンなどのアントラサイク
リングリコシド塩の注射剤は、水に対する溶解性は良好
であるが、生理食塩水中では溶解速度が遅くなる。一般
にこれらの薬剤を静脈注射用に使用する場合は水に溶解
するため問題はないが、膀胱腔内に注入する場合などで
生理食塩水に溶解しようとすると、溶解に著しく時間が
かかり、使用性の面で不便である。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この課題
を解決すべく、溶解性を改善するための添加剤と製造方
法の検討を行った結果、製剤の凍結乾燥を行う前に各種
有機溶媒を少量添加することにより、溶解性が著しく向
上することをみつけ、本発明を完成するに至った。
を解決すべく、溶解性を改善するための添加剤と製造方
法の検討を行った結果、製剤の凍結乾燥を行う前に各種
有機溶媒を少量添加することにより、溶解性が著しく向
上することをみつけ、本発明を完成するに至った。
【0004】本発明で使用するアントラサイクリングリ
コシドの塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸
塩、リン酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、フマル酸
塩、コハク酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、酒石
酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、メ
タンスルホン酸塩、メタンジスルホン酸塩、エタンスル
ホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、グリオキシル酸塩、
α,β−エタンジスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩
等があげられる。
コシドの塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸
塩、リン酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、フマル酸
塩、コハク酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、酒石
酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、メ
タンスルホン酸塩、メタンジスルホン酸塩、エタンスル
ホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、グリオキシル酸塩、
α,β−エタンジスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩
等があげられる。
【0005】本発明で添加する有機溶媒はエタノールが
望ましいが、メタノール、イソプロパノール、t- ブタ
ノール、n-ブタノール、アセトン等も使用できる。有機
溶媒の最適添加量は薬剤や溶媒の種類によって異なる
が、主薬1mgあたりおおむね1〜5μlである。本発
明のアントラサイクリングリコシド塩製剤には、通常賦
形剤として乳糖、マンニトール、ソルビトール、デキス
トラン等の糖類、アルブミン等を含有させる。本発明の
製剤は、アントラサイクリングリコシド塩、賦形剤を水
に溶解し、有機溶媒を加えたのち、常法により凍結乾燥
することにより得ることができる。
望ましいが、メタノール、イソプロパノール、t- ブタ
ノール、n-ブタノール、アセトン等も使用できる。有機
溶媒の最適添加量は薬剤や溶媒の種類によって異なる
が、主薬1mgあたりおおむね1〜5μlである。本発
明のアントラサイクリングリコシド塩製剤には、通常賦
形剤として乳糖、マンニトール、ソルビトール、デキス
トラン等の糖類、アルブミン等を含有させる。本発明の
製剤は、アントラサイクリングリコシド塩、賦形剤を水
に溶解し、有機溶媒を加えたのち、常法により凍結乾燥
することにより得ることができる。
【0006】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例1 塩酸ピラルビシン10mg、乳糖90mgを注射用蒸留
水に溶解したのち、エタノールを0〜100μl添加し
て全量1.5mlとし、15ml容バイアルに充填して
凍結乾燥を行った。これに生理食塩水5mlを加えて5
秒間振盪し、静置して観察した。さらに5秒ごとに振盪
を繰り返し、内容物が完全に溶解し終わるまでの時間を
測定した。その結果、表1に示すとおり、エタノールを
添加しないものの溶解時間が325秒であったのに対
し、エタノールを25あるいは50μl加えると10秒
に短縮された。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例1 塩酸ピラルビシン10mg、乳糖90mgを注射用蒸留
水に溶解したのち、エタノールを0〜100μl添加し
て全量1.5mlとし、15ml容バイアルに充填して
凍結乾燥を行った。これに生理食塩水5mlを加えて5
秒間振盪し、静置して観察した。さらに5秒ごとに振盪
を繰り返し、内容物が完全に溶解し終わるまでの時間を
測定した。その結果、表1に示すとおり、エタノールを
添加しないものの溶解時間が325秒であったのに対
し、エタノールを25あるいは50μl加えると10秒
に短縮された。
【0007】
【表1】 塩酸ピラルビシン エタノール添加量(μl) 溶解速度(秒) 0 325 10 150 25 10 50 10 100 65
【0008】実施例2 塩酸ドキソルビシン10mg、乳糖50mgを注射用蒸
留水に溶解したのち、エタノールを0〜100μl添加
して全量1.34mlとし、15ml容バイアルに充填
して凍結乾燥を行った。これに生理食塩水5mlを加え
て5秒間振盪し、静置して観察した。さらに5秒ごとに
振盪を繰り返し、内容物が完全に溶解し終わるまでの時
間を測定した。その結果、表2に示すとおり、エタノー
ルを添加しないものの溶解時間が95秒であったのに対
し、エタノールを10μl加えると60秒に短縮され
た。
留水に溶解したのち、エタノールを0〜100μl添加
して全量1.34mlとし、15ml容バイアルに充填
して凍結乾燥を行った。これに生理食塩水5mlを加え
て5秒間振盪し、静置して観察した。さらに5秒ごとに
振盪を繰り返し、内容物が完全に溶解し終わるまでの時
間を測定した。その結果、表2に示すとおり、エタノー
ルを添加しないものの溶解時間が95秒であったのに対
し、エタノールを10μl加えると60秒に短縮され
た。
【0009】
【表2】 塩酸ドキソルビシン エタノール添加量(μl) 溶解時間(秒) 0 95 10 60 25 65 50 80 100 110
【0010】実施例3 注射用塩酸エピルビシン10mgを注射用蒸留水に溶解
した後、エタノールを0〜100μl添加して全量1.
5mlとし、15ml容バイアルに充填して凍結乾燥を
行った。これに生理食塩水5mlを加えて5秒間転倒を
繰り返し、静置して観察した。さらに5秒ごとに転倒を
繰り返し、内容物が完全に溶解し終わるまでの時間を測
定した。その結果、表3に示すとおり、エタノールを添
加しないものの溶解時間が50秒であったのに対し、エ
タノールを10μl加えると15秒に短縮された。
した後、エタノールを0〜100μl添加して全量1.
5mlとし、15ml容バイアルに充填して凍結乾燥を
行った。これに生理食塩水5mlを加えて5秒間転倒を
繰り返し、静置して観察した。さらに5秒ごとに転倒を
繰り返し、内容物が完全に溶解し終わるまでの時間を測
定した。その結果、表3に示すとおり、エタノールを添
加しないものの溶解時間が50秒であったのに対し、エ
タノールを10μl加えると15秒に短縮された。
【0011】
【表3】 塩酸エピルビシン エタノール添加量(μl) 溶解時間(秒) 0 50 10 15 25 85 50 125 100 125
【0012】実施例4 塩酸ピラルビシン10mg、乳糖90mgを注射用蒸留
水に溶解したのち、メタノール、イソプロパノール、t
−ブタノール、n−ブタノール、アセトンのうちから選
択されるいずれか1つの有機溶媒50μlを添加して全
量1.5mlとし、15ml容バイアルに充填して凍結
乾燥を行った。これに生理食塩水5mlを加えて5秒間
振盪し、静置して観察した。さらに5秒ごとに振盪を繰
り返し、内容物が完全に溶解し終わるまでの時間を測定
した。その結果、有機溶媒を添加しないものの溶解時間
が335秒であったのに対し、有機溶媒を加えることに
より、メタノール、アセトン、n−ブタノールでは10
秒、イソプロパノールでは15秒、t−ブタノールでは
20秒に短縮された。
水に溶解したのち、メタノール、イソプロパノール、t
−ブタノール、n−ブタノール、アセトンのうちから選
択されるいずれか1つの有機溶媒50μlを添加して全
量1.5mlとし、15ml容バイアルに充填して凍結
乾燥を行った。これに生理食塩水5mlを加えて5秒間
振盪し、静置して観察した。さらに5秒ごとに振盪を繰
り返し、内容物が完全に溶解し終わるまでの時間を測定
した。その結果、有機溶媒を添加しないものの溶解時間
が335秒であったのに対し、有機溶媒を加えることに
より、メタノール、アセトン、n−ブタノールでは10
秒、イソプロパノールでは15秒、t−ブタノールでは
20秒に短縮された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 9/14 A61K 9/08 A61K 9/19 A61K 31/70
Claims (3)
- 【請求項1】アントラサイクリングリコシドの製剤の製
造において、その塩の水溶液に有機溶媒を添加したの
ち、凍結乾燥することを特徴とする溶解性が改善された
製剤の製造法。 - 【請求項2】有機溶媒がエタノール、メタノール、イソ
プロパノール、t−ブタノール、n−ブタノール、アセ
トンから選択された化合物で請求項1記載の凍結乾燥さ
れた製剤の製造法。 - 【請求項3】賦形剤を含有してなる請求項1又は2記載
の凍結乾燥された注射剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5160867A JP2915252B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 溶解性が改善された製剤の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5160867A JP2915252B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 溶解性が改善された製剤の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0776515A JPH0776515A (ja) | 1995-03-20 |
JP2915252B2 true JP2915252B2 (ja) | 1999-07-05 |
Family
ID=15724091
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5160867A Expired - Lifetime JP2915252B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 溶解性が改善された製剤の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2915252B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7582312B2 (en) | 2004-11-15 | 2009-09-01 | Discovery Laboratories, Inc. | Methods to produce lung surfactant formulations via lyophilization and formulations and uses thereof |
CN101743020A (zh) * | 2007-05-16 | 2010-06-16 | Ktb肿瘤研究有限责任公司 | 低粘度蒽环制剂 |
KR101511398B1 (ko) | 2007-09-04 | 2015-04-24 | 메이지 세이카 파루마 가부시키가이샤 | 주사제, 주사 용액, 및 주사 키트 제제 |
CN104203252A (zh) * | 2012-04-09 | 2014-12-10 | 日本迈科洛生物制药有限公司 | 注射剂用组合物 |
EP3915369A1 (en) | 2012-12-13 | 2021-12-01 | CytRx Corporation | Anthracycline formulations |
ES2805723T3 (es) * | 2015-03-30 | 2021-02-15 | Meiji Seika Pharma Co Ltd | Método para producir epirrubicina e intermedio de producción novedoso para la misma |
-
1993
- 1993-06-30 JP JP5160867A patent/JP2915252B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0776515A (ja) | 1995-03-20 |
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