JP2902989B2 - 洗浄装置 - Google Patents
洗浄装置Info
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- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Description
いて電子部品や機械部品などを洗浄する洗浄装置に関
し、特に、超音波洗浄から仕上げリンス及び乾燥までの
一連の洗浄動作を円滑に実現する高性能の洗浄装置に関
する。
全廃を目前に控えて、理想的な代替洗浄剤の開発が進ま
ない中、汎用性や価格上の利点から、水溶性洗剤や炭化
水素溶剤への切替えが積極的に推進されている。その中
でも溶剤系洗浄液の簡便さから炭化水素溶剤が注目され
る。しかしながら、炭化水素洗浄溶剤は、その性質上、
引火性・脱脂性・乾燥性などの本質的な問題を有してお
り、これを用いた高性能の洗浄装置は存在しなかった。
例えば、従来の炭化水素洗浄では、洗浄後に仕上げ洗浄
と液切りの工程があり、その後、熱風乾燥によって洗浄
処理を完了するが、これでは、被洗浄物に付着する洗浄
液の汚染物質が、熱乾燥によって凝縮残留してしまうこ
とになる。本発明は、この問題点に着目してなされたも
のであって、炭化水素溶剤を用いて超音波洗浄から仕上
げリンス及び乾燥までの一連の洗浄動作を一槽で円滑に
実現することのできる高性能の洗浄装置を提供すること
を目的とする。
め、請求項1に係る発明では、開閉弁(V4,V5) を介して
互いに連通している洗浄槽(2) 及び貯留槽(3) と、前記
洗浄槽(2) 及び貯留槽(3) を、所定の速度で所定レベル
まで減圧可能な真空ポンプ(8) と、加熱部(15)を有して
おり、前記貯留槽(3) から導入された洗浄液を常時に加
熱している蒸気発生槽(4) と、凝縮機構(20)を介して前
記蒸気発生槽(4) に接続され、前記蒸気発生槽を減圧状
態に維持すると共に、前記凝縮機構によって液化された
洗浄液を前記貯留槽に供給する蒸留再生部(23)とを備
え、前記蒸留再生部の動作に並行して、前記真空ポンプ
の作用によって、前記洗浄槽と前記貯留槽の間の洗浄液
の給排液、前記洗浄槽での蒸気洗浄、及び、被洗浄物の
真空乾燥を実現している。本発明では、所定の速度で所
定レベルまで減圧可能な高性能の真空ポンプを備えてい
るので、洗浄槽と貯留槽の間の洗浄液の給排液だけでな
く、洗浄槽での蒸気洗浄を円滑に実現することができ、
しかも、その後の被洗浄物の真空乾燥を迅速に完了させ
ることができる。但し、真空度を高め過ぎると、蒸発潜
熱によって被洗浄物の温度が低下しすぎることになるの
で、真空ポンプの入力部にリーク弁を設け、これを開閉
動作しつつ真空乾燥するのが好適である。また、超音波
洗浄に先立って、貯留槽から洗浄槽に洗浄液が供給され
るとき、洗浄液が洗浄槽の壁面全体に広げて流すか、或
いは、霧状などに広げることによって脱気すると、超音
波洗浄の効果を更に高めることができる。また、従来装
置の場合、被洗浄物の形状によっては、穴袋のエアポケ
ットなどに洗浄液が入り込まず、洗浄できないのが一般
的であったが、本発明では、真空ポンプによって、先ず
洗浄槽を減圧することができるので、この時にエアポケ
ット内などの空気を抜き去ることができ、その後、瞬時
に大気圧に戻すことで細部にわたって洗浄液を流入させ
ることができる。つまり、エアポケットを有する被洗浄
物や、密着性の高い被洗浄物の隙間にも確実に洗浄液を
流入させることができ、洗浄不良の問題が解消される。
明を更に詳細に説明する。図1は、この発明の一実施例
である洗浄装置1を図示したものである。この洗浄装置
1は、密閉シャッター付きの洗浄槽2と、洗浄液を蓄え
る洗浄液タンク3と、洗浄液の蒸留釜として機能する蒸
気発生槽4と、開閉弁V1〜V9とを中心的に備えてい
る。洗浄槽2と洗浄液タンク3は、ともに1Torr以下の
真空度に対応できる液槽であり、洗浄槽2では、超音波
洗浄や蒸気洗浄を行うようになっている。なお、洗浄液
の種類は、特に限定されないが、可燃性液体である炭化
水素溶剤を用いることができる。洗浄槽2は、その内部
に超音波発振器5を備えると共に、壁面全周にわたって
凝縮器6を備えており、蓋体7によって適宜に密閉され
るようになっている。また、洗浄槽2は、真空弁V1を
通して真空ポンプ8に接続されており、真空ポンプ8の
出力側は、コールドトラップ9と排気ファン10とを経
由して大気に連通している。ここで、真空ポンプ8は、
洗浄液の給排液と、蒸気洗浄及び真空乾燥を実現するも
のであり、その排気能力は、毎時100m3 以上であ
り、到達圧力が1Torr以下のものである。また、ドライ
式の真空ポンプであり(油回転式や水封式ではない)、
洗浄液の気化ガスやミストの排気もできるようになって
いる。なお、洗浄槽2は、大気開放弁V2を通して大気
に開放され、真空ポンプ8の入力側は、真空度調整弁V
3を通して大気に開放されている。
入管11と洗浄液排出管12と凝縮回収管13とで接続
されており、洗浄液導入管11と洗浄液排出管12に
は、それぞれ、洗浄液導入弁V4と洗浄液排出弁V5が
設けられている。また、洗浄液タンク3には、凝縮器1
4が設けられると共に、大気開放弁V6が設けられてい
る。なお、真空ポンプ8の入力側と洗浄液タンク3と
は、真空弁V7を通して接続されている。蒸気発生槽4
には、オイルヒータ15aやポンプなどによる加熱部1
5が設けられており(スチームを使用しても良い)、洗
浄液の沸点と内部圧力とに対応した所定温度で加熱する
ことにより、洗浄液の蒸気を常に発生させている。そし
て、蒸発によって減少する洗浄液は、液面調整タンク1
6から補給されるようになっている。また、蒸気発生槽
4と液面調整タンク16とは、連通管17を介して接続
されており、蒸気発生槽4の内部圧力と同じ圧力での安
定的な液供給を可能にしている。蒸気発生槽4と洗浄槽
2は、蒸気出力管18によって接続されており、蒸気導
入弁V8によって連通状態が制御される。また、蒸気出
力管18には、加温部19が設けられており、洗浄液タ
ンク3から液面調整タンク16に導入される洗浄液が予
め加温されるようになっている。蒸気発生槽4はまた、
蒸留再生弁V9を介してコンデンサ20に接続されてお
り、コンデンサ20の出力側は、エゼクタータンク21
や循環ポンプ22などで構成されたエゼクター23に接
続されている。その為、蒸気発生槽4で発生した洗浄液
の蒸気は、コンデンサ20で液化された後、エゼクター
23によって吸引されてセパレートタンク21に導入さ
れる。このように、この洗浄装置1では、蒸気発生槽4
→コンデンサ20→エゼクター23→洗浄液タンク3→
加温器19→液面調整タンク16からなる蒸留再生ライ
ンが形成されている。なお、洗浄液の種類に応じて異な
るが、蒸気発生槽4は、エゼクター23によって500
〜650mmHg程度の減圧状態になっており、洗浄液
の沸点を低下させた状態で、効率のよい蒸留再生が行わ
れている。
として機器構成を説明したので、次に、洗浄装置1の動
作内容について説明する。 〔蒸留再生動作〕洗浄装置1は、洗浄槽2において超音
波洗浄や蒸気洗浄が行われるが、この洗浄動作に並行し
て、上記した蒸留再生ラインにおいて、汚染物質を含ん
だ洗浄液の蒸留再生を行っている。すなわち、洗浄後の
汚染物質を含んだ洗浄液は、洗浄液タンク3に貯留され
るが、この洗浄液(混合液)は、加温部19において予
め加温された状態で蒸気発生槽4に供給される。蒸気発
生槽4は、混合液から当該洗浄液のみを蒸発させること
により、純粋な洗浄液を抽出する蒸留釜であるが、エゼ
クター23によって所定の減圧状態に維持されているの
で、内部の洗浄液は、比較的低沸点で沸騰させることが
できる。蒸気発生槽4において発生した洗浄蒸気は、加
温部19で熱交換した後、蒸留再生弁V9を介してコン
デンサ20に伝えられて液化される。そして、エゼクタ
ー23により吸引されてエゼクタータンク21に導入さ
れる。エゼクタータンク21に貯留される洗浄液は、蒸
留再生された高純度の洗浄液であるから、これが洗浄液
タンク3に導入されることにより、洗浄液タンク3内の
洗浄液の純度が上がることになる。以上の通り、この洗
浄装置1では、蒸気発生槽4→コンデンサ20→エゼク
ター23→洗浄液タンク3→蒸気発生槽4からなる蒸留
再生ラインが形成されており、洗浄によって混入する汚
染物質を蒸気発生槽4に集積させることによって、蒸気
液タンク3の洗浄液の純度を維持している。
超音波洗浄の手順について説明する。洗浄槽2に被洗浄
物を投入して蓋体7を密閉したら、最初に、真空弁V1
のみを開放し、真空ポンプ8を駆動させて、洗浄槽2の
気圧を60mmHg(−700mmHg)程度まで減圧
させる。次に、真空弁V1を閉じた後、洗浄液導入弁V
4と大気開放弁V6とを開放する。すると、洗浄槽2が
減圧状態であることから、洗浄液タンク3の洗浄液は、
1秒間に10リットル以上、洗浄液導入管11を通って
洗浄槽2に供給される。この時、スプレーノズルを通し
て洗浄槽2の壁面全体に洗浄液を膜状に供給するか、或
いは、スプレーノズルからの洗浄液を霧状、フラット
状、又は円錐状などにして液表面積を大きくして真空下
にさらすことにより、洗浄液の溶存気体(酸素)を脱気
させる。なお、この脱気処理により、6〜7ppm の溶存
酸素が1〜2ppm 程度まで減少し、音圧測定によると音
圧が8mVから18mVまで上昇することが実験的に確認さ
れている。
6を閉じて、超音波発振器5を動作させて洗浄槽2内の
被洗浄物を超音波洗浄する。前述したように、この洗浄
液からは、キャビテーションを阻害する溶存酸素が除去
されているので、強力な洗浄力を発揮する。また、エア
ポケット部や被洗浄物の隙間にも、確実に洗浄液が行き
渡っているので、高性能の超音波洗浄が実現される。な
お、この超音波洗浄の動作中、真空弁V7を開放させ
て、真空ポンプ8によって洗浄液タンク3の気圧を60
mmHg(−700mmHg)程度まで減圧させる。超
音波洗浄が完了すると、洗浄槽2の大気開放弁V2と、
洗浄液排出管12の洗浄液排出弁V5とを共に開放し
て、洗浄槽2の洗浄液を洗浄液タンク3に回収する。こ
のように、本発明の洗浄装置1では、洗浄液タンク3と
洗浄槽2の気圧差を利用して、洗浄液の供給や排出を行
っているので、ポンプなどの動力機器を用いる場合より
安全であり、迅速に給排液の動作を終えることができ
る。
行う場合は、続いて、真空弁V1のみを開放し、真空ポ
ンプ8によって洗浄槽2を60mmHg程度まで減圧し
た後、真空弁V1を閉じる。次に、蒸気導入弁V8、洗
浄液排出弁V5、及び真空弁V7を開放して真空ポンプ
8を駆動する。すると、蒸気発生槽4で発生した洗浄蒸
気が洗浄槽2に導入され、被洗浄物を蒸気洗浄しつつ一
部は液化し、蒸気と共に洗浄液排出弁V5を通って洗浄
液タンク3に伝えられる。洗浄液タンク3には凝縮器1
4が設けられているので、洗浄蒸気は液化されて洗浄液
タンク3に回収される。なお、洗浄蒸気は、真空ポンプ
8に吸引された後、コールドトラップ9において更に液
化回収される。そして、蒸気洗浄が完了すれば、蒸気導
入弁V8を閉じて、洗浄槽2から洗浄蒸気を排出する。
これにより、余分な蒸気は効率良く回収され、高精度な
仕上げリンスが完了するが、被洗浄物には、同時に、自
熱乾燥に必要な熱エネルギーが効率よく与えられたこと
になる。なお、上記の説明では、洗浄槽2と洗浄液タン
ク3とを連通させ、液化した洗浄液を直接的に回収した
が、洗浄槽2からコンデンサ20を通してエゼクタータ
ンク21に回収するようにしても良い。この場合には、
蒸気導入弁V8と蒸気排出弁V5’のみを開放して、洗
浄槽2の洗浄蒸気をコンデンサ20に回収するので、凝
縮器14を省略することができるが、所定の減圧状態を
維持するためには洗浄動作中に蒸留再生弁V9を閉じる
必要があり、蒸留再生と蒸気洗浄とを並行処理できない
という不利がある。
真空弁V7とを閉じると共に、真空弁V1を開放して真
空ポンプ8によって洗浄槽2を減圧する。すると、被洗
浄物表面に付着している洗浄液は、被洗浄物のもつ自熱
だけで瞬時に沸騰乾燥することになる。なお、洗浄槽2
から吸引される洗浄液の蒸気やミストは、コールドトラ
ップ9において液化され無駄なく回収される。この真空
乾燥を行う場合、被洗浄物に付着した溶剤は沸騰乾燥す
るが、反面、蒸気潜熱によって被洗浄物の表面温度を急
激に低下させることにもなる。そこで、被洗浄物の表面
温度をあまり低下させることがないよう、真空度調整弁
V3を適宜に開閉制御して、被洗浄物の材質、形状、寸
法などを考慮した最適な真空乾燥を実現している。以上
説明したように、本発明に係る洗浄装置1では、次のよ
うな種々のすぐれた特徴を有している。すなわち、す
べての工程が真空環境で行われるため、引火に必要な酸
素濃度になく、本質的な安全性が確保される。高純度
蒸気による仕上げ洗浄が、洗浄ムラを無くし、炭化水素
洗浄の用途範囲と洗浄度のワクを最大限に広げた。蒸
留蒸気の熱エネルギーだけを利用した自熱乾燥方式のた
め、熱風や輻射熱など危険性の高い乾燥熱とエネルギー
が一切不要となった。蒸気圧を利用した高真空乾燥に
より、あらゆる形状・姿勢の被洗浄物でも高速乾燥する
ことができる。全システムが真空クローズドのため洗
浄液の持ち出しや自然消耗が殆どない。
洗浄槽及び貯留槽と、洗浄槽及び貯留槽を所定の速度で
所定レベルまで減圧可能な真空ポンプと、貯留槽から導
入された洗浄液を常時に加熱している蒸気発生槽と、蒸
気発生槽を減圧すると共に、凝縮機構により液化された
洗浄液を貯留槽に供給する蒸留再生部とを備えているの
で、炭化水素溶剤を用いて超音波洗浄から仕上げリンス
及び乾燥までの一連の洗浄動作を円滑に実現することが
できる。
のである。
Claims (3)
- 【請求項1】 開閉弁(V4,V5) を介して互いに連通して
いる洗浄槽(2)及び単一の貯留槽(3) と、前記洗浄槽(2)
及び貯留槽(3) を、所定の速度で所定レベルまで減圧
可能な真空ポンプ(8) と、加熱部(15)を有しており、前
記貯留槽(3) から導入された洗浄液を常時に加熱してい
る蒸気発生槽(4) と、凝縮機構(20)を介して前記蒸気発
生槽(4) に接続され、前記蒸気発生槽を減圧状態に維持
すると共に、前記凝縮機構によって液化された洗浄液を
前記貯留槽に供給する蒸留再生部(23)とを備え、前記蒸
留再生部の動作に並行して、前記真空ポンプの作用によ
って、前記洗浄槽と前記貯留槽の間の洗浄液の給排液、
前記洗浄槽での蒸気洗浄、及び、被洗浄物の真空乾燥を
実現していることを特徴とする洗浄装置。 - 【請求項2】 前記真空ポンプには、その入力部にリー
ク弁が設けられており、真空乾燥時には、前記リーク弁
を開閉動作させることを特徴とする請求項1に記載の洗
浄装置。 - 【請求項3】 前記貯留槽から前記洗浄槽に洗浄液が供
給されるとき、洗浄液が洗浄槽の壁面全体に広げて流す
か、或いは、霧状などに広げることによって脱気するこ
とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の洗浄装
置。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP32228695A JP2902989B2 (ja) | 1995-11-15 | 1995-11-15 | 洗浄装置 |
Publications (2)
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---|---|
JPH09141216A JPH09141216A (ja) | 1997-06-03 |
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Family
ID=18141945
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP32228695A Expired - Lifetime JP2902989B2 (ja) | 1995-11-15 | 1995-11-15 | 洗浄装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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-
1995
- 1995-11-15 JP JP32228695A patent/JP2902989B2/ja not_active Expired - Lifetime
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