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JP2961500B2 - 表面伝導型電子放出素子、電子源及び画像形成装置の製造方法 - Google Patents

表面伝導型電子放出素子、電子源及び画像形成装置の製造方法

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Publication number
JP2961500B2
JP2961500B2 JP22611394A JP22611394A JP2961500B2 JP 2961500 B2 JP2961500 B2 JP 2961500B2 JP 22611394 A JP22611394 A JP 22611394A JP 22611394 A JP22611394 A JP 22611394A JP 2961500 B2 JP2961500 B2 JP 2961500B2
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JP
Japan
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electron
surface conduction
emitting device
conduction electron
manufacturing
Prior art date
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健夫 塚本
敬介 山本
康弘 浜元
正人 山野辺
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Canon Inc
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Canon Inc
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2201/00Electrodes common to discharge tubes
    • H01J2201/30Cold cathodes
    • H01J2201/316Cold cathodes having an electric field parallel to the surface thereof, e.g. thin film cathodes
    • H01J2201/3165Surface conduction emission type cathodes

Landscapes

  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面伝導型電子放出素
子、これを用いた電子源、表示装置や露光装置等の画像
形成装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】表面伝導型電子放出素子は、絶縁性の基
板上に形成された導電性薄膜に、膜面に平行に電流を流
すことにより電子放出が生ずる現象を利用するものであ
る。
【0003】表面伝導型電子放出素子の典型的な構成例
としては、絶縁性の基板上に設けた一対の素子電極間を
連絡する金属酸化物等の導電性薄膜に、予めフォーミン
グと称される通電処理により電子放出部を形成したもの
が挙げられる。フォーミングは、導電性薄膜の両端に直
流電圧あるいは非常にゆっくりとした昇電圧、例えば1
V/1分程度の昇電圧を印加通電することで通常行わ
れ、導電性薄膜を局所的に破壊、変形もしくは変質させ
て構造を変化させ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部
を形成する処理である。電子放出は、上記電子放出部が
形成された導電性薄膜に電圧を印加して電流を流すこと
により、電子放出部に発生した亀裂付近から行われる。
【0004】上記表面伝導型電子放出素子は、構造が単
純で製造も容易であることから、大面積に亙って多数配
列形成できる利点がある。そこで、この特徴を活かすた
めの種々の応用が研究されている。例えば表示装置等の
画像形成装置への利用が挙げられる。
【0005】従来、多数の表面伝導型電子放出素子を配
列形成した例としては、並列に表面伝導型電子放出素子
を配列し、個々の表面伝導型電子放出素子の両端(両素
子電極)を配線(共通電極とも呼ぶ)にて夫々結線した
行を多数行配列(梯型配置とも呼ぶ)した電子源が挙げ
られる(特開平1−31332号公報、同1−2837
49号公報、同−257552号公報)。また、特に
表示装置においては、液晶を用いた表示装置と同様の平
板型表示装置とすることが可能で、しかもバックライト
が不要な自発光型の表示装置として、表面伝導型電子放
出素子を多数配置した電子源と、この電子源からの電子
線の照射により可視光を発光する蛍光体とを組み合わせ
た表示装置が提案されている(アメリカ特許第5066
883号明細書)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、表面伝
導型電子放出素子の製造については、フォーミングに所
要の通電時間を要しており、多くの表面伝導型電子放出
素子の製造に際してはその短縮が望まれる。
【0007】特に表面伝導型電子放出素子で大面積ディ
スプレーを作製する場合、表面伝導型電子放出素子の数
が極めて多いので、例えば配列された1列毎にフォーミ
ングを行ったとしても、全部の表面伝導型電子放出素子
にフォーミングを施すのに時間がかかる。
【0008】また、低電圧から高電圧に昇圧するフォー
ミングを上記のような1列毎に行う場合、フォーミング
されるまでの間は素子の導電性薄膜の抵抗に応じた電流
が流れるので、列内に電位差が生じ、各素子を均一にフ
ォーミングできない。フォーミング状態が不均一である
と、各表面伝導型電子放出素子の電子放出特性がばらつ
き、例えばこれを表示装置に用いた場合には輝度むらの
原因となり、調整が煩雑となる。
【0009】更に、上記フォーミング時の電流は素子数
が増加するに従って単純に増加するため、多数の素子を
一度にフォーミングしようとすると配線がジュール熱で
発熱し、損傷されやすい。
【0010】本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、フ
ォーミングを短時間で均一かつ発熱少なく行えるように
し、表面伝導型電子放出素子、それを用いた電子源及び
画像形成装置の製造を容易かつ効率化すること目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】請求項1〜10
の発明は、表面伝導型電子放出素子の製造方法に関する
発明で、基板上に一対の素子電極を形成すると共に、素
子電極間を連絡する導電性薄膜を形成する工程と、一対
の電極間に誘電体を挟んで構成される電荷蓄積体の一方
の電極として該素子電極を用い、該電荷蓄積体の放電に
よって導電性薄膜に電子放出部を形成するフォーミング
工程とを有する点に特徴を有するものである。
【0012】
【0013】請求項1122の発明は、上記表面伝導
型電子放出素子を複数個備えた電子源の製造方法に関す
る発明で、基板上に複数対の素子電極を形成すると共
に、各対の素子電極間を連絡する導電性薄膜を形成する
工程と、一対の電極間に誘電体を挟んで構成される電荷
蓄積体の一方の電極として該素子電極を用い、該電荷蓄
積体の放電によって各導電性薄膜に電子放出部を形成す
るフォーミング工程とを有する点に特徴を有するもので
ある。
【0014】
【0015】更に、請求項23及び24の発明は、上記
製造方法により製造された電子源を用いた画像形成装
製造方法に関する発明である。
【0016】上記のように、本発明は、表面伝導型電子
放出素子、表面伝導型電子放出素子を複数個備えた電
及び画像形成装置の製造方法に係るもので、各発明の
構成及び作用を以下に更に説明する。
【0017】本発明の表面伝導型電子放出素子には平面
型と垂直型がある。まず、平面型表面伝導型電子放出素
子の基本的な構成について説明する。
【0018】図1(a)、(b)は、平面型表面伝導型
電子放出素子の基本的な構成を示す図である。
【0019】図1において1は基板、2は電子放出部、
3は導電性薄膜、4と5は素子電極である。
【0020】基板1としては、例えば石英ガラス、Na
等の不純物含有量を減少させたガラス、青板ガラス、青
板ガラスにスパッタ法等によりSiO2 を積層した積層
体、アルミナ等のセラミックス等が挙げられる。
【0021】対向する素子電極4,5の材料としては、
一般的導体材料が用いられ、例えばNi、Cr、Au、
Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金属ある
いは合金及びPd、Ag、Au、RuO2 、Pd−Ag
等の金属あるいは金属酸化物とガラス等から構成される
印刷導体、In23 −SnO2 等の透明導電体及びポ
リシリコン等の半導体導体材料等から適宜選択される。
【0022】素子電極間隔L、素子電極長さW、導電性
薄膜3の形状等は、応用される形態等によって設計され
る。
【0023】素子電極間隔Lは、数百オングストローム
から数百マイクロメートルであることが好ましく、より
好ましくは、素子電極4,5間に印加する電圧と電子放
出し得る電界強度等により、数マイクロメートルから数
十マイクロメートルである。
【0024】素子電極長さWは、電極の抵抗値や電子放
出特性を考慮すると、好ましくは数マイクロメートルか
ら数百マイクロメートルであり、また素子電極厚dは、
数百オングストロームから数マイクロメートルである。
【0025】尚、図1に示される表面伝導型電子放出素
子は、基板1上に、素子電極4,5、導電性薄膜3の順
に積層されたものとなっているが、基板1上に、導電性
薄膜3、素子電極4,5の順に積層したものとしてもよ
い。
【0026】導電性薄膜3は、良好な電子放出特性を得
るためには、微粒子で構成された微粒子膜であることが
特に好ましく、その膜厚は、素子電極4,5へのステッ
プカバレージ、素子電極4,5間の抵抗値及び後述する
フォーミング条件等によって適宜選択される。この導電
性薄膜3の膜厚は、好ましくは数オングストロームから
数千オングストロームで、特に好ましくは10オングス
トロームから500オングストロームであり、その抵抗
値は、10の3乗から10の7乗オーム/□のシート抵
抗値である。
【0027】導電性薄膜3を構成する材料としては、例
えばPd、Pt、Ru、Ag、Au、Ti、In、C
u、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pb等の金
属、PdO、SnO2 、In23 、PbO、Sb2
3 等の酸化物、HfB2 、ZrB2 、LaB6 、CeB
6 、YB4 、GdB4 等の硼化物、TiC、ZrC、H
fC、TaC、SiC、WC等の炭化物、TiN、Zr
N、HfN等の窒化物、Si、Ge等の半導体、カーボ
ン等が挙げられる。
【0028】尚、上記微粒子膜とは、複数の微粒子が集
合した膜であり、その微細構造として、微粒子が個々に
分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに隣接、あ
るいは重なり合った状態(島状も含む)の膜をさす。微
粒子膜である場合、微粒子の粒径は、数オングストロー
ムから数千オングストロームであることが好ましく、特
に好ましくは10オングストロームから200オングス
トロームである。
【0029】電子放出部2には亀裂が含まれており、電
子放出はこの亀裂付近から行われる。この亀裂を含む電
子放出部2及び亀裂自体は、導電性薄膜3の膜厚、膜
質、材料及び後述するフォーミング条件等の製法に依存
して形成される。従って、電子放出部2の位置及び形状
は図1に示されるような位置及び形状に特定されるもの
ではない。
【0030】亀裂は、数オングストロームから数百オン
グストロームの粒径の導電性微粒子を有することもあ
る。この導電性微粒子は、導電性薄膜3を構成する材料
の元素の一部、あるいは総てと同様のものである。ま
た、亀裂を含む電子放出部2及びその近傍の導電性薄膜
3は炭素及び炭素化合物を有することもある。
【0031】次に、垂直型表面伝導型電子放出素子の基
本的な構成について説明する。
【0032】図2は、垂直型表面伝導型電子放出素子の
基本的な構成を示す図で、図中21は段差形成部材で、
その他図1と同じ符号は同じ部材を示すものである。
【0033】基板1、電子放出部2、導電性薄膜3及び
素子電極4,5は、前述した平面型表面伝導型電子放出
素子と同様の材料で構成されたものである。
【0034】段差形成部材21は、例えば真空蒸着法、
印刷法、スパッタ法等で付設されたSiO2 等の絶縁性
材料で構成されたものである。この段差形成部材21の
膜厚は、先に述べた平面型表面伝導型電子放出素子の素
子電極間隔L(図1参照)に対応するもので、段差形成
部材21の作成法や素子電極4,5間に印加する電圧と
電子放出し得る電界強度により設定されるが、好ましく
は数百オングストロームから数十マイクロメートルであ
り、特に好ましくは数百オングストロームから数マイク
ロメートルである。
【0035】導電性薄膜3は、通常、素子電極4,5の
作成後に形成されるので、素子電極4,5の上に積層さ
れるが、導電性薄膜3の形成後に素子電極4,5を作成
し、導電性薄膜3の上に素子電極4,5が積層されるよ
うにすることも可能である。また、平面型表面伝導型電
子放出素子の説明においても述べたように、電子放出部
2の形成は、導電性薄膜3の膜厚、膜質、材料及び後述
するフォーミング条件等の製法に依存するので、その位
置及び形状は図2に示されるような位置及び形状に特定
されるものではない。
【0036】尚、以下の説明は、上述の平面型表面伝導
型電子放出素子と垂直型表面伝導型電子放出素子の内、
平面型を例にして説明するが、平面型表面伝導型電子放
出素子に代えて垂直型表面伝導型電子放出素子としても
よい。
【0037】本発明の表面伝導型電子放出素子の製法と
しては様々な方法が考えられるが、その一例を図3に基
づいて説明する。尚、図3において図1と同じ符号は同
じ部材を示すものである。
【0038】1)基板1を洗剤、純水及び有機溶剤によ
り十分に洗浄した後、真空蒸着法、スパッタ法等により
素子電極材料を堆積させた後、フォトリソグラフィー技
術により基板1の面上に素子電極4,5を形成する(図
3(a))。
【0039】2)素子電極4,5を設けた基板1上に有
機金属溶液を塗布して放置することにより、素子電極4
と素子電極5間を連絡して有機金属薄膜を形成する。
尚、有機金属溶液とは、前述の導電性薄膜3の構成材料
の金属を主元素とする有機化合物の溶液である。この
後、有機金属薄膜を加熱焼成処理し、リフトオフ、エッ
チング等によりパターニングされた導電性薄膜3を形成
する(図3(b))。尚、ここでは、有機金属溶液の塗
布法により説明したが、これに限ることなく、例えば真
空蒸着法、スパッタ法、化学的気相堆積法、分散塗布
法、ディッピング法、スピンナー法等によって有機金属
膜を形成することもできる。
【0040】3)続いて、フォーミングにより、導電性
薄膜3の部位に構造の変化した電子放出部2を形成する
(図3(c))。この導電性薄膜3を局所的に破壊、変
形もしくは変質せしめ、構造の変化した部位が電子放出
部3である。
【0041】フォーミングの作用は明らかではないが、
通電のジュール熱による薄膜の部分的な破壊又は変質だ
といわれている。しかし、このジュール熱を生じさせる
エネルギーの供給は通電だけではない。
【0042】そこで本発明では、フォーミング工程にお
いて、ジュール熱を生じさせるエネルギーの供給源とし
て、電荷Qと電位差Vによる放電エネルギーを用いてい
るものである。
【0043】本発明で用いる電荷は、電荷蓄積体(コン
デンサー)に蓄えたものである。この電荷蓄積体は、表
面伝導型電子放出素子の素子電極4,5を用いて構成さ
れているものである。このような電荷蓄積体の例として
は、図13ないし15で説明するように、誘電体材料で
構成した基板1の表裏面に素子電極4,5と導伝体40
5を相対向させて配置して構成した電荷蓄積体(図13
参照)、基板1の上に導伝体405、誘電体層506、
素子電極4,5の順に設けることで構成した電荷蓄積体
(図14参照)、素子電極4,5上の真空領域606を
誘電体として構成した電荷蓄積体(図15参照)が挙げ
られる。
【0044】電荷蓄積体によるフォーミングは、素子の
両方の素子電極4,5が導電性薄膜3を介して同電位と
なる状態で両素子電極4,5に電荷を与えた後、一方の
素子電極4を接地もしくは電荷蓄積体を構成する導伝体
に接続することで行うことができる。
【0045】特に複数の表面伝導型電子放出素子を有す
る電子源製造に際しての電荷蓄積体によるフォーミング
は、選択された複数の素子の両方の素子電極4,5が導
電性薄膜3を介して同電位となる状態で各素子電極4,
5に電荷を与えた後、各表面伝導型電子放出素子の一方
の素子電極4を総て接地もしくは電荷蓄積体を構成する
導伝体に接続することで行うことができる。
【0046】次に、電荷によるフォーミングの原理を、
フォーミングがジュール熱によって行われるものと仮定
して簡単に説明する。
【0047】フォーミングに必要なエネルギーをUとす
ると、通電で行う場合には電流I、電圧V通電時間Tで
表すと、U=ITVである。放電の場合は、電荷Qある
いは容量Cと電圧Vを用いると、U=CV2 /2=QV
/2で表される。放電のエネルギーは、通電の場合と同
じように、放電経路内に含まれる抵抗体でほぼ100%
ジュール熱となって消費される。よって、ジュール熱が
フォーミングにおいて支配的である場合には、放電であ
っても通電と同様にフォーミングを行うことができる。
【0048】このようなフォーミングにおいて、1回の
放電エネルギーがフォーミングを行うのに最低必要なエ
ネルギー以上である場合には、1回の放電でフォーミン
グが可能である。放電は、極めて短時間で終了すること
から、短時間でのフォーミングが可能となる。
【0049】また、電荷の放電時には極めて大きな電流
が生じるが、極めて短時間に放電が終了するので、配線
の発熱を極めて小さく押えることができる。
【0050】例えば複数の素子が並列された1ラインに
対してフォーミングを行う場合、フォーミング電流が流
れると、配線抵抗により、電位供給点から離れるに従っ
て電位が低下する。しかし、1ライン内の各素子の両素
子電極4,5が導電性薄膜3を介して同電位となる状態
各素子電極4,5上に電荷を蓄積することで、各素子
に一定の電荷が蓄積されて、ライン内を一定の電位に保
つことができる。この後、各素子の一方の素子電極4
(又は5)を接地もしくは導電体と接続して放電を行う
と、各素子に蓄積された電荷量が一定のため、各素子に
おけるジュール熱の発生量が一定となり、ライン内で均
一なフォーミングが可能となる。尚、この手法は、ライ
ンに限定されるものではなく、エリア内の素子のフォー
ミングについても同様に用いることができる。
【0051】フォーミング処理の放電電圧波形の例を図
4に示す。
【0052】図4中の放電電圧は素子電極4,5間の電
位差を示す。初期電位差V1及び放電時間の時定数T1
は、使用した電荷蓄積体の容量Qと素子電極4,5間の
抵抗値Rに依存するが、1素子当り約100μジュール
のエネルギーでフォーミングされるとすると、前述のU
=CV2 /2=QV/2の関係式から、例えば1nFの
電荷蓄積体に電荷を蓄積した場合には約450Vの初期
電圧となる。また、R=200Ωの素子で放電したとす
ると、時定数Tは0.2マイクロ秒である。尚、このフ
ォーミング工程は、適当な真空度下で行うことが好まし
い。
【0053】4)本発明の表面伝導型電子放出素子の場
合、更に活性化工程を施すことが好ましい。
【0054】活性化工程とは、例えば10の−4乗〜1
0の−5乗torr程度の真空度で、パルス波高値を定
電圧としたパルスの印加を繰り返す処理のことをいい、
真空雰囲気中に存在する有機物質から炭素及び炭素化合
物を電子放出部2(図1及び図2参照)に堆積させるこ
とで、素子電流、放出電流の状態を著しく向上させるこ
とができる工程である。この活性化工程は、例えば素子
電流や放出電流を測定しながら行って、例えば放出電流
が飽和した時点で終了するようにすれば効果的であるの
で好ましい。また、活性化工程でのパルス波高値は、好
ましくは駆動電圧の波高値である。
【0055】尚、上記炭素及び炭素化合物とは、グラフ
ァイト(単結晶及び多結晶の双方を指す)、非晶質カー
ボン(非晶質カーボン及びこれと多結晶グラファイトと
の混合物を指す)である。また、その堆積膜厚は、好ま
しくは500オングストローム以下、より好ましくは3
00オングストローム以下である。
【0056】6)このようにして作成した表面伝導型電
子放出素子を、フォーミング工程、活性化工程での真空
度より高い真空度の真空雰囲気下で動作駆動する安定化
工程を施すことが好ましい。より好ましくは、この高い
真空度の真空雰囲気下で、80〜150℃の加熱の後、
動作駆動する。
【0057】尚、フォーミング工程、活性化工程の真空
度より高い真空度の真空雰囲気とは、例えば約10の−
6乗torr以上の真空度を有する真空雰囲気であり、
より好ましくは超高真空系であり、炭素及び炭素化合物
が新たにほぼ堆積しない真空度である。
【0058】即ち、表面伝導型電子放出素子を上記真空
雰囲気中に封入してしまうことにより、これ以上の炭素
及び炭素化合物の堆積を抑制することが可能となり、こ
れによって素子電流If、放出電流Ieが安定する。
【0059】このようにして得られる表面伝導型電子放
出素子の基本特性を以下に説明する。
【0060】図5は、表面伝導型電子放出素子の電子放
出特性を測定するための測定評価系の一例を示す概略構
成図で、まずこの測定評価系を説明する。
【0061】図5において、図1と同じ符号は同じ部材
を示す。また、51は素子に素子電圧Vfを印加するた
めの電源、50は素子電極4,5間の導電性薄膜3を流
れる素子電流Ifを測定するための電流計、54は電子
放出部2より放出される放出電流Ieを捕捉するための
アノード電極、53はアノード電極54に電圧を印加す
るための高圧電源、52は電子放出部2より放出される
放出電流Ieを測定するための電流計、55は真空装
置、56は排気ポンプである。
【0062】表面伝導型電子放出素子及びアノード電極
54等は真空装置55内に設置され、この真空装置55
には不図示の真空計等の必要な機器が具備されていて、
所望の真空下で表面伝導型電子放出素子の測定評価がで
きるようになっている。
【0063】排気ポンプ56は、ターボポンプ、ロータ
リーポンプ等からなる通常の高真空装置系と、イオンポ
ンプ等からなる超高真空装置系とから構成されている。
また、真空装置55全体及び表面伝導型電子放出素子の
基板1は、ヒーターにより200℃程度まで加熱できる
ようになっている。尚、この測定評価系は、後述するよ
うな表示パネル(図8における201参照)の組み立て
段階において、表示パネル及びその内部を真空装置55
及びその内部として構成することで、前述のフォーミン
グ工程、活性化工程及び後述するそれ以後の工程におけ
る側定評価及び処理に応用することができるものであ
る。
【0064】以下に述べる表面伝導型電子放出素子の基
本特性は、上記測定評価系のアノード電極54の電圧を
1kV〜10kVとし、アノード電極54と表面伝導型
電子放出素子の距離Hを2〜8mmとして行った測定に
基づくものである。
【0065】まず、放出電流Ie及び素子電流Ifと、
素子電圧Vfとの関係の典型的な例を図6に示す。尚、
図6において、放出電流Ieは素子電流Ifに比べて著
しく小さいので、任意単位で示されている。
【0066】図6から明らかなように、表面伝導型電子
放出素子は、放出電流Ieに対する次の3つの特徴的特
性を有する。
【0067】まず第1に、表面伝導型電子放出素子はあ
る電圧(しきい値電圧と呼ぶ:図6中のVth)を超え
る素子電圧Vfを印加すると急激に放出電流Ieが増加
し、一方しきい値電圧Vth以下では放出電流Ieが殆
ど検出されない。即ち、放出電流Ieに対する明確なし
きい値電圧Vthを持った非線形素子である。
【0068】第2に、放出電流Ieが素子電圧Vfに対
して単調増加する特性(MI特性と呼ぶ)を有するた
め、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御できる。
【0069】第3に、アノード電極54(図5参照)に
補足される放出電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に
依存する。即ち、アノード電極54に捕捉される電荷量
は、素子電圧Vfを印加する時間により制御できる。
【0070】放出電流Ieが素子電圧Vfに対してMI
特性を有すると同時に、素子電流Ifも素子電圧Vfに
対してMI特性を有する場合もある。このような表面伝
導型電子放出素子の特性の例が図6の実線で示す特性で
ある。一方、図6に破線で示すように、素子電流Ifは
素子電圧Vfに対して電圧制御型負性抵抗特性(VCN
R特性と呼ぶ)を示す場合もある。いずれの特性を示す
かは、表面伝導型電子放出素子の製法及び測定時の測定
条件等に依存する。但し、素子電流Ifが素子電圧Vf
に対してVCNR特性を有する表面伝導型電子放出素子
でも、上記3つの特性上の特徴を有する。
【0071】次に、本発明の電子源における表面伝導型
電子放出素子の配列について説明する。
【0072】本発明の電子源における表面伝導型電子放
出素子の配列方式としては、従来の技術の項で述べたよ
うな梯型配置の他、m本のX方向配線の上にn本のY方
向配線を層間絶縁層を介して設置し、表面伝導型電子放
出素子の一対の素子電極に夫々X方向配線、Y方向配線
を接続した配置方式が挙げられる。これを以後単純マト
リクス配置と呼ぶ。まず、この単純マトリクス配置につ
いて詳述する。
【0073】前述した表面伝導型電子放出素子の基本的
特性によれば、単純マトリクス配置された表面伝導型電
子放出素子における放出電子は、しきい値電圧を超える
電圧では、対向する素子電極間に印加するパルス状電圧
の波高値とパルス幅で制御できる。一方、しきい値電圧
以下では殆ど電子は放出されない。従って、多数の表面
伝導型電子放出素子を配置した場合においても、個々の
素子に上記パルス状電圧を適宜印加すれば、入力信号に
応じて表面伝導型電子放出素子を選択し、その電子放出
量が制御でき、単純なマトリクス配線だけで個別の表面
伝導型電子放出素子を選択して独立に駆動可能となる。
【0074】単純マトリクス配置はこのような原理に基
づくもので、本発明の電子源の一例である、この単純マ
トリクス配置の電子源の構成について図7に基づいて更
に説明する。
【0075】図7において基板1は既に説明したような
ガラス板等であり、この基板1上に配列された本発明の
表面伝導型電子放出素子104の個数及び形状は用途に
応じて適宜設定されるものである。
【0076】m本のX方向配線102は、夫々外部端子
Dx1,Dx2,……,Dxmを有するもので、基板1
上に、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成した導
電性金属等である。また、多数の表面伝導型電子放出素
子104にほぼ均等に電圧が供給されるように、材料、
膜厚、配線幅が設定されている。
【0077】n本のY方向配線103は、夫々外部端子
Dy1,Dy2,……,Dynを有するもので、X方向
配線102と同様に作成される。
【0078】これらm本のX方向配線102とn本のY
方向配線103間には、不図示の層間絶縁層が設置さ
れ、電気的に分離されて、マトリクス配線を構成してい
る。尚、このm,nは共に正の整数である。
【0079】不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷
法、スパッタ法等で形成されたSiO2 等であり、X方
向配線102を形成した基板1の全面或は一部に所望の
形状で形成され、特に、X方向配線102とY方向配線
103の交差部の電位差に耐え得るように、膜厚、材
料、製法が適宜設定される。
【0080】更に、表面伝導型電子放出素子104の対
向する素子電極(不図示)が、m本のX方向配線102
と、n本のY方向配線103と、真空蒸着法、印刷法、
スパッタ法等で形成された導電性金属等からなる結線1
05によって電気的に接続されているものである。
【0081】ここで、m本のX方向配線102と、n本
のY方向配線103と、結線105と、対向する素子電
極とは、その構成元素の一部あるいは全部が同一であっ
ても、また夫々異なっていてもよく、前述の素子電極の
材料等より適宜選択される。これら素子電極への配線
は、素子電極と材料が同一である場合は素子電極と総称
する場合もある。また、表面伝導型電子放出素子104
は、基板1あるいは不図示の層間絶縁層上どちらに形成
してもよい。
【0082】また、詳しくは後述するが、前記X方向配
線102には、X方向に配列された表面伝導型電子放出
素子104の行を入力信号に応じて走査するために、走
査信号を印加する不図示の走査信号印加手段が電気的に
接続されている。
【0083】一方、Y方向配線103には、Y方向に配
列された表面伝導型電子放出素子104の列の各列を入
力信号に応じて変調するために、変調信号を印加する不
図示の変調信号発生手段が電気的に接続されている。更
に、各表面伝導型電子放出素子104に印加される駆動
電圧は、当該表面伝導型電子放出素子104に印加され
る走査信号と変調信号の差電圧として供給されるもので
ある。
【0084】次に、以上のような単純マトリクス配置の
本発明の電子源を用いた本発明の画像形成装置の一例
を、図8〜図10を用いて説明する。尚、図8は表示パ
ネル201の基本構成図であり、図9は蛍光膜114を
示す図であり、図10は図8の表示パネル201で、N
TSC方式のテレビ信号に応じてテレビジョン表示を行
うための駆動回路の一例を示すブロック図である。
【0085】図8において、1は上述のようにして本発
明の表面伝導型電子放出素子を配置した電子源の基板、
111は基板1を固定したリアプレート、116はガラ
ス基板113の内面に蛍光膜114とメタルバック11
5等が形成されたフェースプレート、112は支持枠で
あり、リアプレート111、支持枠112及びフェース
プレート116にフリットガラス等を塗布し、大気中あ
るいは窒素中で、400〜500℃で10分以上焼成す
ることで封着して外囲器118を構成している。
【0086】図8において、2は図1における電子放出
部に相当する。102、103は、表面伝導型電子放出
素子104の一対の素子電極4,5と接続されたX方向
配線及びY方向配線で、夫々外部端子Dx1ないしDx
m,Dy1ないしDynを有している。
【0087】外囲器118は、上述の如く、フェースー
プレート116、支持枠112、リアプレート111で
構成されている。しかし、リアプレート111は主に基
板1の強度を補強する目的で設けられるものであり、基
板1自体で十分な強度を持つ場合は別体のリアプレート
111は不要で、基板1に直接支持枠112を封着し、
フェースプレート116、支持枠112、基板1にて外
囲器118を構成してもよい。また、フェースプレート
116、リアプレート111の間にスぺーサーと呼ばれ
る不図示の支持体を更に設置することで、大気圧に対し
て十分な強度を有する外囲器118とすることもでき
る。
【0088】蛍光膜114は、モノクロームの場合は蛍
光体122のみからなるが、カラーの蛍光膜114の場
合は、蛍光体122の配列により、ブラックストライプ
(図9(a))あるいはブラックマトリクス(図9
(b))等と呼ばれる黒色導伝材121と蛍光体122
とで構成される。ブラックストライプ、ブラックマトリ
クスが設けられる目的は、カラー表示の場合必要となる
三原色の各蛍光体122間の塗り分け部を黒くすること
で混色等を目立たなくすることと、蛍光膜114におけ
る外光反射によるコントラストの低下を抑制することで
ある。黒色導伝材121の材料としては、通常良く用い
られている黒鉛を主成分とする材料だけでなく、導電性
があり、光の透過及び反射が少ない材料であれば他の材
料を用いることもできる。
【0089】ガラス基板113に蛍光体122を塗布す
る方法としては、モノクローム、カラーによらず、沈澱
法や印刷法が用いられる。
【0090】また、図8に示されるように、蛍光膜11
4の内面側には通常メタルバック115が設けられる。
メタルバック115の目的は、蛍光体122(図9参
照)の発光のうち内面側への光をフェースプレート11
6側へ鏡面反射することにより輝度を向上すること、電
子ビーム加速電圧を印加するための電極として作用する
こと、外囲器118内で発生した負イオンの衝突による
ダメージからの蛍光体122の保護等である。メタルバ
ック115は、蛍光膜114の作製後、蛍光膜114の
内面側表面の平滑化処理(通常フィルミングと呼ばれ
る)を行い、その後Alを真空蒸着等で堆積することで
作製できる。
【0091】フェースプレート116には、更に蛍光膜
114の導伝性を高めるため、蛍光膜114の外面側に
透明電極(不図示)を設けてもよい。
【0092】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体122と表面伝導型電子放出素子104とを対応
させなくてはいけないため、十分な位置合わせを行なう
必要がある。
【0093】外囲器118内は、不図示の排気管を通
じ、10の−7乗torr程度の真空度にされ、封止さ
れる。また、外囲器118の封止を行う直前あるいは封
止後に、ゲッター処理を行うこともある。これは、外囲
器118内の所定の位置に配置したゲッター(不図示)
を加熱し、蒸着膜を形成する処理である。ゲッターは通
常Ba等が主成分であり、該蒸着膜の吸着作用により、
例えば1×10の−5乗ないしは1×10の−7乗to
rrの真空度を維持するためのものである。
【0094】尚、前述したフォーミング及びこれ以降の
表面伝導型電子放出素子の各製造工程は、通常、外囲器
118の封止直前又は封止後に行われるもので、その内
容は前述の通りである。
【0095】上述の表示パネル201は、例えば図10
に示されるような駆動回路で駆動することができる。
尚、図10において、201は表示パネル、202は走
査回路、203は制御回路、204はシフトレジスタ、
205はラインメモリ、206は同期信号分離回路、2
07は変調信号発生器、Vx及びVaは直流電圧源であ
る。
【0096】図10に示されるように、表示パネル20
1は、外部端子Dx1ないしDxm、外部端子Dy1な
いしDyn及び高圧端子Hvを介して外部の電気回路と
接続されている。この内、外部端子Dx1ないしDxm
には前記表示パネル201内に設けられている表面伝導
型電子放出素子、即ちm行n列の行列状にマトリクス配
置された表面伝導型電子放出素子群を1行(n素子ず
つ)順次駆動して行くための走査信号が印加される。
【0097】一方、端子Dy1ないし外部端子Dynに
は、前記走査信号により選択された1行の各表面伝導型
電子放出素子の出力電子ビームを制御するための変調信
号が印加される。また、高圧端子Hvには、直流電圧源
Vaより、例えば10kVの直流電圧が供給される。こ
れは表面伝導型電子放出素子より出力される電子ビーム
に、蛍光体を励起するのに十分なエネルギーを付与する
ための加速電圧である。
【0098】走査回路202は、内部にm個のスイッチ
ング素子(図10中S1ないしSmで模式的に示す)を
備えるもので、各スイッチング素子S1〜Smは、直流
電圧電源Vxの出力電圧もしくは0V(グランドレベ
ル)のいずれか一方を選択して、表示パネル201の外
部端子Dx1ないしDxmと電気的に接続するものであ
る。各スイッチング素子S1〜Smは、制御回路203
が出力する制御信号Tscanに基づいて動作するもの
で、実際には、例えばFETのようなスイッチング機能
を有する素子を組み合わせることにより容易に構成する
ことが可能である。
【0099】本例における前記直流電圧源Vxは、前記
表面伝導型電子放出素子の特性(しきい値電圧)に基づ
き、走査されていない表面伝導型電子放出素子に印加さ
れる駆動電圧がしきい値電圧以下となるような一定電圧
を出力するよう設定されている。
【0100】制御回路203は、外部より入力される画
像信号に基づいて適切な表示が行われるように、各部の
動作を整合させる働きを持つものである。次に説明する
同期信号分離回路206より送られる同期信号Tsyn
cに基づいて、各部に対してTscan、Tsft及び
Tmryの各制御信号を発生する。
【0101】同期信号分離回路206は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と
輝度信号成分を分離するための回路で、よく知られてい
るように、周波数分離(フィルター)回路を用いれば、
容易に構成できるものである。同期信号分離回路206
により分離された同期信号は、これもよく知られるよう
に、垂直同期信号と水平同期信号よりなる。ここでは、
説明の便宜上Tsyncとして図示する。一方、前記テ
レビ信号から分離された画像の輝度信号成分を便宜上D
ATA信号と図示する。このDATA信号はシフトレジ
スタ204に入力される。
【0102】シフトレジスタ204は、時系列的にシリ
アル入力される前記DATA信号を、画像の1ライン毎
にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制御
回路203より送られる制御信号Tsftに基づいて作
動する。この制御信号Tsftは、シフトレジスタ20
4のシフトクロックであると言い換えてもよい。また、
シリアル/パラレル変換された画像1ライン分(表面伝
導型電子放出素子のn素子分の駆動データに相当する)
のデータは、Id1ないしIdnのn個の並列信号とし
て前記シフトレジスタ204より出力される。
【0103】ラインメモリ205は、画像1ライン分の
データを必要時間だけ記憶するための記憶装置であり、
制御回路203より送られる制御信号Tmryに従って
適宜Id1ないしIdnの内容を記憶する。記憶された
内容は、Id’1ないしId’nとして出力され、変調
信号発生器207に入力される。
【0104】変調信号発生器207は、前記画像データ
Id’1ないしId’nの各々に応じて、表面伝導型電
子放出素子の各々を適切に駆動変調するための信号源
で、その出力信号は、端子Doy1ないしDoynを通
じて表示パネル201内の表面伝導型電子放出素子に印
加される。
【0105】前述したように、表面伝導型電子放出素子
は電子放出に明確なしきい値電圧を有しており、しきい
値電圧を超える電圧が印加された場合にのみ電子放出が
生じる。また、しきい値電圧を超える電圧に対しては表
面伝導型電子放出素子への印加電圧の変化に応じて放出
電流も変化して行く。表面伝導型電子放出素子の材料、
構成、製造方法を変えることにより、しきい値電圧の値
や印加電圧に対する放出電流の変化度合いが変わる場合
もあるが、いずれにしても以下のことがいえる。
【0106】即ち、表面伝導型電子放出素子にパルス状
の電圧を印加する場合、例えばしきい値電圧以下の電圧
を印加しても電子放出は生じないが、しきい値電圧を超
える電圧を印加する場合には電子放出を生じる。その
際、第1には電圧パルスの波高値を変化させることによ
り、出力される電子ビームの強度を制御することが可能
である。第2には、電圧パルスの幅を変化させることに
より、出力される電子ビームの電荷の総量を制御するこ
とが可能である。
【0107】従って、入力信号に応じて表面伝導型電子
放出素子を変調する方式としては、電圧変調方式とパル
ス幅変調方式とが挙げられる。電圧変調方式を行う場
合、変調信号発生器207としては、一定の長さの電圧
パルスを発生するが、入力されるデータに応じて適宜パ
ルスの波高値を変調できる電圧変調方式の回路を用い
る。また、パルス幅変調方式を行う場合、変調信号発生
器207としては、一定の波高値の電圧パルスを発生す
るが、入力されるデータに応じて適宜パルス幅を変調で
きるパルス幅変調方式の回路を用いる。
【0108】シフトレジスタ204やラインメモリ20
5は、デジタル信号式のものでもアナログ信号式のもの
でもよく、画像信号のシリアル/パラレル変換や記憶が
所定の速度で行えるものであればよい。
【0109】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路206の出力信号DATAをデジタル信号化
する必要がある。これは同期信号分離回路206の出力
部にA/D変換器を設けることで行える。
【0110】また、これと関連して、ラインメモリ20
5の出力信号がデジタル信号かアナログ信号かにより、
変調信号発生器207に設けられる回路が若干異なるも
のとなる。
【0111】即ち、デジタル信号で電圧変調方式の場
合、変調信号発生器207には、例えばよく知られてい
るD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回路等を付
け加えればよい。また、デジタル信号でパルス幅変調方
式の場合、変調信号発生器207は、例えば高速の発振
器及び発振器の出力する波数を計数する計数器(カウン
タ)及び計数器の出力値と前記メモリの出力値を比較す
る比較器(コンパレータ)を組み合わせた回路を用いる
ことで容易に構成することができる。更に、必要に応じ
て、比較器の出力するパルス幅変調された変調信号を表
面伝導型電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するた
めの増幅器を付け加えてもよい。
【0112】一方、アナログ信号で電圧変調方式の場
合、変調信号発生器207には、例えばよく知られてい
るオペアンプ等を用いた増幅回路を用いればよく、必要
に応じてレベルシフト回路等を付け加えてもよい。ま
た、アナログ信号でパルス幅変調方式の場合、例えばよ
く知られている電圧制御型発振回路(VCO)を用いれ
ばよく、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動電
圧にまで電圧増幅するための増幅器を付け加えてもよ
い。
【0113】以上のような表示パネル201及び駆動回
路を有する本発明の画像形成装置は、端子Dx1〜Dx
m及びDy1〜Dynから電圧を印加することにより、
必要な表面伝導型電子放出素子から電子を放出させるこ
とができ、高圧端子Hvを通じて、メタルバック115
あるいは透明電極(不図示)に高電圧を印加して電子ビ
ームを加速し、加速した電子ビームを蛍光膜114に衝
突させることで生じる励起・発光によって、NTSC方
式のテレビ信号に応じてテレビジョン表示を行うことが
できるものである。
【0114】尚、以上説明した構成は、表示等に用いら
れる本発明の画像形成装置を得る上で必要な概略構成で
あり、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述の内容
に限られるものではなく、画像形成装置の用途に適する
よう、適宜選択されるものである。また、入力信号とし
てNTSC方式を挙げたが、本発明に係る画像形成装置
はこれに限られるものではなく、PAL、SECAM方
式等の他の方式でもよく、更にはこれらよりも多数の走
査線からなるTV信号、例えばMUSE方式を初めとす
る高品位TV方式でもよい。
【0115】次に、前述の梯型配置の電子源及びこれを
用いた本発明の画像形成装置の一例について図11及び
図12を用いて説明する。
【0116】図11において、1は基板、104は表面
伝導型電子放出素子、304は表面伝導型電子放出素子
104を接続する共通配線で10本設けられており、各
々外部端子D1〜D10を有している。
【0117】表面伝導型電子放出素子104は、基板1
上に並列に複数個配置されている。これを素子行と呼
ぶ。そしてこの素子行が複数行配置されて電子源を構成
している。
【0118】各素子行の共通配線304(例えば外部端
子D1とD2の共通配線304)間に適宜の駆動電圧を
印加することで、各素子行を独立に駆動することが可能
である。即ち、電子ビームを放出させたい素子行にはし
きい値電圧を超える電圧を印加し、電子ビームを放出さ
せたくない素子行にはしきい値電圧以下の電圧を印加す
るようにすればよい。このような駆動電圧の印加は、各
素子行間に位置する共通配線D2〜D9について、夫々
相隣接する共通配線304、即ち夫々相隣接する外部端
子D2とD3,D4とD5,D6とD7,D8とD9の
共通配線304を一体の同一配線としても行うことがで
きる。
【0119】図12は、本発明の電子源の他の例であ
る、上記梯型配置の電子源を備えた表示パネル301の
構造を示す図である。
【0120】図12中302はグリッド電極、303は
電子が通過するための開口、D1〜Dmは各表面伝導型
電子放出素子に電圧を印加するための外部端子、G1〜
Gnはグリッド電極302に接続された外部端子であ
る。また、各素子行間の共通配線304は一体の同一配
線として基板1上に形成されている。
【0121】尚、図12において図と同じ符号は同じ
部材を示すものであり、図に示される単純マトリクス
配置の電子源を用いた表示パネル201との大きな違い
は、基板1とフェースプレート116の間にグリッド電
極302を備えている点である。
【0122】基板1とフェースプレート116の間に
は、上記のようにグリッド電極302が設けられてい
る。このグリッド電極302は、表面伝導型電子放出素
子104から放出された電子ビームを変調することがで
きるもので、梯型配置の素子行と直行して設けられたス
トライプ状の電極に、電子ビームを通過させるために、
各表面伝導型電子放出素子104に対応して1個ずつ円
形の開口303を設けたものとなっている。
【0123】グリッド電極302の形状や配置位置は、
必ずしも図12に示すようなものでなければならないも
のではなく、開口303をメッシュ状に多数設けること
もあり、またグリッド電極302を、例えば表面伝導型
電子放出素子104の周囲や近傍に設けてもよい。
【0124】外部端子D1〜Dm及びG1〜Gnは不図
示の駆動回路に接続されている。そして、素子行を1列
ずつ順次駆動(走査)して行くのと同期してグリッド電
極302の列に画像1ライン分の変調信号を印加するこ
とにより、各電子ビームの蛍光膜114への照射を制御
し、画像を1ラインずつ表示することができる。
【0125】以上のように、本発明の画像形成装置は、
単純マトリクス配置及び梯型配置のいずれの本発明の電
子源を用いても得ることができ、上述したテレビジョン
放送の表示装置のみならず、テレビ会議システム、コン
ピューター等の表示装置として好適な画像形成装置が得
られる。更には、感光ドラムとで構成した光プリンター
の露光装置としても用いることができるものである。
【0126】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳述す
る。
【0127】実施例1 本実施例の表面伝導型電子放出素子として、図1
(a),(b)に示すタイプの表面伝導型電子放出素子
を作成した。図1において1は基板、4と5は素子電
極、2は電子放出部、3は電子放出部2を含む導電性薄
膜、Lは素子電極間隔、Wは素子電極幅、dは素子電極
厚である。
【0128】以下、作成手順を図1及び図に基づいて
説明する。
【0129】誘電体基板1として厚さ1.1ミリメート
ルの石英の基板1を用い、これを有機溶剤により十分に
洗浄後、この基板1面上にPtからなる素子電極4,5
を形成した(図(a))。この時、素子電極間隔Lは
3ミクロンメートル、素子電極幅Wは500ミクロンメ
ートル、素子電極厚dは1000オングストロームとし
た。
【0130】次いで、有機金属化合物として、0.1モ
ル(22.49g)の酢酸パラジウムと、0.2モル
(20.24g)のジn−プロピルアミンとの混合物を
スピナー塗布(800rpm、30秒)した後、クリ
ーンオーブンで300℃、12分の焼成を行い、導電性
薄膜3であるPdO膜を形成した。(図(b))。本
実施例では、塗布/焼成を2回繰り返すことにより、2
〜5×10の4乗オーム/□の膜抵抗を得た。
【0131】ターボポンプとロータリーポンプで〜10
の−6乗torrまで排気した真空容器内においてフォ
ーミングを行い、電子放出部2を形成した。
【0132】ここで、本実施例におけるフォーミングに
ついて図13で説明する。
【0133】図13において、401は電源、402,
403は容量成分、404は切り換えスイッチ、405
は真空蒸着法で形成されたAu薄膜の導伝体である。
【0134】まず、図13(a)から(b)に示される
ように、切り換えスイッチ404を閉じて、電源401
を一方の素子電極5に接続する。導伝体405と素子電
極4,5及び導電性薄膜3との間には誘電体の基板1が
介在して電気的に絶縁されているため、素子電極4,5
の表面には正の電位が形成され、容量成分402,40
3に電荷が蓄積される。蓄積される電荷量は用いる電源
401の電圧とこの電源401との接続時間、用いる基
板1の誘電率、素子電極4,5及び導電性薄膜3の面積
に依存するが、本実施例では450Vの電源401へ1
0マイクロ秒接続することで充電を行った。
【0135】次に、図13(c)に示すように、切り換
えスイッチ404を切り換えて、素子電極4と導伝体4
05を接続した。これにより、素子電極4に蓄積されて
いた電荷はそのまま短絡によって放電されるが、素子電
極5に蓄積された電荷は導電性薄膜3を通じて放電さ
れ、導電性薄膜3にジュール熱が生じてフォーミングが
行われ、電子放出部2が形成された。
【0136】素子電極4,5間の放電電圧の時間変化は
図4に示されるようなもので、充電の初期電圧V1は4
50V、放電の時定数T1は0.2マイクロ秒であっ
た。
【0137】本実施例におけるフォーミングは1回の作
業で終了し、従来に比して極めて短時間でフォーミング
が終了した。
【0138】このフォーミングが終了した後に、基板1
裏面のAu薄膜である導電体405をヨウ素/ヨウ化カ
リウムのエッチング液で除去し、浮遊容量の影響を取り
除いた。
【0139】上記のようにして得た表面伝導型電子放出
素子の電子放出特性を、既に説明した図5に示されるよ
うな測定評価系で測定した。測定は、アノード電極54
と表面伝導型電子放出素子間の距離Lを4mm、アノー
ド電極54の電位を1kV、電子放出特性測定時の真空
装置55内の真空度を1×10の−6乗torrとして
行った。
【0140】その結果、図6に示したような電流−電圧
特性が得られた。本表面伝導型電子放出素子の平均的な
特性は、素子電圧Vf=8V程度から急激に放出電流I
eが増加し、素子電圧Vf=16Vでは素子電流Ifが
2.2mA、放出電流Ieが1.1マイクロAとなり、
電子放出効率η=Ie/If(%)は0.05%であ
り、フォーミング電圧によらずほぼ均一な表面伝導型電
子放出素子が得られた。
【0141】実施例2 本発明の第2の実施例を図14で説明する。
【0142】誘電体の基板1として石英の基板1を用
い、これを有機溶剤により十分洗浄後、Ptからなる厚
さ1000オングストロームの薄膜を導伝体505とし
て形成し、その上にSi34 からなる誘電体506を
1ミクロンメートルの厚さで形成した。続いて、更にそ
の上にPtからなる素子電極4,5を形成し、以後、実
施例1と同様に導電性薄膜3を形成した。
【0143】尚、図14において、401は電源、40
2,403は容量成分、404は切り換えスイッチであ
る。
【0144】まず、図14(a)から(b)に示される
ように、切り換えスイッチ404を閉じて電源401を
一方の素子電極4と接続する。導伝体405と素子電極
4,5及び導電性薄膜3との間には誘電体層506が介
在して電気的に絶縁されているため、素子電極4,5の
表面には正の電位が形成され、容量成分402,403
に電荷が蓄積される。蓄積される電荷量は用いる電源4
01の電圧とこの電源401との接続時間、用いる基板
1の誘電率、素子電極4,5及び導電性薄膜3の面積に
依存するが、本実施例では15Vの電源401へ10マ
イクロ秒接続することで充電を行った。
【0145】次に、図14(c)に示すように、切り換
えスイッチ404を切り換えて、素子電極4と導伝体4
05を接続した。これにより、素子電極4に蓄積されて
いた電荷はそのまま短絡によって放電されるが、素子電
極5に蓄積された電荷は導電性薄膜3を通じて放電さ
れ、導電性薄膜3にジュール熱が生じてフォーミングが
行われ、電子放出部2が形成された。
【0146】本実施例のように、電荷を蓄積するための
誘電体層506を薄く形成することで、電荷蓄積容量が
増大し、必要とする初期電位を低減することが可能とな
った。
【0147】実施例3 本発明の第3の実施例を図15で説明する。
【0148】誘電体の基板1として石英の基板1を用
い、実施例1と同様な手法を用いて、基板1上にPtか
らなる素子電極4,5を形成し、更に導電性薄膜3を形
成した。この素子の5ミリメートル上方に、ガラス基板
608と蛍光体607と導伝体605からなるフェース
プレートを設置し、基板1とガラス基板608間を真空
領域606とした。
【0149】尚、図15において、401は電源、40
2,403は容量成分、404は切り換えスイッチであ
る。
【0150】まず、図15(a)に示されるように、切
り換えスイッチ404を閉じて電源401を一方の素子
電極4と接続する。導伝体405と素子電極4,5及び
導電性薄膜3との間には誘電率が1の真空領域606が
介在して電気的に絶縁されているため、素子電極4,5
の表面には正の電位が形成され、容量成分402,40
3に電荷が蓄積される。蓄積される電荷量は用いる電源
401の電圧とこの電源401との接続時間、用いる基
板1の誘電率、素子電極4,5及び導電性薄膜3の面積
に依存するが、本実施例では1500Vの電源401へ
10マイクロ秒接続することで充電を行った。
【0151】次に、図15(c)に示すように、切り換
えスイッチ404を切り換えて、素子電極4と導伝体4
05を接続した。これにより、素子電極4に蓄積されて
いた電荷はそのまま短絡によって放電されるが、素子電
極5に蓄積された電荷は導電性薄膜3を通じて放電さ
れ、導電性薄膜3にジュール熱が生じてフォーミングが
行われ、電子放出部2が形成された。
【0152】本実施例のように真空領域606を誘電体
として用い、しかもフェースプレートの構成部材として
も用いられる導伝体405をも利用して電荷蓄積体を構
成することで、特別な電極として導伝体405を設ける
ことなく、パネル構造のままフォーミングを行うことが
可能となった。
【0153】実施例4 図16は、本発明の表面伝導型電子放出素子を複数個備
えた本発明の電子源を用いたディスプレイパネルに、例
えばテレビジョン放送を初めとする種々の画像情報源よ
り提供される画像情報を表示できるように構成した本発
明の画像形成装置の一例を示す図である。
【0154】図中16100はディスプレイパネル、1
6101はディスプレイパネルの駆動回路、16102
はディスプレイコントローラ、16103はマルチプレ
クサ、16104はデコーダ、16105は入出力イン
ターフェース回路、16106はCPU、16107は
画像生成回路、16108及び16109及び1611
0は画像メモリーインターフェース回路、16111は
画像入力インターフェース回路、16112及び161
13はTV信号受信回路、16114は入力部である。
【0155】尚、本画像形成装置は、例えばテレビジョ
ン信号のように、映像情報と音声情報の両方を含む信号
を受信する場合には当然映像の表示と同時に音声を再生
するものであるが、本発明の特徴と直接関係しない音声
情報の受信、分離、再生、処理、記憶等に関する回路や
スピーカー等については説明を省略する。
【0156】以下、画像信号の流れに沿って各部の機能
を説明する。
【0157】まず、TV信号受信回路16113は、例
えば電波や空間光通信等のような無線伝送系を用いて伝
送されるTV信号を受信するための回路である。
【0158】受信するTV信号の方式は特に限られるも
のではなく、例えばNTSC方式、PAL方式、SEC
AM方式等、いずれの方式でもよい。また、これらより
更に多数の走査線よりなるTV信号、例えばMUSE方
式を初めとする所謂高品位TVは、大面積化や大画素数
化に適した前記ディスプレイパネルの利点を生かすのに
好適な信号源である。
【0159】TV信号受信回路16113で受信された
TV信号は、デコーダ16104に出力される。
【0160】TV信号受信回路16112は、例えば同
軸ケーブルや光ファイバー等のような有線伝送系を用い
て伝送されるTV信号を受信するための回路である。前
記TV信号受信回路16113と同様に、受信するTV
信号の方式は特に限られるものではなく、また本回路で
受信されたTV信号もデコーダ16104に出力され
る。
【0161】画像入力インターフェース回路16111
は、例えばTVカメラや画像読み取りスキャナーなどの
画像入力装置から供給される画像信号を取り込むための
回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ16104に
出力される。
【0162】画像メモリーインターフェース回路161
10は、ビデオテープレコーダー(以下VTRと略す)
に記憶されている画像信号を取り込むための回路で、取
り込まれた画像信号はデコーダ16104に出力され
る。
【0163】画像メモリーインターフェース回路161
09は、ビデオディスクに記憶されている画像信号を取
り込むための回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ
16104に出力される。
【0164】画像メモリーインターフェース回路161
08は、静止画ディスクのように、静止画像データを記
憶している装置から画像信号を取り込むための回路で、
取り込まれた静止画像データはデコーダ16104に入
力される。
【0165】入出力インターフェース回路16105
は、本画像形成装置と、外部のコンピュータもしくはコ
ンピュータネットワークもしくはプリンターなどの出力
装置とを接続するための回路である。画像データや文字
・図形情報の入出力を行うのは勿論のこと、場合によっ
ては本画像形成装置の備えるCPU16106と外部と
の間で制御信号や数値データの入出力などを行うことも
可能である。
【0166】画像生成回路16107は、前記入出力イ
ンターフェース回路16105を介して外部から入力さ
れる画像データや文字・図形情報や、あるいはCPU1
6106より出力される画像データや文字・図形情報に
基づき、表示用画像データを生成するための回路であ
る。本回路の内部には、例えば画像データや文字・図形
情報を蓄積するための書き換え可能メモリーや、文字コ
ードに対応する画像パターンが記憶されている読み出し
専用メモリーや、画像処理を行うためのプロセッサー等
を初めとして、画像の生成に必要な回路が組み込まれて
いる。
【0167】本回路により生成された表示用画像データ
は、デコーダ16104に出力されるが、場合によって
は前記入出力インターフェース回路16105を介して
外部のコンピュータネットワークやプリンターに出力す
ることも可能である。
【0168】CPU16106は、主として本画像形成
装置の動作制御や、表示画像の生成や選択や編集に関わ
る作業を行う。
【0169】例えば、マルチプレクサ16103に制御
信号を出力し、ディスプレイパネルに表示する画像信号
を適宜選択したり組み合わせたりする。その際には表示
する画像信号に応じてディスプレイパネルコントローラ
16102に対して制御信号を発生し、画面表示周波数
や走査方法(例えばインターレースかノンインターレー
スか)や一画面の走査線の数など画像形成装置の動作を
適宜制御する。また、前記画像生成回路16107に対
して画像データや文字・図形情報を直接出力したり、あ
るいは前記入出力インターフェース回路16105を介
して外部のコンピュータやメモリーをアクセスして画像
データや文字・図形情報を入力する。
【0170】尚、CPU16106は、これ以外の目的
の作業にも関わるものであってよい。例えば、パーソナ
ルコンピュータやワードプロセッサ等のように、情報を
生成したり処理する機能に直接関わってもよい。あるい
は前述したように、入出力インターフェース回路161
05を介して外部のコンピュータネットワークと接続
し、例えば数値計算等の作業を外部機器と協同して行っ
てもよい。
【0171】入力部16114は、前記CPU1610
6に使用者が命令やプログラム、あるいはデータなどを
入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス
の他、ジョイスティック、バーコードリーダー、音声認
識装置等の多様な入力機器を用いることが可能である。
【0172】デコーダ16104は、前記16107な
いし16113より入力される種々の画像信号を3原色
信号、又は輝度信号とI信号、Q信号に逆変換するため
の回路である。尚、図中に点線で示すように、デコーダ
16104は内部に画像メモリーを備えるのが望まし
い。これは、例えばMUSE方式を初めとして、逆変換
するに際して画像メモリーを必要とするようなテレビ信
号を扱うためである。
【0173】画像メモリーを備える事により、静止画の
表示が容易になる。あるいは前記画像生成回路1610
7及びCPU16106と協同して、画像の間引き、補
間、拡大、縮小、合成を初めとする画像処理や編集が容
易になるという利点が得られる。
【0174】マルチプレクサ16103は、前記CPU
16106より入力される制御信号に基づき、表示画像
を適宜選択するものである。即ち、マルチプレクサ16
103はデコーダ16104から入力される逆変換され
た画像信号の内から所望の画像信号を選択して駆動回路
16101に出力する。その場合には、一画面表示時間
内で画像信号を切り換えて選択することにより、所謂多
画面テレビのように、一画面を複数の領域に分けて領域
によって異なる画像を表示することも可能である。
【0175】ディスプレイパネルコントローラ1610
2は、前記CPU16106より入力される制御信号に
基づき、駆動回路16101の動作を制御するための回
路である。
【0176】ディスプレイパネルの基本的な動作に関わ
るものとして、例えばディスプレイパネルの駆動用電源
(図示せず)の動作シーケンスを制御するための信号を
駆動回路16101に対して出力する。ディスプレイパ
ネルの駆動方法に関わるものとして、例えば画面表示周
波数や走査方法(例えばインターレースかノンインター
レースか)を制御するための信号を駆動回路16101
に対して出力する。また、場合によっては、表示画像の
輝度やコントラストや色調やシャープネスといった画質
の調整に関わる制御信号を駆動回路16101に対して
出力する場合もある。
【0177】駆動回路16101は、ディスプレイパネ
ル16100に印加する駆動信号を発生するための回路
であり、前記マルチプレクサ16103から入力される
画像信号と、前記ディスプレイパネルコントローラ16
102より入力される制御信号に基づいて動作するもの
である。
【0178】以上、各部の機能を説明したが、図16に
例示した構成により、本画像形成装置においては多様な
画像情報源より入力される画像情報をディスプレイパネ
ル16100に表示することが可能である。即ち、テレ
ビジョン放送を初めとする各種の画像信号は、デコーダ
16104におて逆変換された後、マルチプレクサ16
103において適宜選択され、駆動回路16101に入
力される。一方、デイスプレイコントローラ16102
は、表示する画像信号に応じて駆動回路16101の動
作を制御するための制御信号を発生する。駆動回路16
101は、上記画像信号と制御信号に基づいてディスプ
レイパネル16100に駆動信号を印加する。これによ
り、ディスプレイパネル16100において画像が表示
される。これらの一連の動作は、CPU16106によ
り統括的に制御される。
【0179】本画像形成装置においては、前記デコーダ
16104に内蔵する画像メモリや、画像生成回路16
107及び情報の中から選択したものを表示するだけで
なく、表示する画像情報に対して、例えば拡大、縮小、
回転、移動、エッジ強調、間引き、補間、色変換、画像
の縦横比変換等を初めとする画像処理や、合成、消去、
接続、入れ換え、嵌め込み等を初めとする画像編集を行
うことも可能である。また、本実施例の説明では特に触
れなかったが、上記画像処理や画像編集と同様に、音声
情報に関しても処理や編集を行なうための専用回路を設
けてもよい。
【0180】従って、本画像形成装置は、テレビジョン
放送の表示機器、テレビ会議の端末機器、静止画像及び
動画像を扱う画像編集機器、コンピュータの端末機器、
ワードプロセッサを初めとする事務用端末機器、ゲーム
機などの機能を一台で兼ね備えることが可能で、産業用
あるいは民生用として極めて応用範囲が広い。
【0181】尚、図16は、表面伝導型電子放出素子を
電子ビーム源とする表示パネルを用いた画像形成装置と
する場合の構成の一例を示したに過ぎず、本発明の画像
形成装置がこれのみに限定されるものでないことは言う
までもない。
【0182】例えば図16の構成要素の内、使用目的上
必要のない機能に関わる回路は省いても差し支えない。
また、これとは逆に、使用目的によっては更に構成要素
を追加してもよい。例えば、本画像形成装置をテレビ電
話機として応用する場合には、テレビカメラ、音声マイ
ク、照明機、モデムを含む送受信回路等を構成要素に追
加するのが好適である。
【0183】本画像形成装置においては、とりわけ表面
伝導型電子放出素子を電子源としているので、表示パネ
ルの薄形化が容易であり、画像形成装置の奥行きを小さ
くすることができる。それに加えて、表面伝導型電子放
出素子を電子ビーム源とする表示パネルは大画面化が容
易で輝度が高く視野角特性にも優れるため、画像形成装
置は臨場感にあふれ、迫力に富んだ画像を視認性良く表
示することが可能である。
【0184】
【発明の効果】本発明は、以上説明した通りのものであ
り、次の効果を奏するものである。
【0185】(1)蓄積電荷の放電によってフォーミン
グを行うので、放電時間に対応する極めて短時間でフォ
ーミングを行うことができる。特に大面積ディスプレー
化に伴うフォーミング時間の増大を軽減することができ
る。
【0186】(2)蓄積電荷の放電時には極めて大きな
電流が生じるが、極めて短時間で放電が終了するので、
配線の発熱を極めて小さく押えることができ、配線の発
熱による損傷を防止できる。
【0187】(3)1ラインに複数の表面伝導型電子放
出素子が並列に接続されている場合、通電にてラインの
一端に電位を供給してフォーミングを行う場合には、フ
ォーミング電流が流れると、配線抵抗成分により、電位
供給点から離れるに従って電位が低下する。しかしなが
ら、本発明によれば、ライン内の各素子の両素子電極が
導電性薄膜を介して同電位となる状態で各素子電極に
荷を蓄積することで、ライン内を一定の電位に保つこと
ができる。そして、この後、各表面伝導型電子放出素子
を接地して放電を行うと、表面伝導型電子放出素子の電
位は通電によるフォーミングを行うときの電位よりも大
きな電位であるため、配線抵抗による電位低下量の割合
は最初に形成された電位に対して小さくすることが可能
である。従って、ライン内での各表面伝導型電子放出素
子の放電エネルギーのばらつきが少なく、ライン内で均
一なフォーミングが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面伝導型電子放出素子の一例である
平面型表面伝導型電子放出素子を示す概略的構成図であ
る。
【図2】本発明の表面伝導型電子放出素子の他の例であ
る垂直型表面伝導型電子放出素子を示す概略的構成図で
ある。
【図3】本発明の表面伝導型電子放出素子の製造手順の
説明図である。
【図4】本発明の蓄積電荷の放電によるフォーミング時
の電圧波形を示す図である。
【図5】電子放出特性を測定評価するための測定評価系
の一例を示す概略的構成図である。
【図6】1×10の−6乗Torr程度の真空度におけ
る典型的なI−V特性を示す図である。
【図7】単純マトリクス配置の本発明の電子源の概略的
構成図である。
【図8】単純マトリクス配置の電子源を用いた本発明の
画像形成装置に用いる表示パネルの概略的構成図である
【図9】図8の表示パネルにおける蛍光膜を示す図であ
る。
【図10】図8の表示パネルを駆動する駆動回路の一例
を示す図である。
【図11】梯型配置の本発明の電子源の概略的平面図で
ある。
【図12】梯型配置の電子源を用いた本発明の画像形成
装置に用いる表示パネルの概略的構成図である。
【図13】実施例1の説明図である。
【図14】実施例2の説明図である。
【図15】実施例3の説明図である。
【図16】実施例4の画像形成装置を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
1 基体 2 電子放出部 3 薄膜 4,5 素子電極 21 段差形成部材 50 素子電流Ifを測定するための電流計 51 電源 52 放出電流Ieを測定するための電流計 53 高圧電源 54 アノード電極 55 真空装置 56 排気ポンプ 102 X方向配線(下配線) 103 Y方向配線(上配線) 104 表面伝導型電子放出素子 105 結線 111 リアプレート 112 支持枠 113 ガラス基板 114 蛍光膜 115 メタルバック 116 フェースプレート 118 外囲器 121 黒色導伝材 122 蛍光体 201 表示パネル 202 走査回路 203 制御回路 204 シフトレジスタ 205 ラインメモリ 206 同期信号分離回路 207 変調信号発生器 301 表示パネル 302 グリッド電極 303 開口 304 共通配線 401 電源 402,403 容量成分 404 切り換えスイッチ 506 誘電体層 502,503 容量成分 605 導伝体 606 真空領域 607 蛍光体 608 ガラス基板 16100 ディスプレイパネル 16101 駆動回路 16102 ディスプレイコントローラ 16103 マルチプレクサ 16104 デコーダ 16105 入出力インターフェース回路 16106 CPU 16107 画像生成回路 16108 画像メモリーインターフェース回路 16109 画像メモリーインターフェース回路 16110 画像メモリーインターフェース回路 16111 画像入力インターフェース回路 16112 TV信号受信回路 16113 TV信号受信回路 16114 入力部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山野辺 正人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−28139(JP,A) 特開 平7−176265(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 1/30,9/02

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に一対の素子電極を形成すると共
    に、素子電極間を連絡する導電性薄膜を形成する工程
    と、 一対の電極間に誘電体を挟んで構成される電荷蓄積体の
    一方の電極として該素子電極を用い、該電荷蓄積体の放
    電によって導電性薄膜に電子放出部を形成するフォーミ
    ング工程とを有することを特徴とする表面伝導型電子放
    出素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 表面側に素子電極が形成される誘電体基
    板の裏面側に、電荷蓄積体の他方の電極となる導電体を
    設ける工程を有することを特徴とする請求項1の表面伝
    導型電子放出素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 素子電極の形成に先立って、基板上に
    荷蓄積体の他方の電極となる導電体と誘電体を順次設
    け、その上に素子電極を形成することを特徴とする請求
    項1の表面伝導型電子放出素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 素子電極上の真空領域を誘電体として用
    いることを特徴とする請求項1の表面伝導型電子放出素
    子の製造方法。
  5. 【請求項5】 フォーミング工程において、表面伝導型
    電子放出素子の両方の素子電極が導電性薄膜を介して同
    電位となる状態で両素子電極に電荷を与えた後、一方の
    素子電極を接地することを特徴とする請求項1ないし4
    いずれかの表面伝導型電子放出素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 フォーミング工程の後に、フォーミング
    工程より高い真空度下で表面伝導型電子放出素子に電圧
    を印加する安定化工程を有することを特徴とする請求項
    1ないし5いずれかの表面伝導型電子放出素子の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 フォーミング工程の後に、有機物質の存
    在下で表面伝導型電子放出素子に電圧を印加する活性化
    工程を有することを特徴とする請求項1ないし5いずれ
    かの表面伝導型電子放出素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 活性化工程の後に、フォーミング工程及
    び活性化工程より高い真空度下で表面伝導型電子放出素
    子に電圧を印加する安定化工程を有することを特徴とす
    る請求項7の表面伝導型電子放出素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 素子電極同一平面上に形成して平面型
    とすることを特徴とする請求項1ないし8いずれかの表
    面伝導型電子放出素子の製造方法
  10. 【請求項10】 一方の素子電極に隣接して設けた絶縁
    層上に他方の素子電極を位置させ、該絶縁層の側面に
    子電極間を連絡する導電性薄膜を形成して垂直型とする
    ことを特徴とする請求項1ないし8いずれかの表面伝導
    型電子放出素子の製造方法
  11. 【請求項11】 複数の表面伝導型電子放出素子を備え
    た電子源の製法において、 基板上に複数対の素子電極を形成すると共に、各対の素
    子電極間を連絡する導電性薄膜を形成する工程と、 一対の電極間に誘電体を挟んで構成される電荷蓄積体の
    一方の電極として該素子電極を用い、該電荷蓄積体の放
    電によって各導電性薄膜に電子放出部を形成するフォー
    ミング工程とを有することを特徴とする電子源の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 表面側に素子電極が形成される誘電体
    基板の裏面側に、電荷蓄積体の他方の電極となる導電体
    を設ける工程を有することを特徴とする請求項11の電
    子源の製造方法。
  13. 【請求項13】 素子電極の形成に先立って、基板上に
    電荷蓄積体の他方の電極となる導電体と誘電体を順次設
    け、その上に素子電極を形成することを特徴とする請求
    11の電子源の製造方法。
  14. 【請求項14】 素子電極上の真空領域を誘電体として
    用いることを特徴とする請求項11の電子源の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 フォーミング工程において、選択され
    複数の表面伝導型電子放出素子の両方の素子電極が各
    導電性薄膜を介して同電位となる状態で両素子電極に電
    荷を与えた後、各表面伝導型電子放出素子の一方の素子
    電極を接地することを特徴とする請求項11ないし14
    いずれかの電子源の製造方法。
  16. 【請求項16】 フォーミング工程の後に、フォーミン
    グ工程より高い真空度下で表面伝導型電子放出素子に電
    圧を印加する安定化工程を有することを特徴とする請求
    11ないし15いずれかの電子源の製造方法。
  17. 【請求項17】 フォーミング工程の後に、有機物質の
    存在下で各表面伝導型電子放出素子に電圧を印加する活
    性化工程を有することを特徴とする請求項11ないし
    いずれかの電子源の製造方法。
  18. 【請求項18】 活性化工程の後に、フォーミング工程
    及び活性化工程より高い真空度下で各表面伝導型電子放
    出素子に電圧を印加する安定化工程を有することを特徴
    とする請求項17の電子源の製造方法。
  19. 【請求項19】 表面伝導型電子放出素子素子電極
    同一面上に形成し、各表面伝導型電子放出素子を平面
    とすることを特徴とする請求項11ないし18いずれ
    の電子源の製造方法
  20. 【請求項20】 表面伝導型電子放出素子の一方の素
    子電極に隣接して設けられた絶縁層上に他方の素子電極
    を位置させ、該絶縁層の側面に素子電極間を連絡する
    電性薄膜を形成し、各表面伝導型電子放出素子を垂直型
    とすることを特徴とする請求項11ないし18いずれか
    の電子源の製造方法
  21. 【請求項21】 複数の表面伝導型電子放出素子を配列
    した素子列を少なくとも1列以上形成し、各表面伝導型
    電子放出素子を駆動するための配線マトリクス配置
    ことを特徴とする請求項11ないし20いずれかの電
    子源の製造方法
  22. 【請求項22】 複数の表面伝導型電子放出素子を配列
    した素子列を少なくとも1列以上形成し、各表面伝導型
    電子放出素子を駆動するための配線はしご状配置する
    ことを特徴とする請求項11ないし20いずれかの電子
    の製造方法
  23. 【請求項23】 請求項21の製造方法で製造した電子
    源と、該電子源からの電子線の照射により画像を形成す
    る画像形成部材とを組み合わせることを特徴とする画像
    形成装置の製造方法。
  24. 【請求項24】 請求項22の製造方法で製造した電子
    源と、該電子源から放出される電子線を情報信号に応じ
    て変調する変調手段と、該電子源からの電子線の照射に
    より画像を形成する画像形成部材とを組み合わせること
    を特徴とする画像形成装置の製造方法。
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