JP2958822B2 - 非還元性誘電体磁器組成物 - Google Patents
非還元性誘電体磁器組成物Info
- Publication number
- JP2958822B2 JP2958822B2 JP3224739A JP22473991A JP2958822B2 JP 2958822 B2 JP2958822 B2 JP 2958822B2 JP 3224739 A JP3224739 A JP 3224739A JP 22473991 A JP22473991 A JP 22473991A JP 2958822 B2 JP2958822 B2 JP 2958822B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mol
- dielectric
- batio
- composition
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
Description
成物に関し、特にたとえば、ニッケルなどの卑金属を内
部電極材料とする積層コンデンサなどの誘電体材料とし
て用いられる、非還元性誘電体磁器組成物に関する。
元性の低酸素分圧下で焼成すると、還元され、半導体化
を起こすという性質を有していた。そのため、内部電極
材料としては、誘電体磁器材料の焼結する温度で溶融せ
ず、かつ誘電体磁器材料を半導体化させない高い酸素分
圧下で焼成しても酸化されない、たとえばPd,Ptな
どの貴金属を用いなければならなかった。これは、製造
される積層コンデンサの低コスト化の大きな妨げとなっ
ていた。
たとえばNiなどの卑金属を内部電極の材料として使用
することが望まれていた。しかし、このような卑金属を
内部電極の材料として使用して、従来の条件で焼成する
と、電極材料が酸化してしまい、電極としての機能を果
たさない。そのため、このような卑金属を内部電極の材
料として使用するためには、酸素分圧の低い中性または
還元性の雰囲気において焼成しても半導体化せず、コン
デンサ用の誘電体材料として、十分な比抵抗と優れた誘
電特性とを有する誘電体磁器材料が必要とされていた。
これらの条件をみたす誘電体磁器材料として、たとえば
特開昭62−256422号のBaTiO3 −CaZr
O3 −MnO−MgO系の組成や、特公昭61−146
11号のBaTiO3 −(Mg,Zn,Sr,Ca)O
−B2 O3 −SiO2 系の組成が提案されてきた。
62−256422号に開示されている非還元性誘電体
磁器組成物では、CaZrO3 や焼成過程で生成するC
aTiO3 が、Mnなどとともに二次相を生成しやすい
ため、高温における信頼性の低下につながる危険性があ
った。
れている組成物は、得られる誘電体の誘電率が2000
〜2800であり、Pdなどの貴金属を使用している従
来からの磁器組成物の誘電率である3000〜3500
と比較すると劣っていた。したがって、この組成物をコ
ストダウンのために、そのまま従来の材料と置き換える
のは、コンデンサの小型大容量化という点で不利であ
り、問題が残されていた。
(TCC)は、20℃の容量値を基準として、−25℃
から+85℃の温度範囲では±10%であるが、+85
℃を超える高温では、10%を大きく超えてしまい、E
IAに規定されているX7R特性をも大きくはずれてし
まうという欠点があった。
誘電体磁器組成物では、室温での絶縁抵抗値は高いもの
の、高温下において著しく抵抗値が低下する傾向があっ
た。そのため、これらの組成物は、高温の信頼性に劣る
という欠点を有していた。
酸素分圧下であっても、組織が半導体化せず焼成可能で
あり、かつ誘電率が3000以上、室温での絶縁抵抗が
logIRで11.0以上、125℃での絶縁抵抗がl
ogIRで10.0以上であり、さらに誘電率の温度特
性が、25℃の容量値を基準として、−55℃〜125
℃の広い範囲にわたって±15%の範囲内にあることを
満足する、非還元性誘電体磁器組成物を提供することで
ある。
て含まれるアルカリ金属酸化物の含有量が0.04重量
%以下のBaTiO3 と、Tb2 O3 ,Dy2 O3 ,H
o2 O3 ,Er2 O3 の中から選ばれる少なくとも1種
類の希土類酸化物(Re2 O3 )と、Co2 O3 との配
合比が、BaTiO3 92.0〜99.4モル%と、
Re2 O3 0.3〜4.0モル%と、Co2 O3
0.3〜4.0モル%との範囲内にある主成分100モ
ル%に対し、副成分として、BaO 0.2〜4.0モ
ル%と、MnO 0.2〜2.0モル%と、MgO
0.5〜5.0モル%と、NiO,Al2 O3 のうち少
なくとも一種 0.3〜3.0モル%とを含有する、非
還元性誘電体磁器組成物である。
成物は、中性または還元性の雰囲気において1300〜
1360℃の温度で焼成しても、組織が還元されて半導
体化することがない。さらに、この非還元性誘電体磁器
組成物は、logIRで11.0以上の高い室温での絶
縁抵抗値を示すとともに、高温においても絶縁抵抗値の
落ち込みが少なく、3000以上の高誘電率を示し、容
量温度変化率もEIAに規定されているX7R特性を満
足する。
電体磁器組成物を積層セラミックコンデンサの誘電体材
料として用いれば、内部電極材料としてNiなどで代表
される卑金属材料を用いることができる。そのため、従
来のPdなどの貴金属を用いたものに比べて、特性を落
とすことなく、大幅なコストダウンを行うことが可能と
なる。
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
カリ金属酸化物の含有量が異なるBaTiO3 ,希土類
酸化物,Co2 O3 ,MnO,NiO,Al2 O3 ,M
gOを準備した。これらの原料を表1に示す組成割合と
なるように秤量して、秤量物を得た。なお、試料番号1
〜29については、アルカリ金属酸化物の含有量が0.
03重量%のBaTiO3 を使用し、試料番号30につ
いては、アルカリ金属酸化物の含有量が0.05重量%
のBaTiO3 を使用し、試料番号31については、ア
ルカリ金属酸化物の含有量が0.07重量%のBaTi
O3 を使用した。
5重量%添加した後、PSZボールを用いたボールミル
で十分に湿式混合した。次に、この混合物中の分散媒を
蒸発、乾燥した後、整粒の工程を経て粉末を得た。得ら
れた粉末を2ton/cm2 の圧力で、直径10mm、
厚さ1mmの円板状にプレス成形して、成形体を得た。
を、空気中において400℃で3時間保持の条件で脱バ
インダを行った後、H2 /N2 の体積比率が3/100
の還元雰囲気ガス気流中において、表2に示す温度で2
時間焼成し、磁器を得た。
して、焼き付けることにより、銀電極を形成してコンデ
ンサとした。そして、このコンデンサの室温における誘
電率ε,誘電損失tanδ,絶縁抵抗値(logIR)
および容量の温度変化率(TCC)を測定した。その結
果を表2に示す。
ては、温度25℃、周波数1kHz、交流電圧1Vの条
件で測定した。また、絶縁抵抗値については、温度25
℃および125℃において直流電圧500Vを2分間印
加して測定し、その結果を対数値(logIR)で示
す。さらに、温度変化率(TCC)については、25℃
の容量値を基準とした時の−55℃,125℃における
変化率(ΔC-55 /C25,ΔC+125/C25)および−5
5℃〜+125℃の間において、容量温度変化率が最大
である値の絶対値、いわゆる最大変化率(|ΔC/C25
|max )について示す。
る非還元性誘電体磁器組成物は、優れた特性を示す。
囲を上述のように限定する理由は次の通りである。
明する。
2.0〜99.4モル%とするのは、構成比率が92.
0モル%未満の場合には、希土類元素およびCo2 O3
の構成比率が多くなるため、試料番号4に示すように、
絶縁抵抗値および誘電率の低下が生じ好ましくない。ま
た、BaTiO3 の構成比率が99.4モル%を超える
場合には、希土類元素およびCo2 O3 の添加の効果が
なく、試料番号3に示すように、高温部(キュリー点付
近)の容量温度変化率が大きく(+)側にはずれ好まし
くない。さらに、BaTiO3 中のアルカリ金属酸化物
含有量を0.04%以下とするのは、0.04%を超え
ると、試料番号30および31に示すように、誘電率の
低下が生じ、実用的でなくなり好ましくない。
明する。
るのは、添加量が0.2モル%未満の場合には、試料番
号9に示すように、雰囲気焼成中に組織が半導体化し、
絶縁抵抗値の著しい低下をまねくので好ましくない。ま
た、添加量が4.0モル%を超える場合には、試料番号
12に示すように、焼結性が低下するので好ましくな
い。
%とするのは、添加量が0.2モル%未満の場合には、
試料番号17に示すように、組織の耐還元性向上に効果
がなくなり、絶縁抵抗値の著しい低下をまねくので好ま
しくない。また、添加量が2.0モル%を超える場合に
は、試料番号15に示すように、絶縁抵抗値、特に高温
における抵抗値の低下が生じるので好ましくない。
るのは、添加量が0.5モル%未満の場合には、試料番
号24および25に示すように、容量温度変化率の曲線
をフラットにする効果がなく、特に低温側で(−)側に
はずれる傾向があるとともに、絶縁抵抗値向上の効果も
なくなるので好ましくない。また、添加量が5.0モル
%を超える場合には、試料番号29に示すように、誘電
率εおよび絶縁抵抗値の低下が生じるので好ましくな
い。
〜3.0モル%とするのは、添加量が0.3モル%未満
の場合には、試料番号18に示すように、組織の耐還元
性向上に効果がなく、絶縁抵抗値の低下をまねくととも
に、高温IR値の改善にも効果がなく好ましくない。ま
た、添加量が3.0モル%を超える場合には、NiOに
ついては、MnOと同様に、試料番号21に示すよう
に、絶縁抵抗値が低下し、Al2 O3 については、試料
番号22に示すように、焼結性が低下し、誘電率が小さ
くなるとともに、誘電損失が大きくなる等の問題がある
ため、好ましくない。
デンサにおいて得られたデータであるが、同じ組成物を
シート成形し、チップ加工を行った積層コンデンサにお
いても、今回のデータとほぼ同等の結果が得られる。
Claims (1)
- 【請求項1】 不純物として含まれるアルカリ金属酸化
物の含有量が0.04重量%以下のBaTiO3 と、T
b2 O3 ,Dy2 O3 ,Ho2 O3 ,Er2 O3 の中か
ら選ばれる少なくとも1種類の希土類酸化物(Re2 O
3 )と、Co2 O3 との配合比が、 BaTiO3 92.0〜99.4モル%、 Re2 O3 0.3〜4.0モル%、および Co2 O3 0.3〜4.0モル% の範囲内にある主成分100モル%に対し、 副成分として、 BaO 0.2〜4.0モル%、 MnO 0.2〜2.0モル%、 MgO 0.5〜5.0モル%、および NiO,Al2 O3 のうち少なくとも一種 0.3〜
3.0モル%を含有する、非還元性誘電体磁器組成物。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3224739A JP2958822B2 (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | 非還元性誘電体磁器組成物 |
DE4220681A DE4220681C2 (de) | 1991-06-27 | 1992-06-24 | Nichtreduzierende, dielektrische, keramische Zusammensetzung |
US07/904,398 US5268342A (en) | 1991-06-27 | 1992-06-25 | Nonreducing dielectric ceramic composition |
FR9207823A FR2679227B1 (fr) | 1991-06-27 | 1992-06-25 | Composition ceramique dielectrique non-reductrice. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3224739A JP2958822B2 (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | 非還元性誘電体磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0543313A JPH0543313A (ja) | 1993-02-23 |
JP2958822B2 true JP2958822B2 (ja) | 1999-10-06 |
Family
ID=16818484
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3224739A Expired - Lifetime JP2958822B2 (ja) | 1991-06-27 | 1991-08-09 | 非還元性誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2958822B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102498081B (zh) | 2009-09-07 | 2015-09-23 | 株式会社村田制作所 | 介电陶瓷组成物和积层陶瓷电容器 |
-
1991
- 1991-08-09 JP JP3224739A patent/JP2958822B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0543313A (ja) | 1993-02-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3227859B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
JPH04218207A (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JP2958817B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
KR0161348B1 (ko) | 비환원성 유전체 세라믹 조성물 | |
JP2958819B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
JP2958818B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
JP3368602B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
JP2958822B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
JP2958820B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
JP3120500B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
JP3109171B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
JP2869900B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
JP2958823B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
JP3185333B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
JP3321823B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
JP2958824B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
JP2920693B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
JP2920688B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
JPH0824006B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
JP3368599B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
JP3185331B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
JP3385630B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
JP2958826B2 (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JP3385631B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
JP3087387B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080730 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090730 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090730 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100730 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100730 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110730 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110730 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120730 Year of fee payment: 13 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120730 Year of fee payment: 13 |