JP2952830B2 - 血圧降下剤 - Google Patents
血圧降下剤Info
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- JP2952830B2 JP2952830B2 JP2316117A JP31611790A JP2952830B2 JP 2952830 B2 JP2952830 B2 JP 2952830B2 JP 2316117 A JP2316117 A JP 2316117A JP 31611790 A JP31611790 A JP 31611790A JP 2952830 B2 JP2952830 B2 JP 2952830B2
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、血圧降下剤に関するものであり、特に近年
増加の傾向が著しく、対策が望まれている高血圧症の予
防及び治療に有効な医薬品または食品への利用が期待さ
れる血圧降下剤に関するものである。
増加の傾向が著しく、対策が望まれている高血圧症の予
防及び治療に有効な医薬品または食品への利用が期待さ
れる血圧降下剤に関するものである。
(従来の技術) 高血圧症は近年増加の傾向にあり、対策が望まれてい
る。従来、高血圧症の予防、治療に有効な物質は数多く
知られている。また、一方、日常の食物の摂取を通じて
病気の予防に役立てようとする機能性食品に対する関心
が高まっている。
る。従来、高血圧症の予防、治療に有効な物質は数多く
知られている。また、一方、日常の食物の摂取を通じて
病気の予防に役立てようとする機能性食品に対する関心
が高まっている。
こうした観点から安全性の高い食品またはそれらの加
水分解物から血圧降下作用を有する物質を見い出す研究
が、最近とみに盛んに行われている。その例は枚挙に暇
のないほどであるが、例えば、牛乳カゼインのトリプシ
ン加水分解物由来のACE(アンジオテンシン変換酵素)
阻害物質を単離し、あるいは更にペプチダーゼで処理し
た血圧降下剤(特公昭60−23085号、同60−23086号、同
60−23087号、特開昭61−36226号、同61−36227号)、
魚類蛋白質または大豆蛋白質をバチルス属細菌由来のセ
リンプロテーアーゼ、バチルス属由来の金属プロテアー
ゼまたは植物由来のチオールプロテアーゼで加水分解し
て得たペプチドを有効成分とする血圧降下剤、とうもろ
こし蛋白質の一成分であるγ−ゼイン中に含まれるVal
−His−Leu−Pro−Pro−Proを基本単位とする繰り返し
構造部分からサーモライシンによる加水分解後、更に酵
素的または酸で分解して得られる、C末端アミノ酸配列
がLeu−Pro−Porであるアミノ酸重合度3〜5のペプチ
ドを有効成分とするACE阻害剤、等々数多くの提案がな
されている。
水分解物から血圧降下作用を有する物質を見い出す研究
が、最近とみに盛んに行われている。その例は枚挙に暇
のないほどであるが、例えば、牛乳カゼインのトリプシ
ン加水分解物由来のACE(アンジオテンシン変換酵素)
阻害物質を単離し、あるいは更にペプチダーゼで処理し
た血圧降下剤(特公昭60−23085号、同60−23086号、同
60−23087号、特開昭61−36226号、同61−36227号)、
魚類蛋白質または大豆蛋白質をバチルス属細菌由来のセ
リンプロテーアーゼ、バチルス属由来の金属プロテアー
ゼまたは植物由来のチオールプロテアーゼで加水分解し
て得たペプチドを有効成分とする血圧降下剤、とうもろ
こし蛋白質の一成分であるγ−ゼイン中に含まれるVal
−His−Leu−Pro−Pro−Proを基本単位とする繰り返し
構造部分からサーモライシンによる加水分解後、更に酵
素的または酸で分解して得られる、C末端アミノ酸配列
がLeu−Pro−Porであるアミノ酸重合度3〜5のペプチ
ドを有効成分とするACE阻害剤、等々数多くの提案がな
されている。
一方、小麦蛋白質中にはグルテンを形成する成分とし
てグルテニンとグリアジンが存在すること、グルテニン
はエタノールに不溶、希酸に溶解する性質を有し、これ
を酵素キモトリプシンで加水分解するとき、Ser−Gln−
Gln−Gln−Gln−Pro−Pro−Pheなるオクタペプチドが多
量生成することが知られている(Z.Lebensm Unters For
sch 187:27−34,(1988))。
てグルテニンとグリアジンが存在すること、グルテニン
はエタノールに不溶、希酸に溶解する性質を有し、これ
を酵素キモトリプシンで加水分解するとき、Ser−Gln−
Gln−Gln−Gln−Pro−Pro−Pheなるオクタペプチドが多
量生成することが知られている(Z.Lebensm Unters For
sch 187:27−34,(1988))。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は優れた血圧降下作用を有し、安全性が極めて
高く、安価かつ大量に供給でき、医薬品としてのみなら
ず機能性食品としても有用な血圧降下剤を提供すること
を目的とする。
高く、安価かつ大量に供給でき、医薬品としてのみなら
ず機能性食品としても有用な血圧降下剤を提供すること
を目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、血圧降下剤作用を有する物質を種々検
索した結果、安価で最も一般的な食品用蛋白質の一つで
ある小麦蛋白質中のグルテニンを酵素キモトリプシンで
加水分解して得られる一定のペプチド、更には該加水分
解処理において、最も収量が多く得られる成分であるSe
r−Gln−Gln−Gln−Gln−Pro−Pro−Pheなるオクタペプ
チドが特に強い血圧降下作用を有することを見い出し、
本発明を完成した。
索した結果、安価で最も一般的な食品用蛋白質の一つで
ある小麦蛋白質中のグルテニンを酵素キモトリプシンで
加水分解して得られる一定のペプチド、更には該加水分
解処理において、最も収量が多く得られる成分であるSe
r−Gln−Gln−Gln−Gln−Pro−Pro−Pheなるオクタペプ
チドが特に強い血圧降下作用を有することを見い出し、
本発明を完成した。
すなわち、請求項1記載の本発明は小麦グルテニンを
キモトリプシンで加水分解して得られる特定分子量範囲
のペプチドを有効成分とする血圧降下剤であり、請求項
2記載の本発明は上記加水分解液中に多量に生成するSe
r−Gln−Gln−Gln−Gln−Pro−Pro−Pheなるオクタペプ
チドを有効成分とする血圧降下剤である。
キモトリプシンで加水分解して得られる特定分子量範囲
のペプチドを有効成分とする血圧降下剤であり、請求項
2記載の本発明は上記加水分解液中に多量に生成するSe
r−Gln−Gln−Gln−Gln−Pro−Pro−Pheなるオクタペプ
チドを有効成分とする血圧降下剤である。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明に使用する小麦グルテニンは、例えば、グルテ
ンの細粉を50〜70%(v/v)エタノール水溶液に懸濁し
て放置した後、遠心分離等の適宜の手段で分離した不水
溶解物を0.2%水酸化ナトリウムで抽出し、次いで酢酸
で中和して沈殿させる、等の公知の方法により調製する
ことができる。
ンの細粉を50〜70%(v/v)エタノール水溶液に懸濁し
て放置した後、遠心分離等の適宜の手段で分離した不水
溶解物を0.2%水酸化ナトリウムで抽出し、次いで酢酸
で中和して沈殿させる、等の公知の方法により調製する
ことができる。
使用する酵素キモトリプシンは、脊椎動物の膵臓から
小腸に分泌される酵素であり、ウシ膵臓等を起源とする
市販製品をそのまま用いることができる。
小腸に分泌される酵素であり、ウシ膵臓等を起源とする
市販製品をそのまま用いることができる。
グルテニンのキモトリプシンにより加水分解は、通
常、単に水中または緩衝液(例えばトリス塩酸緩衝液、
リン酸緩衝液)中で行う。処理液中のグルテニンの濃度
は、反応自撹はん混合ができる範囲内であればいずれも
よいが、撹はんが容易な2〜20%(w/v)の範囲で行う
のが望ましい。
常、単に水中または緩衝液(例えばトリス塩酸緩衝液、
リン酸緩衝液)中で行う。処理液中のグルテニンの濃度
は、反応自撹はん混合ができる範囲内であればいずれも
よいが、撹はんが容易な2〜20%(w/v)の範囲で行う
のが望ましい。
酸素キモトリプシンの添加量は、その力価により異な
るが、通常は蛋白質当たり0.01重量%以上、好ましくは
0.1〜10重量%が適当である。反応液のpH、温度はキモ
トリプシンの至適pH、至適温度付近を用いればよく、pH
は6〜10より好ましくは7〜8、温度は20〜70℃より好
ましくは30〜50℃がそれぞれ適当である。反応中のpHの
調製は必要に応じ水酸化ナトリウム水溶液、塩酸等によ
り行う。
るが、通常は蛋白質当たり0.01重量%以上、好ましくは
0.1〜10重量%が適当である。反応液のpH、温度はキモ
トリプシンの至適pH、至適温度付近を用いればよく、pH
は6〜10より好ましくは7〜8、温度は20〜70℃より好
ましくは30〜50℃がそれぞれ適当である。反応中のpHの
調製は必要に応じ水酸化ナトリウム水溶液、塩酸等によ
り行う。
反応時間は、基質濃度、酵素の添加量、反応温度、反
応pH、等の要因により異なるため一定ではないが、通常
は1〜50時間程度である。
応pH、等の要因により異なるため一定ではないが、通常
は1〜50時間程度である。
加水分解反応の停止は、加水分解物の加熱あるいはク
エン酸、リンゴ酸等の有機酸、または塩酸、リン酸等の
無機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカ
リの添加によるpHの変化等による酸素の失活、限外ろ過
膜等による酵素のろ別など、公知の方法に従って行うこ
とができる。
エン酸、リンゴ酸等の有機酸、または塩酸、リン酸等の
無機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカ
リの添加によるpHの変化等による酸素の失活、限外ろ過
膜等による酵素のろ別など、公知の方法に従って行うこ
とができる。
本発明でいう小麦グルテニンのキモトリプシン加水分
解物であって、分子量が10,000以下の画分の含有量が固
形分基準で30重量%以上である加水分解物としては、小
麦グルテニンを上述のようにして加水分解して得られる
加水分解液もしくはこれを必要に応じ固液分離(例えば
遠心分離、ろ過等)して得られる液を、分別(例えば限
外ろ過、ゲルろ過等による)して得られる分子量か10,0
00以下の画分を含有する液またはそのの濃縮物(例えば
濃縮液、噴霧乾燥物、凍結乾燥物、流動床乾燥物等)を
包含する。なお、本発明でいう固形分基準における固形
分とは水分を蒸発、乾燥させた乾燥物という意味である
が、より詳しくいえば105℃で4時間乾燥したものをい
う。
解物であって、分子量が10,000以下の画分の含有量が固
形分基準で30重量%以上である加水分解物としては、小
麦グルテニンを上述のようにして加水分解して得られる
加水分解液もしくはこれを必要に応じ固液分離(例えば
遠心分離、ろ過等)して得られる液を、分別(例えば限
外ろ過、ゲルろ過等による)して得られる分子量か10,0
00以下の画分を含有する液またはそのの濃縮物(例えば
濃縮液、噴霧乾燥物、凍結乾燥物、流動床乾燥物等)を
包含する。なお、本発明でいう固形分基準における固形
分とは水分を蒸発、乾燥させた乾燥物という意味である
が、より詳しくいえば105℃で4時間乾燥したものをい
う。
本発明の上記加水分解物は、経口または非経口的(静
脈注射、復腔内注射等)に投与することによって、優れ
た血圧降下作用を発揮するが、本加水分解物中に多量存
在し、これから分別するなどして得られるSer−Gln−Gl
n−Gln−Gln−Pro−Pro−Pheなるオクタペプチド及びそ
の塩は、特に強い血圧降下作用を示す。
脈注射、復腔内注射等)に投与することによって、優れ
た血圧降下作用を発揮するが、本加水分解物中に多量存
在し、これから分別するなどして得られるSer−Gln−Gl
n−Gln−Gln−Pro−Pro−Pheなるオクタペプチド及びそ
の塩は、特に強い血圧降下作用を示す。
グルテニン加水分解物から上記オクタペプチドを分別
する一法としては、分解物をゲルろ過(例えばセファデ
ックスG−25使用)、及び陽イオン交換樹脂(例えばDO
WEX 50WX2)を行っていくつかのフラクションに分画
し、上記オクタペプチドを含む画分を陰イオン交換樹脂
(例えば、Durrum DAX2−20使用)等に付して単一のオ
クタペプチドを分別する。
する一法としては、分解物をゲルろ過(例えばセファデ
ックスG−25使用)、及び陽イオン交換樹脂(例えばDO
WEX 50WX2)を行っていくつかのフラクションに分画
し、上記オクタペプチドを含む画分を陰イオン交換樹脂
(例えば、Durrum DAX2−20使用)等に付して単一のオ
クタペプチドを分別する。
また、有機化学的合成法としては液相法、固相法の2
種があり、前者ではBoc(ターシャリーブチルオキシカ
ルボニル)基などで保護したアミノ酸をDMF(ジメチル
ホルムアミド)に溶解し、DCC(ジシクロヘキシルカル
ボジイミド)及びHO Bt(1−ヒドロキシベンゾトリア
ゾール)の存在下で一昼夜反応させ、カルボキシ末端側
から順次結合させる。また、後者ではアプライド・バイ
オシステルズ社製ペプチド合成装置(430A型)などで、
PAM(フェニルアセタミドメチル)樹脂にアミノ酸を順
次伸長させ、フッ化水素などにより樹脂及び各種保護基
を切断し、目的とするオクタペプチドを得る。
種があり、前者ではBoc(ターシャリーブチルオキシカ
ルボニル)基などで保護したアミノ酸をDMF(ジメチル
ホルムアミド)に溶解し、DCC(ジシクロヘキシルカル
ボジイミド)及びHO Bt(1−ヒドロキシベンゾトリア
ゾール)の存在下で一昼夜反応させ、カルボキシ末端側
から順次結合させる。また、後者ではアプライド・バイ
オシステルズ社製ペプチド合成装置(430A型)などで、
PAM(フェニルアセタミドメチル)樹脂にアミノ酸を順
次伸長させ、フッ化水素などにより樹脂及び各種保護基
を切断し、目的とするオクタペプチドを得る。
本発明の請求項1の小麦グリアジン加水分解物及び請
求項2のペプチド(以下、両者を合わせて「本発明の物
質」と総称することがある)は、いずれもそのまま、あ
るいは通常少なくとも1つの製造薬補助剤を加え、製薬
組成物として使用する。これらはいずれも非経口的(静
脈注射、直腸投与等)または経口的にヒトを初めとする
ほ乳類に投与し、各投与方法に適した形態に製造するこ
とができる。
求項2のペプチド(以下、両者を合わせて「本発明の物
質」と総称することがある)は、いずれもそのまま、あ
るいは通常少なくとも1つの製造薬補助剤を加え、製薬
組成物として使用する。これらはいずれも非経口的(静
脈注射、直腸投与等)または経口的にヒトを初めとする
ほ乳類に投与し、各投与方法に適した形態に製造するこ
とができる。
本発明の物質の急性毒性はいずれもLD50(ラット経口
投与)>5g/kgである。
投与)>5g/kgである。
また、本発明の物質は多量に採取しても全体に悪影響
を与えないことから、そのまま、あるいは種々の栄養分
等を加えて、もしくは飲食物中に含有させて血圧降下作
用、高血圧予防の機能をもたせた機能性食品、健康食品
として食してもよい。
を与えないことから、そのまま、あるいは種々の栄養分
等を加えて、もしくは飲食物中に含有させて血圧降下作
用、高血圧予防の機能をもたせた機能性食品、健康食品
として食してもよい。
(実施例) 次に本発明を実施例により説明する。
実施例1 小麦グルテン(関東化学(株)製)を20倍容の60%
(v/v)エタノール水溶液に分散し、時々撹はんしなが
ら5時間放置した。遠心分離により上澄液を除き、不溶
解物には60%(v/v)エタノール水溶液5倍容を加え1
時間撹はんした。この操作をもう1度繰り返した後、分
離した不溶解物に10倍容の0.2%水酸化ナトリウムを加
え、2時間撹はん抽出を行った。遠心分離により不溶物
を除去した後、これを酢酸で中和した。沈殿物を5倍容
の水に分散させた後遠心分離を行う洗浄操作を2回行
い、次いで凍結乾燥を行ってグルテニンの乾燥物を得
た。
(v/v)エタノール水溶液に分散し、時々撹はんしなが
ら5時間放置した。遠心分離により上澄液を除き、不溶
解物には60%(v/v)エタノール水溶液5倍容を加え1
時間撹はんした。この操作をもう1度繰り返した後、分
離した不溶解物に10倍容の0.2%水酸化ナトリウムを加
え、2時間撹はん抽出を行った。遠心分離により不溶物
を除去した後、これを酢酸で中和した。沈殿物を5倍容
の水に分散させた後遠心分離を行う洗浄操作を2回行
い、次いで凍結乾燥を行ってグルテニンの乾燥物を得
た。
上記により得たグリテニン100g(固形分)を純水2
に分散し、これにキモトリプシン(関東化学(株)製ウ
シ膵臓由来)を加え、50℃で15時間撹はん反応させた。
反応中2N水酸化ナトリウムを適宜滴下してpH8.0に保っ
た。次いでキモトリプシンを更に1g追加し、50℃で24時
間、pHを8.0に保って反応させた。反応後、反応液をオ
ートクレーブ中で105℃で5分間加熱し、酵素を失活さ
せた。
に分散し、これにキモトリプシン(関東化学(株)製ウ
シ膵臓由来)を加え、50℃で15時間撹はん反応させた。
反応中2N水酸化ナトリウムを適宜滴下してpH8.0に保っ
た。次いでキモトリプシンを更に1g追加し、50℃で24時
間、pHを8.0に保って反応させた。反応後、反応液をオ
ートクレーブ中で105℃で5分間加熱し、酵素を失活さ
せた。
得られた加水分解物を5,000rpmで10分間遠心分離し上
清をアミコン(Amicon)PM−10(限外ろ過膜、分画分子
量10,000、アミコン社)を用いる限外ろ過に付し、ろ液
を凍結乾燥して分画画分濃縮物94.2g(固形分)を得
た。
清をアミコン(Amicon)PM−10(限外ろ過膜、分画分子
量10,000、アミコン社)を用いる限外ろ過に付し、ろ液
を凍結乾燥して分画画分濃縮物94.2g(固形分)を得
た。
本明加水分解物の分子量分布は以下により測定した。
すなわち、セファデックスG−25(ファイン)のカラム
(1.3φ×820cm)に予め分子量既知の標準品を流し(溶
媒:0.1M 酢酸アンモニウム)分子量と溶出位置の関係を
決定した。用いた標準品及びその分子量は次のとおりで
ある。
すなわち、セファデックスG−25(ファイン)のカラム
(1.3φ×820cm)に予め分子量既知の標準品を流し(溶
媒:0.1M 酢酸アンモニウム)分子量と溶出位置の関係を
決定した。用いた標準品及びその分子量は次のとおりで
ある。
リボヌクレアーゼA 13,700 アプロチニン 6,500 ダイノルフィン 2,147 バシトラシン 1,411 オキシトシン 1,007 グリシルグリシルアラニン 203 次に同一条件下に前記膜透過画分を流して得たゲルろ
過パターンから、膜透過画分は実質上分子量200〜5,000
のペプチドからなっており、分子量5,000を越えるペプ
チド、並びに同200未満のペプチド及びアミノ酸を殆ど
含有していないことが明らかであった。
過パターンから、膜透過画分は実質上分子量200〜5,000
のペプチドからなっており、分子量5,000を越えるペプ
チド、並びに同200未満のペプチド及びアミノ酸を殆ど
含有していないことが明らかであった。
実施例2 グルテニン加水分解物からSer−Gln−Gln−Gln−Gln
−Pro−Pro−Pheの調製 実施例1で得た加水分解物500mgを0.1M N−エチルモ
ルホリン酢酸(pH6.5)に溶解し、セファデックスG−2
5スーパーファインのカラムに添加して同一溶媒で溶出
した。血液降下作用の大きなフラクションを集め減圧濃
縮した。なお、この場合のカラム処理条件は次の通りで
ある。
−Pro−Pro−Pheの調製 実施例1で得た加水分解物500mgを0.1M N−エチルモ
ルホリン酢酸(pH6.5)に溶解し、セファデックスG−2
5スーパーファインのカラムに添加して同一溶媒で溶出
した。血液降下作用の大きなフラクションを集め減圧濃
縮した。なお、この場合のカラム処理条件は次の通りで
ある。
カラム φ3×100cm 溶出溶媒 0.1M N−エチルモルホリン酢酸(pH6.5) 流 速 25ml/hr 次に、前記セファデックスG25で分画した活性フラク
ションを、陽イオン交換樹脂カラム(Dowex50WX2 200〜
400mesh)のカラムに添加し、以下により分画を行っ
た。
ションを、陽イオン交換樹脂カラム(Dowex50WX2 200〜
400mesh)のカラムに添加し、以下により分画を行っ
た。
カラム φ0.9×110cm 溶出溶媒 0.2Mピリジン−酢酸緩衝液(pH3.1) 100ml 同上緩衝液300mlと1.0Mピリジン−酢酸緩衝液(pH4.
2)300mlによる直線濃度勾配溶出 1.0Mピリジン−酢酸緩衝液(pH5.0)150ml 流 速 32ml/hr 上記陽イオン交換樹脂クロマトグラフィーで分画した
血圧降下作用の大きなフラクションを濃縮し、更に以下
条件による陰イオン交換樹脂Durrum DAX2−20のカラム
に供した。
2)300mlによる直線濃度勾配溶出 1.0Mピリジン−酢酸緩衝液(pH5.0)150ml 流 速 32ml/hr 上記陽イオン交換樹脂クロマトグラフィーで分画した
血圧降下作用の大きなフラクションを濃縮し、更に以下
条件による陰イオン交換樹脂Durrum DAX2−20のカラム
に供した。
カラム 0.9φ×60cm 溶出溶媒 N−エチルモルホリン15ml、α−ピコリン20ml、ピリ
ジン10ml及び水955mlからなる溶液を酢酸でpH9.4に調整
した緩衝液20ml 上記組成の溶液をpH8.4に調整した緩衝液30ml 上記組成の溶液をpH6.5に調整した緩衝液40ml 0.5M酢酸60ml 2.0M酢酸100ml 流 速 20ml/hr 次に、前記で得た活性フラクションをセファデックス
LH−20カラムに添加し、脱塩を行う。
ジン10ml及び水955mlからなる溶液を酢酸でpH9.4に調整
した緩衝液20ml 上記組成の溶液をpH8.4に調整した緩衝液30ml 上記組成の溶液をpH6.5に調整した緩衝液40ml 0.5M酢酸60ml 2.0M酢酸100ml 流 速 20ml/hr 次に、前記で得た活性フラクションをセファデックス
LH−20カラムに添加し、脱塩を行う。
この場合の処理条件は以下の通りである。
カラム 2.0φ×60cm 溶出溶媒 純水 流 速 0.4ml 前記により脱塩した試料を減圧乾固すると、白色粉末
物質が得られる。
物質が得られる。
本物質を6N塩酸に溶かし、真空下で110℃24時間加熱
後、アミノ酸分析計により分析したところ、次の結果が
得られた。
後、アミノ酸分析計により分析したところ、次の結果が
得られた。
アミノ酸 セリンに対するモル比 Ser(セリン) 1.00 Glu(グルタミン酸) 4.20 Pro(プロリン) 2.15 Phe(フェニルアラニン) 1.10 更に、前記白色粉末試料をペプチド構造自動解析装置
によりエドマン分解を行った。生成した8個のPTHアミ
ノ酸を高速液体クロマトグラフィーで同定し、アミノ酸
の一次配列を決めたところ、Ser−Gln−Gln−Gln−Gln
−Pro−Pro−Pheなる構造を有することが確認された。
によりエドマン分解を行った。生成した8個のPTHアミ
ノ酸を高速液体クロマトグラフィーで同定し、アミノ酸
の一次配列を決めたところ、Ser−Gln−Gln−Gln−Gln
−Pro−Pro−Pheなる構造を有することが確認された。
実施例3 合成法によるSer−Gln−Gln−Gln−Gln−Pro−Pro−P
heの調製 アプライド・バイオシステムズ社製ペプチド合成装置
(430A型)に0.5ミリモルのBoc−L−Phe−OCH2−PAM樹
脂及び各2ミリモルのBoc−L−Pro、Boc−L−Pro、Bo
c−L−Gln、Boc−L−Gln、Boc−L−Gln、Boc−L−G
ln及びBor−L−Serを装着し、DCCによる無水対称法に
より、L−Ser−L−Gln−L−Gln−L−Gln−L−Gln
−L−Pro−L−Pro−L−Pre−O−OH2−PAMを合成し
た。次に、ペプチド研究所製フッ化水素処理装置に上記
合成ペプチド樹脂を導入し、アニソール1.5mlを添加
後、液体フッ化水素10mlを導入した。−20℃30分、0℃
30分の反応後、フッ化水素を減圧下に除去し、ペプチド
を無水エーテルとクロロホルムで交互に3回洗浄し、次
いで2N酢酸60mlに溶解して凍結乾燥した。この方法によ
りSer−Gln−Gln−Gln−Gln−Pro−Pro−Pheの白色粉末
213mgを得た。
heの調製 アプライド・バイオシステムズ社製ペプチド合成装置
(430A型)に0.5ミリモルのBoc−L−Phe−OCH2−PAM樹
脂及び各2ミリモルのBoc−L−Pro、Boc−L−Pro、Bo
c−L−Gln、Boc−L−Gln、Boc−L−Gln、Boc−L−G
ln及びBor−L−Serを装着し、DCCによる無水対称法に
より、L−Ser−L−Gln−L−Gln−L−Gln−L−Gln
−L−Pro−L−Pro−L−Pre−O−OH2−PAMを合成し
た。次に、ペプチド研究所製フッ化水素処理装置に上記
合成ペプチド樹脂を導入し、アニソール1.5mlを添加
後、液体フッ化水素10mlを導入した。−20℃30分、0℃
30分の反応後、フッ化水素を減圧下に除去し、ペプチド
を無水エーテルとクロロホルムで交互に3回洗浄し、次
いで2N酢酸60mlに溶解して凍結乾燥した。この方法によ
りSer−Gln−Gln−Gln−Gln−Pro−Pro−Pheの白色粉末
213mgを得た。
本ペプチドの構造解析のため、6N塩酸による加水分解
後のアミノ酸分析(日立L−8500型アミノ酸分析計によ
る)、質量分析(日本電子JMX−DX 303型による)、ア
ミノ酸配列分析(島津プロテインシークエンサーPSQ−
1システムによる)を、それぞれ実施した。結果を表1
に示す。
後のアミノ酸分析(日立L−8500型アミノ酸分析計によ
る)、質量分析(日本電子JMX−DX 303型による)、ア
ミノ酸配列分析(島津プロテインシークエンサーPSQ−
1システムによる)を、それぞれ実施した。結果を表1
に示す。
試験例1 グルテニンのキモトリプシン加水分解物の血圧降下作
用 動物は10周令の自然発症高血圧ラット(SHR)(日本
ラット(株)、♂、体重240〜280g,1群6匹)を用い
た。試料を生理食塩水に溶解し、有効成分として2g/kg
−体重を腹腔内に投与した。対照としては生理食塩水を
腹腔内に投与した。
用 動物は10周令の自然発症高血圧ラット(SHR)(日本
ラット(株)、♂、体重240〜280g,1群6匹)を用い
た。試料を生理食塩水に溶解し、有効成分として2g/kg
−体重を腹腔内に投与した。対照としては生理食塩水を
腹腔内に投与した。
血圧はラット・マウス用非観血血圧計TK−350(ユニ
コム社製)を用い、投与前及び投与後経時的にTail−Cu
ff法で測定した。結果を表2に示す。
コム社製)を用い、投与前及び投与後経時的にTail−Cu
ff法で測定した。結果を表2に示す。
表2に見られるように、グルテニンのキモトリプシン
加水分解物の投与によって、1〜5時間にわたって顕著
な血圧降下作用が認められた。
加水分解物の投与によって、1〜5時間にわたって顕著
な血圧降下作用が認められた。
試験例2 ペプチド「Ser−Gln−Gln−Gln−Gln−Pro−Pro−Ph
e」の血圧降下作用 ペプチドの投与量を150mg/kg−体重とした以外は、試
験例2と同様に試験を行った。結果を表3に示す。
e」の血圧降下作用 ペプチドの投与量を150mg/kg−体重とした以外は、試
験例2と同様に試験を行った。結果を表3に示す。
表3に見られるように、ペプチドSer−Gln−Gln−Gln
−Gln−Pro−Pro−Pheの投与によって、投与後1〜5時
間にわたって顕著な血圧降下作用が認められた。
−Gln−Pro−Pro−Pheの投与によって、投与後1〜5時
間にわたって顕著な血圧降下作用が認められた。
(発明の効果) 請求項1及び2記載の本発明によれば、安価な蛋白質
原料である小麦グルテニンを原料とする等して、優れた
効果を有る血圧効果剤が提供される。
原料である小麦グルテニンを原料とする等して、優れた
効果を有る血圧効果剤が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 38/00,35/78 CA(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】小麦グルテニンのキモトリプシン加水分解
物であって、分子量が10,000以下の画分の含有量が固形
分基準で30重量%以上である加水分解物を有効成分とす
る血圧降下剤。 - 【請求項2】ペプチドSer−Gln−Gln−Gln−Gln−Pro−
Pro−Phe及びその塩類を有効成分とする血圧降下剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2316117A JP2952830B2 (ja) | 1990-11-22 | 1990-11-22 | 血圧降下剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2316117A JP2952830B2 (ja) | 1990-11-22 | 1990-11-22 | 血圧降下剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04187643A JPH04187643A (ja) | 1992-07-06 |
JP2952830B2 true JP2952830B2 (ja) | 1999-09-27 |
Family
ID=18073437
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2316117A Expired - Fee Related JP2952830B2 (ja) | 1990-11-22 | 1990-11-22 | 血圧降下剤 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2952830B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL9400418A (nl) * | 1994-03-16 | 1995-11-01 | Campina Melkunie Bv | Werkwijzen voor de bereiding van glutaminerijke peptiden en voedingspreparaten daarmee gemaakt. |
JPWO2007119590A1 (ja) * | 2006-03-31 | 2009-08-27 | 日清ファルマ株式会社 | 小麦由来の血圧低下用組成物 |
JP6296722B2 (ja) * | 2012-07-31 | 2018-03-20 | サンスター株式会社 | 米糠酵素処理組成物 |
JP2021084880A (ja) * | 2019-11-28 | 2021-06-03 | 国立大学法人京都大学 | ペプチド |
-
1990
- 1990-11-22 JP JP2316117A patent/JP2952830B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH04187643A (ja) | 1992-07-06 |
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