JP3651878B2 - 畜肉タンパク質由来の血圧降下ペプチド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食肉(畜肉)タンパク質をプロテアーゼで分解することにより生成する、アンジオテンシンI変換酵素の活性を阻害するペプチド、及びそれらペプチド又はその塩を有効成分として含有する、アンジオテンシンI変換酵素に起因する高血圧等の疾患の予防及び/又は症状改善用などの医薬用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
高血圧症の発症に深く関わっている生体内の系としてレニン−アンジオテンシン系が知られており、この系の重要な構成要素であるアンジオテンシンI変換酵素はアンジオテンシンIに作用し、血圧上昇作用をもつアンジオテンシンIIを生成し、また、アンジオテンシンI変換酵素は降圧作用を有するペプチドであるブラジキニンを分解する作用をも有する。すなわち、アンジオテンシンI変換酵素は昇圧性ペプチドの生成と、降圧性ペプチドの分解という二つの作用により血圧上昇をもたらす。したがって、アンジオテンシンI変換酵素のこのような作用により高血圧症が発症している場合、アンジオテンシンI変換酵素の活性を阻害することにより、血圧上昇を抑制することができる。さらに、近年、アンジオテンシンI変換酵素阻害物質は、心不全の治療薬など、血圧降下剤以外の用途でも注目されている。
【0003】
アンジオテンシンI変換酵素の阻害物質として、天然物では毒蛇由来のペプチド、化学合成物質ではカプトプリルなどが見い出されている。また近年、医薬品に対する安全性や食品に対する機能性への関心の高まりなどを背景として、食品や食品原料由来のアンジオテンシンI変換酵素阻害物質が注目されている。特に食品タンパク質の分解により生成するペプチド性のアンジオテンシンI変換酵素阻害物質の検索が数多く行われている。このようなものの例として、牛乳カゼイン、大豆タンパク質、トウモロコシタンパク質などのプロテアーゼ分解により生成するペプチドを挙げることができる(特開平8−283173号公報、特開平8−269087号公報、特開平8−99994号公報、特開平6−87886号公報)。また、魚肉を原料とした例として、かつお節やイワシのプロテアーゼ分解物などから、アンジオテンシンI変換酵素阻害活性や血圧降下作用を示すペプチドを得ることが知られている(Bioscience, Biotechnology and Biochemistry, 56, 1541-1545, 1992、特開平7−188282号公報)。その他、豚血液から調製したプラズマのプロテアーゼ分解物から血圧降下ペプチドを調製した例も知られている(特開平5−238946号公報)。しかし、豚肉や牛肉といった畜肉あるいは畜肉に含まれるタンパク質から、このようなペプチドを得た例は知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、食品の中で重要な位置づけをされている食肉から血圧降下作用あるいはアンジオテンシンI変換酵素阻害活性を有する新規なペプチド類及びこれらペプチド類を有効成分として含む医薬用組成物を提供することにある。
【0005】
【発明を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、食肉タンパク質であるミオシンから、プロテアーゼの作用により生成するペンタペプチドである配列番号1で示される(Met-Asn-Pro-Pro-Lys)や配列番号2で示される(Ile-Thr-Thr-Asn-Pro)が、アンジオテンシンI変換酵素阻害活性や血圧降下作用を有することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、Met-Asn-Pro-Pro-Lys 、 Met-Asn-Pro 、 Asn-Pro-Pro 、 Ile-Thr-Thr-Asn-Pro 、 Thr-Asn-Pro のいずれかで表されるアンジオテンシンI変換酵素阻害活性を有するペプチド又はその塩(請求項1)に関する。
【0007】
また本発明は、Met-Asn-Pro-Pro-Lys 、 Met-Asn-Pro 、 Asn-Pro-Pro 、 Ile-Thr-Thr-Asn-Pro 、 Thr-Asn-Pro のいずれかで表されるアンジオテンシンI変換酵素阻害活性を有するペプチド又はその塩を有効成分とする医薬用組成物(請求項2)や、アンジオテンシンI変換酵素阻害活性を有するペプチドが、ミオシン又はミオシンを含む原料をプロテアーゼ処理することにより得られることを特徴とする請求項2記載の医薬用組成物(請求項3)や、ミオシンを含む原料が、畜肉の筋原繊維構成タンパク質であることを特徴とする請求項3記載の医薬用組成物(請求項4)や、プロテアーゼが、サーモリシン、プロテイナーゼK、プロナーゼE及びパパインから選ばれる1種又は2種以上のプロテアーゼであることを特徴とする請求項3又は4記載の医薬用組成物(請求項5)や、アンジオテンシンI変換酵素に起因する疾患の予防及び/又は症状改善剤であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか記載の医薬用組成物(請求項6)や、アンジオテンシンI変換酵素に起因する疾患の予防及び/又は症状改善用の食品であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか記載の医薬用組成物(請求項7)に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のアンジオテンシンI変換酵素阻害活性を有するペプチドとしては、配列表の配列番号1(Met-Asn-Pro-Pro-Lys)又は配列番号2(Ile-Thr-Thr-Asn-Pro)に示されるアミノ酸配列の全部を含み、かつアンジオテンシンI変換酵素阻害活性を有するペプチドや、配列表の配列番号1又は配列番号2に示されるアミノ酸配列の一部を含み、かつアンジオテンシンI変換酵素阻害活性を有するペプチドであればどのようなものでもよく、例えば、以下の(1)〜(14)のいずれかで表されるペプチドを具体的に例示することができる。
(1)Met-Asn-Pro-Pro-Lys
(2)Met-Asn-Pro
(3)Asn-Pro-Pro
(4)Pro-Pro-Lys
(5)Ile-Thr-Thr-Asn-Pro
(6)Ile-Thr-Thr
(7)Thr-Thr-Asn
(8)Thr-Asn-Pro
(9)Met-Asn-Pro-Pro
(10)Asn-Pro-Pro-Lys
(11)Ile-Thr-Thr-Asn
(12)Thr-Thr-Asn-Pro
(13)Leu-Ile-Thr-Thr-Asn-Pro
(14)Ile-Thr-Thr-Asn-Pro-Tyr
【0009】
上記(1)〜(14)に示される新規ペプチドは、L体のアミノ酸配列を有し、常温において白色等の粉末である。また、本発明においてペプチドの塩としては、薬理学上許容される塩であれば特に制限されるものではなく、本発明のアンジオテンシンI変換酵素阻害活性を有するペプチドの塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、クエン酸塩などの塩類を例示することができる。また、かかる本発明のアンジオテンシンI変換酵素阻害活性を有するペプチドの製法としては、食肉あるいは食肉タンパク質のプロテアーゼ分解物から分離・精製する方法と、アミノ酸の配列情報に基づき、化学的に合成する方法を挙げることができる。
【0010】
プロテアーゼを用いるアンジオテンシンI変換酵素阻害活性を有するペプチドの製法における原料としては、本発明の配列番号1及び配列番号2で示されるペンタペプチドが筋原線維を構成するタンパク質であるミオシンのアミノ酸配列の一部であることからして、ミオシン又はミオシンを含む原料が用いられる。かかるミオシンとしては、精製品の他、未精製のミオシンやアクトミオシンを例示することができ、また、かかるミオシンを含む原料としては、肉塊、挽肉、残肉、屑肉、筋肉等のミオシンを4〜5%含む食肉(畜肉)や、かかる食肉から得られる筋肉由来の水不溶性タンパク質等のミオシンを40〜50%含む筋原繊維構成タンパク質などを例示することができ、これらミオシンや食肉の種類・由来等は特に制限されるものではない。また、プロテアーゼとしては、アンジオテンシンI変換酵素阻害活性の強いペプチド溶液を得ることができるものであれば特に制限されるものではないが、サーモリシン(SIGMA社製)やプロテイナーゼK(MERCK社製)の他、プロナーゼE(MERCK社製)、パパイン(東京化成工業社製)等のプロテアーゼを好ましいプロテアーゼとして例示することができる。
【0011】
プロテアーゼによるミオシンを含むタンパク質の分解は、例えば、ミオシン又はミオシンを含む原料を水あるいは適当な緩衝液(例えばリン酸緩衝液)に、ミオシン濃度が0.01〜10%、好ましくは0.1〜3.0%程度の濃度になるよう懸濁し、この溶液にプロテアーゼを0.01〜10g/L、好ましくは0.05〜2g/L程度の濃度で添加することにより行われ、酵素反応条件としてはプロテアーゼが作用しうる条件であれば特に制限されないが、例えば用いるプロテアーゼの至適pH付近で、37℃で12〜18時間程度の酵素処理条件を例示することができる。また、プロテアーゼによる分解反応は、加熱、無機酸や有機酸の添加、限外濾過によるプロテアーゼ除去など、一般によく知られている方法のいずれかにより停止することができる。反応停止後の分解液は、濾過あるいは遠心分離により不溶物を除去し、得られた濾液(タンパク質分解溶液)は、ミオシンの分解により生成したペプチドを含み、この溶液から目的とするペプチドを逆相高速液体クロマトグラフィー等により精製することができる。また、濾液は必要に応じて、凍結乾燥や減圧乾燥により濃縮することができる。
【0012】
他方、化学的合成法によるペプチドの製法は液相法と固相法に大別され、最近のペプチドシンセサイザーの普及により固相法による合成が一般化しつつあるものの、いずれの方法においても常法により本発明のアンジオテンシンI変換酵素阻害活性を有するペプチドを調製することができる。固相法によるペプチドの製造は、例えばアプライドバイオシステムズ社製ペプチド合成装置モデル430A装置を用い、ポリマー性の固相支持体へ合成しようとするペプチドのカルボキシル末端側からL体アミノ酸を順次ペプチド結合により延長させて目的とするペプチド鎖を合成した後、トリフルオロメタンスルホン酸などを用いて固相支持体から切り出し、次いで、アミノ酸側鎖の保護基を取り除き、逆相高速クロマトグラフィーなどの方法で精製し、目的とするペプチドを得ることにより行うことができる。
【0013】
本発明の医薬用組成物としては、上記本発明のアンジオテンシンI変換酵素阻害活性を有するペプチド又はその塩を有効成分として含有するものであれば特に制限されるものではなく、本発明のペプチド又はその塩の有する薬理作用の対象となる疾病、例えば高血圧症、心不全等のアンジオテンシンI変換酵素に起因する疾病に対する予防及び/又は症状改善剤、並びに予防及び/又は症状改善用の食品などを例示することができる。かかる本発明のペプチド及び/又はその塩と他の成分又は素材との混合物からなる医薬用組成物として、より具体的には、本発明のペプチド又はその塩に賦形剤を配合した高血圧症治療薬や、本発明のペプチド又はその塩を添加した食品や、本発明のペプチド又はその塩を含有する食品素材や、該食品素材を添加した食品等を挙げることができる。食品としては、コーヒー、紅茶、煎茶、ヨーグルト、ジュース、牛乳、豆乳、スポーツ飲料等の各種飲料や、パン、ケーキ、ゼリー、饅頭、チューインガム等のパン・菓子類や、うどん、そば等の麺類や、かまぼこ、魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品や、ドレッシング、マヨネーズ、甘味料等の調味類や、豆腐、こんにゃく、その他の各種総菜を例示することができる。
【0014】
上記本発明のペプチド又はその塩を含有する食品素材は、肉塊や残肉・屑肉を原料として安価かつ大量に調製することができる。例えば、肉塊を原料とする場合、肉塊より脂肪組織及び結合組織を除去したものをグラインドし、得られた挽肉にほぼ4倍量の水と適量のプロテアーゼを添加し、サイレントカッター等で攪拌し、37℃で12〜18時間反応させて本発明のペプチドを生成せしめた後、98℃で10分間加熱して、プロテアーゼを失活させ、次いで必要に応じて濾過・精製することにより、本発明のペプチドを含有する食品素材を調製することができる。また、残肉・屑肉を原料とする場合、まずこれら残肉・屑肉をグラインドし、得られた挽肉に塩溶液(例えば0.5M NaCl溶液)を加え、サイレントカッター等で攪拌して、ミオシン、アクチン等の塩溶性タンパク質を抽出した後、遠心分離あるいは濾過により不溶物を除去し、抽出溶液に4〜5倍量の水を加えて塩濃度を低下せしめることにより、ミオシン、アクチン等の塩溶性タンパク質を析出させ、遠心分離あるいは濾過により不溶物として回収した不溶性のタンパク質に対して、以下上記肉塊の場合と同様に、プロテアーゼ処理等を行うことにより、本発明のペプチドを含有する食品素材を調製することができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、特に断らない限り、実施例中に示された“%”は重量%を表す。
実施例1[アンジオテンシンI変換酵素阻害活性を有するペプチドの単離]
(豚骨格筋から不溶性タンパク質の調製)
豚骨格筋(大腿二頭筋)を細切し、脂肪や結合組織をできるだけ取り除いたもの100gに蒸留水200mlを加え、ほぼ均一になるまでホモジナイズした。これを目の細かい金網に通して細切されなかった塊を除去した後、濾紙を用いて濾過した。濾過後、さらに蒸留水で濾液が無色になるまで濾紙上の不溶物を洗浄した。洗浄後、濾紙上の不溶物を集め、凍結乾燥により粉末状の豚骨格筋不溶性タンパク質を得た。また、かかるタンパク質に含まれる主要なタンパク質は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により、ミオシンとアクチンであることを確認した。
【0016】
(豚骨格筋不溶性タンパク質画分からのペプチドの生成)
上記豚骨格筋不溶性タンパク質10gに蒸留水90mlを加え、均一になるまで攪拌した。プロテアーゼとしては8種類、すなわちサーモリシン(SIGMA社製)、プロテイナーゼK(MERCK社製)、プロナーゼE(MERCK社製)、フィチン(東京化成工業社製)、パパイン(東京化成工業社製)、トリプシン(和光純薬社製;2000units/g)、α−キモトリプシン(和光純薬社製;牛膵臓製)及びペプシン(和光純薬社製;1:10,000)をそれぞれ単独に用いた。上記不溶性タンパク質懸濁液に上記プロテアーゼの1種を10mg添加して溶解させた後、37℃で18時間反応させ、ペプチドを生成させた。反応終了後、溶液を98℃で10分間加熱して、プロテアーゼを失活させた。遠心分離により大部分の不溶物を取り除き、さらにメンブランフィルターを通し、微細な粒子を除去し、8種類のペプチド溶液を得た。アンジオテンシンI変換酵素阻害活性の測定には、かかるペプチド溶液を蒸留水で10倍希釈した8種類の試料溶液を用いた。
【0017】
(ミオシンからのペプチドの生成)
豚ミオシン(SIGMA社製)10mgに蒸留水10mlを添加して懸濁させ、この懸濁液に前記8種のプロテアーゼ(サーモリシン、プロテイナーゼK、プロナーゼE、フィシン、パパイン、トリプシン、キモトリプシン、ペプシン)1mgを用いて、前記豚骨格筋不溶性タンパク質の場合と同様にして、8種類のペプチド溶液を得た。アンジオテンシンI変換酵素阻害活性の測定には、これらペプチド溶液を蒸留水で10倍希釈した8種類の試料溶液を用いた。
【0018】
(アンジオテンシンI変換酵素阻害活性の測定方法)
アンジオテンシンI変換酵素阻害活性の測定は、合成基質である馬尿酸−L−ヒスチジル−ロイシン(SIGMA社製)を用いてアンジオテンシンI変換酵素が基質の末端ジペプチドのL−ヒスチジル−L−ロイシンを選択的に切断することを利用して、遊離する馬尿酸を抽出し、比色する方法で実施した。試験管に測定しようとする試料溶液(ペプチド溶液)を0.015ml入れ、これに0.125mlの基質溶液(608mM食塩を含む0.1Mホウ酸緩衝液pH8.3を用いて7.6mMになるように馬尿酸−L−ヒスチジル−ロイシンを溶解させたもの)を添加し、37℃で5分間保温した。その後、0.05mlの酵素溶液(SIGMA社製アンジオテンシンI変換酵素を蒸留水に50単位/mlになるように溶解させたもの)を添加し、37℃で30分間反応させた。1N塩酸0.125mlを添加して反応を停止させた後、酢酸エチル0.75mlを加え、酢酸エチル中に抽出された馬尿酸を228nmの吸光度を測定することにより定量した。かかる試料溶液の吸光度を“S”、試料溶液に代えて同量の蒸留水を用いた対照の吸光度を“B”、反応開始前の吸光度を“C”とし、アンジオテンシンI変換酵素阻害率を次式により算出した。
阻害率(%)=(B−S)÷(B−C)×100
【0019】
(アンジオテンシンI変換酵素阻害活性の測定結果)
豚骨格筋不溶性タンパク質を各種プロテアーゼで分解して調製した前記8種類の試料溶液、及びミオシンを各種プロテアーゼで分解して調製した前記8種類の試料溶液のアンジオテンシンI変換酵素阻害活性を表1に示す。豚骨格筋不溶性タンパク質にサーモリシン、プロテイナーゼK、パパイン、プロナーゼEを作用させた試料溶液が70%以上の阻害活性を有し、またミオシンにサーモリシン、キモトリプシンを作用させた試料溶液が70%以上の阻害活性を有していた。
【0020】
【表1】
【0021】
(アンジオテンシンI変換酵素阻害ペプチドの精製)
豚ミオシン(SIGMA社製)100mgに蒸留水100mlを加え、懸濁させた。これに10mgのサーモリシンを添加して溶解させた後、37℃で18時間反応させ、ミオシンからペプチドを生成させた。反応終了後、98℃で10分間加熱して、サーモリシンを失活させた。遠心分離により大部分の不溶物を除去し、さらにメンブランフィルターを通し、微細な粒子を取り除いてペプチド溶液を得た。得られたペプチド溶液からのアンジオテンシンI変換酵素阻害ペプチドの精製は逆相高速液体クロマトグラフィーにより行った。すなわち、カラムに資生堂製CAPCELLPAK C18 UG1204.6×150mmを用い、溶出液A(0.1%トリフルオロ酢酸を含む蒸留水)から溶出液B(0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル)への直線濃度勾配系で溶出を行った。
【0022】
(ペプチドの構造決定)
精製したペプチドのアミノ酸配列は、自動エドマン分解法(気相法)によるN末端アミノ酸分析により決定した。自動分析装置としてアブライドバイオシステムズ社製プロテインシークエンサーモデル470Aを利用した。操作は製品マニュアルの記載に従って行い、試薬類はすべてアブライドバイオシステムズ社指定のものを用いた。ミオシンのサーモリシン分解物を試料とする逆相高速液体クロマトグラフィーを行った際に得られたクロマトグラムを図1に示す。溶出液を5分間隔で採取し、アンジオテンシンI変換酵素阻害活性を測定した結果、25〜30分の画分に最も高い活性が認められた。この画分を再度、同条件で高速液体クロマトグラフィーに供した際のクロマトグラムを図2に示す。溶出時間26.3分付近と27.7分付近の矢印を付けた2本のピークの部分(1)及び(2)に高いアンジオテンシンI変換酵素阻害活性が検出された。
【0023】
次に、これらの部分を採取し、構造解析を試みたところ、数種のペプチドが混在することがわかったため、さらに溶出液C(0.015%アンモニアを含む蒸留水)から溶出液D(0.015%アンモニアを含むアセトニトリル)への直線濃度勾配系によるアルカリ性溶出液を用いた逆相高速クロマトグラフィーを実施した。図2のピーク(1)の画分に含まれるアンジオテンシンI変換酵素阻害活性を示すペプチドは、アルカリ性溶出液を用いた場合、溶出時間26.5分付近に検出された。一方、図2のピーク(2)の画分に含まれる阻害活性ペプチドは、アルカリ性溶出液を用いた条件では、7.1分付近に溶出された。上記アルカリ性溶出液を用いた逆相高速液体クロマトグラフィーにより、それぞれのペプチドは単一成分に精製された。
【0024】
精製した2種のペプチドの構造解析を行ったところ、いずれも5つのアミノ酸残基からなるペンタペプチドであった。これらの構造は以下のとおりである。
(1)Met-Asn-Pro-Pro-Lys(図2のピーク(1)由来)
(2)Ile-Thr-Thr-Asn-Pro(図2のピーク(2)由来)
これらのアミノ酸配列をデータベース(Swiss-Prot)を利用して検索したところ、いずれも筋肉のミオシン重鎖内に存在する配列に一致するものであった。Met-Asn-Pro-Pro-Lysはラットミオシン重鎖(80〜84残基目)、ニワトリミオシン重鎖(80〜84残基目)、ヒトミオシン重鎖(82〜86残基目)に一致した。一方、Ile-Thr-Thr-Asn-Proはラットミオシン重鎖(304〜308残基目)、ニワトリミオシン重鎖(305〜309残基目)、ヒトミオシン重鎖(306〜310残基目)に一致した。なお、アミノ酸残基の数字はいずれもN末端側からのものである。
【0025】
本発明で利用したミオシンは豚骨格筋由来のものであるが、豚ミオシン重鎖の配列は未だ確定していない。データベース(Swiss-Prot)には豚ミオシンのアミノ酸配列が一応登録されてはいるものの、本発明のペンタペプチドと完全に一致する配列は見出せなかった。しかし、登録されている豚ミオシン重鎖配列にも、Gln-Asn-Pro-Pro-Lys(79〜83残基目)とIle-Thr-Asn-Asn-Pro(303〜307残基目)という本研究のペンタペプチドとそれぞれ1残基だけ異なる配列が、ほぼ多種の動物由来のミオシンにおける場合と同一位置に存在しており、ラット、ニワトリ、ヒトでの結果からすると、1残基異なる部分はデータベースに登録されている豚ミオシン重鎖の配列を決定する際に、誤って読みとられたものと考えられる。したがって、本発明のペンタペプチドに一致する配列は豚ミオシン重鎖の79〜83残基目と303〜307残基目に存在するものと考えられる。
【0026】
実施例2[ペンタペプチド等の化学合成]
(化学合成法)
2種のペンタペプチド(Met-Asn-Pro-Pro-Lys、Ile-Thr-Thr-Asn-Pro)及びこれらの配列の中に含まれる6種のトリペプチド(Met-Asn-Pro、Asn-Pro-Pro、Pro-Pro-Lys、Ile-Thr-Thr、Thr-Thr-Asn、Thr-Asn-Pro)の化学合成はアブライドバイオシステムズ社製ペプチド合成装置モデル430Aを用い、製品マニュアルの記載に従って行った。試薬類はすべてアブライドバイオシステムズ社指定のものを使用した。ペプチド鎖を合成した後、トリフルオロメタンスルホン酸により、固相支持体から切り出した。次いで、アミノ酸側鎖の保護基を取り除き、逆相高速クロマトグラフィーにより、目的とするペンタペプチドを精製した。なお、高速液体クロマトグラフィーは、前記実施例1の酸性溶出液を利用した条件で行った。
【0027】
(化学合成ペプチドのアンジオテンシンI変換酵素阻害活性の測定)
アンジオテンシンI変換酵素阻害活性の測定は、前記実施例1記載の方法と同様にして行った。また、阻害率50%のときのペプチド濃度をIC50値とした。化学合成により調製した2種のペンタペプチドと6種のトリペプチドの分子量とアンジオテンシンI変換酵素阻害活性を表2に示す。合成したペプチドの質量分析計(FAB−MAS)により測定した分子量の値は、化学構造から算出した値にほぼ一致しており、目的ペプチドの合成が問題なく行われたものと判断した。アンジオテンシンI変換酵素阻害活性は、トリペプチドMet-Asn-Proで最も高かった。
【0028】
【表2】
【0029】
(化学合成ペプチド等の血圧降下作用)
上記2種のペンタペプチド及びこれらの配列の中に含まれる6種のトリペプチドの血圧降下作用について、自然発症高血圧ラットを用いて調べた。これら合成ペプチドをそれぞれ自然発症高血圧ラット(日本チャールズリバー社、1群5匹、18〜27週齢、雄)に胃ゾンデを用いて強制投与した。ペプチド投与量はラット体重1kgあたり1mgとし、投与容量は1匹あたり1mlとした。また、実施例1において調製されたミオシンのサーモリシン分解物の投与も行った。サーモリシン分解物としては、実施例1における蒸留水での希釈前のペプチド溶液を凍結乾燥させたものを用い、投与量はラット体重1kgあたり30mgとした。なお、生理食塩水を経口投与したものを対照とした。胃ゾンデによる投与を行ってから6時間後の尾動脈における最高血圧値を測定し、投与直前の最高血圧値を減じた値を算出し、変動値(血圧降下値)とした。血圧測定は非観血式血圧測定装置(ソフトロン社製、BP−98A)を用い、テイル・カフ(tail cuff)法により行った。結果を表3に示す。いずれの試料においても、投与6時間後に血圧降下が測定されたが、これらのうち、2種のペンタペプチド(Met-Asn-Pro-Pro-Lys、Ile-Thr-Thr-Asn-Pro)と2種のトリペプチド(Met-Asn-Pro、Pro-Pro-Lys)、及びミオシンのサーモリシン分解物の投与では、有意(P<0.01)な血圧降下が認められた。
【0030】
【表3】
【0031】
【発明の効果】
本発明によると、食肉を原料とすることにより、血圧降下作用等の機能性を有するペプチドを低コストで得ることができる。また本発明のペプチドは、食肉由来のペプチドであることから、安全性が高く、医薬用組成物として利用しうるばかりでなく、血圧降下作用等を有する付加価値の高い機能性食品を作る素材としても有用である。
【0035】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ミオシンのサーモリシン分解物を試料とする逆相高速液体クロマトグラフィーを行った際に得られたクロマトグラムを示す図である。
【図2】 図1に示される活性画分を再度逆相高速液体クロマトグラフィーに供した際のクロマトグラムを示す図である。
Claims (7)
- 下記(1)〜(5)のいずれかで表されるアンジオテンシンI変換酵素阻害活性を有するペプチド又はその塩。
(1)Met-Asn-Pro-Pro-Lys
(2)Met-Asn-Pro
(3)Asn-Pro-Pro
(4)Ile-Thr-Thr-Asn-Pro
(5)Thr-Asn-Pro - 下記(1)〜(5)のいずれかで表されるアンジオテンシンI変換酵素阻害活性を有するペプチド又はその塩を有効成分とする医薬用組成物。
(1)Met-Asn-Pro-Pro-Lys
(2)Met-Asn-Pro
(3)Asn-Pro-Pro
(4)Ile-Thr-Thr-Asn-Pro
(5)Thr-Asn-Pro - アンジオテンシンI変換酵素阻害活性を有するペプチドが、ミオシン又はミオシンを含む原料をプロテアーゼ処理することにより得られることを特徴とする請求項2記載の医薬用組成物。
- ミオシンを含む原料が、畜肉の筋原繊維構成タンパク質であることを特徴とする請求項3記載の医薬用組成物。
- プロテアーゼが、サーモリシン、プロテイナーゼK、プロナーゼE及びパパインから選ばれる1種又は2種以上のプロテアーゼであることを特徴とする請求項3又は4記載の医薬用組成物。
- アンジオテンシンI変換酵素に起因する疾患の予防及び/又は症状改善剤であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか記載の医薬用組成物。
- アンジオテンシンI変換酵素に起因する疾患の予防及び/又は症状改善用の食品であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか記載の医薬用組成物。
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