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JP2952572B2 - ヒト血漿の分別中に得られる画分から免疫グロブリンを回収する方法 - Google Patents

ヒト血漿の分別中に得られる画分から免疫グロブリンを回収する方法

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Publication number
JP2952572B2
JP2952572B2 JP8251895A JP25189596A JP2952572B2 JP 2952572 B2 JP2952572 B2 JP 2952572B2 JP 8251895 A JP8251895 A JP 8251895A JP 25189596 A JP25189596 A JP 25189596A JP 2952572 B2 JP2952572 B2 JP 2952572B2
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virus
protein
immunoglobulin
fraction
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ペーター・レルヒ
ジャン−ジャック・モルゲンターラー
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ROTOKUREETSUSHUTEIFUTSUNGU ZENTORARU LAB BURUTSUPENDEIENSHUTO ESU AARU KEI
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、免疫グロブリンの
調製、より詳細には高力価免疫グロブリン製剤の製造方
法に関する。この方法は、いままで通常のプラズマ分別
法では使用されなかったか、少なくとも免疫グロブリン
製剤の製造には使用されなかった画分から免疫グロブリ
ンを回収するのに利用できる。
【0002】
【従来の技術】ヒト血漿には100種類を超える種々の
タンパク質が存在する。それらのあるものは、ドナープ
ラズマのプールから分別することにより精製して、以下
に示す例のようにして治療生成物として使用できる:ア
ルブミンは、抵タンパク血症又は血液量減少における膨
張欠陥を補うのに使用され;血液凝固因子VII及びI
Xは、それぞれ血友病A及びBにおける出血予防及び治
療に使用され;免疫グロブリンは、抗体欠乏症だけでな
く突発性血小板減少性紫斑病の感染予防及び治療に使用
され;高力価の特異的免疫グロブリンを有する選択され
たドナーからの免疫グロブリンは、A型肝炎やB型肝炎
等の特異的感染の予防及び治療用高度免疫グロブリン製
剤として使用される。
【0003】治療に使用できる血漿タンパク質は、例え
ば、エタノール分別からなる公知の方法により単離でき
る(Cohn,E.G.等、J.Am.Chem.So
c.、68、459、1946;Kistler,
P.,及びNitschmann,H.、Vox Sa
ng、7、414、1962)。両方の方法を用いて、
適当な処方により経済的に臨床利用できるアルブミン又
は免疫グロブリン等の機能性血漿タンパク質を多量に単
離することができる。しかしながら、これらの方法によ
れば、通常の処理では使用することができない沈澱物及
び上清が生じる。これらの画分の組成は、大きく異な
る。
【0004】例えば、血漿を19%エタノールによりp
H5.8で沈澱させると、ヒトアポリポタンパクA−1
(apoA−1)が、ほぼ等しい部で、上清a(血漿a
poA−1の約50%)と沈澱物A(約40%)に見ら
れるのに対して、同様のタンパク質が、Kistler
及びNitschmannに準じた次の分別工程後にも
見られ、これらの画分はいままで工業的には使用されな
かった:沈澱物IV及び沈澱物B(各々約40%)(L
erch等、Protides of theBiol
ogical Fluids、36、4と09、198
9)。
【0005】銅結合タンパク質セルロプラスミンについ
ても同様な分配パターンが得られる。分別後,原料の2
0%が沈澱物IVに見られ、40%が沈澱物Bに見られ
る。トランスフェリンは、血漿タンパク質の一例である
が、これは、同様な分別法において、沈澱物IVに実質
的に100%濃縮されるのに対して、80%のアルブミ
ンは現在使用されている沈澱物Cに見られる。
【0006】免疫グロブリンの50〜60%は、Kis
tler−Nitschmann又はCohn分別によ
り沈澱GGで回収できる。残りの30〜40%は、これ
らの方法では、沈澱物IV(5%)、沈澱物B(30
%)及び濾液GG(5%)に分配される。上記した%
は、分配の大きさの順番を示すためのものであり、これ
らの値には限定されず、使用条件や方法によって異なる
ことがある。
【0007】これらの例は、場合によっては、かなりの
量の治療に使用できるタンパク質が画分沈澱物IV、沈
澱物B、上清c及び上清GGや、Cohnに準じた血漿
分別の対応画分(画分IV−1、画分II+III、上
清V及びII−1、2)に見出されることを示してい
る。倫理的な面だけでなく、ヒト血漿及びある種の血漿
成分が世界的に不足していることから、いままでそれほ
ど高くなかった免疫グロブリンの収率を向上させる必要
がある。
【0008】免疫グロブリンは、感染防止に重要な役割
を果たしている。ウイルス特異的中性抗体は細胞レセプ
ターへのウイルスの吸着をブロックして感染を防止し、
バクテリア特異的抗体は病原体を食菌して、それを好中
球及びマクロファージにより除去し且つ殺生する。数千
のドナーからのプラズマプールは、極めて数多くの異な
る特異性を有する免疫グロブリンを含有し、したがっ
て、このようなプールから免疫グロブリン製剤も、ウイ
ルス、バクテリア及びトキシンのエピトープだけでなく
自己抗原に対しても測定可能な力価を有する免疫グロブ
リンを含有する。したがって、これらは、数多くの感染
に対してや、極めて多種多様な病態においても効果があ
る。しかしながら、現在においては、ある種の状況下に
おいて、高力価の特異的抗体を有する免疫グロブリン製
剤(いわゆる、高度免疫グロブリン製剤)を使用するこ
とが望ましい。いままで、このような製剤は、多くの時
間と費用をかけて力価の増加した特異的抗体を有するド
ナーの特殊なプラズマプールから調製されてきた。種々
の理由から、これには困難が伴う。もし、抗B型肝炎製
剤のように、認められたワクチン法がある場合には、ド
ナーへの接種及び選択を行い、且つドナーからの血を別
個に処理しなければならない。しかしながら、数多くの
他の適用の場合には、倫理上の理由から、ドナーの免疫
化は行うことができない。ここで可能なことは、例外的
にしかないが、関与するドナーを選択して(例えば、特
定の疾病から回復した後のドナー)高力価の血液を得
て、これらのドナーから得た血液を処理して製剤を得る
しかない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、工業的な血漿分別の実施中に得られるいままで
ほとんど利用されていなかった上記した画分及び沈澱物
から単離でき、それから有価な免疫グロブリン製剤を製
造できる免疫グロブリンの回収方法を提供することであ
る。この方法は、続いて、高度免疫グロブリンに相当す
るこれらの製剤を処理して、十分に許容されるとりわけ
静脈内(IV)にできる、ウイルス耐性、液状又は凍結
乾燥製剤にできるものでなければならない。
【0010】
【課題を解決するための手段】今般、従来法とは異なる
方法により高度免疫グロブリン製剤又は高力価免疫グロ
ブリン製剤を製造できることが分かった。この新規な方
法によれば、一般的なプラズマプールから得た免疫グロ
ブリンが使用され、「廃」画分の使用による有価原料血
漿の探索性が向上し、さらには、従来の製剤よりも特異
的活性のはるかに高い高度免疫グロブリンを製造でき
る。このことは、少量IV投与及び少量IV投与タンパ
ク質により、即ち、対応してレシピエントへの負担が低
い状態で、高ドースの特異的免疫グロブリンを短時間で
得ることができることを意味する。これは、本発明にお
いて、固定化抗原への吸着による特異的免疫グロブリン
の濃縮、即ち、処理された「廃」画分をアフィニティー
クロマトグラフィーに使用することにより可能となる。
【0011】このため、本発明による高免疫グロブリ
ン製剤の製造方法は、プラズマプールから血漿を分別す
ることにより、ポリクローナル免疫グロブリンGを含
する少なくとも一つの画分を分離し、少なくとも一つの
残留画分を得る工程と;前記工程(a)で得られた残留
画分又はそのサブ画分に含有されるタンパク質成分から
タンパク質溶液を調製する工程と;得られたタンパク質
溶液を少なくとも一種のリガンドからなる固定化リガン
ドを用いたアフィニティークロマトグラフィーに少なく
とも一回附して、特異的血漿タンパク質を天然若しくは
組み換え抗原、ウイルス抗原、バクテリア抗原又は細胞
抗原からなる群から選択される該固定化リガンドに結合
させ、そして結合血漿タンパク質を取り出す工程;及び
得られた血漿タンパク質から高度免疫グロブリン製剤を
調製する工程とを含んでなる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明においては、プラズマ分別
工程で得られた画分、特に廃画分を、まずアフィニティ
ークロマトグラフィーに利用できるように処理する。画
分の由来に応じて、この処理は大きく異なってよい。即
ち、例えば、上清GGは、沈降濃縮させ、適当な緩衝液
に対して透析し、濾過できる。一方、沈澱物又は濾過ケ
ーキ(このような原料は、以下の表1及び2に挙げられ
ている)は、まず適当に懸濁させる。即ち、イオン強
度、pH及び/又は温度を変化させたり、洗浄剤及び塩
を添加することにより懸濁して、免疫グロブリンが特異
的に可溶化されるようにする。これらは、例えば、pH
3〜9、コンダクタンス5〜20mS/cm、4℃の条
件で一晩攪拌後、遠心分離及び/又は濾過により清澄化
する。上清と懸濁液の両方とも、この段階で、Horo
witz(Thrombosis andHaemos
tasis、65、1163、1991)の溶媒−洗浄
剤法、メチレンブルー法(Mohr等、Infusio
nsther.Infusionsmed.20、19
〔1993〕)又は他の方法により、ウイルス不活性化
する。また、懸濁後に、免疫グロブリンを、カラム中か
適当な濾過助剤若しくは水酸化アルミニウム等の吸着剤
を用いた処理によるマトリックスへの予備吸着による予
備精製や、タンパク質A又はGを用いたクロマトグラフ
ィーによる濃縮や、硫酸アンモニウム、ポリエチレング
コール若しくはエタノール沈澱からなる一般的な方法に
よる一種以上の沈澱、又はそれらを組み合わせた精製、
濃縮又は妨害成分の減少操作に附することができる。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】本発明のアフィニティークロマトグラフィ
ーのリガンドとして使用可能なものの例を以下に示す:ヘモフィルス インフルエンザb( Haemophil
us influenza b黄色ブドウ状球菌スタフィロコッカス エピデルミディス( Staphy
lococcus epidermidisスタフィロコッカス アガラクティエ( Staphyl
ococcus agalactiaeスタフィロコッカス ニューモニエ( Streptoc
occus pneumoniaeスタフィロコッカス ピオゲネス( Streptoco
ccus pyogenes、 及び他の病原性菌株; 破傷風毒素、黄色ブドウ状球菌トキシックショックトキシン(tox
ic shock toxin) 、 及びさらなる病原性バクテリア又は他の毒素; A型肝炎ウイルス、 B型肝炎ウイルス、 C型肝炎ウイルス、 水痘−帯状疱疹ウイルス、 サイトメガロウイルス、RSウイルス、 B19パルボウイルス、 1型単純ヘルペスウイルス、 2型単純ヘルペスウイルス、 狂犬病ウイルス、 及び他の病原性ウイルス; CD2、CD3、CD4、 CD5、CD28、CD40、CD72、 ICAM、LFA−1、LFA−3、DNA、 及び他の潜在ヒト自己抗原、の抗原決定基。
【0016】自体公知の方法により変性又は未変性リガ
ンド(このようなリガンドの例は、上記に挙げてある)
を固定化して調製したアフィニティーゲルに、濃縮形態
又は希釈形態の処理上清及び懸濁液をローディングし、
必要に応じて、フローを繰り返しローディングする。所
望ならば、種々のアフィニティーゲルを、同じ懸濁液で
順次活性化してもよい。その後、ゲルを、非特異的結合
タンパク質がほとんど又は十分な程度に除去されるよう
に洗浄する。これは、例えば、生理食塩水濃度の増加、
洗浄剤の添加及び/又は洗浄液のpHを変えることによ
り行うことができる。この時点で、結合タンパク質を、
リガンドから、例えば、低pH若しくは高pHでの溶
出、チオシアン酸ナトリウム若しくは塩化マグネシウム
等のカオトロピー生理食塩水、SDS若しくは尿素等の
変性剤、エチレングリコール等の溶媒の添加、温度の変
更又は上記の手法の組み合わせにより分離する。
【0017】場合によっては、固定化されるリガンドを
突然変異誘発又は化学的若しくは物理的方法により、特
異的免疫グロブリンがそれらのエピトープにまだ結合で
きるが親和性が減少するように変性して、溶出が未変性
リガンドを用いたときよりも穏やかな条件下で行うこと
ができるようにするのが望ましいことがある。また、リ
ガンドの変性は、それらの固定化及び/又はエピトープ
の提供を容易にしたり向上させたりするために行っても
よい。アフィニティークロマトグラフィーの技術的な詳
細及び基本原理については、一般的に、Cuatrec
asas,P.,and Anfinsen,C.B.
(1971)、Ann.Rev.Biochem.4
0、259;Kull,F.C.,及びCuatrec
asas,P.(1981)、J.Immunol.1
26、1279;Liebing等、(1994)、V
ox Sang.67、117に記載されている。
【0018】特異的な分離免疫グロブリンは、必要に応
じてさらに濾過によりウイルスを除去後、処理して、好
ましくはIVで投与でき、且つ発熱物質を含有せず、耐
ウイルス性であり、アルブミン、アミノ酸又は炭水化物
等の安定化剤の添加状態若しくは添加することなく安定
である液状又は凍結乾燥形態の最終生成物とする。
【0019】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施態様を実施例に
より説明するが、本発明はこれらの実施例には限定され
ない。 実施例1 組み換えB型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg、Ab
bott Diagnostics)5mgを、製造業
者(スエーデン、UppsalaにあるPharmac
ia Biotech社)記載の方法に準じて活性化C
H−セファロースの1mlに第一アミノ基のカプリング
を介して固定することにより、HBsAg−セファロー
スを調製した。HBsAgを添加することなく別のゲル
アリコットを用いて同様のカプリング法を実施すること
により、「プラセボ」−セファロースを調製した。完成
したゲルを、0.02%NaN3 含有PBSに4℃で保
存した。
【0020】Kistler−Nitschmannプ
ラズマ分別(NBロット4.030.216)から得ら
れた沈澱物B70gを、Rotary Mix装置を用
いて、100mMクエン酸、pH4.0、0.25%T
riton X−100、10mM N−エチルマレイ
ミド(NEM)、1mMフェニルメチルスルホニルフル
オリド(PMSF)(4℃)210mlに一晩懸濁し
た。遠心分離(5000g、4℃、10分間)及び濾過
(孔サイズ:1.2μm)により不溶分を分離後、Ho
rowitz等(Thrombosis and Ha
emostasis、65、1163、1991)に準
じて、中性pHで1%トリ−n−ブチルホスフェート
(ドイツ国ダームシュタットにあるMerck社)及び
1%Triton X−100を添加し、攪拌しながら
30℃で4時間インキュベーションした。次に、37℃
で一晩相分離し、透明下相を除去し、0.45μmフィ
ルターにより濾過し、4℃で保存した。
【0021】このようなNB懸濁液130mlをPBS
(リン酸緩衝生理食塩水:150mM NaCl、10
mMリン酸ナトリウム、pH7.1)280mlで希釈
し、ポンプを用いて4℃でプラセボ−セファロースカラ
ムを通過させた後、HBsAg−セファロースカラムを
通過させ、カラム通過後貯蔵容器に戻るようにした。流
量8ml/時間で144時間行った。このようにして、
NB懸濁液を、ポンプを用いて、カラムを合計3回通過
させた。90時間後、ローディングを中断し、カラムを
個々にまずPBSで洗浄後、200mM NaCl、5
0mMトリス−HCl、pH7.4で、洗液の光学濃度
が280nm(OD280 )で0.01未満となるまで洗
浄した。活性化完了後、PBS及び200mM NaC
l、50mMトリス−HCl、pH7.4を用いて再び
洗浄した。結合タンパク質を、200mMグリセリン−
HCl、pH2.5 5mlを用いて分離し、直ちに中
和し、処理した。
【0022】
【表3】
【0023】実施例2 Cohn画分II+III(原料としての血漿の代わ
り)から、Kistler−Nitschmann分別
を実施した。このKistler−Nitschman
n分別から得た沈澱物B(NBロット4.044.48
8)70gを、Rotary Mix装置を用いて、1
00mMクエン酸、pH4.0、0.25%Trito
n X−100、10mM NEM、1mM PMSF
(4℃)210mlに一晩懸濁した。超遠心分離による
清澄化及び部分脱脂後(100,000g、3時間、4
℃:透明相を、チューブの側面からシリンジを突き刺し
て取り出した)、上清を濾過(0.45μm)し、4℃
で保存した。
【0024】このNB懸濁液125mlを375mlの
PBS(0.1M NaOHでpHを7.1に調整)で
希釈し、濾過し、実施例1と同様にして、ポンプを用い
て、まず実施例3と同様にして調製したプラセボ−セフ
ァロースゲルにローディング後、HBsAg−セファロ
ースゲルにローディングした。次に、ぞれぞれのゲルを
別個に、PBS及び200mM NaCl、50mMト
リス−HCl、pH7.4で洗浄した。結合タンパク質
を、200mMグリセリン−HCl、pH2.5 5m
lを用いて分離した。データを、表4にまとめて示す。
【0025】
【表4】
【0026】実施例3 上清GG(ロット番号:X95.31.286.1)3
0リットルをPBSでダイアフィルトレーションし、5
00mlに濃縮した。実施例1と同様にして、濃縮液
を、プラセボ及びHBsAgカラムに流量21ml/時
間で118時間ポンプでローディングした。カラム洗浄
及び結合タンパク質の分離を実施例1と同様にして行っ
たが、但し、500mM NaCl、50mMトリス−
HCl、pH7.4を用いた追加の洗浄工程を実施し
た。結果を、表5に示す。
【0027】
【表5】
【0028】実施例4 DEAE濾過ケーキ17.5g(ロット4.422.0
06.0)を、実施例1に準じて懸濁緩衝液52.5m
lに懸濁し、処理した。懸濁液40mlを、PBS16
0mlで希釈し、pHを7.1に調整後、濾過した。実
施例3と同様にして、懸濁液を、プラセボ及びHBsA
gカラムに流量21ml/時間で97時間ポンプでロー
ディングした。カラム洗浄及び結合タンパク質の分離
を、実施例1と同様にして行った。結果を、表6に示
す。
【0029】
【表6】
【0030】実施例5 精製破傷風トキシド(TT)11.5mgを、EAH−
セファロース(スエーデンUppsalaにあるPha
rmacia Biotech社)1mlに製造業者記
載の方法に準じて0.1M N−エチル−N’−(3−
ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド−HClを
用いてカルボキシ基のカプリングを介して固定すること
により、破傷風トキソイドC−セファロースを調製し
た。完成したゲルを、0.02%NaN3 含有PBSに
4℃で保存した。
【0031】上清GGの濃縮液を実施例3と同様にして
調製し、TT−セファロースを用いて、実施例2と同様
のアフィニティークロマトグラフィーに附した。活性化
は、4℃、流量23.5ml/時間、159時間で生じ
た。結果を、表7に示す。
【0032】
【表7】
【0033】実施例6 精製破傷風トキソイド(TT)を、製造業者(スエーデ
ン、UppsalaにあるPharmacia Bio
tech社)記載の方法に準じて活性化CH−セファロ
ース1mlに第一アミノ基のカプリングを介して固定す
ることにより、破傷風トキソイドN−セファロースを調
製した。TTを添加することなく別のゲルアリコットを
用いて同様のカプリング法を実施することにより、「プ
ラセボ」−セファロースを調製した。完成したゲルを、
0.02%NaN3 含有PBSに4℃で保存した。
【0034】沈澱物Bを実施例2に準じて懸濁した。濾
過(1.2μm)後、この懸濁液115mlを、PBS
200mlで希釈し、pHを7.1に調整し、ポンプを
用いてまずプラセボ−セファロースカラムに流量3.5
ml/時間で165時間ローディングした。この際、プ
ラセボ−セファロースカラムを通過したフローを直ちに
TTN−セファロースカラムを通過させ、その後、貯蔵
容器に戻るようにした。カラムを個々にまずPBSで洗
浄後、0.5M NaCl、50mMトリス−HCl、
pH7.1で、フローのOD28 0 が0.01未満となる
まで洗浄した。結果を、表8に示す。
【0035】
【表8】
【0036】実施例7 沈澱物Bを、実施例2に準じて懸濁した。濾過(1.2
μm)後、この懸濁液115mlを、PBS200ml
で希釈し、pHを7.1に調整し、ポンプを用いてまず
HBsAg−セファロースカラムに流量5ml/時間で
165時間ローディングした。この際、HBsAg−セ
ファロースカラムを通過したフローを直ちにTT−セフ
ァロースカラムを通過させ、その後、貯蔵容器に戻るよ
うにした。カラムを個々にまずPBSで洗浄後、0.5
M NaCl、50mMトリス−HCl、pH7.1
で、フローのOD280が0.01未満となるまで洗浄し
た。結果を、表9に示す。
【0037】
【表9】
【0038】実施例8 Kistler−Nitschmann分別(ロット番
号:5.043.303)から得られた沈澱物B 15
kgを、ビブロミキサーを用いて、0.1Mクエン酸、
pH4.0、0.25%Triton X−100、1
0mM NEM、1mM PMSF(4℃)45リット
ルに一晩懸濁した。濾過助剤を添加し、濾過(孔サイ
ズ:1.2μm)により不溶分を分離後、Horowi
tz等に準じて、中性pHで1%トリ−n−ブチルホス
フェート及び1%Triton X−100を添加して
脱脂及びウイルス不活性化し、攪拌しながら30℃で4
時間インキュベーションした。その後、37℃で一晩相
分離し、透明下相をポンプで取り出し、0.45μmフ
ィルターにより濾過し、4℃で保存した。
【0039】このNB懸濁液40リットルのpHをNa
OHで7.1に調整し、ポンプを用いて4℃でHBsA
gカラム及び破傷風トキソイドAffiprepカラム
にローディングした。この際、カラムからのフローは、
貯蔵容器に戻るようにした。Affiprepカラム
(50×13mm)は、250mgの組み換えHBsA
gと破傷風トキソイドをそれぞれAffiprepゲル
(米国、94547、カルホルニア州ヘラキュレスにあ
るBio Rad Lab社)でカプリングすることに
より調製した。流量6リットル/時間で62時間行っ
た。このようにして、NB懸濁液を、ポンプを用いて、
カラムを合計3回通過させた。活性化完了後、カラムを
個々にまずPBSで洗浄後、500mM NaCl、5
0mMトリス−HCl、pH7.4で、洗液の光学濃度
が280nm(OD280 )で0.01未満となるまで洗
浄した。結合タンパク質を、200mMグリシン−HC
l、pH2.5を用いて分離し、画分をのpHを直ちに
5.2に調整した。結果を、表10にまとめて示す。I
gG含有画分をプールし、ダイアフィルトレーション
し、濃縮し、20mM NaClで100IU/ml及
び2.5mg抗−TT−IgG/mlの溶液とすること
により、免疫グロブリンを処理して安定な製剤とした。
10%ショ糖を添加し、溶液を、200IU単位及び5
mgの抗−TT−IgGに凍結乾燥した。 実施例9 Kistler−Nitschmannプラズマ分別か
ら得た沈澱物IV 50gを、水500mlに懸濁し
た。pHをクエン酸で5.0に調整し、NaClコンダ
クタンスを13mSに調整した。4℃で一晩攪拌後、3
0,000gで30分間遠心分離することにより清澄化
及び部分脱脂した。分離したタンパク質、IgM、Ig
A、IgG、トランスフェリン及びセルロプラスミンの
懸濁液中含量を測定した。結果を、表11に示す。
【0040】
【表10】
【0041】
【表11】
【0042】実施例10 Kistler−Nitschmannプラズマ画分
(ロット番号:4030.204.0)から得た沈澱物
B50gを100mMクエン酸に添加したものを、種々
のpH及び温度4℃で一晩攪拌し、100,000g、
4℃で3時間超遠心分離して清澄化し、部分脱脂した。
透明な中央相を取り出し、その分離したタンパク質、I
gM、IgA、IgG、トランスフェリン及びセルロプ
ラスミン含量を測定した(表12)。
【0043】
【表12】
【0044】一定のウイルス抗原(表13)及びバクテ
リア抗原(表14)に対するIgGの力価を測定し、原
料プラズマ及び既存の免疫グロブリン製剤における力価
と比較した。
【0045】
【表13】
【0046】
【表14】
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、免疫グロブリン、特に高度免疫グロブリン
が、通常の工業的な血漿分別の実施中に得られるが、い
ままで廃画分として使用されなかったが、少なくとも免
疫グロブリン製材の製造には使用されなかった画分から
製造できる。本発明の方法によれば、続いて、高度免疫
グロブリンに相当するこれらの製剤を処理して、十分静
脈内(IV)投与でき、ウイルス耐性、液状又は凍結乾
燥形態の製剤とすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ペーター・レルヒ スイス国 ベルン、ローゼンヴェーク 20 (72)発明者 ジャン−ジャック・モルゲンターラー スイス国 ボール、エーシヴェーク 9 (56)参考文献 特開 昭60−1134(JP,A) 特開 昭59−118718(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 39/395 B01D 15/08 C07K 1/22 C07K 16/18 BIOTECHABS(STN) CA(STN) MEDLINE(STN)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の工程からなることを特徴とする
    免疫グロブリン製剤の製造方法 (a)プラズマプールから血漿を分別することにより、
    ポリクローナル免疫グロブリンGを含有する少なくとも
    一つの画分を分離し、少なくとも一つの残留画分を得る
    工程; (b)前記工程(a)で得られた残留画分又はそのサブ
    画分に含有されるタンパク質成分からタンパク質溶液を
    調製する工程; (c)得られたタンパク質溶液を少なくとも一種のリガ
    ンドからなる固定化リガンドを用いたアフィニティーク
    ロマトグラフィーに少なくとも一回附して、特異的血漿
    タンパク質を天然若しくは組み換え抗原、ウイルス抗
    原、バクテリア抗原又は細胞抗原からなる群から選択さ
    れる該固定化リガンドに結合させ、そして結合血漿タン
    パク質を取り出す工程;及び (d)得られた血漿タンパク質から高度免疫グロブリン
    製剤を調製する工程。
  2. 【請求項2】血漿の分別を工業的規模で行い、残留画分
    が廃画分である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記工程(a)による残留画分が沈澱物又
    は濾過ケーキであり、前記沈澱物又は濾過ケーキをイオ
    ン強度<5M、pH3.0〜9.0の水性緩衝液で処理
    することにより前記タンパク質成分を溶液状態として、
    溶液又は懸濁液を形成する請求項1又は2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】前記緩衝液がリン酸緩衝液、トリス−HC
    l緩衝液又はクエン酸緩衝液である請求項3に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】前記緩衝液が洗浄剤、一種以上のプロテア
    ーゼインヒビター及び/又は塩を含有する請求項3又は
    4に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記溶液又は懸濁液を濾過するか、水酸化
    アルミニウム吸着剤又はDEAE含有吸着剤で前処理す
    る請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記溶液又は懸濁液を硫酸アンモニウム、
    ポリエチレングリコール又はエタノールと反応させて沈
    澱物を生成し、上清又は沈澱物をさらに処理する請求項
    3〜5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】工程(a)による残留画分が上清であり、
    前記タンパク質溶液を、ダイアフィルトレーションによ
    濾過及び濃縮により調製する請求項1又は2に記載の
    方法。
  9. 【請求項9】前記上清を濾過するか、水酸化アルミニウ
    吸着剤又はDEAE含有吸着剤で前処理する請求項8
    に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記リガンドが、ヘモフィルス インフ
    ルエンザb(Haemophilus influen
    za b黄色ブドウ状球菌スタフィロコッカス
    エピデルミディス(Staphylococcus e
    pidermidisスタフィロコッカス アガラ
    クティエ(Staphylococcus agala
    ctiaeスタフィロコッカス ニューモニエ(
    treptococcus pneumoniae
    スタフィロコッカス ピオゲネス(Streptoco
    ccus pyogenes、破傷風毒素、黄色ブド
    ウ状球菌トキシックショックトキシン(toxic s
    hock toxin)、A型肝炎ウイルス、B型肝炎
    ウイルス、C型肝炎ウイルス、水痘−帯状疱疹ウイル
    ス、サイトメガロウイルス、RSウイルス、B19パル
    ボウイルス、1及び2型単純ヘルペスウイルス、狂犬病
    ウイルス、潜在ヒト自己抗原CD2、CD3、CD4、
    CD5、CD28、CD40、CD72、ICAM、L
    FA−1、LFA−3、DNA、及びリン脂質の抗原決
    定基から選択される請求項に記載の方法。
  11. 【請求項11】前記リガンドが突然変異誘発又は化学的
    若しくは物理的方法により変性されたものである請求項
    0に記載の方法。
  12. 【請求項12】得られた前記高免疫グロブリン製剤
    が、クラスG、A若しくはM又はそれらの組み合わせの
    免疫グロブリンのみからなる請求項1〜1のいずれか
    1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】得られた前記高免疫グロブリン製剤を
    ウイルス不活性化し、必要に応じて安定化し、アルブミ
    ン、アミノ酸又は炭水化物から選択される安定剤を添加
    し、及び/又は得られた生成物を凍結乾燥する請求項1
    〜1のいずれか1項に記載の方法。
  14. 【請求項14】得られた前記高度免疫グロブリン製剤
    を、静脈内、筋肉内又は局所投与できる製剤から選択さ
    れる薬学的に許容される生成物に転化する請求項1〜1
    のいずれか1項に記載の方法。
  15. 【請求項15】高力価免疫グロブリン製剤の製造方法で
    あって、以下の工程を順次実施することを特徴とする製
    造方法: (a)血漿の分別中に得られる残留画分又はそのサブ画
    分のタンパク質成分からタンパク質溶液を調製する工
    程; (b)得られたタンパク質溶液を少なくとも一種のリガ
    ンドからなる固定化リガンドを用いたアフィニティーク
    ロマトグラフィーに少なくとも一回附して、特異的血漿
    タンパク質をリガンドに結合させ、そして結合血漿タン
    パク質を分離し、得られた血漿タンパク質を活性成分と
    して高力価免疫グロブリン製剤に転化させる工程。
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