JP2825223B2 - 非磁性一成分トナーおよび現像方法 - Google Patents
非磁性一成分トナーおよび現像方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
[発明の目的]
(産業上の利用分野)
本発明は、電子写真装置または静電記録装置におい
て、感光体もしくは、誘電体上に形成された静電潜像を
可視像化するための非磁性一成分トナーに関する。 (従来の技術) 電子写真装置または静電気録装置において、感光体も
しくは誘電体等から静電潜像保持体上に形成された静電
潜像を可視像化するために、従来から、トナーとキャリ
アからなる二成分現像やトナーのみからなる一成分現像
が広く用いられている。 これら電子写真法としては、米国特許第2,297,691号
明細書、特公昭42−23910号公報(米国特許第3,666,363
号明細書)、特公昭43−24748号公報(米国特許第4,07
1,361号明細書)、米国特許第3,909,258号、同第4,121,
931号、同第2,895,847号、同3,152,012号、特公昭和41
−9475号、同45−2877号、同54−3624号等に記載されて
いる如く、多数の方法が知られているが、一般には、光
導電性物質を利用した感光体上に、種々の手段により電
気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像
し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した
後、加熱、圧力あるいは溶剤蒸気などにより定着してコ
ピーを得るものである。 従来、このような電子写真法の各種形態を含めて静電
荷像の現像に用いられるトナーは、一般に、熱可塑性樹
脂中に、着色材、その他の添加剤を溶融混合し、均一に
分散した後、固化物を微粉砕、分級して、所望の粒径の
着色微粒子として製造されていた。 そしてこの種のトナーは、微粉末状のキャリヤととも
に二成分現像剤として使用されていたが、この二成分現
像剤には以下に示すようないくつかの欠点があった。 トナーは、トナーとキャリア間の相互摩擦により摩
擦電荷を受けとるが、長期にわたり使用していると、キ
ャリア表面がトナーの組成物によって汚染されて充分な
電荷を獲得できなくなる。 トナーとキャリアを所定範囲の混合比に調整する必
要があるが、長期にわたり使用していると、その混合比
が変動して所定範囲から外れてしまい良好な現像が得ら
れなくなる。 一般にキャリアとしては表面に酸化した鉄粉若しく
はガラスビーズが多用されているが、これらのキャリア
によって感光体の表面が機械的に損傷を浮け寿命が短く
なってしまう。 このようなことからトナーのみから成る一成分のトナ
ーを用いた各種の現像方法が提案されている。とりわ
け、磁性粉を含有させた磁性トナーと呼ばれるトナーを
用いた現像方法が多数提案されているが、それらのう
ち、前述した米国特許第3,909,258号、同第3,152,012号
に基づくものが実用化されている。しかしながら、これ
らの方法にも次のような欠点がある。すなわち 比較的、比抵抗の小さい磁性トナーを用いるので、
静電潜像上の現像像を普通紙等の支持部材へ静電的に転
写することが困難であり、特に、多湿の雰囲気下では充
分な転写が得られない。 トナーが多量の磁性粉を含有するので、暗色以外の
カラートナーが得られない。 このため、最近では、磁性粉を含有せず比抵抗の大き
い一成分トナーを用いた画像方法が提案されている。こ
のような画像方法としては、例えば前述した米国特許第
2,895,847号、同第3,152,012号、特公昭41−9475号、同
45−2877号、同54−3624号等に記載されているタッチダ
ウン法、インプレッション法、ジャンピング法に基づく
ものがあげられる。 しかしながら、このような一成分系トナーを用いた場
合にも、以下に述べるように、種々の問題が生じる。 このようなトナーを用いた場合には、摩擦帯電の発
生層が不十分になる。すなわちトナーとトナー担持体と
の摩擦帯電では摩擦帯電時間が短く、可視像化するに必
要な帯電量が得られない。 トナー担持体表面に極めて薄く平均にトナーを塗布
する必要があるが、このような薄い層の形成が困難であ
る。この薄い層の形成過程の一例を第1図の概略図によ
り説明する。図でトナー担持体1に対して弾性ブレード
2が100g/cm〜2,500g/cmの圧力で圧接され、トナー容器
3中のトナー4はトナー担持体1の回転により搬送され
つつ、弾性ブレード2によりトナー担持体1の表面に極
めて薄く平均に塗布される。このとき現像部において、
トナー担持体1と静電像保持体5の面との間で、直流バ
イアスあるいは交流バイアスまたは直流と交流とを重畳
したバイアスを印加することも行われる。 したがって、トナー担持体1には、流動性、耐凝集性
が良いことが要求される。しかるにトナー容器3中のト
ナー4はトナー担持体1の回転により搬送される過程
で、往々にして凝集性を帯び魂状になって、トナー担持
体1の表面にトナーが塗布されないという問題が生じ
る。 また、トナー担持体1により搬送されてきたトナー
4は、弾性ブレード2とトナー担持体1間の面圧により
これらの接触部において急激に高い圧力を受けることに
なり、このため摩擦熱が発生してトナー4を軟化させト
ナー担持体1の表面に固着して、薄く平均にトナーが塗
布されなくなるという問題も生じる。 さらに、軟化点が高くなると定着温度が高くなり、
通常の事務複写機に用いるには支障をきたすという問題
も生じる。 またさらにトナー表面積に対する摩擦帯電電荷量を
一定の範囲に制御する必要があるが、このトナーでは、
調整が難しく、安定した性能を有するトナーを再現性よ
く作製するのが困難であるといった問題も生じる。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は、以上のような様々の問題を解決するために
なされたもので、均一にトナー担持体上に薄層を形成
し、摩擦帯電量が安定で、摩擦帯電量分布がシャープ
で、かつ均一で、現像かぶりを発生させず、静電潜像を
忠実にしかも潜像のエッジ周辺へのトナー飛び散りを起
こすことなく、静電潜像を高品質に可視像化し得るとと
もに、さらにカラートナーを作成する際に、少なくとも
2種類の同極性の顔料を混合して、混合物の極性を混合
前の各顔料の極性と異なるものとすることにより、所望
の色調のカラートナーで、十分な帯電量が得られる非磁
性一成分トナーおよび現像装置を提供することを目的と
する。 [発明の構成] (問題を解決するための手段) 本発明の非磁性一成分トナーは、少なくとも熱により
軟化する樹脂と着色剤とを含むトナーにおいて、前記着
色剤が同色系または異色系の少なくとも2種類の顔料の
混合物からなり、かつ前記着色剤を構成する顔料が同極
性の少なくとも2種類の顔料の混合物であり、かつこの
混合物が混合前の前記各顔料と逆極性であることを特徴
としており、本発明の現像方法は、本発明の非磁性一成
分トナーを使用することを特徴としている。 本発明における一成分系トナーの摩擦帯電電荷量は、
ブローオフ法により測定した場合は10〜20μC/g、プロ
ジェクション法によって測定した場合には5〜15μC/g
の範囲が適当である。 なお、上記のブローオフ法による測定値は、常温、相
対湿度50%の条件下で、キャリアとしての酸化鉄粉(TE
FV−200/300:日本鉄粉社製)に、例えば複数種類の顔料
を混合した着色剤を3重量%混合し、これを400メッシ
ュの導体網にN2ガスを1kg/cm2で吹きつけ、ブローオフ
測定装置(TB−200:東芝ケミカル社製)で1分間測定し
たときの単位重量辺りの帯電量を示したものである。 またプロジェクション法による測定値は、次のように
して求めた値である。すなわち、第1図に示されるよう
に、常温、相対湿度50%で、トナー容器3から送られる
非磁性一成分トナー4を30〜50rpmで回転しているトナ
ー担持体(例えば表面を荒したAl表面にNiメッキを施し
たもの)1上に100〜250g/cm2の圧力で圧接されている
弾性ブレード(例えばステンレス製)2によりトナー担
持体表面に薄く均一に塗布し、かつトナー担持体と弾性
ブレードとトナーとの摩擦によってトナー粒子に静電像
電荷と逆極性の電荷を与える。摩擦帯電したトナー粒子
は、そのトナー担持体1回転分がトナー担持体1と同じ
回転数で逆方向に回転している静電像保持体5へ移行す
る。このとき、トナー担持体と静電像保持体の面との間
で1200Vの直流バイアスを印加する。そして帯電電荷量
は、この静電像保持体表面の帯電量を測定した値を、移
行したトナーの重量で除した値で示される。 本発明による非磁性一成分トナーを用いる潜像方法と
しては、例えば、静電潜像を表面に保持する静電潜像保
持体と、非磁性一成分トナーを表面に担持するトナー担
持体とを一定の間隔を設けて配置し、前記非磁性一成分
トナーを前記トナー担持体上に塗布し、このトナーを前
記静電潜像保持体上に移行させて前記静電像保持体表面
の静電潜像を可視化させる現像方法があげられる。 本発明の非磁性一成分トナーに使用される樹脂として
は、例えば、ポリスチレン、ポリ−P−クロルスチレ
ン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換
体の単重合体、例えばスチレン−P−クロルスチレン共
重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビ
ニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共
重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレ
ン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸
ブチル共重合体、スチレン−アクリルオクチル共重合
体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル
酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸
メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル
共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共
重合体、スチレン−アクリロニトリルインデン共重合
体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイ
ン酸エステル共重合体など、および/またはポリメチル
メタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化
ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキ
シ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、
ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、
脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、
塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが単独ある
いは混合して使用することができるが、特に正帯電コロ
イド状シリカを添加する場合には、ガラス転移点が50℃
以上、軟化点が110℃〜160℃の共重合体であって、特に
スチレン−(メタ)アクリル共重合体とアミノ基を有す
る単量体との共重合体が適している。このスチレン−
(メタ)アクリル共重合体におけるスチレンの割合は75
〜85モル%が好ましい。またアミノ基を有する単量体の
共重合体中に占める割合は、1.5〜50モル%が適当であ
る。1.5モル%に満たない場合は負帯電となり、50モル
%をこえると耐湿性に問題を生じることがある。また共
重合体についてのアミノ価は2〜25mg/gが望ましい。 上記共重合体の合成に用いられるアクリル成分あるい
はメタクリル成分としては、アクリル酸およびメチルア
クリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレー
ト、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、
イソブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキ
シルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルア
クリレート等のアクリル酸エステル、ならびにメタクリ
ル酸およびメチルメタクリレート、エチルメタクリル酸
およびメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレー
ト、ペンチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレー
ト、ヘプチルメタクリレート、オクチルメタクリレート
等のメタクリル酸エステル等従来知られているアクリル
酸およびその誘導体、メタクリル酸およびその誘導体を
すべて用いることができる。 上記共重合体の合成に用いられるアミノ基を有する単
量体としては、次の一般式で表されるメタクリル酸誘導
体が適している。 (ただしR3、R4、R5は炭素素数1〜8のアルキル基、R6
は炭素素数1〜8のアルキレン基) 上記一般式で表されるアミノ基を有する単量体として
は、例えば2−ジメチルアミノ−2−メチルプロピルメ
タクリレート、2−ジメチルアミノ−2−エチルブチル
メタクリレート、2−ジメチルアミノ−2−プロピルヘ
キシルメタクリレート、2−ジメチルアミノ−2−メチ
ルプロピルメタクリレート、2−ジエチルアミノ−2−
エチルブチルメタクリレート、2−ジエチルアミノ−2
−プロピルヘキシルメタクリレート等が例示される。 なお、スチレン−アクリル共重合体あるいは、スチレ
ン−メタクリル共重合体にアミノ基を有する単量体を共
重合させる重合開始剤としては、アゾビス(イソブチロ
ニトリル)、アゾビス2−(2−ナフチル)プロピロニ
トリルなどで代表されるニトリル系開始剤を用いること
ができる。 また本発明に用いられる着色剤としては、例えばカー
ボンブラック、ファーストイエローG、ベンジジンイエ
ロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレン
ジ、イルガジンレッド、カーミンFB、パーマネントポル
ドーFRR、ピグメント・オレンジR、リソールレッド2
G、レーキ・レッドC、ローダミンFB、ローダミンBレ
ーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリ
リアントグリーンB、フタロシアニングリーン、キナク
リドンなどの公知の着色剤が使用される。 また、本発明の非磁性一成分トナーには必要に応じ
て、各種添加剤、例えば耐オフセット特性を向上させる
ためのワックスや摩擦帯電電荷量を制御するためのポリ
アミン系、ニグロミン系等の帯電制御剤などを添加して
もよく、また表面処理剤として疎水性シリカやフッ化物
等を内添または外添してもよい。 本発明の非磁性一成分トナーを製造するには、まず、
加熱により軟化する樹脂と着色剤を、ボールミル、V型
混合機、S型混合機などの混合機で混合し、得られた混
合物を双腕ニーダー、三本ロール、コニーダー、加圧ニ
ーダーなどで、混練し、この混練物をハンマーミル、ジ
ェットミル、ボールミルなどの粉砕機で粗粉砕して風力
分級機などで分級し、所定粒径の非磁性一成分トナーと
する。また正帯電コロイド状シリカを添加した非磁性一
成分トナーを製造するには、このようにして得られたト
ナー粒子に、さらに正帯電コロイド状シリカを添加し、
前記混合機および粉砕機を用いて混合、粉砕する。さら
に得られた粉体を、風力分級機などで分級し、所定粒径
のトナーとする。 本発明の非磁性一成分トナーは、トナー粒子の摩擦帯
電量の制御を容易に行うことが可能であり、摩擦帯電量
が安定であって、第1図で説明した方法を用いて、摩擦
帯電量分布がシャープでかつ均一で、トナー担持体上
に、均一に薄膜が形成され、現像かぶりを発生させず、
静電潜像を忠実にしかも潜像のエッジ周辺へのトナー飛
び散りを起こすことなく静電潜像を高品質に可視像化す
ることができる。 (作用) 本発明の一成分非磁性トナーは、同色系または異色系
の互いに同極性の少なくとも2種の顔料混合物であっ
て、混合物の極性が混合前の各顔料の極性とは逆極性と
なるような組合わせからなる着色剤を用いることを特徴
としている。 すなわち、顔料の帯電量を測定した場合、単体では、
極性が目的とするトナーの極性と異なるために使用が不
適切となる場合があり、また帯電量制御剤を用いて帯電
量を制御すると微妙に色調が変化してしまう場合がある
が、本願発明者等の研究によると極性が同じであっても
2種以上の顔料を混合した場合に、顔料の組合わせや混
合比などの調節で着色剤全体の帯電量が変化する。 この現象を異極性の顔料を混合してなる着色剤を用い
る場合について説明する。 (参考例1) 負帯電の顔料I(セイカファストレッドGY:大日精化
製)と正帯電の顔料II(フジレッド5B:富士色素製)と
を混合比を変えて混合した場合、第2図に示すような混
合比と帯電量の関係が得られた。 次にこれらの負帯電の顔料Iと正帯電の顔料IIとを3:
2の重量比で混合し、この混合物8部と、スチレン−n
−ブチルメタクリレート−ジエチルアミノエチルメタク
リテート共重合体89部と、ワックス(660P:三洋化成
製)3部とをボールミルで約2時間予備混合した後加圧
式ニーダーで約1時間混練した。 次に、この混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し
た。 この粗粉砕物100部と疎水性シリカ(RP−130:日本ア
エロジル社製)5部を加え、V型混合機で混合し、ジェ
ットミルで微粉砕し、粉砕物を風力分級法により分級し
て50%重量平均径12.6μmの非磁性一成分赤色トナーを
得た。これは正帯電トナーである。これを負性潜像のOP
C間交代を市販の複写機(商品名:レオドライ3301
(株)東芝製)を改造した複写機に用い、第1図に示し
た様な現像装置に供給して現像を行った結果、現像かぶ
りのない鮮明な画像を得た。 また、高温、高湿度環境下(30℃、85%RH)において
も現像かぶりや画像濃度の低下がなく、転写効率の良好
な鮮明な画像が得られた。 また、低音、低湿度環境下(5℃、10%RH)において
も同様に、高濃度の鮮明な画像が得られた。 (参考例2) 異極性の黄色顔料(ピグメントイエロー13−1218:山
陽色素製)と青色顔料(クロモファインシアニンブルー
4920:大日精化製)とを混合比を変えて混合し、その帯
電量を測定したところ、第2図に示したグラフと同様の
傾向を示す結果が得られた。 次にこれらの黄色顔料と青色顔料とを3:2の重量比で
混合し、この混合物8部を用いて、参考例1と同様にし
て正帯電非磁性一成分緑色トナーを得た。特性を調べた
結果、現像かぶりのない鮮明な画像が得られた。 これらの参考例からもわかるように混合系の場合、混
合物の帯電量の値は、混合前の各顔料の帯電量の間にな
るわけではなく、各顔料の組合わせに固有の特性曲線を
描く。 一方、いずれも正帯電の青色系顔料で帯電量のみが異
なる顔料I(クロモファインシアニンブルー4920SF:大
日精化製)と顔料II(クロモファインシアニンブルー49
20:大日精化製)との混合系の場合には、第3図に示す
ような特異な混合比と帯電量の関係が得られる。 本発明は、第3図に示すような特性を有する少なくと
も2種類の同極性の顔料を混合して、混合物の帯電量が
元の顔料の極性と逆極性となる着色剤を使用するもので
ある。この効果は同色系の顔料を混合する場合でも、異
色系の顔料を混合する場合でも同様に得ることができ
る。また3種類以上の顔料を混合した場合でも同様であ
る。 また、コロイド状シリカ添加非磁性一成分トナーは、
トナーと同極性の疎水化されたコロイド状シリカを添加
し、その添加量の増加に伴ってトナーの摩擦帯電電荷量
を減少させるものであり、前記シリカの添加量の調整に
よって、容易にトナーの摩擦帯電電荷量を制御すること
ができる。なお、前記シリカの添加量は、2種類以上の
異なる摩擦帯電電荷量の測定法、例えばブローオフ法お
よびプロジェクション法などによって求めた測定値から
実験的に容易に求めることができる。すなわち、第2の
発明の非磁性一成分トナーのシリカ添加量をV(重量
%)、トナーの摩擦帯電電荷量をQ(μC/g)とすると
き −dQ/dV=α/V α:定数 なる関係式が得られる。ここで例えばブローオフ法とプ
ロジェクション法から求められるトナーの摩擦帯電電荷
量および定数をそれぞれQB、QP(μC/g)、αB、αP
としたとき、次式 −dQB/dV=αB/V −dQP/dV=αP/V を満足する正帯電シリカの量V(重量%)を添加するこ
とによって、シリカ添加量の最適な非磁性一成分トナー
を得ることができる。 なお、正極性のトナーに正帯電コロイド状シリカ(RP
−130:日本アエロジル社製、帯電量+180μC/g)を0部
から15部までの範囲で変えて添加した混合物を調整し、
これをV型混合機で混合し、ジェットミルで微粉砕し、
粉砕物を風力分級法により分級して得た50%重量平均粒
径12.6μmの非磁性一成分トナーについてのブローオフ
法及びプロジェクション法により測定された摩擦帯電電
荷量は第4図に示した通りとなった。第4図の結果か
ら、上記の異なる2方法により止めた摩擦帯電電荷量が
等しい点を適正値とすればよいことがわかる。 (実施例1) いずれも正帯電の青色系顔料で帯電量のみが異なる顔
料I(クロモファインシアニンブルー4920SF:大日精化
製)と顔料II(クロモファインシアニンブルー4920:大
日精化製)(混合物の帯電特性は第3図参照)とを4:1
の重量比(第3図の極小値付近)で混合し、この混合物
4部とポリエステル樹脂96部とをボールミルで約2時間
予備混合した後加圧式ニーダーで約1時間混練した。 次に、この混練物をハンマーミルで粗粉砕した。 この粗粉砕物100部に疎水性シリカ(R−972:日本ア
エロジル社製)1部を加え、V型混合機で混合し、ジェ
ットミルで微粉砕し、粉砕物を風力分級法により分級し
て50%重量平均径12.6μm負帯電非磁性一成分青色トナ
ーを得た。これを正性潜像のOPC感光体を市販の複写機
(商品名:レオドライ3301(株)東芝製)を改造した複
写機に用い、第1図に示したような現像装置に供給して
現像を行った結果、参考例1と同様に画像を作成したと
ころ現像かぶりのない鮮明な画像が得られた。 また、高温、高湿度環境下(30℃、85%RH)において
も現像かぶりや画像濃度の低下はなく、転写効率も良好
な鮮明な画像が得られた。 また、低温、低湿度環境下(5℃、10%RH)において
も同様に、高濃度の鮮明な画像が得られた。 比較例1 着色剤として正帯電の顔料Iのみを4部用いたほか
は、実施例1と同様にして負帯電非磁性一成分青色トナ
ーを作成した。このトナーの特性を調べたところ、十分
な負帯電性を示さず、現像かぶりが発生し、画像濃度が
低く、画像のかすれやトナー供給不良といった問題が生
じた。 [発明の効果] 上述したように、本発明によれば、2種類以上の同極
性の顔料からなる着色剤において顔料の種類及び混合比
によって着色剤事態の極性を逆極性にすることが可能で
あり、これによって極性及び帯電量を適正化した着色剤
を用いてトナーを作成することによって、従来使用の困
難であった異極性の着色剤が使用可能となり、特にカラ
ートナーの場合、使用できる着色剤の適用範囲が広が
り、所望の色調を有するトナーを得ることが可能となっ
た。 また、正帯電シリカをこの混合顔料に添加した場合、
シリカ添加量を増すことによってトナーの摩擦帯電電荷
量が減少し、その増減量は再現性よく安定して得られる
ことから、シリカ添加量の増減を調整して容易に所望の
摩擦帯電量を有するトナーを作成することができる。す
なわち、トナー作成において摩擦帯電電荷量の制御が可
能である。このことは、製造コストの大幅な低減化、製
品の品質管理の向上化、性能の良好な製品を安定して製
造可能である等工業的価値は極極めて大である。
て、感光体もしくは、誘電体上に形成された静電潜像を
可視像化するための非磁性一成分トナーに関する。 (従来の技術) 電子写真装置または静電気録装置において、感光体も
しくは誘電体等から静電潜像保持体上に形成された静電
潜像を可視像化するために、従来から、トナーとキャリ
アからなる二成分現像やトナーのみからなる一成分現像
が広く用いられている。 これら電子写真法としては、米国特許第2,297,691号
明細書、特公昭42−23910号公報(米国特許第3,666,363
号明細書)、特公昭43−24748号公報(米国特許第4,07
1,361号明細書)、米国特許第3,909,258号、同第4,121,
931号、同第2,895,847号、同3,152,012号、特公昭和41
−9475号、同45−2877号、同54−3624号等に記載されて
いる如く、多数の方法が知られているが、一般には、光
導電性物質を利用した感光体上に、種々の手段により電
気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像
し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した
後、加熱、圧力あるいは溶剤蒸気などにより定着してコ
ピーを得るものである。 従来、このような電子写真法の各種形態を含めて静電
荷像の現像に用いられるトナーは、一般に、熱可塑性樹
脂中に、着色材、その他の添加剤を溶融混合し、均一に
分散した後、固化物を微粉砕、分級して、所望の粒径の
着色微粒子として製造されていた。 そしてこの種のトナーは、微粉末状のキャリヤととも
に二成分現像剤として使用されていたが、この二成分現
像剤には以下に示すようないくつかの欠点があった。 トナーは、トナーとキャリア間の相互摩擦により摩
擦電荷を受けとるが、長期にわたり使用していると、キ
ャリア表面がトナーの組成物によって汚染されて充分な
電荷を獲得できなくなる。 トナーとキャリアを所定範囲の混合比に調整する必
要があるが、長期にわたり使用していると、その混合比
が変動して所定範囲から外れてしまい良好な現像が得ら
れなくなる。 一般にキャリアとしては表面に酸化した鉄粉若しく
はガラスビーズが多用されているが、これらのキャリア
によって感光体の表面が機械的に損傷を浮け寿命が短く
なってしまう。 このようなことからトナーのみから成る一成分のトナ
ーを用いた各種の現像方法が提案されている。とりわ
け、磁性粉を含有させた磁性トナーと呼ばれるトナーを
用いた現像方法が多数提案されているが、それらのう
ち、前述した米国特許第3,909,258号、同第3,152,012号
に基づくものが実用化されている。しかしながら、これ
らの方法にも次のような欠点がある。すなわち 比較的、比抵抗の小さい磁性トナーを用いるので、
静電潜像上の現像像を普通紙等の支持部材へ静電的に転
写することが困難であり、特に、多湿の雰囲気下では充
分な転写が得られない。 トナーが多量の磁性粉を含有するので、暗色以外の
カラートナーが得られない。 このため、最近では、磁性粉を含有せず比抵抗の大き
い一成分トナーを用いた画像方法が提案されている。こ
のような画像方法としては、例えば前述した米国特許第
2,895,847号、同第3,152,012号、特公昭41−9475号、同
45−2877号、同54−3624号等に記載されているタッチダ
ウン法、インプレッション法、ジャンピング法に基づく
ものがあげられる。 しかしながら、このような一成分系トナーを用いた場
合にも、以下に述べるように、種々の問題が生じる。 このようなトナーを用いた場合には、摩擦帯電の発
生層が不十分になる。すなわちトナーとトナー担持体と
の摩擦帯電では摩擦帯電時間が短く、可視像化するに必
要な帯電量が得られない。 トナー担持体表面に極めて薄く平均にトナーを塗布
する必要があるが、このような薄い層の形成が困難であ
る。この薄い層の形成過程の一例を第1図の概略図によ
り説明する。図でトナー担持体1に対して弾性ブレード
2が100g/cm〜2,500g/cmの圧力で圧接され、トナー容器
3中のトナー4はトナー担持体1の回転により搬送され
つつ、弾性ブレード2によりトナー担持体1の表面に極
めて薄く平均に塗布される。このとき現像部において、
トナー担持体1と静電像保持体5の面との間で、直流バ
イアスあるいは交流バイアスまたは直流と交流とを重畳
したバイアスを印加することも行われる。 したがって、トナー担持体1には、流動性、耐凝集性
が良いことが要求される。しかるにトナー容器3中のト
ナー4はトナー担持体1の回転により搬送される過程
で、往々にして凝集性を帯び魂状になって、トナー担持
体1の表面にトナーが塗布されないという問題が生じ
る。 また、トナー担持体1により搬送されてきたトナー
4は、弾性ブレード2とトナー担持体1間の面圧により
これらの接触部において急激に高い圧力を受けることに
なり、このため摩擦熱が発生してトナー4を軟化させト
ナー担持体1の表面に固着して、薄く平均にトナーが塗
布されなくなるという問題も生じる。 さらに、軟化点が高くなると定着温度が高くなり、
通常の事務複写機に用いるには支障をきたすという問題
も生じる。 またさらにトナー表面積に対する摩擦帯電電荷量を
一定の範囲に制御する必要があるが、このトナーでは、
調整が難しく、安定した性能を有するトナーを再現性よ
く作製するのが困難であるといった問題も生じる。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は、以上のような様々の問題を解決するために
なされたもので、均一にトナー担持体上に薄層を形成
し、摩擦帯電量が安定で、摩擦帯電量分布がシャープ
で、かつ均一で、現像かぶりを発生させず、静電潜像を
忠実にしかも潜像のエッジ周辺へのトナー飛び散りを起
こすことなく、静電潜像を高品質に可視像化し得るとと
もに、さらにカラートナーを作成する際に、少なくとも
2種類の同極性の顔料を混合して、混合物の極性を混合
前の各顔料の極性と異なるものとすることにより、所望
の色調のカラートナーで、十分な帯電量が得られる非磁
性一成分トナーおよび現像装置を提供することを目的と
する。 [発明の構成] (問題を解決するための手段) 本発明の非磁性一成分トナーは、少なくとも熱により
軟化する樹脂と着色剤とを含むトナーにおいて、前記着
色剤が同色系または異色系の少なくとも2種類の顔料の
混合物からなり、かつ前記着色剤を構成する顔料が同極
性の少なくとも2種類の顔料の混合物であり、かつこの
混合物が混合前の前記各顔料と逆極性であることを特徴
としており、本発明の現像方法は、本発明の非磁性一成
分トナーを使用することを特徴としている。 本発明における一成分系トナーの摩擦帯電電荷量は、
ブローオフ法により測定した場合は10〜20μC/g、プロ
ジェクション法によって測定した場合には5〜15μC/g
の範囲が適当である。 なお、上記のブローオフ法による測定値は、常温、相
対湿度50%の条件下で、キャリアとしての酸化鉄粉(TE
FV−200/300:日本鉄粉社製)に、例えば複数種類の顔料
を混合した着色剤を3重量%混合し、これを400メッシ
ュの導体網にN2ガスを1kg/cm2で吹きつけ、ブローオフ
測定装置(TB−200:東芝ケミカル社製)で1分間測定し
たときの単位重量辺りの帯電量を示したものである。 またプロジェクション法による測定値は、次のように
して求めた値である。すなわち、第1図に示されるよう
に、常温、相対湿度50%で、トナー容器3から送られる
非磁性一成分トナー4を30〜50rpmで回転しているトナ
ー担持体(例えば表面を荒したAl表面にNiメッキを施し
たもの)1上に100〜250g/cm2の圧力で圧接されている
弾性ブレード(例えばステンレス製)2によりトナー担
持体表面に薄く均一に塗布し、かつトナー担持体と弾性
ブレードとトナーとの摩擦によってトナー粒子に静電像
電荷と逆極性の電荷を与える。摩擦帯電したトナー粒子
は、そのトナー担持体1回転分がトナー担持体1と同じ
回転数で逆方向に回転している静電像保持体5へ移行す
る。このとき、トナー担持体と静電像保持体の面との間
で1200Vの直流バイアスを印加する。そして帯電電荷量
は、この静電像保持体表面の帯電量を測定した値を、移
行したトナーの重量で除した値で示される。 本発明による非磁性一成分トナーを用いる潜像方法と
しては、例えば、静電潜像を表面に保持する静電潜像保
持体と、非磁性一成分トナーを表面に担持するトナー担
持体とを一定の間隔を設けて配置し、前記非磁性一成分
トナーを前記トナー担持体上に塗布し、このトナーを前
記静電潜像保持体上に移行させて前記静電像保持体表面
の静電潜像を可視化させる現像方法があげられる。 本発明の非磁性一成分トナーに使用される樹脂として
は、例えば、ポリスチレン、ポリ−P−クロルスチレ
ン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換
体の単重合体、例えばスチレン−P−クロルスチレン共
重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビ
ニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共
重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレ
ン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸
ブチル共重合体、スチレン−アクリルオクチル共重合
体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル
酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸
メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル
共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共
重合体、スチレン−アクリロニトリルインデン共重合
体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイ
ン酸エステル共重合体など、および/またはポリメチル
メタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化
ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキ
シ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、
ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、
脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、
塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが単独ある
いは混合して使用することができるが、特に正帯電コロ
イド状シリカを添加する場合には、ガラス転移点が50℃
以上、軟化点が110℃〜160℃の共重合体であって、特に
スチレン−(メタ)アクリル共重合体とアミノ基を有す
る単量体との共重合体が適している。このスチレン−
(メタ)アクリル共重合体におけるスチレンの割合は75
〜85モル%が好ましい。またアミノ基を有する単量体の
共重合体中に占める割合は、1.5〜50モル%が適当であ
る。1.5モル%に満たない場合は負帯電となり、50モル
%をこえると耐湿性に問題を生じることがある。また共
重合体についてのアミノ価は2〜25mg/gが望ましい。 上記共重合体の合成に用いられるアクリル成分あるい
はメタクリル成分としては、アクリル酸およびメチルア
クリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレー
ト、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、
イソブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキ
シルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルア
クリレート等のアクリル酸エステル、ならびにメタクリ
ル酸およびメチルメタクリレート、エチルメタクリル酸
およびメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレー
ト、ペンチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレー
ト、ヘプチルメタクリレート、オクチルメタクリレート
等のメタクリル酸エステル等従来知られているアクリル
酸およびその誘導体、メタクリル酸およびその誘導体を
すべて用いることができる。 上記共重合体の合成に用いられるアミノ基を有する単
量体としては、次の一般式で表されるメタクリル酸誘導
体が適している。 (ただしR3、R4、R5は炭素素数1〜8のアルキル基、R6
は炭素素数1〜8のアルキレン基) 上記一般式で表されるアミノ基を有する単量体として
は、例えば2−ジメチルアミノ−2−メチルプロピルメ
タクリレート、2−ジメチルアミノ−2−エチルブチル
メタクリレート、2−ジメチルアミノ−2−プロピルヘ
キシルメタクリレート、2−ジメチルアミノ−2−メチ
ルプロピルメタクリレート、2−ジエチルアミノ−2−
エチルブチルメタクリレート、2−ジエチルアミノ−2
−プロピルヘキシルメタクリレート等が例示される。 なお、スチレン−アクリル共重合体あるいは、スチレ
ン−メタクリル共重合体にアミノ基を有する単量体を共
重合させる重合開始剤としては、アゾビス(イソブチロ
ニトリル)、アゾビス2−(2−ナフチル)プロピロニ
トリルなどで代表されるニトリル系開始剤を用いること
ができる。 また本発明に用いられる着色剤としては、例えばカー
ボンブラック、ファーストイエローG、ベンジジンイエ
ロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレン
ジ、イルガジンレッド、カーミンFB、パーマネントポル
ドーFRR、ピグメント・オレンジR、リソールレッド2
G、レーキ・レッドC、ローダミンFB、ローダミンBレ
ーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリ
リアントグリーンB、フタロシアニングリーン、キナク
リドンなどの公知の着色剤が使用される。 また、本発明の非磁性一成分トナーには必要に応じ
て、各種添加剤、例えば耐オフセット特性を向上させる
ためのワックスや摩擦帯電電荷量を制御するためのポリ
アミン系、ニグロミン系等の帯電制御剤などを添加して
もよく、また表面処理剤として疎水性シリカやフッ化物
等を内添または外添してもよい。 本発明の非磁性一成分トナーを製造するには、まず、
加熱により軟化する樹脂と着色剤を、ボールミル、V型
混合機、S型混合機などの混合機で混合し、得られた混
合物を双腕ニーダー、三本ロール、コニーダー、加圧ニ
ーダーなどで、混練し、この混練物をハンマーミル、ジ
ェットミル、ボールミルなどの粉砕機で粗粉砕して風力
分級機などで分級し、所定粒径の非磁性一成分トナーと
する。また正帯電コロイド状シリカを添加した非磁性一
成分トナーを製造するには、このようにして得られたト
ナー粒子に、さらに正帯電コロイド状シリカを添加し、
前記混合機および粉砕機を用いて混合、粉砕する。さら
に得られた粉体を、風力分級機などで分級し、所定粒径
のトナーとする。 本発明の非磁性一成分トナーは、トナー粒子の摩擦帯
電量の制御を容易に行うことが可能であり、摩擦帯電量
が安定であって、第1図で説明した方法を用いて、摩擦
帯電量分布がシャープでかつ均一で、トナー担持体上
に、均一に薄膜が形成され、現像かぶりを発生させず、
静電潜像を忠実にしかも潜像のエッジ周辺へのトナー飛
び散りを起こすことなく静電潜像を高品質に可視像化す
ることができる。 (作用) 本発明の一成分非磁性トナーは、同色系または異色系
の互いに同極性の少なくとも2種の顔料混合物であっ
て、混合物の極性が混合前の各顔料の極性とは逆極性と
なるような組合わせからなる着色剤を用いることを特徴
としている。 すなわち、顔料の帯電量を測定した場合、単体では、
極性が目的とするトナーの極性と異なるために使用が不
適切となる場合があり、また帯電量制御剤を用いて帯電
量を制御すると微妙に色調が変化してしまう場合がある
が、本願発明者等の研究によると極性が同じであっても
2種以上の顔料を混合した場合に、顔料の組合わせや混
合比などの調節で着色剤全体の帯電量が変化する。 この現象を異極性の顔料を混合してなる着色剤を用い
る場合について説明する。 (参考例1) 負帯電の顔料I(セイカファストレッドGY:大日精化
製)と正帯電の顔料II(フジレッド5B:富士色素製)と
を混合比を変えて混合した場合、第2図に示すような混
合比と帯電量の関係が得られた。 次にこれらの負帯電の顔料Iと正帯電の顔料IIとを3:
2の重量比で混合し、この混合物8部と、スチレン−n
−ブチルメタクリレート−ジエチルアミノエチルメタク
リテート共重合体89部と、ワックス(660P:三洋化成
製)3部とをボールミルで約2時間予備混合した後加圧
式ニーダーで約1時間混練した。 次に、この混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し
た。 この粗粉砕物100部と疎水性シリカ(RP−130:日本ア
エロジル社製)5部を加え、V型混合機で混合し、ジェ
ットミルで微粉砕し、粉砕物を風力分級法により分級し
て50%重量平均径12.6μmの非磁性一成分赤色トナーを
得た。これは正帯電トナーである。これを負性潜像のOP
C間交代を市販の複写機(商品名:レオドライ3301
(株)東芝製)を改造した複写機に用い、第1図に示し
た様な現像装置に供給して現像を行った結果、現像かぶ
りのない鮮明な画像を得た。 また、高温、高湿度環境下(30℃、85%RH)において
も現像かぶりや画像濃度の低下がなく、転写効率の良好
な鮮明な画像が得られた。 また、低音、低湿度環境下(5℃、10%RH)において
も同様に、高濃度の鮮明な画像が得られた。 (参考例2) 異極性の黄色顔料(ピグメントイエロー13−1218:山
陽色素製)と青色顔料(クロモファインシアニンブルー
4920:大日精化製)とを混合比を変えて混合し、その帯
電量を測定したところ、第2図に示したグラフと同様の
傾向を示す結果が得られた。 次にこれらの黄色顔料と青色顔料とを3:2の重量比で
混合し、この混合物8部を用いて、参考例1と同様にし
て正帯電非磁性一成分緑色トナーを得た。特性を調べた
結果、現像かぶりのない鮮明な画像が得られた。 これらの参考例からもわかるように混合系の場合、混
合物の帯電量の値は、混合前の各顔料の帯電量の間にな
るわけではなく、各顔料の組合わせに固有の特性曲線を
描く。 一方、いずれも正帯電の青色系顔料で帯電量のみが異
なる顔料I(クロモファインシアニンブルー4920SF:大
日精化製)と顔料II(クロモファインシアニンブルー49
20:大日精化製)との混合系の場合には、第3図に示す
ような特異な混合比と帯電量の関係が得られる。 本発明は、第3図に示すような特性を有する少なくと
も2種類の同極性の顔料を混合して、混合物の帯電量が
元の顔料の極性と逆極性となる着色剤を使用するもので
ある。この効果は同色系の顔料を混合する場合でも、異
色系の顔料を混合する場合でも同様に得ることができ
る。また3種類以上の顔料を混合した場合でも同様であ
る。 また、コロイド状シリカ添加非磁性一成分トナーは、
トナーと同極性の疎水化されたコロイド状シリカを添加
し、その添加量の増加に伴ってトナーの摩擦帯電電荷量
を減少させるものであり、前記シリカの添加量の調整に
よって、容易にトナーの摩擦帯電電荷量を制御すること
ができる。なお、前記シリカの添加量は、2種類以上の
異なる摩擦帯電電荷量の測定法、例えばブローオフ法お
よびプロジェクション法などによって求めた測定値から
実験的に容易に求めることができる。すなわち、第2の
発明の非磁性一成分トナーのシリカ添加量をV(重量
%)、トナーの摩擦帯電電荷量をQ(μC/g)とすると
き −dQ/dV=α/V α:定数 なる関係式が得られる。ここで例えばブローオフ法とプ
ロジェクション法から求められるトナーの摩擦帯電電荷
量および定数をそれぞれQB、QP(μC/g)、αB、αP
としたとき、次式 −dQB/dV=αB/V −dQP/dV=αP/V を満足する正帯電シリカの量V(重量%)を添加するこ
とによって、シリカ添加量の最適な非磁性一成分トナー
を得ることができる。 なお、正極性のトナーに正帯電コロイド状シリカ(RP
−130:日本アエロジル社製、帯電量+180μC/g)を0部
から15部までの範囲で変えて添加した混合物を調整し、
これをV型混合機で混合し、ジェットミルで微粉砕し、
粉砕物を風力分級法により分級して得た50%重量平均粒
径12.6μmの非磁性一成分トナーについてのブローオフ
法及びプロジェクション法により測定された摩擦帯電電
荷量は第4図に示した通りとなった。第4図の結果か
ら、上記の異なる2方法により止めた摩擦帯電電荷量が
等しい点を適正値とすればよいことがわかる。 (実施例1) いずれも正帯電の青色系顔料で帯電量のみが異なる顔
料I(クロモファインシアニンブルー4920SF:大日精化
製)と顔料II(クロモファインシアニンブルー4920:大
日精化製)(混合物の帯電特性は第3図参照)とを4:1
の重量比(第3図の極小値付近)で混合し、この混合物
4部とポリエステル樹脂96部とをボールミルで約2時間
予備混合した後加圧式ニーダーで約1時間混練した。 次に、この混練物をハンマーミルで粗粉砕した。 この粗粉砕物100部に疎水性シリカ(R−972:日本ア
エロジル社製)1部を加え、V型混合機で混合し、ジェ
ットミルで微粉砕し、粉砕物を風力分級法により分級し
て50%重量平均径12.6μm負帯電非磁性一成分青色トナ
ーを得た。これを正性潜像のOPC感光体を市販の複写機
(商品名:レオドライ3301(株)東芝製)を改造した複
写機に用い、第1図に示したような現像装置に供給して
現像を行った結果、参考例1と同様に画像を作成したと
ころ現像かぶりのない鮮明な画像が得られた。 また、高温、高湿度環境下(30℃、85%RH)において
も現像かぶりや画像濃度の低下はなく、転写効率も良好
な鮮明な画像が得られた。 また、低温、低湿度環境下(5℃、10%RH)において
も同様に、高濃度の鮮明な画像が得られた。 比較例1 着色剤として正帯電の顔料Iのみを4部用いたほか
は、実施例1と同様にして負帯電非磁性一成分青色トナ
ーを作成した。このトナーの特性を調べたところ、十分
な負帯電性を示さず、現像かぶりが発生し、画像濃度が
低く、画像のかすれやトナー供給不良といった問題が生
じた。 [発明の効果] 上述したように、本発明によれば、2種類以上の同極
性の顔料からなる着色剤において顔料の種類及び混合比
によって着色剤事態の極性を逆極性にすることが可能で
あり、これによって極性及び帯電量を適正化した着色剤
を用いてトナーを作成することによって、従来使用の困
難であった異極性の着色剤が使用可能となり、特にカラ
ートナーの場合、使用できる着色剤の適用範囲が広が
り、所望の色調を有するトナーを得ることが可能となっ
た。 また、正帯電シリカをこの混合顔料に添加した場合、
シリカ添加量を増すことによってトナーの摩擦帯電電荷
量が減少し、その増減量は再現性よく安定して得られる
ことから、シリカ添加量の増減を調整して容易に所望の
摩擦帯電量を有するトナーを作成することができる。す
なわち、トナー作成において摩擦帯電電荷量の制御が可
能である。このことは、製造コストの大幅な低減化、製
品の品質管理の向上化、性能の良好な製品を安定して製
造可能である等工業的価値は極極めて大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、非磁性一成分トナーを使用した現像装置の要
部を概略的に示した図、第2図および第3図は、2種類
の顔料を混合したときの混合比と混合した顔料の帯電量
の関係の一例を示す特性図、第4図はトナー粒子に正帯
電コロイド状シリカの添加量を変えて添加したときのブ
ローオフ法およびプロジェクション法により測定された
摩擦帯電電荷量を示すグラフである。 1……トナー担持体 2……弾性ブレード 3……トナー容器 4……トナー 5……静電像保持体
部を概略的に示した図、第2図および第3図は、2種類
の顔料を混合したときの混合比と混合した顔料の帯電量
の関係の一例を示す特性図、第4図はトナー粒子に正帯
電コロイド状シリカの添加量を変えて添加したときのブ
ローオフ法およびプロジェクション法により測定された
摩擦帯電電荷量を示すグラフである。 1……トナー担持体 2……弾性ブレード 3……トナー容器 4……トナー 5……静電像保持体
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭61−292644(JP,A)
特開 昭63−46473(JP,A)
特開 昭63−163470(JP,A)
特開 昭61−221515(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.少なくとも熱により軟化する樹脂と着色剤とを含む
トナーにおいて、前記着色剤が同色系または異色系の少
なくとも2種類の顔料の混合物からなり、かつ前記着色
剤を構成する顔料が同極性の少なくとも2種類の顔料の
混合物であり、かつこの混合物が混合前の前記各顔料と
逆極性であることを特徴とする非磁性一成分トナー。 2.静電潜像を表面に保持する静電潜像保持体と、非磁
性一成分トナーを表面に担持するトナー担持体とを配置
し、前記非磁性一成分トナーを前記トナー担持体上に塗
布し、このトナーを前記静電潜像保持体上に移行させて
前記静電潜像保持体表面の静電潜像を可視像化させる現
像方法において、 前記トナーは、少なくとも熱により軟化する樹脂と着色
剤とを含むトナーであって、前記着色剤が同色系または
異色系の少なくとも2種類の顔料の混合物からなり、か
つ前記着色剤を構成する顔料が同極性の少なくとも2種
類の顔料の混合物であり、かつこの混合物が混合前の前
記各顔料と逆極性であることを特徴とする現像方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62079946A JP2825223B2 (ja) | 1987-04-01 | 1987-04-01 | 非磁性一成分トナーおよび現像方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62079946A JP2825223B2 (ja) | 1987-04-01 | 1987-04-01 | 非磁性一成分トナーおよび現像方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63246751A JPS63246751A (ja) | 1988-10-13 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP2825223B2 (ja) |
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-
1987
- 1987-04-01 JP JP62079946A patent/JP2825223B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS63246751A (ja) | 1988-10-13 |
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