JP2815596B2 - トルクコンバータのスリップ制御装置 - Google Patents
トルクコンバータのスリップ制御装置Info
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- JP2815596B2 JP2815596B2 JP1266089A JP1266089A JP2815596B2 JP 2815596 B2 JP2815596 B2 JP 2815596B2 JP 1266089 A JP1266089 A JP 1266089A JP 1266089 A JP1266089 A JP 1266089A JP 2815596 B2 JP2815596 B2 JP 2815596B2
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- slip control
- shift
- clutch
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ロックアップクラッチを備えたトルクコン
バータのスリップ制御装置に関するものである。
バータのスリップ制御装置に関するものである。
(従来の技術) 従来よりトルクコンバータとフロントカバーとの間に
該フロントカバーに締結可能とされたロックアップクラ
ッチを設け、このロックアップクラッチの作動状態を選
択することにより三つの異なる動力伝達特性を得ること
が知られている。即ち、第2図の変速マップに示すよう
に、変速領域に高車速側に位置するロックアップ制御領
域と低車速低負荷側に位置するスリップ制御領域とこれ
ら以外の領域に属するコンバータ制御領域の三つの制御
領域を設定している。そして、ロックアップ制御領域に
おいては上記ロックアップクラッチを完全締結状態と
し、コンバータ制御状態においては上記ロックアップク
ラッチを半締結状態とし、またスリップ制御状態におい
ては上記ロックアップクラッチを解放状態とするもので
ある。尚、このようにスリップ制御領域においてロック
アップクラッチを半締結としてスリップ制御を行なうも
のとしては、例えば特開昭57−33253号公報に開示され
るものがある。
該フロントカバーに締結可能とされたロックアップクラ
ッチを設け、このロックアップクラッチの作動状態を選
択することにより三つの異なる動力伝達特性を得ること
が知られている。即ち、第2図の変速マップに示すよう
に、変速領域に高車速側に位置するロックアップ制御領
域と低車速低負荷側に位置するスリップ制御領域とこれ
ら以外の領域に属するコンバータ制御領域の三つの制御
領域を設定している。そして、ロックアップ制御領域に
おいては上記ロックアップクラッチを完全締結状態と
し、コンバータ制御状態においては上記ロックアップク
ラッチを半締結状態とし、またスリップ制御状態におい
ては上記ロックアップクラッチを解放状態とするもので
ある。尚、このようにスリップ制御領域においてロック
アップクラッチを半締結としてスリップ制御を行なうも
のとしては、例えば特開昭57−33253号公報に開示され
るものがある。
また一方、スリップ制御の方式としては、エンジン回
転数とタービン回転数との回転差を常に一定に保持する
いわゆる回転差一定のスリップ制御と、トルクコンバー
タの締結室と解放室との差圧(即ち、ロックアップクラ
ッチの締結力)を常に一定に保持するいわゆる差圧一定
のスリップ制御とがある。そして、一般には変速時以外
の領域では回転差一定のスリップ制御を行ない、変速時
には差圧一定のスリップ制御を行なうようにしている。
これは、変速時には大きな回転差変位が生じるため回転
差一定のスリップ制御を行なうとその制御が難しく且つ
その安定性も悪くなることから、変速時には差圧一定の
スリップ制御を行なうようにしたものである。
転数とタービン回転数との回転差を常に一定に保持する
いわゆる回転差一定のスリップ制御と、トルクコンバー
タの締結室と解放室との差圧(即ち、ロックアップクラ
ッチの締結力)を常に一定に保持するいわゆる差圧一定
のスリップ制御とがある。そして、一般には変速時以外
の領域では回転差一定のスリップ制御を行ない、変速時
には差圧一定のスリップ制御を行なうようにしている。
これは、変速時には大きな回転差変位が生じるため回転
差一定のスリップ制御を行なうとその制御が難しく且つ
その安定性も悪くなることから、変速時には差圧一定の
スリップ制御を行なうようにしたものである。
尚、ロックアップクラッチの締結力はトルクコンバー
タの油圧供給系に設けたデューティソレノイド弁(第1
図の符号26で示す弁)のデューティ率を調整することに
行なわれるものであり、上記回転差一定のスリップ制御
時にはこのデューティ率をエンジン回転数とタービン回
転数の回転差が所定範囲内に入るようにフィードバック
制御し、また上記差圧一定のスリップ制御時にはこのデ
ューティ率を予め定めた所定値に固定する。
タの油圧供給系に設けたデューティソレノイド弁(第1
図の符号26で示す弁)のデューティ率を調整することに
行なわれるものであり、上記回転差一定のスリップ制御
時にはこのデューティ率をエンジン回転数とタービン回
転数の回転差が所定範囲内に入るようにフィードバック
制御し、また上記差圧一定のスリップ制御時にはこのデ
ューティ率を予め定めた所定値に固定する。
(発明が解決しようとする課題) ところで、上述のようにスリップ制御領域での変速は
これを差圧一定のスリップ制御で行なうが、その場合デ
ューティ率を所定値に固定しロックアップクラッチの締
結力を一定に保持している限りどのような変速状態(即
ち、車速とスロットル開度で特定される変速位置)で変
速が行なわれてもその変速ショックはほぼ同じであると
いうのが従来の考え方であった。
これを差圧一定のスリップ制御で行なうが、その場合デ
ューティ率を所定値に固定しロックアップクラッチの締
結力を一定に保持している限りどのような変速状態(即
ち、車速とスロットル開度で特定される変速位置)で変
速が行なわれてもその変速ショックはほぼ同じであると
いうのが従来の考え方であった。
ところが、本願発明者らは実車走行感覚からこのよう
な従来の考えに疑問をもち、実際に各変速状態毎に変速
ショックの程度を調べた。即ち、第2図に矢印A,B,Cで
示すように高スロットル開度域での2→3変速時(以
下、A変速時という)と、低スリップ制御域での2→3
変速時(以下、B変速時という)と、高スロットル開度
域での3→4変速時(以下C変速時という)の3つの変
速時についてその変速ショックを調べたところ、A変速
時とB変速時とではA変速時が変速ショックが大きく、
またA変速時とC変速時とではA変速時の方が変速ショ
ックが大きいという結果が得られた。
な従来の考えに疑問をもち、実際に各変速状態毎に変速
ショックの程度を調べた。即ち、第2図に矢印A,B,Cで
示すように高スロットル開度域での2→3変速時(以
下、A変速時という)と、低スリップ制御域での2→3
変速時(以下、B変速時という)と、高スロットル開度
域での3→4変速時(以下C変速時という)の3つの変
速時についてその変速ショックを調べたところ、A変速
時とB変速時とではA変速時が変速ショックが大きく、
またA変速時とC変速時とではA変速時の方が変速ショ
ックが大きいという結果が得られた。
そこで、本発明者らはこのようにデューティ率を固定
した差圧一定のスリップ制御での変速であるにもかかわ
らずその変速状態によって変速ショックが変化すること
の原因の究明を行なった。そして、その結果、次のよう
な事実を知見するに至った。即ち、第6図において点線
で示すようにデューティ率を所定値に固定した場合には
トルクコンバータの締結室内圧はエンジン回転数の変化
にかかわらず一定であるとするのが従来の考え方であっ
たが、本願発明者らの実験によれば、同図において実線
図示する如く例えデューティ率を所定値に固定しておい
たとしても締結室内圧はエンジン回転数の上昇に伴って
漸増変化するということが知見された。これは、トルク
コンバータの回転によって発生する遠心力を受けて該ト
ルクコンバータの締結室内の油圧と解放室内の油圧とが
ともに上昇することによるものであると考えられる。そ
してこの場合、一般トルクコンバータにおいては、締結
室内の油量(即ち、質量)が解放室内の油量よりも多い
ことから、当然に締結室内の油圧上昇幅が解放室内の油
圧上昇幅よりも大きく、結果的に遠心力の影響により両
者間に差圧が生じることになるものである。従って、例
えデューティ率を所定値に固定した差圧一定のスリップ
制御、即ち、デューティ率調整により差圧を設定したと
しても、上記遠心力により新たに差圧が生じることか
ら、結果的にロックアップクラッチの締結力はエンジン
回転数の上昇に伴って実質的に漸増変化することにな
る。
した差圧一定のスリップ制御での変速であるにもかかわ
らずその変速状態によって変速ショックが変化すること
の原因の究明を行なった。そして、その結果、次のよう
な事実を知見するに至った。即ち、第6図において点線
で示すようにデューティ率を所定値に固定した場合には
トルクコンバータの締結室内圧はエンジン回転数の変化
にかかわらず一定であるとするのが従来の考え方であっ
たが、本願発明者らの実験によれば、同図において実線
図示する如く例えデューティ率を所定値に固定しておい
たとしても締結室内圧はエンジン回転数の上昇に伴って
漸増変化するということが知見された。これは、トルク
コンバータの回転によって発生する遠心力を受けて該ト
ルクコンバータの締結室内の油圧と解放室内の油圧とが
ともに上昇することによるものであると考えられる。そ
してこの場合、一般トルクコンバータにおいては、締結
室内の油量(即ち、質量)が解放室内の油量よりも多い
ことから、当然に締結室内の油圧上昇幅が解放室内の油
圧上昇幅よりも大きく、結果的に遠心力の影響により両
者間に差圧が生じることになるものである。従って、例
えデューティ率を所定値に固定した差圧一定のスリップ
制御、即ち、デューティ率調整により差圧を設定したと
しても、上記遠心力により新たに差圧が生じることか
ら、結果的にロックアップクラッチの締結力はエンジン
回転数の上昇に伴って実質的に漸増変化することにな
る。
従って、第2図の各変速時における変速ショックの相
異については次のように説明できる。即ち、A変速時と
B変速時とでは、A変速時の方がエンジン回転数が高く
ロックアップクラッチの締結力の大きいところから、変
速ショックはA変速時の方がB変速時よりも大きくなる
ものである。また、A変速時とC変速時においても、低
速段であるA変速時の方がエンジン回転数が高くロック
アップクラッチの締結力も大きいところから、A変速時
の方がB変速時よりも変速ショックが大きくなるもので
ある。
異については次のように説明できる。即ち、A変速時と
B変速時とでは、A変速時の方がエンジン回転数が高く
ロックアップクラッチの締結力の大きいところから、変
速ショックはA変速時の方がB変速時よりも大きくなる
ものである。また、A変速時とC変速時においても、低
速段であるA変速時の方がエンジン回転数が高くロック
アップクラッチの締結力も大きいところから、A変速時
の方がB変速時よりも変速ショックが大きくなるもので
ある。
そこで、本発明は、エンジン回転数の変化にかかわら
ず差圧一定のスリップ制御が行い得るトルクコンバータ
のスリップ制御装置を提供せんとするものであり、特に
かかるスリップ制御領域での変速ショックの相異に鑑
み、スリップ制御領域での変速ショックを変速時の変速
状態の如何かからわらず可及的に軽減できるようにした
トルクコンバータのスリップ制御装置を提供せんとする
ものである。
ず差圧一定のスリップ制御が行い得るトルクコンバータ
のスリップ制御装置を提供せんとするものであり、特に
かかるスリップ制御領域での変速ショックの相異に鑑
み、スリップ制御領域での変速ショックを変速時の変速
状態の如何かからわらず可及的に軽減できるようにした
トルクコンバータのスリップ制御装置を提供せんとする
ものである。
(課題を解決するための手段) 本発明では、このような課題を解決するための具体的
手段として、タービンシャフトに結合されたタービンと
エンジン出力軸に結合されたフロントカバーとの間にロ
ックアップクラッチを介設し、該ロックアップクラッチ
の両側に供給される油圧を油圧制御手段によって調整し
その設定差圧によって上記ロックアップクラッチとフロ
ントカバーとの締結力を調整可能とするとともに、特定
運転領域では上記油圧制御手段によって調整される上記
設定差圧を一定に固定して上記ロックアップクラッチを
半締結としたスリップ制御を行なうようにしたトルクコ
ンバータのスリップ制御装置において、上記特定運転領
域でのスリップ制御時に上記油圧制御手段により調整さ
れる上記設定差圧を、エンジン回転数が高いほど低下さ
せるように補正する補正手段を備えたことを特徴とする
ものである。
手段として、タービンシャフトに結合されたタービンと
エンジン出力軸に結合されたフロントカバーとの間にロ
ックアップクラッチを介設し、該ロックアップクラッチ
の両側に供給される油圧を油圧制御手段によって調整し
その設定差圧によって上記ロックアップクラッチとフロ
ントカバーとの締結力を調整可能とするとともに、特定
運転領域では上記油圧制御手段によって調整される上記
設定差圧を一定に固定して上記ロックアップクラッチを
半締結としたスリップ制御を行なうようにしたトルクコ
ンバータのスリップ制御装置において、上記特定運転領
域でのスリップ制御時に上記油圧制御手段により調整さ
れる上記設定差圧を、エンジン回転数が高いほど低下さ
せるように補正する補正手段を備えたことを特徴とする
ものである。
(作 用) 本発明ではこのような構成とすることにより、油圧制
御手段により調整される差圧をエンジン回転数の上昇変
化に伴って低下させる方向に補正することで遠心力によ
る差圧変化の影響が可及的に消滅せしめられることとな
る。
御手段により調整される差圧をエンジン回転数の上昇変
化に伴って低下させる方向に補正することで遠心力によ
る差圧変化の影響が可及的に消滅せしめられることとな
る。
(発明の効果) 従って、本発明のトルクコンバータのスリップ制御装
置によれば、エンジン回転数の変化にかかわらず特定運
転領域内におけるロックアップクラッチの締結力が可及
的に均等ならしめられる。これにより、差圧補正値を適
正に設定することにより、特に該特定運転領域での変速
ショックを可及的に軽減することが可能になるという効
果が得られる。
置によれば、エンジン回転数の変化にかかわらず特定運
転領域内におけるロックアップクラッチの締結力が可及
的に均等ならしめられる。これにより、差圧補正値を適
正に設定することにより、特に該特定運転領域での変速
ショックを可及的に軽減することが可能になるという効
果が得られる。
(実施例) 以下、第1図ないし第6図を参照して本発明の好適な
実施例を説明する。
実施例を説明する。
第1図には本発明の実施例に係るスリップ制御装置を
備えたトルクコンバータが示されている。このトルクコ
ンバータ1は、エンジン出力軸2に結合されたフロント
カバー3およびケース4内の一側部に固設されエンジン
出力軸2と一体回転するポンプ5と、該ポンプ5と対向
するように上記のフロントカバー3およびケース4内の
他側部に回転自在に備えられ該ポンプ5の回転により作
動油を介して回転駆動されるタービン6と、上記ポンプ
5とタービン6との間に介設されポンプ回転数に対する
タービン回転数の速度比が所定値以下の時にトルク増大
作用を行なうステータ7と、上記タービン6とフロント
カバー3との間に介設されたロックアップクラッチ8と
を有する。
備えたトルクコンバータが示されている。このトルクコ
ンバータ1は、エンジン出力軸2に結合されたフロント
カバー3およびケース4内の一側部に固設されエンジン
出力軸2と一体回転するポンプ5と、該ポンプ5と対向
するように上記のフロントカバー3およびケース4内の
他側部に回転自在に備えられ該ポンプ5の回転により作
動油を介して回転駆動されるタービン6と、上記ポンプ
5とタービン6との間に介設されポンプ回転数に対する
タービン回転数の速度比が所定値以下の時にトルク増大
作用を行なうステータ7と、上記タービン6とフロント
カバー3との間に介設されたロックアップクラッチ8と
を有する。
そして、上記タービン6の回転はタービンシャフト9
より出力され、変速歯車機構(図示省略)に入力され
る。また、上記ロックアップクラッチ8はこのタービン
シャフト9に連結されており、該ロックアップクラッチ
8がフロントカバー3に対して締結されたときは、該フ
ロントカバー3およびロックアップクラッチ8を介して
上記エンジン出力軸2とタービンシャフト8とが直結さ
れる。
より出力され、変速歯車機構(図示省略)に入力され
る。また、上記ロックアップクラッチ8はこのタービン
シャフト9に連結されており、該ロックアップクラッチ
8がフロントカバー3に対して締結されたときは、該フ
ロントカバー3およびロックアップクラッチ8を介して
上記エンジン出力軸2とタービンシャフト8とが直結さ
れる。
また、このトルクコンバータ1の締結室27にはオイル
ポンプ(図示省略)に接続された主流ライン10により、
ロックアップバルブ11およびコンバータライン12を介し
て作動油が導入され、この締結室27内の作動油の圧力に
よって上述のロックアップクラッチ8が常時締結方向に
付勢される。一方、該ロックアップクラッチ8とフロン
トカバー3との間の解放室13には、上述のロックアップ
バルブ11から導かれたロックアップ解放ライン14が接続
されており、このロックアップ解放ライン14から上記解
放室13内に油圧(解放圧)が導入された時にロックアッ
プクラッチ8が解放される。
ポンプ(図示省略)に接続された主流ライン10により、
ロックアップバルブ11およびコンバータライン12を介し
て作動油が導入され、この締結室27内の作動油の圧力に
よって上述のロックアップクラッチ8が常時締結方向に
付勢される。一方、該ロックアップクラッチ8とフロン
トカバー3との間の解放室13には、上述のロックアップ
バルブ11から導かれたロックアップ解放ライン14が接続
されており、このロックアップ解放ライン14から上記解
放室13内に油圧(解放圧)が導入された時にロックアッ
プクラッチ8が解放される。
さらに、このトルクコンバータ1には保圧弁15を介し
てオイルクーラー16に作動油を送り出すコンバータアウ
トライン17が接続されている。
てオイルクーラー16に作動油を送り出すコンバータアウ
トライン17が接続されている。
一方、上記ロックアップバルブ11は、スプール18と、
このスプール18を図面上右方へ付勢するスプリング19と
備えるとともに、上記ロックアップ解放ライン14が接続
されたポート20の両側には、上記主流ライン10が接続さ
れた調圧ポート21とドレンポート22とが設けられてい
る。
このスプール18を図面上右方へ付勢するスプリング19と
備えるとともに、上記ロックアップ解放ライン14が接続
されたポート20の両側には、上記主流ライン10が接続さ
れた調圧ポート21とドレンポート22とが設けられてい
る。
また、上記ロックアップバルブ11の図面上右側の端部
には、スプール18にパイロット圧を作用させるパイロッ
トライン23が接続され、このパイロットライン23から分
岐されたドレンライン24とタンク25との間にはデューテ
ィソレノイド弁26が設置されている。
には、スプール18にパイロット圧を作用させるパイロッ
トライン23が接続され、このパイロットライン23から分
岐されたドレンライン24とタンク25との間にはデューテ
ィソレノイド弁26が設置されている。
このデューティソレノイド弁26は、制御信号により所
定のデューティ率でON,OFFを繰り返してドレンライン24
を極く短い周期で開閉することにより、パイロットライ
ン23内のパイロット圧を上記デューティ率に対応する値
に調整する。
定のデューティ率でON,OFFを繰り返してドレンライン24
を極く短い周期で開閉することにより、パイロットライ
ン23内のパイロット圧を上記デューティ率に対応する値
に調整する。
そして、このパイロット圧が上記のロックアップバル
ブ11のスプール18に対してスプリング19の付勢力と対抗
する方向に印加されると共に、該スプール18にはスプリ
ング19の付勢力と同方向にロックアップ解放ライン14内
の解放圧が作用している。これらの油圧ないし付勢力の
力関係によってスプール18が移動し、上記ロックアップ
解放ライン14を主流ライン10(調圧ポート21)又はドレ
ンポート22に連通させることにより、ロックアップ解放
圧が上記パイロット圧、即ちデューティソレノイド弁26
のデューティ率に対応する値に制御される。
ブ11のスプール18に対してスプリング19の付勢力と対抗
する方向に印加されると共に、該スプール18にはスプリ
ング19の付勢力と同方向にロックアップ解放ライン14内
の解放圧が作用している。これらの油圧ないし付勢力の
力関係によってスプール18が移動し、上記ロックアップ
解放ライン14を主流ライン10(調圧ポート21)又はドレ
ンポート22に連通させることにより、ロックアップ解放
圧が上記パイロット圧、即ちデューティソレノイド弁26
のデューティ率に対応する値に制御される。
ここで、デューティ率(ON,OFF1サイクル中のON時間
比率)が0%のときにパイロットライン23からのドレン
量が最小となり、パイロット圧ないし解放圧が最大とさ
れることにより、ロックアップクラッチ8が完全に解放
(OFF)され、コンバータ制御状態が形成される。ま
た、デューティ率が100%のときには、上記ドレン量が
最大となり、パイロット圧ないし解放圧が最小とされる
ことによりロックアップクラッチ8が完全に締結(ON)
され完全ロックアップ制御状態が形成される。さらに、
このデューティ率の中間の領域ではロックアップクラッ
チ8がスリップ状態とされ、スリップ制御状態を形成す
る。そして、この領域においては該ロックアップクラッ
チ8のスリップ量が上記デューティ率に応じて制御され
る。
比率)が0%のときにパイロットライン23からのドレン
量が最小となり、パイロット圧ないし解放圧が最大とさ
れることにより、ロックアップクラッチ8が完全に解放
(OFF)され、コンバータ制御状態が形成される。ま
た、デューティ率が100%のときには、上記ドレン量が
最大となり、パイロット圧ないし解放圧が最小とされる
ことによりロックアップクラッチ8が完全に締結(ON)
され完全ロックアップ制御状態が形成される。さらに、
このデューティ率の中間の領域ではロックアップクラッ
チ8がスリップ状態とされ、スリップ制御状態を形成す
る。そして、この領域においては該ロックアップクラッ
チ8のスリップ量が上記デューティ率に応じて制御され
る。
第2図には上記トルクコンバータ1とこのトルクコン
バータ1のタービンシャフト9に連結される変速歯車機
構とからなる自動変速機(図示省略)の変速パターン及
びコンバータ制御パターンもつ変速マップが示されてい
る。そして、変速パターンとしては、1速から4速まで
の各変速段についてそれぞれシフトアップラインとシフ
トダウンラインとを有している。一方、コンバータ制御
パターンについては次のように設定している。即ち、加
速領域においては、低車速・低負荷域に加速スリップ制
御領域(特許請求の範囲中の特定運転領域に該当する)
を、高車速域にロックアップ制御領域を、さらにこれら
以外の領域にコンバータ制御領域をそれぞれ設定してい
る。
バータ1のタービンシャフト9に連結される変速歯車機
構とからなる自動変速機(図示省略)の変速パターン及
びコンバータ制御パターンもつ変速マップが示されてい
る。そして、変速パターンとしては、1速から4速まで
の各変速段についてそれぞれシフトアップラインとシフ
トダウンラインとを有している。一方、コンバータ制御
パターンについては次のように設定している。即ち、加
速領域においては、低車速・低負荷域に加速スリップ制
御領域(特許請求の範囲中の特定運転領域に該当する)
を、高車速域にロックアップ制御領域を、さらにこれら
以外の領域にコンバータ制御領域をそれぞれ設定してい
る。
ここで、スリップ制御領域におけるスリップ制御の形
態としては上述のように回転差一定の制御と差圧一定の
制御とがあり、この実施例においてはこのスリップ制御
領域内における変速時にのみ差圧一定のスリップ制御を
行ない、これ以外の領域では回転差一定の制御を行なう
ようにしている。そして、本発明はこのスリップ制御領
域における変速時のスリップ制御をその対象としてい
る。即ち、このスリップ制御領域内でシフトアップある
いはシフトダウンが行なわれる場合に、上述のように上
記デューティソレノイド弁26により設定した設定差圧
(即ち、トルクコンバータ8の設定締結力)が遠心力の
影響を受けて実質的に変化し、エンジン回転数の大小に
よって変速ショックが変化するのを防止せんとするもの
である。具体的には、設定差圧をエンジン回転数が高く
なるほど(即ち、遠心力による油圧上昇が大きくなるほ
ど)低くするように該設定差圧を補正することによりロ
ックアップクラッチ8の両側に作用する油圧の実質的な
差圧をエンジン回転数の変化にかかわらず一定に維持
し、もって変速時におけるロックアップクラッチ8の実
質的な締結力をその変速状態の如何にかかわらず一定に
維持するようにしたものである。
態としては上述のように回転差一定の制御と差圧一定の
制御とがあり、この実施例においてはこのスリップ制御
領域内における変速時にのみ差圧一定のスリップ制御を
行ない、これ以外の領域では回転差一定の制御を行なう
ようにしている。そして、本発明はこのスリップ制御領
域における変速時のスリップ制御をその対象としてい
る。即ち、このスリップ制御領域内でシフトアップある
いはシフトダウンが行なわれる場合に、上述のように上
記デューティソレノイド弁26により設定した設定差圧
(即ち、トルクコンバータ8の設定締結力)が遠心力の
影響を受けて実質的に変化し、エンジン回転数の大小に
よって変速ショックが変化するのを防止せんとするもの
である。具体的には、設定差圧をエンジン回転数が高く
なるほど(即ち、遠心力による油圧上昇が大きくなるほ
ど)低くするように該設定差圧を補正することによりロ
ックアップクラッチ8の両側に作用する油圧の実質的な
差圧をエンジン回転数の変化にかかわらず一定に維持
し、もって変速時におけるロックアップクラッチ8の実
質的な締結力をその変速状態の如何にかかわらず一定に
維持するようにしたものである。
以下、第4図に示すフローチャートに基き、シフトア
ップ時を例にとって変速時のスリップ制御の実際を説明
する。
ップ時を例にとって変速時のスリップ制御の実際を説明
する。
制御スタート後、先ずエンジン回転数NEとタービン回
転数NTと車速Vとスロットル開度をそれぞれ検出する
(ステップS1)。
転数NTと車速Vとスロットル開度をそれぞれ検出する
(ステップS1)。
次に、現在の制御領域を判断し(ステップS2)、非ス
リップ制御領域である場合には、変速マップ(第4図)
に沿って通常制御(即ち、コンバータ制御またはロック
アップ制御)を行なう(ステップS9)。一方、スリップ
制御領域である場合には、シフトアップ時かどうかを判
定する(ステップS3)。ここで、非シフトアップ時と判
定された場合には回転差一定のスリップ制御を行なう。
即ち、先ずステップS6においてエンジン回転数NEとター
ビン回転数NTとから回転差ΔN(NE−NT)を求め、この
回転差ΔNに対応するデューティ率の回転差補正値Δdm
を第3図に示す回転差補正値マップから求める(ステッ
プS7)。
リップ制御領域である場合には、変速マップ(第4図)
に沿って通常制御(即ち、コンバータ制御またはロック
アップ制御)を行なう(ステップS9)。一方、スリップ
制御領域である場合には、シフトアップ時かどうかを判
定する(ステップS3)。ここで、非シフトアップ時と判
定された場合には回転差一定のスリップ制御を行なう。
即ち、先ずステップS6においてエンジン回転数NEとター
ビン回転数NTとから回転差ΔN(NE−NT)を求め、この
回転差ΔNに対応するデューティ率の回転差補正値Δdm
を第3図に示す回転差補正値マップから求める(ステッ
プS7)。
尚、この実施例では回転差ΔNを60〜80rpmの範囲内
に収めるようにフィードバック制御するようにしてお
り、例えば上記回転差ΔNが80rpmより大きい場合には
回転差補正値Δdmを正の値に、逆に60rpmより小さい場
合にはこれを負の値に設定するようにしている。
に収めるようにフィードバック制御するようにしてお
り、例えば上記回転差ΔNが80rpmより大きい場合には
回転差補正値Δdmを正の値に、逆に60rpmより小さい場
合にはこれを負の値に設定するようにしている。
そして、このステップS7で求めた回転差補正値Δdmを
現行のデューティ率dmに加算して次回のデューティ率dm
を得る(ステップS8)。
現行のデューティ率dmに加算して次回のデューティ率dm
を得る(ステップS8)。
一方、ステップS3での判定の結果、シフトアップ時と
判定された場合には、制御形態を回転差一定の制御から
差圧一定の制御にかえるとともに、エンジン回転数を加
味した補正を行なう。
判定された場合には、制御形態を回転差一定の制御から
差圧一定の制御にかえるとともに、エンジン回転数を加
味した補正を行なう。
即ち、ステップS4において、予め定められた設定デュ
ーティ率dmo(固定値)に、第5図に示す差圧値補正値
αを加算し、差圧一定のスリップ制御におけるデューテ
ィ率dmを算出する。そして、このデューティ率dmでのス
リップ制御を変速終了まで持続させ(ステップS5)、変
速終了後は再び回転差のスリップ制御に移行する。
ーティ率dmo(固定値)に、第5図に示す差圧値補正値
αを加算し、差圧一定のスリップ制御におけるデューテ
ィ率dmを算出する。そして、このデューティ率dmでのス
リップ制御を変速終了まで持続させ(ステップS5)、変
速終了後は再び回転差のスリップ制御に移行する。
このように、シフトアップ時に差圧一定のスリップ制
御を行なうとともに、差圧設定を行なうデューティソレ
ノイド弁26のデューティ率をエンジン回転数に応じて適
宜補正することにより、ロックアップクラッチの締結力
を支配する締結室内圧が第6図において破線図示する理
想特性に可及的に近づけられることになる。この結果、
スリップ制御領域においていずれの変速状態で変速が行
なわれても変速ショックは同程度となり、従来のように
特定の変速状態において変速ショックが大きくなるとい
うようなことがない。従って、この実施例のように、補
正値αを、エンジンの低回転側でα=1に設定すること
によりスリップ制御領域内におる変速時の変速ショック
をいずれの変速状態においても可及的に軽減することが
可能となるものである。
御を行なうとともに、差圧設定を行なうデューティソレ
ノイド弁26のデューティ率をエンジン回転数に応じて適
宜補正することにより、ロックアップクラッチの締結力
を支配する締結室内圧が第6図において破線図示する理
想特性に可及的に近づけられることになる。この結果、
スリップ制御領域においていずれの変速状態で変速が行
なわれても変速ショックは同程度となり、従来のように
特定の変速状態において変速ショックが大きくなるとい
うようなことがない。従って、この実施例のように、補
正値αを、エンジンの低回転側でα=1に設定すること
によりスリップ制御領域内におる変速時の変速ショック
をいずれの変速状態においても可及的に軽減することが
可能となるものである。
第1図は本発明の実施例に係るトルクコンバータのスリ
ップ制御装置の要部システム図、第2図は変速マップ
図、第3図はデューティ率の回転差補正値マップ、第4
図は制御フローチャート、第5図はデューティ率の補正
値マップ、第6図はトルクコンバータの締結室内圧の変
化特性図である。 1……トルクコンバータ 2……エンジン出力軸 3……フロントカバー 4……ケース 5……ポンプ 6……タービン 7……ステータ 8……ロックアップクラッチ 9……タービンシャフト 11……ロックアップバルブ 13……解放室 26……デューティソレノイド弁 27……締結室
ップ制御装置の要部システム図、第2図は変速マップ
図、第3図はデューティ率の回転差補正値マップ、第4
図は制御フローチャート、第5図はデューティ率の補正
値マップ、第6図はトルクコンバータの締結室内圧の変
化特性図である。 1……トルクコンバータ 2……エンジン出力軸 3……フロントカバー 4……ケース 5……ポンプ 6……タービン 7……ステータ 8……ロックアップクラッチ 9……タービンシャフト 11……ロックアップバルブ 13……解放室 26……デューティソレノイド弁 27……締結室
Claims (1)
- 【請求項1】タービンシャフトに結合されたタービンと
エンジン出力軸に結合されたフロントカバーとの間にロ
ックアップクラッチを介設し、該ロックアップクラッチ
の両側に供給される油圧を油圧制御手段によって調整し
その設定差圧によって上記ロックアップクラッチとフロ
ントカバーとの締結力を調整可能とするとともに、特定
運転領域では上記油圧制御手段によって調整される上記
設定差圧を一定に固定して上記ロックアップクラッチを
半締結としたスリップ制御を行なうよういにしたトルク
コンバータのスリップ制御装置であって、上記特定運転
領域でのスリップ制御時に上記油圧制御手段により調整
される上記設定差圧を、エンジン回転数が高いほど低下
させるように補正する補正手段を備えたことを特徴とす
るトルクコンバータのスリップ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1266089A JP2815596B2 (ja) | 1989-01-20 | 1989-01-20 | トルクコンバータのスリップ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1266089A JP2815596B2 (ja) | 1989-01-20 | 1989-01-20 | トルクコンバータのスリップ制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02195071A JPH02195071A (ja) | 1990-08-01 |
JP2815596B2 true JP2815596B2 (ja) | 1998-10-27 |
Family
ID=11811518
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1266089A Expired - Lifetime JP2815596B2 (ja) | 1989-01-20 | 1989-01-20 | トルクコンバータのスリップ制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2815596B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07190189A (ja) * | 1993-12-28 | 1995-07-28 | Unisia Jecs Corp | 油圧ロックアップクラッチの油圧制御機構の故障診断装置 |
JP2005308071A (ja) * | 2004-04-20 | 2005-11-04 | Aisin Seiki Co Ltd | ロックアップクラッチの制御装置 |
-
1989
- 1989-01-20 JP JP1266089A patent/JP2815596B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02195071A (ja) | 1990-08-01 |
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