JP2813549B2 - 建築パネル用Al−Mn−Mg系合金板の製造方法 - Google Patents
建築パネル用Al−Mn−Mg系合金板の製造方法Info
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Description
ネル、特に高温焼付塗装用パネルとして好適なAl−M
n−Mg系合金板の製造方法に関するのもである。
板及びAl合金板としては、従来より、A1100−H
14材(Al系)、A3003−H24材(Al合金
系)が使用されている。これらの一般的な製造工程は、
造塊→均質化熱処理→熱間圧延→冷間圧延→必要に応じ
て仕上げ焼鈍(部分焼鈍)の工程により、建築用板材
(板厚:1〜6mm)を製造し、この板材をカーテンウ
オールメーカにて、所定の大きさに切断し、端部を曲加
工した後、塗装又は陽極酸化等の表面処理が行われてい
る。
は、近年、耐食性、耐候性、耐汚染性等の点から、フッ
素樹脂塗料等の高温焼付塗装が増加している。しかしA
1100材では、この高温焼付処理(通常、240〜2
60℃)によって材料強度が大きく低下し、強度設計上
必要とされる耐力値(95N/mm2)を満足出来ない
問題があった。又図1(イ)に示すようにパネル材1を
曲げ加工(内側半径〔R〕=0°曲げ)した際、曲げ加
工した内側2が内側半径R=0゜に曲がり、かつその外
側3にクラックや肌荒れがない曲げ部が理想的であるの
に対して、A3003材では、図1(ロ)に示すように
クラック4が入ったり、肌荒れが生ずる欠陥があり、又
図1(ハ)に示すように内側2がシャープに曲がらない
(R=n)という問題もあった。更にいずれの材料にお
いても、高温焼付塗装の際、板の強度及び平坦性が変化
するという問題があった。ここでいう平坦性とは、板が
高温焼付塗装された場合、板の内部応力が開放されて、
板にそりや曲がりが発生し、平坦の程度が変わってくる
ことをいう。建築用パネルには、この平坦性のよいこと
が要求される。本発明は、従来のこれらの問題(高温焼
付塗装後の強度及びその安定性の問題、平坦性の問
題、曲げ加工性の問題)を解決すべく鋭意検討した結
果なされたものである。
0.8〜1.5%(重量%、以下同じ)およびMg0.
5〜1.5%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純
物よりなるアルミニウム合金を溶解鋳造した鋳塊を、均
質化熱処理後熱間圧延、冷間圧延し、その後中間焼鈍し
て圧延率15〜25%で冷間圧延し、その後260〜3
00°Cで最終熱処理することを特徴とする建築パネル
用Al−Mn−Mg系合金板の製造方法である。
て説明する。Al合金をAl−Mn−Mg系合金と限定
したのは、A1100のごとく純Al系、A3003の
ごとくAl−Mn系合金では強度が不足するためAl−
Mn−Mg系合金とした。この場合Mnは0.8〜1.
5wt%、Mgは0.5〜1.5wt%が望ましい。夫
々、下限未満では所定の強度が得られなく、上限を超え
ると粗大な金属間化合物が晶出し表面欠陥となったり、
圧延が困難となるからである。なお必要に応じて、強度
等の向上を目的としてCu、Crを0.25wt%以下
添加してもよい。又結晶粒の微細化を目的としてTi
0.05wt%以下、B0.005wt%以下を添加し
てもよい。又Fe、Si、Zn等の不純物は一般のAl
地金に含有されている程度は、本発明に影響はない。
熱処理、続いて熱間圧延して板厚4〜6mmとする。均
質化熱処理は480〜620℃×2〜5時間、熱間圧延
は500〜300℃で行うのが普通である。次にこれを
常法に従って冷間圧延した後焼鈍する。冷間圧延は20
%以上が好ましい。これ未満では材料がよく練られない
からである。焼鈍は通常320〜400℃程度で1〜3
時間実施される。
する。この冷間圧延で所定の強度を得るためである。1
5%未満では強度が低く、25%を超えると高温焼付塗
装後の強度と平坦性が不安定であり、又曲げ加工性が劣
るためである。次にこの冷間圧延板を260〜300℃
で最終熱処理する。この熱処理は、高温焼付塗装による
強度と平坦性を安定させるためと曲げ加工性を向上させ
るためである。260℃未満ではこれらの特性が得られ
なく、又300℃を超えると所定の強度が得られないか
らである。なお熱処理時間はこの温度範囲で1〜3時間
実施するのが望ましい。以上述べた方法で製造されたA
l合金板は、曲げ加工性に優れ、高温焼付塗装後の強度
(耐力)も90N/mm2 以上であり、又高温焼付塗装
前後の強度及び平坦性も殆ど変化がなく安定しており、
建築用パネル材として優れた特性を有している。
もに説明する。 〔実施例1〕本発明に係るAl−Mn−Mg系合金とし
て表1に示す組成の合金及び従来合金としてA1100
合金(Al−0.15wt%Cu合金)、A3003合
金(Al−1.2wt%Mn−0.15wt%Cu合
金)を溶解鋳造し、厚さ600mm×幅2200mm×
長さ4000mmの鋳塊とした。これを両面(片面につ
き10mm)面削して均質化熱処理をおこなった。これ
を500〜300℃で熱間圧延して板厚を5.0mmと
した。
製造した。 ・本発明に係るAl−Mn−Mg合金板材 熱間圧延→冷間圧延 →中間焼鈍 →冷間圧延 板厚4.2mm 360℃×2H 板厚3.0mm →最終熱処理 280℃×2H ・従来材A1100−H14板材 熱間圧延→冷間圧延 板厚3.0mm ・従来材A3003−H24板材 熱間圧延→冷間圧延 →仕上げ焼鈍(部分焼鈍) 板厚3.0mm 255℃×3H
を測定)、図1.イ に示す曲げ試験、平坦性試験を行っ
た。なお、曲げ加工試験は、図1.イに示すように内側
半径R=0°に曲げた場合、表面のクラック、肌荒れの
有無、内側がシャープに曲げられるかどうかで判定した
(○良好なもの、△肌荒れのあるもの、シャープに曲が
らないもの、×クラックを生ずるもの)。また平坦性の
試験は、常磐上に3mm×2500mm×2500mm
の板をおき常磐と板との最大スキマ(mm)を測定し、
1mm以下を合格、1mmを超えるものを不合格とし
た。これらの結果を表1に示した。又これらの板につい
て、フッ素系の樹脂を焼付塗装(焼付塗装条件:250
℃×20分)した。これらの板について引張試験(耐力
値を測定)、板の平坦性について測定した。これらの結
果を表1に示した。
加工性に優れ、高温焼付塗装後の強度(耐力90N/m
m2 以上)も優れ、又高温焼付塗装前後の強度及び平坦
性も安定しており且つ平坦性そのものも優れていること
がわかる。
o.1のAl−Mn−Mg合金について、表2の如く冷
間圧延率と最終熱処理条件が本発明の範囲内の板と範囲
外の板を製造し、試験した。他の板の製造条件と試験方
法は実施例1と同様である。これらの試験結果を表2に
示す。
によるものは、曲げ加工性、高温焼付塗装前後の強度、
平坦性に優れていることがわかる。
築パネル用板材に比較して、特に強度(耐力)と曲げ加
工性に優れ、高温焼付塗装前後の強度(耐力)と平坦性
も変化しなく安定しており、且つ建築パネルに要求され
る平坦性そのものにも優れており、大型建築パネル用板
材として好適である。
り、(イ)は正常な状態、(ロ)は表面にクラックが発
生した状態、(ハ)はシャープに曲がらない状態を示
す。
Claims (1)
- 【請求項1】 Mn0.8〜1.5%(重量%、以下同
じ)およびMg0.5〜1.5%を含有し、残部がAl
および不可避的不純物よりなるアルミニウム合金を溶解
鋳造した鋳塊を、均質化熱処理後熱間圧延、冷間圧延
し、その後中間焼鈍して圧延率15〜25%で冷間圧延
し、その後260〜300°Cで最終熱処理することを
特徴とする建築パネル用Al−Mn−Mg系合金板の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6148236A JP2813549B2 (ja) | 1994-06-29 | 1994-06-29 | 建築パネル用Al−Mn−Mg系合金板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6148236A JP2813549B2 (ja) | 1994-06-29 | 1994-06-29 | 建築パネル用Al−Mn−Mg系合金板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0813108A JPH0813108A (ja) | 1996-01-16 |
JP2813549B2 true JP2813549B2 (ja) | 1998-10-22 |
Family
ID=15448298
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6148236A Expired - Lifetime JP2813549B2 (ja) | 1994-06-29 | 1994-06-29 | 建築パネル用Al−Mn−Mg系合金板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2813549B2 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6362836A (ja) * | 1986-09-03 | 1988-03-19 | Sky Alum Co Ltd | 高強度耐熱性アルミニウム合金圧延板およびその製造方法 |
JPH04107237A (ja) * | 1990-08-25 | 1992-04-08 | Kobe Steel Ltd | 耐食性に優れたキャンエンド用Al合金板及びその製造方法 |
JP3241064B2 (ja) * | 1991-07-05 | 2001-12-25 | 住友軽金属工業株式会社 | 耐軟化性に優れた飲料缶蓋用アルミニウム合金硬質板の製造方法 |
JP3201783B2 (ja) * | 1991-07-31 | 2001-08-27 | 住友軽金属工業株式会社 | 強度と成形性に優れたアルミニウム合金硬質板の製造方法 |
JP3278119B2 (ja) * | 1992-10-07 | 2002-04-30 | 株式会社神戸製鋼所 | 成形性及び焼付硬化性に優れたAl−Mg−Si系合金板の製造方法 |
-
1994
- 1994-06-29 JP JP6148236A patent/JP2813549B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0813108A (ja) | 1996-01-16 |
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