JP2802055B2 - 外壁パネル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ＡＬＣ板等の外
装材を用いた外壁パネルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、ＡＬＣ板等を外装材としてパネル
枠の外面に固着した外壁パネルでは、外装材の周縁部を
固着具でパネル枠に固定していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ＡＬＣ
板は断熱性や耐火性には優れているが硬度が低く割れ易
いので、組み立て時においてＡＬＣ板の端部に固着具を
打ち込むと割れるという問題点があった。また、外装材
の端部に固着具を打ち込まない構成では、上記問題点を
解消できるが、配送時に外装材に割れ欠けが生じること
や、さらには外装材とパネル枠が擦れることによる擦れ
音が発生することがあった。

【０００４】したがって、この発明の目的は、外装材の
端部の割れを防止し、外装材とパネル枠の擦れ音の発生
を防止した外壁パネルを提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の外壁パネ
ルは、外装材をパネル枠に固着して成る外壁パネルであ
って、前記パネル枠の両側縁部に配置される縦枠より内
側に、この縦枠と平行に複数の中桟を配置するとともに
中桟どうしの間隔よりも前記縦枠とこれに対向する中桟
との間隔を狭くし、前記外装材を前記複数の中桟に固着
具で固定するとともに、前記外装材の両側縁部とこれに
当接する縦枠の当接面との間にブチルゴムまたはマスチ
ックシール材を介在させてこのブチルゴムまたはマスチ
ックシール材により前記外装材の両側縁部を前記縦枠に
固定したことを特徴とするものである。

【０００６】このように、パネル枠の外周に配置される
縦枠より内側に、この縦枠と平行に複数の中桟を設けた
ので、この中桟に外装材を固着具で固定することができ
る。このため、外装材の縦枠近傍に配置される固着具は
外装材の両側縁部から離れた位置にあり端明きを確保で
きるので、外装材が割れ易いＡＬＣ板等であってもその
端部が割れることはない。また、外装材の両側縁部とこ
れに当接する縦枠の当接面との間にブチルゴムまたはマ
スチックシール材を介在させてこのブチルゴムまたはマ
スチックシール材により外装材の両側縁部を縦枠に固定
したので、外装材の端部は縦枠に直接当たることがな
く、かつ外装材に対して縦枠が移動することを防止でき
る。このため、配送時の外装材の割れ欠けを防止できる
とともに、外装材と縦枠が擦れることによる擦れ音の発
生を防止できる。

【０００７】請求項２記載の外壁パネルは、外装材をパ
ネル枠に固着して成る外壁パネルであって、前記パネル
枠の上下端部に配置される横枠より内側に、この横枠と
平行に複数の中桟を配置するとともに中桟どうしの間隔
よりも前記横枠とこれに対向する中桟との間隔を狭く
し、前記外装材を前記複数の中桟に固着具で固定すると
ともに、前記外装材の上下端部とこれに当接する横枠の
当接面との間にブチルゴムまたはマスチックシール材を
介在させてこのブチルゴムまたはマスチックシール材に
より前記外装材の上下端部を前記横枠に固定したことを
特徴とするものである。このように、パネル枠の外周に
配置される横枠より内側に、この横枠と平行に複数の中
桟を設けたので、この中桟に外装材を固着具で固定する
ことができる。このため、外装材の横枠近傍に配置され
る固着具は外装材の上下端部から離れた位置にあり端明
きを確保できるので、外装材が割れ易いＡＬＣ板等であ
ってもその端部が割れることはない。また、外装材の上
下端部とこれに当接する横枠の当接面との間にブチルゴ
ムまたはマスチックシール材を介在させてこのブチルゴ
ムまたはマスチックシール材により外装材の上下端部を
横枠に固定したので、外装材の端部は横枠に直接当たる
ことがなく、かつ外装材に対して横枠が移動することを
防止できる。このため、配送時の外装材の割れ欠けを防
止できるとともに、外装材と横枠が擦れることによる擦
れ音の発生を防止できる。

【０００８】

【発明の実施の形態】この発明の第１の実施の形態の外
壁パネルを図１ないし図７に基づいて説明する。この外
壁パネルは、パネル幅が広い場合であり、図２に示すよ
うに、パネル枠１の外面に５枚の外装材２…を固着して
いる。

【０００９】パネル枠１は、図３に示すように、左右両
側に配置される縦枠３，３と上下両側に配置される横枠
４，４で外周枠組が構成されている。また、縦枠３より
内側に、この縦枠３に平行に中桟５を設けている。この
場合、左右両側の縦枠３，３に対向する２本の中桟５，
５の間に２本の中桟５′，５′を設け、それぞれ等間隔
で配置している。また、中桟５と縦枠３の間隔は中桟
５，５′どうしの間隔より狭くし、中桟５を縦枠３に近
接させている。また、このパネル枠１の上記縦桟３、横
桟４、中桟５，５′等の構成部材は溝形鋼等で形成さ
れ、接合部は溶接等で接合される。

【００１０】外装材２は、ＡＬＣ板等であり、その幅は
パネル枠１の幅と同じである。この場合、５枚の外装材
２…がパネル枠１の上下方向に配設される。また、パネ
ル枠１の中桟５，５′に対応する位置がタッピンねじ等
の固着具６で固定され、その位置には図１に示すような
固着具６の頭部を埋め込む凹部９が設けられる。また、
図１、図３および図４に示すように、外装材２と縦枠３
の間にブチルゴムまたはマスチックシール材（サンライ
ズＭＳＩ（メイセイ）製）２０を介在させている。この
ブチルゴムまたはマスチックシール材２０は、変形層で
あって外装材２の両側縁部を縦枠３に固定するものであ
る。マスチックシール材は、ベース樹脂であるアルキッ
ド樹脂と、オイルであるポリブテン樹脂と、充填材であ
る炭酸カルシウムと、着色剤である酸化チタンとからな
る。

【００１１】また、図５に示すようにパネル枠１の内面
に複数の内装材７…が固着される。この内装材７は、石
膏スラグ板等からなり、パネル枠１に固着具２２で固定
される。また、図６に示すようにパネル枠１の内部に複
数の断熱材８…が配設される。なお、図１では断熱材９
の図示を省略した。上記のように構成される外壁パネル
は、工場内において組み立てることができる。すなわ
ち、パネル枠１の内面に内装材７を固着した後、図３お
よび図４に示すように、パネル枠１の縦枠３の外装側フ
ランジ面にマスチックシール材２０を塗布する。このと
き、マスチックシール材２０が縦枠３からはみ出さない
ようにする。つぎに、図２に示すように、パネル枠１の
外面に端縁部を揃えて外装材２を配置し、外装材２の上
下両端を中桟５，５′に固着具６で固定する。同図で
は、パネル枠１の上下両端において、外装材２を横枠４
に固着具６で固定しているが、同様に中桟５，５′に固
定してもよい。このように、外装材２をパネル枠１の外
面に固着すると、マスチックシール材が押し潰された状
態で外装材２と縦枠３の間に介在する。また、外装材２
を取付ける前に断熱材８をパネル枠１の内部に入れてお
く。

【００１２】この実施の形態によれば、パネル枠１の外
周に配置される縦枠３より内側に、この縦枠３と平行に
複数の中桟５を設けたので、この中桟５に外装材２を固
着具６で固定することができる。このため、外装材２の
縦枠３の近傍に配置される固着具６は外装材２の両側縁
部から離れた位置にあり端明きを確保できるので、外装
材２が割れ易いＡＬＣ板等であってもその端部が割れる
ことはない。また、外装材２の両側縁部とこれに当接す
る縦枠３の当接面との間にブチルゴムまたはマスチック
シール材２０を介在させてこのブチルゴムまたはマスチ
ックシール材２０により外装材２の両側縁部を縦枠３に
固定したので、外装材２の端部は縦枠３に直接当たるこ
とがなく、かつ外装材２に対して縦枠３が移動すること
を防止できる。このため、配送時の外装材２の割れ欠け
を防止できるとともに、外装材２と縦枠３が擦れること
による擦れ音の発生を防止できる。

【００１３】第２の実施の形態の外壁パネルを図８ない
し図１３に基づいて説明する。この外壁パネルは、パネ
ル幅が狭い場合であり、図８に示すように、パネル枠１
１の外面に２枚の外装材１２，１２を固着している。パ
ネル枠１１は、図９に示すように、左右両側に配置され
る縦枠１３，１３と上下両側に配置される横枠１４，１
４で外周枠組が構成されている。また、横枠１４より内
側に、この横枠１４に平行に中桟１５を設けている。こ
の場合、上下両側の横枠１４，１４に対向する２本の中
桟１５，１５を横枠１４，１４に近接させ、２本の中桟
１５，１５の間に複数の中桟１５′…を配置している。
中桟１５′は、外装材１２の取付状態において外装材１
２の上下端部から離れた位置にある。また、このパネル
枠１１の構成部材は、第１の実施の形態と同様に溝形鋼
等で形成され、接合部は溶接等で接合される。

【００１４】外装材１２は、第１の実施の形態と同様に
ＡＬＣ板等であり、その幅はパネル枠１１の幅と同じで
ある。この場合、２枚の外装材１２，１２がパネル枠１
１の上下方向に配設される。また、パネル枠１１の中桟
１５に対応する位置においてタッピンねじ等の固着具６
で固定され、その位置には図１３に示すような凹部１９
が設けられる。

【００１５】また、図９および図１０に示すように、外
装材１２と横枠１４の間にブチルゴムまたはマスチック
シール材２０を介在させている。このブチルゴムまたは
マスチックシール材２０は、外装材１２の上または下端
部を横枠１４に固定するものである。また、図１１に示
すようにパネル枠１１の内面に複数の内装材１７…が固
着され、図１２に示すようにパネル枠１１の内部に複数
の断熱材１８…が配設される。

【００１６】上記のように構成される外壁パネルは、工
場内において組み立てることができる。すなわち、パネ
ル枠１１の内面に内装材１７を固着した後、図９に示す
ように、パネル枠１の横枠１４の外装側フランジ面にマ
スチックシール材２０を塗布する。このとき、マスチッ
クシール材２０が横枠１４からはみ出さないようにす
る。つぎに、図８に示すように、パネル枠１１の外面に
端縁部を揃えて外装材１２を配置し、外装材１２の左右
両端を中桟１５，１５′に固着具６で固定する。また、
外装材１２を取付ける前に断熱材１８をパネル枠１１の
内部に入れておく。

【００１７】この実施の形態によれば、パネル枠１１の
外周に配置される横枠１４より内側に、この横枠１４と
平行に複数の中桟５を設けたので、この中桟５に外装材
１２を固着具６で固定することができる。このため、外
装材１２の横枠１４の近傍に配置される固着具６は外装
材１２の上下端部から離れた位置にあり端明きを確保で
きるので、外装材１２が割れ易いＡＬＣ板等であっても
その端部が割れることはない。また、外装材１２の上下
端部とこれに当接する横枠１４の当接面との間にブチル
ゴムまたはマスチックシール材２０を介在させてこのブ
チルゴムまたはマスチックシール材２０により外装材１
２の上下端部を横枠１４に固定したので、外装材１２の
端部は横枠１４に直接当たることがなく、かつ外装材１
２に対して横枠１４が移動することを防止できる。この
ため、配送時の外装材１２の割れ欠けを防止できるとと
もに、外装材１２と横枠１４が擦れることによる擦れ音
の発生を防止できる。

【００１８】なお、上記実施の形態において、外装材
２，１２は何枚でもよく、パネル枠１，１１の中桟
５′，１５′は何本でもよい。内装材７，１７および断
熱材８，１８は省略してもよい。

【００１９】

【発明の効果】この発明の請求項１記載の外壁パネルに
よれば、パネル枠の外周に配置される縦枠より内側に、
この縦枠と平行に複数の中桟を設けたので、この中桟に
外装材を固着具で固定することができる。このため、外
装材の縦枠近傍に配置される固着具は外装材の両側縁部
から離れた位置にあり端明きを確保できるので、外装材
が割れ易いＡＬＣ板等であってもその端部が割れること
はない。また、外装材の両側縁部とこれに当接する縦枠
の当接面との間にブチルゴムまたはマスチックシール材
を介在させてこのブチルゴムまたはマスチックシール材
により外装材の両側縁部を縦枠に固定したので、外装材
の端部は縦枠に直接当たることがなく、かつ外装材に対
して縦枠が移動することを防止できる。このため、配送
時の外装材の割れ欠けを防止できるとともに、外装材と
縦枠が擦れることによる擦れ音の発生を防止できる。

【００２０】この発明の請求項２記載の外壁パネルによ
れば、パネル枠の外周に配置される横枠より内側に、こ
の横枠と平行に複数の中桟を設けたので、この中桟に外
装材を固着具で固定することができる。このため、外装
材の横枠近傍に配置される固着具は外装材の上下端部か
ら離れた位置にあり端明きを確保できるので、外装材が
割れ易いＡＬＣ板等であってもその端部が割れることは
ない。また、外装材の上下端部とこれに当接する横枠の
当接面との間にブチルゴムまたはマスチックシール材を
介在させてこのブチルゴムまたはマスチックシール材に
より外装材の上下端部を横枠に固定したので、外装材の
端部は横枠に直接当たることがなく、かつ外装材に対し
て横枠が移動することを防止できる。このため、配送時
の外装材の割れ欠けを防止できるとともに、外装材と横
枠が擦れることによる擦れ音の発生を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１の実施の形態の外壁パネルの横
断面図である。

【図２】第１の実施の形態の外壁パネルの正面図であ
る。

【図３】第１の実施の形態のパネル枠の正面図である。

【図４】第１の実施の形態におけるブチルゴムまたはマ
スチックシール材の説明図である。

【図５】第１の実施の形態の内装材の割付図である。

【図６】第１の実施の形態の断熱材の割付図である。

【図７】第１の実施の形態の外壁パネルの縦断面図であ
る。

【図８】第２の実施の形態の外壁パネルの正面図であ
る。

【図９】第２の実施の形態のパネル枠の正面図である。

【図１０】第２の実施の形態の外壁パネルの縦断面図で
ある。

【図１１】第２の実施の形態の内装材の割付図である。

【図１２】第２の実施の形態の断熱材の割付図である。

【図１３】第２の実施の形態の外壁パネルの横断面図で
ある。

【符号の説明】

１，１１ パネル枠 ２，１２ 外装材 ３，１３ 縦枠 ４，１４ 横枠 ５，１５ 中桟 ６ 固着具 ２０ ブチルゴムまたはマスチックシール材

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外装材をパネル枠に固着して成る外壁パ
   ネルであって、前記パネル枠の両側縁部に配置される縦
   枠より内側に、この縦枠と平行に複数の中桟を配置する
   とともに中桟どうしの間隔よりも前記縦枠とこれに対向
   する中桟との間隔を狭くし、前記外装材を前記複数の中
   桟に固着具で固定するとともに、前記外装材の両側縁部
   とこれに当接する縦枠の当接面との間にブチルゴムまた
   はマスチックシール材を介在させてこのブチルゴムまた
   はマスチックシール材により前記外装材の両側縁部を前
   記縦枠に固定したことを特徴とする外壁パネル。
2. 【請求項２】 外装材をパネル枠に固着して成る外壁パ
   ネルであって、前記パネル枠の上下端部に配置される横
   枠より内側に、この横枠と平行に複数の中桟を配置する
   とともに中桟どうしの間隔よりも前記横枠とこれに対向
   する中桟との間隔を狭くし、前記外装材を前記複数の中
   桟に固着具で固定するとともに、前記外装材の上下端部
   とこれに当接する横枠の当接面との間にブチルゴムまた
   はマスチックシール材を介在させてこのブチルゴムまた
   はマスチックシール材により前記外装材の上下端部を前
   記横枠に固定したことを特徴とする外壁パネル。