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JP2886258B2 - カーボンブラック及びそれを含有するゴム組成物 - Google Patents

カーボンブラック及びそれを含有するゴム組成物

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JP2886258B2
JP2886258B2 JP11957790A JP11957790A JP2886258B2 JP 2886258 B2 JP2886258 B2 JP 2886258B2 JP 11957790 A JP11957790 A JP 11957790A JP 11957790 A JP11957790 A JP 11957790A JP 2886258 B2 JP2886258 B2 JP 2886258B2
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    • C09C1/00Treatment of specific inorganic materials other than fibrous fillers; Preparation of carbon black
    • C09C1/44Carbon
    • C09C1/48Carbon black
    • C09C1/50Furnace black ; Preparation thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08K3/02Elements
    • C08K3/04Carbon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ゴム用カーボンブラックの分類でハードブ
ラックに属し、特定された範囲のカーボンブラック特性
を有するカーボンブラックならびにそれを使用したゴム
組成物に関するものであり、更に詳しくは、当該カーボ
ンブラックを配合したゴム組成物、特に乗用車用のタイ
ヤのトレッド部に優れた補強性を維持しながら、優れた
ヒステリシスを付与することができるカーボンブラック
に係るものである。
[従来の技術] ゴム用カーボンブラックは、その特性に対応し多様の
品種があり、通常比表面積(よう素吸着量、窒素吸着比
表面積などで表わされる。)、ストラクチャー(DBP吸
油量などで表わされる。)などの特性に基づいて分類さ
れている。
主にタイヤのトレッド部に用いられるカーボンブラッ
クの品種は比表面積の小さい方から、HAF、ISAF、SAFと
分類され、一般にこの順で配合されたゴムの耐摩耗性が
優れていくとされている。
これらのカーボンブラックの品種特性は、配合するゴ
ム組成物の諸性能を決定する重要な因子となることか
ら、その使用目的に応じて選択される。一般にISAFクラ
スよりも比表面積の大きいカーボンブラックは天然ゴム
を主体としたトラック、バス用タイヤのトレッド部に用
いられており、HAFクラスのカーボンブラックはSBRゴム
などの合成ゴムを主体とした乗用車用タイヤのトレッド
部に用いられている。
[発明が解決しようとする課題] 乗用車用タイヤにおいては、走行時の省燃費性及びタ
イヤ寿命の経済性から、配合したゴム組成物に優えた耐
摩耗性、すなわち補強性(高い比表面積)を高度に付与
しながら、ヒステリシスロスが出来るだけ小さくなるカ
ーボンブラックの開発が望まれていた。
一般にカーボンブラックの比表面積が大きくなると、
配合ゴム物性の発熱性が高くなり、ヒステリシスロスが
大きくなってくるという欠点があった。ゴム組成物のヒ
ステリシスロスとはゴムに変形、回復のサイクルを与え
たときに変形過程で加えられるエネルギーと回復過程で
放出するエネルギーとの差のことで、この値が少ないほ
どタイヤの転がり抵抗が少なくなり、省燃費性が優れて
いることになる。
したがって、補強性が高く、かつヒステリシスロスの
少ない、相反する要望を満たすカーボンブラックの開発
が望まれていた。
[課題を解決するための手段] 本発明は、カーボンブラックの比表面積およびストラ
クチャーに着目することにより、この課題を解決したも
のである。
カーボンブラックの比表面積を測定する方法として
は、電子顕微鏡による電顕比表面積(Sem)、BET法によ
る窒素吸着比表面積(N2SA)、界面活性剤であるセチル
トリメチルアンモニウムブロマイドの吸着によるCTAB比
表面積(CTAB)および、よう素吸着量(IA)がある。こ
れらの比表面積はそれぞれ特徴がある。
他方、カーボンブラックのストラクチャーとはカーボ
ンブラックの粒子の繋り、または凝集による構造のこと
である。粒子の繋り程度が発達しているほど、このスト
ラクチャーの値は高くなる。
本発明においては、CTAB比表面積が65m2/g〜85m2/g、
DBP吸油量(DBP)が130ml/100g〜160ml/100gであり、CT
AB比表面積(CTAB)の測定値(m2/g)とよう素吸着量
(IA)の測定値(mg/g)の比が1.15〜1.35であり、ΔDB
P(DBP吸油量と圧縮後の試料のDBP吸油量の差)が、20m
l/100g〜40ml/100gであり、比着色力が85〜100であり、
遠心沈降法によるカーボンブラックの凝集体のモード径
が115〜135mμであり、遠心沈降法によるカーボンブラ
ックの凝集体の半値幅と凝集体のモード径の比が0.65〜
0.90である場合には補強性とヒステリシスロスのバラン
スの良い、優れたカーボンブラックとなることを見出し
た。
本発明のカーボンブラックは、天然ゴム、合成ゴムま
たはそれらの混合物の補強に効果があり、かつ得られた
ゴム組成物は乗用車用タイヤとして優れたヒステリシス
特性を持つものである。配合量としては、ゴム100重量
部に対し、カーボンブラックを20〜200重量部、好まし
くは30〜100重量部である。
ここで、CTABが高過ぎると期待したヒステリシスの改
善が見られないので85m2/gを越えてはならない。また、
65m2/g以下では補強効果が低く、よいゴム組成物が得ら
れない。
DBPも130ml/100g以下では、補強効果が充分でない
が、160ml/100gを越える場合にはゴム組成物のモジュラ
スを高くし、こわさを増すので好ましくない。
また、CTAB比表面積(CTAB)の測定値(m2/g)とよう
素吸着量(IA)の測定値(mg/g)の比(CTAB/IA)はカ
ーボンブラック表面の化学活性の物差しとなり、この値
が大きいほど表面化学活性が高いことを示し、(CTAB/I
A)が1.15〜1.35のときには、カーボンブラックの表面
化学活性に基づくゴムとカーボンブラックの相互作用に
より、配合ゴム物性の補強性及びヒステリシスロスに対
して、より好ましい特性を示すことがわかった。
DBP吸油量と圧縮後の試料のDBP吸油量の差(ΔDBP)
が40ml/100gを越えるとストラクチャー破壊が大きくて
補強性を保てず、一方ΔDBPが20ml/100g以下であるとゴ
ムと混練りした場合に充分なゴムへの分散性が劣るので
不適当である。
比着色力が100を越えるとヒステリシスロスが大きく
なり85より小さいと、補強性が保てない。
遠心沈降法によるカーボンブラックの凝集体のモード
径が115mμより小さいとヒステリシスロスが大きくなり
135mμを越えると補強性が足りない。
遠心沈降法によるカーボンブラックの凝集体の半値幅
と凝集体のモード径の比が0.65より小さいとヒステリシ
スロスが大きくなり、0.90を越えると補強性が不充分と
なる。
したがってカーボンブラック特性の組み合わせが特定
された範囲内にあるカーボンブラックを配合した時に初
めてゴム組成物に優れた補強性及び少ないヒステリシス
ロスを付与させることが出来ることを見出した。
本発明のカーボンブラックは、天然ゴム及び/または
合成ゴムの補強に効果があり、且つ得られたゴム組成物
は優れたヒステリシス特性を持つものである。配合量と
しては、ゴム100重量部に対し、カーボンブラックを20
〜200重量部、好ましくは30〜100重量部である。
この場合適用可能なゴムとしては、天然ゴム又は合成
ゴムのいずれでもよく、またそれらの任意のブレンドで
あっても同じような効果が期待できる。
なお、本発明に用いられたカーボンブラックは通常の
ファーネス法カーボンブラック製造装置によって製造さ
れる。
[実施例] 次に本発明を実施例に基づき説明する。ファーネス法
カーボンブラック製造装置を用い、 導入空気量:Nm3/H 2,500〜5,000 導入燃料油量:/H 100〜300 導入原料油量:/H 1,000〜2,000 原料油へのK2CO3 添加量:g/H 5〜15 水冷却温度:℃ 600〜900 の条件で行ない、表1の実施例1〜実施例3に示すカー
ボンブラックを得た。
この場合カーボンブラックの各特性は、次のようにし
て測定した。
なお比較のため比較例1及び2に市販のHAF−HSカー
ボンブラックおよびIRB#6(標準カーボンブラック)
の測定を行なった。
(1)ITAB比表面積(CTAB): ASTM D3765−89に準拠して行なった。
(2)DBP吸油量(DBP): JIS K 6221−1982に準拠して行なった。
(3)よう素吸着量(IA): JIS K 6221−1982に準拠して行なった。
(4)圧縮後の試料のDBP吸油量(CDBP): ASTM D3493−88に準拠して行なった。
(5)比着色力(Tint): JIS K 6221−1982に準拠して行なった。
(6)カーボンブラックの凝集体測定法: 遠心沈降法によるカーボンブラックの凝集体分布は、
ジョイス・レーブル社製ディスク・セントリフュージを
使用し、次の方法によって測定を行なった。
カーボンブラックを約10mg精秤し、少量の界面活性剤
を加えた20%エタノール水溶液に加え、カーボンブラッ
ク濃度を約0.02重量%にした後、超音波で分散させ、こ
れを試料溶液とした。
ディスク・セントリフュージの回転速度を8,000rpmに
設定し、スピン液(純水)14mlを加えた。その後バッフ
ァー液(20%エタノール水溶液)1mlを注入し、ついで
これに試料溶液0.5mlを注射器で注入し、一斉に遠心沈
降を開始させた。
光電沈降法により凝集体分布曲線を作成した。
モード径(DST)と半値幅(ΔD50)は、第1図より求
めた。
非圧縮試料のモード径を(Dst、半値幅を(Δ
D50とし、ASTM−D3493の方法によって得た圧縮後の
試料のモード径を(DST、半値幅を(ΔD50とす
る。
表−1に示したカーボンブラックの性能評価をするた
めに、ASTM D 3191「SBR配合物−評価と配合」(表
−2)及びASTM D 3192「天然ゴム配合物−評価と配
合」(表−3)に準拠して調製し、次の配合ゴム物性試
験条件により測定評価した。この結果を表−4および5
に示す。
(1)配合物の加硫条件: 145℃,50分 (2)引張試験、反発弾性試験: JIS K 6301−1975に準拠して行なった。
引張強度の値が大きいほど、補強性が高い。
反発弾性の値が大きいほど、ヒステリシスロスは少な
い。
(3)耐摩耗性試験:カーボンブラック摩耗試験機を用
い、次の条件で測定した。
試験片:外径54.0mm,厚さ12.7mm エメリーホイール:砥粒C,粒度#80,結合度K エメリーホイール面と試験片との相対スリップ率:25% 試験荷重:12Kg 添加カーボランダム粒:粒度#100,添加量10g/min 測定結果はIRB#6対比の指数で表示した。
指数が大きいほど耐摩耗性が優れており、補強性が高
いことを示している。
表−1に挙げたカーボンブラックはいずれもCTAB比表
面積(CTAB)が65m2/g〜85m2/gの範囲内にある。
比較例1ではCTAB/IAが特許請求の範囲内の1.30にあ
るが、DBPが128ml/100gと外れており、ΔDBPも19と小さ
な値となっており補強性及びヒステリシスロスにおいて
実施例1〜実施例3に劣っている。
比較例2ではCTAB/IAが1.09と特許請求の範囲を外れ
ており、DBPも128と低く、ΔD50/Dstの値も0.58と低い
ために補強性とヒステリシスロスのバランスが実施例に
比較して劣っている。
[発明の効果] 上記説明で明らかなように本発明で規制する選択的特
性を有するカーボンブラックは、その配合ゴム組成物に
優れた補強性を維持しながら、低いヒステリシスロスを
付与することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はカーボンブラックの凝集体分布曲線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 主計 千葉県山武郡横芝町北清水7000番地 昭 和キャボット株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−26044(JP,A) 特開 昭60−26045(JP,A) 特開 平2−103268(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09C 1/44 - 1/60 C08K 3/00 - 3/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CTAB比表面積が65m2/g〜85m2/g、DBP吸油
    量が130ml/100g〜160ml/100gであり、CTAB比表面積の測
    定値とよう素吸着量の比が1.15〜1.35であり、ΔDBP(D
    BP吸油量と圧縮後の試料のDBP吸油量の差)が20ml/100g
    〜40ml/100gであり、比着色力が85〜100であり、遠心沈
    降法によるカーボンブラックの凝集体のモード径が115
    〜135mμであり、遠心沈降法によるカーボンブラックの
    凝集体の半値幅と凝集体のモード径の比が0.65〜0.90で
    あるカーボンブラック。
  2. 【請求項2】天然ゴム、合成ゴムまたはそれらの混合物
    100重量部に対し、請求項第1項のカーボンブラックを2
    0〜200重量部配合したことを特徴とするゴム組成物。
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