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JP2885490B2 - 強化エラストマー組成物 - Google Patents

強化エラストマー組成物

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JP2885490B2
JP2885490B2 JP21366490A JP21366490A JP2885490B2 JP 2885490 B2 JP2885490 B2 JP 2885490B2 JP 21366490 A JP21366490 A JP 21366490A JP 21366490 A JP21366490 A JP 21366490A JP 2885490 B2 JP2885490 B2 JP 2885490B2
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ethylene
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孝夫 野村
武純 西尾
信也 河村
茜 岡田
修 福井
清 筒井
智彦 赤川
郁典 酒井
隆 出口
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Toyota Central R&D Labs Inc
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は熱可塑性エラストマー組成物に関し、更に詳
しくは粘土鉱物でハイブリッド化された変性ポリアミド
とエラストマーとから成る機械的強度、耐熱性、ゴム弾
性等に優れた熱可塑性の強化エラストマー組成物に関す
る。
〔従来の技術〕
熱可塑性エラストマーは加硫ゴムの代替として幅広い
分野で様々な種類のものが使用されているが機械的強
度、耐熱性、耐候性、耐油性および成形加工性等改良し
なければならない問題が多いことも事実である。
機械的強度や耐熱性を改良する方法として一般的に加
硫ゴムへの無機フィラーの配合が知られているが、この
組成物にはゴム弾性や成形加工性と機械的強度とのバラ
ンスが悪いという欠点がある。
一方、耐油性を改良する方法としてポリアミド樹脂を
配合する方法も報告されており(特開昭52-150457号、6
3-41554号公報参照)、耐油性だけでなく、成形加工
性、機械的強度、耐熱性の改良効果がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、通常のポリアミドを用いる範疇では機
械的強度や耐熱性の改良効果は充分なものとは言えな
い。エラストマーにポリアミドを配合することで機械的
強度や耐熱性、ゴム弾性等の諸物性の優れた熱可塑性の
強化エラストマーを得るためには、エラストマー中への
ポリアミドの分散が優れ、且つ、その分散構造が、硬質
で耐熱性の高いポリアミドの性能を機能的に発揮される
ことが肝要である。
かかる状況に鑑み、本発明者等は機械的強度および耐
熱性の改良効果の高いポリアミドとエラストマーとから
成る熱可塑性の強化エラストマー組成物について鋭意探
究した。その結果、粘土鉱物でハイブリッド化された変
性ポリアミドを用いた場合、該ポリアミドは粘土鉱物を
中心に高い凝集力をもち、エラストマー中に粘土鉱物の
粒子ごとに微粒均一分散し、更に粘土鉱物を中心に三次
元的に広がった数万本のポリアミド分子鎖とエラストマ
ーとのグラフト結合によりSemi-IPN的な分散構造を形成
することを見い出した。
また前記ポリアミドはエラストマーから成るソフトセ
グメント成分の非晶マトリックス中で物理的に安定な結
晶相による物理的架橋点として存在し、機械的性質の安
定性を発現する上で大きな役割を果たし、従来のエラス
トマーとポリアミドからなる組成物よりはるかに優れた
熱可塑性組成物を得ることが出来ることを見い出し、本
発明に至った。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は不飽和カルボ
ン酸及び/又はその誘導体で変性された高分子化合物中
への分散性が通常のポリアミドに比べはるかに優れ、且
つSemi-IPN的な分散構造を形成する粘土鉱物変性ポリア
ミドを用いることにより機械的強度、耐熱性、耐油性お
よび成形加工性を大幅に改良した点に大きな特徴があ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、(i)エチレン・α−オレフィン共
重合体ゴム及び/又はスチレン系水添ゴムであるエラス
トマー(a)の少なくとも一部を不飽和カルボン酸また
はその誘導体で変性した変性エラストマー(b)40〜95
重量%並びに(ii)粘土鉱物で変性したポリアミド
(c)60〜5重量%からなる熱可塑性の強化エラストマ
ー組成物が提供される。
なお、前記組成物において、前記変性エラストマー
(a)がエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム及び/
又はスチレン系水添ゴムであるのが好ましい。
本発明に従えば、(i)前記変性エラストマー成分
(b)と(ii)変性ポリアミド成分(c)とからなる組
成物100重量部に対して、エチレン及び/もしくはα−
オレフィンと不飽和カルボン酸またはその誘導体及び/
もしくは不飽和エポキシ化合物との共重合体(d)1〜
20重量部とからなる熱可塑性の強化エラストマー組成物
が提供される。
なお、前記組成物において、変性エラストマー(b)
のグラフト量が変性エラストマーに対して0.01〜10重量
%である熱可塑性の強化エラストマー組成物が好まし
い。
本発明において成分(b)として使用する変性エラス
トマーはエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムやスチ
レン系水添ゴムを不飽和カルボン酸またはその誘導体で
変性した変性エラストマーの単独及び/又はエラストマ
ー成分(a)との混合物のいずれでもよい。
本発明において使用するエチレン・α−オレフィン共
重合体ゴムは、エチレン含有率が30〜95重量%、好まし
くは60〜90重量%のエチレン・α−オレフィン共重合体
ゴムである。α−オレフィン成分としては炭素数3〜20
ものがあり、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペン
テン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−
デセンなどを挙げることが出来る。α−オレフィン成分
は単独でもよくまた2種類以上の混合物でもよい。さら
に場合によっては微量のジエン成分を含有させることも
できる。
また本発明において使用する変性エチレン・α−オレ
フィン共重合体ゴムは上記エチレン・α−オレフィン共
重合体ゴムをグラフト変性して得る事が出来る。グラフ
ト変性原料のモノマーとしては不飽和カルボン酸および
その誘導体が用いられる。不飽和カルボン酸およびその
誘導体としては、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイ
ン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、クロトン
酸、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレ
ート、N−メチロールメタクリルアミド、メタクリル酸
カルシウム、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、アクリルアミド、メタクリルアミド等や無水マ
レイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等を用い
ることができる。好ましくは無水マレイン酸、無水イタ
コン酸等の酸無水物である。
本発明におけるグラフト変性の反応開始剤としては、
前記の有機過酸化物等のラジカル発生化合物を同様に用
いることができる。場合によっては反応開始剤を用いる
ことなく加熱処理によってグラフト変性を起こさせても
よい。
反応開始剤は、特に制限されるものではなく、1分半
減期を得るための分解温度が、250℃以下のものであれ
ばよい。このような反応開始剤としては、ヒドロペルオ
キシド、ジアルキルペルオキシド、ペルオキシエステル
等の有機過酸化物等がある。
本発明で使用される有機過酸化物としては、例えばt
−ブチルペルオキシベンゾエート、シクロヘキサノンペ
ルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペル
オキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシアセテート、
メチルエチルケトンペルオキシド、ジクミルペルオキシ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)
ヘキサン等をあげることができる。使用に際しては、反
応条件等に応じて適宜選択することができる。
本発明において使用する変性エチレン・α−オレフィ
ン共重合体ゴムは、原料エチレン・α−オレフィン共重
合体ゴムとグラフト変性原料モノマーとを開始剤の存在
下、溶液中で加熱混合攪拌するか、又は原料エチレン・
α−オレフィン共重合体ゴムとグラフト変性原料モノマ
ーとを加熱溶融混練することによって製造される。この
様にして製造される変性エチレン・α−オレフィン共重
合体ゴムは、原料モノマーグラフト率が約0.01〜10重量
%、好ましくは約0.1〜3.0重量%であって、メルトイン
デックスが約0.01〜50g/10分、好ましくは0.05〜15g/10
分となる様に各原料割合、反応条件を適宜選択する。
上記変性エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムのモ
ノマーグラフト率が0.01重量%未満では変性の効果が得
られず、また10重量%を超えるとグラフト変性時にゴム
の架橋度が高くなり変性ポリアミドとの溶融混合が困難
となる。
また、スチレン系水添ゴムは、一般式がA-(B-A)nで表
されるブロック共重合体を水素添加処理して得られる水
素添加誘導体である。ここで上記一般式において、Aは
モノビニル置換芳香族炭化水素の重合体ブロック、Bは
共役ジエンのエラストマー性重合体ブロックであり、n
は1〜5の整数である。
重合体ブロックAを構成する単量体のモノビニル置換
芳香族炭化水素は、好ましくはスチレンであるが、α−
メチルスチレン、ビニルトルエンその他の低級アルキル
置換スチレン、ビニルナフタレンなども用いられる。
重合体Bにおける共役ジエン単量体はブタジエンもし
くはイソプレンが好ましく、また、両者の混合物でもよ
い。重合体ブロックBを形成するために、ブタジエンが
単一の共役ジエン単量体として用いられる場合には、ブ
ロック共重合体が水素添加されて二重結合が飽和された
後にエラストマー性を保持しているためには、ポリブタ
ジエンブロックにおけるミクロ構造中、1,2−ミクロ構
造が20〜50%となる重合条件を採用するのが好ましい。
より好ましくは1,2−ミクロン構造が35〜45%のもので
ある。ブロック共重合体中の重合体ブロックAの重量平
均分子量は5,000〜125,000、重合体ブロックBのそれは
15,000〜250,000の範囲にあることが好ましい。
これらのブロック共重合体の製造方法としては、数多
くの方法が提案されている。代表的な方法として、例え
ば特公昭40-23798号公報に記載された方法があって、リ
チウム溶媒またはチーグラー型触媒を用いて不活性溶媒
中でブロック共重合を行わせる。
これらのブロック共重合体の水素添加処理は、例えば
特公昭42-8704号、同43-6636号又は同46-20814号等の各
公報に記載された方法により、不活性溶媒中で触媒の存
在下に水素添加することによって行われる。この水素添
加では、重合体ブロックB中のオレフィン基二重結合の
少なくとも50%、好ましくは80%以上が水素添加され、
重合体ブロックA中の芳香族性不飽和結合の25%以下が
水素添加される。上記のブロック共重合体としては、具
体的にはスチレン・ブチレン・スチレン共重合体(SB
S)を水素添加した共重合体(SEBS)、スチレン・イソ
プレン・スチレン共重合体(SIS)を水素添加した共重
合体(SEPS)等が挙げられる。
また、上記のスチレン系水添ブロック共重合体をグラ
フト変性して得られる変性水添ブロック共重合体のグラ
フト変性原料モノマー、グラフト変性反応開始剤、製造
方法およびグラフト変性原料モノマーグラフト率等は前
記変性エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムと同様で
ある。
これら変性スチレン系水添ブロック共重合体ゴムおよ
び変性エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムは単独で
用いてもよいし、またエチレン・α−オレフィン共重合
体ゴム及び/又はスチレン系水添ブロック共重合体ゴム
とをエラストマー100重量部に対し不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体モノマーのグラフト量が0.01重量%を上
回る範囲で併用して用いることが出来る。
本発明において成分(c)として使用される変性ポリ
アミド樹脂はポリアミド100重量部に対して0.05〜10重
量部、好ましくは0.1〜7重量部の特定の粘土鉱物を均
一に分散、複合化し、耐熱性や剛性等を大幅に改良した
ものである。粘土鉱物の割合が0.05重量部未満であると
耐熱性や剛性等の改良効果が認められず、15重量部を越
えると溶融時の流動性が著しく低下し射出成形が不可能
となる場合がある。
本発明の変性ポリアミドに使用されるポリアミド樹脂
としては、脂肪族、脂環族、芳香族等のジアミンと、脂
肪族、脂環族芳香族のジカルボン酸との重宿合によって
得られるポリアミド、ラクタムから得られるポリアミ
ド、アミノカルボン酸の宿合によって得られるポリアミ
ド又はこれらの成分からなる共重合ポリアミド等が挙げ
られる。具体的にはナイロン−6、ナイロン6,6、ナイ
ロン−6,10、ナイロン−9、ナイロン−11、ナイロン−
12、ナイロン−6/6,6、ナイロン−12,12等が挙げられ
る。
上記ポリアミド樹脂を変性するための粘土鉱物は、主
に層状珪酸塩であり、その形状は通常一辺の長さが0.00
2〜1μmで、厚みが6〜20Åのものである。このよう
な層状珪酸塩の原料としては、例えば珪酸マグネシウム
又は珪酸アルミニウムの層から構成される層状フィロ珪
酸鉱物等がある。具体的には、モンモリロナイト、サポ
ナイト、バイデライト、ノントロナイト、ヘクトライ
ト、スティブンサイトなどのスメクタイト系粘土鉱物や
バーミキュライト、ハロイサイトなどがある。これらは
天然ものであっても合成されたものであってもよい。こ
れらのなかでは、特にモンモリロナイトが好ましい。
各々の層状珪酸塩は平均的に20Å以上離れてポリアミ
ド中に均一に分散されるのが好ましい。層状珪酸塩をポ
リアミド樹脂中に分散させる方法については特に制限は
ないが、層状珪酸塩の原料が多層状粘土鉱物である場合
には、膨潤化剤と接触させて、予め層間を拡げて層間に
モノマーを取り込みやすくした後、ポリアミドモノマー
と混合し重合する方法(特開昭62-64827号、特開昭62-7
2723号、特開昭62-74957号などの公報参照)によっても
よい。また、膨潤化剤に高分子化合物を用い、予め層間
を100Å以上に拡げて、これをポリアミド樹脂と溶融混
合する方法によってもよい。
粘土鉱物によって変性された変性ポリアミドは個々の
粘土鉱物の層間よりポリアミド分子鎖が3次元的に広が
り粘土鉱物を中心とした高い凝集力を有しており、耐熱
性や剛性を大幅に改良している。
本発明において使用される成分(d)は、官能基とし
ての1種又は2種以上の基を有する変性エチレン及び/
又はα−オレフィン共重合体である。
該変性エチレン及び/又はα−オレフィン共重合体は
エチレン及び/又は炭素数3〜20のα−オレフィンとの
(共)重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体や不
飽和エポキシ化合物をグラフト反応させることによって
製造する事が出来る。エチレン以外のα−オレフィンと
してはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘ
キセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1
−デセン等を例示する事ができる。
不飽和カルボン酸又はその酸誘導体としては、具体的
にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸
等の不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の
不飽和カルボン酸の無水物、アクリル酸メチル、メタク
リル酸メチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメ
チル等の不飽和カルボン酸のエステル等を例示する事が
出来る。
不飽和エポキシ化合物としては、例えば、グリシジル
アクリレート、グリシジルメタクリレート等の不飽和モ
ノカルボン酸のグリシジルエステル;マレイン酸、イタ
コン酸、シトラコン酸等の不飽和ポリカルボン酸のモノ
グリシジルエステル或いはポリグリシジルエステル等が
挙げられる。
不飽和カルボン酸又はその酸誘導体をエチレン及び/
又はα−オレフィン(共)重合体に共重合する方法は、
例えば(共)重合体を溶融させ、グラフトモノマーを添
加してグラフト共重合させる方法又は溶媒に溶解させグ
ラフトモノマーを添加して共重合させる等の公知の種々
の方法を採用する事が出来る。
不飽和エポキシ化合物との共重合は、前記α−オレフ
ィンの1種又は2種と、1分子中エチレン性不飽和結合
及びエポキシ基を各1個有する不飽和エポキシ単量体と
をラジカル開始剤を使用して共重合させる方法やエチレ
ン及び/又はα−オレフィン(共)重合体に不飽和エポ
キシ化合物をグラフト化する方法等によって製造する事
が出来る。
これらの中で特に好ましい変性エチレン及び/又はα
−オレフィン共重合体としてエチレン・エチルメタクリ
レート・無水マレイン酸共重合体、エチル・グリシジル
メタクリレート共重合体、無水マレイン酸グラフト変性
ポリプロピレン等を挙げる事が出来る。
不飽和カルボン酸またはその誘導体や不飽和エポキシ
化合物のグラフト量は0.3〜10重量%が好ましい。グラ
フト量が0.1重量%未満では変性ポリアミド樹脂との相
溶性改良効果が極めて低いため、機械的強度の改良効果
がない。一方、10重量%を越えると該共重合体と変性ポ
リアミドとの架橋がすすみ、変性エラストマーと変性ポ
リアミドとの組成物の表面外観や成形性を低下させる。
本発明の熱可塑性の強化エラストマーはエチレン・α
−オレフィン共重合体ゴム及び/又はスチレン系水添ブ
ロック共重合体ゴムの一部もしくは全部を不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体で変性した変性エラストマー
(b)を40〜95重量%と粘土鉱物によって変性したポリ
アミド60〜5重量%によって構成される。成分(b)が
40重量%より少ないと組成物の分散構造が変性ポリアミ
ドを海とする海−島構造を呈し、硬度をはじめとするゴ
ム的性質が失われ、逆に95重量%を越えると変性ポリア
ミドの剛性、耐熱性、成形性等に対して改良効果が得ら
れない。
また本発明は、上記成分(b)と成分(c)とからな
る組成物100重量部に対しエチレン及び/又はα−オレ
フィンと不飽和カルボン酸またはその誘導体及び/又は
不飽和エポキシ化合物との共重合体(d)を1〜20重量
部を配合し構成される強化エラストマー組成物に関す
る。成分(d)が1重量部未満では変性ポリアミドの分
散向上による物性改良効果が現れず、20重量部を越える
と、成形性を低下させたり、またゴム的性質も損なうこ
とがある。
本発明の熱可塑性の強化エラストマーを得るには変性
エラストマー(b)と変性ポリアミド(c)とを、また
本組成物にエチレン及び/又はα−オレフィンと不飽和
カルボン酸またはその誘導体及び/又は不飽和エポキシ
化合物との共重合体(d)とを前記範囲で種々の公知方
法例えばヘンシェルミキサーV−ブレンダー、リボンブ
レンダー、タンブラブレンダー等でドライブレンドし、
一軸押出機、二軸押出機、通常の原料供給口の他にシリ
ンダー部に原料供給口を備えた二軸押出機、ニーダー、
バンバリーミキサー等で溶融混合後、ペレット化する方
法を採用することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、銅害防止剤、難燃
剤、中和剤、可塑剤、造核剤、染料、発泡剤、スリップ
剤等の一般的な添加剤を本発明の目的を損わない範囲で
配合してもよい。
〔実施例〕
以下、実施例によって、本発明を更に詳細に説明する
が、本発明をこれらの実施例に限定するものでないこと
はいうまでもない。
本発明の実施例で用いた測定方法は以下の通りであ
る。
硬 度 (度):JIS K6301 引張強度 (kg/cm2):JIS K6301 破断点伸度 (%):JIS K6301 試験片肉厚:3mmt 3号ダンベル 引張速度:500mm/min 引裂強度 (kg/cm2):JIS K6301 B型ダンベル 軟化温度 (℃):JIS K7206 荷重 196gr 実施例1 変性ポリアミド(以下MPAと略称する)30重量%と無
水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体ゴム
(以下MEPRと略称する)70重量%とをV−ブレンダーで
ドライブレンドし、二軸押出機を用い240℃で溶融混合
した後、ペレット化した。このペレットを70℃で乾燥
し、250℃で射出成形した厚さ3mmの板より物性測定用試
験片を切り出して作製した。
MPAは以下の方法により製造した。層状珪酸塩一単位
の厚みが平均的に9.5Åで一辺の平均長さが約0.1μmモ
ンモリロナイト100gを10lの水に分散し、これに51.2gの
12−アミノドデカン酸と24mlの濃塩酸を加え、5分間攪
拌したのち濾過した。さらにこれを十分洗浄したのち、
真空乾燥した。この操作により、12−アミノドデカン酸
アンモニウムイオンとモンモリナイトの複合体を調整し
た。次に攪拌機付の反応容器に、10kgのε−カプロラク
タム、1kgの水及び200gの乾燥した前記複合体を入れ、1
00℃で反応系内が均一な状態になるように攪拌した。さ
らに温度を260℃に上昇させ、15kg/cm2の加圧下で1時
間攪拌した。その後放圧し水分を反応容器から揮散させ
ながら、常圧化で3時間反応を行った。反応終了後、反
応容器の下部ノズルからストランド状に取り出した反応
物を水冷し、カッティングを行い、平均分子量15000の
ポリアミド及びモンモリロナイトからなる変性ポリアミ
ドペレットを得た。このペレットを熱水中に浸漬し未反
応モノマーを抽出、除去したのち真空乾燥機で乾燥し
た。
MEPRは、 エチレン含量73重量%のエチレン−プロピレン共重合体
ゴム100重量部に対し、無水マレイン酸0.8重量部、ジク
ミルペルオキシド0.4重量部を加え100℃パラキシレン溶
液中で変性した。該MEPRのメルトインデックスは0.7g/1
0分(230℃)、無水マレイン酸のグラフト量は0.6重量
%であった。また、MEPRにグラフト化された無水マレイ
ン酸量はMEPRをp−キシレンに溶解した後、p−キシレ
ンの3倍量に相当する冷アセトンと混合、冷却し再沈ME
PRを得、本再沈MEPRを含む溶剤を濾過乾燥後、再度、該
MEPRをp−キシレンに溶解し、加熱状態のままKOHを加
え、チモールブルーを指示薬としてHclにて滴定を行い
求めた。
実施例2 エチレン含量82重量%のエチレンブテン−1共重合体ゴ
ム(以下EBRと略称する)30重量%と エチレン含量71重量%のエチレン・プロピレン共重合体
ゴム(以下EPRと略称する)25重量%、更にMEPR15重量
%及びMPA30重量%を実施例1と同様の方法でペレット
化して、試験片を得た。
実施例3 EBR30重量%とSEBS「シェル化学社製クレイトンG165
7」(以下SEBSと略称する)25重量%、無水マレイン酸
変性SEBS「シェル化学社製クレイトンFG1901X」(以下M
SEBSと略称する)15重量%及びMPA30重量%を実施例1
と同様の方法でペレット化して、試験片を得た。FG1901
Xの無水マレイン酸グラフト量は前記方法で求めたとこ
ろ2.0重量%であった。
実施例4 SEBS55重量%とMSEBS15重量%及びMPA30重量%を実施
例1と同様の方法でペレット化して、試験片を得た。
実施例5 EPR25重量%とSEBS15重量%、MSEBS15重量%及びMPA4
5重量%を実施例1と同様の方法でペレット化し、試験
片を得た。
実施例6 EPR63重量%とMEPR2重量%、無水マレイン酸を6重量
%グラフト変性した変性ポリプロピレン5重量%及びMP
A30重量%を実施例1と同様の方法でペレット化し、試
験片を得た。
前記変性ポリプロピレンはMFRが1g/10分のポリプロピ
レンホモポリマー(宇部興産社製B101H)100重量部に対
し、無水マレイン酸15重量部、t−ブチルパーオキシベ
ンゾエイト1重量部を加え、130℃のp−キシレン中で
変性し、後p−キシレン、未反応モノマー等を除き乾燥
し、得た。この変性ポリプロピレンのMFRは60g/分、無
水マレイン酸グラフト率は6重量%であった。
実施例7 MPA10重量%、EBR50重量%、SEBS25重量%及びMSEBS1
5重量%を実施例1と同様の方法でペレット化して、試
験片を得た。
実施例8 MPA55重量%、SEBS30重量%及びMSEBS15重量%を実施
例1と同様の方法でペレット化し、試験片を得た。
比較例1 EPR70重量%とMPA30重量%とを実施例1と同様の方法
でペレット化し、試験片を得た。
比較例2 MPAの代わりに、ナイロン−6「宇部興産社製1013B」
(以下PAと略称する)を用いたこと以外は実施例3と同
様に行った。
比較例3 MPAの代わりに、PAを用いたこと以外は、実施例4と
同様に行った。
比較例4 MPAの代わりに、PAを用いたこと以外は、実施例5と
同様に行った。
比較例5 EPR68重量%とMEPR2重量%、及びMPA30重量%とを実
施例1と同様の方法でペレット化し試験片を得た。
実施例1〜8及び比較例1〜5で得られた結果を第1
表に示す。
〔発明の効果〕 発明は、エラストマーにポリアミドを配合した熱可塑
性エラストマーにおいて、耐熱性、剛性及び分子凝集力
の高い粘土鉱物でハイブリッド化された変性ポリアミド
を用いて、ポリアミドの分散を極めて良好にするととも
にエラストマーもグラフト変性したものを用いることに
より、エラストマー組成物の耐熱性、機械的強度等を向
上したものである。
本発明により提供される新規な組成物は通常の熱可塑
性樹脂に用いられている成形加工法により成形でき、ま
た耐熱性、機械的強度、耐油性に優れておりチューブ、
泥よけ、ブーツバンパー、フェンダーの自動車用部品、
各種ホース、ガスケット等の工業用機械部品に好適に用
いられる他、特にポリオレフィンをはじめとする各種樹
脂の耐衝撃改良材として使用出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 51/06 C08L 51/06 77/00 77/00 (72)発明者 岡田 茜 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 福井 修 東京都港区赤坂1丁目12番32号 アーク 森ビル 宇部興産株式会社東京本社内 (72)発明者 筒井 清 大阪府堺市築港新町3―1 宇部興産株 式会社堺工場内 (72)発明者 赤川 智彦 大阪府堺市築港新町3―1 宇部興産株 式会社堺工場内 (72)発明者 酒井 郁典 大阪府堺市築港新町3―1 宇部興産株 式会社堺工場内 (72)発明者 出口 隆 山口県宇部市大字小串1978―10 宇部興 産株式会社宇部ケミカル工場内 (56)参考文献 特開 昭51−109998(JP,A) 特開 昭62−74957(JP,A) 特開 平2−252759(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08L 9/06 C08L 77/00 - 77/12 C08L 51/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)エチレン・α−オレフィン共重合体
    ゴム及び/又はスチレン系水添ゴムであるエラストマー
    (a)の少なくとも一部を不飽和カルボン酸またはその
    誘導体で変性した変性エラストマー(b)40〜95重量%
    並びに(ii)粘土鉱物で変性したポリアミド(c)60〜
    5重量%からなる熱可塑性の強化エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】(i)前記変性エラストマー(b)と(i
    i)変性ポリアミド(c)とからなる組成物100重量部に
    対し、(iii)エチレン及び/もしくはα−オレフィン
    と、不飽和カルボン酸またはその誘導体及び/もしくは
    不飽和エポキシ化合物との共重合体(d)を1〜20重量
    部を配合してなる請求項1に記載の熱可塑性の強化エラ
    ストマー組成物。
  3. 【請求項3】変性エラストマー(b)のグラフト量が変
    性エラストマー(b)に対して0.01〜10重量%である請
    求項1又は2に記載の強化エラストマー組成物。
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