JP2840696B2 - アルミナ質繊維強化セラミックスの製造方法 - Google Patents
アルミナ質繊維強化セラミックスの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ウイスカー等の繊維状物質を含有する繊維
強化セラミックスに関し、詳細には高靭性を有し特に切
削工具や、その他耐摩耗性部品に適したセラミックスの
製造方法に関する。
強化セラミックスに関し、詳細には高靭性を有し特に切
削工具や、その他耐摩耗性部品に適したセラミックスの
製造方法に関する。
(従来技術) アルミナ(Al2O3)質焼結体は、耐摩耗性に優れた材
料として各種の産業機械用部品に応用されている反面、
靭性に劣るという欠点を有するために利用分野の拡大が
阻害されている。
料として各種の産業機械用部品に応用されている反面、
靭性に劣るという欠点を有するために利用分野の拡大が
阻害されている。
そこで従来から靭性を改善するために各種の改良が提
案されている。
案されている。
その1つの例に、炭化珪素(SiC)ウイスカーに代表
される繊維状物質を配合することにより靭性を改善する
ことが特開昭61−286271号や特開昭62−41776号等にて
提案されている。
される繊維状物質を配合することにより靭性を改善する
ことが特開昭61−286271号や特開昭62−41776号等にて
提案されている。
このようなSiCウイスカーを含有する繊維強化セラミ
ックスはSiC自体の硬度が高く、熱伝導性がよいため
に、切削工具として用いた場合、一部の超耐熱合金の切
削、例えばイルコネル718の荒切削では優れた性能を示
している。
ックスはSiC自体の硬度が高く、熱伝導性がよいため
に、切削工具として用いた場合、一部の超耐熱合金の切
削、例えばイルコネル718の荒切削では優れた性能を示
している。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、SiCは鉄、特に酸化鉄と容易に反応し
やすい性質を有するために、Al2O3−SiCウイスカー系工
具は多くの場合、他のAl2O3を主体とする工具に比較し
て摩耗量が多くなる傾向にある。例えば、SUS304を切削
した場合、従来のAl2O3系工具であれば、十分切削可能
な条件であってもSiCウイスカーを含有する工具では急
激に摩耗が進展し切削が不可能となる問題がある。ま
た、鋳鉄の切削においてもAl2O3系工具よりも摩耗量が
大きいことが確認されている。
やすい性質を有するために、Al2O3−SiCウイスカー系工
具は多くの場合、他のAl2O3を主体とする工具に比較し
て摩耗量が多くなる傾向にある。例えば、SUS304を切削
した場合、従来のAl2O3系工具であれば、十分切削可能
な条件であってもSiCウイスカーを含有する工具では急
激に摩耗が進展し切削が不可能となる問題がある。ま
た、鋳鉄の切削においてもAl2O3系工具よりも摩耗量が
大きいことが確認されている。
このように、Al2O3−SiCウイスカー系工具では被削材
によってその切削性能が大きく変化するという問題があ
る。
によってその切削性能が大きく変化するという問題があ
る。
ところが、最近に至りこのような被削材との反応性を
防止することを目的として、SiCウイスカーに代わり、S
iCよりも鉄との反応性が低い炭化チタン(TiC)ウイス
カー等のチタン系繊維状物質を添加することが提案され
ているが、セラミックスの抗折強度、靭性、硬度等の特
性の点から未だ十分に検討されておらず、実用的なレベ
ルに達していないのが現状であった。
防止することを目的として、SiCウイスカーに代わり、S
iCよりも鉄との反応性が低い炭化チタン(TiC)ウイス
カー等のチタン系繊維状物質を添加することが提案され
ているが、セラミックスの抗折強度、靭性、硬度等の特
性の点から未だ十分に検討されておらず、実用的なレベ
ルに達していないのが現状であった。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は、上記Al2O3−Ti系ウイスカー系セラミ
ックスに対して、詳細に検討を重ねた結果、Ti系ウイス
カー中に含まれる酸素量によりその特性が大きく変化す
ることを見出した。そこで、このウイスカーの酸素含有
量を特定の範囲に制御することにより、焼結体の硬度、
破壊靭性、抗折強度並びに焼結性を最適な状態に調整
し、優れた特性を有するセラミックが得られることを知
見し本発明に至った。
ックスに対して、詳細に検討を重ねた結果、Ti系ウイス
カー中に含まれる酸素量によりその特性が大きく変化す
ることを見出した。そこで、このウイスカーの酸素含有
量を特定の範囲に制御することにより、焼結体の硬度、
破壊靭性、抗折強度並びに焼結性を最適な状態に調整
し、優れた特性を有するセラミックが得られることを知
見し本発明に至った。
即ち、本発明はアルミナ粉末に、チタンの炭化物、窒
化物あるいは炭窒化物から選ばれるいずれかから構成さ
れ且つ酸素含有量が0.1〜1.5重量%のウイスカーを5〜
70体積%の割合で添加した混合物を成形、焼成すること
を特徴とし、さらに上記の系に焼結助剤としてMg、Y、
希土類元素、Ni、Co、Crから選ばれる少なくとも1種の
酸化物を0.1〜3重量%の割合で添加した混合物を成
形、焼成することを特徴とするものである。
化物あるいは炭窒化物から選ばれるいずれかから構成さ
れ且つ酸素含有量が0.1〜1.5重量%のウイスカーを5〜
70体積%の割合で添加した混合物を成形、焼成すること
を特徴とし、さらに上記の系に焼結助剤としてMg、Y、
希土類元素、Ni、Co、Crから選ばれる少なくとも1種の
酸化物を0.1〜3重量%の割合で添加した混合物を成
形、焼成することを特徴とするものである。
以下、本発明を詳述する。
本発明において用いられるTi系ウイスカーは、それ自
体、単結晶あるいは多結晶質からなるもので、その平均
粒径(短径)は10μm以下、特に0.2〜1.0μmであるこ
とが好ましい。これはウイスカーの平均粒径が10μmを
越えると、ウイスカー自体が起点として破壊が進行し焼
結体の強度が著しく低下し、製造工程上もウイスカーを
マトリックス中に均一に混合することが難しくなり、強
度、靭性ともバラツキが生じやすく、また切削工具とし
て用いた際に逃げ面の境界摩耗が大きくなるためであ
る。
体、単結晶あるいは多結晶質からなるもので、その平均
粒径(短径)は10μm以下、特に0.2〜1.0μmであるこ
とが好ましい。これはウイスカーの平均粒径が10μmを
越えると、ウイスカー自体が起点として破壊が進行し焼
結体の強度が著しく低下し、製造工程上もウイスカーを
マトリックス中に均一に混合することが難しくなり、強
度、靭性ともバラツキが生じやすく、また切削工具とし
て用いた際に逃げ面の境界摩耗が大きくなるためであ
る。
一方、ウイスカーの長径/短径で表されるアスペクト
比は、その値が小さすぎると繊維強化の効果が小さくな
るために高い靭性が得られにくく、逆に大きすぎても原
料としての取扱が難しく、均一に分散することができな
いために高い靭性を得ることが難しくなる。よって、ウ
イスカーとしては平均アスペクト比が3〜100、特に10
〜30のものが好適に使用される。なお、Ti系ウイスカー
としてはTiC、TiN、TiCNのいずれのものも使用できる。
比は、その値が小さすぎると繊維強化の効果が小さくな
るために高い靭性が得られにくく、逆に大きすぎても原
料としての取扱が難しく、均一に分散することができな
いために高い靭性を得ることが難しくなる。よって、ウ
イスカーとしては平均アスペクト比が3〜100、特に10
〜30のものが好適に使用される。なお、Ti系ウイスカー
としてはTiC、TiN、TiCNのいずれのものも使用できる。
上記ウイスカーは、通常酸化等の作用を受けやすいた
めにその表面に酸素が存在する。本発明によれば、上記
ウイスカー中に含まれる酸素含有量を3重量%以下に制
御することが重要である。酸素量を上記の範囲に限定し
たのは、酸素量が3重量%を越えるとマトリックス成分
とウイスカーとの反応による癒着が増し、ウイスカーの
引き抜き効果が低下するとともに、Al2O3の粒成長が起
こりやすくなるために靭性、抗折強度および硬度が低下
するためである。
めにその表面に酸素が存在する。本発明によれば、上記
ウイスカー中に含まれる酸素含有量を3重量%以下に制
御することが重要である。酸素量を上記の範囲に限定し
たのは、酸素量が3重量%を越えるとマトリックス成分
とウイスカーとの反応による癒着が増し、ウイスカーの
引き抜き効果が低下するとともに、Al2O3の粒成長が起
こりやすくなるために靭性、抗折強度および硬度が低下
するためである。
このようなウイスカーは、例えば酸化チタンウイスカ
ーを炭化処理あるいは窒化処理したり、さらにはCVD法
により合成することもできる。
ーを炭化処理あるいは窒化処理したり、さらにはCVD法
により合成することもできる。
ウイスカー中の酸素含有量を調整するには、その製造
工程中に一定量の酸素を導入するかもしくは製造したウ
イスカーを大気中、約500℃以下の温度で一定時間加熱
し酸化処理することにより行うことができる。
工程中に一定量の酸素を導入するかもしくは製造したウ
イスカーを大気中、約500℃以下の温度で一定時間加熱
し酸化処理することにより行うことができる。
上記ウイスカーは、アルミナを主成分とするマトリッ
クス成分中に全量中5〜70体積%、特に25〜50体積%に
なるように分散含有させる。ウイスカーの量を上記の範
囲に設定したのは、ウイスカー量が5体積%未満では、
ウイスカー添加による靭性向上効果が小さく、70体積%
を越えると系全体の焼結性が低下する。なお、機械的特
性および焼結の容易性を考慮すれば、ウイスカーの添加
量は25〜45体積%がよく、最適には30〜40体積%がよ
い。
クス成分中に全量中5〜70体積%、特に25〜50体積%に
なるように分散含有させる。ウイスカーの量を上記の範
囲に設定したのは、ウイスカー量が5体積%未満では、
ウイスカー添加による靭性向上効果が小さく、70体積%
を越えると系全体の焼結性が低下する。なお、機械的特
性および焼結の容易性を考慮すれば、ウイスカーの添加
量は25〜45体積%がよく、最適には30〜40体積%がよ
い。
またウイスカーを分散するためのマトリックスはAl2O
3を主体とするが、焼結助剤としてMg、Y、希土類元
素、Ni、Co、Crから選ばれる少なくとも1種以上の酸化
物を添加することによりマトリックス成分としての焼結
性を高め、特性の向上を図ることができる。しかしこの
助剤量が多すぎると焼結体の靭性が低下する。よってこ
れらの焼結助剤は、全量中0.1〜3重量%、特に0.5〜2
重量%の割合で添加するのがよい。なお、ここで用いら
れる希土類元素としてはYb、Nd、Er、Ce、Sm、Gdおよび
Dy等が挙げられる。
3を主体とするが、焼結助剤としてMg、Y、希土類元
素、Ni、Co、Crから選ばれる少なくとも1種以上の酸化
物を添加することによりマトリックス成分としての焼結
性を高め、特性の向上を図ることができる。しかしこの
助剤量が多すぎると焼結体の靭性が低下する。よってこ
れらの焼結助剤は、全量中0.1〜3重量%、特に0.5〜2
重量%の割合で添加するのがよい。なお、ここで用いら
れる希土類元素としてはYb、Nd、Er、Ce、Sm、Gdおよび
Dy等が挙げられる。
本発明の繊維強化セラミックスを製造するには、まず
前記ウイスカー、アルミナ粉末、必要に応じて焼結助剤
を前述した割合で混合、粉砕後に所望の成形手段、金型
プレス、押し出し成形、射出成形、冷間静水圧成形等に
よって成形後、焼成する。
前記ウイスカー、アルミナ粉末、必要に応じて焼結助剤
を前述した割合で混合、粉砕後に所望の成形手段、金型
プレス、押し出し成形、射出成形、冷間静水圧成形等に
よって成形後、焼成する。
焼成は、普通焼成、ホットプレス法、熱間静水圧焼成
法等が適用され、1650℃〜1850℃の温度でArやHe等の不
活性ガスもしくはカーボン等の存在する還元性雰囲気お
よびそれらの加圧もしくは減圧雰囲気中で0.5〜6時間
行う。特に高密度の焼結体を得るためには、普通焼成あ
るいはホットプレス法によって対理論密度比96%以上の
焼結体を作成し、この焼結体をさらに熱間静水圧焼成す
ればよい。
法等が適用され、1650℃〜1850℃の温度でArやHe等の不
活性ガスもしくはカーボン等の存在する還元性雰囲気お
よびそれらの加圧もしくは減圧雰囲気中で0.5〜6時間
行う。特に高密度の焼結体を得るためには、普通焼成あ
るいはホットプレス法によって対理論密度比96%以上の
焼結体を作成し、この焼結体をさらに熱間静水圧焼成す
ればよい。
(作用) 本発明によれば、ウイスカー中に含まれる酸素量を調
整することにより、マトリックス成分であるAl2O3とウ
イスカーとの界面反応を制御しようとするものである。
ウイスカー中の酸素量が少なくなると、Al2O3とウイス
カーの界面の反応が少なくなり、Al2O3とウイスカーの
結合力は小さくなり、プルアウトやディボンディング等
の強化機構が働き焼結体の靭性が向上するが、焼結体の
強度、硬度および焼結性は低下する。一方、ウイスカー
中の酸素量が多くなるとウイスカー表面に存在する酸化
物とマトリックスであるAl2O3が反応し結晶粒子の結合
力が高まり強度、硬度が向上するが、酸素量が3重量%
を越えるとAl2O3とウイスカーとの反応が過剰になり靭
性向上を担うウイスカーの引き抜き効果が低下するため
に焼結体の靭性が低下する。また酸素量の増加にともな
いAl2O3の粒成長が生じやすくなるために抗折強度、硬
度も低下するようになる。
整することにより、マトリックス成分であるAl2O3とウ
イスカーとの界面反応を制御しようとするものである。
ウイスカー中の酸素量が少なくなると、Al2O3とウイス
カーの界面の反応が少なくなり、Al2O3とウイスカーの
結合力は小さくなり、プルアウトやディボンディング等
の強化機構が働き焼結体の靭性が向上するが、焼結体の
強度、硬度および焼結性は低下する。一方、ウイスカー
中の酸素量が多くなるとウイスカー表面に存在する酸化
物とマトリックスであるAl2O3が反応し結晶粒子の結合
力が高まり強度、硬度が向上するが、酸素量が3重量%
を越えるとAl2O3とウイスカーとの反応が過剰になり靭
性向上を担うウイスカーの引き抜き効果が低下するため
に焼結体の靭性が低下する。また酸素量の増加にともな
いAl2O3の粒成長が生じやすくなるために抗折強度、硬
度も低下するようになる。
望ましい酸素量は焼結体に求める特性により異なる
が、高い破壊靭性を望む場合には0〜0.3重量%がよ
く、高い硬度を望む場合には0.2〜2重量%、製造の容
易性を望む場合には2〜3重量%がよい。強度、硬度、
破壊靭性等の諸特性のバランスを考慮すれば、酸素量が
0.1〜1.5重量%がよい。また切削工具用としては0.05〜
1.0重量%が適している。
が、高い破壊靭性を望む場合には0〜0.3重量%がよ
く、高い硬度を望む場合には0.2〜2重量%、製造の容
易性を望む場合には2〜3重量%がよい。強度、硬度、
破壊靭性等の諸特性のバランスを考慮すれば、酸素量が
0.1〜1.5重量%がよい。また切削工具用としては0.05〜
1.0重量%が適している。
以下、本発明を次の例で説明する。
(実施例) 平均粒径1μm以下、純度99.9%以上のAl2O3粉末
と、必要に応じ第1表の焼結助剤粉末を秤量後、回転ミ
ルにて36時間混合粉砕した。この混合粉末に平均粒径1
μm、アスペクト比が10〜30で酸素量が異なる各種のTi
Cウイスカーを所定量添加し、ナイロンポット中にナイ
ロンボールとともに密封し、回転ミルで6時間混合し
た。混合後のスラリーを乾燥してホットプレス用原料と
した。
と、必要に応じ第1表の焼結助剤粉末を秤量後、回転ミ
ルにて36時間混合粉砕した。この混合粉末に平均粒径1
μm、アスペクト比が10〜30で酸素量が異なる各種のTi
Cウイスカーを所定量添加し、ナイロンポット中にナイ
ロンボールとともに密封し、回転ミルで6時間混合し
た。混合後のスラリーを乾燥してホットプレス用原料と
した。
この原料をカーボン型に充填し、所定の温度で1時
間、300kg/cm2の圧力でホットプレス焼成してJIS規格に
基づく抗折試験片を作成した。
間、300kg/cm2の圧力でホットプレス焼成してJIS規格に
基づく抗折試験片を作成した。
得られた各試料を研磨してJIS1601に基づく3点曲げ
抗折強度を、ビッカース硬度、また鏡面にポリッシング
加工しIM法で靭性(K1C)を測定した。
抗折強度を、ビッカース硬度、また鏡面にポリッシング
加工しIM法で靭性(K1C)を測定した。
また、顕微鏡写真から組織観察し焼結性について評価
した。
した。
結果は、第1表に示す。
また、他の実施例として前記TiCウイスカーの代わり
に酸素量0.2重量%、平均粒径(短径)1.5μm、アスペ
クト比20のTiNウイスカーと、酸素量0.2重量%、平均粒
径(短径)1.5μm、アスペクト比20とTiCNウイスカー
を用いる以外は実施例1と全く同様にして試料を作成
し、同様に特性の評価を行った。
に酸素量0.2重量%、平均粒径(短径)1.5μm、アスペ
クト比20のTiNウイスカーと、酸素量0.2重量%、平均粒
径(短径)1.5μm、アスペクト比20とTiCNウイスカー
を用いる以外は実施例1と全く同様にして試料を作成
し、同様に特性の評価を行った。
第1表によれば、TiCウイスカーの酸素量のみが異な
る試料No.1〜9の比較において酸素量が1.5重量%を越
える試料No.6〜9はいずれも強度および破壊靭性がそれ
以外の試料に比較して特性が劣化した。
る試料No.1〜9の比較において酸素量が1.5重量%を越
える試料No.6〜9はいずれも強度および破壊靭性がそれ
以外の試料に比較して特性が劣化した。
一方、アルミナに対するTiCウイスカーの添加量に関
し試料No.10〜15の比較において、その量が5体積%未
満の試料No.10では、靭性向上効果は見られず、70体積
%を越える試料No.15では、焼結性が低下しボイドの発
生が見られ特性は大きく低下した。
し試料No.10〜15の比較において、その量が5体積%未
満の試料No.10では、靭性向上効果は見られず、70体積
%を越える試料No.15では、焼結性が低下しボイドの発
生が見られ特性は大きく低下した。
また、焼結助剤を添加しない試料No.26では焼結温度
を高めることによって優れた特性を得ることができる
が、焼結助剤を適量添加することによって焼成温度を低
くするとともに特性の安定性を図ることができた。しか
し、焼結助剤量が3重量%を越える試料No.32では、抗
折強度、靭性ともに低下した。
を高めることによって優れた特性を得ることができる
が、焼結助剤を適量添加することによって焼成温度を低
くするとともに特性の安定性を図ることができた。しか
し、焼結助剤量が3重量%を越える試料No.32では、抗
折強度、靭性ともに低下した。
第1表において、本発明に基づき作成した試料は、い
ずれも抗折強度60kg/mm2以上、靭性5.0MPa・m1/2以
上、ビッカース硬度1800kg/mm2以上が達成された。
ずれも抗折強度60kg/mm2以上、靭性5.0MPa・m1/2以
上、ビッカース硬度1800kg/mm2以上が達成された。
(実施例2) 第1表中、試料No.9の組成と比較例として実施例1に
おいてTiCウイスカーに変わりに、直径0.7μm、アスペ
クト比が30のSiCウイスカーを用いて焼成し、RNGN1204
形状の工具を得た。
おいてTiCウイスカーに変わりに、直径0.7μm、アスペ
クト比が30のSiCウイスカーを用いて焼成し、RNGN1204
形状の工具を得た。
これらの工具試験片を用いてインコネル718(溶体化
処理品)を切り込み2mm、送り0.3mm/rev、切削速度300m
/minで5分間切削したところ、No.9の工具は比較品より
わずかに優れた耐摩耗性を示した。
処理品)を切り込み2mm、送り0.3mm/rev、切削速度300m
/minで5分間切削したところ、No.9の工具は比較品より
わずかに優れた耐摩耗性を示した。
同じく、SNGN120412形状の工具を作成しSUS304を切り
込み2mm、送り0.3mm/rev、切削速度300m/minで切削した
ところ、比較品は急激に摩耗が進展したのに対して、N
o.9の工具は10分以上の切削が可能であった。
込み2mm、送り0.3mm/rev、切削速度300m/minで切削した
ところ、比較品は急激に摩耗が進展したのに対して、N
o.9の工具は10分以上の切削が可能であった。
(発明の効果) 以上詳述した通り、本発明のAl2O3−TiCウイスカー系
セラミックスは、これまでのAl2O3−SiCウイスカー系に
比較して酸化鉄との反応性が低減されるという効果を維
持しつつ、TiCウイスカーの酸素量を制御することによ
りその靭性、耐摩耗性ならびに強度をさらに向上するこ
とができるために、あらゆる被削材に対応しうる工具用
材料として、あるいはその他の機械部品として繊維強化
セラミックスの用途を拡大することができる。
セラミックスは、これまでのAl2O3−SiCウイスカー系に
比較して酸化鉄との反応性が低減されるという効果を維
持しつつ、TiCウイスカーの酸素量を制御することによ
りその靭性、耐摩耗性ならびに強度をさらに向上するこ
とができるために、あらゆる被削材に対応しうる工具用
材料として、あるいはその他の機械部品として繊維強化
セラミックスの用途を拡大することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】アルミナ粉末に、チタンの炭化物、窒化物
あるいは炭窒化物から選ばれるいずれかから構成され且
つ酸素含有量が0.1〜1.5重量%のウイスカーを5〜70体
積%の割合で添加した混合物を成形、焼成することを特
徴とするアルミナ質繊維強化セラミックスの製造方法。 - 【請求項2】アルミナ粉末に、チタンの炭化物、窒化物
あるいは炭窒化物から選ばれるいずれかから構成され且
つ酸素含有量が0.1〜1.5重量%のウイスカーを5〜70体
積%の割合で添加し、さらに焼結助剤としてMg、Y、希
土類元素、Cr、Ni、Coから選ばれる少なくとも1種の酸
化物を0.1〜3重量%の割合で添加した混合物を成形、
焼成することを特徴とするアルミナ質繊維強化セラミッ
クスの製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2226080A JP2840696B2 (ja) | 1990-08-27 | 1990-08-27 | アルミナ質繊維強化セラミックスの製造方法 |
EP91112447A EP0468486B1 (en) | 1990-07-25 | 1991-07-24 | A ceramic material, reinforced by the incorporation of alumina fibers and process for production thereof |
DE69108472T DE69108472T2 (de) | 1990-07-25 | 1991-07-24 | Keramischer Werkstoff, verstärkt durch Aluminiumoxid-Fibers und Verfahren zu seiner Herstellung. |
US07/735,371 US5360772A (en) | 1990-07-25 | 1991-07-24 | Ceramic material reinforced by the incorporation of TiC, TiCN and TiN whiskers and processes for production thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2226080A JP2840696B2 (ja) | 1990-08-27 | 1990-08-27 | アルミナ質繊維強化セラミックスの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04108663A JPH04108663A (ja) | 1992-04-09 |
JP2840696B2 true JP2840696B2 (ja) | 1998-12-24 |
Family
ID=16839510
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2226080A Expired - Fee Related JP2840696B2 (ja) | 1990-07-25 | 1990-08-27 | アルミナ質繊維強化セラミックスの製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2840696B2 (ja) |
-
1990
- 1990-08-27 JP JP2226080A patent/JP2840696B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH04108663A (ja) | 1992-04-09 |
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