JP2718253B2 - 板材のだれ、段差防止剪断加工方法 - Google Patents
板材のだれ、段差防止剪断加工方法Info
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- JP2718253B2 JP2718253B2 JP2241120A JP24112090A JP2718253B2 JP 2718253 B2 JP2718253 B2 JP 2718253B2 JP 2241120 A JP2241120 A JP 2241120A JP 24112090 A JP24112090 A JP 24112090A JP 2718253 B2 JP2718253 B2 JP 2718253B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はプレスによる板材の剪断加工に関し、詳細に
は加工により製品の剪断輪郭線にだれや段差が発生する
ことを防止可能な剪断加工方法に関する。
は加工により製品の剪断輪郭線にだれや段差が発生する
ことを防止可能な剪断加工方法に関する。
従来、プレスによる板材の剪断加工では、ポンチが板
材に圧入される際に板材が塑性変形するため、ポンチが
当たる側の板の剪断面にいわゆるだれが生じ、このため
板材の打抜き孔周縁がシャープエッジにならず剪断面の
寸法精度が低下する等の問題が生じていた。
材に圧入される際に板材が塑性変形するため、ポンチが
当たる側の板の剪断面にいわゆるだれが生じ、このため
板材の打抜き孔周縁がシャープエッジにならず剪断面の
寸法精度が低下する等の問題が生じていた。
このだれの現象は、第4図(A)に示すように、打抜
き加工では打抜きパンチ1が板材6内に食い込んで、パ
ンチとダイス4のクリアランスKの部分にある材料がパ
ンチとダイスの両刃先を結ぶ層で剪断変形を受け、この
加工初期においてパンチ1が矢印Fの方向に下降して板
材6内に食い込む時にだれdが発生する。すなわち、パ
ンチ1とダイス4とのクリアランス部に板材不足部eが
生じ、この不足を生じさせないように材料が流動する結
果、打抜き後の製品7に第4図(B)に示すようなだれ
dが形成されるのである。
き加工では打抜きパンチ1が板材6内に食い込んで、パ
ンチとダイス4のクリアランスKの部分にある材料がパ
ンチとダイスの両刃先を結ぶ層で剪断変形を受け、この
加工初期においてパンチ1が矢印Fの方向に下降して板
材6内に食い込む時にだれdが発生する。すなわち、パ
ンチ1とダイス4とのクリアランス部に板材不足部eが
生じ、この不足を生じさせないように材料が流動する結
果、打抜き後の製品7に第4図(B)に示すようなだれ
dが形成されるのである。
本願出願人は上記打抜き加工におけるだれの問題を解
決するために特願平1−269120号にだれの発生を防止で
きる打抜き加工法を提案している。
決するために特願平1−269120号にだれの発生を防止で
きる打抜き加工法を提案している。
第5図は上記特願平1−269120号に提案した打抜き加
工法を図示したものである。
工法を図示したものである。
この方法ではまず板材6をダイス5と板押え8との間
に保持し、板押え8で板材6の裏側を支持しながらコイ
ニングポンチ2でコイニング(圧印)を行う(第5図
(A),(B))。コイニングポンチ2は先端周辺部に
ナイフ状の刃を突出させた形状であり、コイニングによ
り板材6の表面にはナイフ刃に対応した形状の溝が形成
される。次いでコイニングポンチ2が板材6に圧入され
た状態のまま板押え8を取り除き、ダイス5に対応する
形状の別のダイス5′を板材6の裏側に当接し、コイニ
ングポンチ2と同じ形状のポンチ2′を用いて板材6の
裏側から再度コイニングを行う(第5図(C))。この
加工の間板材6の表側は先のコイニングポンチ2により
支持される。板材6の両側にはこのコイニングによりポ
ンチ2,2′のナイフ刃形状に対応する形状の溝9,9′(第
5図(D))が形成される。
に保持し、板押え8で板材6の裏側を支持しながらコイ
ニングポンチ2でコイニング(圧印)を行う(第5図
(A),(B))。コイニングポンチ2は先端周辺部に
ナイフ状の刃を突出させた形状であり、コイニングによ
り板材6の表面にはナイフ刃に対応した形状の溝が形成
される。次いでコイニングポンチ2が板材6に圧入され
た状態のまま板押え8を取り除き、ダイス5に対応する
形状の別のダイス5′を板材6の裏側に当接し、コイニ
ングポンチ2と同じ形状のポンチ2′を用いて板材6の
裏側から再度コイニングを行う(第5図(C))。この
加工の間板材6の表側は先のコイニングポンチ2により
支持される。板材6の両側にはこのコイニングによりポ
ンチ2,2′のナイフ刃形状に対応する形状の溝9,9′(第
5図(D))が形成される。
コイニングが完了すると次にコイニングポンチ2,2′
を取り除き板材6をダイス5,5′の間に挟持したままで
別の打抜き用ポンチ3を用いて打抜き加工を行い(第5
図(E))、所定の形状の製品を得る(第5図
(F))。
を取り除き板材6をダイス5,5′の間に挟持したままで
別の打抜き用ポンチ3を用いて打抜き加工を行い(第5
図(E))、所定の形状の製品を得る(第5図
(F))。
上記のコイニング加工においては、板材のポンチが圧
入される側と反対の板材の面を板押え部材や別のコイニ
ングポンチで支持しながら加工を行なうため、ナイフ刃
が食い込む際に材料が反対側の面に逃げず、板材の打抜
き孔周縁にだれが生じない。このため、第5図(F)に
示すようなシャープエッジを得ることができる。
入される側と反対の板材の面を板押え部材や別のコイニ
ングポンチで支持しながら加工を行なうため、ナイフ刃
が食い込む際に材料が反対側の面に逃げず、板材の打抜
き孔周縁にだれが生じない。このため、第5図(F)に
示すようなシャープエッジを得ることができる。
上述のように特願平1−269120号に提案した打抜き加
工法によれば板材の打抜き孔周縁部でのだれ発生を防止
して切削加工並みのシャープエッジを持った製品をプレ
ス加工で得ることができる。
工法によれば板材の打抜き孔周縁部でのだれ発生を防止
して切削加工並みのシャープエッジを持った製品をプレ
ス加工で得ることができる。
しかし、上述の方法では一旦板材をコイニングポンチ
2,2′でコイニングして、次に別の打抜き用ポンチ3を
用いて打抜きを行なうことから、第5図(F)に示すよ
うにどうしても製品7の打抜き孔の剪断輪郭線に段差g
が残る問題があった。
2,2′でコイニングして、次に別の打抜き用ポンチ3を
用いて打抜きを行なうことから、第5図(F)に示すよ
うにどうしても製品7の打抜き孔の剪断輪郭線に段差g
が残る問題があった。
これは上記の方法ではコイニングの後一旦コイニング
ポンチを板材から引き抜いて、コイニングにより形成し
た溝に別の打抜き用ポンチを挿入するため、打抜きポン
チ3の幅WP(第5図(E))はコイニングポンチ2,2′
の幅WC(第5図(C))よりわずかに小さくする必要が
あり、この差WC−WPが剪断輪郭線に段差gとして残って
しまうのである。打抜きポンチの幅WPをコイニングポン
チの幅WCに近づければ上記段差は小さくなるが、コイニ
ングにより形成した溝に打抜きポンチを挿入可能にする
ためには打抜きポンチと溝側面との間にクリアランスが
必要であり、WPとWCとを等しくすることはできず、上記
方法ではポンチの寸法精度を向上させてWPをWCに近づけ
ても製品に20μm程度の段差が生じることは避けられな
かった。
ポンチを板材から引き抜いて、コイニングにより形成し
た溝に別の打抜き用ポンチを挿入するため、打抜きポン
チ3の幅WP(第5図(E))はコイニングポンチ2,2′
の幅WC(第5図(C))よりわずかに小さくする必要が
あり、この差WC−WPが剪断輪郭線に段差gとして残って
しまうのである。打抜きポンチの幅WPをコイニングポン
チの幅WCに近づければ上記段差は小さくなるが、コイニ
ングにより形成した溝に打抜きポンチを挿入可能にする
ためには打抜きポンチと溝側面との間にクリアランスが
必要であり、WPとWCとを等しくすることはできず、上記
方法ではポンチの寸法精度を向上させてWPをWCに近づけ
ても製品に20μm程度の段差が生じることは避けられな
かった。
上記剪断輪郭線上の段差はわずかなものではあるが、
精度を要する製品の打抜き加工の場合には問題となるた
め、剪断加工時にだれを防止すると同時に段差を生じな
い剪断加工方法の開発が従来からの課題となっていた。
精度を要する製品の打抜き加工の場合には問題となるた
め、剪断加工時にだれを防止すると同時に段差を生じな
い剪断加工方法の開発が従来からの課題となっていた。
本発明は上記課題に鑑み、板材を剪断加工する際に、
だれと段差との両方の発生を防止することができる板材
の剪断加工方法を提供することを目的としている。
だれと段差との両方の発生を防止することができる板材
の剪断加工方法を提供することを目的としている。
本発明の板材の剪断加工方法は、板材を頂部に平坦面
を有するナイフ刃を備えたポンチでコイニングした後、
ポンチを板材から引き抜かずに引き続き、同じポンチを
使用して打抜きを行なうことにより製品面に段差が生じ
ることを防止している。
を有するナイフ刃を備えたポンチでコイニングした後、
ポンチを板材から引き抜かずに引き続き、同じポンチを
使用して打抜きを行なうことにより製品面に段差が生じ
ることを防止している。
すなわち、本発明によれば、 ポンチとダイスとを用いた板材の剪断加工方法であっ
て、まず、板材の加工部分裏側にバックアップ部材を当
接させ、次いで、頂部に平坦面を有するナイフ刃状に先
端周辺部を突出させた形状のコイニング打抜き兼用ポン
チを板材加工部分の表側に押圧して前記バックアップ部
材で板材裏側を支持しながら所定量コイニングを行い、
次いで前記バックアップ部材を取除き、板材裏面に所定
形状のダイスを当接させた状態で、前記コイニング行程
に連続して前記ポンチを前進させて板材を打抜くことを
特徴とする板材のだれ、段差防止剪断加工方法が提供さ
れる。
て、まず、板材の加工部分裏側にバックアップ部材を当
接させ、次いで、頂部に平坦面を有するナイフ刃状に先
端周辺部を突出させた形状のコイニング打抜き兼用ポン
チを板材加工部分の表側に押圧して前記バックアップ部
材で板材裏側を支持しながら所定量コイニングを行い、
次いで前記バックアップ部材を取除き、板材裏面に所定
形状のダイスを当接させた状態で、前記コイニング行程
に連続して前記ポンチを前進させて板材を打抜くことを
特徴とする板材のだれ、段差防止剪断加工方法が提供さ
れる。
最初コイニングを行う際には板材の裏側はバックアッ
プ部材で支持されているためポンチのナイフ刃が板材に
食い込む際、材料が板材の裏側に逃げず、ナイフ刃の頂
部平坦面により、シャープエッジを持った溝がコイニン
グされ、だれが生じない。次いでバックアップ部材を取
り除いて打抜き加工を行うが、この場合も同じポンチを
用いて、上記コイニングに引き続いて打抜きを行うた
め、コイニング時と打抜き時でポンチの幅に差が生じる
ことがなく、製品打抜き後の剪断輪郭線には段差が残ら
ない。
プ部材で支持されているためポンチのナイフ刃が板材に
食い込む際、材料が板材の裏側に逃げず、ナイフ刃の頂
部平坦面により、シャープエッジを持った溝がコイニン
グされ、だれが生じない。次いでバックアップ部材を取
り除いて打抜き加工を行うが、この場合も同じポンチを
用いて、上記コイニングに引き続いて打抜きを行うた
め、コイニング時と打抜き時でポンチの幅に差が生じる
ことがなく、製品打抜き後の剪断輪郭線には段差が残ら
ない。
第1図に本発明による板材の剪断加工方法の実施例を
示す。図において12は後述するように、周縁部にナイフ
状の刃を突出させたコイニング及び打抜き兼用ポンチ、
15はダイス、16は板材を示す。本実施例では、第1図
(A)に示すように加工前に、まず板押え18を板材16の
裏側に押圧し、板押え18とダイス15との間に板材16を挟
持する。次いでこの状態でポンチ12を板材16に押圧し、
ポンチのナイフ刃を板材16内に所定量圧入してコイニン
グを行なう(第1図(B))。この状態では板材16には
第1図(C)に示すようなナイフ刃形状に対応した溝19
が形成されるが、板材16の裏側を板押え18で支持してい
るため、ナイフ刃の頂部平坦面に押された材料は板材裏
側方向に逃げずにナイフ刃頂部平坦面に沿って流動し、
本来だれが生じるべき部分dに補充される。このため、
d部分にだれが生じることが防止される。所定のコイニ
ング量C(第1図(C))だけポンチを板材16に圧入し
てコイニングが終了すると、ポンチ12の位置はそのまま
にして次に板押え18を取り除き、板材16の裏側に、ダイ
ス15と対応する形状の別のダイス15′を当接し、ダイス
15,15′で板材16を挟持する(第1図(D))。次いで
ポンチ12を用いて板材16を打抜く(第1図(E))。こ
れにより第1図(F)に示す製品17を得ることができる
が、コイニングから連続して同じポンチで打抜きを行っ
たため、製品面の剪断輪郭線には段差が生じていない。
また、頂部に平坦面を有するナイフ刃を用いたコイニン
グにより、本来だれるべき打抜き孔周縁部(d)には予
め材料が補充されているため、だれが生じず、だれ、段
差の無い極めて良好な剪断輪郭線が得られている。
示す。図において12は後述するように、周縁部にナイフ
状の刃を突出させたコイニング及び打抜き兼用ポンチ、
15はダイス、16は板材を示す。本実施例では、第1図
(A)に示すように加工前に、まず板押え18を板材16の
裏側に押圧し、板押え18とダイス15との間に板材16を挟
持する。次いでこの状態でポンチ12を板材16に押圧し、
ポンチのナイフ刃を板材16内に所定量圧入してコイニン
グを行なう(第1図(B))。この状態では板材16には
第1図(C)に示すようなナイフ刃形状に対応した溝19
が形成されるが、板材16の裏側を板押え18で支持してい
るため、ナイフ刃の頂部平坦面に押された材料は板材裏
側方向に逃げずにナイフ刃頂部平坦面に沿って流動し、
本来だれが生じるべき部分dに補充される。このため、
d部分にだれが生じることが防止される。所定のコイニ
ング量C(第1図(C))だけポンチを板材16に圧入し
てコイニングが終了すると、ポンチ12の位置はそのまま
にして次に板押え18を取り除き、板材16の裏側に、ダイ
ス15と対応する形状の別のダイス15′を当接し、ダイス
15,15′で板材16を挟持する(第1図(D))。次いで
ポンチ12を用いて板材16を打抜く(第1図(E))。こ
れにより第1図(F)に示す製品17を得ることができる
が、コイニングから連続して同じポンチで打抜きを行っ
たため、製品面の剪断輪郭線には段差が生じていない。
また、頂部に平坦面を有するナイフ刃を用いたコイニン
グにより、本来だれるべき打抜き孔周縁部(d)には予
め材料が補充されているため、だれが生じず、だれ、段
差の無い極めて良好な剪断輪郭線が得られている。
次に第2図を用いて本実施例のコイニング及び打抜き
兼用ポンチ12の形状について説明する。第2図はポンチ
12の縦断面を示しており、ポンチ12は板材の製品形状
(角形、丸形、星形等任意の形状が可能)に対応する横
断面形状を有し、その先端部には凹部21が形成され、こ
の凹部21の側壁は凹部21周囲を取り囲むナイフ状の刃
(以下ナイフ刃という)23の形に形成されている。また
上記凹部の底面22は平面に加工されている ナイフ刃23の内周面とポンチ軸線との成す角(以下ポ
ンチ角度という)θ、及びナイフ刃の高さ(すなわち凹
部21深さ)C、ナイフ刃先端の平面部幅WSはそれぞれ以
下に説明する所定値に加工されている。
兼用ポンチ12の形状について説明する。第2図はポンチ
12の縦断面を示しており、ポンチ12は板材の製品形状
(角形、丸形、星形等任意の形状が可能)に対応する横
断面形状を有し、その先端部には凹部21が形成され、こ
の凹部21の側壁は凹部21周囲を取り囲むナイフ状の刃
(以下ナイフ刃という)23の形に形成されている。また
上記凹部の底面22は平面に加工されている ナイフ刃23の内周面とポンチ軸線との成す角(以下ポ
ンチ角度という)θ、及びナイフ刃の高さ(すなわち凹
部21深さ)C、ナイフ刃先端の平面部幅WSはそれぞれ以
下に説明する所定値に加工されている。
ポンチ角度θは板材の材質、板厚等に応じて0゜<θ
<90゜の範囲に設定されるが、ポンチ角度θは小さくす
る程だれ量が小さくなることがわかっている。
<90゜の範囲に設定されるが、ポンチ角度θは小さくす
る程だれ量が小さくなることがわかっている。
またナイフ刃高さCは、本発明による工程で最初にコ
イニングを行う際のコイニング量に等しく設定されてお
り、材質、板厚等により変化するが、概ね板厚の25%程
度に設定するのが好ましい。
イニングを行う際のコイニング量に等しく設定されてお
り、材質、板厚等により変化するが、概ね板厚の25%程
度に設定するのが好ましい。
このように設定することにより、コイニング後に打抜
きを行う際には凹部21の底面22が板材に接することにな
るためナイフ刃23に無理な力が加わらずポンチ12の寿命
を増大することができるとともに、加工の際ナイフ刃23
が弾性変形して外側に開くことを防止できるため製品加
工面の品質が向上する。
きを行う際には凹部21の底面22が板材に接することにな
るためナイフ刃23に無理な力が加わらずポンチ12の寿命
を増大することができるとともに、加工の際ナイフ刃23
が弾性変形して外側に開くことを防止できるため製品加
工面の品質が向上する。
またナイフ刃先端の平面部は加工時のナイフ刃先端の
破損を防止するとともにコイニング及び打抜き時におけ
る打抜き孔周縁部のだれ発生を防止するために設けるも
のであり、その幅WSは0.1mm程度で充分目的を達成でき
る。ナイフ刃に頂部平坦面を設けることにより、コイニ
ング時にナイフ刃が板材に進入すると頂部平坦面に押さ
れた材料は頂部平坦面に沿ってナイフ刃の内側方向と外
側方向とに別れて流動する。このため、ナイフ刃外側の
本来だれが生じる部分dには頂部平坦面に沿った材料の
流動により材料が補充されるようになりだれの発生が防
止される。
破損を防止するとともにコイニング及び打抜き時におけ
る打抜き孔周縁部のだれ発生を防止するために設けるも
のであり、その幅WSは0.1mm程度で充分目的を達成でき
る。ナイフ刃に頂部平坦面を設けることにより、コイニ
ング時にナイフ刃が板材に進入すると頂部平坦面に押さ
れた材料は頂部平坦面に沿ってナイフ刃の内側方向と外
側方向とに別れて流動する。このため、ナイフ刃外側の
本来だれが生じる部分dには頂部平坦面に沿った材料の
流動により材料が補充されるようになりだれの発生が防
止される。
ポンチを上記形状に形成することによってコイニング
後引き続き同じポンチを用いて打抜きを行っても加工面
の品質が悪化することなく、しかもだれ、段差のない加
工面剪断輪郭線を得ることができる。
後引き続き同じポンチを用いて打抜きを行っても加工面
の品質が悪化することなく、しかもだれ、段差のない加
工面剪断輪郭線を得ることができる。
次に第3図に本発明による剪断加工方法を実施する装
置の例を示す。
置の例を示す。
第3図は本発明の剪断加工方法を実施するだれ、段差
防止剪断加工装置30の縦断面図であり、中心線M−Mに
対して右側は加工開始前の状態を、また左側は加工中の
状態を示している。
防止剪断加工装置30の縦断面図であり、中心線M−Mに
対して右側は加工開始前の状態を、また左側は加工中の
状態を示している。
図において31は図示しない油圧シリンダ等により上下
動される上型、32は固定位置に保持された下型である。
動される上型、32は固定位置に保持された下型である。
上型31には、アッパプレート33及びアッパプレート33
と上面が同一平面になるように上側ダイス34aが一体に
取付けられ、下型32には同様にアンダプレート35及び下
側ダイス34bが取付けられている。図に39で示したのは
加工後に板材を取り出すためアンダプレート35(及び下
側ダイス34b)を所定量上昇させるための付勢スプリン
グである。
と上面が同一平面になるように上側ダイス34aが一体に
取付けられ、下型32には同様にアンダプレート35及び下
側ダイス34bが取付けられている。図に39で示したのは
加工後に板材を取り出すためアンダプレート35(及び下
側ダイス34b)を所定量上昇させるための付勢スプリン
グである。
ダイス34a及び34bはそれぞれ打抜き加工部形状に対応
するダイス穴(本実施例では紙面に直角に長手方向を有
する長方形スリット形状)を備えており、下側ダイス34
bのダイス穴には、前述のような先端部形状を有するコ
イニング及び打抜き兼用ポンチ36先端部が挿入されてい
る。ポンチ36は油圧シリンダ40に押動されて上昇し、前
述のコイニング及び打抜き動作を行うようになってい
る。
するダイス穴(本実施例では紙面に直角に長手方向を有
する長方形スリット形状)を備えており、下側ダイス34
bのダイス穴には、前述のような先端部形状を有するコ
イニング及び打抜き兼用ポンチ36先端部が挿入されてい
る。ポンチ36は油圧シリンダ40に押動されて上昇し、前
述のコイニング及び打抜き動作を行うようになってい
る。
また、上側ダイス34aのダイス穴には図に中心線の両
側に半分ずつに切断した形で示すバックアップ部材37の
先端が挿入されている。バックアップ部材37の先端部は
ポンチ36と同一の横断面形状を有するが、その先端部に
はナイフ刃や凹部は形成されておらず平面になってい
る。バックアップ部材は上型に固定された固定部材41に
対してカム42を介装して取付けられており、付勢ばね43
により常に上向きの力を受けている。カム42は紙面に直
角の長手方向にその断面形状が連続的に変化しており、
レバー44を用いてカム42を紙面に直角方向にスライドさ
せることによりバックアップ部材37を、バックアップ部
材先端がダイス34a上面と同一平面上になるコイニング
位置と、バックアップ部材37先端がダイス34aのダイス
穴内に後退する打抜き位置との間で上下動させることが
できるようになっている。
側に半分ずつに切断した形で示すバックアップ部材37の
先端が挿入されている。バックアップ部材37の先端部は
ポンチ36と同一の横断面形状を有するが、その先端部に
はナイフ刃や凹部は形成されておらず平面になってい
る。バックアップ部材は上型に固定された固定部材41に
対してカム42を介装して取付けられており、付勢ばね43
により常に上向きの力を受けている。カム42は紙面に直
角の長手方向にその断面形状が連続的に変化しており、
レバー44を用いてカム42を紙面に直角方向にスライドさ
せることによりバックアップ部材37を、バックアップ部
材先端がダイス34a上面と同一平面上になるコイニング
位置と、バックアップ部材37先端がダイス34aのダイス
穴内に後退する打抜き位置との間で上下動させることが
できるようになっている。
上記装置30による板材の剪断加工は以下のように行わ
れる。
れる。
まず上型31を上昇させ、上型31と下型32とを離間させ
る。(第3図右側参照)この状態ではバックアップ部材
37は上側ダイス34aと、上面が同一平面になるコイニン
グ位置に保持されている。この状態でアンダプレート35
上に加工する板材を載せ、上型31を下降させて板材を押
圧する。これによりアンダプレート35は上型31に押され
付勢ばね39を圧縮して下降し、下型32に当接し、板材は
アンダプレート35(及び下側ダイス34b)とアッパプレ
ート33(及び上側ダイス34a)との間に挟持される。
(第3図左側参照) 次いで油圧シリンダ40によりポンチ36を所定量(第2
図C)だけ上昇させる。この状態では板材の加工部上面
はバックアップ部材37と上側ダイス34aとによって支持
されているため、ポンチ36の圧入によって板材下面のみ
のコイニングが行なわれる。
る。(第3図右側参照)この状態ではバックアップ部材
37は上側ダイス34aと、上面が同一平面になるコイニン
グ位置に保持されている。この状態でアンダプレート35
上に加工する板材を載せ、上型31を下降させて板材を押
圧する。これによりアンダプレート35は上型31に押され
付勢ばね39を圧縮して下降し、下型32に当接し、板材は
アンダプレート35(及び下側ダイス34b)とアッパプレ
ート33(及び上側ダイス34a)との間に挟持される。
(第3図左側参照) 次いで油圧シリンダ40によりポンチ36を所定量(第2
図C)だけ上昇させる。この状態では板材の加工部上面
はバックアップ部材37と上側ダイス34aとによって支持
されているため、ポンチ36の圧入によって板材下面のみ
のコイニングが行なわれる。
ポンチ36が所定量上昇してコイニングが完了すると、
次にポンチ36を停止してそのままの位置を保持しながら
レバー44を操作してバックアップ部材37を上昇させ、バ
ックアップ部材37を前述の打抜き位置まで後退させる。
これにより板材の加工部上面は、打抜き部形状のダイス
穴を有する上側ダイス34aのみによって支持されること
になる。次いでポンチ36を更に上昇させて打抜きを行な
う。これにより前述のように板材はダイス34a,34bとポ
ンチ36とにより所定形状に打抜かれ、剪断輪郭線にだれ
や段差のない良好な製品を得ることができる。
次にポンチ36を停止してそのままの位置を保持しながら
レバー44を操作してバックアップ部材37を上昇させ、バ
ックアップ部材37を前述の打抜き位置まで後退させる。
これにより板材の加工部上面は、打抜き部形状のダイス
穴を有する上側ダイス34aのみによって支持されること
になる。次いでポンチ36を更に上昇させて打抜きを行な
う。これにより前述のように板材はダイス34a,34bとポ
ンチ36とにより所定形状に打抜かれ、剪断輪郭線にだれ
や段差のない良好な製品を得ることができる。
なお、上記実施例ではコイニング時に上側ダイス34a
のダイス穴にバックアップ部材37を挿入して上側ダイス
34aとともに板材加工部を支持しているが、もっと大型
のバックアップ部材を使用して、バックアップ部材を上
側ダイス穴に挿入せず、コイニング時にはバックアップ
部材のみで板材加工面を支持し、コイニングから打抜き
に移行する際にバックアップ部材と上側ダイスとを交換
するようにしても良い。
のダイス穴にバックアップ部材37を挿入して上側ダイス
34aとともに板材加工部を支持しているが、もっと大型
のバックアップ部材を使用して、バックアップ部材を上
側ダイス穴に挿入せず、コイニング時にはバックアップ
部材のみで板材加工面を支持し、コイニングから打抜き
に移行する際にバックアップ部材と上側ダイスとを交換
するようにしても良い。
また上記実施例ではコイニング完了後、一旦ポンチ36
の上昇を停止してレバー44の操作によりバックアップ部
材37を後退させているが、ポンチ36とバックアップ部材
37とを適宜な機構で連結させ、ポンチ36が所定のコイニ
ング量だけ上昇した後、バックアップ部材37がポンチ36
のストロークに連動して後退するようにすれば、コイニ
ング後ポンチ36を一旦停止することなく連続して打抜き
加工を行うことができる。
の上昇を停止してレバー44の操作によりバックアップ部
材37を後退させているが、ポンチ36とバックアップ部材
37とを適宜な機構で連結させ、ポンチ36が所定のコイニ
ング量だけ上昇した後、バックアップ部材37がポンチ36
のストロークに連動して後退するようにすれば、コイニ
ング後ポンチ36を一旦停止することなく連続して打抜き
加工を行うことができる。
本発明の剪断加工法によれば、頂部に平坦面を有する
ナイフ刃状に先端周辺部を突出させたポンチを用いて板
材にまずコイニングを行ない、引き続き同じポンチを用
いて打抜きを行うことにより加工部剪断輪郭線にだれ、
段差が発生することを防止することができるため、剪断
加工によって、切削加工又は研摩加工並みの良好な加工
面性状と精度とを有する製品を得ることができる。
ナイフ刃状に先端周辺部を突出させたポンチを用いて板
材にまずコイニングを行ない、引き続き同じポンチを用
いて打抜きを行うことにより加工部剪断輪郭線にだれ、
段差が発生することを防止することができるため、剪断
加工によって、切削加工又は研摩加工並みの良好な加工
面性状と精度とを有する製品を得ることができる。
第1図(A)から(F)は本発明による板材の剪断加工
方法の工程実施例を示す略示図、第2図は第1図の実施
例に使用するコイニング及び打抜き兼用ポンチの先端形
状を示す断面図、第3図は本発明による板材の剪断加工
方法を実施する装置の断面図、第4図(A),(B)は
従来の打抜き加工によるだれ発生の状況を示す図、第5
図(A)から(F)は第4図とは別の従来の剪断加工方
法の工程を示す図である。 12……コイニング及び打抜き兼用ポンチ、 15,15′……ダイス、16……板材、 18……板押え、21……凹部、 22……凹部底面、23……ナイフ刃、 30……だれ、段差防止剪断加工装置、 33……アッパプレート、34a……上側ダイス、 34b……下側ダイス、35……アンダプレート、 36……コイニング及び打抜き兼用ポンチ、 37……バックアップ部材、 40……油圧シリンダ、42……カム、 43……ばね、44……レバー。
方法の工程実施例を示す略示図、第2図は第1図の実施
例に使用するコイニング及び打抜き兼用ポンチの先端形
状を示す断面図、第3図は本発明による板材の剪断加工
方法を実施する装置の断面図、第4図(A),(B)は
従来の打抜き加工によるだれ発生の状況を示す図、第5
図(A)から(F)は第4図とは別の従来の剪断加工方
法の工程を示す図である。 12……コイニング及び打抜き兼用ポンチ、 15,15′……ダイス、16……板材、 18……板押え、21……凹部、 22……凹部底面、23……ナイフ刃、 30……だれ、段差防止剪断加工装置、 33……アッパプレート、34a……上側ダイス、 34b……下側ダイス、35……アンダプレート、 36……コイニング及び打抜き兼用ポンチ、 37……バックアップ部材、 40……油圧シリンダ、42……カム、 43……ばね、44……レバー。
Claims (1)
- 【請求項1】ポンチとダイスとを用いた板材の剪断加工
方法であって、 まず、板材の加工部分裏側にバックアップ部材を当接さ
せ、次いで、頂部に平坦面を有するナイフ刃状に先端周
辺部を突出させた形状のコイニング打抜き兼用ポンチを
板材加工部分の表側に押圧して前記バックアップ部材で
板材裏側を支持しながら所定量コイニングを行い、次い
で前記バックアップ部材を取除き、板材裏面に所定形状
のダイスを当接させた状態で、前記コイニング行程に連
続して前記ポンチを前進させて板材を打抜くことを特徴
とする板材のだれ、段差防止剪断加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2241120A JP2718253B2 (ja) | 1990-09-13 | 1990-09-13 | 板材のだれ、段差防止剪断加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2241120A JP2718253B2 (ja) | 1990-09-13 | 1990-09-13 | 板材のだれ、段差防止剪断加工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04123821A JPH04123821A (ja) | 1992-04-23 |
JP2718253B2 true JP2718253B2 (ja) | 1998-02-25 |
Family
ID=17069585
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2241120A Expired - Fee Related JP2718253B2 (ja) | 1990-09-13 | 1990-09-13 | 板材のだれ、段差防止剪断加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2718253B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002120025A (ja) * | 2000-10-18 | 2002-04-23 | Saitama Press Tanzo Kk | アルミニウム鍛造品の穴打抜き装置 |
EP2339213B1 (en) | 2001-03-02 | 2014-09-03 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | A shift device for vehicle |
JP4068393B2 (ja) | 2002-05-15 | 2008-03-26 | 株式会社東海理化電機製作所 | シフト装置 |
JP4729070B2 (ja) * | 2008-04-28 | 2011-07-20 | 古河電気工業株式会社 | 磁気ディスク用アルミニウム合金基板及び磁気ディスク用アルミニウム合金基板の打抜きプレス用金型 |
KR100926226B1 (ko) * | 2008-05-21 | 2009-11-09 | 안복만 | 알루미늄 인쇄회로기판의 버 방지용 제조 금형 |
CN102172712B (zh) * | 2010-12-30 | 2013-04-10 | 东莞精锐电器五金有限公司 | 形成刀片双面刀刃及形成金属板件双面直棱角的方法 |
CN103100593A (zh) * | 2013-01-22 | 2013-05-15 | 东莞市祥鑫汽车模具制品有限公司 | 一种在厚钢板上采用冷冲方式加工柱形沉孔的方法 |
JP6992631B2 (ja) * | 2017-03-22 | 2022-01-13 | 日本製鉄株式会社 | せん断加工方法およびせん断加工装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6315048A (ja) * | 1986-07-03 | 1988-01-22 | 三洋電機株式会社 | 吸収冷凍機 |
-
1990
- 1990-09-13 JP JP2241120A patent/JP2718253B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04123821A (ja) | 1992-04-23 |
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