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JP2710711B2 - セルロースジアセテート中空糸 - Google Patents

セルロースジアセテート中空糸

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Publication number
JP2710711B2
JP2710711B2 JP3202283A JP20228391A JP2710711B2 JP 2710711 B2 JP2710711 B2 JP 2710711B2 JP 3202283 A JP3202283 A JP 3202283A JP 20228391 A JP20228391 A JP 20228391A JP 2710711 B2 JP2710711 B2 JP 2710711B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hollow fiber
cellulose diacetate
present
fin
polymerization
Prior art date
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JP3202283A
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JPH0523556A (ja
Inventor
昭治 水谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の重合体からなる
選択透過性中空糸に関する。更に詳細には本発明は、こ
れまでのものとは異なった高い平均重合度を有したセル
ロースジアセテート重合体を主成分とした選択透過性の
セルロース系中空糸を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】選択透過性中空糸は逆浸透や血液透析等
において従来より実用的に使用されて来ている。特に腎
不全患者の血液を浄化するために、現在では中空糸型血
液透析器がよく使用されている。これは筐体の中に透析
膜、例えば、中空糸の膜を多数本、収納し、その中空内
部に患者の血液を流し、外部、即ち、中空糸間に透析液
を流して、中空糸を介して透析によって、血液中の老廃
物を除去し電解質濃度を是正するとともに、中空糸内外
に圧力差を与えて限外濾過によって血液中の余剰水分を
除去するものである。更に、血液中から血漿のみを分離
し、或いは、その血漿の中から特定成分を除去して自己
免疫疾患などを治療するために、中空糸が使用されてい
る。このように血液処理用の中空糸は目的に応じて特定
の物質を選択的に透過せしめなければならない。その性
能は、中空糸の素材、ポロシティ(孔の大きさ、数な
ど)、膜厚などによって決定される。
【0003】血液透析器のための中空糸の素材として
は、セルロースやセルロースアセテートが一般によく用
いられる。特にセルロースアセテートは、可塑化溶融紡
糸や湿式紡糸なる通常用いられる紡糸方法によって比較
的容易に製造でき、得られた中空糸が血液透析治療に用
いた際に例えばセルロースの中空糸の場合に比して補体
活性をある程度抑制し得る等の利点がある。
【0004】しかしながら、従来のセルロースジアセテ
ート中空糸はセルロースを酢化する段階でセルロース自
体の重合度が低下しやすく、高い重合度のものでせいぜ
い170〜200程度のものしか得られなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、従来の高
々200の重合度のセルロースジアセテートを用いたの
では、物質透過性を高めるためにポリマー濃度を下げる
と紡糸原液の粘度が充分に高くならない場合があり、そ
のような場合には、膜厚を薄くすることが困難となりや
すく、特に軸方向に延びたフィンの形状がシャープにな
りにくく、結果として所望の選択透過性中空糸が得られ
にくかった点を改善することを目的として、鋭意研究を
行なった。逆にいえば同じフィンの形状でポリマー濃度
をあげ膜内の空隙率を上げて物質の透過性を増大せしめ
ることができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来のセル
ロースジアセテート中空糸におけるセルロースジアセテ
ートよりも高い重合度のセルロースジアセテートを得
て、かかる重合度の高いセルロースジアセテートを用い
ることによって、より優れた特性を有した選択透過性中
空糸が得られることを見い出し、本発明に到達したもの
である。
【0007】すなわち本発明は、実質上セルロースジア
セテートからなる選択透過性壁膜を有した中空糸であっ
て、該実質上のセルロースジアセテートの平均重合度が
230〜400の範囲にあり、該壁膜の外面側に軸方向
に沿って延びた少なくとも1条のフィンを有し、前記壁
膜のフィンのない部分の厚さが20μm以下であり、か
つ前記中空糸の平均切断強度が0.4g/de以上であ
ることを特徴とするセルロースジアセテート中空糸であ
る。本発明の中空糸の選択透過性壁膜は、体液処理のた
めの物質選択透過性膜に好適なものである。
【0008】以下に本発明についてさらに詳細に説明す
る。まず本発明の選択透過性のセルロースジアセテート
中空糸は実質上のセルロースジアセテート重合体を主た
る構成成分とするものである。かかる実質上のセルロー
スジアセテート重合体としては、通常セルロースジアセ
テートとして取り扱われる範囲内にあるものをいい、具
体的には平均酢化度が50〜57%の範囲内にあるもの
があげられる。
【0009】本発明におけるセルロースジアセテート重
合体は、平均重合度が230〜400であることを特徴
としている。尚ここで言う平均重合度は重量平均分子量
をその重合体の繰返し単位の分子量で割った値を意味す
る。その重量平均分子量の測定法として例えばゲル濾過
クロマトグラフィー、粘度率の測定、沈降平衡の測定、
光散乱法なる方法が挙げられる。
【0010】セルロースジアセテート重合体の平均重合
度が230未満の場合には、高さの高いフィンを具備し
且つ選択透過性の高いセルロースジアセテート中空糸が
得にくい。また再湿伸長率の低い中空糸が得られにく
い。又、中空糸による物質の透過性を増大せしめる為
に、紡糸時のポリマー濃度を低めた場合、ポリマー粘度
が低すぎ、紡糸性が非常に悪くなる。平均重合度として
は、240〜350が更に好ましく、特に250〜30
0が好ましい。
【0011】尚セルロースジアセテート重合体の平均重
合度が400以上の場合は、重合体自体が製造しにく
く、また中空糸を溶融紡糸する場合、温度が非常に高く
なり、セルロースジアセテートの分解がしやすくなる。
【0012】本発明のセルロースジアセテート中空糸
は、かかるセルロースジアセテート重合体を主要成分と
するものであり、その具体的な含有率としては50%以
上、更には70%以上が好ましい。尚それ以外に含まれ
る成分は特に限定されるものではなく、例えばポリメチ
ルメタアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ニトロ
セルロース等の有機高分子が挙げられる。
【0013】更に本発明の中空糸の外径(d)として
は、例えば血液透析等の体液処理用の場合には、100
〜400μが好ましく、更には200〜300μが好ま
しい。膜厚(h)としては20μ以下、更には5〜20
μ、特に10〜15μが好ましい。
【0014】また本発明のセルロース系中空糸として
は、外周部において長手方向に延長されたフィンを有し
たものであり、該フィンの高さHと巾Wの比H/Wが
0.5以上であることを特徴としている。該比H/Wが
0.5未満の場合には、流体分離器内に収納した場合の
中空糸どうしの密着を防止する効果が得にくく好ましく
ない。さらに好ましいH/Wとしては0.8以上であ
る。尚、フィンの巾Wとは、フィンの高さHの1/2の
位置における巾を意味するものである。
【0015】更に本発明における該中空糸のフィンの数
xは少なくとも1であるが、11以上になるとフィン根
元部による有効膜面積の減少が顕著になり、例えば血液
透析器における物質透析性能、水透過性能が著しく低下
し、実用的でない。即ちかかるxは一般に1〜10であ
るが、さらには2〜8が好ましく、特に有効な範囲は3
〜7である。
【0016】その場合のフィンの高さ(H)としては5
〜100μ、更には9〜60μが好ましい。尚フィン高
さと膜厚の比H/hは0.5〜3が好ましく、さらには
1〜2が好ましい。更にフィンの平均高さH(μ)とフ
ィンを除外した中空糸の平均外径d(μ)の比H/d
は、0.01〜1の範囲にあることが好ましく、更には
0.02〜0.5の範囲、特に0.03〜0.2の範囲
にあることが望ましい。またフィンの根元の巾はフィン
の上部に比して狭いのが望ましいが、通常は紡糸原液が
口金から吐出後、原液の表面張力で根元部分は広くなり
やすい。かかる根元の巾としては15〜50μ、好まし
くは20〜40μのものが適当である。この様な範囲に
ある中空糸は真円性良好であり中空糸内での血液凝固や
残血が生じにくい点でも好ましい。
【0017】更に本発明の中空糸のうちで、平均切断強
度が0.4g/de以上であるものが好ましく、特に
0.6g/de以上のものが望ましい。強度が0.4g
/de未満の場合には、形態保持性に劣り、中空糸の製
造工程や流体分離器の製造工程中で破断しやすく、特に
外径dが100〜300μで膜厚が5〜20μの範囲の
中空糸の場合にはその傾向が大きい。尚該強度の上限と
しては特に限定されるものではなく、例えば0.9g/
de以下が一般的である。
【0018】また本発明の中空糸は、その再湿伸長率が
3%以下であることを特徴としている。再湿伸長率が3
%を超える場合には、実質上乾燥状態流体分離器に収納
した後に水や水溶液等を充填し再湿潤状態にした際の該
中空糸の伸びが大きすぎて、中空糸どうしの局所的な密
着が増し、中空糸の折れ曲りなどが発生しやすくなるの
で好ましくない。かかる再湿伸長率としては、2.5%
以下が更に好ましい。また再湿伸長率の下限としては特
に限定されるものではないが、0.5%以上、更に好ま
しくは1%以上であれば、流体分離器内で再湿潤時に中
空糸が適度な伸びを呈し、流体分離器内全体に中空糸束
が広がる効果も得られる。尚該再湿伸長率αは実質上乾
燥状態にある中空糸を約0.1g/deの荷重下で測定
した長さLと該中空糸を水で湿潤状態にして約0.1g
/deの荷重下で測定した場合の長さL1 を測定し、α
={(L1 −L)/L}×100なる計算式により得ら
れるものである。ここで実質上の乾燥状態とは中空糸を
グリセリン水溶液に浸漬した後乾燥することにより得ら
れるグリセリン含有率が30〜60%、水含有率0.5
〜9%の状態を意味する。
【0019】更に本発明の膜厚が薄い中空糸のうちで、
実質上曲げ剛性が200mg/200本以上の範囲にある
ものが好ましく、また湿潤時において中空糸内に加圧し
た場合の耐圧性として破裂圧力が4kg/cm2 以上である
ことが好ましい。かかる範囲にあるものは、流体分離器
製造時等における中空糸の取扱いが容易であり、流体分
離器内での各中空糸の長さが均一になりやすく、また分
離器の使用時における加圧運転による中空糸の破損が生
じにくい利点が得られる。
【0020】また本発明の薄膜のセルロースジアセテー
ト中空糸は、流体の選択透過性を有しており、さらに具
体的には例えば血液透析用中空糸の場合には、フィン部
を除いた部分での水透過性能UFRとしては、3.0〜
40.0ml/(m2 ・hr・mmHg)の範囲にあるものが好
ましく、殊に5.0〜30.0ml/(m2 ・hr・mmHg)
が良い。
【0021】かかる本発明の選択透過性を有したセルロ
ース系中空糸は、流体分離に優れた分離性能を発揮する
ものである。その流体分離としては特に限定されるもの
ではなく、例えば透析、限外濾過、逆浸透等の液体分離
や、人工肺用等の気体分離などが挙げられる。特に本発
明の中空糸は、中空糸外における流体の流動状態が良好
であることを必要とする透析等の拡散速度の差による分
離や中空糸内でのスムーズな流動を必要とする血液処理
に適している。
【0022】本発明の中空糸の製造方法としては、溶融
紡糸、湿式紡糸、半乾半湿紡糸等のいずれであってもよ
い。即ち溶融紡糸法の場合には紡糸原液が加熱された溶
融液であり、溶融液を該紡糸口金から吐出し冷却するこ
とにより固化せしめてフィン付中空糸を成形した後、セ
ルロースジエステル重合体を溶解せず添加剤を溶解し得
る溶媒により例えばフィン付中空糸中の添加剤の少なく
とも一部を抽出除去することによって選択透過性を有し
たフィン付セルロースジアセテート中空糸を得るもので
ある。
【0023】以下に実施例をあげてさらに詳述するが、
これらの実施例により本発明が何ら限定されるものでは
ない。
【0024】
【実施例,比較例】平均重合度260と170のセルロ
ースジアセテート100部に対し、ポリエチレングリコ
ール(分子量400)とジグリセリンを4対1の割合で
混合したものを170部加え混合し、その混合物を18
0℃〜190℃で溶融し、フィン付中空糸用の二重円環
状スリットを有する口金を用いて紡糸した。次いで、熱
水によりポリエチレングリコールとジグリセリンを抽出
し捲取り後、中空糸束を有効膜面積が約1m2 の血液透
析器を組み立てた。下記の表1には得られた中空糸及び
血液透析器の特性を示す。
【0025】但し、尿素ダイアリザンスは37℃で中空
糸内の平均血液側速度が約1.2cm/sec の尿素水溶
液、透析液側の平均流速が約1.8cm/sec の水を用い
て測定した。又糸斑は30ホールの中での中空糸内径の
最大値−最小値を示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明の中空糸は平均重合度が通常のも
のより高く、一定のポリマー濃度での紡糸原液の粘度が
高く、非常に紡糸性が良好になる。即ち、紡糸中での断
糸が少なく、又糸斑が小さくなる。一方紡出するポリマ
ー粘度が高いのでフィン付中空糸の場合にはフィンの形
状がシャープで血液透析器として組み立てたときの透析
効率いわゆる尿素のダイアリザンスが非常に高レベルを
示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質上セルロースジアセテートからなる
    選択透過性壁膜を有した中空糸であって、該実質上のセ
    ルロースジアセテートの平均重合度が230〜400の
    範囲にあり、該壁膜の外面側に軸方向に沿って延びた少
    なくとも1条のフィンを有し、前記壁膜のフィンのない
    部分の厚さが20μm以下であり、かつ前記中空糸の平
    均切断強度が0.4g/de以上であることを特徴とす
    るセルロースジアセテート中空糸。
  2. 【請求項2】 該壁膜の選択透過性が体液処理のための
    物質選択透過性である請求項1のセルロースジアセテー
    ト中空糸。
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EP0330106A1 (de) * 1988-02-25 1989-08-30 Akzo Nobel N.V. Modifizierte Cellulose für biocompatible Dialysemembranen II und Verfahren zu deren Herstellung

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