JP2709103B2 - ロッカーアーム - Google Patents
ロッカーアームInfo
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- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C37/00—Cast-iron alloys
- C22C37/06—Cast-iron alloys containing chromium
- C22C37/08—Cast-iron alloys containing chromium with nickel
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01L—CYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
- F01L1/00—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
- F01L1/12—Transmitting gear between valve drive and valve
- F01L1/18—Rocking arms or levers
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B1/00—Engines characterised by fuel-air mixture compression
- F02B1/02—Engines characterised by fuel-air mixture compression with positive ignition
- F02B1/04—Engines characterised by fuel-air mixture compression with positive ignition with fuel-air mixture admission into cylinder
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Description
(産業上の利用分野) この発明は、自動車用内燃機関の動弁機構の構成部品
としてカムシャフトやピボットなどと共に利用される高
クロム鋳鉄のロッカーアームに関するものである。 (従来の技術) 自動車用内燃機関においては、エンジンのシリンダヘ
ッド部分に設けた吸気バルブおよび排気バルブを開閉さ
せるための動弁機構を備えている。この動弁機構として
は種々の構造を有するものがあるが、一般的にはカムシ
ャフトの回転をカムフォロワとなるロッカーアームで往
復運動に変換し、この往復運動によって吸気バルブおよ
び排気バルブを往復運動させることにより、吸気バルブ
および排気バルブを開閉する構造のものとしている。 従来、この種のロッカーアームとしては、鋳造用アル
ミニウム合金を用いたアルミダイキャスト品からなるも
のや、高クロム鋳鉄を用いた一体鋳造品からなるものな
どがあり、それぞれに一長一短を有しているが、いずれ
にしても自動車用内燃機関の高性能化の要請に伴って小
型軽量化,高寿命化,メインテナンスフリー化が求めら
れている。 これらのうち、後者の高クロム鋳鉄を用いた一体鋳造
品からなるものとしては、例えば、合金成分として、C
r,C,SiおよびMn等を含有し、その際Crの含有率が30%前
後であり、Cr/Cの組成比が9〜13でかつCr/C/Siの組成
比が15以上である組成を有する30%系高クロム鋳鉄を用
いたものがあり、より具体的には、C:2.4〜3.2%、Si:
0.5〜1.0%、Mn:1.0%未満、Cr:25〜35%の組成を有す
る高クロム鋳鉄を用いたものがあった(特開昭56−8444
2号公報)。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような高クロム鋳鉄の一体鋳造品
からなるロッカーアームでは、Cr含有量が30%前後とか
らなり多いものとなっており、相手材であるチル鋳鉄製
カム,バルブ軸端部あるいはピボットなどとの摺動表面
において粗大な針状炭化物がまばらに析出すると共に、
軟らかい残留オーステナイトもしくはフェライトが分散
した硬さの低いマルテンサイト母相を有する組織となっ
ていたため、相手材であるチル鋳鉄カム,バルブ軸端部
あるいはピボットなどを大きく摩耗させたり、ロッカー
アーム自身にシビアースカッフィンダ摩耗を生じたりす
ることがありうるという課題があった。 (発明の目的) この発明はこのような従来の課題にかんがみてなされ
たもので、ロッカーアームそれ自身の摩耗量を著しく少
なくすることができると同時に相手材の摩耗量をも著し
く少なくすることが可能である自動車用内燃機関の動弁
機構用ロッカーアームを提供することを目的としている
ものである。
としてカムシャフトやピボットなどと共に利用される高
クロム鋳鉄のロッカーアームに関するものである。 (従来の技術) 自動車用内燃機関においては、エンジンのシリンダヘ
ッド部分に設けた吸気バルブおよび排気バルブを開閉さ
せるための動弁機構を備えている。この動弁機構として
は種々の構造を有するものがあるが、一般的にはカムシ
ャフトの回転をカムフォロワとなるロッカーアームで往
復運動に変換し、この往復運動によって吸気バルブおよ
び排気バルブを往復運動させることにより、吸気バルブ
および排気バルブを開閉する構造のものとしている。 従来、この種のロッカーアームとしては、鋳造用アル
ミニウム合金を用いたアルミダイキャスト品からなるも
のや、高クロム鋳鉄を用いた一体鋳造品からなるものな
どがあり、それぞれに一長一短を有しているが、いずれ
にしても自動車用内燃機関の高性能化の要請に伴って小
型軽量化,高寿命化,メインテナンスフリー化が求めら
れている。 これらのうち、後者の高クロム鋳鉄を用いた一体鋳造
品からなるものとしては、例えば、合金成分として、C
r,C,SiおよびMn等を含有し、その際Crの含有率が30%前
後であり、Cr/Cの組成比が9〜13でかつCr/C/Siの組成
比が15以上である組成を有する30%系高クロム鋳鉄を用
いたものがあり、より具体的には、C:2.4〜3.2%、Si:
0.5〜1.0%、Mn:1.0%未満、Cr:25〜35%の組成を有す
る高クロム鋳鉄を用いたものがあった(特開昭56−8444
2号公報)。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような高クロム鋳鉄の一体鋳造品
からなるロッカーアームでは、Cr含有量が30%前後とか
らなり多いものとなっており、相手材であるチル鋳鉄製
カム,バルブ軸端部あるいはピボットなどとの摺動表面
において粗大な針状炭化物がまばらに析出すると共に、
軟らかい残留オーステナイトもしくはフェライトが分散
した硬さの低いマルテンサイト母相を有する組織となっ
ていたため、相手材であるチル鋳鉄カム,バルブ軸端部
あるいはピボットなどを大きく摩耗させたり、ロッカー
アーム自身にシビアースカッフィンダ摩耗を生じたりす
ることがありうるという課題があった。 (発明の目的) この発明はこのような従来の課題にかんがみてなされ
たもので、ロッカーアームそれ自身の摩耗量を著しく少
なくすることができると同時に相手材の摩耗量をも著し
く少なくすることが可能である自動車用内燃機関の動弁
機構用ロッカーアームを提供することを目的としている
ものである。
(課題を解決するための手段) この発明に係るロッカーアームは、高クロム鋳鉄を一
体鋳造することにより形成された高クロム鋳鉄よりなる
ロッカーアームであって、平均粒径が20μm以下となる
分布をもった微細な硬質炭化物が、Hv500以上の硬さの
マルテンサイト母相中に、面積率で30%以上45%未満の
範囲で析出しており、析出硬質炭化物の外接円面積に対
する析出硬質炭化物の実面積の比率(析出硬質炭化物の
球状化率)の平均値が40%以上である組織を有する構成
としていることを特徴としており、このようなロッカー
アームの構成を上述した従来の課題を解決するための手
段としている。 この発明に係るロッカーアームのおいては、上述した
ように、平均粒径が20μm以下となる分布をもった微細
な硬質炭化物が、Hv500以上の硬さのマルテンサイト母
相中で、面積率で30%以上45%未満の範囲で析出してお
り、析出硬質炭化物の外接円面積に対する析出硬質炭化
物の実面積の比率(析出硬質炭化物の球状化率)の平均
値が40%以上である組織を有するものとしているが、こ
の場合、硬質炭化物の平均粒径が20μmを超える分布を
もったものであると、析出硬質炭化物の脱落を生じた
り、相手材であるチル鋳鉄製カム等に大きな摩耗を生じ
させたりするので好ましくなく、また、マルテンサイト
母相の硬さがHv500よりも低いと耐凝着性に劣ったもの
となり、スカッフィング摩耗を生じてロッカーアーム自
身および相手材である鋳鉄製カム等の摩耗量を増大させ
ることとなるので好ましくなく、さらに、Hv500以上の
硬さのマルテンサイト母相中に析出する平均粒径が20μ
m以下となる分布をもった微細な硬質炭化物の析出量が
面積率で30%よりも少ないと、析出炭化物がまばらに存
在した組織となり、ロッカーアーム自身の耐摩耗性が不
十分なものとなることから、その結果として相手材の摩
耗量をも増大させることとなるので好ましくなく、反対
に面積率で45%以上となるとロッカーアームの強度が低
下してロッカーアームの全体が脆いものとなると共に、
相手材に対する攻撃性も大きくなるので好ましくなく、
さらにまたマルテンサイト母相中に析出する析出硬質炭
化物の球状化率の平均値が40%よりも少ないと針状の炭
化物による相手材に対する攻撃性が大きくなり、相手材
の摩耗量を増大してしまうこととなるので好ましくな
い。 この発明に係るロッカーアームは、上述した構成を有
するものであるが、そのより望ましい実施態様において
は、高クロム鋳鉄の化学組成が、重量%で、C:2.5〜3.7
%、Si:1.0〜2.0%、Mn:0.5〜1.0%、Cr:15〜20%、Ni:
0.3〜0.7%、P:0.3%以下、S:0.1%以下の範囲であり、
必要に応じて、W,Mo,V,Nb,Ta,Ti,Bのうちから選ばれる
1種または2種以上の合計:3〜10%を含み、残部Feおよ
び不可避的不純物よりなるものとするのがよい。 この場合、Cはロッカーアームの耐摩耗性を向上させ
るのに有効な元素であるが、このC含有量が少なすぎる
と、硬質炭化物の析出量が面積率で30%よりも少なくな
ってロッカーアーム自身の耐摩耗性が不十分なものとな
り、その結果として相手材の摩耗量をも増大させてしま
うこととなるので、C含有量は2.5%以上とするのが望
ましく、反対にC含有量が多すぎると硬質炭化物の析出
量が面積率で45%よりも多くなり、強度が低下してロッ
カーアームの全体が脆いものとなるので、C含有量は3.
7%以下とするのが望ましい。 また、Siの添加量は、1.0%未満では溶湯の融点が高
くなり、鋳込みの際に湯回りが悪くなるので好ましくな
く、2.0%を超えると炭化物の形成を阻害して黒鉛が析
出するので耐摩耗性が低下することから、Siは0.1〜2.0
%の範囲とすることが望ましい。 さらに、Mnは一部が炭化物を形成し、一部は基地に固
溶して基地組織のパーライト化を促進すると共に焼入性
を向上させる作用がある。しかし、0.5%未満ではこれ
らの効果が得られず、1.0%を超えると炭化物の析出量
が過多となるかあるいは基地がマルテンサイトのとき炭
化物周辺の基地の焼戻し脆性を生じさせ、材料を脆化さ
せるので、Mnは0.5〜1.0%の範囲とすることが望まし
い。 さらに、Crは各種の炭化物を形成すると共にち密な酸
化膜を形成してロッカーアームの耐食性および耐摩耗性
を向上させるのに有効な元素であるが、このCr含有量が
少なすぎると析出炭化物(Fe,Cr)7C3の量が少なくな
り、析出炭化物が母相中にまばらに存在した組織となっ
て、ロッカーアーム自身の耐摩耗性が不十分なものとな
り、その結果相手材の摩耗量をも増大させることとなる
ので、Cr含有量は15%以上とするのが望ましく、反対に
Cr含有量が多すぎると硬さの低いマルテンサイト母相中
に残留オーステナイトや一部フェライトが存在し、ロッ
カーアーム自身および相手材にシビアースカッフィング
摩耗が生じやすくなるので、Cr含有量は20%以下とする
ことが望ましい。 さらにまた、Niは靱性および焼入性の向上に寄与する
元素であるが、Ni含有量が少なすぎると靱性の向上に対
する効果が少ないので0.3%以上とすることが望まし
く、Ni含有量が多すぎるとオーステナイト化が進行して
凝着摩耗を生ずるようになるので0.7%以下とすること
が望ましい。 さらにまた、Pは鋳鉄組織中に硬質のステダイト(Fe
−Fe3C−Fe3P)として存在してロッカーアームの耐摩耗
性を向上させる作用を有するが、0.3%を超えるとステ
ダイト中のFe3Cが増加して硬くかつ脆くなるため0.3%
以下とするのが好ましく、Sも0.1%以下とするのが好
ましい。 さらにまた、W,Mo,V,Nb,Ta,Ti,Bは炭化物を形成して
耐摩耗性を向上させ、炭化物の球状化率を高めて相手材
に対する攻撃性を低減するのに有効な元素であり、この
ような耐摩耗性向上のために必要に応じて合計で3%以
上含有させることが望ましい。しかし、合計で10%より
も多く含有させるとロッカーアーム自身の靱性を低下さ
せることとなるので、これらの元素の合計で必要に応じ
て3〜10%の範囲で添加するのもよい。 このようなより望ましい化学組成を有する高クロム鋳
鉄を素材として一体鋳造によりこの発明に係るロッカー
アームは製作されるが、鋳造後に焼入れ焼もどし処理を
施してマルテンサイト母相の硬さがHv500以上であるよ
うにし、この後機械加工によって仕上げることにより、
耐凝着性の優れたロッカーアームとなるようにしておく
ことが望ましい。 (発明の作用) この発明に係るロッカーアームでは、Hv500以上の硬
さのマルテンサイト母相中に、平均粒径が20μm以下と
なる分布をもった微細な硬質炭化物が、面積率で30%以
上45%未満の範囲で析出しており、析出硬質炭化物の球
状化率の平均値が40%以上である組織を有するものとし
ているから、ロッカーアーム自身の耐摩耗性を良好なも
のにしていると同時に相手材に対する攻撃性も小さく、
相手材の摩耗量も少ないものにするという作用がもたら
される。 (実施例) 第1表に示す化学組成の高クロム鋳鉄の溶湯を用い、
これをそれぞれ精密鋳造することによってロッカーアー
ム粗材を得たのち、実施例1〜6および比較例8〜10,1
2,13のロッカーアーム粗材に対しては焼入れおよび焼も
どしの熱処理を施し、次いで熱処理を施さない比較例7,
12のロッカーアーム粗材をも含めて機械加工することに
より所定形状のロッカーアームを作製した。 次いで、各ロッカーアームにおける硬質炭化物の析出
量,粒径および球状化率を調べると共に、母相の組織お
よび硬さを調べた。これらの結果を同じく第1表に示
す。 さらに、各ロッカーアームをエンジンに組み込み、第
2表に示す条件で耐久試験を行い、耐久試験後のロッカ
ーアーム自身の摩耗深さおよび相手材であるカムノーズ
のトップ部分の摩耗深さをそれぞれ調べた。これらの結
果を第1図に示す。 第1表および第1図に示したように、比較例7のロッ
カーアームにおいては、Cr含有量が多いためマルテンサ
イト母相中に残留オーステナイトが存在しており、焼入
れ焼もどしの熱処理を施していないため母材マルテンサ
イトの硬さが低いものとなっていると共に、W,Moなどの
炭化物形成元素を含んでいないため炭化物の球状化率が
低いものとなっており、炭化物の粒径も大きなものとな
っているため、カムフォロワーであるロッカーアーム自
身および相手材であるカムの両方共に大きなシビアース
カッフィング摩耗を生じており、大きな段付き摩耗を発
生していて、耐摩耗性が不十分なものであった。 この比較例7のロッカーアームの断面金属組織を調べ
たところ、第2図に示すものであった。第2図におい
て、塊状の白色部は炭化物(針状)であり、また塊状の
灰色部は残留オーステナイトであり、マトリックスはマ
ルテンサイトであって、この第2図より明らかなよう
に、Crを20%よりも多く含有しているために、軟らかい
残留オーステナイトもしくは一部フェライトが、硬さの
低いマルテンサイト母相中に存在しており、スカッフィ
ング摩耗を容易に発生させるものとなっていることが認
められた。また、WやMo等の炭化物形成元素を全く含有
していないために、析出炭化物(Fe,Cr)7C3,(Fe,C
r)2 3C6が針状でかつ粗大に成長しており、炭化物の粒
径が大きいと共に球状化率が低いものとなっているた
め、相手材であるチル鋳鉄製のカムを攻撃してその摩耗
量を著しく増大させていることが認められた。 また、上記比較例7のロッカーアームに焼入れ焼もど
しの熱処理を施した比較例8のロッカーアームでは、母
相マルテンサイトの硬さが増大したものとなっているこ
とから、比較例1のロッカーアームに比べれば摩耗量は
少なくなっているものの、母相中に残留オーステナイト
が含まれていると共に炭化物の粒径が大きく炭化物の球
状化率の低いものとなっているため、やはりシビアース
カッフィングを伴なって大きく摩耗していることが明ら
かであった。このように、比較例8のロッカーアームに
おいてもCr含有量が20%を超えているために、金相学的
に残留オーステナイトが焼入れ後も残存し、その結果ス
カッフィングをやはり発生させてしまうものとなり、ま
た、針状炭化物の相手材カムへの攻撃性は比較例7と同
様に大きいものとなっていた。 次に、比較例9のロッカーアームは、Cr含有量が20%
超えているため、比較例7,8のロッカーアームと同様
に、母相中に残留オーステナイトが存在するものとなっ
ており、シビアースカッフィング摩耗を生じていること
が認められた。しかし、炭化物形成元素であるWとMoを
含有しているために、析出炭化物(Fe,Cr)7C3,(Fe,C
r)2 3C6の形状は球状化していると共に、その粒径も小
さなものとなっていることから、相手材であるカムへの
攻撃性は多少減少しているものとなっていた。 また、比較例10のロッカーアームにおいては、Cr含有
量が15%未満と少ないために、析出炭化物(Fe,Cr)7C3
の量が少なく、第3図に示す断面金属組織(塊状の白色
部は炭化物,灰色のマトリックスはマルテンサイト)か
らも明らかなように析出炭化物がまばらに存在した組織
となっているため、ロッカーアーム自身の耐摩耗性が不
十分なものとなっており、そのために相手材であるカム
も大きく摩耗している結果となっていた。 さらに、比較例11のロッカーアームは、高クロム鋳鉄
を鋳造したままのロッカーアーム粗材に対して焼入れ焼
もどしの熱処理を施すことなくそのまま機械加工してロ
ッカーアームとしているため、焼入れが不十分であり、
母相は硬さの低いマルテンサイトになっているため、耐
凝着性に劣るものとなっており、スカッフィング摩耗を
伴ないやすく、ロッカーアームおよび相手材であるカム
共に大きく摩耗してしまう結果となっていた。 さらにまた、比較例12のロッカーアームにおいては、
W等の炭化物形成元素の含有量が少ないために、第4図
に示す断面金属組織(塊状の白色は炭化物,黒色のマト
リックスはマルテンサイト)からも明らかなように炭化
物が針状(球状化率は25%)でかつやや粗大に析出した
ものとなっており、ロッカーアーム自身の摩耗量は少な
いものの相手材であるカムを著しく摩耗させる結果とな
っていた。 さらにまた、比較例13のロッカーアームでは、Cの含
有量が少ないために析出炭化物量が面積率で27%と少な
いものとなっていることから、ロッカーアーム自身の耐
摩耗性が不十分であり、その結果として相手材であるカ
ムも大きく摩耗している結果となっていた。 これらの比較例7〜13に対し、実施例1〜6のロッカ
ーアームにおいては、第5図に例示する実施例4の断面
金属組織のように、平均粒径16μmの微細で球状化した
硬質炭化物が面積率で37%の割合でHv738のマルテンサ
イト母相中に析出した組織を有しているために、ロッカ
ーアーム自身の耐摩耗性に優れているだけでなく、相手
材であるカムに対する攻撃性も小さく、カムの摩耗量を
も著しく少ないものとなっていることが認められた。
体鋳造することにより形成された高クロム鋳鉄よりなる
ロッカーアームであって、平均粒径が20μm以下となる
分布をもった微細な硬質炭化物が、Hv500以上の硬さの
マルテンサイト母相中に、面積率で30%以上45%未満の
範囲で析出しており、析出硬質炭化物の外接円面積に対
する析出硬質炭化物の実面積の比率(析出硬質炭化物の
球状化率)の平均値が40%以上である組織を有する構成
としていることを特徴としており、このようなロッカー
アームの構成を上述した従来の課題を解決するための手
段としている。 この発明に係るロッカーアームのおいては、上述した
ように、平均粒径が20μm以下となる分布をもった微細
な硬質炭化物が、Hv500以上の硬さのマルテンサイト母
相中で、面積率で30%以上45%未満の範囲で析出してお
り、析出硬質炭化物の外接円面積に対する析出硬質炭化
物の実面積の比率(析出硬質炭化物の球状化率)の平均
値が40%以上である組織を有するものとしているが、こ
の場合、硬質炭化物の平均粒径が20μmを超える分布を
もったものであると、析出硬質炭化物の脱落を生じた
り、相手材であるチル鋳鉄製カム等に大きな摩耗を生じ
させたりするので好ましくなく、また、マルテンサイト
母相の硬さがHv500よりも低いと耐凝着性に劣ったもの
となり、スカッフィング摩耗を生じてロッカーアーム自
身および相手材である鋳鉄製カム等の摩耗量を増大させ
ることとなるので好ましくなく、さらに、Hv500以上の
硬さのマルテンサイト母相中に析出する平均粒径が20μ
m以下となる分布をもった微細な硬質炭化物の析出量が
面積率で30%よりも少ないと、析出炭化物がまばらに存
在した組織となり、ロッカーアーム自身の耐摩耗性が不
十分なものとなることから、その結果として相手材の摩
耗量をも増大させることとなるので好ましくなく、反対
に面積率で45%以上となるとロッカーアームの強度が低
下してロッカーアームの全体が脆いものとなると共に、
相手材に対する攻撃性も大きくなるので好ましくなく、
さらにまたマルテンサイト母相中に析出する析出硬質炭
化物の球状化率の平均値が40%よりも少ないと針状の炭
化物による相手材に対する攻撃性が大きくなり、相手材
の摩耗量を増大してしまうこととなるので好ましくな
い。 この発明に係るロッカーアームは、上述した構成を有
するものであるが、そのより望ましい実施態様において
は、高クロム鋳鉄の化学組成が、重量%で、C:2.5〜3.7
%、Si:1.0〜2.0%、Mn:0.5〜1.0%、Cr:15〜20%、Ni:
0.3〜0.7%、P:0.3%以下、S:0.1%以下の範囲であり、
必要に応じて、W,Mo,V,Nb,Ta,Ti,Bのうちから選ばれる
1種または2種以上の合計:3〜10%を含み、残部Feおよ
び不可避的不純物よりなるものとするのがよい。 この場合、Cはロッカーアームの耐摩耗性を向上させ
るのに有効な元素であるが、このC含有量が少なすぎる
と、硬質炭化物の析出量が面積率で30%よりも少なくな
ってロッカーアーム自身の耐摩耗性が不十分なものとな
り、その結果として相手材の摩耗量をも増大させてしま
うこととなるので、C含有量は2.5%以上とするのが望
ましく、反対にC含有量が多すぎると硬質炭化物の析出
量が面積率で45%よりも多くなり、強度が低下してロッ
カーアームの全体が脆いものとなるので、C含有量は3.
7%以下とするのが望ましい。 また、Siの添加量は、1.0%未満では溶湯の融点が高
くなり、鋳込みの際に湯回りが悪くなるので好ましくな
く、2.0%を超えると炭化物の形成を阻害して黒鉛が析
出するので耐摩耗性が低下することから、Siは0.1〜2.0
%の範囲とすることが望ましい。 さらに、Mnは一部が炭化物を形成し、一部は基地に固
溶して基地組織のパーライト化を促進すると共に焼入性
を向上させる作用がある。しかし、0.5%未満ではこれ
らの効果が得られず、1.0%を超えると炭化物の析出量
が過多となるかあるいは基地がマルテンサイトのとき炭
化物周辺の基地の焼戻し脆性を生じさせ、材料を脆化さ
せるので、Mnは0.5〜1.0%の範囲とすることが望まし
い。 さらに、Crは各種の炭化物を形成すると共にち密な酸
化膜を形成してロッカーアームの耐食性および耐摩耗性
を向上させるのに有効な元素であるが、このCr含有量が
少なすぎると析出炭化物(Fe,Cr)7C3の量が少なくな
り、析出炭化物が母相中にまばらに存在した組織となっ
て、ロッカーアーム自身の耐摩耗性が不十分なものとな
り、その結果相手材の摩耗量をも増大させることとなる
ので、Cr含有量は15%以上とするのが望ましく、反対に
Cr含有量が多すぎると硬さの低いマルテンサイト母相中
に残留オーステナイトや一部フェライトが存在し、ロッ
カーアーム自身および相手材にシビアースカッフィング
摩耗が生じやすくなるので、Cr含有量は20%以下とする
ことが望ましい。 さらにまた、Niは靱性および焼入性の向上に寄与する
元素であるが、Ni含有量が少なすぎると靱性の向上に対
する効果が少ないので0.3%以上とすることが望まし
く、Ni含有量が多すぎるとオーステナイト化が進行して
凝着摩耗を生ずるようになるので0.7%以下とすること
が望ましい。 さらにまた、Pは鋳鉄組織中に硬質のステダイト(Fe
−Fe3C−Fe3P)として存在してロッカーアームの耐摩耗
性を向上させる作用を有するが、0.3%を超えるとステ
ダイト中のFe3Cが増加して硬くかつ脆くなるため0.3%
以下とするのが好ましく、Sも0.1%以下とするのが好
ましい。 さらにまた、W,Mo,V,Nb,Ta,Ti,Bは炭化物を形成して
耐摩耗性を向上させ、炭化物の球状化率を高めて相手材
に対する攻撃性を低減するのに有効な元素であり、この
ような耐摩耗性向上のために必要に応じて合計で3%以
上含有させることが望ましい。しかし、合計で10%より
も多く含有させるとロッカーアーム自身の靱性を低下さ
せることとなるので、これらの元素の合計で必要に応じ
て3〜10%の範囲で添加するのもよい。 このようなより望ましい化学組成を有する高クロム鋳
鉄を素材として一体鋳造によりこの発明に係るロッカー
アームは製作されるが、鋳造後に焼入れ焼もどし処理を
施してマルテンサイト母相の硬さがHv500以上であるよ
うにし、この後機械加工によって仕上げることにより、
耐凝着性の優れたロッカーアームとなるようにしておく
ことが望ましい。 (発明の作用) この発明に係るロッカーアームでは、Hv500以上の硬
さのマルテンサイト母相中に、平均粒径が20μm以下と
なる分布をもった微細な硬質炭化物が、面積率で30%以
上45%未満の範囲で析出しており、析出硬質炭化物の球
状化率の平均値が40%以上である組織を有するものとし
ているから、ロッカーアーム自身の耐摩耗性を良好なも
のにしていると同時に相手材に対する攻撃性も小さく、
相手材の摩耗量も少ないものにするという作用がもたら
される。 (実施例) 第1表に示す化学組成の高クロム鋳鉄の溶湯を用い、
これをそれぞれ精密鋳造することによってロッカーアー
ム粗材を得たのち、実施例1〜6および比較例8〜10,1
2,13のロッカーアーム粗材に対しては焼入れおよび焼も
どしの熱処理を施し、次いで熱処理を施さない比較例7,
12のロッカーアーム粗材をも含めて機械加工することに
より所定形状のロッカーアームを作製した。 次いで、各ロッカーアームにおける硬質炭化物の析出
量,粒径および球状化率を調べると共に、母相の組織お
よび硬さを調べた。これらの結果を同じく第1表に示
す。 さらに、各ロッカーアームをエンジンに組み込み、第
2表に示す条件で耐久試験を行い、耐久試験後のロッカ
ーアーム自身の摩耗深さおよび相手材であるカムノーズ
のトップ部分の摩耗深さをそれぞれ調べた。これらの結
果を第1図に示す。 第1表および第1図に示したように、比較例7のロッ
カーアームにおいては、Cr含有量が多いためマルテンサ
イト母相中に残留オーステナイトが存在しており、焼入
れ焼もどしの熱処理を施していないため母材マルテンサ
イトの硬さが低いものとなっていると共に、W,Moなどの
炭化物形成元素を含んでいないため炭化物の球状化率が
低いものとなっており、炭化物の粒径も大きなものとな
っているため、カムフォロワーであるロッカーアーム自
身および相手材であるカムの両方共に大きなシビアース
カッフィング摩耗を生じており、大きな段付き摩耗を発
生していて、耐摩耗性が不十分なものであった。 この比較例7のロッカーアームの断面金属組織を調べ
たところ、第2図に示すものであった。第2図におい
て、塊状の白色部は炭化物(針状)であり、また塊状の
灰色部は残留オーステナイトであり、マトリックスはマ
ルテンサイトであって、この第2図より明らかなよう
に、Crを20%よりも多く含有しているために、軟らかい
残留オーステナイトもしくは一部フェライトが、硬さの
低いマルテンサイト母相中に存在しており、スカッフィ
ング摩耗を容易に発生させるものとなっていることが認
められた。また、WやMo等の炭化物形成元素を全く含有
していないために、析出炭化物(Fe,Cr)7C3,(Fe,C
r)2 3C6が針状でかつ粗大に成長しており、炭化物の粒
径が大きいと共に球状化率が低いものとなっているた
め、相手材であるチル鋳鉄製のカムを攻撃してその摩耗
量を著しく増大させていることが認められた。 また、上記比較例7のロッカーアームに焼入れ焼もど
しの熱処理を施した比較例8のロッカーアームでは、母
相マルテンサイトの硬さが増大したものとなっているこ
とから、比較例1のロッカーアームに比べれば摩耗量は
少なくなっているものの、母相中に残留オーステナイト
が含まれていると共に炭化物の粒径が大きく炭化物の球
状化率の低いものとなっているため、やはりシビアース
カッフィングを伴なって大きく摩耗していることが明ら
かであった。このように、比較例8のロッカーアームに
おいてもCr含有量が20%を超えているために、金相学的
に残留オーステナイトが焼入れ後も残存し、その結果ス
カッフィングをやはり発生させてしまうものとなり、ま
た、針状炭化物の相手材カムへの攻撃性は比較例7と同
様に大きいものとなっていた。 次に、比較例9のロッカーアームは、Cr含有量が20%
超えているため、比較例7,8のロッカーアームと同様
に、母相中に残留オーステナイトが存在するものとなっ
ており、シビアースカッフィング摩耗を生じていること
が認められた。しかし、炭化物形成元素であるWとMoを
含有しているために、析出炭化物(Fe,Cr)7C3,(Fe,C
r)2 3C6の形状は球状化していると共に、その粒径も小
さなものとなっていることから、相手材であるカムへの
攻撃性は多少減少しているものとなっていた。 また、比較例10のロッカーアームにおいては、Cr含有
量が15%未満と少ないために、析出炭化物(Fe,Cr)7C3
の量が少なく、第3図に示す断面金属組織(塊状の白色
部は炭化物,灰色のマトリックスはマルテンサイト)か
らも明らかなように析出炭化物がまばらに存在した組織
となっているため、ロッカーアーム自身の耐摩耗性が不
十分なものとなっており、そのために相手材であるカム
も大きく摩耗している結果となっていた。 さらに、比較例11のロッカーアームは、高クロム鋳鉄
を鋳造したままのロッカーアーム粗材に対して焼入れ焼
もどしの熱処理を施すことなくそのまま機械加工してロ
ッカーアームとしているため、焼入れが不十分であり、
母相は硬さの低いマルテンサイトになっているため、耐
凝着性に劣るものとなっており、スカッフィング摩耗を
伴ないやすく、ロッカーアームおよび相手材であるカム
共に大きく摩耗してしまう結果となっていた。 さらにまた、比較例12のロッカーアームにおいては、
W等の炭化物形成元素の含有量が少ないために、第4図
に示す断面金属組織(塊状の白色は炭化物,黒色のマト
リックスはマルテンサイト)からも明らかなように炭化
物が針状(球状化率は25%)でかつやや粗大に析出した
ものとなっており、ロッカーアーム自身の摩耗量は少な
いものの相手材であるカムを著しく摩耗させる結果とな
っていた。 さらにまた、比較例13のロッカーアームでは、Cの含
有量が少ないために析出炭化物量が面積率で27%と少な
いものとなっていることから、ロッカーアーム自身の耐
摩耗性が不十分であり、その結果として相手材であるカ
ムも大きく摩耗している結果となっていた。 これらの比較例7〜13に対し、実施例1〜6のロッカ
ーアームにおいては、第5図に例示する実施例4の断面
金属組織のように、平均粒径16μmの微細で球状化した
硬質炭化物が面積率で37%の割合でHv738のマルテンサ
イト母相中に析出した組織を有しているために、ロッカ
ーアーム自身の耐摩耗性に優れているだけでなく、相手
材であるカムに対する攻撃性も小さく、カムの摩耗量を
も著しく少ないものとなっていることが認められた。
【発明の効果】 この発明に係るロッカーアームは、高クロム鋳鉄を素
材とし、平均粒径が20μm以下となる分布をもった微細
な硬質炭化物が、Hv500以上の硬さのマルテンサイト母
相中に、面積率で30%以上45%未満の範囲で析出してお
り、析出硬質炭化物の外接円面積に対する析出硬質炭化
物の実面積の比率(析出硬質炭化物の球状化率)の平均
値が40%以上である組織を有しているものとなっている
ので、ロッカーアームそれ自身の摩耗量を著しく少ない
ものとすることができると同時に、相手材の摩耗量をも
著しく少ないものとすることができ、例えば、鋳鉄製の
カムとカムフォロワーであるロッカーアームとの間で面
圧が高く、潤滑条件が厳しい高性能エンジンのカムとロ
ッカーアームとの摺動に際してのシビアースカッフィン
グを伴う摩耗を著しく改善することができるようにな
り、動弁機構の高寿命化ならびにメインテナンスフリー
化が実現されるようになるという優れた効果がもたらさ
れる。
材とし、平均粒径が20μm以下となる分布をもった微細
な硬質炭化物が、Hv500以上の硬さのマルテンサイト母
相中に、面積率で30%以上45%未満の範囲で析出してお
り、析出硬質炭化物の外接円面積に対する析出硬質炭化
物の実面積の比率(析出硬質炭化物の球状化率)の平均
値が40%以上である組織を有しているものとなっている
ので、ロッカーアームそれ自身の摩耗量を著しく少ない
ものとすることができると同時に、相手材の摩耗量をも
著しく少ないものとすることができ、例えば、鋳鉄製の
カムとカムフォロワーであるロッカーアームとの間で面
圧が高く、潤滑条件が厳しい高性能エンジンのカムとロ
ッカーアームとの摺動に際してのシビアースカッフィン
グを伴う摩耗を著しく改善することができるようにな
り、動弁機構の高寿命化ならびにメインテナンスフリー
化が実現されるようになるという優れた効果がもたらさ
れる。
第1図はこの発明の実施例1〜6および比較例7〜13の
ロッカーアームをそれぞれエンジンに組み込んで耐久試
験を行った結果を示すグラフ、第2図,第3図,第4図
および第5図はそれぞれ比較例7,比較例10,比較例12お
よび実施例4のロッカーアームの断面金属組織を示す金
属顕微鏡写真である。
ロッカーアームをそれぞれエンジンに組み込んで耐久試
験を行った結果を示すグラフ、第2図,第3図,第4図
および第5図はそれぞれ比較例7,比較例10,比較例12お
よび実施例4のロッカーアームの断面金属組織を示す金
属顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加納 眞 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 谷本 一郎 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】高クロム鋳鉄よりなるロッカーアームであ
って、平均粒径が20μm以下となる分布をもった微細な
硬質炭化物が、Hv500以上の硬さのマルテンサイト母相
中に、面積率で30%以上45%未満の範囲で析出してお
り、析出硬質炭化物の外接円面積に対する析出硬質炭化
物の実面積の比率(析出硬質炭化物の球状化率)の平均
値が40%以上である組織を有することを特徴とするロッ
カーアーム。
Priority Applications (4)
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---|---|---|---|
JP63301263A JP2709103B2 (ja) | 1988-11-28 | 1988-11-28 | ロッカーアーム |
DE68917869T DE68917869T2 (de) | 1988-11-28 | 1989-11-28 | Hochfestes Gusseisen mit hohem Chromgehalt und daraus hergestellte Ventilkipphebel. |
US07/442,279 US5096515A (en) | 1988-11-28 | 1989-11-28 | High strength high chromium cast iron and valve rocker arm made thereof |
EP89312358A EP0371760B1 (en) | 1988-11-28 | 1989-11-28 | High strength high chromium cast iron and valve rocker arm made thereof |
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---|---|---|---|
JP63301263A JP2709103B2 (ja) | 1988-11-28 | 1988-11-28 | ロッカーアーム |
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JPH02145743A JPH02145743A (ja) | 1990-06-05 |
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Family
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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---|---|
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EP (1) | EP0371760B1 (ja) |
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-
1988
- 1988-11-28 JP JP63301263A patent/JP2709103B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1989
- 1989-11-28 EP EP89312358A patent/EP0371760B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1989-11-28 DE DE68917869T patent/DE68917869T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1989-11-28 US US07/442,279 patent/US5096515A/en not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS63220874A (ja) * | 1987-03-10 | 1988-09-14 | ライオン株式会社 | 消臭剤組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5096515A (en) | 1992-03-17 |
EP0371760A1 (en) | 1990-06-06 |
JPH02145743A (ja) | 1990-06-05 |
EP0371760B1 (en) | 1994-08-31 |
DE68917869D1 (de) | 1994-10-06 |
DE68917869T2 (de) | 1995-04-20 |
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