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JP2708660B2 - ポリカーボネート樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂の製造方法

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Publication number
JP2708660B2
JP2708660B2 JP4111527A JP11152792A JP2708660B2 JP 2708660 B2 JP2708660 B2 JP 2708660B2 JP 4111527 A JP4111527 A JP 4111527A JP 11152792 A JP11152792 A JP 11152792A JP 2708660 B2 JP2708660 B2 JP 2708660B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polycarbonate resin
molecular weight
polycarbonate
solution
hydroxyphenyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4111527A
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JPH05306336A (ja
Inventor
幸司 橋本
昇 山西
Original Assignee
帝人化成株式会社
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Filing date
Publication date
Application filed by 帝人化成株式会社 filed Critical 帝人化成株式会社
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Publication of JPH05306336A publication Critical patent/JPH05306336A/ja
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリカーボネート樹脂
の製造方法に関する。更に詳しくは、 GPC法による分子
量分布チャートにより複数のポリマーピークを示すポリ
カーボネート樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、その優れた透
明性、耐熱性、機械的性質、電気的性質を有するがゆえ
に広範囲の用途に利用されているが、更に用途が拡大す
るに従って様々な特性が要求され、品質改善が進められ
ている。品質改善の方法としては共重合、ブレンド、末
端基の変更等多くの方法があり、その一つとして分子量
の異なる複数のポリカーボネート樹脂を混合する方法が
提案されている。例えばこの方法により、特公昭61−
57860号公報や特開昭56−45945号公報等に
は、ポリカーボネート樹脂の溶融時の粘弾性や流動性を
改善することが、特開平2−251561号公報には、
溶融時の流動性改善を利用して難燃性を改善すること
が、特開昭60−127356号公報や特開昭60−2
03666号公報等には、成形品のソリや表面性を改善
することが、更に特開平1−206348号公報には、
塗膜表面性能を改善することが記載されている。
【0003】かかる混合ポリカーボネート樹脂を製造す
るには、通常分子量の異なるポリカーボネート樹脂を別
々に製造した後、混合する方法が採用されている。しか
しながら、この方法では製造工程や手間が繁雑になる欠
点がある。また特開昭58−138733号公報には、
二段階の重合反応で製造する方法が提案されている。し
かしながら、この方法では任意の分子量分布をもつポリ
カーボネート樹脂を製造することは困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、 GPC法によ
る分子量分布チャートで複数のポリマーピークを示すポ
リカーボネート樹脂(以下複数のピークを示すポリカー
ボネート樹脂と略称する)を一つの反応系内で容易に且
つ経済的に製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】本発明者らは上記目的を達成せんとして鋭
意研究を重ねた結果、通常の方法で得られた二又はそれ
以上のポリカーボネートオリゴマー溶液に、異なる濃度
になる(芳香族ジオキシ化合物に対するモル比)の末
端停止剤を加え、各々を乳化状態にした後、同一重合系
内に導入し、実質的な攪拌操作を加えず静置して重合す
ると、驚くべきことには、所望の複数のピークを示すポ
リカーボネート樹脂が容易に且つ経済的に得られること
を見出し、本発明に到達した。なお、本発明でいう二又
はそれ以上のポリカーボネートオリゴマー溶液は別々に
製造したオリゴマー溶液であっても、一つのポリカーボ
ネートオリゴマー溶液を二又はそれ以上に分割したもの
であってもよい。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ジオキ
シ化合物のアルカリ水溶液とホスゲンとを有機溶剤の存
在下反応させて得られた複数のオリゴマー溶液に、異な
濃度になる量の末端停止剤を加え、各々のオリゴマー
溶液を乳化状態にした後、同一重合系内に導入し、実質
的に攪拌することなく静置して重合させることを特徴と
するポリカーボネート樹脂の製造方法である。
【0007】本発明で使用する芳香族ジオキシ化合物
は、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称ビ
スフェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1−フェニル−1,1ビス(4−
ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)オキサイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケ
トン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ハイ
ドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニル、2,6−ジヒドロキシナフタレン及びこれらの
ベンゼン核低級アルキルまたはハロゲン置換体等があげ
られる。なかでもビスフェノールAが特に好ましく、そ
の一部を他の芳香族ジオキシ化合物で置換えた共重合体
も好ましい。二種又はそれ以上の芳香族ジオキシ化合物
を使用する場合は、反応性が同程度のものを用いるのが
望ましい。
【0008】芳香族ジオキシ化合物のアルカリ水溶液に
用いるアルカリとしては、水酸化ナトリウムや水酸化カ
リウム等のアルカリ金属水酸化物が好ましい。かかる塩
基性水酸化物は通常水溶液として使用され、その濃度は
通常5〜10重量%である。塩基性水酸化物の使用量
は、芳香族ジオキシ化合物に対する理論量である2倍モ
ルより過剰になる量が好ましく、芳香族ジオキシ化合物
に対して2.2〜3倍モル用いるのが好ましい。
【0009】有機溶剤としては、例えば塩化メチレン、
クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−
トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼ
ン等があげられる。これらは単独で又は混合物として使
用される。溶剤の使用量は、溶液中のポリカーボネート
オリゴマーの濃度が10〜30重量%になる量が好まし
い。
【0010】末端停止剤としては一価のフェノール類が
使用され、例えばフェノール、p-tert−ブチルフェノー
ル、イソプロピルフェノール、オクチルフェノール、p
−クミルフェノール等があげられる。末端停止剤の使用
量は所望する分子量によって決定される。
【0011】上記成分を用いて目的とする複数のピーク
を示すポリカーボネート樹脂を製造するには、まず上記
芳香族ジオキシ化合物のアルカリ水溶液とホスゲンを有
機溶剤の存在下で常法に従って反応させる。得られた反
応混合物に所望する二又はそれ以上の分子量水準の末端
停止剤を加え、しかる後各々乳化する。乳化させた反応
混合物を所望の組成比で重合系に導入して重合する。重
合反応は実質的な攪拌操作を加えず放置状態のまま回分
式又は連続式で行う。重合温度は25〜35℃に調節す
るのが好ましい。重合反応終了後所望により有機溶剤を
加え、常法により精製、脱溶剤することによって所望の
任意の複数のピークを示すポリカーボネート樹脂が得ら
れる。重合反応で攪拌すると、単一ピークのポリカーボ
ネート樹脂しか得られない。
【0012】本発明方法で得られるポリカーボネート樹
脂は、所望する分子量分布を有しているので種々の性能
が発揮できる。また、本発明のポリカーボネート樹脂に
は必要に応じて各種添加剤例えば難燃剤、帯電防止剤、
離型剤、染顔料、熱安定剤、紫外線安定剤、無機充填
剤、繊維状強化剤、光導電性材料、電荷輸送材料等を配
合することができる。
【0013】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を更に説明す
る。なお、実施例中の部は重量部、%は重量%を示す。
得られたポリカーボネート樹脂の分子量分布評価は低角
度レーザー光散乱光度計(LALLS)及び示差屈折率計(R
I)を装着した GPC[東ソー(株)製]を用いておこな
った。
【0014】
【実施例1】ビスフェノールA2.23部を10%水酸
化ナトリウム水溶液10.7部に溶解し、塩化メチレン
9部を加えた後ホスゲン1.12部を反応させた。得ら
れた反応混合物の90%にp-tert−ブチルフェノールを
0.0261部加えてホモミキサーで高度の乳化状態に
し、重合槽へ導入した。残り10%の反応混合物にp-te
rt−ブチルフェノールを0.00015部加え、同様に
乳化状態にして同じ重合槽へ導入した。重合槽は30〜
32℃に保持して2時間放置した。反応終了後有機相中
に塩化メチレンを加えてポリマー濃度を10%にし、水
相を分離除去した後水洗した。得られたポリマー溶液か
らキャスティングフィルムを作成し、評価した。高分子
量側と低分子量側夫々の重量平均分子量(MW)と組成を
表1に示した。なお、組成は GPC面積比より求めた重量
%である。また、得られたポリカーボネート樹脂フィル
ムのGPC(LALLS)チャートを図1に示した。横軸は時間
を、縦軸はレザ−光散乱光度を示す。
【0015】このチャートと下記の比較例1のチャート
から明らかなように、実施例1で得られるポリカーボネ
ート樹脂の分子量分布は、分子量の異なるポリカーボネ
ート樹脂を別々に製造し、混合して得られる従来の混合
ポリカーボネート樹脂の分子量分布と略同一である。
【0016】
【比較例1】実施例1と同様にして得た乳化物を別々に
重合反応させ、得られたポリマー溶液を混合し、実施例
1と同様に評価し、結果を表1に示した。また、得られ
たポリカーボネート樹脂フィルムのGPC(LALLS)チャート
を図2に示した。
【0017】
【実施例2】実施例1と同様にして得たホスゲン化反応
混合物の80%にp-tert−ブチルフェノールを0.07
68部、20%にp-tert−ブチルフェノールを0.00
3部加える以外は実施例1と同様に実施し、結果を表1
に示した。
【0018】
【比較例2】実施例2と同様にして得た乳化物を別々に
重合反応させ、得られたポリマー溶液を混合し、評価結
果を表1に示した。
【0019】
【実施例3】実施例1と同様にして得たホスゲン化反応
混合物の70%にp-tert−ブチルフェノールを0.06
72部、30%にp-tert−ブチルフェノールを0.00
177部加える以外は実施例1と同様に実施し、結果を
表1に示した。
【0020】
【比較例3】実施例3と同様にして得た乳化物を別々に
重合反応させ、得られたポリマー溶液を混合し、評価結
果を表1に示した。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、従来分子量の異なるポ
リカーボネート樹脂を別々に製造し、混合して得られる
混合ポリカーボネート樹脂と同様な分子量分布を有する
ポリカーボネート樹脂を、一つの反応系内で同時に且つ
容易に製造することができ、その工業的効果は極めて大
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得たポリカーボネート樹脂フィルム
のGPC(LALLS)チャートを示す。
【図2】比較例1で得たポリカーボネート樹脂フィルム
のGPC(LALLS)チャートを示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジオキシ化合物のアルカリ水溶液と
    ホスゲンとを有機溶剤の存在下反応させて得られた複数
    オリゴマー溶液に、異なる濃度になる量の末端停止剤
    を加え、各々のオリゴマー溶液を乳化状態にした後、同
    重合系内に導入し、実質的に攪拌することなく静置し
    て重合させることを特徴とするポリカーボネート樹脂の
    製造方法。
JP4111527A 1992-04-30 1992-04-30 ポリカーボネート樹脂の製造方法 Expired - Lifetime JP2708660B2 (ja)

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