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JP2702694B2 - 圧縮応力または剪断応力下で流動性の微粒化重合性組成物 - Google Patents

圧縮応力または剪断応力下で流動性の微粒化重合性組成物

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JP2702694B2
JP2702694B2 JP7316671A JP31667195A JP2702694B2 JP 2702694 B2 JP2702694 B2 JP 2702694B2 JP 7316671 A JP7316671 A JP 7316671A JP 31667195 A JP31667195 A JP 31667195A JP 2702694 B2 JP2702694 B2 JP 2702694B2
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polymerizable
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  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高充填で粒状の、
デンドリマーを含有する重合性組成物に関する。この組
成物は、圧縮応力および/または剪断応力下で流動性に
なり、従って、成型可能になる。本発明の組成物は、特
に、歯科用材料としてまたは歯科用材料の作製に好適で
ある。
【0002】
【従来の技術】重合性組成物は、多くの分野で、とりわ
け、歯科用材料としてならびに接着剤および充填剤組成
物としての両方で用いられる。硬化組成物の安定性を目
的として、できるだけ高い充填剤含有量が一般に目標と
される。歯科用材料として適している、充填剤含有量の
高い重合性組成物は、例えば、International Encyclop
edia of Composites (S.M. Lee発行、第2巻、VCH-Verl
agsgesellschaft、New York 1990、182頁)およびL. Ehr
nford(Swed. Dent. J.、Suppl. 18、1983)に記載され
ている。一方、高充填材料は、かろうじて可塑的に成型
され得る。このことは、その後の加工を困難し、そして
最高充填剤含有量を制限する。超音波振動に曝された場
合にのみ加工され得るように、高度に充填されている硬
化性ポリマー材料がEP-OS 0 480 472から公知である。
【0003】WO93/17060は、理想的に分枝したデンドリ
マー構造の代わりに高度に分枝した(高分枝(hyper-br
anched))構造によってさらに特徴付けられる、ポリエ
ステルベースのデンドリチック(dendritic)高分子、
およびこれらを作製するプロセスに関する。このデンド
リマーは、とりわけ、重合性組成物の成分として適切で
あるが、WO93/17060には液体ワニスのみしか記載されて
おらず、一方、充填剤含有組成物は開示されていない。
【0004】WO93/14147は、シアン化ビニルユニットに
より分枝が形成されるデンドリマー高分子、およびこれ
らを作製するプロセスに関する。これらのデンドリマー
は、とりわけ、熱可塑性ポリマーまたはポリマー組成物
との混合に適切である。重合性基を有するデンドリマー
または高度に充填された混合物には、言及していない。
【0005】高粘性稠度の代わりに粒状構造を有しそし
てさらに十分に可塑的に成型可能であるような、高充填
剤含有量を有する重合性組成物は、現在まで知られてい
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、圧縮
応力および/または剪断応力下で流動性になり、従っ
て、成型可能になり、そして特に、歯科用材料として、
または歯科用材料の作製のための使用に好適である、粒
状稠度を有する重合性組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的は、驚くべきこ
とに、以下の重合性組成物によって達成された。この重
合性組成物は、少なくとも1つの重合性モノマーおよび
/またはオリゴマー、ならびに少なくとも1つの充填
剤、ならびに重合開始剤、ならびに必要に応じて用いる
促進剤に加えて、0.5重量%〜28重量%のデンドリマー
を含有する。本発明の組成物の充填剤含有量は、少なく
とも70重量%である。これらの組成物は、粒状稠度を有
するが、圧縮応力および/または剪断応力下で流動性お
よび成型可能になる。
【0008】本発明の重合組成物は、少なくとも1つの
重合性モノマーおよび/またはオリゴマー、ならびに重
合開始剤、ならびに必要に応じて促進剤、ならびに少な
くとも1つの充填剤を含有する、粒状の重合性組成物で
あって、少なくとも70重量%の充填剤およびさらに0.5
重量%〜28重量%のデンドリマーを含み、そして圧縮応
力および/または剪断応力下で流動性になる。そのこと
により上記目的が達成される。
【0009】好ましい実施態様においては、上記デンド
リマーは、プロピレンイミン、ポリエーテル/ポリチオ
エーテル、ポリエステル、ポリフェニレンアミド、およ
び/またはポリフェニレンエステルデンドリマーであ
る。
【0010】好ましい実施態様においては、上記デンド
リマーは、重合性末端基を有する。好ましい実施態様に
おいては、上記デンドリマーは、(メタ)アクリル、ア
リル、スチリル、ビニル、ビニルオキシ、および/また
はビニルアミン末端基を有する。
【0011】好ましい実施態様においては、上記重合性
組成物は、重合性モノマーおよび/またはオリゴマーと
して、1つまたはそれ以上の単官能性または多官能性メ
タクリレートを含有する。
【0012】好ましい実施態様においては、上記重合性
組成物は、0.5重量%〜28重量%の少なくとも1つの重
合性モノマーおよび/またはオリゴマーを含有する。
【0013】好ましい実施態様においては、上記重合性
組成物は、充填剤として、30m2/g〜300m2/gのBET表面積
を有する、非晶質シリカ、パイロジェニックシリカ、お
よび/または沈降シリカ、酸化亜鉛(ZnO)、X線不
透過性ガラス、硫酸バリウム、フッ化イッテルビウム、
ならびに/あるいは周期系のI族、II族、III族、およ
びIV族の少なくとも1種の元素の酸化物を20mol%まで
含有し、1.50〜1.58の屈折率を有しそして0.1μm〜1.0
μmの平均一次粒子サイズを有する、非晶質で球形のシ
リカ粒子を含有する。
【0014】好ましい実施態様においては、上記重合性
組成物は、上記充填剤を92重量%まで含有する。
【0015】好ましい実施態様においては、上記重合性
組成物は、光重合の開始剤として、ベンゾフェノン、ベ
ンゾイン、これらの誘導体の1つ、またはα−ジケト
ン、ならびに/あるいは、コールド重合の開始剤とし
て、アミンと共に過酸化ベンゾイルまたは過酸化ラウリ
ルを含有する。
【0016】好ましい実施態様においては、上記重合性
組成物は、α−ジケトンおよびさらにアミンを含有す
る。
【0017】本発明の重合性組成物の使用は、歯科用材
料としての、または歯科用材料の作製のための使用であ
る。
【0018】本発明の歯科用材料は本発明の重合性組成
物を含有する歯科用材料である。
【0019】
【発明の実施の形態】デンドリマーは、3次元的な、秩
序性の高い(highly-ordered)オリゴマー性およびポリマ
ー性化合物である。これらの化合物は、継続的に繰り返
される反応シーケンスによって小さな開始剤分子から開
始して合成される。開始剤として適切なものは、少なく
とも1つの官能基(functionality)を有するモノマー性
分子またはポリマー性分子である。これらは、開始剤の
官能基に付加し、そして少なくとも2つの新しい官能基
を提供する反応物と単段階反応または多段階反応で反応
する。開始剤と反応物の反応は、コアのセルを生成する
(第0世代)。反応を繰り返すことによって、第1の反
応物層の官能基は、さらなる反応物と反応し、各々の場
合において、少なくとも2つの新しい分枝中心が再び分
子に導入される(第1世代)。この累進的な分枝によ
り、各世代での原子数は幾何学的に増大する。共有結合
し得る数が反応物によって決定されるため、全体的なサ
イズは線状的にしか成長し得ないので、分子は世代を重
ねるとより稠密(packed)になり、その形状はヒトデ形状
から球状に変化する。このようなデンドリマーを、自己
制限サイズ(self-limiting size)(「自己制限世代(sel
f-limiting generation)」)まで成長させることは可能
である。自己制限サイズは、開始剤の官能基の数および
繰り返しユニットの数および個々の成分の寸法によって
決定される。これらのパラメーターの選択によって、デ
ンドリマーのサイズ、形状、トポロジー、可撓性、およ
び表面化学を制御することが可能である。開始剤コア多
重性が高いこと、分枝中心多重性が高いこと、および分
枝セグメント長が短いことにより、小さな空洞を有する
非常にコンパクトな高分子が提供される。一方、開始剤
コア多重性が低いこと、分枝中心の多重性が低いこと、
およびセグメント長が長いことにより、大きな空洞が形
成される。特定の開始剤コア多重性、分枝中心多重性、
および分枝セグメント長では、内部表面積は、世代の数
と共に増加する。
【0020】本発明の好ましいデンドリマーは、ヒドロ
キシル基またはアミノ基を有する開始剤分子と、アクリ
ロニトリルまたはメタクリロニトリルのようなシアン化
ビニルとを反応させることによって得られる(プロピレ
ンイミンデンドリマー)。適切なプロピレンイミンデン
ドリマーおよびこれらを作製するプロセスは、WO93/141
47に記載されている。好ましいデンドリマーの他のグル
ープは、ポリエーテル/ポリチオエーテルデンドリマー
(A.B. Padiasら;Polym. Prep. Am. Chem. Soc., Div.
Polym. Chem. 30 (1989) 119)、ポリエステルデンド
リマー(WO93/17060)、ポリフェニレンアミドデンドリ
マー(S.C.E. Backsonら;Macromol. Symp. 77 (1994)
1)、およびポリフェニレンエステルデンドリマー(K.
L. Wooleyら、Polymer Journal 26 (1994) 187)であ
る。列挙したデンドリマーの混合物もまた適切である。
【0021】球状構造を有するデンドリマーもまた好ま
しい。さらに、第4世代またはより高世代のデンドリマ
ーは、特に本発明に適している。
【0022】好ましい実施態様においては、デンドリマ
ーは、重合性末端基を有する。最終反応物世代の反応基
は、末端基と呼ばれる。好ましい重合性基は、(メタ)ア
クリル基、アリル(allyl)基、スチリル基、ビニル基、
ビニルオキシ基、および/またはビニルアミン基であ
る。
【0023】重合性末端基を有するデンドリマーの合成
は、有機化学では公知である、上記のデンドリマーと適
切なモノマー試薬との反応によって起こる。特に適切な
開始物質は、カルボキシル末端基、ヒドロキシル末端
基、および/またはアミノ末端基を有するデンドリマー
である。メタクリル酸クロライドおよびイソシアナトエ
チルメタクリレートは、ヒドロキシ官能化またはアミノ
官能化デンドリマーを反応させるのに好ましく、そして
2-ヒドロキシエチルメタクリレートはカルボキシル基
を有するデンドリマーを反応させるのに好ましい。アク
リロイルオキシエチルメタクリレート(AEMA)とのマイ
ケル反応は、アミノ基を有するデンドリマーを反応させ
るために特に好ましい。マイケル反応は、アクリレート
の二重結合で選択的に起こるが、メタクリレートの二重
結合は、重合性基として保持される。 本発明の重合性
組成物は、デンドリマーと、少なくとも1つの重合性モ
ノマーおよび/またはオリゴマーとを混合することによ
って作製される。次いで、この混合物は、ペースト様稠
度を有するまで、少量ずつ、充填剤と混合される。さら
に、重合開始剤、好ましくは光重合開始剤(photoinitia
tor)、および必要に応じて促進剤を混合物に添加する。
【0024】重合性モノマーおよび/またはオリゴマー
として使用されるものは、好ましくは単官能性または多
官能性メタクリレートである。特に好ましいモノマー
は、メチルメタクリレート、トリエチレングリコールジ
メタクリレート、ヘキサンジオールメタクリレート、ド
デカンジオールジメタクリレート、ビスフェノール-A-
ジメタクリレート、ビスフェノール-A-グリシジルジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、および2-ヒドロキシエチルメタクリレート、な
らびにウレタンジメタクリレート(すなわち、イソシア
ネート、特にジおよび/またはトリイソシアネートと、
ヒドロキシル基を有するメタクリレートとを反応させる
ことによって得られる生成物)である。特に好ましく
は、ビスフェノール-A-ジグリシジルジメタクリレー
ト、および2-ヒドロキシエチルメタクリレートと2,
2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート-1,
6とから得られるウレタンジメタクリレートである。本
発明の組成物のモノマーおよび/またはオリゴマーの含
有量は、好ましくは0.5重量%〜28重量%、特に好まし
くは5重量%〜20重量%である。
【0025】充填剤として特に適切なものは、非晶質シ
リカ、特に、30m2/g〜300m2/g、好ましくは30m2/g〜100
m2/gのBET表面積を有するパイロジェニックシリカ、お
よび沈降シリカ(例えば、Aerosil 200、Ox 50;Deguss
a AG)、または酸化亜鉛(ZnO)である。
【0026】非常に特に好ましい充填剤は、シリカをベ
ースにした非晶質の球形材料であり、これは、周期系の
I族、II族、III族、およびIV族の金属の酸化物も少な
くとも1種含有する。酸化ストロンチウムおよび/また
は酸化ジルコニウムが、好ましくは用いられる。平均一
次粒径は、0.1μm〜1.0μm、特に0.15μm〜0.5μmの範
囲である。この材料の屈折率は、1.50と1.58との間、特
に1.52と1.56との間である。特に好ましい値は、1.53±
0.01である。粒子サイズおよび屈折率に関する条件を満
たすならば、充填剤混合物もまた使用され得る。このタ
イプの充填剤は、DE 32 47 800 C2に開示されており、
そして本発明の範囲内でスフェロシル(spherosil)と呼
ばれる。充填剤はまた、平均粒径が1μm〜30μmである
アグロメレートの混合物として焼結状態で存在し得る。
【0027】X線不透過性充填剤として特に適切なもの
は、X線不透過性ガラス、硫酸バリウム、およびフッ化
イッテルビウムである。充填剤の混合物、特に、列挙し
たX線不透過性充填剤および非X線不透過性充填剤の混
合物もまた適切である。特に適切な充填剤混合物は、DE
40 29 230 A1、5頁、18行目から6頁、27行目に記載
されている。
【0028】無機充填剤は、好ましくは、シラン、好ま
しくは3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシ
シランを用いて、通常の方法でシラン化される。本発明
の重合性組成物の充填剤含有量は、92重量%までであり
得る。好ましくは、75重量%〜85重量%の範囲である。
【0029】好ましい光重合の開始剤は、ベンゾフェノ
ンおよびベンゾイン、ならびにこれらの誘導体である。
α−ジケトンもまた、適切な光重合開始剤である。9,
10-フェナントレンキノン、ジアセチルベンジルおよ
び4,4'-ジクロロベンジルは、特に好ましい。カンフ
ァーキノンは、非常に特に好ましい。
【0030】α−ジケトンは、好ましくは、促進剤と組
み合わせて、例えば還元剤としてのアミンと組み合わせ
て使用される。好ましいアミンは、シアノエチルメチル
アニリン(CEMA)、ジメチル-アミノエチルメタクリレ
ート、トリエタノールアミン、およびN,N-ジメチル-s
ym-キシリジンである。光重合開始剤とアミンとの比
は、一般に1:1である。最も好ましくは、光重合開始
剤系として、組成物全体に対し、0.3重量%のカンファ
ーキノンと、0.5重量%のCEMAとを使用する。
【0031】ラジカル供給系、例えば過酸化ベンゾイル
または過酸化ラウリルと、アミン、好ましくはN,N-ジ
メチル-sym-キシリジンまたはN,N-ジメチル-p-トル
イジンとが、コールド重合の開始剤として用いられ得
る。
【0032】アミノ基を有するデンドリマーは、アミン
促進剤として好ましく作用し得る。特に好ましい組成物
は、以下を含有する。
【0033】
【表1】
【0034】成分を混合した後、減圧することによって
ニーダー中で材料から空気を除去する。空気を除去する
間の圧力は、好ましくは5mbar〜20mbarである。その結
果、粒状の、乾燥しているようにみえる材料が生成す
る。しかし、この材料は、圧縮応力または剪断応力下で
再びペースト状および流動性になり、従って、手で、必
要に応じて適切な器具、例えばスパチュラの補助によっ
て、硬化される型に容易に入れられ得る。従って、本発
明の組成物は、小さな欠損および隙間でさえ完全にかつ
正確に充填することを可能にし、そして歯科用材料とし
て(例えば、歯の充填物として)、あるいは、例えば、
インレー/オンレー、歯冠、ブリッジ、および人工歯の
ための歯科用材料の作製に特に適切である。
【0035】本発明の組成物の粘度の減少は、圧縮応力
または剪断応力下でデンドリマーが、空気の除去の間に
デンドリマー空洞に吸収されたモノマーおよび/または
オリゴマーを、分子スポンジのように再び放出するの
で、粒状組成物が均一で成型可能な材料になるという事
実におそらく起因する。本発明の組成物の特別な利点
は、操作が非常に簡素化される結果、それらがアマルガ
ムのように詰められ得ることである。
【0036】本発明の材料の硬化は、好ましくは、ラジ
カル重合によって行われる。これは、好ましくは、熱的
にまたは光化学的に開始される。硬化した材料の架橋密
度および性質は、用いられるデンドリマーの構造によっ
て、および/または用いられるモノマーのタイプによっ
て変化し得る。従って、例えば、可撓性の低いモノマー
および/またはデンドリマーを用いることによって、硬
化した材料のE弾性率は増加し得る。可撓性のモノマー
および/またはデンドリマー成分が用いられる場合、例
えば仮充填用の、高い伸びを有する材料が得られる。本
発明は、以下の実施例に関連して、さらに詳細に説明さ
れる。
【0037】
【実施例】
実施例1: AEMAによるDAB(PA)32の修飾 3.51g(1mmol)のデンドリマーDAB(PA)32(Company D
SM、32個のアミノ末端基を有するポリエチレンイミンを
ベースにしたデンドリマー、開始剤:1,4-ジアミノブ
タン(DAB))の5mlメタノール溶液を、光を遮断して
約8℃で滴下して、10.61g(58mmol)のAEMA(J. Luch
tenberg、H. Ritter、Macromol. Rapid.Commun. 15 (19
94) 81を参照のこと)の5mlメタノール溶液と混合す
る。混合物を室温で1時間、そして60℃で24時間攪拌
し、次いでメタノールを減圧下でエバポレートする。1
4.6g(収率95%;これおよび以下の収率は、計量され
たデンドリマーの量に関連する)の透明な液体を得る。
【0038】
【表2】
【0039】クロロホルム中での濃度系列を用いて、修
飾されたデンドリマーのマーク-ホーウィンク(Mark-Hou
wink)係数を、ウベローデ粘度計を用いて測定した。実
験値のα=0.211は、溶液中の球状の高分子についての
理論値の0に非常に近くなっている。
【0040】実施例2: AEMAによるDAB(PA)16の修飾 15.46g(0.02mol)のDAB(PA)16(DSM、16個のアミノ末
端基を有するポリエチレンイミンをベースにしたデンド
リマー)を、実施例1と同様に、58.94g(0.32mol)の
AEMAと反応させる。77g(99%)の透明な液体を得る。
【0041】実施例3: AEMAによるDAB(PA)64の修飾 21.51g(3mmol)のDAB(PA)64(DSM、64個のアミノ末
端基を有するポリエチレンイミンをベースにしたデンド
リマー)を、実施例1と同様に、63.66g(384mmol)の
AEMAと反応させる。83.4g(90%)の透明な液体を得
る。
【0042】実施例4: アリルアクリレートによるDAB(PA)32の修飾 10.54g(3mmol)のDAB(PA)32(DSM、32個のアミノ末
端基を有するポリエチレンイミンをベースにしたデンド
リマー)を、実施例1と同様に、21.53g(192mmol)の
アリルアクリレートの5ml塩化メチレン溶液と反応させ
る。溶媒をエバポレートした後、28.7g(90%)の油状
の液体を得る。
【0043】
【表3】
【0044】実施例5: AEMAおよびエチルアクリレートによるDAB(PA)32の修飾 10.54g(3mmol)のDAB(PA)32(Company DSM)の10ml
メタノール溶液を、光を遮断して約8℃で滴下して、8.
84g(48mmol)のAEMAと14.24g(144mmol)のエチルア
クリレートとの混合物の5mlメタノール溶液(モル比
AEMA:エチルアクリレート=1:3)と混合する。混合
物を室温で1時間、そして60℃で24時間攪拌し、次いで
メタノールを減圧下でエバポレートする。33.5g(99
%)の透明な液体を得る。
【0045】
【表4】
【0046】実施例6: AEMAおよびトリメチルシリルエチルアクリレートによる
DAB(PA)64の修飾 10.75g(1.5mmol)のDAB(PA)64(DSM、64個のアミノ末
端基を有するポリエチレンイミンをベースにした第5世
代のデンドリマー)の5mlメタノール溶液を滴下して、
7.07g(38.4mmol)のAEMAの溶液および26.47g(153.6
mmol)の2-トリメチルシリルエチルアクリレートの5m
lメタノール溶液と、光を遮断して8℃で混合する。混
合物を8℃で1時間、そして60℃で24時間攪拌し、次い
で揮発性成分を水ジェットポンプにより発生させた減圧
下で、重量変化が起こらなくなるまでエバポレートす
る。38.2g(86%)の粘性液体を得る。
【0047】
【表5】
【0048】実施例7: 2-イソシアナトエチルメチルアクリレート(IEM)による
DAB(PA)8の修飾 5.41g(7mmol)のDAB(PA)8(DSM、8個のアミノ末端
基を有するポリエチレンイミンをベースにしたデンドリ
マー)の10ml塩化メチレン溶液を、光を遮断して8℃で
滴下して、8.41g(84mmol)のエチルアクリレートの10
ml塩化メチレン溶液と混合する。溶液を8℃〜10℃で1
時間、そして50℃で24時間攪拌する。次いで、混合物を
4.34g(28mmol)のIEM(Polyscience)と18℃〜22℃で
滴下して混合する。混合物を5日間室温で攪拌し、次い
で、溶媒を減圧下でエバポレートする。17g(94%)の
透明な粘性液体を得る。
【0049】実施例8: DAB(PA)8とステアリルアクリレートとの反応 5.9g(7.6mmol)のDAB(PA)8(DSM)の10ml塩化メチレ
ン溶液を、40℃で19.8g(60mmol)のステアリルアクリ
レート(これは、ステアリルアルコールおよびアクリル
酸クロライドから通常の合成プロセスに従って入手でき
る)の10ml塩化メチレン溶液に滴下して混合する。混合
物を、46℃〜48℃で24時間攪拌し、次いで、減圧下で溶
媒をエバポレートする。容器を乾燥空気で曝気する。2
4.5g(95%)のワックス状の固体(融点(Mp):51℃〜5
2℃)を得る。
【0050】
【表6】
【0051】実施例9: DAB(PA)32と2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチル
アクリレートおよびAEMAとの反応 5.27g(1.5mmol)のDAB(PA)32(DSM)の10mlメタノー
ル溶液を滴下して、8℃〜10℃で8.84g(48mmol)AEMA
および11.33g(48mmol)の2,2,3,4,4,4-ヘキサ
フルオロブチルアクリレート(Fluorochem)の10mlメタ
ノール溶液の混合物と混合する。溶液を、8℃〜10℃で
1時間、そして40℃で24時間攪拌する。次いで、揮発性
成分を水ジェットポンプの減圧下で、重量が一定になる
まで30℃でエバポレートする。20.6g(81%)の透明な
粘性液体を得る。
【0052】
【表7】
【0053】実施例10: 実施例1の修飾デンドリマーの単独重合 実施例1のデンドリマーを、1重量%の2,2-アゾ-ビ
ス-(2-メチル-プロピオニトリル)(AIBN)と攪拌して
混合し、そして均一溶液が得られるまで、混合物を攪拌
する。示差熱測定法(DSC)によって20℃から170℃まで
(加熱速度:10℃/分)重合をモニターする。
【0054】
【表8】
【0055】実施例11: 実施例3の修飾デンドリマーの単独重合 実施例3の修飾デンドリマーを、1重量%のAIBNと攪拌
して混合し、そして均一溶液が得られるまで、混合物を
攪拌する。DSCによって重合をモニターする。
【0056】
【表9】
【0057】実施例12: 微粉砕材料の作製 39.2重量%のビスフェノール-A-グリシジルメタクリレ
ート、20重量%の(2,2,4-トリメチルヘキサメチレ
ンジイソシアネートおよびヒドロキシエチルメタクリレ
ートから得られる)ウレタンジメタクリレート、20重量
%のトリエチレングリコールジメタクリレート、20重量
%の実施例2の修飾デンドリマー、0.30重量%のカンフ
ァーキノン、および0.50重量%のシアノエチルメチルア
ニリン(CEMA)を混練機(Linden)で混合する。20gの
このモノマー混合物を少量ずつ、ペースト状の稠度を有
するまで、充填剤としてのシラン化スフェロシル(PALF
IQUE-S FILLER、Tokuyama Soda製、日本)と混合する
(モノマー混合物の重量の約4倍)。次いで減圧(15mb
ar)にすると、数秒以内にペーストは乾燥し、そして微
粉砕混合物が得られる。
【0058】実施例13:実施例12と類似の方法で、
微粉砕材料を、20%の実施例1の修飾デンドリマー、な
らびに充填剤として、シラン化微細分散シリカおよびフ
ッ化イッテルビウムを67.3対13.6の比で用いて作製す
る。この材料は以下の組成を有する:18.33重量%のモ
ノマー混合物(39.2重量%のビスフェノール-A-グリシ
ジルメタクリレート、20重量%の(2,2,4-トリメチ
ルヘキサメチレンジイソシアネートおよびヒドロキシエ
チルメタクリレートから得られる)ウレタンジメタクリ
レート、20重量%のトリエチレングリコールジメタクリ
レート、20重量%の修飾デンドリマー、0.30重量%のカ
ンファーキノン、および0.50重量%のCEMAからなる)、
67.12重量%のシラン化微細分散シリカ(Aerosil OX 5
0、Degussa AG)、14.55重量%のフッ化イッテル
ビウム。材料全体のデンドリマー含有量は、7.2重量
%である。
【0059】実施例14:20重量%の実施例3のデンド
リマーを用いて、実施例13と同様に微粉砕材料を作製
する。この材料の組成は、実施例13の組成に対応す
る。
【0060】実施例15:CEMAを用いず、それを補うた
めに実施例14に比べて0.5重量%多くビスフェノール-
A-グリシジルメタクリレートを添加して、実施例14
と同様に微粉砕材料を作製する。
【0061】実施例16(比較例):デンドリマーを用
いず、かつCEMAを用いないで、実施例14と同様に流動
性の材料を作製する。この物質は以下の組成を有する:
40.7重量%のビスフェノール-A-グリシジルメタクリレ
ート、39重量%の(2-ヒドロキシエチルメタクリレー
トおよび2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート-1,6から得られる)ウレタンジメタクリレー
ト、20重量%のトリエチレングリコールジメタクリレー
ト、および0.3重量%のカンファーキノン。
【0062】実施例17: 粒状デンドリマー複合材料の光硬化 実施例12の微粉砕複合物を、テストピース型(2.5mm
×2.0mm×2.0mm)に手でプレスし、次いでテストピース
を硬化させる。
【0063】硬化後、テストピースを型から取り出し、
そして水に37℃で24時間保存する(ISO規格4049 (1988)
による:歯科学樹脂ベース充填材料)。
【0064】次いで硬化したテストピースを、力学的性
質について検討する。結果および硬化のために選択した
条件を表10および表11に要約する。
【0065】
【表10】
【0066】処理A:Heliolux(登録商標)-GTEランプ
(Vivadent)による2×60秒の照射。
【0067】処理B:Heliolux(登録商標)-GTEランプに
よる2×2秒の照射、Spectramat(登録商標)(Ivoclar
AG)を用いる照射および同時に70℃まで加熱することに
よる後硬化5分。
【0068】処理C:Heliolux(登録商標)-GTEランプに
よる3×60秒の照射。
【0069】
【表11】
【0070】このように、本発明の粒状の重合組成物
は、少なくとも1つの重合性モノマーおよび/またはオ
リゴマー、ならびに重合開始剤、ならびに必要に応じて
促進剤、ならびに少なくとも70重量%の充填剤、ならび
にさらに0.5重量%〜28重量%のデンドリマーを含有
し、そして圧縮応力または剪断応力下で流動性になる。
この組成物はアマルガムと同様に詰められ得、特に歯科
用材料として、または歯科用材料の作製に適している。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、粒状稠度を有する重合
性組成物が提供される。本発明の組成物は、圧縮応力お
よび/または剪断応力下で流動性になり、従って、成型
可能になる。本発明の組成物は、特に、歯科用材料とし
て、または歯科用材料の作製のための使用に好適であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/36 C08K 3/36 3/40 3/40 (72)発明者 ノルベルト モツネル リヒティンシュタイン公国 エッシェン エフエル−9492,デーエル. アー. シェドラー−ストラッセ 563ベー (72)発明者 トーマス フェルケル ドイツ国 デー−88131 リンダウ,プ ライジンガーヴェク 25 (72)発明者 ペーター ブルッチャー オーストリア国 アー−6714 ニュツィ デルス,ヒンテロフェルスト 1

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの重合性モノマーおよび
    /またはオリゴマー、ならびに重合開始剤、ならびに必
    要に応じて促進剤、ならびに少なくとも1つの充填剤を
    含有する、粒状の重合性組成物であって、少なくとも70
    重量%の充填剤およびさらに0.5重量%〜28重量%のデ
    ンドリマーを含み、そして圧縮応力および/または剪断
    応力下で流動性になることを特徴とする、重合性組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記デンドリマーが、プロピレンイミ
    ン、ポリエーテル/ポリチオエーテル、ポリエステル、
    ポリフェニレンアミド、および/またはポリフェニレン
    エステルデンドリマーである、請求項1に記載の重合性
    組成物。
  3. 【請求項3】 前記デンドリマーが重合性末端基を有す
    る、請求項1または2に記載の重合性組成物。
  4. 【請求項4】 前記デンドリマーが、(メタ)アクリ
    ル、アリル、スチリル、ビニル、ビニルオキシ、および
    /またはビニルアミン末端基を有する、請求項3に記載
    の重合性組成物。
  5. 【請求項5】 重合性モノマーおよび/またはオリゴマ
    ーとして、1つまたはそれ以上の単官能性または多官能
    性メタクリレートを含有する、請求項1から4のいずれ
    か1項に記載の重合性組成物。
  6. 【請求項6】 0.5重量%〜28重量%の少なくとも1つ
    の重合性モノマーおよび/またはオリゴマーを含有す
    る、請求項1から5のいずれか1項に記載の重合性組成
    物。
  7. 【請求項7】 充填剤として、30m2/g〜300m2/gのBET表
    面積を有する、非晶質シリカ、パイロジェニックシリ
    カ、および/または沈降シリカ、酸化亜鉛(ZnO)、
    X線不透過性ガラス、硫酸バリウム、フッ化イッテルビ
    ウム、ならびに/あるいは周期系のI族、II族、III
    族、およびIV族の少なくとも1種の元素の酸化物を20mo
    l%まで含有し、1.50〜1.58の屈折率を有しそして0.1μ
    m〜1.0μmの平均一次粒子サイズを有する、非晶質で球
    形のシリカ粒子を含有する、請求項1から6のいずれか
    1項に記載の重合性組成物。
  8. 【請求項8】 前記充填剤を92重量%まで含有する、請
    求項1から7のいずれか1項に記載の重合性組成物。
  9. 【請求項9】 光重合の開始剤として、ベンゾフェノ
    ン、ベンゾイン、これらの誘導体の1つ、またはα−ジ
    ケトン、ならびに/あるいは、コールド重合の開始剤と
    して、アミンと共に過酸化ベンゾイルまたは過酸化ラウ
    リルを含有する、請求項1から8のいずれか1項に記載
    の重合性組成物。
  10. 【請求項10】 α−ジケトンおよびさらにアミンを含
    有する、請求項9に記載の重合性組成物。
  11. 【請求項11】 歯科用材料としての、または歯科用材
    料の作製のための、請求項1から10のいずれか1項に
    記載の重合性組成物の使用。
  12. 【請求項12】 請求項1から10のいずれか1項に記
    載の重合性組成物を含有する、歯科用材料。
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