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JP2701145B2 - メツキ鋼板のクロメート化成処理方法 - Google Patents

メツキ鋼板のクロメート化成処理方法

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Publication number
JP2701145B2
JP2701145B2 JP62079028A JP7902887A JP2701145B2 JP 2701145 B2 JP2701145 B2 JP 2701145B2 JP 62079028 A JP62079028 A JP 62079028A JP 7902887 A JP7902887 A JP 7902887A JP 2701145 B2 JP2701145 B2 JP 2701145B2
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JP
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zinc
compound
steel sheet
chromate
ions
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JP62079028A
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勝士 斉藤
優二郎 宮内
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Publication date
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C22/00Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C22/05Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions
    • C23C22/06Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6
    • C23C22/24Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6 containing hexavalent chromium compounds
    • C23C22/33Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6 containing hexavalent chromium compounds containing also phosphates

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、亜鉛又は亜鉛合金メツキ鋼板の耐食性,塗
装性に優れたクロメート系化成処理皮膜を得る方法に関
する。 〔従来の技術〕 亜鉛又は亜鉛合金メツキ鋼板の化成処理方法として
は、クロメート処理およびリン酸塩処理が使用されてい
る。しかしながら用途が拡大されてその具備すべき性能
の改善が要求されるにつれて、各種の改良がなされてい
る。クロメート処理では、特公昭42−14050号公報のシ
リカゾルとクロム酸の水溶液を用いる方法、特開昭52−
17340号公報のシリカゾルと部分的に還元した水溶性ク
ロム化合物を用いる方法、特公昭60−18751号公報のシ
リカゾルとクロム酸およびピロリン酸の水溶液を用いる
方法、さらには特公昭46−6329号公報の水溶性樹脂を用
いる方法等がある。 これらの他にもクロメート処理の改良として、亜鉛メ
ツキ鋼板の黒変防止を狙つた亜鉛メツキ鋼板をCo2+もし
くはNi2+で処理する特開昭59−177381号公報の方法や、
自動車向の耐食性向上を狙つた亜鉛メツキ上に金属クロ
ムとクロメート皮膜を形成させる特開昭59−173291号公
報の方法、亜鉛メツキ上に電解クロメート処理後塗布型
のクロメートを行う二段クロメート処理の特公昭53−35
779号公報の方法等がある。 更にクロメート後に有機複合シリケートの薄い被膜を
被覆した特開昭60−50180号公報,特開昭60−50181号公
報等があり、家電向,建材用に使用されている。その他
自動車向きとして溶接性.プレス性を確保しながら電着
塗装および耐食性向上を狙つた塗装鋼板等が開発されて
いる。 これらのクロメートはそれぞれ特徴があり、その特徴
を生かした分野で実用されているが、いづれも完全な品
質を確保するということは難しく、現在もさらに新らし
い技術が開発され続けている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 従来のクロメート技術においては、電解系のクロメー
トは塗装後の耐食性や密着加工性に優れているが、裸材
の耐食性や色調むらが発生し易い欠点がある。一方塗布
型のクロメートは裸材の耐食性に優れているが、水に対
して可溶性のクロムが多く、塗装後の耐食性や二次密着
性の問題を解決したとは言えない。二段処理についても
単独皮膜よりは塗装密着性および耐食性に改善効果が認
められるが、より良い品質向上が自動車々体材料等に要
求されている。 本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、水に対し
て難溶性の高く耐食性に優れた高品質のクロメート化成
処理皮膜を得る方法を提供するものである。 〔問題点を解決するための手段〕 上記問題点を解決するための本発明の技術的手段は下
記の4項目である。 (1) 亜鉛もしくは亜鉛合金メツキ鋼板を、亜鉛イオ
ンと亜鉛より貴なる金属イオンおよび酸化性イオンを主
成分とする水溶液で浸漬もしくはスプレー処理もしくは
電解処理によつて前記鋼板のメツキ表面に亜鉛および亜
鉛より貴なる金属の化合物を形成させたのち、水溶性の
クロム化合物と無機ゾル化合物およびリン酸化合物を主
成分とするクロメート処理液を塗布し加熱乾燥すること
を特徴とするメツキ鋼板のクロメート化成処理方法。 (2) 亜鉛もしくは亜鉛合金メツキ鋼板を、亜鉛イオ
ンと亜鉛より貴なる金属イオンとしてFe2+,Co2+,Ni2+,M
o6+,Cr3+,Sn2+,Pb2+,Sb2+,Bi2+,から選択された1種も
しくは2種以上を含み酸化性イオンとして硝酸イオンを
含む水溶液で浸漬もしくはスプレー処理もしくは電解処
理によつて前記鋼板のメツキ表面に亜鉛および亜鉛より
貴なる化合物を形成させたのち、3価クロム(Cr3+)/6
価クロム(Cr6+)の比が1/9〜8/2の水溶性クロム化合物
とシリカゾルおよびリン酸を主成分とするクロメート処
理液を塗布し加熱乾燥することを特徴とするメツキ鋼板
のクロメート化成処理方法。 (3) 亜鉛もしくは亜鉛合金メツキ鋼板を、亜鉛イオ
ン.亜鉛より貴なる金属イオン,酸化性イオンおよびリ
ン酸化合物を主成分とする水溶液で浸漬もしくはスプレ
ーもしくは電解処理によつて前記鋼板のメツキ表面に亜
鉛および亜鉛より貴なる金属の化合物とリン酸塩を形成
させたのち、水溶性のクロム化合物と無機ゾルおよびリ
ン酸を主成分とするクロメート処理液を塗布し加熱乾燥
することを特徴とするメツキ鋼板のクロメート化成処理
方法。 (4) 亜鉛又は亜鉛合金メツキ鋼板を、亜鉛イオン,
亜鉛より貴なる金属イオン,酸化性イオンを主成分とす
る水溶液で浸漬もしくはスプレーもしくは電解処理によ
つて前記鋼板のメツキ表面に亜鉛および亜鉛より貴なる
金属の化合物を形成させたのち、水溶性のクロム化合物
と無機ゾルおよびリン酸化合物を主成分とするクロメー
ト液中でメツキ鋼板を陰極として電解処理することを特
徴とするメツキ鋼板のクロメート化成処理方法。 以下本発明の方法について詳細に述べる。 第1の本発明は、通常の方法で製造される亜鉛もしく
は亜鉛合金メツキ被膜上に亜鉛および亜鉛より貴なる金
属の酸化物もしくは金属と酸化物の複合酸化物を形成さ
せたのち、水溶性のクロム化合物とリン酸化合物および
無機ゾルのクロメート液を塗布し、下層の酸化物と反応
させ安定なクロメート化成被膜を形成させる方法であ
る。 第2の本発明は、第1の本発明の内亜鉛イオン(Z
n2+)と亜鉛より貴なる金属イオン(Men+)としてFe2+,
Co2+,Ni2+,Mo6+,Cr3+,Sn2+,Sb2+,Pb2+およびBi2+とから
選択して酸化物および複合酸化物を形成させ、且つ酸化
物を得るための酸化材として硝酸イオンを用いてメツキ
表面に亜鉛および亜鉛より貴なる金属の化合物を形成さ
せたのち、3価クロム/6価クロム比を限定したクロメー
ト液を用いて、化学的に安定なクロメート化成皮膜を形
成しやすくした発明である。 第3の本発明は、亜鉛もしくは亜鉛合金メツキ被膜上
に亜鉛および亜鉛より貴なる金属の酸化物もしくは金属
との複合酸化物とリン酸塩の皮膜を形成させ、特定のク
ロメートを塗布し反応させることにより絶縁性で難溶度
の高いクロメート化成被膜を形成させる方法である。 第4の本発明は、クロメート処理を陰極電解し、下層
の酸化物もしくは複合酸化物との化学反応に加えて、電
気的に強制還元し安定なクロメート化成被膜を形成させ
る方法である。 本発明の作用機構は、金属の酸化物とクロメートの化
学反応に特徴がある。一般にクロメートは、金属例えば
亜鉛との反応過程で発生期の水素によつて6価クロムを
還元し、且つイオン化した亜鉛と反応して構造的に複雑
で変化し易いクロミウムクロメートと亜鉛の化合物から
なる無定形の被膜を形成すると考えられている。従つて
金属の表面の活性が重要であり、メツキ表面の活性金属
の表面濃化(多くは酸化物として存在)やメツキ自身の
酸化物は、得られるクロメートの品質を劣化させる要因
であつた。 本発明は従来の常識を越え、別の観点から金属の酸化
物とクロメート液組成について検討した新規な発明であ
る。即ち、酸化物として亜鉛と亜鉛より貴なる金属の酸
化物、クロメート液として水溶性のクロム化合物とリン
酸化合物および無機のゾルからなるクロメートとの化学
反応により、従来のクロメートで両立の難しかつた裸材
の耐食性,塗装後の耐食性および密着加工性が得られる
画期的なものである。得られるクロメート化成被膜の構
造は、酸化物とリン酸塩およびクロム酸塩の複合組成で
ある。酸化物はリン酸イオンおよびクロム酸イオンとの
結合が速く、均一な厚みのクロメート塩、リン酸塩を高
速に形成し、安定な絶縁性被膜が得られる。クロメート
被膜は、クロメート液中の水溶性のクロム化合物例えば
クロム酸を部分的に還元し、3価クロム(Cr3+)と6価
クロム(Cr6+)を共有させておくことにより、形成する
クロメート皮膜の品質を向上させることが出来る。 下層の酸化物もしくは金属と酸化物の複合酸化物は、
亜鉛イオンと亜鉛より貴なる金属イオンの浴に酸化性イ
オン望ましくは硝酸イオンを共存させることにより容易
に達成される。メツキ金属との置換析出もしくは電解に
より析出した金属は、酸化性イオンによりただちに酸化
を受け、処理条件によつてはこれらの酸化物もしくは金
属を含む複合酸化物の形態をとる。 亜鉛イオン(Zn2+で表す。)と亜鉛より貴なる金属イ
オン(Men+で表す。)は、メツキ表面にこれらの金属の
化合物もしくは金属との複合酸化物を形成するが、n=
2の2価金属イオンとした場合MeO/ZnOの比は品質に影
響し、高い方が良好である。しかしながら後述する如く
ZnOが多いほど均一な皮膜が得られ易い。 下層の皮膜中にリン酸塩を含有させることにより下層
の被膜が緻密化され、形成されるクロメート化成被膜が
より安定なリン酸塩とクロメートの複合被膜化し性能が
向上する。クロメート浴中の無機ゾルは、クロメート化
成被膜のビヒクル的存在で皮膜を安定化し、シラノール
基による上塗々装性の改善や、酸化物,リン酸塩との結
合を強化する成分である。 第1の本発明から第3の本発明に到る処理液組成およ
び処理方法、および下層の酸化物もしくは複合酸化物も
しくはリン酸塩を含む複合被膜(以下下層皮膜と略
す。)を得るための条件について述べる。 処理浴の成分の一つは、亜鉛イオン(Zn2+)および亜
鉛より基なる金属イオン(Men+)望ましくは、Fe2+,Co
2+,Ni2+,Mo6+,Cr3+,Sn2+,Sb2+,Pb2+,Bi2+から選択した
金属イオン、および酸化性イオン(OX-)望ましくは硝
酸イオン(NO3 -)を主成分とする水溶液である。 更に改良浴として、上記の浴組成にリン酸イオンを共
存させた浴である。 各々の濃度は、Zn2+が例えば硫酸塩の化合物(ZnSO4
・7H2O)として10〜300g/好ましくは50〜200g/,Me
n+が同じく例えば硫酸塩の化合物(MeSO4・nH2O)とし
て1〜300g/好ましくは50〜200g/、Pb,Bi,Sbの場合
は1〜5g/、OH-は例えばナトリウム塩の化合物として
1〜50g/、硝酸ナトリウムの場合3〜10g/が望まし
い。 Zn2+の濃度は、高すぎると酸化皮膜中にZnOもしくはZ
n(OH)が過剰になり、白錆が発生し易くなる。低す
ぎる皮膜が不均一になり易い。 Men+の濃度は、高すぎると不均一な皮膜を形成し、低
すぎると耐白錆性が劣化し易く、又塗装後の密着性,耐
食性が劣化する。 OX-の濃度は、高すぎると酸化膜が浴に溶解し、充分
な厚みが確保できない、又低すぎても同様に反応速度が
遅く、酸化力が不充分のため厚みの確保が困難である。 酸化性イオンとしては、硝酸イオンの他NO2,ClO4 2-,C
lO3 2-およびCr2O2-.が有効である。 リン酸イオンは、正リン酸もしくはリン酸塩(第1,第
2,第3リン酸塩)およびピロリン酸,縮重合リン酸化合
物が有効である。濃度としては、リン酸として1〜50g/
好ましくは3〜30g/である。 下層皮膜を形成するための処理液のPHは0.5〜5で可
能であり、最も効率のよい範囲は、スプレー,浸漬の場
合1〜2、電解の場合1〜3である。 本発明には上述の他、浴の電導度,PH緩衝作用,およ
び析出皮膜の平滑性の向上を目的とした添加剤、例えば
硫酸ナトリウム,硫酸アルミニウム,ホウ酸キレート
剤,光沢剤を加えることが出来る。 下層皮膜の処理の方法は、スプレーもしくは浸漬もし
くはメツキ鋼板を陰極として電解する方法もしくは両者
の組み合せがある。最も効率の良い方法は陰極電解法で
あり、条件としては電流密度が5〜100A/dm2,通電量と
しては1平方デシメートル当り5〜100クーロン(以下
クーロン/dm2と表示する)が望ましい。電流密度が低い
場合、Men+から析出する酸化物および水酸化物の含有率
の高い粗い皮膜を形成し、電流密度が高い場合、亜鉛酸
化物および水酸化物の含有率の高い緻密な皮膜を形成す
る。最適な範囲は10〜50A/dm2である。又通電量に比例
して皮膜量が増加する。好ましい範囲の通電量としては
10〜50クーロン/dm2がよい。析出させる下層の付着量は
目的によつて異り、10〜1000mg/m2に制御することが好
ましい。 以下クロメート処理液および方法について述べる。 クロメートの処理液は、水溶性のクロム化合物,リン
酸化合物および無機ゾルで構成されたPH0.5〜5の酸性
水溶液である。水溶性クロム化合物の濃度としては、例
えば無水クロム酸(CrO3)の形で5〜50g/が好まし
い。濃度は処理の方法によつて異り、適当な濃度を選択
する。又水溶性のクロム化合物としては、Cr3+/Cr6+
として1/9〜8/2に部分的に3価クロムに還元することに
より、高品質の皮膜が得られ易い。還元方法としては、
無水クロム酸の濃厚液にでん粉,アルコール,ヒドラジ
ン等の還元剤を加えるか、あるいは3価のクロム化合物
を加えても良い。 リン酸化合物は、正リン酸,ポリリン酸(縮合リン
酸)およびリン酸塩として加える。濃度は例えば正リン
酸として5〜100g/、クロム酸との比H3PO4/CrO3が0.5
〜2.0が好ましい。濃度およびクロム酸との比率が低い
と、密着性,耐食性の確保が難しい。又高すぎると、下
層の皮膜を溶解するエツチング性の強い浴となる。 無機ゾルとしては、シリカゾル,チタニヤゾル,ジル
コニヤゾル,アルミナゾル等の酸化物ゾルが含まれる。
これらの内最も好ましいものはシリカゾルである。濃度
としては、5〜100g/クロム酸との比SiO2/CrO3が1〜
3に建浴することが好ましい。この組成の下限以下で
は、充分な品質(耐食性,塗装後の性能)の確保が困難
になる他、外観の均一性が劣化する。一方上限以上では
ゲル化時間が短縮し、密着性が劣化する。 クロメート処理の方法は、塗布するかもしくは陰極電
解処理する二つの方法がある。塗布方法は、浸漬もしく
はスプレー後絞りロール,エアーナイフ等により均一化
にする方法、もしくはロールコーターにて塗布する。又
陰極電解処理は、電流密度1〜30A/dm2通電量5〜100ク
ーロン/dm2が適当であり、電流密度3〜10A/dm2通電量1
0〜50クーロン/dm2が最適な範囲である。陰極電解処理
の場合、電解後水洗するか、或は無水洗で絞りロールも
しくはエアーナイフで均一化する方法が採用できる。 加熱乾燥の方法は、到達板温として50〜150℃が好ま
しく、熱風等公知の方法で乾燥することが出来る。 クロメートの付着量は、全Cr付着量として10〜100mg/
m2が好ましい。10mg/m2未満では耐食性が確保出来にく
く、100mg/m2超では着色むらや密着不良が発生し易くな
る。 本発明の方法によつて得られたクロメート化成皮膜つ
きメツキ鋼板は耐食性に優れており、裸使用にても実用
的であるが、1〜3ミクロンの薄膜塗膜を付加すること
により、飛躍的に耐食性が向上する。又塗装鋼板の下地
処理被膜としての性能にも優れ、裸使用,塗装用途に使
用可能な被膜を有している。 〔実施例〕 以下実施例について述べる。 Cr付着量は螢光X線分析で測定した。又クロムの還元
率は処理浴中のCr6+および全Crを硫酸第一鉄を用いて滴
定分析した。 外観の均一性は目視評価し、裸材の耐食性はJIS Z237
1規定の連続型の塩水噴霧試験で行い、白錆発生面積率
が5%までの時間で示した。 上塗塗装性については市販のメラミンアルキツド樹脂
塗料(白色)を用い、バーコーターにて乾燥塗膜厚25μ
を狙い値として塗装し、所定の温度(120℃±2℃)に
て25分間焼付けて次の評価を行つた。 塗料密着性はエリクセン10m/m深絞り加工し、セロテ
ープにて剥離し、剥離の程度を面積率で示した。耐食性
は人工的に素地に到達するクロス傷を入れ塩水噴霧試験
にて所定の時間試験したのち乾燥し、セロテープにて剥
離し、人口傷部からの広がりをmmで表示した。 尚、メツキの種類と目付量として次の様に表示した。 Z20:純電気亜鉛メツキ20g/m2,NZ20:Ni12%含有電気亜
鉛合金メツキ20g/m2,FZ20:Fe20%含有電気亜鉛合金メツ
キ20g/m2,AZ60:5%Al溶融亜鉛合金メツキ60g/m2,G20:溶
融亜鉛メツキ20g/m2である。 処理方法でDKは電流密度(A/dm2),Qは通電量(クー
ロン/dm2),Tは処理時間(秒)である。 実施例1 亜鉛メツキ鋼板およびNiを12%含有する亜鉛合金メツ
キ鋼板を公知の方法で目付量20g/m2狙いでメツキを行つ
たのち、第1表に示す下層被膜処理を行つて水洗し、た
だちに還元率30%のクロム酸(CrO3)/シリカゲル(Si
O2)/リン酸=10/20/10g/,PH=1.5のクロメート処理
液をスプレーしたのちエアーナイフにて絞り、200℃の
熱風にて約10秒間乾燥し(板温60℃)、品質を調べたも
のである。 NO.1は、電気亜鉛メツキ後亜鉛と鉄の酸化物を形成さ
せ、結果で耐食性,塗装性に優れている。NO.2〜NO.5
は、Ni2+,Co2+,Cr3+,Sn2+,を硫酸塩として加えて溶解し
たもので、いずれも品質が優れている。NO.6は、酢酸鉛
としてPb2+を供給したもので、塗装後の耐食性に優れて
いる。NO.7は、比較材でクロメート処理のみの場合であ
り、耐食性、塗装性等の点で本発明より劣る。NO.8は、
Ni−Zn合金メツキ鋼板上に亜鉛とニツケルの酸化物を析
出させたのち、クロメート処理した例である。NO.9はス
プレーによつて酸化物を形成させた例、NO.10は浴濃度
を上げた例である。これはNO.11の比較材に比べ耐食
性,塗装性に優れた結果を示した。NO.11Rは、還元率ゼ
ロのクロム酸(CrO3)/シリカゾル=10/20g/,PH=1.
2のクロメート処理液を用いて同様に処理した比較例で
ある。特に塗料の密着性が悪く、耐食性も不充分であ
る。 実施例2 亜鉛メツキ鋼板(Z20)および溶融亜鉛メツキ鋼板(G
60)に実施例1のNO.3の条件で下層被膜処理を行つたの
ち、第2表に示すクロメート処理を行い品質を調べた。 NO.12は、クロメート液中の無機ゾルとして微細な酸
化チタンを分散させたゾルを用いた例である。又無機ゾ
ルとして、NO.13がZrO2,NO.14がアルミナゾル(Al
2O3),NO.15はシリカゾルである。いずれも優れた裸材
の耐食性および塗装後の耐食性を得た。NO.15〜18は溶
融亜鉛メツキ鋼板適用した本発明例と比較例である。無
機ゾルとしてシリカゾルを用い、クロム酸の還元率をで
ん粉を加えて35%(NO.15),22%(NO.16),62%(NO.1
7)に調節して処理液を作成し、クロメート処理した例
である。クロメート処理方法は実施例1と同様に行つ
た。NO.18は下層被膜処理を同様に行い、公知のクロメ
ート処理液(還元率ゼロ,リン酸無添加)で処理した比
較例で,耐食性,塗装後の耐食性特に塗装密着性が劣つ
ていた。NO.19は下層被膜処理を行わない比較例であ
る。本発明例に比べ耐食性,塗装性で劣つていた。 実施例3 12%Ni−Zn合金メツキ鋼板(NZ20)にZnSO4・7H2O/Ni
SO4・6H2O/NaNO3/H3PO4=50/50/5/5g/,PH=1.8の水溶
液中で陰極電解処理(DK15A/dm2,Q15クローン/dm2)を
行い、水洗後実施例1のクロメート処理を行つた。得ら
れたクロメート化成皮膜は、全クロム付着量が40mg/m2
で、裸材の耐食性は700時間であつた。塗装後の耐食性
は300時間で、劣化巾はほとんど認めらなかつた。又リ
ン酸の代りにポリリン酸およびリン酸アルミニウムを用
いて同様の処理を行つた結果、同様の優れた性能を得
た。 実施例4 電気亜鉛メツキ鋼板(Z20)に実施例1,NO.3の条件で
下層被膜処理を行つた後、クロム酸/シリカゾル/リン
酸=30/10/5g/,PH=1.4のクロメート水溶液中で陰極
電解(DK:3A/dm2,Q:11クーロン/dm2)処理を行い試験を
行つた。Cr付着量は100mg/m2で、裸材の耐食性は200時
間であつた。又塗装後の耐食性は、168時間後の劣化巾
が0.5mm以下で、優れた塗装後の耐食性を示した。 実施例5 実施例1のNO.3の条件で、5%Al含有溶融亜鉛合金メ
ツキ鋼板にクロメート化成処理を行つた。クロム付着量
は全Crとして50mg/m2であつた。裸材の耐食性は250時間
で、塗装後の耐食性も168時間であり、劣化巾が1mm以下
であつた。又経時による黒変を調べるため、スタツク状
態で50℃相対湿度98%以上のJIS−Z−0228の湿潤試験
を20日間行つたが、比較として入れた公知のクロメート
処理材が黒変したのに対し、本発明例の処理方法によつ
て処理した合金メツキ鋼板は黒変しなかつた。 実施例6 実施例4の方法でNi−Zn合金メツキ鋼板(NZ20)にク
ロメート化成処理を行つたのち、市販のアクリル系エマ
ルジヨンとシリカゾルのクリヤー塗料を、乾燥塗布膜厚
みが1.0μ狙いでロールコータで塗装し、到達板温150℃
になるように高速焼付を行い評価した。裸材の耐食性は
700時間,塗装後の耐食性は168時間でふくれ,劣化を認
めなかつた。 〔発明の効果〕 本発明の方法により従来の化成処理で到達し得なかつ
た無塗装用途および塗装用途に使用可能なバランスの良
い皮膜を得ることができ、従つてマスプロダクシヨンに
有利な製品集約が可能となる。又、用途的には低コスト
で高品質のコストメリツトの高い表面処理鋼板を提供す
ることができ、製品価格を低下させながらかつ高品質の
商品につながる効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−143582(JP,A) 特開 昭59−93900(JP,A) 特開 昭61−227182(JP,A) 特開 昭62−33793(JP,A) 特開 昭60−56072(JP,A) 特開 昭56−69377(JP,A) 特開 昭56−130477(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.亜鉛もしくは亜鉛合金メツキ鋼板を、亜鉛イオンと
    亜鉛より貴なる金属イオンおよび酸化性イオンを主成分
    とする水溶液で浸漬もしくはスプレー処理もしくは電解
    処理によつて前記鋼板のメツキ表面に亜鉛および亜鉛よ
    り貴なる金属の化合物を形成させたのち、水溶性のクロ
    ム化合物と無機ゾル化合物およびリン酸化合物を主成分
    とするクロメート処理液を塗布し加熱乾燥することを特
    徴とするメツキ鋼板のクロメート化成処理方法。 2.亜鉛もしくは亜鉛合金メツキ鋼板を、亜鉛イオンと
    亜鉛より貴なる金属イオンとしてFe2+,Co2+,Ni2+,Mo6+,
    Cr3+,Sn2+,Sb2+,Pb2+,Bi2+,から選択された1種もしく
    は2種以上を含み酸化性イオンとして硝酸イオンを含む
    水溶液で浸漬もしくはスプレー処理もしくは電解処理に
    よつて前記鋼板のメツキ表面に亜鉛および亜鉛より貴な
    る化合物を形成させたのち、3価クロム(Cr3+)/6価ク
    ロム(Cr6+)の比が1/9〜8/2の水溶性クロム化合物とシ
    リカゾルおよびリン酸を主成分とするクロメート処理液
    を塗布し加熱乾燥することを特徴とするメツキ鋼板のク
    ロメート化成処理方法。 3.亜鉛もしくは亜鉛合金メツキ鋼板を、亜鉛イオン.
    亜鉛より貴なる金属イオン,酸化性イオンおよびリン酸
    化合物を主成分とする水溶液で浸漬もしくはスプレーも
    しくは電解処理によつて前記鋼板のメツキ表面に亜鉛お
    よび亜鉛より貴なる金属の化合物とリン酸塩を形成させ
    たのち、水溶性のクロム化合物と無機ゾルおよびリン酸
    を主成分とするクロメート処理液を塗布し加熱乾燥する
    ことを特徴とするメツキ鋼板のクロメート化成処理方
    法。 4.亜鉛又は亜鉛合金メツキ鋼板を、亜鉛イオン,亜鉛
    より貴なる金属イオン,酸化性イオンを主成分とする水
    溶液で浸漬もしくはスプレーもしくは電解処理によつて
    前記鋼板のメツキ表面に亜鉛および亜鉛より貴なる金属
    の化合物を形成させたのち、水溶性のクロム化合物と無
    機ゾルおよびリン酸化合物を主成分とするクロメート液
    中でメツキ鋼板を陰極として電解処理することを特徴と
    するメツキ鋼板のクロメート化成処理方法。
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