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JP2701035B2 - 新規なアミノ糖誘導体及びその製法 - Google Patents

新規なアミノ糖誘導体及びその製法

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Publication number
JP2701035B2
JP2701035B2 JP63001707A JP170788A JP2701035B2 JP 2701035 B2 JP2701035 B2 JP 2701035B2 JP 63001707 A JP63001707 A JP 63001707A JP 170788 A JP170788 A JP 170788A JP 2701035 B2 JP2701035 B2 JP 2701035B2
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JP
Japan
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ethyl
same
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JP63001707A
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明 長谷川
真 木曽
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Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
Original Assignee
Wako Pure Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の利用分野] 本発明は、医薬品、免疫薬剤等の原料、中間体等とし
て有用な新規なアミノ糖誘導体及びその製造法に関す
る。
[発明の背景] 細菌細胞壁の骨格を形成しているペチドグリカン部
(特にヒトをはじめとする哺乳動物に寄生する細菌のペ
プチドグリカン)に多彩な生物活性(免疫調節作用、発
熱原性等)が存在していることは古くから知られてい
る。ペプチドグリカンの有する免疫増強活性の最小単位
については1974〜1975年フランスのLedererら、及び大
阪大の小谷、芝らのグループにより、それがN−アセチ
ルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(MD
P)であることが明らかにされている。
一方、グラム陰性菌の細胞壁外膜に局在するリポ多糖
(LPS)内毒素(エンドトキシン)の主成分として知ら
れ、抗腫瘍活性を含むさまざさな生理活性を有している
ことが同様に知られている。このリポ多糖の本体である
リピッドAについても、西ドイツのWestphal一派ら、及
びMITのKhoranaらにより新たな構造式が提案されてい
る。
このように、多彩な生物活性を有し、医薬品や免疫薬
剤としての用途が期待できることからペプチドグリカン
やリポ多糖等の生体高分子に関する基礎研究、並びにこ
れらの活性を有効利用しようとする応用研究が各方面に
於いて活発に進められている現状である。
[発明の目的] 本発明は、上記した如き状況に鑑みなされたもので、
医薬品、免疫薬剤等の、原料或は中間体として有用な新
規なアミノ糖誘導体と、その簡便で且つ効率の良い製造
法を提供することを目的とする。
[発明の構成] 本発明は、一般式[I] [式中、R0は低級アルキル基を示し、RはR0CO−で示さ
れるアシル基(R0は前記に同じ。)を示す。また、R1
−OR(Rは前記に同じ。)を示し、R2は水素原子を示
す。] で表わされるアミノ糖誘導体に、2−(トリアルキルシ
リル)エタノールを反応させて、一般式[II] (式中、R、R1及びR2は前記に同じ。また、TASはトリ
アルキルシリル基を示す。) で表わされる化合物とし、次いでこれを水の不存在下に
アルカリ処理して一般式[III] (式中、R及びTASは前記に同じ。また、R3は水酸基を
示し、R4は水素原子を示す。) で表わされる化合物とした後、酸触媒の存在下、アセト
ン化試薬を反応させて一般式[IV b] (式中、R及びTASは前記に同じ。) で表わされる化合物とし、然る後アシル基を脱保護する
ことを特徴とする一般式[V b] (式中、R及びTASは前記に同じ。) で表わされる1−[2−(トリアルキルシリル)エチ
ル]−2−アミノ−2−デオキシ−4,6−0−イソプロ
ピリデン−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法の発
明である。
また、本発明は、一般式[VI b] [式中、R5はR0CO−で示されるアシル基(但し、R0は前
記に同じ。)又は水素原子を示し、TASは前記に同
じ。] で表わされるアミノ糖誘導体の発明である。
即ち、本発明者らは、一般式[I]で示される化合物
2−(トリアルキルシリル)エタノール(以下、TASEtO
Hと略記する。)を反応させると、1位の水酸基が2−
(トリアルキルシリル)エチル基(TASC2H4基)で保護
された、一般式[II]で示される、β型のアミノ糖誘導
体が選択的に得られ、これを原料として用いれば一般式
[III]、一般式[IV b]及び一般式[Vb]で示される
化合物を容易に且つ収率良く製造できることを見出し、
本発明を完成するに至った。
本発明に係る一般式[I]に於けるR0は例えばメチル
基,エチル基,プロピル基等の低級アルキル基を表わ
し、一般式[I]、一般式[II]、一般式[II]及び一
般式[IV b]に於けるRはR0CO−で表わされるアシル基
(R0は前記に同じ。)を表わし、該アシル基としては例
えばアセチル基,プロピオニル基,ブタノイル基等が挙
げられる。一般式[II]、一般式[III]、一般式[IV
b]、一般式[Vb]、及び一般式[VI b]に於けるTASは
例えばトリメチルシリル基,トリエチルシリル基,トリ
イソプロピルシリル基,ジメチル t−ブチルシリル基
等のトリアルキルシリル基を表わす。また、一般式
[I]及び一般式[II]に於けるR1は−OR(Rは前記に
同じ。)を表わし、R2は水素原子を表わす。更に、一般
式[III]に於けるR3は水酸基を表わし、R4は水素原子
を表わす。また、一般式[VI b]に於けるR5は水素原子
又はR0CO−で示されるアシル基(R0は前記に同じ。)を
示し、該アシル基としては例えばアセチル基,プロピオ
ニル基,ブタノイル基等が挙げられる。
本発明で用いられる2−(トリアルキルシリル)エタ
ノールとしては、例えばトリメチルシリルエタノール
(以下、TMSEtOHと略記する。),トリエチルシリルメ
タノール,トリイソプロピルシリルエタノール,ジメチ
ル t−ブチルシリルエタノール等が挙げられる。
また、本発明で用いられるアセトン化試薬(イソプロ
ピリデン化試薬)としては、例べば2,2−ジメトキシプ
ロパン(以下、DMPと略記する。),2メトキシプロペ
ン,アセトン等が挙げられる。
以下、本発明の製造法について記す。
先ず、一般式[II]で示される化合物は、大略以下の
如くして製造し得る。即ち、一般式[I]で示される化
合物を適当量のジクロロメタン,ジクロロエタン,クロ
ロホルム,四塩化炭素等の非極性溶媒(充分に脱水した
ものが望ましい。)に溶解し、これにTASEtOHを一般式
[I]で示される化合物に対して1〜5倍モル量加え、
更にモレキュラーシーブス4A(以下、MS−4Aと略記す
る。),硫酸カルシウム等の乾燥剤を適当量加えて、充
分乾燥させた後、濃硫酸,p−トルエンスルホン酸(以
下、p−TSOHと略記する。)等の酸触媒を触媒量加え
て、室温乃至50℃で1〜10時間、撹拌下に反応させる。
反応終了後はイオン交換樹脂(OH-型)や例えばNaHCO3
等の弱アルカリによる反応液を中和し、濾別して濾液を
減圧濃縮する。得られた生成物を要すればカラムクロマ
トグラフィ等により精製すれば、1位の水酸基が2−
(トリアルキルシリル)エチル基で保護された目的の一
般式[II]で示される化合物が得られる。
尚、この2−(トリアルキルシリル)エチル基は、本
発明に係るアミノ糖誘導体に限らず、一般にβ型の糖類
の1位の水酸基の保護基として広く使用でき、しかも、
従来のベンジル基やアリール基などの保護基と異なり、
脱離に苛酷な条件を要さず、温和な条件で、即ち、例え
ばBF3−エーテル,NaBF4,KBF4,LiBF4等の弗素イオン
(F-)を発生し得る弗素化合物や例えばFeCl3等のルイ
ス酸で処理することにより容易に脱離させることができ
るので、β型糖誘導体の1位の水酸基の保護基として極
めて有用である。
次に、一般式[II]の化合物をメタノール,エタノー
ル等のアルコール系溶媒(充分に脱水したものが望まし
い。)に溶解し、アルカリ、例えばナトリウムメチラー
ト,ナトリウムエチラート等の金属アルコラート等の適
当量加え、0〜50℃で数十分乃至数時間、撹拌下に反応
させて水酸基の保護アシル基を外した後、常法に従って
反応液を中和し、濾別して得た濾液を減圧濃縮すれば、
一般式[III]で示される化合物が得られる。
次いで一般式[III]の化合物をジメチルホルムアミ
ド(DMF)等の溶媒に溶解し、これにアセトン化試薬、
例えば2−メトキシプロペン,DMP等を一般式[III]の
化合物に対して1〜5倍モル量加え、更に触媒量の酸触
媒、例えばp−TSOH,H2SO4等を加えて、室温乃至若干加
温下で数時間、撹拌、反応させ、反応後は、反応液をイ
オン交換樹脂(OH-型)、或は例えばNaHCO3等の弱アル
カリで中和し、濾別して得た濾液を減圧濃縮する。得ら
れた残渣を要すればカラムクロマトグラフィ等により精
製すると一般式[IV b]で示される化合物(一般式[VI
b]に於いてR5がR0CO−で示されるアシル基のもの)が
得られる。
更に、一般式[IV b]示される化合物を、水溶媒中水
酸化アルカリ処理し、反応後はジクロロメタン,ジクロ
ロエタン,クロロホルム,四塩化炭素等の非極性溶媒で
抽出し、抽出層を水洗、乾燥後、濃縮して溶媒を留去
し、得られた残渣を要すればカラムクロマトグラフィ等
により精製すると一般式[V b]で示される化合物(一
般式[VI b]に於いてR5が水素原子のもの)が得られ
る。
一般式[I]で示される化合物は、例えばJ.Org.Che
m.,33,3585−3588頁(1968);Carbohydrate Research,2
1,460−464頁(1972)等に報告されている、2−アセト
アミド−1,3,4,6−テトラ−0−アセチル−2−デオキ
シ−β−D−クルコピラノース(ペンタアセチルβ−D
−グルコサミン)を原料とし、縮合剤としてFeCl3或はZ
nCl2等を用いる方法により得られたものを用いてもよい
し、また、本発明者らが新たに見出した下記方法により
得られるものを用いてもよい。即ち、一般式[VII] (R、R1及びR2は前記に同じ。) で示される化合物を、ジクロロメタン,ジクロロエタ
ン,クロロホルム,四塩化炭素等の非極性溶媒(充分に
脱水したものが望ましい。)に溶解し、これにパーフル
オロアルカンスルホン酸トリアルキルシリルエステル、
例えばトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル
エステル(以下、TMSOTfと略記する。)を一般式[VI
I]で示される化合物に対して1〜5倍モル量加え、室
温から70℃で1〜10時間、撹拌下に反応させる。反応後
は常法に従い生成物をジクロロメタン,ジクロロメタ
ン,クロロホルム,四塩化炭素等の非極性溶媒で抽出
し、抽出層をアルカリ溶液及び水で順次洗浄し、乾燥し
た後、溶媒を留去すれば、シロップ状の一般式[I]の
化合物が高収率で得られる。また、これを、必要に応じ
てカラムクロマトグラフィー等自体公知の精製方法によ
り精製する等は任意である。
一般式[VII]で示される化合物は、D−グルコサミ
ン或はD−ガラクトサミンに、アシル化剤、例えば無水
酢酸等の酸無水物や塩化アセチル等の酸塩化物等を反応
させる常法により、1工程で容易に得ることができるの
でこのようにして得たものを用いることで足りる。
尚、β型糖類の1位の水酸基を2−(トリアルキルシ
リル)エチル基で保護するには、例えば次のように行え
ばよい。
即ち、先ず前記した如き常法により糖類をアシル化
し、ついで常法に従い臭化水素等によりその1位にハロ
ゲン基を導入した後、Hg(CN)とHgBr2,Ag2CO3とAgCl
O4,Ag2CO3とI2,AgClO4,Hg(CN)等の縮合剤の存在
下、TESEtOHを反応させることにより、1位の水酸基が
2−(トリアルキルシリル)エチル基により保護された
β型の糖誘導体が得られる。
以下に参考例及び実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定され
るものではない。
[実施例] 参考例1. 4,5−(3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デ
オキシ−D−グルコピラノ)−2−メチル−Δ−オキ
サゾリンの合成 2−アセトアミド−1,3,4,6−テトラ−O−アセチル
−2−デオキシ−D−グルコピラノース1gを充分に脱水
したジクロロメタン10mlに溶解し、これにTMSOTf0.55ml
を加え、還流下に5時間撹拌、反応させた。反応終了
後、反応液にジクロロメタンを加えて抽出し、ジクロロ
メタン層を2N−Na2CO3水溶液及び水を順次洗浄した後、
Na2SO4で乾燥し、減圧濃縮して、シロップ状の4,5−
(3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−D−グ
リコピラノ)−2−メチル−Δ−オキサゾリン0.70g
を得た(収率 83%)。
IR(neat):1740〜1750(C=0)、1670(C=N)c
m-1
参考例2. 4,5−(3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デ
オキシ−D−ガラクトピラノ)−2−メチル−Δ−オ
キサゾリンの合成 2−アセトアミド−1,3,4,6−テトラ−O−アセチル
−2−デオキシ−D−ガラクトピラノース0.39gを充分
に脱水したジクロロメタン3mlに溶解し、これにTMSOTf
0.22mlを加え、還流下に5時間撹拌、反応させた。反応
終了後、反応液にジクロロメタンを加えて抽出し、ジク
ロロメタン層を2N−Na2CO3水溶液及び水を順次洗浄した
後、Na2SO4で乾燥し、減圧濃縮して、シロップ状の4,5
−(3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−D−
ガラクトピラノ)−2−メチル−Δ−オキサゾリン0.
32gを得た(収率 97%)。
IR(neat):1740〜1750(C=0)、1670(C=N)c
m-1
参考例3. 4,5−(3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デ
オキシ−D−グルコピラノ)−2−メチル−Δ−オキ
サゾリンの合成 2−アセトアミド−1,3,4,6−テトラ−O−アセチル
−2−デオキシ−D−グルコピラノース4gをジクロロメ
タン50mlに溶解し、これにFeCl3 3.2gを加え、室温にて
1.5時間撹拌、反応させた。反応終了後、反応液NaHCO3
にて中和した後水洗し、Na2SO4で乾燥後、溶媒留去し
て、シロップ状の4,5−(3,4,6−トリ−O−アセチル−
2−デオキシ−D−グリコピラノ)−2−メチル−Δ
−オキサゾリン3.3gを得た(収率 97%)。
尚、物性は参考例1で得られたものと同様であった。
参考例4. 1−[2−(トリメチルシリル)エチル]−
2−アセタミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デ
オキシ−β−D−グルコピラノシドの合成 参考例1で得られた4,5−(3,4,6−トリ−O−アセチ
ル−2−デオキシ−D−グルコピラノ)−2−メチル−
Δ−オキサゾリン0.7gを充分に脱水したジクロロメタ
ン10mlに溶解し、TMSEtOH0.5ml及びMS−4A1gを加えて、
1時間撹拌下に反応させた後、触媒量の濃硫酸(1滴)
を加え更に5時間撹拌した。反応終了後、アンバーライ
ト IR−410(オルガノ社商品名、OH-型)にて反応液を
中和し、濾別して得た濾液を減圧濃縮した。得られたシ
ロップ状物をカラムクロマトグラフィ[充填剤;Wakogel
C−200(和光純薬工業(株)社商品名)、溶離液;CH2C
l2:CH3OH=150:1]により精製し、シロップ状の1−
[2−(トリメチルシリム)エチル]−2−アセタミド
−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D
−グルコピラノシド0.78gが得られた(収率 81%)。
mp:152−155℃。
[α]=−7.7゜(C=0.78,CHCl3)。
IR(film):3280(NH)、1740(C=0)、1650,1560
(NH)、860,830(Si−C)cm-1
1HNMR(CDCl3):δ −0.1〜0.1(m,9H,TMS)、0.87
(m,2H,−CH2 TMS)、1.88,1.96,1.97,2.03(4s,12H,−
COCH3 ×4)、3.50(m,1H、C−CH2TMS)、3.64(m,1
H、H−5)、3.69(q−1H,J1,22,32,NH=8.8
Hz,H−2)、3.90(m,1H,C−CH2TMS)、4.06(bd,1H,
J=12Hz,H−6a)、4.21(dd,1H,Jgem=12Hz,J5,6b=4.7
Hz,H−6b)、4.67(d,1H,J1,2=8.4Hz,H−1)、5.00
(t,1H,J3,44,5=10Hz,H−4)、5.27(t,1H,J2,3
=J3,4=10Hz,H−3)、5.48(d,1H,J2,NH=8.8Hz,H−
2)。
実施例1. 1−[2−(トリメチルシリル)エチル]−
2−アセタミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デ
オキシ−β−D−ガラクトピラノシドの合成 参考例2で得られた4,5−(3,4,6−トリ−O−アセチ
ル−2−デオキシ−D−ガラクトピラノ)−2−メチル
−Δ−オキサゾリン0.32gを充分に脱水したジクロロ
メタン3mlに溶解し、TMSEtOH0.2ml及びMS−4A300mgを加
えて、1時間撹拌下に反応させた後、触媒量の濃硫酸
(1滴)を加え更に5時間撹拌した。反応終了後、アン
バーライト IR−410(オルガノ社商品名、OH-型)にて
反応液を中和し、濾別して得た濾液を減圧濃縮した。得
られたシロップをカラムクロマトグラフィ[充填剤;Wak
ogel C−200(和光純薬工業(株)社商品名)、溶離液;
CH2Cl2:CH3OH=250:1及びCH2Cl2:CH3OH=150:1]により
精製し、シロップ状の1−[2−(トリメチルシリム)
エチル]−2−アセタミド−3,4,6−トリ−O−アセチ
ル−2−デオキシ−β−D−ガラクトピラノシド0.39g
が得られた(収率 90%)。
元素分析値 理論値(%):C;50.99、H;7.43、N;3.13。
測定値(%):C;51.28、H;7.65、N;3.12。
[α]=−15.95゜(C=1.128、CHCl3)。
参考例5. 1−[2−(トリメチルシリル)エチル]−
2−アセタミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デ
オキシ−β−D−グルコピラノシドの合成 参考例3で得られた4,5−(3,4,6−トリ−O−アセチ
ル−2−デオキシ−D−グリコピラノ)−2−メチル−
Δ−オキサゾリン3.3gを充分に脱水したジクロロメタ
ン50mlに溶解し、TMSEtOH1.77gと触媒量のp−TsOHを加
えて、室温にて一夜撹拌下に反応させた。反応液をNaHC
O3にて中和した後、水洗し、Na2SO4で乾燥後、溶媒留去
した。得られたシロップをカラムクロマトグラフィ[充
填剤;Wakogel C−200(和光純薬工業(株)社商品
名)、溶離液;CH2Cl2:CH3OH=400:1]により精製し、シ
ロップ状の1−[2−(トリメチルシリル)エチル]−
2−アセタミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デ
オキシ−β−D−グルコピラノシド4.26gを得た(収率
95%)。
尚、物性は参考例4で得られたものと同様であった。
参考例6. 1−[2−(トリメチルシリル)エチル]−
2−アセタミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノ
シドの合成 参考例4で得られた1−[2−(トリメチルシリル)
エチル]−2−アセタミド−3,4,6−トリ−O−アセチ
ル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド448mgを
充分に脱水したメタノール10mlに溶解し、触媒量のナト
リウムメチラートを加えて、1時間撹拌下に反応させた
後、アンバーライト IR−120(オルガノ社商品名、H+
型)にて反応液を中和し、濾別して得た濾液を減圧濃縮
して、1−[2−(トリメチルシリル)エチル]−2−
アセタミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド
の結晶を定量的に得た。
元素分析値 理論値(%):C;48.57、H;8.47、N;4.36。
測定値(%):C;48.66、H;8.59、N;4.40。
[α]=−27.41゜(C=0.868、CH3OH)。
mp:178〜182℃。
実施例2. 1−[2−(トリメチルシリル)エチル]−
2−アセタミド−2−デオキシ−β−D−ガラクトピラ
ノシドの合成 実施例1で得られた1−[2−(トリメチルシリル)
エチル]−2−アセタミド−3,4,6−トリ−O−アセチ
ル−2−デオキシ−β−D−ガラクトピラノシド390mg
を充分に脱水したメタノール10mlに溶解し、触媒量のナ
トリウムメチラートを加えて、1時間撹拌下に反応させ
た。反応終了後、アンバーライト IR−120(オルガノ
社商品名、H+型)にて反応液を中和し、濾別して得た濾
液を減圧濃縮して、1−[2−(トリメチルシリム)エ
チル]−2−アセタミド−2−デオキシ−β−D−ガラ
クトピラノシドの結晶を定量的に得た。
元素分析値 理論値(%):C;48.57、H;8.47、N;4.36。
測定値(%):C;48.73、H;8.53、N;4.46。
[α]=−9.13゜(C=0.428、CH3OH)。
mp:192〜193℃。
参考例7. 1−[2−(トリメチルシリル)エチル]−
2−アセタミド−2−デオキシ−4.6.O−イソプロピリ
デン−β−D−グルコピラノシドの合成 参考例6で得られた1−[2−(トリメチルシリル)
エチル]−2−アセタミド−2−デオキシ−β−D−グ
ルコピラノシド310mgをDMF 10mlに溶解し、DMP 1ml及び
触媒量のp−TsOHを加えて、室温で1時間撹拌下に反応
させた。反応終了後、アンバーライト IR−410(オル
ガノ社商品名、OH-型)にて反応液を中和し、濾別して
得た濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をカラムクロマ
トグラフィ[充填剤;Wakogal C−200(和光純薬工業
(株)社商品名)、溶離液;CH2Cl2:CH3OH=100:1]によ
り精製し、1−[2−(トリメチルシリル)エチル]−
2−アセタミド−2−デオキシ−4.6−O−イソプロピ
リデン−β−D−グルコピラノシドの結晶を定量的に得
た IR(Film):1660(C=0)、1560(NH)、850(Si−
C,C(CH3)cm-1
mp:123−124.7℃。
[α]=−73.9゜(C=0.82、CH2Cl2)。
実施例3. 1−[2−(トリメチルシリル)エチル]−
2−アセタミド−2−デオキシ−4,6−O−イソプロピ
リデン−β−D−ガラクトピラノシドの合成 参考例7に於いて、1−[2−(トリメチルシリル)
エチル]−2−アセタミド−2−デオキシ−β−D−グ
ルコピラノシドの代りに、実施例2で得られた1−[2
−(トリメチルシリル)エチル]−2−アセタミド−2
−デオキシ−β−D−ガラクトピラノシドを用いた以外
は参考例7と同様の方法により、対応する1−[2−
(トリメチルシリル)エチル]−2−アセタミド−デオ
キシ−4,6−O−イソプロピリデン−β−D−ガラクト
ピラノシドを得た。
参考例8. 1−[2−(トリメチルシリル)エチル]−
2−アミノ−2−デオキシ−4.6.O−イソプロピリデン
−β−D−グルコピラノシドの合成 参考例5で得られた1−[2−(トリメチルシリル)
エチル]−2−アセタミド−3,4,6−トリ−O−アセチ
ル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド4gをメタ
ノール100mlに溶解し、ナトリウムメチラートの28%メ
タノール溶液を数滴加えて、室温にて30分間撹拌下に反
応させた。アンバーライト IR−120(オルガノ社商品
名、H+型)にて反応液を中和し、濾別して得た濾液を減
圧濃縮した。得られたシロップ状物をDMF100mlに溶解
し、DMP10ml及び触媒量のp−TsOHを加えて、室温で1
時間撹拌下に反応させた。反応液をナトリウムメチラー
トの28%メタノール溶液で中和し、減圧濃縮した後、水
80ml及びBa(OH)・8H2O6gを加え、還流下に2日間反
応させた。ニンヒドリン発色によりアミノ基の生成を確
認した後、反応液にクロロホルムを加えて抽出し、クロ
ロホルム層を水洗、NaSO4で乾燥後、溶媒を留去してシ
ロップ状物を得た。得られたシロップ状物をカラムクロ
マトグラフィ[充填剤;Wakogal C−200(和光純薬工業
(株)商品名)、溶離液;CH2Cl2:CH3OH=100:1]により
精製し、1−[2−(トリメチルシリル)エチル]−2
−アミノ−2−デオキシ−4.6−O−イソプロピリデン
−β−D−グルコピラノシド2.6gを得た(収率 92
%)。
mp:110−111℃。
[α]=−59,0゜(C=0.45、CH2Cl2)。
IR(film):3400(OH,NH)、1580(NH)、850(Si−
C,(CH32C)cm-1
1HNMR(CDCl3):δ −0.1〜0.1(m,9H,TMS)、1.00
(m,2H,−CH2 TMS)、1.40,1.48[2s,6H,(CH3 2C
=]、1.92(6s,3H,O,NH2 )、2.71(t,1H,J=8Hz,H−
2)、3.23(m,1H,H−5)、3.4〜3.6(m,3H,CCH2TM
S,H−3,4)、3.78(t,1H,J=10Hz,H−6a)、3.89(dd,1
H,Jgem=10Hz,J5,6b=5.5Hz,H−6b)、3.95(m,1H,CC
H2TMS)、4.21(d,1H,J1,2=8Hz,H−1)。
実施例4. 1−[2−(トリメチルシリル)エチル]−
2−アミノ−2−デオキシド−4,6−O−イソプロピリ
デン−β−D−ガラクトピラノシドの合成 参考例8に於いて、1−[2−(トリメチルシリル)
エチル]−2−アセタミド−3,4,6−トリ−O−アセチ
ル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシドの代り
に、実施例1で得られた1−[2−(トリメチルシリ
ル)エチル]−2−アセタミド−3,4,6−トリ−O−ア
セチル−2−デオキシ−β−D−ガラクトピラノシドを
用いた以外は参考例8と同様の方法により、対応する1
−[2−(トリメチルシリル)エチル]−2−アミノ−
2−デオキシ−4,6−O−イソプロピリデン−β−D−
ガラクトピラノシドを得た。
参考例9. 1−[2−(トリメチルシリル)エチル]−
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピ
ラノシドの合成 1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−D−ガラクトピ
ラノシド5.04gを充分に脱水したジクロロメタン50lmに
溶解し、0℃にて、臭化水素の30%酢酸溶液25gを加え
た後、室温で1.5時間撹拌下に反応させた。反応終了
後、減圧濃縮してシロップ状物を得、これをジクロロメ
タン25mlに溶解し、MS−4A 5gを加えて5時間撹拌下に
反応させた(反応液−1)。一方、Ag2CO37g、AgClO42.
7g、TMSEtOH3.66ml及びMS−4A 5gを充分に脱水したジク
ロロメタン25mlに懸濁し、5時間撹拌下に反応させた
(反応液−2)。次いで反応液−1と反応液−2を混合
して、撹拌下に一夜反応させた。反応終了後、反応液を
セライト濾過し、濾液を減圧濃縮して、得られたシロッ
プ状物をカラムクロマトグラフィ[充填剤;Wakogal C−
200(和光純薬工業(株)社商品名)、溶離液;CH2Cl2
により精製して、1−[2−(トリメチルシリル)エチ
ル]−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラ
クトピラノシドのシロップ4.2gを得た(収率 72.5
%)。
元素分析値 理論値(%):C;50.88、H;7.19。
測定値(%):C;50.95、H;7.30。
[α]=−9.49゜(C=1.01、CHCl3)。
参考例10. 1−[2−(トリメチルシリル)エチル]
−β−D−ガラクピラノシドの合成 参考例9で得られた1−[2−(トリメチルシリル)
エチル]−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−
ガラクトピラノシド3.36gを充分に脱水したメタノール3
0mlに溶解し、触媒量のナトリウムメチラートを加え1
時間撹拌した。反応終了後、アンバーライト IR−120
(オルガノ社商品名、H+型)にて反応液を中和し、濾別
して得た濾液を減圧濃縮して、1−[2−(トリメチル
シリル)エチル]−β−D−ガラクトピラノシドの結晶
を定量的に得た。
元素分析値 理論値(%):C;47.12、H;8.63。
測定値(%):C;47.35、H;8.71。
[α]=−22.06゜(C=1.012、CH3OH)。
[発明の効果] 以上述べた如く、本発明は医薬品、免疫薬剤等の原
料、中間体として有用な新規なアミノ糖誘導体とその製
造法を提供するものであり、本発明に係る新規なアミノ
糖誘導体は1位が2−(トリアルキルシリル)エチル基
で保護されたβ体で、しかもその2−(トリアルキルシ
リル)エチル基は従来の保護基と異なりその脱離に苛酷
な条件を必要とせず酸性条件下で容易に脱離させること
ができるので、糖脂質やリピドA等の合成原料あるいは
中間体として極めて有用なものであり、斯業に貢献する
ところ大なる発明である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I] [式中、R0は低級アルキル基を示し、RはR0CO−で示さ
    れるアシル基(R0は前記に同じ。)を示す。また、R1
    −OR(Rは前記に同じ。)を示し、R2は水素原子を示
    す。] で表わされるアミノ糖誘導体に、2−(トリアルキルシ
    リル)エタノールを反応させて、一般式[II] (式中、R、R1及びR2は前記に同じ。また、TASはトリ
    アルキルシリル基を示す。) で表わされる化合物とし、次いでこれを水の不存在下に
    アルカリ処理して一般式[III] (式中、R及びTASは前記に同じ。また、R3は水酸基を
    示し、R4は水素原子を示す。) で表わされる化合物とした後、酸触媒の存在下、アセト
    ン化試薬を反応させて一般式[IV b] (式中、R及びTASは前記に同じ。) で表わされる化合物とし、然る後アシル基を脱保護する
    ことを特徴とする一般式[V b] (式中、R及びTASは前記に同じ。) で表わされる1−[2−(トリアルキルシリル)エチ
    ル]−2−アミノ−2−デオキシ−4,6−0−イソプロ
    ピリデン−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
  2. 【請求項2】一般式[III] [式中、RはR0CO−で示されるアシル基(但し、R0は低
    級アルキル基を示す。)を示し、TASはトリアルキルシ
    リル基を示す。また、R3は水酸基を示し、R4は水素原子
    を示す。] で表わされる化合物に酸触媒の存在下、アセトン化試薬
    を反応させることを特徴とする、一般式[IV b] (式中、R及びTASは前記に同じ。) で表わされる化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】一般式[VI b] [式中、R5はR0CO−で示されるアシル基(但し、R0は低
    級アルキル基を示す。)又は水素原子を示し、TASはト
    リアルキルシリル基を示す。] で表わされるアミノ糖誘導体。
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