JP2782836B2 - 楽音合成装置 - Google Patents
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- JP2782836B2 JP2782836B2 JP1245678A JP24567889A JP2782836B2 JP 2782836 B2 JP2782836 B2 JP 2782836B2 JP 1245678 A JP1245678 A JP 1245678A JP 24567889 A JP24567889 A JP 24567889A JP 2782836 B2 JP2782836 B2 JP 2782836B2
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Description
「産業上の利用分野」 この発明は、打弦楽器、撥弦楽器、擦弦楽器あるいは
打楽器等の合成に用いて好適な楽音合成装置に関する。 「従来の技術」 従来、楽音合成装置としては、自然楽器の各種楽音波
形をPCM符号化して波形メモリ等に記録しておき、演奏
情報に対応した波形を波形メモリから読み出して再生す
る波形メモリ方式のものが一般的に知られている。しか
しながら、自然楽器では、演奏の状況に応じて実に多彩
な楽音が発生される。例えば管楽器等では吹奏圧が変わ
ることによって音色が多様に変化する。これらの多くの
楽音波形の発生を波形メモリ方式の楽音合成装置によっ
て行おうとする場合、波形メモリに対し、極めて膨大な
記憶容量が要求されるので、実現に無理がある。また、
複数の楽音波形を演算によって合成したり、あるいは変
調して多様な楽音波形を実現する方法も考えられるが、
この場合も極めて演算量が大きくなり、実現に無理があ
る。 そこで、自然楽器における発音メカニズムをシミュレ
ートした電気的モデルを動作させ、楽音を合成するよう
にした楽音合成装置が提案されるに至った。例えば、ピ
アノ等の打弦楽器音の楽音合成装置としては、弦におけ
る振動の伝播遅延をシミュレートした遅延回路と弦にお
ける音響損失をシミュレートしたローパスフィルタとを
閉ループ接続した構成のものがよく知られている。この
種の楽音合成装置においては、ハンマが弦を叩く時の衝
撃に相当する信号(例えばインパルス等)が閉ループに
入力され、閉ループが共振状態とされる。そして、閉ル
ープ内を循環する信号が楽音信号として取り出される。
このようにして、ピアノの弦がハンマによって叩かれる
ことによって励起され、定在波振動が発生する現象が忠
実に再現され、弦の定在波振動が直接周囲に放射される
ことによる楽音(以下、この楽音を便宜上、直接音と呼
ぶ)が忠実に再現される。 しかし、実際の自然楽器は共鳴器(例えば、ピアノに
おける響板、ギターにおける箱)を有しており、共鳴器
が直接音に共鳴することによって共鳴音が発生される。 共鳴音を直接音と共に再生することが可能な楽音合成
装置としては、直接音の楽音波形を記録した直接音用波
形メモリと、共鳴音の波形を記録した共鳴音用波形メモ
リとを備え、演奏情報に対応した直接音波形および共鳴
音波形を読み出し、重ね合わせて出力する方式のものが
例えば特公平1−15074号公報に開示されている。 「発明が解決しようとする課題」 ところで、ピアノ等の打弦楽器においては、ハンマに
よって弦を叩く時の衝撃が響板に伝播し、この衝撃に対
する共鳴音が発生される。また、ギター等の撥弦楽器に
おいても、ピックあるいは爪によって弦に与えられた衝
撃がブリッジを介して箱に伝わり、この衝撃に対する共
鳴音が発生する。すなわち、実際の自然楽器において
は、発音体の定在波振動が直接放射される直接音、共鳴
器によって発生される直接音の共鳴音、および、発音体
を駆動する時に発音体に加えられる衝撃が共鳴器に伝播
することによって発生される共鳴音(以下、この共鳴音
を便宜上、過渡音と呼ぶ)の3種の音が発生され、これ
らを混合したものが楽音として聴取される。しかしなが
ら、上述した従来の楽音合成装置は、直接音および直接
音に対する共鳴音を再現することはできたが、演奏時の
衝撃に基づく過渡音を再現することができず、このた
め、現実味のある自然楽器音を発生することができない
という問題があった。また、楽音から発生される過渡音
を抽出して波形メモリに記録し、合成によって得られる
直接音および直接音の共鳴音と重ね合わせて再生すると
いった方法も試みられたが、過渡音の抽出は技術的に難
しく、多大な労力を必要とする割に、満足な過渡音がな
かなか得られないという問題があった。特に、過渡音を
PCMのような録音再生方式による音源によって再生しよ
うとする場合、音の品質は録音の技術によって大きく左
右され、場合によっては、過渡音が耳障りになることが
ある。 この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであ
り、実際の自然楽器から発生される過渡音をん含んだ楽
音を容易に再現することができる楽音合成装置を提供す
ることを目的としている。 「課題を解決するための手段」 この発明は、演奏情報に対応した駆動信号を発生する
駆動信号発生手段と、 前記駆動信号に対する共鳴音信号を発生する共鳴手段
と、 前記駆動信号に対して前記演奏情報に対応した信号処
置を施し、楽音信号を形成する楽音形成手段と、 前記共鳴手段の出力信号と楽音形成手段から出力され
る楽音信号とを演奏情報に応じて混合し出力手段と を具備することを特徴としている。 「作用」 上記構成によれば、演奏情報に基づき、演奏の際に発
音系に与えられる衝撃に相当する駆動信号が、駆動信号
発生手段によって発生される。そして、この駆動信号に
対し、楽音形成手段によって演奏情報に対応した信号処
理に施され、楽音信号が形成される。また、駆動信号に
対して共鳴効果を付与した共鳴音信号が共鳴手段によっ
て発生される。そして、この共鳴音信号と、楽音形成手
段によって形成された楽音信号とが、混合手段によっ
て、混合されて出力される。 「実施例」 以下、図面を参照し、本発明の実施例を説明する。
打楽器等の合成に用いて好適な楽音合成装置に関する。 「従来の技術」 従来、楽音合成装置としては、自然楽器の各種楽音波
形をPCM符号化して波形メモリ等に記録しておき、演奏
情報に対応した波形を波形メモリから読み出して再生す
る波形メモリ方式のものが一般的に知られている。しか
しながら、自然楽器では、演奏の状況に応じて実に多彩
な楽音が発生される。例えば管楽器等では吹奏圧が変わ
ることによって音色が多様に変化する。これらの多くの
楽音波形の発生を波形メモリ方式の楽音合成装置によっ
て行おうとする場合、波形メモリに対し、極めて膨大な
記憶容量が要求されるので、実現に無理がある。また、
複数の楽音波形を演算によって合成したり、あるいは変
調して多様な楽音波形を実現する方法も考えられるが、
この場合も極めて演算量が大きくなり、実現に無理があ
る。 そこで、自然楽器における発音メカニズムをシミュレ
ートした電気的モデルを動作させ、楽音を合成するよう
にした楽音合成装置が提案されるに至った。例えば、ピ
アノ等の打弦楽器音の楽音合成装置としては、弦におけ
る振動の伝播遅延をシミュレートした遅延回路と弦にお
ける音響損失をシミュレートしたローパスフィルタとを
閉ループ接続した構成のものがよく知られている。この
種の楽音合成装置においては、ハンマが弦を叩く時の衝
撃に相当する信号(例えばインパルス等)が閉ループに
入力され、閉ループが共振状態とされる。そして、閉ル
ープ内を循環する信号が楽音信号として取り出される。
このようにして、ピアノの弦がハンマによって叩かれる
ことによって励起され、定在波振動が発生する現象が忠
実に再現され、弦の定在波振動が直接周囲に放射される
ことによる楽音(以下、この楽音を便宜上、直接音と呼
ぶ)が忠実に再現される。 しかし、実際の自然楽器は共鳴器(例えば、ピアノに
おける響板、ギターにおける箱)を有しており、共鳴器
が直接音に共鳴することによって共鳴音が発生される。 共鳴音を直接音と共に再生することが可能な楽音合成
装置としては、直接音の楽音波形を記録した直接音用波
形メモリと、共鳴音の波形を記録した共鳴音用波形メモ
リとを備え、演奏情報に対応した直接音波形および共鳴
音波形を読み出し、重ね合わせて出力する方式のものが
例えば特公平1−15074号公報に開示されている。 「発明が解決しようとする課題」 ところで、ピアノ等の打弦楽器においては、ハンマに
よって弦を叩く時の衝撃が響板に伝播し、この衝撃に対
する共鳴音が発生される。また、ギター等の撥弦楽器に
おいても、ピックあるいは爪によって弦に与えられた衝
撃がブリッジを介して箱に伝わり、この衝撃に対する共
鳴音が発生する。すなわち、実際の自然楽器において
は、発音体の定在波振動が直接放射される直接音、共鳴
器によって発生される直接音の共鳴音、および、発音体
を駆動する時に発音体に加えられる衝撃が共鳴器に伝播
することによって発生される共鳴音(以下、この共鳴音
を便宜上、過渡音と呼ぶ)の3種の音が発生され、これ
らを混合したものが楽音として聴取される。しかしなが
ら、上述した従来の楽音合成装置は、直接音および直接
音に対する共鳴音を再現することはできたが、演奏時の
衝撃に基づく過渡音を再現することができず、このた
め、現実味のある自然楽器音を発生することができない
という問題があった。また、楽音から発生される過渡音
を抽出して波形メモリに記録し、合成によって得られる
直接音および直接音の共鳴音と重ね合わせて再生すると
いった方法も試みられたが、過渡音の抽出は技術的に難
しく、多大な労力を必要とする割に、満足な過渡音がな
かなか得られないという問題があった。特に、過渡音を
PCMのような録音再生方式による音源によって再生しよ
うとする場合、音の品質は録音の技術によって大きく左
右され、場合によっては、過渡音が耳障りになることが
ある。 この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであ
り、実際の自然楽器から発生される過渡音をん含んだ楽
音を容易に再現することができる楽音合成装置を提供す
ることを目的としている。 「課題を解決するための手段」 この発明は、演奏情報に対応した駆動信号を発生する
駆動信号発生手段と、 前記駆動信号に対する共鳴音信号を発生する共鳴手段
と、 前記駆動信号に対して前記演奏情報に対応した信号処
置を施し、楽音信号を形成する楽音形成手段と、 前記共鳴手段の出力信号と楽音形成手段から出力され
る楽音信号とを演奏情報に応じて混合し出力手段と を具備することを特徴としている。 「作用」 上記構成によれば、演奏情報に基づき、演奏の際に発
音系に与えられる衝撃に相当する駆動信号が、駆動信号
発生手段によって発生される。そして、この駆動信号に
対し、楽音形成手段によって演奏情報に対応した信号処
理に施され、楽音信号が形成される。また、駆動信号に
対して共鳴効果を付与した共鳴音信号が共鳴手段によっ
て発生される。そして、この共鳴音信号と、楽音形成手
段によって形成された楽音信号とが、混合手段によっ
て、混合されて出力される。 「実施例」 以下、図面を参照し、本発明の実施例を説明する。
【第1実施例】 第1図はこの発明の第1実施例によるピアノ音の楽音
合成装置の構成を示すブロック図である。同図における
楽音制御回路1では、外部から入力される操作情報に対
応し、各種制御情報が発生される。そして、これらの制
御情報によって、装置全体の動作が制御される。 楽音形成回路2は操作情報に対応した直接音の形成を
行う回路であり、加算器2a、弦における振動の伝播遅延
をシミュレートした遅延回路2bおよび弦の音響損失をシ
ミュレートしたフィルタ2cからなる閉ループ回路によっ
て実現される。 駆動信号発生回路3は、波形ROM(リードオンリメモ
リ)を有しており、この波形ROMには、ハンマによって
弦を叩く時の衝撃に相当する信号波形(この信号波形と
しては例えば多くの周波数成分を含んだインパルス波形
等が用いられる)をPCM符号化した時系列のデジタル信
号が記憶されている。そして、楽音発生時、楽音制御回
路1からキーオン信号KEYONが供給されると、波形ROMか
らデジタル信号が順次読み出され、衝撃信号IPとして楽
音形成回路2および共鳴回路4に供給される。駆動信号
発生回路3としては、このような波形ROMを用いた構成
の他、種々の構成が考えられるが、衝撃に相当する波形
を忠実に再生することが可能なものが望ましい。なお、
この駆動信号発生回路として有効に構成例について後で
詳細に説明する。 楽音形成回路2において、衝撃信号IPは、加算器2a→
遅延回路2b→フィルタ2cからなる閉ループを循環する。
この閉ループは、閉ループを信号が一巡するのに要する
遅延時間の逆数に対応する1次の共振周波数、および1
次の共振周波数の整数倍の高次の共振周波数を有する共
振回路として動作する。そして、閉ループを駆動信号が
循環することにより、駆動信号中における上記各共振周
波数成分が強調される。 ここで、遅延回路2bは例えば段階を切り換えることが
可能なシフトレジスタ等によって実現され、楽音制御回
路1から供給されるキーコード情報KCによって遅延時間
が切り換えられる。このようにすることで、弦に対応
し、閉ループを信号が一巡する時間、すなわち、楽音の
1次の共振周波数が切り換えられる。また、フィルタ2c
は、通常、ローパスタフィルタによって実現される。こ
こで、ピアノに張設された各弦は、各々、振動の減衰率
の周波数特性が異なるので、楽音制御回路1からフィル
タ2cには、弦に対応した音色パラメータTNが与えられ、
この音色パラメータに従ってフィルタ2cにおけるフィル
タ演算用係数を切り換えられる。このようにして、楽音
制御回路1によって指定された音高および音色のドライ
信号SDRYが発生される。なお、楽音形成回路2として
は、上述の構成の他、例えばFM音源あるいはPCM音源に
よって構成してもよい。 共鳴回路4は、ピアノの響板の音響特性をシミュレー
トしたものであり、例えば前述の楽音形成回路2におい
て用いられているような遅延回路とフィルタとによる閉
ループ回路によって実現される。一般にピアノの響板は
多数の共振周波数を有するが、これに応じ、共振周波数
の異なる閉ループ回路を複数並列接続することによっ
て、ピアノの響板の音響特性を忠実に再現した共鳴回路
4を実現することができる。この共鳴回路4によって、
駆動信号発生回路3から出力された衝撃信号IPに対して
共鳴効果が与えられる。この結果、ハンマから弦に与え
られた衝撃が響板に伝播し、響板が共鳴することによっ
て発生される過渡音に対応した過渡音信号STRNが出力さ
れる。なお、共鳴回路4の構成例については、後述す
る。 混合回路5は、乗算器5a,5bおよび加算器5cによって
構成される。乗算器5aには、前述の過渡音信号STRNが入
力され、楽音制御回路1から供給される乗算係数γ1が
乗じられる。また、乗算器5bには、前述の直接音信号SD
RYが入力され、楽音制御回路1から供給される乗算係数
γ2が乗じられる。そして、各乗算結果が、加算器5cに
よって加算され、加算結果が楽音信号として出力され
る。 以下、この楽音合成装置に鍵盤ユニットを接続し、鍵
盤付電子楽器を構成する場合を想定し、動作を説明す
る。鍵盤ユニットにおいて鍵の操作が検知されると、音
高指定のためのキーコード情報KC、音色パラメータTNが
楽音制御回路1から出力され、これらの制御情報に従っ
て、楽音形成回路2における遅延回路2bの遅延時間設
定、フィルタ2cのフィルタ演算用係数の設定が行われ
る。次いで、楽音制御回路1からキーオン信号KEYONが
出力される。この結果、駆動信号発生回路3が駆動さ
れ、上述したように過渡音信号STRNおよび直接音信号SD
RYが各々発生される。 さて、上述の過渡音STRNおよび直接音SDRYの発生に先
立って、楽音制御回路1によって混合回路5における乗
算係数γ1,γ2が設定される。具体的には、ピアノの場
合、高音になる程、過渡音が強調されるので、高音にな
るに従って乗算係数γ1が乗算係数γ2に対して大きく
なるように、各係数が設定される。このようにして、弦
をハンマによって打撃した時の過渡音と弦の振動による
直接音とが音高に応じた比率でバランス良く混合された
自然感に富んだ楽音が発生される。 なお、このように各係数の比率を音高に応じて変える
他、例えば、楽音発生開始当初は乗算係数γ1は大きな
値に,乗算係数γ2は小さな値に設定して過渡音を強調
し、それ以後は時間経過に伴って徐々に乗算係数γ1を
小さな値に、乗算係数γ2は大きな値に変化させるよう
にすると、さらに臨場感に富んだ楽音が発生される。
合成装置の構成を示すブロック図である。同図における
楽音制御回路1では、外部から入力される操作情報に対
応し、各種制御情報が発生される。そして、これらの制
御情報によって、装置全体の動作が制御される。 楽音形成回路2は操作情報に対応した直接音の形成を
行う回路であり、加算器2a、弦における振動の伝播遅延
をシミュレートした遅延回路2bおよび弦の音響損失をシ
ミュレートしたフィルタ2cからなる閉ループ回路によっ
て実現される。 駆動信号発生回路3は、波形ROM(リードオンリメモ
リ)を有しており、この波形ROMには、ハンマによって
弦を叩く時の衝撃に相当する信号波形(この信号波形と
しては例えば多くの周波数成分を含んだインパルス波形
等が用いられる)をPCM符号化した時系列のデジタル信
号が記憶されている。そして、楽音発生時、楽音制御回
路1からキーオン信号KEYONが供給されると、波形ROMか
らデジタル信号が順次読み出され、衝撃信号IPとして楽
音形成回路2および共鳴回路4に供給される。駆動信号
発生回路3としては、このような波形ROMを用いた構成
の他、種々の構成が考えられるが、衝撃に相当する波形
を忠実に再生することが可能なものが望ましい。なお、
この駆動信号発生回路として有効に構成例について後で
詳細に説明する。 楽音形成回路2において、衝撃信号IPは、加算器2a→
遅延回路2b→フィルタ2cからなる閉ループを循環する。
この閉ループは、閉ループを信号が一巡するのに要する
遅延時間の逆数に対応する1次の共振周波数、および1
次の共振周波数の整数倍の高次の共振周波数を有する共
振回路として動作する。そして、閉ループを駆動信号が
循環することにより、駆動信号中における上記各共振周
波数成分が強調される。 ここで、遅延回路2bは例えば段階を切り換えることが
可能なシフトレジスタ等によって実現され、楽音制御回
路1から供給されるキーコード情報KCによって遅延時間
が切り換えられる。このようにすることで、弦に対応
し、閉ループを信号が一巡する時間、すなわち、楽音の
1次の共振周波数が切り換えられる。また、フィルタ2c
は、通常、ローパスタフィルタによって実現される。こ
こで、ピアノに張設された各弦は、各々、振動の減衰率
の周波数特性が異なるので、楽音制御回路1からフィル
タ2cには、弦に対応した音色パラメータTNが与えられ、
この音色パラメータに従ってフィルタ2cにおけるフィル
タ演算用係数を切り換えられる。このようにして、楽音
制御回路1によって指定された音高および音色のドライ
信号SDRYが発生される。なお、楽音形成回路2として
は、上述の構成の他、例えばFM音源あるいはPCM音源に
よって構成してもよい。 共鳴回路4は、ピアノの響板の音響特性をシミュレー
トしたものであり、例えば前述の楽音形成回路2におい
て用いられているような遅延回路とフィルタとによる閉
ループ回路によって実現される。一般にピアノの響板は
多数の共振周波数を有するが、これに応じ、共振周波数
の異なる閉ループ回路を複数並列接続することによっ
て、ピアノの響板の音響特性を忠実に再現した共鳴回路
4を実現することができる。この共鳴回路4によって、
駆動信号発生回路3から出力された衝撃信号IPに対して
共鳴効果が与えられる。この結果、ハンマから弦に与え
られた衝撃が響板に伝播し、響板が共鳴することによっ
て発生される過渡音に対応した過渡音信号STRNが出力さ
れる。なお、共鳴回路4の構成例については、後述す
る。 混合回路5は、乗算器5a,5bおよび加算器5cによって
構成される。乗算器5aには、前述の過渡音信号STRNが入
力され、楽音制御回路1から供給される乗算係数γ1が
乗じられる。また、乗算器5bには、前述の直接音信号SD
RYが入力され、楽音制御回路1から供給される乗算係数
γ2が乗じられる。そして、各乗算結果が、加算器5cに
よって加算され、加算結果が楽音信号として出力され
る。 以下、この楽音合成装置に鍵盤ユニットを接続し、鍵
盤付電子楽器を構成する場合を想定し、動作を説明す
る。鍵盤ユニットにおいて鍵の操作が検知されると、音
高指定のためのキーコード情報KC、音色パラメータTNが
楽音制御回路1から出力され、これらの制御情報に従っ
て、楽音形成回路2における遅延回路2bの遅延時間設
定、フィルタ2cのフィルタ演算用係数の設定が行われ
る。次いで、楽音制御回路1からキーオン信号KEYONが
出力される。この結果、駆動信号発生回路3が駆動さ
れ、上述したように過渡音信号STRNおよび直接音信号SD
RYが各々発生される。 さて、上述の過渡音STRNおよび直接音SDRYの発生に先
立って、楽音制御回路1によって混合回路5における乗
算係数γ1,γ2が設定される。具体的には、ピアノの場
合、高音になる程、過渡音が強調されるので、高音にな
るに従って乗算係数γ1が乗算係数γ2に対して大きく
なるように、各係数が設定される。このようにして、弦
をハンマによって打撃した時の過渡音と弦の振動による
直接音とが音高に応じた比率でバランス良く混合された
自然感に富んだ楽音が発生される。 なお、このように各係数の比率を音高に応じて変える
他、例えば、楽音発生開始当初は乗算係数γ1は大きな
値に,乗算係数γ2は小さな値に設定して過渡音を強調
し、それ以後は時間経過に伴って徐々に乗算係数γ1を
小さな値に、乗算係数γ2は大きな値に変化させるよう
にすると、さらに臨場感に富んだ楽音が発生される。
【第2実施例】 第2図はこの発明の第2実施例によるピアノ音の楽音
合成装置の構成を示すブロック図である。なお、同図に
おいて、上述した第1図と対応する部分には同一の符号
が付してある。 本実施例では、駆動信号発生回路3から出力される衝
撃信号IPと楽音形成回路2から出力される直接音信号SD
RYとを混合する混合回路6を設け、この混合回路6の出
力を共鳴回路4に入力するようにした点が前述の第1実
施例と異なる。ここで、混合回路6には楽音制御回路1a
から乗算係数γ3,γ4が供給され、衝撃音信号IPおよび
直接音SDRYの混合比率が制御される。具体的には、発生
する楽音が高音になる程、乗算係数γ3は大きな値に、
乗算係数γ4は小さな値に設定され、衝撃音信号IPの比
率が大きくなるように制御される。 この楽音合成装置によれば、ハンマによって弦を打撃
した時の衝撃および弦に励起された振動の両方が響板に
伝播することによって得られる共鳴音に相当する信号が
共鳴回路4から出力され、この共鳴回路4の出力信号と
直接音信号SDRYとが混合回路5によって混合されて出力
される。従って、実際の自然楽器において発生されるよ
うな直接音、直接音に対する共鳴音、および過渡音がバ
ランス良く混在した楽音を発生することができる。
合成装置の構成を示すブロック図である。なお、同図に
おいて、上述した第1図と対応する部分には同一の符号
が付してある。 本実施例では、駆動信号発生回路3から出力される衝
撃信号IPと楽音形成回路2から出力される直接音信号SD
RYとを混合する混合回路6を設け、この混合回路6の出
力を共鳴回路4に入力するようにした点が前述の第1実
施例と異なる。ここで、混合回路6には楽音制御回路1a
から乗算係数γ3,γ4が供給され、衝撃音信号IPおよび
直接音SDRYの混合比率が制御される。具体的には、発生
する楽音が高音になる程、乗算係数γ3は大きな値に、
乗算係数γ4は小さな値に設定され、衝撃音信号IPの比
率が大きくなるように制御される。 この楽音合成装置によれば、ハンマによって弦を打撃
した時の衝撃および弦に励起された振動の両方が響板に
伝播することによって得られる共鳴音に相当する信号が
共鳴回路4から出力され、この共鳴回路4の出力信号と
直接音信号SDRYとが混合回路5によって混合されて出力
される。従って、実際の自然楽器において発生されるよ
うな直接音、直接音に対する共鳴音、および過渡音がバ
ランス良く混在した楽音を発生することができる。
第3図は上記第1および第2実施例における駆動信号
発生回路3の別の構成例を示すブロック図である。この
駆動信号発生回路は、ピアノのハンマおよび弦の動作を
忠実にシミュレートしたものである。同図において、遅
延回路21、加算器22、フィルタ23、位相反転回路24、遅
延回路25、加算器26および位相反転回路27によって構成
されるループ回路28は、ピアノの弦の動作をシミュレー
トしたものである。さらに詳述すると、遅延回路21およ
び25は振動が弦を伝播す際の伝播遅延をシミュレートし
たものであり、フィルタ23は振動が弦を伝播する時の減
衰をシミュレートしたものであり、位相反転回路24およ
び27は弦を伝播する振動が固定端において反射される時
の位相反転をシミュレートしたものである。ここで、遅
延回路21および25の遅延時間は打弦する弦の音高に対応
し切り換えられる。また、フィルタ23におけるフィルタ
演算用の係数も弦の音高に応じて切り換えられ、帯域通
過特性が制御される。 そして、位相反転回路27の出力に乗算器28aによって
係数β1が乗じられ、位相反転回路24の出力に乗算器28
bによって乗じられ、各乗算結果が加算器28cによって加
算され、加算結果が衝撃音信号IPとして出力される。こ
こで、係数β1,β2は打弦する弦に対応し切り換えられ
る。すなわち、弦に発生した振動の響板への伝播の仕方
は弦と響板との位置関係によって変わってくるが、この
ように係数β1およびβ2を打弦する弦に対応して切り
換えることにより、各弦の響板との位置関係を考慮して
衝撃音信号IPを発生することができる。 遅延回路21および22の出力信号が加算器29によって加
算され、弦の速度に相当する信号Vs1が出力される。こ
の信号Vs1に乗算器30によって係数admが乗算される。な
お、この係数admについては後述する。 そして、乗算器30の出力信号が加算器31および1サン
プル周期遅延回路32によって構成される積分回路33によ
って積分される。この結果、第4図に示すピアノの弦SP
の基準線REFからの変位に相当する信号xが得られ、信
号xが減算器34に入力される。減算器34のもう一方の入
力端には後述する積分器38から出力されるハンマHMの変
位に相当する信号y(第4図参照)が入力される。そし
て、減算器34から信号yと信号xの差信号y−x、すな
わち、ハンマHMと弦SPとの相対変位に相当する信号が出
力される。ここで、弦SPにハンマHMが食い込んでいる場
合、y−xは正となり、弦SPのハンマHMとの間にはその
食い込み量y−xに応じた反撥力が働く。一方、弦SPの
ハンマHMが軽く触れているだけの状態あるいは弦SPから
ハンマHMが離れている場合、y−xは0あるいは負であ
り、反撥力は0である。ROM35には、弦SPとハンマHMと
の相対変位y−xと弦SPとハンマHMとの間に働く反撥力
Fとの関係を示す非線形関数Bのテーブルが記憶されて
いる。第5図はハンマHMがフェルト等の柔らかい材料で
作られている場合における非線形弦SPにハンマHMが食い
込んでいる場合、y−xは正となり、弦SPとハンマHMと
の間にはその食い込み量y−xに応じた反撥力が働く。
一方、弦SPのハンマHMが軽く触れているだけの状態ある
いは弦SPからハンマHMが離れている場合、y−xは0あ
るいは負であり、反撥力は0である。ROM35には、弦SP
とハンマHMとの相対変位y−xと弦SPとハンマHMとの間
に働く反撥力Fとの関係を示す非線形関数Bのテーブル
が記憶されている。第5図はハンマHMがフェルト等の柔
らかい材料で作られてい場合における非線形関数Bを例
示したものである。同図に示すように、y−xが0また
は負の場合、すなわち、ハンマHMが弦SPを叩いていない
状態では、反撥力Fは0であり、ハンマHMが弦SPを叩く
場合、反撥力Fは相対変位y−xが大きくなるのに緩や
かに大きくなる。なお、ハンマHMが硬い材質の場合は、
y−xに対しFが急峻に立ち上がるように非線形関数B
を設定する。 このようにして、ROM35からその時点におけるハンマH
Mと弦SPとの相対変位y−xに応じた反撥力に相当する
信号Fが得られ、この信号Fに乗算器36によって乗算係
数−1/Mが乗算される。ここで、MはハンマHMの慣性質
量に相当する係数であり、乗算器36からはハンマHMの加
速度に相当する信号αが出力される。この信号αは積分
器37によって積分され、積分器37からハンマHMの速度変
化分に相当する信号βが出力される。そして、この信号
βはハンマHMの初速度に相当する信号V0と共に積分器38
に入力され、積分器38から前述したハンマHMの変位に相
当する信号yが出力される。 一方、ROM35から出力されるハンマHMと弦SPとの反撥
力に相当する信号Fが、ハンマHMによって弦SPに与えら
れる速度変化分として、ループ回路28の加算器22および
26に入力される。本来ならば、反撥力に相当する信号F
に対し、弦SPの速度変化に対する抵抗に相当する係数を
乗じて弦SPの速度変化分を算出し、ループ回路28に入力
するところであるが、本実施例では、上述した乗算係数
admに上記抵抗に相当する係数を含ませている。 以下、この駆動信号発生回路の動作を説明する。打弦
前の状態では、ハンマHMは弦SPから離れており、相対変
位y−xは負の値となっている。また、積分器32,37,38
における1サンプル周期遅延回路はすべて0にリセット
されている。そして、図示してない楽音発生制御回路か
らハンマの初速度に相当する信号V0が出力されると、こ
の信号は積分器38によって積分され、ハンマHMの変位に
相当する信号yが時間経過と共に負から正に向って変化
する。この期間、ハンマHMと弦SPとは離れていて相対変
位y−xは負の値となっており、第5図に示すように信
号Fは0であるため、積分器37の出力βは0である。従
って、積分器38では初速度V0のみが積分され、ハンマの
位置に対応した積分値yは負から正、すなわち、弦SPに
近づく方向に次第に変化する。 そして、ハンマHMが弦SPに衝突し、相対変位y−xが
0を越えて正の値になると、ROM35から相対変位y−x
に応じた大きさの反撥力に相当する信号Fが出力され
る。そして、上述したように、この信号Fに係数−1/M
が乗じられてハンマHMの加速度に相当する信号α(負の
値)が演算され、さらに信号αが積分されて速度変化分
に相当する信号βが求められる。ここで、信号βは負の
値となるので、積分器38では、初速度V0が信号βの分だ
け減速されて、積分が行われるので、ハンマHMの変位y
の増加の時間的変化は徐々に鈍くなる。また、この期
間、ハンマHMの変位yは正方向に増加するが、相対変位
y−xが増加するため第5図の矢印F1に示すように、ハ
ンマHMが弦SPから受ける反撥力Fは徐々に増大する。従
って、加速度αおよび速度変化分βは負の方向に大きく
なる。そして、信号βの大きさが初速度V0を越え、ハン
マHMの速度の方向が弦SPから離れる方向に逆転すると、
yは負の方向に変化する。そして、ハンマHMと弦SPの相
対変位y−xは徐々に小さくなり、ハンマHMが弦SPから
受ける反撥力に相当する信号Fは徐々に小さくなる(矢
印F2)。そして、相対変位y−x<0、すなわち、ハン
マHMが、弦SPから離れ、弦SPの弾性特性から解放された
状態となって打弦動作が終了する。このようして打弦動
作時における弦SPの反撥力に相当する信号Fが演算さ
れ、この信号FがハンマHMの弦SPの速度変化へ寄与分と
してループ回路28に入力される。このようにして、ルー
プ回路28内に、弦SPの速度変化を付与する信号が励振信
号として与えられ、同回路内を循環し、フィルタ23によ
って除々に減衰される。そして、ループ回路28における
位相反転回路27および24の出力に基づいて衝撃音信号IP
が発生される。 この駆動信号発生回路によれば、ピアノの弦をハンマ
で叩いた時に弦に発生する衝撃を忠実に現した衝撃音信
号IPが得られる。従って、この駆動信号発生回路を上記
第1および第2実施例に示した楽音合成装置に適用する
ことにより、さらに実現のピアノ音を忠実に再現するこ
とができる。なお、この駆動信号発生回路の場合、ルー
プ回路28を循環する信号としてピアノの弦の振動に対応
した直接音信号が得られるので、この駆動信号発生回路
を上記第1および第2実施例に適用する場合は、楽音形
成回路2を省略することができる。
発生回路3の別の構成例を示すブロック図である。この
駆動信号発生回路は、ピアノのハンマおよび弦の動作を
忠実にシミュレートしたものである。同図において、遅
延回路21、加算器22、フィルタ23、位相反転回路24、遅
延回路25、加算器26および位相反転回路27によって構成
されるループ回路28は、ピアノの弦の動作をシミュレー
トしたものである。さらに詳述すると、遅延回路21およ
び25は振動が弦を伝播す際の伝播遅延をシミュレートし
たものであり、フィルタ23は振動が弦を伝播する時の減
衰をシミュレートしたものであり、位相反転回路24およ
び27は弦を伝播する振動が固定端において反射される時
の位相反転をシミュレートしたものである。ここで、遅
延回路21および25の遅延時間は打弦する弦の音高に対応
し切り換えられる。また、フィルタ23におけるフィルタ
演算用の係数も弦の音高に応じて切り換えられ、帯域通
過特性が制御される。 そして、位相反転回路27の出力に乗算器28aによって
係数β1が乗じられ、位相反転回路24の出力に乗算器28
bによって乗じられ、各乗算結果が加算器28cによって加
算され、加算結果が衝撃音信号IPとして出力される。こ
こで、係数β1,β2は打弦する弦に対応し切り換えられ
る。すなわち、弦に発生した振動の響板への伝播の仕方
は弦と響板との位置関係によって変わってくるが、この
ように係数β1およびβ2を打弦する弦に対応して切り
換えることにより、各弦の響板との位置関係を考慮して
衝撃音信号IPを発生することができる。 遅延回路21および22の出力信号が加算器29によって加
算され、弦の速度に相当する信号Vs1が出力される。こ
の信号Vs1に乗算器30によって係数admが乗算される。な
お、この係数admについては後述する。 そして、乗算器30の出力信号が加算器31および1サン
プル周期遅延回路32によって構成される積分回路33によ
って積分される。この結果、第4図に示すピアノの弦SP
の基準線REFからの変位に相当する信号xが得られ、信
号xが減算器34に入力される。減算器34のもう一方の入
力端には後述する積分器38から出力されるハンマHMの変
位に相当する信号y(第4図参照)が入力される。そし
て、減算器34から信号yと信号xの差信号y−x、すな
わち、ハンマHMと弦SPとの相対変位に相当する信号が出
力される。ここで、弦SPにハンマHMが食い込んでいる場
合、y−xは正となり、弦SPのハンマHMとの間にはその
食い込み量y−xに応じた反撥力が働く。一方、弦SPの
ハンマHMが軽く触れているだけの状態あるいは弦SPから
ハンマHMが離れている場合、y−xは0あるいは負であ
り、反撥力は0である。ROM35には、弦SPとハンマHMと
の相対変位y−xと弦SPとハンマHMとの間に働く反撥力
Fとの関係を示す非線形関数Bのテーブルが記憶されて
いる。第5図はハンマHMがフェルト等の柔らかい材料で
作られている場合における非線形弦SPにハンマHMが食い
込んでいる場合、y−xは正となり、弦SPとハンマHMと
の間にはその食い込み量y−xに応じた反撥力が働く。
一方、弦SPのハンマHMが軽く触れているだけの状態ある
いは弦SPからハンマHMが離れている場合、y−xは0あ
るいは負であり、反撥力は0である。ROM35には、弦SP
とハンマHMとの相対変位y−xと弦SPとハンマHMとの間
に働く反撥力Fとの関係を示す非線形関数Bのテーブル
が記憶されている。第5図はハンマHMがフェルト等の柔
らかい材料で作られてい場合における非線形関数Bを例
示したものである。同図に示すように、y−xが0また
は負の場合、すなわち、ハンマHMが弦SPを叩いていない
状態では、反撥力Fは0であり、ハンマHMが弦SPを叩く
場合、反撥力Fは相対変位y−xが大きくなるのに緩や
かに大きくなる。なお、ハンマHMが硬い材質の場合は、
y−xに対しFが急峻に立ち上がるように非線形関数B
を設定する。 このようにして、ROM35からその時点におけるハンマH
Mと弦SPとの相対変位y−xに応じた反撥力に相当する
信号Fが得られ、この信号Fに乗算器36によって乗算係
数−1/Mが乗算される。ここで、MはハンマHMの慣性質
量に相当する係数であり、乗算器36からはハンマHMの加
速度に相当する信号αが出力される。この信号αは積分
器37によって積分され、積分器37からハンマHMの速度変
化分に相当する信号βが出力される。そして、この信号
βはハンマHMの初速度に相当する信号V0と共に積分器38
に入力され、積分器38から前述したハンマHMの変位に相
当する信号yが出力される。 一方、ROM35から出力されるハンマHMと弦SPとの反撥
力に相当する信号Fが、ハンマHMによって弦SPに与えら
れる速度変化分として、ループ回路28の加算器22および
26に入力される。本来ならば、反撥力に相当する信号F
に対し、弦SPの速度変化に対する抵抗に相当する係数を
乗じて弦SPの速度変化分を算出し、ループ回路28に入力
するところであるが、本実施例では、上述した乗算係数
admに上記抵抗に相当する係数を含ませている。 以下、この駆動信号発生回路の動作を説明する。打弦
前の状態では、ハンマHMは弦SPから離れており、相対変
位y−xは負の値となっている。また、積分器32,37,38
における1サンプル周期遅延回路はすべて0にリセット
されている。そして、図示してない楽音発生制御回路か
らハンマの初速度に相当する信号V0が出力されると、こ
の信号は積分器38によって積分され、ハンマHMの変位に
相当する信号yが時間経過と共に負から正に向って変化
する。この期間、ハンマHMと弦SPとは離れていて相対変
位y−xは負の値となっており、第5図に示すように信
号Fは0であるため、積分器37の出力βは0である。従
って、積分器38では初速度V0のみが積分され、ハンマの
位置に対応した積分値yは負から正、すなわち、弦SPに
近づく方向に次第に変化する。 そして、ハンマHMが弦SPに衝突し、相対変位y−xが
0を越えて正の値になると、ROM35から相対変位y−x
に応じた大きさの反撥力に相当する信号Fが出力され
る。そして、上述したように、この信号Fに係数−1/M
が乗じられてハンマHMの加速度に相当する信号α(負の
値)が演算され、さらに信号αが積分されて速度変化分
に相当する信号βが求められる。ここで、信号βは負の
値となるので、積分器38では、初速度V0が信号βの分だ
け減速されて、積分が行われるので、ハンマHMの変位y
の増加の時間的変化は徐々に鈍くなる。また、この期
間、ハンマHMの変位yは正方向に増加するが、相対変位
y−xが増加するため第5図の矢印F1に示すように、ハ
ンマHMが弦SPから受ける反撥力Fは徐々に増大する。従
って、加速度αおよび速度変化分βは負の方向に大きく
なる。そして、信号βの大きさが初速度V0を越え、ハン
マHMの速度の方向が弦SPから離れる方向に逆転すると、
yは負の方向に変化する。そして、ハンマHMと弦SPの相
対変位y−xは徐々に小さくなり、ハンマHMが弦SPから
受ける反撥力に相当する信号Fは徐々に小さくなる(矢
印F2)。そして、相対変位y−x<0、すなわち、ハン
マHMが、弦SPから離れ、弦SPの弾性特性から解放された
状態となって打弦動作が終了する。このようして打弦動
作時における弦SPの反撥力に相当する信号Fが演算さ
れ、この信号FがハンマHMの弦SPの速度変化へ寄与分と
してループ回路28に入力される。このようにして、ルー
プ回路28内に、弦SPの速度変化を付与する信号が励振信
号として与えられ、同回路内を循環し、フィルタ23によ
って除々に減衰される。そして、ループ回路28における
位相反転回路27および24の出力に基づいて衝撃音信号IP
が発生される。 この駆動信号発生回路によれば、ピアノの弦をハンマ
で叩いた時に弦に発生する衝撃を忠実に現した衝撃音信
号IPが得られる。従って、この駆動信号発生回路を上記
第1および第2実施例に示した楽音合成装置に適用する
ことにより、さらに実現のピアノ音を忠実に再現するこ
とができる。なお、この駆動信号発生回路の場合、ルー
プ回路28を循環する信号としてピアノの弦の振動に対応
した直接音信号が得られるので、この駆動信号発生回路
を上記第1および第2実施例に適用する場合は、楽音形
成回路2を省略することができる。
第6図は上記第1および第2実施例における共鳴回路
4の構成例を示すブロック図である。ただし、第6図の
共鳴回路はステレオ再生への対応を考慮し、左チャネル
用出力Lおよび右チャネル出力Rを有する構成となって
いる。従って、この共鳴回路を上記第1および第2実施
例に適用する場合、左チャネル用出力Lおよび右チャネ
ル用出力Rの各々に対応し、ドライ信号との混合を行う
混合回路を設けるか、または、左右どちらか一方のチャ
ネル出力を使用する。 この共鳴回路は、第6図に示すように、乗算器61〜6
4、閉ループ回路71〜74、加算器81,82、オールパスフィ
ルタ91,92からなる。閉ループ回路71〜74は、ピアノの
響板の共振特性をシミュレートしたものであり、各閉ル
ープ回路71〜74は、各々、異なった共振特性を有してい
る。従って、この共鳴回路は、各閉ループ回路71〜74の
1次の共振周波数および2次、3次、…といった高次の
共振周波数の各々を共振周波数として有する。 閉ループ回路71は、加算器171、遅延回路172、オール
パスフィルタ173およびよく知られたローパスフィルタ1
74によって構成される。ここで、オールパスフィルタ17
3の位相遅延は周波数に応じて変化するようになってお
り、閉ループ回路71において、高次の共振周波数が1次
の共振周波数の整数倍とならない非調和な倍音構造を有
する共振特性が得られる。そして、バッファ61を介して
閉ループ回路71に信号が入力されると、入力信号の中か
ら、上記非調和な各共振周波数成分が選択され、ローパ
スフィルタ174によって減衰されながら、閉ループ内を
循環する。なお、このようなオールパスフィルタを用い
た閉ループ回路の共振特性については、例えば特公昭56
−28274号公報に開示されている。 そして、閉ループ回路71を循環する信号が、遅延回路
172における遅延時間の異なった各遅延出力端から取り
出され、各々、バッファ172aおよび172bを介し、加算器
81および82に供給される。他の閉ループ回路72〜74も、
同様の構成となっており、各々から遅延位相の異なった
2組の信号が出力され、加算器81および82に各々入力さ
れる。そして、加算器81および82の各出力信号はオール
パスフィルタ91および92を各々介し、左チャネル用出力
信号L、右チャネル用出力信号Rとして出力される。な
お、オールパスフィルタ173、91および92としては、従
来公知の第7図(a)〜(d)に示す構成のものを使用
する。 この共鳴回路によれば、各閉ループ回路71〜74は、1
次の共振周波数が各々異なるのに加え、各共振特性が非
調和であるため、実際のピアノの響板が有する非常に多
くの共振周波数を実現することができる。また、各閉ル
ープ回路71〜74から位相の異なった2組の信号を取り出
し、各々を左チャネル用出力Lおよび右チャネル用出力
Rとして出力するようにしているので、入力信号に対
し、残響効果が付与され、幅の広い楽音が発生される。 なお、上述した実施例では、直接音に対する共鳴音と
過渡音を共通の共鳴回路4によって発生するようにした
が、各々、別の共鳴回路で発生するようにしてもよい。
また、上述した実施例では、ピアノ音を合成する場合を
例に説明したが、同様の構成により、ギター等の撥弦楽
器の他、多くの種類の自然楽器の楽音合成を行うことが
できる。また、ギターの楽音合成装置の構成する場合、
上記実施例における共鳴回路4に箱を直接叩く時の衝撃
に相当する信号を入力するようにしてもよい。このよう
にすると、例えばフラメンコギター演奏において、ギタ
ーの胴などを叩くことによって発生される過渡音を発生
することができる。また、この楽音合成装置によれば、
例えば、ピアノの共鳴器として、響板の変わりにギター
の箱を接続した場合の楽音等、自然楽器では発生し得な
い音を発生するといった応用が可能である。また、この
楽音合成装置は、上述したようなデジタル回路に限ら
ず、アナログ回路によって実現することも可能であり、
DSP(デジタル信号プロセッサ)による演算処理によっ
て実現することも勿論可能である。 「発明の効果」 以上説明したように、この発明によれば、演奏情報に
対応した駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、前記
駆動信号に対する共鳴音信号を発生する共鳴手段と、前
記駆動信号に対し演奏情報に対応した信号処理を施し、
楽音信号を発生する楽音形成手段と、前記共鳴手段の出
力信号と楽音形成手段から出力される楽音信号とを演奏
情報に応じて混合し出力する出力手段とを設けたので、
楽器の演奏時に発生される過渡音を含んだ自然感に富ん
だ楽音を容易に発生することができるという効果が得ら
れる。
4の構成例を示すブロック図である。ただし、第6図の
共鳴回路はステレオ再生への対応を考慮し、左チャネル
用出力Lおよび右チャネル出力Rを有する構成となって
いる。従って、この共鳴回路を上記第1および第2実施
例に適用する場合、左チャネル用出力Lおよび右チャネ
ル用出力Rの各々に対応し、ドライ信号との混合を行う
混合回路を設けるか、または、左右どちらか一方のチャ
ネル出力を使用する。 この共鳴回路は、第6図に示すように、乗算器61〜6
4、閉ループ回路71〜74、加算器81,82、オールパスフィ
ルタ91,92からなる。閉ループ回路71〜74は、ピアノの
響板の共振特性をシミュレートしたものであり、各閉ル
ープ回路71〜74は、各々、異なった共振特性を有してい
る。従って、この共鳴回路は、各閉ループ回路71〜74の
1次の共振周波数および2次、3次、…といった高次の
共振周波数の各々を共振周波数として有する。 閉ループ回路71は、加算器171、遅延回路172、オール
パスフィルタ173およびよく知られたローパスフィルタ1
74によって構成される。ここで、オールパスフィルタ17
3の位相遅延は周波数に応じて変化するようになってお
り、閉ループ回路71において、高次の共振周波数が1次
の共振周波数の整数倍とならない非調和な倍音構造を有
する共振特性が得られる。そして、バッファ61を介して
閉ループ回路71に信号が入力されると、入力信号の中か
ら、上記非調和な各共振周波数成分が選択され、ローパ
スフィルタ174によって減衰されながら、閉ループ内を
循環する。なお、このようなオールパスフィルタを用い
た閉ループ回路の共振特性については、例えば特公昭56
−28274号公報に開示されている。 そして、閉ループ回路71を循環する信号が、遅延回路
172における遅延時間の異なった各遅延出力端から取り
出され、各々、バッファ172aおよび172bを介し、加算器
81および82に供給される。他の閉ループ回路72〜74も、
同様の構成となっており、各々から遅延位相の異なった
2組の信号が出力され、加算器81および82に各々入力さ
れる。そして、加算器81および82の各出力信号はオール
パスフィルタ91および92を各々介し、左チャネル用出力
信号L、右チャネル用出力信号Rとして出力される。な
お、オールパスフィルタ173、91および92としては、従
来公知の第7図(a)〜(d)に示す構成のものを使用
する。 この共鳴回路によれば、各閉ループ回路71〜74は、1
次の共振周波数が各々異なるのに加え、各共振特性が非
調和であるため、実際のピアノの響板が有する非常に多
くの共振周波数を実現することができる。また、各閉ル
ープ回路71〜74から位相の異なった2組の信号を取り出
し、各々を左チャネル用出力Lおよび右チャネル用出力
Rとして出力するようにしているので、入力信号に対
し、残響効果が付与され、幅の広い楽音が発生される。 なお、上述した実施例では、直接音に対する共鳴音と
過渡音を共通の共鳴回路4によって発生するようにした
が、各々、別の共鳴回路で発生するようにしてもよい。
また、上述した実施例では、ピアノ音を合成する場合を
例に説明したが、同様の構成により、ギター等の撥弦楽
器の他、多くの種類の自然楽器の楽音合成を行うことが
できる。また、ギターの楽音合成装置の構成する場合、
上記実施例における共鳴回路4に箱を直接叩く時の衝撃
に相当する信号を入力するようにしてもよい。このよう
にすると、例えばフラメンコギター演奏において、ギタ
ーの胴などを叩くことによって発生される過渡音を発生
することができる。また、この楽音合成装置によれば、
例えば、ピアノの共鳴器として、響板の変わりにギター
の箱を接続した場合の楽音等、自然楽器では発生し得な
い音を発生するといった応用が可能である。また、この
楽音合成装置は、上述したようなデジタル回路に限ら
ず、アナログ回路によって実現することも可能であり、
DSP(デジタル信号プロセッサ)による演算処理によっ
て実現することも勿論可能である。 「発明の効果」 以上説明したように、この発明によれば、演奏情報に
対応した駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、前記
駆動信号に対する共鳴音信号を発生する共鳴手段と、前
記駆動信号に対し演奏情報に対応した信号処理を施し、
楽音信号を発生する楽音形成手段と、前記共鳴手段の出
力信号と楽音形成手段から出力される楽音信号とを演奏
情報に応じて混合し出力する出力手段とを設けたので、
楽器の演奏時に発生される過渡音を含んだ自然感に富ん
だ楽音を容易に発生することができるという効果が得ら
れる。
第1図はこの発明の第1実施例による楽音合成装置の構
成を示すブロック図、第2図はこの発明の第2実施例に
よる楽音合成装置の構成を示すブロック図、第3図は上
記第1および第2実施例における駆動信号発生回路の構
成例を示すブロック図、第4図はピアノの弦とハンマと
を例示した図、第5図は第3図におけるROM35に記憶さ
れた非線形関数Bを例示した図、第6図は上記第1およ
び第2実施例において用いる共鳴回路の構成例を示すブ
ロック図、第7図は第6図の共鳴回路において用いるオ
ールパスフィルタの構成例を示すブロック図である。 1……楽音制御回路、2……楽音形成回路、3……駆動
信号発生回路、4……共鳴回路、5……混合回路。
成を示すブロック図、第2図はこの発明の第2実施例に
よる楽音合成装置の構成を示すブロック図、第3図は上
記第1および第2実施例における駆動信号発生回路の構
成例を示すブロック図、第4図はピアノの弦とハンマと
を例示した図、第5図は第3図におけるROM35に記憶さ
れた非線形関数Bを例示した図、第6図は上記第1およ
び第2実施例において用いる共鳴回路の構成例を示すブ
ロック図、第7図は第6図の共鳴回路において用いるオ
ールパスフィルタの構成例を示すブロック図である。 1……楽音制御回路、2……楽音形成回路、3……駆動
信号発生回路、4……共鳴回路、5……混合回路。
Claims (1)
- 【請求項1】演奏情報に対応した駆動信号を発生する駆
動信号発生手段と、 前記駆動信号に対する共鳴音信号を発生する共鳴手段
と、 前記駆動信号に対して前記演奏情報に対応した信号処理
を施し、楽音信号を形成する楽音形成手段と、 前記共鳴手段の出力信号と楽音形成手段から出力される
楽音信号とを演奏情報に応じて混合し出力する出力手段
と を具備することを特徴とする楽音合成装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1245678A JP2782836B2 (ja) | 1989-09-21 | 1989-09-21 | 楽音合成装置 |
US07/581,310 US5256830A (en) | 1989-09-11 | 1990-09-11 | Musical tone synthesizing apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1245678A JP2782836B2 (ja) | 1989-09-21 | 1989-09-21 | 楽音合成装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03107898A JPH03107898A (ja) | 1991-05-08 |
JP2782836B2 true JP2782836B2 (ja) | 1998-08-06 |
Family
ID=17137186
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1245678A Expired - Lifetime JP2782836B2 (ja) | 1989-09-11 | 1989-09-21 | 楽音合成装置 |
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JP (1) | JP2782836B2 (ja) |
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1989
- 1989-09-21 JP JP1245678A patent/JP2782836B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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