JP2780120B2 - 硬化型リン酸カルシウム系歯科用組成物 - Google Patents
硬化型リン酸カルシウム系歯科用組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は歯科臨床治療分野、ことに歯内療法分野にお
ける根管充填材料として用いる硬化型リン酸カルシウム
系歯科用組成物に関する。
ける根管充填材料として用いる硬化型リン酸カルシウム
系歯科用組成物に関する。
従来の技術 リン酸カルシウム系組成物は、生体親和性に優れてい
ることから、歯科および医科治療において近年その利用
が富に増加している。なかでも合成ハイドロキシアパタ
イト、α型リン酸三カルシウム、β型リン酸三カルシウ
ム、リン酸四カルシウム、リン酸八カルシウム等は生体
硬組織に極めて近似しており、生体親和性への寄与の高
いことで知られている。
ることから、歯科および医科治療において近年その利用
が富に増加している。なかでも合成ハイドロキシアパタ
イト、α型リン酸三カルシウム、β型リン酸三カルシウ
ム、リン酸四カルシウム、リン酸八カルシウム等は生体
硬組織に極めて近似しており、生体親和性への寄与の高
いことで知られている。
これらのリン酸カルシウム系組成物は、それぞれ異な
る生物学的特性を備えているが、単味で粉末状、顆粒
状、焼結体として、あるいは1〜数種の他の無機物質と
の複合結晶化ガラス体として、骨補てん、空隙触補て
ん、人工関節、人工骨、人工歯根等のインプラント系材
料に用いられていることは公知であり、口腔外科領域や
歯周治療領域では実用段階へ入ったといえる。
る生物学的特性を備えているが、単味で粉末状、顆粒
状、焼結体として、あるいは1〜数種の他の無機物質と
の複合結晶化ガラス体として、骨補てん、空隙触補て
ん、人工関節、人工骨、人工歯根等のインプラント系材
料に用いられていることは公知であり、口腔外科領域や
歯周治療領域では実用段階へ入ったといえる。
ところで、歯科保存領域におけるこれらのリン酸カル
シウム系組成物の利用は、根管充填材料、裏層・覆罩材
料、セメント系材料、窩洞修復材料等としての可能性を
持ち合わせているが、それぞれの利用分野において所期
の目的を達成するには、材料学的性能、生物学的要求、
臨床的実用性等を満たさなければならない。
シウム系組成物の利用は、根管充填材料、裏層・覆罩材
料、セメント系材料、窩洞修復材料等としての可能性を
持ち合わせているが、それぞれの利用分野において所期
の目的を達成するには、材料学的性能、生物学的要求、
臨床的実用性等を満たさなければならない。
発明が解決しようとする課題 リン酸カルシウム系組成物を、硬化剤(液剤)と混和
錬成して応用する技術に関しては各種の提案がなされて
おり、その一部は既に実用化され始めているものの、多
くの問題を残していることも事実である。
錬成して応用する技術に関しては各種の提案がなされて
おり、その一部は既に実用化され始めているものの、多
くの問題を残していることも事実である。
α型リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウム等は、
ポリカルボン酸系水溶液、その他の有機及び無機酸系水
溶液等との硬化反応性を有していることから、いち早く
着目され技術的応用に着手されているが、次の全ての要
求事項[1]〜[4]を完全に解決してはいない。
ポリカルボン酸系水溶液、その他の有機及び無機酸系水
溶液等との硬化反応性を有していることから、いち早く
着目され技術的応用に着手されているが、次の全ての要
求事項[1]〜[4]を完全に解決してはいない。
[1]まず第一に、α型リン酸三カルシウム、リン酸四
カルシウム等は、本来生体内吸収性(bio−digradabl
e)材料であることから、水和反応等によりハイドロキ
シアパタイトへの転化が完全になされない限り、硬化後
も有芯組織構造体となり次第に崩壊する過程をたどる場
合が多い。
カルシウム等は、本来生体内吸収性(bio−digradabl
e)材料であることから、水和反応等によりハイドロキ
シアパタイトへの転化が完全になされない限り、硬化後
も有芯組織構造体となり次第に崩壊する過程をたどる場
合が多い。
[2]第二に、α型リン酸三カルシウム、リン酸四カル
シウムは、有機酸との反応硬化時に、あるいは硬化体と
なった後に、寸法変化が負の方向に発生することであ
る。つまり体積収縮するのである。この現象は生体組織
との間隙を作るため、治療後に種々の弊害を及ぼす大き
な要因となる。
シウムは、有機酸との反応硬化時に、あるいは硬化体と
なった後に、寸法変化が負の方向に発生することであ
る。つまり体積収縮するのである。この現象は生体組織
との間隙を作るため、治療後に種々の弊害を及ぼす大き
な要因となる。
[3]第三に、硬化液は酸性であることから、当然のこ
とながら低いpH値すなわち酸性が生体組織に及ぼす影響
を無視できなくなる。
とながら低いpH値すなわち酸性が生体組織に及ぼす影響
を無視できなくなる。
[4]第四に、臨床実用性の面からは、適度の流動性を
一定時間(好ましくは10分以上)保てず、すぐに硬化し
てしまうので、良好な操作性を付与させ難い点である。
一定時間(好ましくは10分以上)保てず、すぐに硬化し
てしまうので、良好な操作性を付与させ難い点である。
発明の目的 本発明はこれら4つの未解決の問題点を全て考慮し、
優れた硬化型リン酸カルシウム系歯科用組成物を、特に
歯内療法分野へ提供することを目的としたものである。
優れた硬化型リン酸カルシウム系歯科用組成物を、特に
歯内療法分野へ提供することを目的としたものである。
発明の要旨 この発明は特許請求の範囲に記載の硬化型リン酸カル
シウム系歯科用組成物を要旨としている。
シウム系歯科用組成物を要旨としている。
課題を解決するための手段 α型リン酸三カルシウムを粉剤の主成分として用いる
場合、前記の要求事項[1]〜[4]を同時に満足させ
るためには様々な制約を伴う。α型リン酸三カルシウム
を粉剤の主成分とする場合に、たとえば根管充填材料と
して用いるための条件の一つに機械的強度があげられ
る。臨床例によっては糊材充填として、非硬化性組成物
をそのまま空隙に応用する場合もある。通例としては、
抜髄後の根管内は気密に充てんされなければならないた
め、ガッタパーチャポイントを併用した応用がなされ
る。
場合、前記の要求事項[1]〜[4]を同時に満足させ
るためには様々な制約を伴う。α型リン酸三カルシウム
を粉剤の主成分とする場合に、たとえば根管充填材料と
して用いるための条件の一つに機械的強度があげられ
る。臨床例によっては糊材充填として、非硬化性組成物
をそのまま空隙に応用する場合もある。通例としては、
抜髄後の根管内は気密に充てんされなければならないた
め、ガッタパーチャポイントを併用した応用がなされ
る。
しかしながら再治療の可能性もあり、組成物除去の必
要が生じた場合、強度的にあまりにも高すぎるものは生
体組織への影響も大であり、その犠牲は無視できない。
従って硬化性材料としての基本が備わっておれば臨床的
には十分である。すなわち組成物は、硬化するものであ
って、硬化後は崩壊しなければ良く、圧縮強度、硬さ等
の物性は、歯髄腔内生体強度を超える性能を有していな
くて良いということである。
要が生じた場合、強度的にあまりにも高すぎるものは生
体組織への影響も大であり、その犠牲は無視できない。
従って硬化性材料としての基本が備わっておれば臨床的
には十分である。すなわち組成物は、硬化するものであ
って、硬化後は崩壊しなければ良く、圧縮強度、硬さ等
の物性は、歯髄腔内生体強度を超える性能を有していな
くて良いということである。
先に問題点として指摘した[1]〜[4]の4つの事
項のいくつかは、一般的に機械的強度の上昇と比例して
解決し得るものもあることから、諸物性改善の為にだけ
高強度を求める場合があるが、その必要はないと言え
る。
項のいくつかは、一般的に機械的強度の上昇と比例して
解決し得るものもあることから、諸物性改善の為にだけ
高強度を求める場合があるが、その必要はないと言え
る。
[液剤] 本発明では、硬化用の液剤組成を、各種歯科用セグメ
ントノ液剤として広く用いられている公知成分である不
飽和カルボン酸の単独重合体もしくは2種以上の不飽和
カルボン酸の共重合体を主成分とする水溶性有機酸系の
水溶液(液剤)とし、不飽和カルボン酸の単独重合体も
しくは2種以上の不飽和カルボン酸の共重合体であるこ
の固形分を液剤総重量に対して10〜30重量%とした。
ントノ液剤として広く用いられている公知成分である不
飽和カルボン酸の単独重合体もしくは2種以上の不飽和
カルボン酸の共重合体を主成分とする水溶性有機酸系の
水溶液(液剤)とし、不飽和カルボン酸の単独重合体も
しくは2種以上の不飽和カルボン酸の共重合体であるこ
の固形分を液剤総重量に対して10〜30重量%とした。
従来の公知技術の多くは液剤における固形分の濃度を
重要視しておらず、明確な理由に基ずいて濃度設定がな
されていないか、あるいは機械的強度を高める目的で30
重量%以上を設定値としている。
重要視しておらず、明確な理由に基ずいて濃度設定がな
されていないか、あるいは機械的強度を高める目的で30
重量%以上を設定値としている。
しかしながら、30重量%以上の濃度では一般に液剤粘
性が高くなり練和物の稠度(フロー値)が下がり、反応
時間が速く、操作上好ましくない。
性が高くなり練和物の稠度(フロー値)が下がり、反応
時間が速く、操作上好ましくない。
他方、30重量%以下の濃度では液剤の粘性は低くな
り、機械的強度は劣るものの、練和物の稠度(フロー
値)が上がり、反応時間も長くなり、臨床実用性が高ま
る。
り、機械的強度は劣るものの、練和物の稠度(フロー
値)が上がり、反応時間も長くなり、臨床実用性が高ま
る。
ここで注目しなければならないことは、α型リン酸三
カルシウムに対してはある一定濃度以下になると逆に反
応時間が速まり、不飽和カルボン酸の単独重合体もしく
は2種以上の不飽和カルボン酸の共重合体の種類とその
重合度によって異なるが、10重量%以下では確実に粉剤
と液剤の混和と同時に反応が開始され操作時間を獲得す
ることが不可能になる。
カルシウムに対してはある一定濃度以下になると逆に反
応時間が速まり、不飽和カルボン酸の単独重合体もしく
は2種以上の不飽和カルボン酸の共重合体の種類とその
重合度によって異なるが、10重量%以下では確実に粉剤
と液剤の混和と同時に反応が開始され操作時間を獲得す
ることが不可能になる。
従ってこの操作時間を獲得する要件を満足させる目的
からは、できるだけ低い濃度側で、しかも混和と同時に
反応の発生をしない限界濃度近くが最適となる。なお、
0重量%すなわち水もしくは微量の有機酸、無機酸類添
加水溶液との混和物は、反応機構が全く異なるため、上
記の現象は発生しない。
からは、できるだけ低い濃度側で、しかも混和と同時に
反応の発生をしない限界濃度近くが最適となる。なお、
0重量%すなわち水もしくは微量の有機酸、無機酸類添
加水溶液との混和物は、反応機構が全く異なるため、上
記の現象は発生しない。
従って濃度は10〜30重量%とし、好ましくは18〜27重
量%が適切である。
量%が適切である。
不飽和カルボン酸の単独重合体の例としてアクリル
酸、フマル酸、マレイン酸,イタコン酸等が挙げられる
が、アクリル酸と他の1種もしくは2種以上との共重合
体とすることが望ましい。これらの平均重合度は特に規
定しないが、10000以上を平均分子量とするものが好ま
しい。
酸、フマル酸、マレイン酸,イタコン酸等が挙げられる
が、アクリル酸と他の1種もしくは2種以上との共重合
体とすることが望ましい。これらの平均重合度は特に規
定しないが、10000以上を平均分子量とするものが好ま
しい。
また、添加剤として少量の水溶性有機酸、例えばクエ
ン酸、リンゴ酸、酢酸、乳酸、グリコール酸、酒石酸等
を諸物性調節の目的で、加えることもできる。
ン酸、リンゴ酸、酢酸、乳酸、グリコール酸、酒石酸等
を諸物性調節の目的で、加えることもできる。
この液剤を硬化液として用いることにより、操作上の
部分的改善を図ることが可能となるが、公知技術のα型
リン酸三カルシウム組成物をそのまま粉剤とした場合に
は、崩壊率、寸法変化、pHの諸特性は十分とはいえない
し、機械的強度も高くなりすぎる場合もあり、操作時間
10分間以上の要求を満足させることはまだできない。
部分的改善を図ることが可能となるが、公知技術のα型
リン酸三カルシウム組成物をそのまま粉剤とした場合に
は、崩壊率、寸法変化、pHの諸特性は十分とはいえない
し、機械的強度も高くなりすぎる場合もあり、操作時間
10分間以上の要求を満足させることはまだできない。
[粉剤] 本発明はα型リン酸三カルシウムを主成分とするリン
酸カルシウム化合物系粉末(粉剤)に、水酸化カルシウ
ム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネ
シウム、水溶性フッ化物の1種もしくは2種以上の合計
を、粉剤総重量に対して1〜15重量%添加することによ
り前記要求事項を解決した粉剤としたものである。しか
も、水溶性フッ化物は、単独又は混合の形で必ず添加す
る。
酸カルシウム化合物系粉末(粉剤)に、水酸化カルシウ
ム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネ
シウム、水溶性フッ化物の1種もしくは2種以上の合計
を、粉剤総重量に対して1〜15重量%添加することによ
り前記要求事項を解決した粉剤としたものである。しか
も、水溶性フッ化物は、単独又は混合の形で必ず添加す
る。
α型リン酸三カルシウム−ポリカルボン酸系組成物で
は、従来技術による崩壊率は4%以上を示し、寸法変化
率は負の値を示し、初期pH(24時間以内)は4.0〜6.0で
ある。
は、従来技術による崩壊率は4%以上を示し、寸法変化
率は負の値を示し、初期pH(24時間以内)は4.0〜6.0で
ある。
この低いpH値が生体組織に及ぼす影響を無視できない
ため、中性領域へのすみやかな移行を可能とするために
は、pH緩衝剤、塩基性添加剤等を含有させる方法が一般
に採用される。水酸化カルシウム、酸化カルシウム等の
カルシウム化合物は単味で歯科治療剤として用いられる
こともあり、Ca供給源としても好ましく、Ca/P値(Ca/P
モル比、αTCP=1.5、HAP=1.67)をより生体硬化組織
へ近ずけることにもつながる為、添加剤としての利用価
値は高いものである。添加量は粉剤総重量に対して約4.
7重量%を越えると中性域値となる。
ため、中性領域へのすみやかな移行を可能とするために
は、pH緩衝剤、塩基性添加剤等を含有させる方法が一般
に採用される。水酸化カルシウム、酸化カルシウム等の
カルシウム化合物は単味で歯科治療剤として用いられる
こともあり、Ca供給源としても好ましく、Ca/P値(Ca/P
モル比、αTCP=1.5、HAP=1.67)をより生体硬化組織
へ近ずけることにもつながる為、添加剤としての利用価
値は高いものである。添加量は粉剤総重量に対して約4.
7重量%を越えると中性域値となる。
また水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム等のマグ
ネシウム化合物もpH改善剤として極めて有効で、その効
果は水酸化カルシウム、酸化カルシウムより優る。添加
量は粉剤総重量に対して約3.3重量%を越えると中性域
値となる。しかしながらマグネシウム化合物は、本来α
型リン酸三カルシウムに対しては反応阻害作用を示すも
のとして知られており従来注目されていなかったもので
ある。本発明はこれを積極的に物性改善に利用した点に
特徴を持つものである。
ネシウム化合物もpH改善剤として極めて有効で、その効
果は水酸化カルシウム、酸化カルシウムより優る。添加
量は粉剤総重量に対して約3.3重量%を越えると中性域
値となる。しかしながらマグネシウム化合物は、本来α
型リン酸三カルシウムに対しては反応阻害作用を示すも
のとして知られており従来注目されていなかったもので
ある。本発明はこれを積極的に物性改善に利用した点に
特徴を持つものである。
すなわち物性の他方の要求事項である崩壊率は従来技
術ではかなり大きいため、たとえば歯科材料規格の一つ
であるISO 6876 ADAS No.57で求められている3%以
下(24時間値〜1週間値)を満足することは不可能であ
った。ところがα型リン酸三カルシウムの崩壊性は環境
pHに支配されやすく、pHが低い程崩壊率(溶解性)は高
くなる。また加水分解反応もpH領域に支配され、pH<5.
5ではCaHPO4・2H2O(DCPD),5.5<pH<7.5ではCa8H2(P
O4)6・5H2O(OCP),pH>7.5では非化学量論的水酸ア
パタイト(HAP:3Ca10-z(HPO4)Z(PO4)6-z(OH)2-z
・nH2O,z = 0-1n=0−2.1)がそれぞれ生成されると推
察されている。これらのことから、混和初期の低いpH値
がいつまでも続く従来技術では崩壊率は当然のことなが
ら高くなり、生体刺激性の面からも好ましくない不利な
ものとなり、生体親和性セラミックスとしての特徴を失
うことにつながる。
術ではかなり大きいため、たとえば歯科材料規格の一つ
であるISO 6876 ADAS No.57で求められている3%以
下(24時間値〜1週間値)を満足することは不可能であ
った。ところがα型リン酸三カルシウムの崩壊性は環境
pHに支配されやすく、pHが低い程崩壊率(溶解性)は高
くなる。また加水分解反応もpH領域に支配され、pH<5.
5ではCaHPO4・2H2O(DCPD),5.5<pH<7.5ではCa8H2(P
O4)6・5H2O(OCP),pH>7.5では非化学量論的水酸ア
パタイト(HAP:3Ca10-z(HPO4)Z(PO4)6-z(OH)2-z
・nH2O,z = 0-1n=0−2.1)がそれぞれ生成されると推
察されている。これらのことから、混和初期の低いpH値
がいつまでも続く従来技術では崩壊率は当然のことなが
ら高くなり、生体刺激性の面からも好ましくない不利な
ものとなり、生体親和性セラミックスとしての特徴を失
うことにつながる。
本発明はα型リン酸三カルシウムに上記水酸化マグネ
シウムまたは酸化マグネシウムのいずれか1種もしくは
2種を添加し、この添加による反応阻害作用を和らげ実
用的圧縮強度を与える目的で水酸化カルシウムまたは酸
化カルシウムのいずれか1種もしくは2種を添加し、pH
をすみやかに中性領域〜微アルカリ性領域へ移行される
と同時にこれらの問題を一挙に解決したものである。
シウムまたは酸化マグネシウムのいずれか1種もしくは
2種を添加し、この添加による反応阻害作用を和らげ実
用的圧縮強度を与える目的で水酸化カルシウムまたは酸
化カルシウムのいずれか1種もしくは2種を添加し、pH
をすみやかに中性領域〜微アルカリ性領域へ移行される
と同時にこれらの問題を一挙に解決したものである。
pHの調整用としては他にリン酸水素ナトリウム等の各
種水溶性ナトリウム塩も有効であるが、崩壊性の面から
は良好な効果をもたらさない。また従来技術のなかに
は、酸化亜鉛を用いて諸物性改善に寄与させている材品
もあるが、この場合は酸化亜鉛が硬化反応の主体となる
ため、従来技術によるセメントに単にリン酸カルシウム
系セラミックスを加えた組成物となる。このように酸化
亜鉛を添加すること及びそれを硬化反応の主体とするこ
とは、本発明の目的とするところではない。
種水溶性ナトリウム塩も有効であるが、崩壊性の面から
は良好な効果をもたらさない。また従来技術のなかに
は、酸化亜鉛を用いて諸物性改善に寄与させている材品
もあるが、この場合は酸化亜鉛が硬化反応の主体となる
ため、従来技術によるセメントに単にリン酸カルシウム
系セラミックスを加えた組成物となる。このように酸化
亜鉛を添加すること及びそれを硬化反応の主体とするこ
とは、本発明の目的とするところではない。
水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムは、本発明の
液剤との反応では特異な挙動を示す。それぞれ単味では
瞬時にして凝結してしまい泥状とする事すら不可能なも
のであるが、α型リン酸三カルシウムと組み合わせた組
成物では、瞬時に凝結する現象を回避することができる
と同時に硬化後の寸法変化率を0%以上とすることがで
きる。これは更に水酸化マグネシウムまたは酸化マグネ
シウムとの混合物としてα型リン酸三カルシウムと組み
合わせた組成物にしても失われない特性である。したが
って、本発明では、本来歯質との接着性に劣るα型リン
酸三カルシウム系組成物の、従来技術では解決し得なか
った硬化物の収縮性を抑制し、生体組織との密着接合性
不良を改善することが可能となった。
液剤との反応では特異な挙動を示す。それぞれ単味では
瞬時にして凝結してしまい泥状とする事すら不可能なも
のであるが、α型リン酸三カルシウムと組み合わせた組
成物では、瞬時に凝結する現象を回避することができる
と同時に硬化後の寸法変化率を0%以上とすることがで
きる。これは更に水酸化マグネシウムまたは酸化マグネ
シウムとの混合物としてα型リン酸三カルシウムと組み
合わせた組成物にしても失われない特性である。したが
って、本発明では、本来歯質との接着性に劣るα型リン
酸三カルシウム系組成物の、従来技術では解決し得なか
った硬化物の収縮性を抑制し、生体組織との密着接合性
不良を改善することが可能となった。
ところで操作性の面からは、適度な流動性を10分間以
上保たせることが必要となるが、水酸化カルシウムまた
は酸化カルシウムの液剤との反応は前述のように極めて
速いもので、それぞれ単味では瞬時に凝結してしまい使
用は不可能である。この点からも水酸化マグネシウムま
たは酸化マグネシウムとの適量混合物としてα型リン酸
三カルシウムへ添加することは、意義のある有効な方法
であるが、このままの状態では先に液剤の項にて述べた
反応時間の延長は得られない。すなわちα型リン酸三カ
ルシウムと、水酸化カルシウムまたは酸化カルシウム
と、水酸化マグネシウムまたは酸化マグネシウムとを組
み合わせた組成物としての粉剤では、低濃度液剤をα型
リン酸三カルシウム単味に用いた状態が再現されてしま
い、反応時間が早まり必要な操作時間が確保できない。
上保たせることが必要となるが、水酸化カルシウムまた
は酸化カルシウムの液剤との反応は前述のように極めて
速いもので、それぞれ単味では瞬時に凝結してしまい使
用は不可能である。この点からも水酸化マグネシウムま
たは酸化マグネシウムとの適量混合物としてα型リン酸
三カルシウムへ添加することは、意義のある有効な方法
であるが、このままの状態では先に液剤の項にて述べた
反応時間の延長は得られない。すなわちα型リン酸三カ
ルシウムと、水酸化カルシウムまたは酸化カルシウム
と、水酸化マグネシウムまたは酸化マグネシウムとを組
み合わせた組成物としての粉剤では、低濃度液剤をα型
リン酸三カルシウム単味に用いた状態が再現されてしま
い、反応時間が早まり必要な操作時間が確保できない。
そこで、液剤組成(濃度)はそのままでこの要求を解
決する手段は、もう一つの目的すなわち反応速度遅延作
用付与剤としての各種フッ化物の添加が有効となる。
決する手段は、もう一つの目的すなわち反応速度遅延作
用付与剤としての各種フッ化物の添加が有効となる。
フッ化物は、齲蝕予防の目的から多くの歯科材料に用
いられているが、フッ化ナトリウム、フッ化錫、フッ化
カルシウム、フッ化ストロンチウム、フツ化ジアミン
銀、フッ化アンモニア銀等を挙げることができる。
いられているが、フッ化ナトリウム、フッ化錫、フッ化
カルシウム、フッ化ストロンチウム、フツ化ジアミン
銀、フッ化アンモニア銀等を挙げることができる。
本発明の組成物には、水溶性フッ化物においてその効
果が著しく現れることから、フッ化ナトリウムあるいは
フッ化リン酸ナトリウム等が好ましく、これらの1種も
しくは2種以上を崩壊性を高めない範囲で少量添加す
る。
果が著しく現れることから、フッ化ナトリウムあるいは
フッ化リン酸ナトリウム等が好ましく、これらの1種も
しくは2種以上を崩壊性を高めない範囲で少量添加す
る。
[粉剤の添加剤や補助主剤等] 本発明は粉剤と液剤とから構成される。粉剤は硬化反
応の主体をα型リン酸三カルシウムに求めるが、他のリ
ン酸カルシウム系セラミックス、例えばリン酸四カルシ
ウム、リン酸八カルシウム、β型リン酸三カルシウム、
ハイドロキシアパタイト等を添加剤として加えることも
ありうる。
応の主体をα型リン酸三カルシウムに求めるが、他のリ
ン酸カルシウム系セラミックス、例えばリン酸四カルシ
ウム、リン酸八カルシウム、β型リン酸三カルシウム、
ハイドロキシアパタイト等を添加剤として加えることも
ありうる。
また反応活性の高いリン酸カルシウム系セラミック
ス、例えばリン酸四カルシウム等を補助主剤として適量
使用することもありうる。これらの主剤に、水溶性フッ
化物を単独又は混合の形で添加する。混合するものは、
水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、酸化マグネシウムの1種もしくは2種以上である。
水溶性フッ化物を含めて、これらの合計が、粉剤総重量
に対して1〜15重量%、望ましくは5〜10重量%であ
る。
ス、例えばリン酸四カルシウム等を補助主剤として適量
使用することもありうる。これらの主剤に、水溶性フッ
化物を単独又は混合の形で添加する。混合するものは、
水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、酸化マグネシウムの1種もしくは2種以上である。
水溶性フッ化物を含めて、これらの合計が、粉剤総重量
に対して1〜15重量%、望ましくは5〜10重量%であ
る。
1重量%以下では前述[1]〜[4]の問題点を解決
するための効果は得られない。15重量%以上では前述の
各種の作用が強く発現しすぎたり、逆に好ましくない影
響を与える結果ともなる。
するための効果は得られない。15重量%以上では前述の
各種の作用が強く発現しすぎたり、逆に好ましくない影
響を与える結果ともなる。
更には歯科治療剤としての基本的要求事項であるレン
トゲン造影性を付与するために、各種の造影剤、例えば
硫酸バリウム、次炭酸ビスマス、タングステン酸カルシ
ウム、ヨードホルム等を加えることがありうるのは公知
技術からも当然である。
トゲン造影性を付与するために、各種の造影剤、例えば
硫酸バリウム、次炭酸ビスマス、タングステン酸カルシ
ウム、ヨードホルム等を加えることがありうるのは公知
技術からも当然である。
[液剤の添加物] 液剤は不飽和カルボン酸の単独重合体もしくは2種以
上の不飽和カルボン酸の共重合体を主成分とする水溶液
で、この固形分は液剤総重量に対して10〜30重量%であ
ることを特徴とする組成物である。この液剤には物性調
節の目的で前述の各種水溶性有機酸類が少量添加される
こともありうる。
上の不飽和カルボン酸の共重合体を主成分とする水溶液
で、この固形分は液剤総重量に対して10〜30重量%であ
ることを特徴とする組成物である。この液剤には物性調
節の目的で前述の各種水溶性有機酸類が少量添加される
こともありうる。
次に本発明の特性を以下の実験例および実施例にて説
明する。
明する。
[実験例1] 後掲の表−1を参照にする。
α型リン酸三カルシウムを主剤とし、これに水酸化カ
ルシウムおよび酸化マグネシウムの1種もしくは2種を
以下の各配合率で添加したものを粉剤とした。
ルシウムおよび酸化マグネシウムの1種もしくは2種を
以下の各配合率で添加したものを粉剤とした。
アクリル酸イタコン酸共重合物(平均分子量:Mw≒960
00)の25重量%水溶液を液剤とした。
00)の25重量%水溶液を液剤とした。
粉剤と液剤を粉液比P/L=1.0にて混和し、硬化体の寸
法変化傾向を求めたところ次のようになった。なお表−
1の記号C,M、は、それぞれ水酸化カルシウムと酸化マ
グネシウムを単味で添加してものである。記号1C2M,2C1
Mは、それぞれ水酸化カルシウムと酸化マグネシウムの
1:2および2:1混合物を添加したものである。寸法変化の
測定はADAS No.57に準じて行った。
法変化傾向を求めたところ次のようになった。なお表−
1の記号C,M、は、それぞれ水酸化カルシウムと酸化マ
グネシウムを単味で添加してものである。記号1C2M,2C1
Mは、それぞれ水酸化カルシウムと酸化マグネシウムの
1:2および2:1混合物を添加したものである。寸法変化の
測定はADAS No.57に準じて行った。
結果から明らかなように、0%以上の寸法変化を得る
には添加量の至適添加範囲が存在することが判明した。
たとえば表−1のCでは4〜8重量%である。
には添加量の至適添加範囲が存在することが判明した。
たとえば表−1のCでは4〜8重量%である。
[実験例2] 後掲の表−2を参照する。
α型リン酸三カルシウムおよび、これに水酸化カルシ
ウム又は酸化マグネシウムをそれぞれ添加した粉剤と、
実験例1で用いた液剤との混和硬化体(P/L=1.0)を37
℃蒸留水に浸漬し、24時間後に浸漬液のpHが中性域(pH
>6.5)に達する水酸化カルシウム又は酸化マグネシウ
ムの添加量を求めたところ表−2のようになった。なお
表−2の記号αTCPはα型リン酸三カルシウム単味の粉
剤、Cは水酸化カルシウム添加の粉剤、Mは酸化マグネ
シウム添加の粉剤である。試料表面積は3.77cm2/20mlH2
Oとした。
ウム又は酸化マグネシウムをそれぞれ添加した粉剤と、
実験例1で用いた液剤との混和硬化体(P/L=1.0)を37
℃蒸留水に浸漬し、24時間後に浸漬液のpHが中性域(pH
>6.5)に達する水酸化カルシウム又は酸化マグネシウ
ムの添加量を求めたところ表−2のようになった。なお
表−2の記号αTCPはα型リン酸三カルシウム単味の粉
剤、Cは水酸化カルシウム添加の粉剤、Mは酸化マグネ
シウム添加の粉剤である。試料表面積は3.77cm2/20mlH2
Oとした。
結果から明らかなように、水酸化カルシウムに比較し
て酸化マグネシウムは少量添加にてpH上昇効果に優れて
いることが判明した。一方α型リン酸三カルシウム単味
の場合pHは中性域(pH>6.5)に達しない。
て酸化マグネシウムは少量添加にてpH上昇効果に優れて
いることが判明した。一方α型リン酸三カルシウム単味
の場合pHは中性域(pH>6.5)に達しない。
[実験例3] 後掲の表−3を参照する。
α型リン酸三カルシウムおよび、これに水酸化カルシ
ウム又は酸化マグネシウムをそれぞれ添加した粉剤と、
実験例1で用いた液剤との混和硬化体(P/L=1.0)の崩
壊率が3%以下(37℃蒸留水浸漬、7日後)になる水酸
化カルシウム又は酸化マグネシウムの添加量を求めたと
ころ表−3のようになった。
ウム又は酸化マグネシウムをそれぞれ添加した粉剤と、
実験例1で用いた液剤との混和硬化体(P/L=1.0)の崩
壊率が3%以下(37℃蒸留水浸漬、7日後)になる水酸
化カルシウム又は酸化マグネシウムの添加量を求めたと
ころ表−3のようになった。
なお表−3の記号αTCPはα型リン酸三カルシウム単
味の粉剤、Cは水酸化カルシウム添加の粉剤、Mは酸化
マグネシウム添加の粉剤である。測定はJIS T 6602
に準じて行った。
味の粉剤、Cは水酸化カルシウム添加の粉剤、Mは酸化
マグネシウム添加の粉剤である。測定はJIS T 6602
に準じて行った。
結果から明らかなように、これらの添加剤は崩壊率の
改善に極めて有効であることが判明する。
改善に極めて有効であることが判明する。
次に本発明による具体例の諸特性を表−4〜8により
実施例1〜5示す。
実施例1〜5示す。
実施例1〜5において使用した粉剤は、すべて水溶性
フッ化物としてフッ化リン酸ナトリウム含んでいる。
フッ化物としてフッ化リン酸ナトリウム含んでいる。
液剤は全てアクリル酸イタコン酸共重合物(Mw≒9600
0)の25重量%水溶液とし、測定はJIS T 6602,ADAS
No.57,ISO 6876を準用して行た。なお諸特性の は粉液比P/L値(g/g), は操作余裕時間(室温,min), は寸法変化率(37℃蒸留水30日浸漬後,+:0.1%以
上,−:−0.1%以下,±:−0.1%〜0.1%). は崩壊率(37℃蒸留水7日浸漬後,wt%), はpH値(37℃蒸留水24時間浸漬後;試料表面積=3.77
cm2/20mlH2O)の結果をそれぞれ示す。
0)の25重量%水溶液とし、測定はJIS T 6602,ADAS
No.57,ISO 6876を準用して行た。なお諸特性の は粉液比P/L値(g/g), は操作余裕時間(室温,min), は寸法変化率(37℃蒸留水30日浸漬後,+:0.1%以
上,−:−0.1%以下,±:−0.1%〜0.1%). は崩壊率(37℃蒸留水7日浸漬後,wt%), はpH値(37℃蒸留水24時間浸漬後;試料表面積=3.77
cm2/20mlH2O)の結果をそれぞれ示す。
表−4〜表−8に示す実施例1〜5において、粉剤と
液剤との混合練和物は、練和開始後10分間以上流動性が
あり、硬化後の寸法変化率が0%以上であり、崩壊率が
3%以下であり、pHが24時間以内に中性(pH=6.5〜7.
5)から微アルカリ性(pH=7.5〜9.0)に移行している 流動性を10分以上求めるのは、十分な操作余裕時間を
得るためである。硬化後の寸法変化率を0%以上とする
のは、硬化体が収縮して充てん部分に間隙が生じないよ
うにするためである。崩壊率を3%以下にするのは充填
硬化物が崩壊により消失し、気密性を失うことを防止す
る為である。pHは24時間以内に酸性から中性(pH:6.5〜
7.5)〜微アルカリ性(pH7.5〜9.0)に移行することに
より低いpH値によるに生体組織への影響をさける。
液剤との混合練和物は、練和開始後10分間以上流動性が
あり、硬化後の寸法変化率が0%以上であり、崩壊率が
3%以下であり、pHが24時間以内に中性(pH=6.5〜7.
5)から微アルカリ性(pH=7.5〜9.0)に移行している 流動性を10分以上求めるのは、十分な操作余裕時間を
得るためである。硬化後の寸法変化率を0%以上とする
のは、硬化体が収縮して充てん部分に間隙が生じないよ
うにするためである。崩壊率を3%以下にするのは充填
硬化物が崩壊により消失し、気密性を失うことを防止す
る為である。pHは24時間以内に酸性から中性(pH:6.5〜
7.5)〜微アルカリ性(pH7.5〜9.0)に移行することに
より低いpH値によるに生体組織への影響をさける。
発明の効果 請求項1の発明によれば、組成物が生態に及ぼす影
響、あるいは従来技術による臨床応用上の諸問題点を解
決できる。すなわちpHを改善して酸性領域から中性〜微
アルカリ性領域にでき、生態組織に影響を与えない。α
型リン酸三カルシウム系組成物硬化体の崩壊を微少にお
さえ、硬化後の寸法変化を0%以上とすることができ、
反応速度を遅延して良好な操作性が得られる。
響、あるいは従来技術による臨床応用上の諸問題点を解
決できる。すなわちpHを改善して酸性領域から中性〜微
アルカリ性領域にでき、生態組織に影響を与えない。α
型リン酸三カルシウム系組成物硬化体の崩壊を微少にお
さえ、硬化後の寸法変化を0%以上とすることができ、
反応速度を遅延して良好な操作性が得られる。
請求項2の発明によれば、液剤の粘性が低くなるの
で、粉剤との混和練成物の稠度(フロー値)が上がり、
練成物が軟らかく、適度の粘稠性が得られ、臨床実用性
を向上できる。
で、粉剤との混和練成物の稠度(フロー値)が上がり、
練成物が軟らかく、適度の粘稠性が得られ、臨床実用性
を向上できる。
請求項3によれば、各種歯科材料規格に定められる歯
内療法治療材としての諸規定事項を、従来技術では実現
できなかったα型リン酸三カルシウム−ポリカルボン酸
系組成物においても満足させることが可能となる。
内療法治療材としての諸規定事項を、従来技術では実現
できなかったα型リン酸三カルシウム−ポリカルボン酸
系組成物においても満足させることが可能となる。
以上述べたことから明らかなように、本発明により、
歯科臨床治療ことに歯内療法分野における根管充填材料
として求められている各種要求事項を同時に全て満足し
た、真に応用可能な硬化型リン酸カルシウム系歯科用組
成物を提供しうるものである。
歯科臨床治療ことに歯内療法分野における根管充填材料
として求められている各種要求事項を同時に全て満足し
た、真に応用可能な硬化型リン酸カルシウム系歯科用組
成物を提供しうるものである。
Claims (3)
- 【請求項1】粉剤と液剤から構成されている硬化型リン
酸カルシウム系歯科用組成物において、 粉剤は、α型リン酸三カルシウムを主成分とする第1粉
末と、その第1粉末とは別の第2粉末を混合したもので
あり、 第2粉末は、水溶性フッ化物単独であるか、あるいは、
水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム及び酸化マグネシウムの少なくとも1種と、水溶性フ
ッ化物との混合物であり、 第2粉末は、粉剤総重量に対して1〜15重量%であり、 液剤は、不飽和カルボン酸の単独重合体もしくは2種以
上の不飽和カルボン酸の共重合体を主成分とする水溶性
有機酸系の水溶液であり、 粉剤と液剤が硬化反応するものであることを特徴とす
る、硬化型リン酸カルシウム系歯科用組成物。 - 【請求項2】液剤は、不飽和カルボン酸の単独重合体も
しくは2種以上の不飽和カルボン酸の共重合体が、液剤
総重量に対して10〜30重量%溶解されている水溶液であ
ることを特徴とする、請求項1に記載の硬化型リン酸カ
ルシウム系歯科用組成物。 - 【請求項3】粉剤と液剤との混合練和物は、練和開始後
10分間以上流動性があり、硬化後の寸法変化率が0%以
上であり、崩壊率が3%以下であり、pHが24時間以内に
中性(pH=6.5〜7.5)から微アルカリ性(pH=7.5〜9.
0)に移行することを特徴とする、請求項2に記載の硬
化型リン酸カルシウム系歯科用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1288729A JP2780120B2 (ja) | 1989-11-08 | 1989-11-08 | 硬化型リン酸カルシウム系歯科用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1288729A JP2780120B2 (ja) | 1989-11-08 | 1989-11-08 | 硬化型リン酸カルシウム系歯科用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03151313A JPH03151313A (ja) | 1991-06-27 |
JP2780120B2 true JP2780120B2 (ja) | 1998-07-30 |
Family
ID=17733932
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1288729A Expired - Fee Related JP2780120B2 (ja) | 1989-11-08 | 1989-11-08 | 硬化型リン酸カルシウム系歯科用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2780120B2 (ja) |
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US5550172A (en) * | 1995-02-07 | 1996-08-27 | Ethicon, Inc. | Utilization of biocompatible adhesive/sealant materials for securing surgical devices |
WO2002036691A1 (fr) * | 2000-11-02 | 2002-05-10 | Kuraray Co.,Ltd. | Plombages et materiaux dentaires composites les contenant |
JP4628050B2 (ja) * | 2004-09-10 | 2011-02-09 | クラレメディカル株式会社 | 歯科用セメント組成物 |
JP2010065006A (ja) * | 2008-09-12 | 2010-03-25 | Gc Corp | シーラー用セメント |
WO2012046667A1 (ja) * | 2010-10-06 | 2012-04-12 | クラレメディカル株式会社 | 象牙細管封鎖剤及びその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61234868A (ja) * | 1985-04-11 | 1986-10-20 | 株式会社 はいる | 硬化性組成物 |
JPS6422255A (en) * | 1987-07-20 | 1989-01-25 | Dainippon Toryo Kk | Medical and dental curable composition |
-
1989
- 1989-11-08 JP JP1288729A patent/JP2780120B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH03151313A (ja) | 1991-06-27 |
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