JP2777051B2 - 窒化珪素質焼結体の製造方法 - Google Patents
窒化珪素質焼結体の製造方法Info
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Description
度特性に優れ、特に、自動車用部品やガスタ−ビンエン
ジン用部品等に使用される窒化珪素質焼結体の製造方法
に関する。
耐熱衝撃性、および、耐酸化特性に優れることからエン
ジニアリングセラミックス、特に、タ−ボロ−タ−等の
熱機関用として応用が進められている。この窒化珪素質
焼結体は、一般には窒化珪素に対してY2 O3 、Al2
O3 あるいはMgOなどの焼結助剤を添加することによ
り高密度で高強度の特性が得られている。このような窒
化珪素質焼結体に対しては、さらにその使用条件が高温
化するに際して、高温における強度および耐酸化特性の
さらなる改善が求められている。かかる要求に対して、
これまで焼結助剤の検討や焼成条件等を改善する等各種
の改良が試みられている。
れてきたAl2 O3 等の低融点酸化物が高温特性を劣化
させるという見地から、窒化珪素に対してY2 O3 等の
周期律表第3a族元素および酸化珪素からなる単純な3
元系(Si3 N4 −SiO2−RE2 O3 )の組成から
なる焼結体が提案されている。
珪素源として、窒化珪素粉末のみを用い焼結助剤として
Y2 O3 など周期律表第3a族元素酸化物および酸化珪
素を用いた系では、液相焼結が進行するに伴い、焼成収
縮が生じるために焼成後に高い寸法精度が要求される複
雑形状品を製造するには収縮が大きいと設定する寸法に
制御することが難しく、あるいは研磨工程が複雑になる
などの問題がある。
を添加し焼成前に窒素雰囲気中で珪素を窒化処理し成形
体の生密度を高めた後に非酸化性雰囲気中で焼成する方
法が提案されている。
化工程を含まない通常の方法で作製された成形体とを同
様な焼成条件で焼成しても、窒化処理された成形体にお
いて高温特性および耐酸化性が劣化するという現象が生
じるという問題があった。そのため、窒化処理を含む方
法によって得られる焼結体は実用化的には未だ不十分で
あり、寸法精度を高めた上で、さらなる強度の改良、お
よび耐酸化特性の改良が要求されている。
れる部品等に適用され、室温から1500℃の高温まで
の抗折強度に優れるとともに、高温での耐酸化特性に優
れた窒化珪素質焼結体の製造方法を提供することを目的
とするものである。
された成形体を焼結した時の特性の劣化の原因について
検討を重ねた結果、窒化工程後の成形体中において一部
に焼結が進行し組織が不均一となり、これにより最終的
に得られる焼結体の組織も不均一になるためにであるこ
とがわかった。しかも、この窒化工程での焼結の進行が
不純物として混入するAl、FeおよびCaによって生
じることを見出し、この不純物量を極力低減することに
より焼結体の組織が均一化でき、特性の劣化を防止でき
ることを知見し本発明に至った。
法は、窒化珪素粉末と珪素粉末を主体として、さらに周
期律表第3a族元素酸化物粉末を0.5〜20重量%の
割合で含有するとともに、Al、FeおよびCaの総量
が100ppm以下の成形体を窒素含有雰囲気中で熱処
理して、前記珪素を窒化後、さらに窒素を含む非酸化性
雰囲気で焼成することを特徴とするものである。
素質焼結体の製造方法によれば、出発原料として、窒化
珪素粉末、珪素粉末および周期律表第3a族元素酸化物
粉末、場合によって、酸化珪素粉末を用いるものである
が、本発明によれば、これらの原料粉末により構成され
る窒化前の成形体中ににおけるAl、FeおよびCaの
総量が100ppm以下、望ましくは50ppm以下、
さらに望ましくは30ppm以下であることが重要であ
る。このように特定の不純物の量を上記の範囲に限定す
るのは、後述するように、これらの不純物量が100p
pmを越えると最終的に得られる焼結体において、不均
一が粒成長が生じるとともに、機械的強度を劣化させる
とともに耐酸化性をも劣化させてしまうためである。
するためには、特に用いる窒化珪素粉末と珪素粉末のい
ずれもAl,FeおよびCaの総量が50ppm以下、
特に20ppm以下の高純度品を用いることが望まし
い。
るためにその平均粒径が10μm以下、特に3μm以下
の微粒のものが望ましく、窒化珪素粉末は、それ自体α
−Si3 N4 、β−Si3 N4 のいずれでもよく、平均
粒子径は0.4〜1.2μmが適当である。
比で40:60〜80:20、特に50:50〜70:
30の割合で配合される。これは、窒化珪素量が上記範
囲より少ないと珪素が高純度のため窒化が困難となり、
焼結体中に珪素が残存し特性を劣化させる可能性があ
り、窒化珪素量が上記範囲を越えて配合すると寸法収縮
が大きくなり所定の寸法精度が得られない。
第3a族元素酸化物粉末は最終焼結体中で0.5〜20
重量%の量になるように配合されることが望ましい。こ
れは、周期律表第3a族元素酸化物の量が20重量%を
越えると、焼結体中に占める粒界相の体積分率が増加
し、高温強度を劣化させてしまい、0.5重量%未満で
あると緻密体が得られないためである。なお、本発明に
用いられる周期律表第3a族元素としては、Yやランタ
ノイド元素が挙げられるが特にYb,Er,Luが好ま
しい。
公知の成形方法、例えば、プレス成形、鋳込み成形、押
し出し成形、射出成形、冷間静水圧成形等により所望の
形状に成形する。この成形体中のAl、FeおよびCa
の合量は前述したような理由により100ppm以下に
制御されることが重要であるが、そのためには高純度の
原料を用いるとともに、混合中のボールなどからの不純
物の混入を極力少なくとなるように調整することも必要
である。なお、この時の成形体の相対密度は50〜65
%程度である。
窒素含有雰囲気中で800℃〜1500℃の温度で熱処
理をして、成形体中に含まれる珪素を窒化して、窒化珪
素を生成させる。この窒化珪素への変換により窒化処理
後の成形体の相対密度が60%以上となるように制御す
ることが望ましい。この窒化処理においては、珪素が窒
化珪素に変換されることに伴い体積膨張するために、見
かけ上の体積(寸法)を変えることなく成形体の密度を
高めることができるのである。
れる珪素はすべて窒化させることが必要であるが、その
ためには、上記窒化温度範囲において温度を多段に上昇
させつつ徐々に窒化させていくことが望ましく、一定温
度での窒化処理では珪素の完全な窒化ができない場合が
ある。さらに窒素ガス圧力が2気圧以上の高圧下で窒化
処理しても窒化を促進することができる。
例えば、ホットプレス方法、常圧焼成、窒素ガス圧焼
成、さらにはこれらの焼成後に1000気圧以上の高圧
下で焼成したり(HIP法)、上記成形体をガラスによ
りシールして1000気圧以上の高圧下で焼成する(シ
ールHIP法)などの方法により緻密な焼結体を得るこ
とができる。なお、焼成温度は高温にしすぎると窒化珪
素結晶が粒子成長し、強度が低下するため、1600℃
〜2000℃、特に1650℃〜1900℃であること
が望ましい。
体は、窒化珪素を主結晶として、これに添加物成分であ
る周期律表第3a族化合物を含むものであり、実質的に
出発原料として配合された珪素は残存しないものであ
る。また、焼結体の高温強度の点では、Al、Fe、C
a、Mgなどの元素は焼結体中の窒化珪素結晶粒界にて
低融点物質を形成しやすく、高温強度を劣化させる可能
性があるため、総量で0.5重量%以下であることが望
ましい。さらに、窒化珪素結晶の粒界はアパタイト、Y
AM、ワラストナイトなどのSi3 N4 −RE2 O
3 (RE:周期律表第3a族元素)−SiO2 系結晶、
シリコンオキシナイトライドなどのSi3 N4−SiO
2 系結晶あるいはダイシリケートなどのRE2 O3 −S
iO2 系の結晶などが存在していることが望ましい。
よび焼結助剤成分からなる成形体を窒素中で熱処理する
ことにより成形体の体積(寸法)の変化なしに成形体の
密度を高めることができるために、その後の焼成におい
ても焼成収縮が小さくなり、寸法精度の高い焼結体を得
ることができる。
珪素粉末や珪素粉末の純度が低いと、窒化工程において
Al、Fe、Caなどの存在によって窒化温度において
低融点の液相が生成されるために焼結が進行し成形体中
にβ−Si3 N4 が生成されてしまい成形体の組織が不
均一になってしまう。しかも、窒化、焼成後の焼結体に
これらの不純物(特にAl、Fe、Ca)が粒界相に残
存し、融点を低下させ高温特性を劣化させてしまう。
粒成長を招き、場合によっては異常粒成長を起たし、最
終焼結体の強度特性を劣化させてしまう。また、高温に
おいて生成する酸化膜中にAl、Fe、Caなどの不純
物が拡散し酸化膜の融点を下げるため高温での酸化特性
も劣化してしまう。
粉末や珪素粉末中のAl、Fe、Caの少ない高純度の
粉末を用いることにより、低融点物質の生成が抑え、窒
化工程において焼結の進行を抑制してβ−Si3 N4 の
生成を抑制できることにより焼成時の不均一な粒成長を
抑制し均質な組織の焼結体を得ることができるととも
に、耐酸化特性を高めることができる。
1.2重量%で不純物量の異なる数種の珪素粉末、不純
物量の異なる数種の窒化珪素粉末(BET比表面積7〜
9m2 /g、α率98%以上、酸素量1.1〜1.3重
量%)と周期律表第3a族元素の一種以上の粉末、酸化
珪素粉末を用いて表1に示す組成になるように調合して
Al、Fe、Ca量が100ppm以下の窒化珪素ボー
ルを用いて湿式混合後、鋳込み成形にてブレ−ドを成形
した。得られた成形体に対してICP発光分光分析によ
りAl、FeおよびCa量を測定し結果を表1に示し
た。
0℃で5時間処理し、さらに1400℃で10時間窒化
処理した。この際、重量増加率から、いずれの試料も添
加された珪素がすべて窒化されたことを確認した。
鉢に入れて、組成変動を少なくするために雰囲気を制御
し、10気圧窒素ガス気流中、1850℃、4時間の条
件で焼成した。
形体の寸法に対する収縮率を測定した。また、ブレ−ド
の翼形状を測定し設計値からの最大変形量を測定した。
次に、得られた焼結体をJIS−R1601にて指定さ
れている形状まで切断、加工、研磨して試料を作製し
た。この試料についてアルキメデス法に基づく比重測定
により相対密度比を、JIS−R1601に基づき室温
および1500℃での4点曲げ抗折試験を実施した。ま
た。試料を1500℃空気中に100時間暴露し、重量
増加量と試料の表面積から単位表面積当たりの重量変化
を求めた。結果は表2に示した。
珪素粉末、珪素粉末を用いずに成形体中のAl、Fe、
Ca量が100ppmを越える試料No.17〜20で
は、収縮率は15%以下、最大変形量も100μm以下
に制御できたが、いずれも焼結体中に異常粒成長が観察
され、高温強度が低下し、しかも耐酸化特性が低下して
いる。また、周期律表第3a族元素量が20重量%を越
える試料No.9は、強度及び耐酸化特性が劣化してい
た。0.5重量%未満の試料No.1は緻密化しなかっ
た。
に基づく試料は、いずれも収縮率が小さく最大変形量も
小さいとともに、優れた高温強度および耐酸化特性を示
していた。
焼結時の収縮を抑制し寸法精度の高い焼結体を得ること
ができるとともに、焼結体中の組織の均一性を高めるこ
とができ、高温強度および耐酸化性に優れた焼結体を得
ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】窒化珪素粉末と珪素粉末を主体として、さ
らに周期律表第3a族元素酸化物粉末を0.5〜20重
量%の割合で含有するとともに、Al、FeおよびCa
の総量が100ppm以下の成形体を窒素含有雰囲気中
で熱処理して、前記珪素を窒化後、さらに窒素を含む非
酸化性雰囲気で焼成することを特徴とする窒化珪素質焼
結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5244400A JP2777051B2 (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 窒化珪素質焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP5244400A JP2777051B2 (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 窒化珪素質焼結体の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0797267A JPH0797267A (ja) | 1995-04-11 |
JP2777051B2 true JP2777051B2 (ja) | 1998-07-16 |
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