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JP2769282B2 - 粉末消泡剤組成物 - Google Patents

粉末消泡剤組成物

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JP2769282B2
JP2769282B2 JP21881093A JP21881093A JP2769282B2 JP 2769282 B2 JP2769282 B2 JP 2769282B2 JP 21881093 A JP21881093 A JP 21881093A JP 21881093 A JP21881093 A JP 21881093A JP 2769282 B2 JP2769282 B2 JP 2769282B2
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成 田村
正樹 妻鳥
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  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は衣料用粉末洗剤に配合す
るのに適した粉末ないし粒状の消泡剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ヨーロッパ各国ではドラム型洗濯機が主
に用いられている。ドラム型洗濯機を使用する場合、泡
は洗濯効率を下げるので洗濯に用いられる洗剤には一般
に消泡剤が配合されている。
【0003】一方、日本では従来パルセーター型洗濯機
が主流であり、泡は洗濯効率上特に問題にならず、むし
ろ適度な泡を生成する洗剤の方が洗濯習慣上家庭の主婦
には好まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年全
自動洗濯機の普及に伴う洗濯時の泡に対する意識の変化
や、洗濯時に泡が生成するとフタから泡があふれたり、
また泡が多いとすすぎ時間が長くかかる等の理由から泡
生成を抑制した洗剤が要望されている。
【0005】洗濯時に生成する泡を抑制する消泡剤とし
てはシリコーンがよく知られている。シリコーンは粉末
洗剤に添加すると、製造直後では泡生成を効果的に抑制
するが、貯蔵すると消泡効果の低下が起きる。シリコー
ンは空気と水との界面に広がって消泡効果を発揮する
が、貯蔵後の洗剤を水と混合するとシリコーンは水溶液
中に分散され、消泡機能を充分に発揮しない。これは貯
蔵中に界面活性剤とシリコーンが相互作用し、シリコー
ンが水に分散しやすい形になるためと推定される。
【0006】このため、シリコーンは一般に造粒あるい
は被覆処理してから洗剤成分と直接接触しないような形
態にしてから洗剤中に配合されている。一般的には硫酸
ソーダ、炭酸ソーダ、トリポリリン酸ソーダ等の洗剤ビ
ルダー物質を担体とし、これにシリコーンを吸着させ、
バインダーの存在下混合して得たシリコーン造粒物が使
われている。
【0007】しかし、これらの担体を用いた場合、高温
貯蔵時のシリコーンのしみ出しを充分に抑えることはで
きない。特開昭62−57616 号公報には予備ゼラチン化さ
れ、かつ部分水和された水膨潤性、水不溶性の澱粉を担
体とした粒状消泡剤が記載されている。しかしながら、
この粒状消泡剤は水不溶性の澱粉を担体として使用して
おり、日本のような冷水洗濯条件下では溶けにくく、ま
た不溶物として衣類上に残るおそれがある。
【0008】これら問題点を解決するため、特開平4−
311800号公報には、シリコーンの担体として天然澱粉の
使用を示しており、また特開平3−186307号にはシリコ
ーンと水溶性澱粉との併用が示されている。このように
シリコーンの担体として澱粉や、その誘導体を用いるこ
とは公知である。しかしながら、これらの公報記載の澱
粉では、衣料用粉末洗剤組成物中に含まれるアルカリ
剤、例えばソーダ灰と接触させ、長期保存下で澱粉が変
質し、変色する上に長期保存後、充分な性能が得られな
いという問題があり、アルカリ接触下長期保存しても安
定なシリコーンの担体が要求されている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、シリコーンの担体として用いる水溶性澱粉とし
て、非還元末端を有する澱粉と、還元末端と有する澱粉
とを特定の比率で配合して用いることにより、前記課題
を解決し得ることを見出し本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち本発明は、下記 (a)及び(b) を
(a)/(b) 重量比で 0.1〜0.5 の割合で且つ (a)+(b)
が20〜100 重量%で含有してなる粉末消泡剤組成物を提
供するものである。 (a) シリコーン消泡剤、 (b) (I)水溶性の澱粉、化工澱粉又はこれらの誘導体
であって、グルコースユニットの繰り返し単位が7〜20
であり、D.E.値が0〜8の非還元末端澱粉と、(I
I)水溶性の澱粉、化工澱粉又はこれらの誘導体であっ
て、水素添加によりグルコース末端を還元末端とした澱
粉を(II)/(I)=5/95〜50/50(重量比)の割合
で混合した澱粉担体。
【0011】本発明に使用される(a) 成分であるシリコ
ーン消泡剤は特に限定されるものではないが、下記一般
【0012】
【化1】
【0013】(式中、R ,R'は炭素数1〜6のアルキル
基又はアリール基であり、同一でも異なっていてもよ
い。x は約20〜2000の数である。)で表されるポリシロ
キサン類が最もよく使用される。就中、R ,R'がメチル
基であるポリジメチルシロキサンが好適である。
【0014】本発明に使用される (b)成分である水溶性
の澱粉、化工澱粉又はこれらの誘導体としては、エステ
ル化澱粉(リン酸澱粉等)、エーテル化澱粉(カルボキ
シメチル化澱粉等)、酵素変性デキストリン(マルトデ
キストリン等)、焙焼デキストリン等が挙げられる。本
発明では、これら澱粉或いはその誘導体のうち、(I)グ
ルコースユニットの繰り返し単位が7〜20、好ましくは
10〜15であり、D.E.値が0〜8の非還元末端澱粉
と、(II)水素添加によりグルコース末端を還元末端と
した澱粉を、(II)/(I)=5/95〜50/50、好まし
くは10/90〜40/60の割合(重量比)で混合し、シリコ
ーン担体として使用される。ここで、非還元末端澱粉と
は両末端が非還元末端である(還元末端を有しない)澱
粉をいう。また、D.E.とは dextrose equivalent
(デキストロース当量)のことであり、還元糖をブドウ
糖として測定し、その還元糖の固形分に対する比であ
る。D.E.値の測定方法は、Wilstatter Schudel法が
一般的である(詳しくは「澱粉化学ハンドブック」に記
載されている)。かかる重量比が5/95未満では、消泡
剤自体が変色する。また、50/50を越えると、消泡剤と
して十分な効果が発揮されない。また、非還元末端澱粉
ではグルコースユニットの繰り返し単位が上記の範囲を
外れると、水中での溶解性、分散性が悪くなる。また、
D.E.値が8を超えると長期保存時の安定性が悪くな
る。
【0015】本発明において、上記(a) 成分及び(b) 成
分は (a)/(b) 重量比で 0.1〜0.5、好ましくは0.15〜
0.4 の割合で使用される。かかる重量比が 0.1未満の時
は水に対する溶解性が低下し、0.5 を越えると貯蔵中に
シリコーンがしみ出す。
【0016】本発明の粉末消泡剤組成物には、従来より
知られている成分を配合することができる。
【0017】例えば、本発明の(b) 成分以外のシリコー
ンの担体として、シリカや粘土物質を配合することがで
きる。また溶解性を更に改良する為にアルキル硫酸エス
テル、アルキルベンゼンスルホン酸塩などの陰イオン界
面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなど
の非イオン界面活性剤を配合することができる。更に、
粉末物性を改善する為に、融点が40℃以上のポリエチレ
ングリコールなどのポリマーや、芒硝などの水溶性無機
化合物などを配合できる。もちろん、成分に影響をあた
えない香料や色素を配合してもよい。
【0018】本発明の粉末消泡剤組成物は慣用の方法で
造ることができ、公知の洗剤の造粒方法を用いることが
できる。例えば、シリコーン消泡剤を澱粉担体に沈積さ
せた後、ポリエチレングリコール等をバインダーとして
押し出し造粒法や転動造粒法により容易に造粒すること
ができる。造粒物は、平均粒径が1300μm以下、好まし
くは1000μm以下が溶解性の上で望ましい。
【0019】本発明は他の知見として、洗浄剤組成物及
び本発明の粉末消泡剤組成物を含有する粉末形態の洗浄
剤組成物を提供するものである。本発明の粉末消泡剤組
成物は、洗浄剤組成物を基準にして 0.1〜20重量%の割
合で、洗浄剤組成物に配合することができる。好ましく
は、消泡剤は、洗浄剤組成物を基準にして 0.2〜5重量
%の割合で配合される。
【0020】本発明の洗浄剤組成物は、界面活性剤、有
機及び無機ビルダーおよび他の添加剤等を含有する。
【0021】界面活性剤としては、アニオン系、カチオ
ン系、ノニオン系、または両性のものを、単独あるいは
混合して用いることができる。アニオン系界面活性剤と
しては、高級脂肪酸のアルカリ金属石鹸、アルキルアリ
ールスルホネート、例えばドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム、長鎖(脂肪)アルコールサルフェート、オ
レフィンサルフェート及びスルホネート、硫酸化モノグ
リセライド、硫酸化エーテル、スルホコハク酸塩、アル
カンスルホネート、リン酸エステル、アルキルイソシア
ネート、ショ糖エステル及びフルオロ界面活性剤を包含
する。カチオン系界面活性剤としては、アルキルアミン
塩、四級アンモニウム塩、スルホニウム塩及びホスホニ
ウム塩を包含する。ノニオン系界面活性剤としては、エ
チレンオキサイドと長鎖(脂肪)アルコール又は、脂肪
酸との縮合物、例えば C1415のアルコールとエチレン
オキサイド7モル(ドバノール45-7、シェルジャパン
(株) の商品名)の縮合物、エチレンオキサイドとアミ
ン又はアミドとの縮合物、エチレン及びプロピレンオキ
サイド、脂肪酸アルキロールアミド及び脂肪アミンオキ
サイドの縮合生成物を包含する。両性界面活性剤として
は、イミダゾリン化合物、アルキルアミノ酸塩及びベタ
インを包含する。無機成分としては、ホスフェート及び
ポリホスフェート、シリケート、例えばナトリウムシリ
ケート、カーボネート、サルフェート、酵素放出化合
物、例えば過ホウ酸ナトリウム、及び他の漂白剤及びゼ
オライトである。有機成分としては、再沈着防止剤、例
えばカルボキシメチルセルロース、増白剤、キレート
剤、例えばエチレンジアミン四酢酸、酵素などである。
【0022】
【発明の効果】本発明の粉末消泡剤組成物は、洗浄剤組
成物に配合して洗濯に用いられても、洗濯された衣類に
沈着しない。また、アルカリ成分を含む洗浄剤組成物と
接触した状態で長期保存された後も消泡剤の品質劣化が
なく、従来の消泡剤より優れている。
【0023】
【実施例】以下実施例にて本発明を説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、例中
の部、%はそれぞれ重量基準である。
【0024】実施例1 (1) 消泡剤造粒物の調製 ・澱粉担体の種類 マルトデキストリン (D.E.=10、グルコースユニットの繰り返し単位=
6) マルトデキストリン (D.E.=0、グルコースユニットの繰り返し単位=
15) 100%還元末端マルトデキストリン/ = 30/70
(重量比)混合品 100%還元末端マルトデキストリン/マルトデキスト
リン(D.E.=5、グルコースユニットの繰り返し単
位=8)= 40/60(重量比)混合品 上記〜澱粉担体各々100gに消泡成分として、ダウコ
ーニング社製シリコーン(コンパウンド型・FSアンチ
フォーム)を20g添加混合し、均質混合物を得た。
【0025】上記で得られた均質混合物、ポリエチレン
グリコール、及び中性無水芒硝を下記組成にて70〜80℃
で混合後、不二パウダル株式会社製押出し造粒機(型式
EXKS−1)により造粒して造粒物を得た。 <成分組成> ・均質混合物 50% ・ポリエチレングリコール 25% (PEG-6000,融点58℃) ・中性無水芒硝 25% この造粒物を16,32メッシュの篩にて分級し造粒物の粒
径を調整した。 <造粒物の粒度分布> ・平均粒径 … 800 μm ・粒径1000μm以上 … 5% ・粒径 250μm以下 … 5%。
【0026】(2) 消泡剤造粒物の溶解性評価法 消泡剤造粒物の溶解性評価は、 500mlのビーカーに10℃
の水 300mlを入れ、スターラーが回転する程度で攪拌し
ながら 300mgの消泡剤造粒物を添加し、溶解するまでの
時間を測定した。
【0027】
【表1】
【0028】実施例2 嵩密度が0.7g/cm3 の下記組成の粉末洗剤を調製した。 <粉末洗剤組成> ・直鎖アルキル(C12〜C13)ベンゼンスルホン酸ソーダ 26% ・アルキル(C12〜C13)硫酸ソーダ 8% ・牛脂脂肪酸ソーダ 5% ・ポリオキシエチレン(エチレンオキサイド 5% 平均付加モル数=13)アルキル(C12〜C13)エーテル ・ゼオライト 24% ・炭酸ソーダ 12% ・珪酸ソーダ2号 12% ・硫酸ソーダ 3% ・水 5% 上記で得られた粉末洗剤と、前記実施例1で調製した消
泡剤組成物を用いて下記の方法により、泡の持続性及び
長期保存後の消泡剤の品質(変色、消泡効果)を評価し
た。
【0029】(1) 泡の持続性の評価 粉末洗剤の中に消泡剤組成物を表2に示す量添加し、下
記洗濯条件で洗濯をし、洗濯1,2,3回後の泡の高さ
を測定した。
【0030】<洗濯条件> 洗濯機 … 東芝、銀河 2.2 Kg 水量 … 30リットル 洗剤量 … 25g 衣料 … 1kg(綿シャツ 600g、T/C ワイシャツ 4
00g、3日間着用したものを、洗濯1回毎に取り出し、
新たに投入する。) 洗濯時間 … 7分 (2) 長期保存後の消泡剤の品質評価 消泡剤組成物を含有する各粉末洗剤を30℃で40日間貯蔵
し、(1) の洗濯条件と同様に消泡効果を、また、変色を
目視判定した。これらの結果を表2に示す。なお、表2
中、○は「変色しなかった」ことを、×は「変色が生じ
た」ことを意味する。
【0031】
【表2】
【0032】* 消泡剤組成物の種類は、実施例1で調製
した番号で表してある。なお、消泡剤組成物の添加量
は、粉末洗剤 100部に対する量を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C11D 3/22 C11D 3/37 C11D 3/34 B01D 19/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記 (a)及び(b) を (a)/(b) 重量比で
    0.1〜0.5 の割合で且つ (a)+(b) が20〜100 重量%で
    含有してなる粉末消泡剤組成物。 (a) シリコーン消泡剤 (b) (I)水溶性の澱粉、化工澱粉又はこれらの誘導体
    であって、グルコースユニットの繰り返し単位が7〜20
    であり、D.E.値が0〜8の非還元末端澱粉と、(I
    I)水溶性の澱粉、化工澱粉又はこれらの誘導体であっ
    て、水素添加によりグルコース末端を還元末端とした澱
    粉を(II)/(I)=5/95〜50/50(重量比)の割合
    で混合した澱粉担体
  2. 【請求項2】 粉末洗浄剤組成物と、該粉末洗浄剤組成
    物の重量に対して 0.1〜20重量%の請求項1記載の粉末
    消泡剤組成物を含有する粉末洗浄剤組成物。
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