JP2765500B2 - 脱脂豆乳並びに大豆蛋白及びその製造法 - Google Patents
脱脂豆乳並びに大豆蛋白及びその製造法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はより透明な豆乳及び溶液
が透明性を有しかつ透明で強固なゲルを形成する大豆蛋
白を提供するものである。
が透明性を有しかつ透明で強固なゲルを形成する大豆蛋
白を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】分離大豆蛋白は、一般に脱脂された大豆
蛋白原料を水系下で撹拌等して脱脂豆乳を抽出し、不溶
性成分(オカラ等の抽出残査)を除去した後、水溶性画
分を等電点沈殿(PH4〜5,通常PH4.2〜4.
6)させホエー等の水溶性成分を除去して得られる沈殿
画分を分離し中和、乾燥等して製造される。
蛋白原料を水系下で撹拌等して脱脂豆乳を抽出し、不溶
性成分(オカラ等の抽出残査)を除去した後、水溶性画
分を等電点沈殿(PH4〜5,通常PH4.2〜4.
6)させホエー等の水溶性成分を除去して得られる沈殿
画分を分離し中和、乾燥等して製造される。
【0003】このようにして調製された分離大豆蛋白は
水に溶解或いは分散させると白濁した溶液状態となり、
その溶液を一定濃度以上で加熱すると白濁した(白く不
透明な)ゲルを形成し、例えばゼラチンのような透明な
ゲルを形成することができなかった。この原因は、抽
出,等電点沈殿等の工程中に蛋白成分の会合が促進さ
れ、ランダムな凝集体を主体とした分離大豆蛋白となる
為と考えられる。
水に溶解或いは分散させると白濁した溶液状態となり、
その溶液を一定濃度以上で加熱すると白濁した(白く不
透明な)ゲルを形成し、例えばゼラチンのような透明な
ゲルを形成することができなかった。この原因は、抽
出,等電点沈殿等の工程中に蛋白成分の会合が促進さ
れ、ランダムな凝集体を主体とした分離大豆蛋白となる
為と考えられる。
【0004】特に大豆の11S蛋白成分は会合しやす
く、7S蛋白を含めた複合体として凝集体を形成してい
ると考えられるため、従来の製造法で得られる分離大豆
蛋白は透明溶液,透明ゲルの調製が困難であった。
く、7S蛋白を含めた複合体として凝集体を形成してい
ると考えられるため、従来の製造法で得られる分離大豆
蛋白は透明溶液,透明ゲルの調製が困難であった。
【0005】大豆蛋白の透明な溶液,透明なゲルを調製
する方法としては、会合反応の低い大豆蛋白の7S画分
の純度を高めた分離大豆蛋白を調製する方法があるが、
調製法が煩雑であったりまた使用する試薬が食品利用上
問題があったり、これまで工業的な生産は行われていな
い。
する方法としては、会合反応の低い大豆蛋白の7S画分
の純度を高めた分離大豆蛋白を調製する方法があるが、
調製法が煩雑であったりまた使用する試薬が食品利用上
問題があったり、これまで工業的な生産は行われていな
い。
【0006】また不透明である分離大豆蛋白、11S,
7Sの複合・重合物を亜硫酸水素ナトリウム,メルカプ
トエタノール等の還元剤やドデシル硫酸ナトリウム,尿
素等の蛋白可溶化剤,アルカリ剤の添加等により人工的
に会合体を解離させ透明感を発現させる方法があるが、
効果を出すためにはこれらの薬品の使用濃度も高くなり
食品利用上問題があり食品用途の分離大豆蛋白の製法と
しては好ましくない。
7Sの複合・重合物を亜硫酸水素ナトリウム,メルカプ
トエタノール等の還元剤やドデシル硫酸ナトリウム,尿
素等の蛋白可溶化剤,アルカリ剤の添加等により人工的
に会合体を解離させ透明感を発現させる方法があるが、
効果を出すためにはこれらの薬品の使用濃度も高くなり
食品利用上問題があり食品用途の分離大豆蛋白の製法と
しては好ましくない。
【0007】また物理的処理として超音波処理による蛋
白成分の解離,超高圧処理によるゲル化処理があるが、
前者では処理後の経時的な再会合が起こり充分な透明感
は得られず、後者についても透明なゲルとは言いがた
い。また脱脂豆乳を超遠心分離により会合状態で存在す
る蛋白成分を除去し、分子レベルで存在する蛋白成分の
みから分離大豆蛋白を調製することも可能ではあるが、
工業レベルでの製造は現状では困難である。
白成分の解離,超高圧処理によるゲル化処理があるが、
前者では処理後の経時的な再会合が起こり充分な透明感
は得られず、後者についても透明なゲルとは言いがた
い。また脱脂豆乳を超遠心分離により会合状態で存在す
る蛋白成分を除去し、分子レベルで存在する蛋白成分の
みから分離大豆蛋白を調製することも可能ではあるが、
工業レベルでの製造は現状では困難である。
【0008】特開昭57〓29251,特開昭58〓1
52895において分離大豆蛋白または11S蛋白を高
蛋白濃度の水溶液に調製し70〜130℃にて30分程
度加熱し透明なゲルを調製する方法が報告されている
が、これらについても得られる透明感が不充分であった
り分画処理が必要であったり、また調製される形態はゲ
ル化物で利用用途も限定されていた。
52895において分離大豆蛋白または11S蛋白を高
蛋白濃度の水溶液に調製し70〜130℃にて30分程
度加熱し透明なゲルを調製する方法が報告されている
が、これらについても得られる透明感が不充分であった
り分画処理が必要であったり、また調製される形態はゲ
ル化物で利用用途も限定されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来なかっ
たより透明な溶液と透明でかつ強固なゲルを形成する大
豆蛋白及びその原料となる豆乳を目的とし、その製造を
従来のように7Sや11Sを分画するような複雑な分画
操作を施さない方法とすることを目的とした。
たより透明な溶液と透明でかつ強固なゲルを形成する大
豆蛋白及びその原料となる豆乳を目的とし、その製造を
従来のように7Sや11Sを分画するような複雑な分画
操作を施さない方法とすることを目的とした。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、脱脂豆乳
(以下略して豆乳と呼ぶ)中の蛋白成分の凝集会合が抑
制された状態にコントロールされた豆乳を調製できれ
ば、透明溶液や透明ゲルの形成能を分離大豆蛋白に付与
できるのではないかと考え、還元剤や蛋白可溶化剤やア
ルカリ剤を添加しない条件で抽出条件や分離遠心力を変
えて調製した各豆乳中の蛋白成分の会合状態をメンブラ
ンフィルターの透過率から調べた。
(以下略して豆乳と呼ぶ)中の蛋白成分の凝集会合が抑
制された状態にコントロールされた豆乳を調製できれ
ば、透明溶液や透明ゲルの形成能を分離大豆蛋白に付与
できるのではないかと考え、還元剤や蛋白可溶化剤やア
ルカリ剤を添加しない条件で抽出条件や分離遠心力を変
えて調製した各豆乳中の蛋白成分の会合状態をメンブラ
ンフィルターの透過率から調べた。
【0011】その結果、孔径0.22ミクロンのメンブ
ランフィルターを蛋白成分が85%以上透過できない豆
乳から調製した分離大豆蛋白の溶液とそのゲルは白濁し
不透明なものになることを発見し、この時の豆乳(蛋白
濃度2重量%であった)の吸光度OD600nmは1.
2以上になることを見出した。更にこのような豆乳から
調製される大豆蛋白が、その蛋白成分が、孔径0.22
ミクロンのメンブランフィルターを65%以上透過する
ようなコロイドにすることでより透明な溶液,より透明
なゲルを形成する知見を得て本発明を完成するに至っ
た。
ランフィルターを蛋白成分が85%以上透過できない豆
乳から調製した分離大豆蛋白の溶液とそのゲルは白濁し
不透明なものになることを発見し、この時の豆乳(蛋白
濃度2重量%であった)の吸光度OD600nmは1.
2以上になることを見出した。更にこのような豆乳から
調製される大豆蛋白が、その蛋白成分が、孔径0.22
ミクロンのメンブランフィルターを65%以上透過する
ようなコロイドにすることでより透明な溶液,より透明
なゲルを形成する知見を得て本発明を完成するに至っ
た。
【0012】即ち、本発明は、脱脂大豆から水系下に大
豆蛋白を分離する方法においてて、大豆蛋白が会合を起
こさないように脱脂豆乳を抽出し、脱脂豆乳抽出から大
豆蛋白を分離する前までの脱脂豆乳の温度を40℃以下
に保つことを特徴とする大豆蛋白の製造法であり、豆蛋
白が会合を起こさないように脱脂豆乳を抽出するには、
静置抽出又は650rpm以下の撹拌抽出等を利用する
ことが出来、その目安は、脱脂豆乳中の大豆蛋白の85
%以上が孔径0.22ミクロンのメンブレンフィルター
を通過出来る程度の分子のままで脱脂豆乳を抽出するこ
とである。又、本発明は、脱脂豆乳中の大豆蛋白の85
%以上が孔径0.22ミクロンのメンブレンフィルター
を透過し、大豆蛋白濃度2.2%の脱脂豆乳のOD600n
mが1.2以下である脱脂豆乳である。又、本発明は、
大豆蛋白溶液中の大豆蛋白の65%以上が孔径0.22
ミクロンのメンブレンフィルターを透過し、大豆蛋白濃
度10%の大豆蛋白溶液のOD600nmが2以下で粘度が
400cps以下である大豆蛋白である。
豆蛋白を分離する方法においてて、大豆蛋白が会合を起
こさないように脱脂豆乳を抽出し、脱脂豆乳抽出から大
豆蛋白を分離する前までの脱脂豆乳の温度を40℃以下
に保つことを特徴とする大豆蛋白の製造法であり、豆蛋
白が会合を起こさないように脱脂豆乳を抽出するには、
静置抽出又は650rpm以下の撹拌抽出等を利用する
ことが出来、その目安は、脱脂豆乳中の大豆蛋白の85
%以上が孔径0.22ミクロンのメンブレンフィルター
を通過出来る程度の分子のままで脱脂豆乳を抽出するこ
とである。又、本発明は、脱脂豆乳中の大豆蛋白の85
%以上が孔径0.22ミクロンのメンブレンフィルター
を透過し、大豆蛋白濃度2.2%の脱脂豆乳のOD600n
mが1.2以下である脱脂豆乳である。又、本発明は、
大豆蛋白溶液中の大豆蛋白の65%以上が孔径0.22
ミクロンのメンブレンフィルターを透過し、大豆蛋白濃
度10%の大豆蛋白溶液のOD600nmが2以下で粘度が
400cps以下である大豆蛋白である。
【0013】以下詳述する。本発明に用いる脱脂大豆
は、通常、大豆から大豆油を圧搾したり有機溶剤等で抽
出したりした残査を用いることが出来る。
は、通常、大豆から大豆油を圧搾したり有機溶剤等で抽
出したりした残査を用いることが出来る。
【0014】本発明において、水系下に大豆蛋白が会合
しない条件下で脱脂大豆から脱脂豆乳を抽出することが
重要である。
しない条件下で脱脂大豆から脱脂豆乳を抽出することが
重要である。
【0015】具体的には脱脂豆乳中の大豆蛋白の85%
以上が孔径0.22ミクロンのメンブレンフィルターを
通過出来る程度の大きさの分子のままで脱脂大豆から豆
乳を抽出する。
以上が孔径0.22ミクロンのメンブレンフィルターを
通過出来る程度の大きさの分子のままで脱脂大豆から豆
乳を抽出する。
【0016】豆乳中の大豆蛋白が会合を起こさない為に
は静置抽出や緩やかな撹拌抽出(低速プロペラ撹拌抽出
等)、膜抽出等を利用することが出来る。
は静置抽出や緩やかな撹拌抽出(低速プロペラ撹拌抽出
等)、膜抽出等を利用することが出来る。
【0017】静置抽出は脱脂大豆を水系下に撹拌等する
ことなく静置して自然に抽出される豆乳を回収する方法
である。 穏やかな撹拌抽出は、大豆蛋白が会合をおこ
さないような低速のプロペラ撹拌による方法が好まし
い。撹拌の回転数は脱脂大豆の変性度や用いるプロペラ
羽の形状や大きさにより一概には決められないが、例え
ば、直径14cmの円筒バットにNSIが70以下の脱
脂大豆を10%スラリーとなるように1リットルいれて
直径10cmの4枚羽のプロペラを用いて撹拌する場合
であれば、脱脂大豆のNSIが70程度であれば650
rpm以下、脱脂大豆のNSIが90程度であれば35
0rpm以下が適当である。回転数が高いと大豆蛋白が
会合し得られる豆乳が不透明になったり、たとえ豆乳が
透明であっても後の工程で分離された大豆蛋白が不透明
になる。即ち、プロペラ撹拌回転数は脱脂大豆のNSI
が高くなるほど抽出される大豆蛋白が会合を起こしやす
くなるので前記より低速が適当である。
ことなく静置して自然に抽出される豆乳を回収する方法
である。 穏やかな撹拌抽出は、大豆蛋白が会合をおこ
さないような低速のプロペラ撹拌による方法が好まし
い。撹拌の回転数は脱脂大豆の変性度や用いるプロペラ
羽の形状や大きさにより一概には決められないが、例え
ば、直径14cmの円筒バットにNSIが70以下の脱
脂大豆を10%スラリーとなるように1リットルいれて
直径10cmの4枚羽のプロペラを用いて撹拌する場合
であれば、脱脂大豆のNSIが70程度であれば650
rpm以下、脱脂大豆のNSIが90程度であれば35
0rpm以下が適当である。回転数が高いと大豆蛋白が
会合し得られる豆乳が不透明になったり、たとえ豆乳が
透明であっても後の工程で分離された大豆蛋白が不透明
になる。即ち、プロペラ撹拌回転数は脱脂大豆のNSI
が高くなるほど抽出される大豆蛋白が会合を起こしやす
くなるので前記より低速が適当である。
【0018】又、脱脂大豆のNSIやフレークの大き
さ、使用量、プロペラの形状や大きさにより適宜撹拌の
回転数や撹拌時間等の抽出条件を調節することが出来
る。その目安は前述したように豆乳中の大豆蛋白の85
%以上が孔径0.22ミクロンのメンブレンフィルター
を通過出来る程度である。
さ、使用量、プロペラの形状や大きさにより適宜撹拌の
回転数や撹拌時間等の抽出条件を調節することが出来
る。その目安は前述したように豆乳中の大豆蛋白の85
%以上が孔径0.22ミクロンのメンブレンフィルター
を通過出来る程度である。
【0019】膜抽出はUF膜等を用いて脱脂大豆の水性
スラリーから豆乳を分画することが出来る。
スラリーから豆乳を分画することが出来る。
【0020】本発明において脱脂大豆と水とが撹拌等さ
れた豆乳スラリーから抽出残査(オカラ成分や未抽出蛋
白等)を分離・除去して豆乳を得ることが出来る。
れた豆乳スラリーから抽出残査(オカラ成分や未抽出蛋
白等)を分離・除去して豆乳を得ることが出来る。
【0021】以上のようにして得られた豆乳はより透明
な豆乳である。即ち豆乳中の大豆蛋白の85%以上が孔
径0.22ミクロンのメンブレンフィルターを透過し、
大豆蛋白濃度2.2%溶液のOD600nmが1.2以下で
ある。通常豆乳中の大豆蛋白濃度は2重量%以上である
が、これを噴霧乾燥等して乾燥した豆乳粉末を水に再度
溶解させた溶液(豆乳)も透明である。
な豆乳である。即ち豆乳中の大豆蛋白の85%以上が孔
径0.22ミクロンのメンブレンフィルターを透過し、
大豆蛋白濃度2.2%溶液のOD600nmが1.2以下で
ある。通常豆乳中の大豆蛋白濃度は2重量%以上である
が、これを噴霧乾燥等して乾燥した豆乳粉末を水に再度
溶解させた溶液(豆乳)も透明である。
【0022】かかる、豆乳や豆乳粉末は飲料等の原料と
して好適である。次に、該豆乳から大豆蛋白を分離する
ことが出来る。
して好適である。次に、該豆乳から大豆蛋白を分離する
ことが出来る。
【0023】大豆蛋白を分離するには工業的に用いる等
電点沈殿法やUF膜による分離等を利用することが出来
る。特に7S蛋白や11S蛋白を分画して抽出するよう
な特別複雑な方法を用いる必要はない。
電点沈殿法やUF膜による分離等を利用することが出来
る。特に7S蛋白や11S蛋白を分画して抽出するよう
な特別複雑な方法を用いる必要はない。
【0024】例えば、等電点沈殿法であれば、該豆乳に
酸を加えて大豆蛋白の等電点付近のpHに調整し、沈殿
する大豆蛋白を回収し、必要により中和してより透明な
大豆蛋白溶液を得ることが出来る。
酸を加えて大豆蛋白の等電点付近のpHに調整し、沈殿
する大豆蛋白を回収し、必要により中和してより透明な
大豆蛋白溶液を得ることが出来る。
【0025】この大豆蛋白溶液を必要により殺菌し乾燥
して大豆蛋白とすることが出来る。殺菌に加熱殺菌(例
えば高温瞬間加熱殺菌)等したり、乾燥段階で加熱等し
ても得られる大豆蛋白は透明性を失わない。即ち、溶液
状態で透明性を有し、調製したゲルも透明性を有する。
して大豆蛋白とすることが出来る。殺菌に加熱殺菌(例
えば高温瞬間加熱殺菌)等したり、乾燥段階で加熱等し
ても得られる大豆蛋白は透明性を失わない。即ち、溶液
状態で透明性を有し、調製したゲルも透明性を有する。
【0026】本発明の大豆蛋白の製造においてもう一つ
の重要な点は大豆蛋白を分離する原料となる豆乳を40
℃以下とすることである。具体的には豆乳を抽出する工
程を40℃以下に保ち、大豆蛋白の分離に供するするま
での豆乳も40℃以下に保つことである。
の重要な点は大豆蛋白を分離する原料となる豆乳を40
℃以下とすることである。具体的には豆乳を抽出する工
程を40℃以下に保ち、大豆蛋白の分離に供するするま
での豆乳も40℃以下に保つことである。
【0027】ただし、大豆蛋白でなく単に豆乳だけを得
る場合はたとえ50℃で脱脂大豆から豆乳を抽出して
も、或いは、40℃以下で抽出して得た豆乳を50℃に
昇温しても、或いは豆乳抽出温度も豆乳保温温度も50
℃としても、得られる豆乳は透明性を失わない。
る場合はたとえ50℃で脱脂大豆から豆乳を抽出して
も、或いは、40℃以下で抽出して得た豆乳を50℃に
昇温しても、或いは豆乳抽出温度も豆乳保温温度も50
℃としても、得られる豆乳は透明性を失わない。
【0028】しかし、大豆蛋白を得る場合は、前記のよ
うに一度40℃以上を経験した豆乳から大豆蛋白を抽出
すると、得られる大豆蛋白は透明性を失う。
うに一度40℃以上を経験した豆乳から大豆蛋白を抽出
すると、得られる大豆蛋白は透明性を失う。
【0029】市販大豆蛋白は大豆蛋白が会合して見かけ
の分子量が数百万前後と大きく(通常孔径0.22ミク
ロンのメンブレンフィルターを30〜45%程度透過出
来る)、その溶液もゲルも不透明であるのに比べ、本発
明の大豆蛋白は、大豆蛋白溶液中の大豆蛋白は分子量が
5万以下のものが80%以上存在し、孔径0.22ミク
ロンのメンブレンフィルターを大豆蛋白が65%以上が
透過し、大豆蛋白濃度10%の大豆蛋白溶液のOD600n
mが2以下で、粘度が400cps以下である。
の分子量が数百万前後と大きく(通常孔径0.22ミク
ロンのメンブレンフィルターを30〜45%程度透過出
来る)、その溶液もゲルも不透明であるのに比べ、本発
明の大豆蛋白は、大豆蛋白溶液中の大豆蛋白は分子量が
5万以下のものが80%以上存在し、孔径0.22ミク
ロンのメンブレンフィルターを大豆蛋白が65%以上が
透過し、大豆蛋白濃度10%の大豆蛋白溶液のOD600n
mが2以下で、粘度が400cps以下である。
【0030】又、本発明の大豆蛋白は7Sや11S成分
だけを特殊な分画方法で分画するものではないので、7
S成分も11S成分も偏ることなく含むものである。本
発明の大豆蛋白の7S/11Sの比率は0.3〜3、好
ましくは0.5〜2.5の範囲であり、通常、0.5〜
2の範囲とすることが出来る。
だけを特殊な分画方法で分画するものではないので、7
S成分も11S成分も偏ることなく含むものである。本
発明の大豆蛋白の7S/11Sの比率は0.3〜3、好
ましくは0.5〜2.5の範囲であり、通常、0.5〜
2の範囲とすることが出来る。
【0031】又、特定の塩濃度による分画でもないので
電気泳動(SDS=PAGE)的にも特に欠けたバンド
(例えば34kd)は見られないように認められた。
電気泳動(SDS=PAGE)的にも特に欠けたバンド
(例えば34kd)は見られないように認められた。
【0032】
【実施例】以下実施例により本発明の実施態様を説明す
る。
る。
【0033】実施例1 脱脂大豆フレーク(NSI90)(不二製油株式会社
製)1重量部(以下「部」)に15℃の冷水10部を加
え、pH6.7の条件でプロペラ攪拌機(東京理化学社
製)プロペラ直径10cm,4枚羽根,150rpmで
15分間攪拌抽出し、スラリー溶液を遠心分離機(国産
遠心機社製)で1300G,10分間遠心分離し不溶性
成分(オカラ成分)を除去し、豆乳を得た。
製)1重量部(以下「部」)に15℃の冷水10部を加
え、pH6.7の条件でプロペラ攪拌機(東京理化学社
製)プロペラ直径10cm,4枚羽根,150rpmで
15分間攪拌抽出し、スラリー溶液を遠心分離機(国産
遠心機社製)で1300G,10分間遠心分離し不溶性
成分(オカラ成分)を除去し、豆乳を得た。
【0034】次いで豆乳を20℃でpH4.5に調整し
て等電点沈殿させ沈殿画分を分離し、蛋白成分を回収し
た。
て等電点沈殿させ沈殿画分を分離し、蛋白成分を回収し
た。
【0035】回収した蛋白を中和後、高温瞬間加熱殺菌
処理(140℃で7秒)し、噴霧乾燥して粉末状の分離
大豆蛋白(T−1)を0.260部得た。
処理(140℃で7秒)し、噴霧乾燥して粉末状の分離
大豆蛋白(T−1)を0.260部得た。
【0036】実施例2 NSI80の脱脂大豆を用いる以外は実施例1と同様に
して分離大豆蛋白(T−2)を0.240部を得た。
して分離大豆蛋白(T−2)を0.240部を得た。
【0037】実験例1 (溶液の透明度)実施例1および実施例2で得られた分
離大豆蛋白T−1,T−2をそれぞれ20gに180g
の水を添加し、ホモミキサー3000rpmで完全に溶
解させた。次いで各溶液を遠心分離(国産遠心機)で遠
心脱泡させ各々の溶液を分光光度計(島津製作所社製)
でOD600nmの値を測定したところT−1について
は0.75,T−2については0.62の値となりとも
に優れた透明感を有していた。
離大豆蛋白T−1,T−2をそれぞれ20gに180g
の水を添加し、ホモミキサー3000rpmで完全に溶
解させた。次いで各溶液を遠心分離(国産遠心機)で遠
心脱泡させ各々の溶液を分光光度計(島津製作所社製)
でOD600nmの値を測定したところT−1について
は0.75,T−2については0.62の値となりとも
に優れた透明感を有していた。
【0038】この結果から、NSIの低い脱脂大豆を用
いる方がより透明性の高い性質を有する分離大豆蛋白の
調製が可能であることがわかった。しかしこの場合、N
SIの低い脱脂大豆を用いたT−2の方が溶液の色調は
黄色ぽくなり、Tー1のほうが無色に近くなった。
いる方がより透明性の高い性質を有する分離大豆蛋白の
調製が可能であることがわかった。しかしこの場合、N
SIの低い脱脂大豆を用いたT−2の方が溶液の色調は
黄色ぽくなり、Tー1のほうが無色に近くなった。
【0039】(ゲルの調製)実施例1および実施例2で
得られた分離大豆蛋白T−1,T−2各50gに2%
(W/V)食塩225mlを添加しフードプロセッサー
(松下電器産業株式会社製)で5分間処理し4.5倍加
水の加塩ペーストを調製した。次いでこの各ペーストを
真空シーラーを用いて脱泡させ、折り径35mmのケー
シングチューブに詰めチューブの口をクリップで縛った
後、80℃の恒温槽で30分間加熱し、加熱後流水中で
30分間冷却させケーシングゲルを調製した。
得られた分離大豆蛋白T−1,T−2各50gに2%
(W/V)食塩225mlを添加しフードプロセッサー
(松下電器産業株式会社製)で5分間処理し4.5倍加
水の加塩ペーストを調製した。次いでこの各ペーストを
真空シーラーを用いて脱泡させ、折り径35mmのケー
シングチューブに詰めチューブの口をクリップで縛った
後、80℃の恒温槽で30分間加熱し、加熱後流水中で
30分間冷却させケーシングゲルを調製した。
【0040】(ゲルの破断強度測定)上記の各ケーシン
グゲルをカッターナイフで厚さ20mmになるよう輪切
りしたものを測定サンプルとし、レオメーター(山電社
製)で測定プランジャー径8mmの円柱プランジャーを
用いてゲルの破断強度測定を行った。測定条件は以下の
条件で行った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−− (測定条件) Load cell 2Kg Storage pitch 0.10sec Measuring speed 1.0mm/sec Contact diameter 8.0mm Magnification 1 Measuring strain 80% −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−− 各ゲルの破断強度は、T−1のケーシングゲルが740
g,T−2のケーシングゲルが820gの破断強度であ
り、NSIの低い脱脂大豆から調製したT−2の方がよ
り強固なゲルを形成した。
グゲルをカッターナイフで厚さ20mmになるよう輪切
りしたものを測定サンプルとし、レオメーター(山電社
製)で測定プランジャー径8mmの円柱プランジャーを
用いてゲルの破断強度測定を行った。測定条件は以下の
条件で行った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−− (測定条件) Load cell 2Kg Storage pitch 0.10sec Measuring speed 1.0mm/sec Contact diameter 8.0mm Magnification 1 Measuring strain 80% −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−− 各ゲルの破断強度は、T−1のケーシングゲルが740
g,T−2のケーシングゲルが820gの破断強度であ
り、NSIの低い脱脂大豆から調製したT−2の方がよ
り強固なゲルを形成した。
【0041】(ゲルの透明度)実施例1および実施例2
で得られた分離大豆蛋白T−1,T−2をそれぞれ20
gに180gの水を添加し、ホモミキサー3000rp
mで完全に溶解させた。次いで各溶液を遠心分離により
遠心脱泡させた後、各々の溶液を内径10mm×10m
m×45mmの石英セルに入れパラフィルムで蓋をし、
泡が混入していないことを確認した後、80℃の恒温槽
中で30分間加熱して加熱ゲルを調製した。
で得られた分離大豆蛋白T−1,T−2をそれぞれ20
gに180gの水を添加し、ホモミキサー3000rp
mで完全に溶解させた。次いで各溶液を遠心分離により
遠心脱泡させた後、各々の溶液を内径10mm×10m
m×45mmの石英セルに入れパラフィルムで蓋をし、
泡が混入していないことを確認した後、80℃の恒温槽
中で30分間加熱して加熱ゲルを調製した。
【0042】調製されたゲルは、そのまま石英セルごと
分光光度計にかけOD600nmの値を測定したところ
T−1では0.70 ,T−2では0.56の値となり
極めて透明感のあるゲルとなった。
分光光度計にかけOD600nmの値を測定したところ
T−1では0.70 ,T−2では0.56の値となり
極めて透明感のあるゲルとなった。
【0043】(水溶液中でのコロイド状態)実施例1お
よび実施例2で得られた分離大豆蛋白T−1,T−2各
0.5gをイオン交換水に完全に溶解させ0.5%水溶
液を調製した。次いで、各々の0.5%水溶液の0.1
mlを孔径0.22ミクロンのメンブランフィルター
(「ウルトラフリーC3」、ミリポア社製)にアプライ
し遠心分離機で完全に液が透過するまで遠心分離した。
よび実施例2で得られた分離大豆蛋白T−1,T−2各
0.5gをイオン交換水に完全に溶解させ0.5%水溶
液を調製した。次いで、各々の0.5%水溶液の0.1
mlを孔径0.22ミクロンのメンブランフィルター
(「ウルトラフリーC3」、ミリポア社製)にアプライ
し遠心分離機で完全に液が透過するまで遠心分離した。
【0044】透過液をLowry法で分析し各々の蛋白
成分の透過率を求めたところT−1では、88%,T−
2では80%の蛋白成分が透過した。 (実施例1、2の豆乳について)蛋白濃度2.2%,O
D600nmの値はTー1は0.65でT−2は0.4
1であった。
成分の透過率を求めたところT−1では、88%,T−
2では80%の蛋白成分が透過した。 (実施例1、2の豆乳について)蛋白濃度2.2%,O
D600nmの値はTー1は0.65でT−2は0.4
1であった。
【0045】又、孔径0.22ミクロンのメンブランフ
ィルター透過画分はTー1は95%で、T−2は98%
であった。
ィルター透過画分はTー1は95%で、T−2は98%
であった。
【0046】比較例1(豆乳の処理温度) 実施例1と同様にして得た豆乳(糖度6.2Brix,
蛋白濃度2.2%,OD600nmの値が孔径0.6
5、0.22ミクロンのメンブランフルター透過画分
は、95%)を50℃の恒温槽に入れ50℃に昇温した
ところで塩酸を用いてpH4.5に調整して等電点沈殿
させ、沈殿画分を分離し、蛋白画分を回収した。回収し
た蛋白を中和後、高温瞬間加熱殺菌処理し、噴霧乾燥し
て粉末状の分離大豆蛋白(C−1)を0.260部を得
た。
蛋白濃度2.2%,OD600nmの値が孔径0.6
5、0.22ミクロンのメンブランフルター透過画分
は、95%)を50℃の恒温槽に入れ50℃に昇温した
ところで塩酸を用いてpH4.5に調整して等電点沈殿
させ、沈殿画分を分離し、蛋白画分を回収した。回収し
た蛋白を中和後、高温瞬間加熱殺菌処理し、噴霧乾燥し
て粉末状の分離大豆蛋白(C−1)を0.260部を得
た。
【0047】得られた粉末状の分離大豆蛋白を水に溶解
させ10%溶液を調製したところ、その溶液は白濁して
おり、溶液のOD600nmの測定は不可能であった。
また、その 0.5%水溶液の孔径0.22ミクロンの
メンブランフィルター透過画分は45%であった。
させ10%溶液を調製したところ、その溶液は白濁して
おり、溶液のOD600nmの測定は不可能であった。
また、その 0.5%水溶液の孔径0.22ミクロンの
メンブランフィルター透過画分は45%であった。
【0048】比較例2(豆乳抽出温度) 脱脂大豆を50℃の温水で抽出する以外は実施例1と同
様にして大豆蛋白を製造した。
様にして大豆蛋白を製造した。
【0049】このとき豆乳は糖度6.8Brix,蛋白
濃度2.7%,OD600nmの値が0.40で、孔径
0.22ミクロンのメンブランフルター透過画分は、8
8%であった。即ち、得られた豆乳は透明であった。
濃度2.7%,OD600nmの値が0.40で、孔径
0.22ミクロンのメンブランフルター透過画分は、8
8%であった。即ち、得られた豆乳は透明であった。
【0050】しかし、この豆乳を20℃の恒温槽に入れ
20℃に冷却したところでpH4.5に調整して等電点
沈殿させ、沈殿画分を分離し、蛋白画分を回収した。回
収した蛋白を中和後加熱処理し、噴霧乾燥して粉末状の
分離大豆蛋白(C−2)を0.300部得た。得られた
粉末状の分離大豆蛋白を水に溶解させ10%溶液を調製
したところ、その溶液は白濁しており、溶液のOD60
0nmの測定は不可能であった。また、その 0.5%
水溶液の孔径0.22ミクロンのメンブランフィルター
透過画分は43%であった。
20℃に冷却したところでpH4.5に調整して等電点
沈殿させ、沈殿画分を分離し、蛋白画分を回収した。回
収した蛋白を中和後加熱処理し、噴霧乾燥して粉末状の
分離大豆蛋白(C−2)を0.300部得た。得られた
粉末状の分離大豆蛋白を水に溶解させ10%溶液を調製
したところ、その溶液は白濁しており、溶液のOD60
0nmの測定は不可能であった。また、その 0.5%
水溶液の孔径0.22ミクロンのメンブランフィルター
透過画分は43%であった。
【0051】以上の実施例と比較例をまとめると以下の
表1のようになる。
表1のようになる。
【0052】
【表1】 ------------------------------------------------------------- 分離大豆蛋白 T−1 T−2 C−1 C−2 ------------------------------------------------------------- NSI 90 80 抽出温度(℃) 15 15 15 50 豆乳Brix 6.2 5.9 6.2 6.8 蛋白濃度 % 2.2 2.0 2.2 2.7 豆乳OD600nm 0.65 0.41 0.65 0.40 豆乳透過率% 95 98 95 88 分離大豆蛋白透過率% 88 80 45 43 酸沈温度(℃) 20 20 50 20 10%水溶液OD600nm0.75 0.62 測定不能 測定不能 ゲル破断強度(g) 740 820 480 640 ケーシングゲル透明感 良好 良好 白濁 白濁 ------------------------------------------------------------- 実施例3 (脱脂大豆NSI70 600rpmの例) NSIの低い脱脂大豆(NSI:70)100部に15
℃の冷水1000部を直径14cmの円筒バットに入れ
プロペラ攪拌機(プロペラ直径10cm,4枚羽根)を
底面から1.5cmの高さになるようプロペラ羽根を調
整した。抽出はプロペラ撹拌回転600rpmで15分
間とし抽出し、得られたスラリーを実施例1と同様に処
理して分離大豆蛋白T−3を得た。
℃の冷水1000部を直径14cmの円筒バットに入れ
プロペラ攪拌機(プロペラ直径10cm,4枚羽根)を
底面から1.5cmの高さになるようプロペラ羽根を調
整した。抽出はプロペラ撹拌回転600rpmで15分
間とし抽出し、得られたスラリーを実施例1と同様に処
理して分離大豆蛋白T−3を得た。
【0053】T−3の10%水溶液のOD600nmは
0.88であった。又、0.5%溶液の孔径0.22ミ
クロンのメンブランフィルターを通過した大豆蛋白の割
合は75%であった。
0.88であった。又、0.5%溶液の孔径0.22ミ
クロンのメンブランフィルターを通過した大豆蛋白の割
合は75%であった。
【0054】実施例4(撹拌条件) NSIの高い脱脂大豆フレーク(5mm角,NSI9
0)を用いて、プロペラ回転数を150,300,50
0rpmの3条件で抽出する以外は実施例1と同様にし
て分離大豆蛋白を製造した。
0)を用いて、プロペラ回転数を150,300,50
0rpmの3条件で抽出する以外は実施例1と同様にし
て分離大豆蛋白を製造した。
【0055】各々の分離大豆蛋白の10%水溶液を調製
しその透明度をOD600nmで測定した。図−1,表
−2に示す結果のように、溶液の透明度は抽出時のプロ
ペラ攪拌の回転数すなわち攪拌の程度に影響され、30
0rpm以上の回転数ではフレークへの剪断が強くなっ
て豆乳中の蛋白成分の会合が促進され、その結果得られ
る分離大豆蛋白の溶液の透明度は著しく悪化する傾向と
なり、このように300rpm以下の回転数であれば、
フレークに与える影響は少なくなり豆乳中の蛋白成分の
会合を起こさない為、得られる分離大豆蛋白の溶液は初
めて良好な透明感を得ることができた。
しその透明度をOD600nmで測定した。図−1,表
−2に示す結果のように、溶液の透明度は抽出時のプロ
ペラ攪拌の回転数すなわち攪拌の程度に影響され、30
0rpm以上の回転数ではフレークへの剪断が強くなっ
て豆乳中の蛋白成分の会合が促進され、その結果得られ
る分離大豆蛋白の溶液の透明度は著しく悪化する傾向と
なり、このように300rpm以下の回転数であれば、
フレークに与える影響は少なくなり豆乳中の蛋白成分の
会合を起こさない為、得られる分離大豆蛋白の溶液は初
めて良好な透明感を得ることができた。
【0056】表2 に各プロペラ回転数で調製した豆乳
中の蛋白成分の孔径0.22ミクロンのメンブレンフィ
ルター透過率(%)を示す。
中の蛋白成分の孔径0.22ミクロンのメンブレンフィ
ルター透過率(%)を示す。
【0057】
【表2】 ----------------------------------------------- プロペラ回転数(rpm) 0.22ミクロン透過率(%) ---------------------------------------------- 150 95 300 87 500 78 ----------------------------------------------- 透明度は図1に示す。 比較例3 実施例1で得られたT−1および比較例2で得られたC
−2と市販分離大豆蛋白A社品(不二製油(株)製「フ
ジプローR」),B社品(味の素(株)製「アジプロン
SU2」)を用いて各濃度の水溶液の透明度をOD60
0nmの吸光度,10%溶液での溶液粘度,0.5%溶
液での孔径0.22ミクロンのメンブランフィルターの
透過率%を測定し 比較した。その結果、(図2,表3
参考)T−1は他の比較サンプルに比べて透明 度が著
しく優れ、かつ溶液粘度も非常に低粘度であった。ま
た、0.5%溶液での溶解状態は、市販製品ではかなり
大きなコロイド会合体になっていた。
−2と市販分離大豆蛋白A社品(不二製油(株)製「フ
ジプローR」),B社品(味の素(株)製「アジプロン
SU2」)を用いて各濃度の水溶液の透明度をOD60
0nmの吸光度,10%溶液での溶液粘度,0.5%溶
液での孔径0.22ミクロンのメンブランフィルターの
透過率%を測定し 比較した。その結果、(図2,表3
参考)T−1は他の比較サンプルに比べて透明 度が著
しく優れ、かつ溶液粘度も非常に低粘度であった。ま
た、0.5%溶液での溶解状態は、市販製品ではかなり
大きなコロイド会合体になっていた。
【0058】
【表3】 吸光度は図2に示す。
【0059】比較例4(7S,11S蛋白) Thanh等方 法(J.Agric.Food.Ch
em.1979)により7S蛋白,11S蛋白を調製し
た、即ち、脱脂大豆をトリスー塩酸緩衝液(pH7.
8、メルカプトエタノールを含む)で抽出し、抽出した
スラリーを10,000rpmで不溶性画分を遠心分離
して除去した豆乳をpH6.6に調整し、透析後10、
000rpmで遠心分離して沈殿画分の粗11S蛋白画
分と上澄部の粗7S蛋白画分に分離した。
em.1979)により7S蛋白,11S蛋白を調製し
た、即ち、脱脂大豆をトリスー塩酸緩衝液(pH7.
8、メルカプトエタノールを含む)で抽出し、抽出した
スラリーを10,000rpmで不溶性画分を遠心分離
して除去した豆乳をpH6.6に調整し、透析後10、
000rpmで遠心分離して沈殿画分の粗11S蛋白画
分と上澄部の粗7S蛋白画分に分離した。
【0060】粗7S画分を等電点沈殿させ水洗し中和、
乾燥して7S蛋白とした。粗11S画分を水洗し中和、
乾燥して11S蛋白とした。 比較例5 佐本等方法(日本農芸化学会大会要旨集1994)によ
りオイル親和性蛋白Glymを除去する分離大豆蛋白を
調製した。即ち、脱脂大豆に1.5倍の水を加え水酸化
ナトリウムでpH7.5に調整し、3時間抽出して豆乳
を得、1Mの硫酸ナトリウムを加えてpH4.5に調整
し、20、000gで10分遠心分離して不溶画分を除
去して上済画分を脱塩後等電点沈殿させてGlymを9
0%以上除去した分離大豆蛋白を製造した。 実験例2 比較例4及び5並びに実施例1と同様にして製造した粉
末状分離大豆蛋白について0.5%溶液状態での孔径
0.22ミクロンの透過率,10%溶液のOD600n
mでの吸光度による透明性と溶液粘度,応用例1と同様
に調製したゲルの破断強度,蛋白純度,7S/11S
比、SDSーPAGE(電気泳動)による34kdバン
ドの有無について調べた。その結果(表4)、実施例1
の分離大豆蛋白は溶液状態で非常に会合の抑えられたコ
ロイドとなりその溶液粘度は著しく低くかつ透明度の点
でも優れていた。また7S/11S比は市販分離大豆蛋
白に近似し、オイル親和性蛋白Glym(34kd)を
除去した分離大豆蛋白とも性質が異なる新規な分離大豆
蛋白であった。
乾燥して7S蛋白とした。粗11S画分を水洗し中和、
乾燥して11S蛋白とした。 比較例5 佐本等方法(日本農芸化学会大会要旨集1994)によ
りオイル親和性蛋白Glymを除去する分離大豆蛋白を
調製した。即ち、脱脂大豆に1.5倍の水を加え水酸化
ナトリウムでpH7.5に調整し、3時間抽出して豆乳
を得、1Mの硫酸ナトリウムを加えてpH4.5に調整
し、20、000gで10分遠心分離して不溶画分を除
去して上済画分を脱塩後等電点沈殿させてGlymを9
0%以上除去した分離大豆蛋白を製造した。 実験例2 比較例4及び5並びに実施例1と同様にして製造した粉
末状分離大豆蛋白について0.5%溶液状態での孔径
0.22ミクロンの透過率,10%溶液のOD600n
mでの吸光度による透明性と溶液粘度,応用例1と同様
に調製したゲルの破断強度,蛋白純度,7S/11S
比、SDSーPAGE(電気泳動)による34kdバン
ドの有無について調べた。その結果(表4)、実施例1
の分離大豆蛋白は溶液状態で非常に会合の抑えられたコ
ロイドとなりその溶液粘度は著しく低くかつ透明度の点
でも優れていた。また7S/11S比は市販分離大豆蛋
白に近似し、オイル親和性蛋白Glym(34kd)を
除去した分離大豆蛋白とも性質が異なる新規な分離大豆
蛋白であった。
【0061】
【表4】各調製法で調製した分離大豆蛋白の性質 -------------------------------------------------------------------- 調製法 実施例1 比較例5 比較例4の7S 比較例4の11S -------------------------------------------------------------------- 透過率% 88 43 45 50 OD600nm 0.75 0.70 1.30 1.56 粘度(cps) 35 820 450 280 ゲル破断強度(g) 740 720 500 700 蛋白純度(%) 95 95 91 95 7S/11S比 1.05 1.16 4.88 0.09 34kd 有り なし なし 有り -------------------------------------------------------------------- 応用例1 実施例1で得られた粉末状分離大豆蛋白(T−1)およ
び市販分離大豆蛋白(不二製油(株)製「フジプロー
R」)を用いてプロテインドリンクを調製し、その製品
イメージおよび風味について10人のパネラーを用いて
評価した。プロテインドリンクは以下の配合で調製し
た。
び市販分離大豆蛋白(不二製油(株)製「フジプロー
R」)を用いてプロテインドリンクを調製し、その製品
イメージおよび風味について10人のパネラーを用いて
評価した。プロテインドリンクは以下の配合で調製し
た。
【0062】 (パネラー評価結果) ------------------------------------------------------------- T−1 市販分離大豆蛋白 ------------------------------------------------------------- 風味について 良い9人 良い2人 普通1人 普通2人 悪い0人 悪い6人 感想 後味がすっきり 大豆臭,苦み, としている 渋みがある 飲料としてのイ 良い5人 良い0人 メージについて 普通4人 普通3人 悪い1人 悪い7人 透明なので清涼感 濁った感じ がある よくない 感想 豆乳ぽさがない 不味い 大豆をイメージ しない ------------------------------------------------------------- パネラー評価の結果から、実施例1で得られた分離大豆
蛋白は、市販の分離大豆蛋白に比べて風味的にも優れて
おり、透明な溶液状態を呈することで飲料としてのイメ
ージも好感がもたれ従来のプロテイン飲料とは差別化さ
れた優れたプロテイン飲料となり、本分離大豆蛋白を用
いて新しいタイプのプロテインドリンクの調製が可能と
なった。
蛋白は、市販の分離大豆蛋白に比べて風味的にも優れて
おり、透明な溶液状態を呈することで飲料としてのイメ
ージも好感がもたれ従来のプロテイン飲料とは差別化さ
れた優れたプロテイン飲料となり、本分離大豆蛋白を用
いて新しいタイプのプロテインドリンクの調製が可能と
なった。
【0063】応用例2 実施例1で得られた粉末状分離大豆蛋白(T−1)と市
販分離大豆蛋白(不二製油(株)製「フジプローD」)
を用いて表の配合をもとにハム用のピックル液を調製し
た。
販分離大豆蛋白(不二製油(株)製「フジプローD」)
を用いて表の配合をもとにハム用のピックル液を調製し
た。
【0064】 次いで、調製したT−1および市販分離大豆蛋白のピッ
クル液をそれぞれ、原料となる肉100重量部に対して
80重量部注入し、10時間バキュームマッサージした
後、15時間冷蔵した。
クル液をそれぞれ、原料となる肉100重量部に対して
80重量部注入し、10時間バキュームマッサージした
後、15時間冷蔵した。
【0065】そして、各食肉製品用ピックル液が注入さ
れたそれぞれの肉を、65℃で15分間加熱して乾燥さ
せた後、70℃で30分間スモークし、さらにその中心
温度が72℃程度になるよう75℃で120分間蒸煮し
てハムを製造した。
れたそれぞれの肉を、65℃で15分間加熱して乾燥さ
せた後、70℃で30分間スモークし、さらにその中心
温度が72℃程度になるよう75℃で120分間蒸煮し
てハムを製造した。
【0066】得られたハムの切断面および食感,風味を
官能的に評価したところT−1を用いたハムは、市販分
離大豆蛋白を用いたハムに比べてハム切断面のくすみ感
が無く自然な肉らしい発色であり不自然な白濁感は見ら
れず官能的に優れていた。
官能的に評価したところT−1を用いたハムは、市販分
離大豆蛋白を用いたハムに比べてハム切断面のくすみ感
が無く自然な肉らしい発色であり不自然な白濁感は見ら
れず官能的に優れていた。
【0067】また、市販分離大豆蛋白を用いたハムの断
面は、表面のむらが発生しピックル液の分散不良が観察
されたが、T−1を用いたハムではピックル液が均一に
分散し表面のむらは発生しなかった。
面は、表面のむらが発生しピックル液の分散不良が観察
されたが、T−1を用いたハムではピックル液が均一に
分散し表面のむらは発生しなかった。
【0068】ハムの食感は、市販分離大豆蛋白のハムが
プリプリした食感であるのに対してT−1ではしなやか
な食感となり、食感的にも好ましく、また風味的にも優
位であった。
プリプリした食感であるのに対してT−1ではしなやか
な食感となり、食感的にも好ましく、また風味的にも優
位であった。
【0069】
【効果】以上詳述したように、本発明で得られる分離大
豆蛋白は、これまでの分離大豆蛋白で得られなかったよ
り透明な溶液とより透明なゲルを形成する性質を有して
おり、かつ風味的にも従来品よりも優れたものになる。
またその調製法は、7S,11Sを分画するような複雑
な操作や還元剤,蛋白可溶化剤,アルカリ剤等の添加を
必要とせずに簡単に調製ができる。本発明により、食品
素材として安全性が高くかつ優れた物性(透明性,ゲル
形成性等)を持ちより広範囲の利用ができる汎用性の高
い分離大豆蛋白の提供が可能となった。
豆蛋白は、これまでの分離大豆蛋白で得られなかったよ
り透明な溶液とより透明なゲルを形成する性質を有して
おり、かつ風味的にも従来品よりも優れたものになる。
またその調製法は、7S,11Sを分画するような複雑
な操作や還元剤,蛋白可溶化剤,アルカリ剤等の添加を
必要とせずに簡単に調製ができる。本発明により、食品
素材として安全性が高くかつ優れた物性(透明性,ゲル
形成性等)を持ちより広範囲の利用ができる汎用性の高
い分離大豆蛋白の提供が可能となった。
「
【図1】」は、撹拌抽出におけるプロペラ回転数と得ら
れた大豆蛋白の10%溶液の透明度(OD600nm)
の関係を示した図面(グラフ)である。 「
れた大豆蛋白の10%溶液の透明度(OD600nm)
の関係を示した図面(グラフ)である。 「
【図2】」は、各種大豆蛋白の溶液濃度と透明度(OD
600nm)の関係を示した図面(グラフ)である。
600nm)の関係を示した図面(グラフ)である。
Claims (5)
- 【請求項1】脱脂大豆から水系下に大豆蛋白を分離する
方法において、大豆蛋白が会合を起こさないように脱脂
豆乳を抽出し、脱脂豆乳抽出から大豆蛋白を分離する前
までの脱脂豆乳の温度を40℃以下に保つことを特徴と
する大豆蛋白の製造法。 - 【請求項2】豆蛋白が会合を起こさないように脱脂豆乳
を抽出する態様が、静置抽出又は650rpm以下の撹
拌抽出である請求項1の製造法。 - 【請求項3】大豆蛋白が会合を起こさないように脱脂豆
乳を抽出する態様が、脱脂豆乳中の大豆蛋白の85%以
上が孔径0.22ミクロンのメンブレンフィルターを通
過出来る程度の分子のままで脱脂豆乳を抽出する請求項
1又は請求項2の製造法。 - 【請求項4】脱脂豆乳中の大豆蛋白の85%以上が孔径
0.22ミクロンのメンブレンフィルターを透過し、大
豆蛋白濃度2.2%の脱脂豆乳のOD600nmが1.2以
下である脱脂豆乳。 - 【請求項5】大豆蛋白溶液中の大豆蛋白の65%以上が
孔径0.22ミクロンのメンブレンフィルターを透過
し、大豆蛋白濃度10%の大豆蛋白溶液のOD600nmが
2以下で粘度が400cps以下である大豆蛋白。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7003369A JP2765500B2 (ja) | 1995-01-12 | 1995-01-12 | 脱脂豆乳並びに大豆蛋白及びその製造法 |
US08/584,178 US5674548A (en) | 1995-01-12 | 1996-01-11 | Defatted soybean milk, soybean protein and soybean protein material and process for preparing them |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7003369A JP2765500B2 (ja) | 1995-01-12 | 1995-01-12 | 脱脂豆乳並びに大豆蛋白及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08187052A JPH08187052A (ja) | 1996-07-23 |
JP2765500B2 true JP2765500B2 (ja) | 1998-06-18 |
Family
ID=11555441
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7003369A Expired - Lifetime JP2765500B2 (ja) | 1995-01-12 | 1995-01-12 | 脱脂豆乳並びに大豆蛋白及びその製造法 |
Country Status (1)
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---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5320344B2 (ja) * | 2010-06-04 | 2013-10-23 | 日清オイリオグループ株式会社 | 畜肉加工食品及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-01-12 JP JP7003369A patent/JP2765500B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH08187052A (ja) | 1996-07-23 |
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