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JP2758040B2 - 電解コンデンサ用電極のエッチング方法 - Google Patents

電解コンデンサ用電極のエッチング方法

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JP2758040B2
JP2758040B2 JP1243113A JP24311389A JP2758040B2 JP 2758040 B2 JP2758040 B2 JP 2758040B2 JP 1243113 A JP1243113 A JP 1243113A JP 24311389 A JP24311389 A JP 24311389A JP 2758040 B2 JP2758040 B2 JP 2758040B2
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Japan
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etching
electrode
hole
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守 鈴木
敬介 喜井
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電解コンデンサの製造に用いられる電解
コンデンサ用電極のエッチング方法に関する。
〔従来の技術〕
電解コンデンサは、アルミニウム等の絶縁酸化皮膜形
成能のある、いわゆる弁金属を電極に用い、その電極面
に形成した絶縁酸化皮膜を誘電体として用いている。こ
の電解コンデンサの電極には、一般的に厚さ数十μmな
いし百数十μm程度の高純度のアルミニウム箔が多用さ
れる。そして、電極は、種々の形態を取り得るが、前記
アルミニウム箔を帯状に切断したものを、セパレータ紙
とともに円筒状に巻回している。
また、電極には、電解コンデンサの単位体積あたりの
静電容量値を増すために、物理的或いは化学的等、各種
の操作によってエッチング処理を施して表面積を拡大し
た後、その表面に誘電体層となる絶縁酸化皮膜層が形成
されている。
そして、この電極のエッチング処理には、各種のエッ
チング処理が用いられて来たが、近年、種々の条件設定
が容易である等の理由から、主として電気化学的な処理
による電解エッチングが用いられている。
この電解エッチングは、ハロゲンイオン、特に塩素イ
オン等を含むエッチング液中に被処理対象であるアルミ
ニウム電極箔を浸漬し、アルミニウム電極箔を一方の電
極として設定するとともに、そのエッチング液中にカー
ボン等からなる対抗電極を設定し、両電極間に直流、交
流、パルス電流等、各種の電流波形の中から単独又は任
意の複数の波形を組み合わせ、或いは複数の波形を加算
等して合成波形を印加して行うものが一般的である。ま
た、交流或いはパルス電流を用いたものでは、電極箔に
直接給電を行う方法の他、対抗電極間にアルミニウム電
極箔を通して給電する間接給電による方法も用いられて
いる。
ところで、これらの電解エッチングの中で、通常、印
加電流に直流もしくは電位が反転しないパルス電流を用
いたエッチングでは、電極のアルミニウムの表面から垂
直方向にあたかもトンネルを掘るごとくエッチング孔が
形成され、このエッチング孔の底部に新たなエッチング
開始のための活性点が現れ、順次エッチングが進行する
ので、電極表面に対して垂直方向に深い孔が形成されて
行く。
また、交流を用いたエッチングでは、電位が半サイク
ル毎に逆転するので、電極のアルミニウムから電流が流
れる期間において溶解が進むが、次の逆電位の際はエッ
チングであるアルミニウムの溶解が停止し、むしろ表面
にエッチングの活性点をマスクする皮膜が形成されてし
まう。このため、次の溶解が生じるサイクルにおけるエ
ッチングは、直流エッチングの開始点のごとく順次底面
を掘り進むようなエッチングと異なり、任意の箇所にエ
ッチングの開始点が生じてエッチングが始まることにな
り、これを交流のサイクル毎に繰り返すことになる。
それゆえ、直流エッチング及び交流エッチングは、そ
れぞれ上述したように、特徴的なエッチング孔形状を呈
する。そこで、これらの特徴を組み合わせて、より高い
エッチング効率を目ざす試みが行われている。例えば、
特公昭31-1830号公報に記載されているように、直流エ
ッチングと交流エッチングとを短時間ずつ交互に用いて
行うもの、特公昭54-40379号公報のように、前段で直流
エッチング、後段で交流エッチングを、それぞれの電気
量の割合を所定の範囲に設定して行うもの、特開昭63-2
68237号公報のように、一定の液組成、エッチング条件
のもとに前段で直流エッチング、後段で交流エッチング
を行うもの等が知られている。また、特開平1-212427号
公報に記載されているように、段階的な直流エッチング
を行うものもある。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来からの直流エッチングと交流エッチングの組合せ
によるエッチング方法は、先ず直流によるトンネル状の
エッチング孔を形成しておき、次に交流エッチングによ
り、電極表面及びトンネル状のエッチング孔内部に一様
に微細なエッチング孔を順次形成すれば、単位面積あた
りの実効表面積の拡大が図れるというものである。
ところが、従来の複合エッチング方法では、前段の直
流エッチングによるトンネル状のエッチング孔の平均開
口孔が大きくとも0.9μm以下であり、このため、後段
の交流エッチングを行っても、直流エッチングで形成さ
れたエッチング孔内壁面では殆ど進行せず、電極表面部
のみを一様に溶解エッチングするのみで、所望の拡面効
果が得られないという欠点があった。
また、直流エッチングを段階的に行った場合には、先
のエッチング処理で形成されたトンネル状のエッチング
孔が後の直流エッチングによって拡大される利点がある
が、それだけでは十分な表面拡大を行うことができな
い。
そこで、この発明は、段階的な直流エッチングと交流
エッチングとを組み合わせて拡面率を高めた電解コンデ
ンサ用電極のエッチング方法の提供を第1の目的とす
る。
また、この発明は、初期段階の直流エッチングで形成
すべきエッチング孔の大きさと次段階の直流エッチング
によるエッチング孔の拡大率の設定によって適正かつ効
率的な拡面率を実現した電解コンデンサ用電極のエッチ
ング方法の提供を第2の目的とする。
そして、この発明は、段階的な直流エッチングの形態
を変更することにより拡面率を高めた電解コンデンサ用
電極のエッチング方法の提供を第3の目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、初期段階で行う直流エッチングでトンネ
ル状のエッチング孔を形成し、その開口径を次段階の直
流エッチングによって拡大することによって、次段階で
行う交流もしくはパルス電流を用いたエッチングによっ
てトンネル状のエッチング孔の内部壁面でも均一に行わ
れるという知見に基づいている。
(請求項1) 即ち、この発明の電解コンデンサ用電極のエッチング
方法は、第1の目的を達成するため、高純度アルミニウ
ム電極に第1の直流エッチング(第1工程)によりトン
ネル状のエッチング孔を形成し、次に第2の直流エッチ
ング(第2工程)により前記エッチング孔の拡大処理を
行い、次に交流電流又はパルス電流を加えて電解エッチ
ングを行うことを特徴としている。
(請求項2) また、この発明の電解コンデンサ用電極のエッチング
方法は、第2の目的を達成するため、高純度アルミニウ
ム電極に第1の直流エッチングにより1μm未満の口径
を持つエッチング孔を形成し、次に第2の直流エッチン
グにより前記エッチング孔の口径を1μmないし4μm
に拡大することを特徴としている。
(請求項3) そして、第3の目的を達成するため、前記第1及び第
2の直流エッチングは、条件を異ならせた直流エッチン
グであることを特徴としている。
(請求項4) さらに、第3の目的を達成するため、前記第2の直流
エッチングは、ケミカルエッチングであることを特徴と
している。
〔作用〕
(請求項1) 前記構成とすれば、第1の直流エッチングによってト
ンネル状のエッチング孔が進行する。このエッチング孔
が形成された電極に第2の直流エッチングが行われるこ
とで、前記エッチング孔の開口径の拡大処理が行われ
る。
そして、このような処理によって平均開口径の大きい
トンネル状のエッチング孔が形成されると、エッチング
孔内部へのエッチング液の供給が円滑となり、エッチン
グ孔内壁部での交流エッチングによる腐食作用も表面と
同様に行われることになり、電極部全面でエッチングが
一様に進行する。このため、従来未エッチング部として
残存していたトンネル状エッチング孔内部も拡面される
ことになるので、電極の単位体積あたりの表面積が大き
くなる。
(請求項2) そして、第1の直流エッチングで1μm未満のトンネ
ル状のエッチング孔を形成し、第2の直流エッチングで
エッチング孔の開口径を1〜4μmに拡大させると、交
流電流又はパルス電流によるエッチング処理が効果的に
行われ、効率的な拡面化が実現される。
ところで、最適な平均開口径は、後段のエッチング条
件によっても多少変動があるが、通常、1μm以下の場
合には、後段のエッチング条件の如何にかかわらず、ト
ンネル状のエッチング孔内部でのエッチングの進行は活
発でなく、表面部のみでのエッチングが進行するため
に、アルミニウムの溶解は増えるものの、有効なエッチ
ング倍率の向上が期待できない。
一方、平均開口径が4μm以上に増大すると、その開
口径は後段の交流又はパルスエッチングに対して十分な
大きさであるので、トンネル状のエッチング孔内部での
エッチングの進行は問題なく行われる。しかし、開口径
をそれ以上大きくしても、エッチング倍率の向上にさほ
ど変化はなく、むしろ開口径を拡大するエッチング処理
によって、アルミニウムの溶解量が増え、エッチング処
理に時間がかかったり、アルミニウム箔の機械的強度が
低下する等の弊害がみられて好ましくない。
〔実施例〕
以下、この発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
以下の実施例は、共通した条件として、被処理のアル
ミニウム箔として、純度99.99%、厚さ100μmの高純度
のアルミニウム箔を用いている。
実施例1 第1工程:直流エッチング この直流エッチングは、塩酸5WT%の液中に前記アル
ミニウム箔を入れ、温度85℃、電流密度300mA/cm2、電
気量15クーロンのエッチング条件でエッチングを行っ
た。
第2工程:直流エッチング このエッチングも直流電解エッチング法を用い、エッ
チング条件は、硫酸5WT%の液中で、温度90℃、電流密
度300mA/cm2、電気量を10ないし25クーロンとし、条件
のうち電気量の値を変えて第1表に示すA〜Dの4つの
条件でエッチングを行い、開口径が異なるエッチングが
達成できるようにした。また、この第2工程を行わな
い、即ち、第1工程のみの場合についても同表中に示し
た。
この結果得られたエッチングの平均開口径は次の通り
であった。なお、エッチングの開口径の測定は、エッチ
ング処理を施した電極箔表面を電子顕微鏡写真によって
拡大撮影し、一定面積中に存在するエッチング孔の径を
測定してその平均を求める方法で行った。この測定方法
は以下の実施例の何れについても共通である。
第3工程:交流エッチング 第1表の1−0ないし1−Dのそれぞれの例について
以下の共通の条件で交流エッチングを行った。
エッチング条件は、塩酸5wt%の液中で、温度50℃、
電流密度50mA/cm2、電気量50クーロンである。
このエッチングが終了したものを水洗後、硼酸液中で
100mAの定電流で化成を行って酸化皮膜を形成した後、
再び水洗、乾燥させ、一定の面積(10cm2)に切断して
静電容量を測定した。この結果を第2表に示す。
実施例2 第1工程:直流エッチング この直流エッチングは、実施例1と同じ条件で行っ
た。
第2工程:ケミカルエッチング この工程はケミカルエッチング法を用いた。このエッ
チングでは、温度90℃の硫酸5wt%の溶液中に50ないし4
00秒間アルミニウム箔を浸漬処理し、このエッチング条
件のうち処理時間の値を変えて第3表に示すA〜Dの4
条件でエッチングを行い、開口径が異なるエッチングが
達成できるようにした。また、この第2工程を行わな
い、即ち、第1工程のみの場合についても同表中に示し
た。
第3工程:交流エッチング 第1表の1−0ないし1−Dのそれぞれの例につい
て、実施例1の第3工程での交流エッチングと同一条件
でエッチングを行った。
このエッチングが終了したものを水洗後、実施例1と
同じ条件で酸化皮膜を形成し、静電容量を測定した。こ
の結果を第4表に示す。
実施例3 第1工程:直流エッチング エッチング条件は実施例1と同一である。
第2工程:直流エッチング この工程のエッチング条件も実施例1と同一である。
したがって、第2工程終了時点の箔の平均開口径は第1
表と同一である。
第3工程:パルスエッチング 第1表の1−0ないし1−Dのそれぞれの例で得られ
た箔について以下の共通の条件でパルスエッチングを行
った。
エッチング条件は、食塩25wt%の水溶液中で、温度75
℃、電流密度1A/cm2、電気量25クーロンである。
このエッチングが終了したものを水洗後、実施例1と
同じ条件で酸化皮膜を形成し、静電容量を測定した。こ
の結果を第5表に示す。
以上の実験結果からの明らかなように、この実施例の
各条件でエッチング処理を施したアルミニウム箔に静電
容量を測定すると、この発明のトンネル状のエッチング
孔の開口径拡大処理、即ち、第2工程で行った処理によ
って、単位面積あたりの静電容量の増加が図れることが
認められた。
また、開口径の適切な大きさの範囲については、各実
施例から判るように、下限は1μmを越える必要があ
り、一方、上限は4μmを越えると、静電容量の増大に
殆ど変化がないかむしろ減少する傾向をみせるととも
に、エッチング時間が長くなることや、アルミニウムの
溶解量が増える等の弊害が出てくる。このことから、最
適な平均開口径は、1μm〜4μmの範囲であることが
判る。
〔発明の効果〕
以上述べたように、この発明によれば、次のような効
果が得られる。
(a) 第1の直流エッチングで形成したトンネル状の
エッチング孔を第2の直流エッチングによって拡大し、
その上に交流電流又はパルス電流によるエッチング処理
を施すので、エッチング処理が効果的に行われることに
なり、電解コンデンサ用電極の拡面率の増大を図ること
ができ、このような電解コンデンサ用電極を用いれば、
電解コンデンサの単位体積当りの容量を高めることがで
き、ひいては電解コンデンサの小型化、大容量化を図る
ことができる。
(b) 第1の直流エッチングで1μm未満の開口径を
持つエッチング孔を形成し、第2の直流エッチングでそ
の開口径を1μm〜4μmに拡大し、その上に交流電流
又はパルス電流によるエッチング処理を施すので、効率
的なエッチング処理が行われ、拡面率の高い電極を製造
できる。
(c) 第1及び第2の直流エッチングの処理条件の変
更についての自由度があり、その変更によって拡面率の
高い電解コンデンサ用電極を生産することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−268237(JP,A) 特開 昭60−169130(JP,A) 特開 昭55−108728(JP,A) 特公 昭54−40379(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01G 9/04 304

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高純度アルミニウム電極に第1の直流エッ
    チングによりトンネル状のエッチング孔を形成し、次
    に、第2の直流エッチングにより前記エッチング孔の拡
    大処理を行い、次に、交流電流又はパルス電流を加えて
    電解エッチングを行うことを特徴とする電解コンデンサ
    用電極のエッチング方法。
  2. 【請求項2】前記高純度アルミニウム電極に前記第1の
    直流エッチングにより1μm未満の口径を持つ前記エッ
    チング孔を形成し、次に、前記第2の直流エッチングに
    より前記エッチング孔の口径を1μmないし4μmに拡
    大することを特徴とする請求項1記載の電解コンデンサ
    用電極のエッチング方法。
  3. 【請求項3】前記第1及び第2の直流エッチングは、条
    件を異ならせた直流エッチングであることを特徴とする
    請求項1記載の電解コンデンサ用電極のエッチング方
    法。
  4. 【請求項4】前記第2の直流エッチングは、ケミカルエ
    ッチングであることを特徴とする請求項1記載の電解コ
    ンデンサ用電極のエッチング方法。
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WO2024024884A1 (ja) * 2022-07-29 2024-02-01 パナソニックIpマネジメント株式会社 電極箔製造用の金属箔、電解コンデンサ用電極箔の製造方法、電解コンデンサ用電極箔、および電解コンデンサ

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