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JP2755420B2 - 油圧ショベルの油圧回路 - Google Patents

油圧ショベルの油圧回路

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JP2755420B2
JP2755420B2 JP10024289A JP10024289A JP2755420B2 JP 2755420 B2 JP2755420 B2 JP 2755420B2 JP 10024289 A JP10024289 A JP 10024289A JP 10024289 A JP10024289 A JP 10024289A JP 2755420 B2 JP2755420 B2 JP 2755420B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、2つのポンプを有する油圧回路に係り、特
に、2つのロードセンシングポンプを有する油圧ショベ
ルの油圧回路に関する。
〔従来の技術〕
従来のこの種の2ポンプ油圧回路としては、例えば、
実開昭59-178471号(従来技術1)、特開昭60-69302号
(従来技術2)あるいは実開昭61-133102号(従来技術
3)の各公報に開示されるような技術が知られている。
前記油圧回路は、いずれも基本的には、それぞれ第3
図、第4図ならびに第5図に示すように、2つのポンプ
100A,100Bとその圧油がそれぞれ単独に供給される2つ
の複合制御弁102A,102Bとからなり、各複合制御弁102A,
102Bには各アクチュエータ104A,106A,…;104B,106B,…
をそれぞれ操作する切換弁110A,112A,…;110B,112B,…
が設けられている。そして、このような油圧回路は、2
つのポンプを有することから、一般に、多数のアクチュ
エータを有する油圧ショベルなどの油圧回路に賞用され
ている。
次に、前記油圧回路のそれぞれについて簡単に説明す
ると、従来技術1(第3図)は、油圧ショベルの走行中
(左、右走行モータ104A,104Bの駆動中)に他のアクチ
ュエータが操作されても前記走行性が一定に維持される
ことを意図するもので、モータ104A,104Bの切換弁110A,
110Bにそれぞれ開口手段120A,120Bならびに流量制御弁1
22A,122Bを設け、これにより、モータ104A,104Bに供給
される圧油量が切換弁110A,110Bの操作量に対応するよ
う構成されている。従来技術2(第4図)は、大容量ア
クチュエータ(ブームシリンダ)106Aに大容量の圧油を
供給する際に他方側のポンプ100Bの吐出油を合流せしめ
るもので、ポンプ100B側の複合制御弁102B内にノーマル
クローズ型2方弁124を設け、これにより、ポンプ100B
からの吐出油をブーム用シリンダ切換弁112Aに直接供給
できるように構成されている。従来技術3(第5図)
も、前述の従来技術2と同様に、特定のアクチュエータ
106Aに他方側のポンプ100Bの吐出油を合流せしめるもの
で、前記アクチュエータ106Aにハイドロ切換弁126とパ
イロット切換弁128を設け、これにより、ポンプ100Bか
らの吐出油をアクチュエータ106Aに供給できるように構
成されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、前述のような従来技術は、いずれも以
下述べるような問題点を有していた。
すなわち、先ず初めに、従来技術1においては、その
切換弁が中立状態においてセンタバイパス130A,130B
(第3図参照)から圧油を放出されているので、省エネ
的に問題を有する。更に、前記切換弁は、操作中におい
てセンタバイパスから圧油をブリードオフしながらアク
チュエータへ圧油を供給するので、アクチュエータが始
動される切換弁の操作量がアクチュエータの負荷の大き
さによって異なり、この結果、アクチュエータの微操作
が困難である欠点を有する。次に、従来技術2ならびに
3は、2つのポンプならびに各切換弁がロードセンシン
グならびにクローズドセンタ型に構成されると共に、更
に、2つのポンプの吐出油が合流されるよう構成されて
いるので、前述の従来技術1に比較して省エネ的に有利
である。しかしながら、前記ポンプ吐出油の合流は、特
定のアクチュエータに対してのみ且つオン、オフ的に行
われるので、油圧回路全体としての複合操作性に難点が
発生し、作業性上の問題点を有する。
そこで、本発明の目的は、2つのロードセンシングポ
ンプを使用する油圧回路において、2つのポンプのそれ
ぞれの吐出量ならびに必要に応じての合流量をアクチュ
エータ切換弁の操作ならびにその操作量に対応して設定
できるよう構成し、かつアクチュエータを負荷の変動に
拘らず切換弁の操作量に比例して駆動できるよう構成
し、これにより油圧回路の複合操作性を向上すると共
に、ポンプ駆動力の省エネ化を達成できる油圧ショベル
の油圧回路を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
先の目的を達成するために、本発明に係る油圧ショベ
ルの油圧回路は、複数のロードセンシングポンプと、前
記各ポンプの吐出油がそれぞれ単独的に供給される複数
のクローズドセンタ型複合制御弁と、前記各複合制御弁
内にそれぞれ配置される複数のアクチュエータ操作用切
換弁とを設けて複数のポンプ回路を構成し、前記各ポン
プ回路のそれぞれ複合制御弁間に流量調整合流弁を配置
してなる油圧ショベルの油圧回路において、 各操作信号によって前記各切換弁が開閉操作されると
共にセンシング信号を発生する切換弁操作回路と、 前記各切換弁の操作信号の少くとも1部を印加されて
前記各流量調整合流弁が開閉操作されると共にセンシン
グ信号を発生する流量調整合流弁操作回路と、 前記各切換弁のセンシング信号と前記流量調整合流弁
のセンシング信号とを高圧選択手段を介して前記いずれ
かのロードセンシングポンプの制御部に印加するポンプ
操作回路とを設けることを特徴とする。
この場合、流量調整合流弁は各複合制御弁の切換弁操
作信号を両側部に対向して印加され、これにより該流量
調整合流弁は切換弁操作信号が両側部に印加された場合
に中立の閉塞状態を保持すると共にセンシング信号を発
生せず、切換弁操作信号が一側部に印加された場合に開
成されると共にセンシング信号を他側部に対応する側の
ポンプへ印加し且つその吐出油を前記一側部に対応する
側のポンプ回路に合流するよう構成される。
また、一方の複合制御弁のポンプ回路と第2の複合制
御弁のポンプ回路との間は左右両チェック弁を介して接
続し、これら両チェック弁の間に回路リリーフ弁ならび
にアタッチメント操作用切換弁を接続すると好適であ
る。更に、第1の複合制御弁には少くともブーム用切換
弁とバケット用切換弁を設け、他方の複合制御弁には少
くとも旋回用切換弁とアーム用切換弁を設け、更にこれ
らブーム、バケット、旋回、アーム用の各切換弁の入口
側にはそれぞれ流量制御弁を設けると共に、前記ブーム
用流量制御弁と前記バケット用流量制御弁との間および
前記旋回用流量制御弁と前記アーム用流量制御弁との間
にはそれぞれ高負荷側の圧力により低負荷側の流量制御
弁の開度を低減させる手段を設け、更に、前記バケット
用切換弁を操作したとき流量調整合流弁はそのストロー
クを規制される手段を設けると好適である。なお、各切
換弁の複合制御弁に対する配置は、旋回ならびにブーム
用切換弁を第1の複合制御弁に設けアームならびにバケ
ット用切換弁を第2の複合制御弁に設けるよう構成して
も良い。
〔作用〕 本発明の油圧回路においては、両複合制御弁のポンプ
回路の間には流量調整合流弁が設けられると共に、所定
の切換弁には流量制御弁が設けられ、そして、前記流量
調整合流弁はストローク制御手段を有し、前記流量制御
弁はそれらの間に高負荷側の圧力により低負荷側の開度
を絞る手段を有する。そして、前記流量調整合流弁なら
びに切換弁もしくは流量制御弁から発生されるセンシン
グ信号が高圧選択手段を介して第1または第2のポンプ
の制御部に印加される。この結果、2つのポンプは操作
される切換弁ならびにその操作量に対応してそれぞれの
吐出量を所定に制御されると共に、これら2つのポンプ
の吐出油は必要に応じて互いに合流される。しかも、前
記ポンプの吐出量は、切換弁の中立時における漏洩ロス
が少いので最小限に抑制される。一方、アクチュエータ
は、アクチュエータの間に負荷の変動が発生しても低負
荷側のアクチュエータへの圧油通過抵抗が増大されるの
で、常に、切換弁の開度に比例した圧油量を供給され
る。
従って、本発明の油圧回路によれば、ポンプ駆動力が
低減されると共に、一方、アクチュエータは、複数のア
クチュエータを操作する場合にこれらアクチュエータの
間に負荷の変動があっても各アクチュエータをそれぞれ
所定の速度で駆動できると共に、アクチュエータを単独
に駆動する場合にはその速度をアップすることができ
る。このようにして、ポンプ駆動力の省エネ化が達成さ
れると共に、アクチュエータの複合操作性ならびに作業
性が大幅に向上される。
〔実施例〕
次に、本発明に係る油圧ショベルの油圧回路の一実施
例につき添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
第1図において、本発明に係る油圧ショベルの油圧回
路は、基本的には、第1,第2のロードセンシングポンプ
10A,10Bと第1,第2のクローズドセンタ型複合制御弁12
A,12Bとからなり、第1のポンプ10Aから第1の複合制御
弁12Aへ圧油が供給されると共に第2のポンプ10Bから第
2の複合制御弁12Bへ圧油が供給される。そして、第1
の複合制御弁12Aには、3つのアクチュエータ、すなわ
ち、ブームシリンダ14A,バケットシリンダ16Aおよび左
走行モータ18Aをそれぞれ操作するブーム操作用切換弁2
2A、バケット操作用切換弁24Aおよび左走行モータ操作
用切換弁26Aが設けられ、第2の複合制御弁12Bには、3
つのアクチュエータ、すなわち旋回モータ14B、アーム
シリンダ16Bおよび右走行モータ18Bをそれぞれ操作する
旋回モータ操作用切換弁22B、アームシリンダ操作用切
換弁24Bおよび右走行モータ操作用切換弁26Bが設けられ
ている。なお、左、右走行モータ18A,18Bにはそれぞれ
ブレーキバルブ20A,20Bが付設されている。
しかるに、本発明の油圧回路においては、第1ならび
に第2の複合制御弁12A,12Bのポンプライン28A,28Bの間
はそれぞれチェック弁30A,30Bを介して接続されると共
に、且つ両ポンプライン28A,28Bの間に油圧ライン32A,3
2Bを介して流量調整合流弁34が設けられる。そして、両
チェック弁30A,30Bの間には、ポンプライン28A,28B内の
異常昇圧を防止するための回路リリーフ弁36とアタッチ
メントを操作するための切換弁38が接続される。更に、
第1複合制御弁12Aのブーム操作用切換弁22Aおよびバケ
ット操作用切換弁24Aならびに第2複合制御弁12Bの旋回
モータ操作用切換弁22Bおよびアーム操作用切換弁24Bに
はそれぞれ流量制御弁42A,44A,42B,44Bが設けられ、そ
して、これら流量制御弁42A,44A,42B,44Bおよび切換弁2
2A,24A,26A,22B,24B,26Bの間を連絡するセンシング信号
ライン46A,48A,49A,50A,52A,54Aならびに46B,48B,49A,5
0B,52B,54Bの間にはそれぞれ高圧選択手段56A,58Bなら
びに56A,58Bが設けられ、これにより、最高のセンシン
グ信号が選択されると共に、ブームシリンダ14Aおよび
バケットシリンダ16Aならびに旋回モータ14Bおよびアー
ムシリンダ16Bが同時に駆動される場合にこれらの間に
負荷の差違が発生すると低圧側の流量制御弁の開度が絞
られるように構成されている。
また、流量調整合流弁34は、図において左側にブーム
およびバケット操作用切換弁22A,24Aの操作信号BM,BKを
印加されると共に、これらに対向して、すなわち図にお
いて右側に、アーム操作用切換弁24Bの操作信号AMを印
加され、そして、この流量調整合流弁34から発生される
センシング信号は、それぞれセンシング信号ライン60A,
60B,高圧選択手段62A,62Bならびにセンシング信号ライ
ン64A,64Bを介して第1,第2ポンプ10A,10Bの制御部66A,
66Bに印加される。また、この流量調整合流弁34は、パ
イロットスプールのスプール径を小さく形成され、操作
信号量が小さい場合には、流量調整合流弁34のスプール
がフルストロークされることなく前記操作信号量の大き
さに見合った途中開度に保持されるよう構成されてい
る。
次に、このような構成になる本発明の油圧回路の作動
について、以下例をあげながら説明する。
先ず初めに、例えば、バケットシリンダ16Aを駆動す
るためにバケット操作用切換弁24Aの右端に操作信号が
印加されると、切換弁24Aのスプールが右行し、このた
め中立状態ではタンクラインに接続されているセンシン
グ信号ライン48Aが前記タンクラインから切断され、バ
ケット負荷圧が前記センシング信号ライン48Aならびに4
9A,54A,64Aを経て第1ポンプ10Aの制御部66Aへ伝達され
る。この結果、第1ポンプ10Aが駆動されて圧油を吐出
し始め、この圧油が第1複合制御弁12Aのポンプライン2
8A、流量制御弁48A、切換弁24Aを経てバケットシリンダ
16Aへ供給される。一方このとき、バケット操作用切換
弁24Aに対する操作信号は操作信号BKとして流量調整合
流弁34にも同時に印加されるので、この流量調整合流弁
34のスプールも右行し、このため中立状態ではタンクラ
インに接続されているセンシング信号ライン60Bが前記
タンクラインから切断され、センシング信号が前記セン
シング信号ライン60Bならびに64Bを経て第2ポンプ10B
の制御部60Bへ伝達される。この結果、第2ポンプ10Bも
駆動されて圧油を吐出し始め、この圧油が第2複合制御
弁12Bのポンプライン28Bへ供給される。しかるにこの場
合、第2複合制御弁12Bの全ての切換弁22B,24B,26Bはい
ずれも中立状態にあるので、前記第2ポンプ10Bの吐出
油は、油圧ライン32Bを経て流量調整合流弁34内へ流入
し、弁内のチェック弁を開成して油圧ライン32Aを経て
第1ポンプ10Aのポンプライン28Aへ合流される。従っ
て、バケットシリンダ16Aは、第1ならびに第2ポンプ1
0A,10Bからの合流された圧油量によって駆動される。
なお、流量調整合流弁34に対する操作信号BKの印加時
においては、流量調整合流弁34は前述したようにストロ
ーク制御型に構成されているので、流量調整合流弁34の
スプールは操作信号BKの信号量に見合った位置で保持さ
れる。従って、第2ポンプ10Bの吐出量、すなわち流量
調整合流弁34を通過して第1ポンプ10Aの吐出ライン28A
へ合流され、バケットシリンダ16Aへ供給される圧油量
は、第2ポンプ10Bの最大吐出量を必要としない場合に
はそれ以下の所要圧油量に制御される。そしてこの場
合、この制御される第2ポンプ10Bの吐出量は流量調整
合流弁34のストローク絞り開度のみによって決定され
る。従って、バケットの負荷が変動しても、バケットシ
リンダ16Aへ供給される圧油量は常に一定に保持される
ので、バケット操作が極めて容易に且つ安定して行われ
る。
次に、バケットシリンダ16Aが駆動されている前述の
状態において、更にブームシリンダ14Aを駆動するため
にブーム操作用切換弁22Aに操作信号が印加されると、
この操作信号は、切換弁22Aのスプールを移動させてブ
ーム負荷圧センシング信号をライン50Aに発生すると同
時に、流量調整合流弁34にも操作信号BMを印加する。従
って、バケット単独操作の場合と同様に、第1,第2ポン
プ10A,10Bの吐出油が第1複合制御弁12Aの吐出ライン28
Aに合流される。なお、ライン50Aのセンシング信号は、
ブーム負荷圧がバケット負荷圧より大きい場合に、高圧
選択手段56Aを通過し更にセンシング信号ライン49A,54
A,64Aを経て第1ポンプ10Aの制御部66Aに伝達される。
また、流量調整合流弁34は、バケットおよびブーム複合
操作の場合にはフルストロークするよう構成されている
ので、第2ポンプ10Bはフル運動され、その最大吐出量
が前記ポンプライン28Aへ合流される。
ところで、従来の油圧回路においては、このようにバ
ケットとブームを同時に駆動しようとしてこれらの切換
弁24A,22Aを同時にフル操作すると、原動機の回転が低
速度の場合には、これら切換弁24A,22Aの開度の和が相
対的に大きいために、切換弁24A,22Aの絞り前後の差圧
が小さくなり、各切換弁24A,22Aの流量制御弁を制御で
きず、この結果、操作圧油は軽負荷側のアクチュエータ
側へのみ流れるという欠点を有していたが、しかるに、
本発明の油圧回路においては、流量制御弁22A,24A,26A
ならびに22B,24B,26Bは、前述したように、これらに係
るアクチュエータが同時に駆動される場合には高負荷側
圧力により低負荷側の流量制御弁の開度が絞られるよう
構成されているので、この結果、低負荷側アクチュエー
タへの圧油通過抵抗が増大され、ポンプ吐出圧が上昇
し、従って高負荷側アクチュエータにも所定量の圧油が
供給される。このように、本発明の油圧回路によれば、
アクチュエータ間の負荷のアンバランスならびに原動機
回転数の高低に係らず、複数のアクチュエータを常に安
定して且つ容易に駆動することができる。
次に、第1複合制御弁12Aのブームと第2複合制御弁1
2Bのアームとを同時に駆動するために、ブーム操作用切
換弁22Aとアーム操作用切換弁24Bとに同時に操作信号が
印加されると、これらの操作信号は、各切換弁22A,24B
のスプールを移動させてブームならびにアーム負荷圧セ
ンシング信号をそれぞれライン50Aならびに50Bに発生す
ると同時に、流量調整合流弁34にも操作信号BMならびに
AKを印加する。しかるにこの場合は、ライン50A,50Bの
センシング信号はそれぞれセンシング信号ライン49A,54
A,64Aならびに49B,54B,64Bを経て第1,第2ポンプ10A,10
Bのそれぞれの制御部66A,66Bへ伝達され、これにより、
第1,第2ポンプ10A,10Bはそれぞれ駆動されて圧油を吐
出し始めるが、しかるに一方、操作信号BM,AKはそれぞ
れ流量調整合流弁34の左、右両側に対向して印加される
ので、流量調整合流弁34はそのスプールを移動されるこ
となく中立状態を維持され、このため、前述の第1,第2
ポンプ10A,10Bはそれぞれ独立的に駆動され且つその吐
出油は合流されることなく、それぞれ第1,第2複合制御
弁12A,12Bのポンプライン28A,28Bへ供給される。このよ
うに、第1,第2ポンプ10A,10Bは互いに独立し干渉され
ることがないので、ブームならびにアームは、それらの
負荷圧が異っても、極めて容易に且つ安定して駆動され
る。ところで、前記状態において、ブームの駆動を停止
すべくブーム操作用切換弁22Aを中立状態へ復帰する
と、ブーム負荷圧センシング信号が解消されるので第1
ポンプ10Aは駆動を停止されようとするが、一方このと
き、流量調整合流弁34に対する操作信号BMも解消される
ので、流量調整合流弁34のスプールは図において左行
し、この結果、アーム負荷圧センシング信号が流量調整
合流弁34、センシング信号ライン60A、高圧選択手段62
A、センシング信号ライン64Aを経て第1ポンプ10Aの制
御部66Aに伝達され、これにより、第1ポンプ10Aの駆動
を継続せしめる。そして、この第1ポンプ10Aの吐出油
は油圧ライン32A、流量調整合流弁34、油圧ライン32Bを
介してその全量が第2複合制御弁12Bのポンプライン28B
へ合流されてアーム操作用切換弁24Bへ供給される。従
って、アームの駆動速度が上昇される。
このように、本発明の油圧回路においては、異る複合
制御弁のアクチュエータが同時に操作される場合には、
各ポンプは干渉することなく独立的に駆動されるので、
アクチュエータの複合操作性を向上することができ、一
方、アクチュエータが単独に操作される場合には、この
アクチュエータに2つのポンプの吐出油が合流して供給
されるので、アクチュエータの速度をアップすることが
できる。従って、油圧ショベルの操作性ならびに作業性
を大幅に向上することができる。
次に、油圧ショベルを走行するために、左、右走行操
作用切換弁26A,26Bに同時に操作信号が印加されると、
これらの操作信号はそれぞれ左、右切換弁26A,26Bのス
プールを移動させてセンシング信号を発生し、これらの
センシング信号がそれぞれセンシング信号ライン52A,54
A,64Aならびに52B,54B,64Bを経て第1,第2ポンプ10A,10
Bの制御部66A,66Bへ伝達され、これにより、第1,第2ポ
ンプ10A,10Bが駆動される。そして、これらの吐出油が
それぞれ第1,第2複合制御弁12A,12Bのポンプライン28
A,28Bを経て左、右走行モータ18A,18Bに供給される。
このように、本発明の油圧回路においては、油圧ショ
ベルの走行時には、各ポンプは干渉することなく独立的
に駆動されると共に、且つ走行操作用切換弁26A,26Bの
入口側には1ポンプロードセンシング回路とは異り流量
制御弁を設けなくても良いので、ブレーキバルブ20A,20
Bとの干渉もなく、操作性の向上を計ることができる。
しかも、左、右切換弁26A,26Bの操作量が同じであれ
ば、走行の負荷変動があっても、各走行モータ18A,18B
へ供給される圧油量は一定であるので(走行モータ18A,
18Bへの供給油量は走行モータ操作用切換弁26A,26Bの操
作量によってのみ定まる)、油圧ショベルの走行性なら
びに操作性が大幅に向上される。
このように、本発明に係る油圧ショベルの油圧回路に
よれば、アクチュエータは、複数のアクチュエータを操
作する場合においてこれらアクチュエータの間に負荷の
変動があっても各アクチュエータをそれぞれ所定の速度
で駆動できると共に、特定のアクチュエータを駆動する
場合には必要に応じてその速度をアップすることができ
る。従って、油圧回路の複合操作性が大幅に向上され
る。また、ポンプはその吐出量を必要な圧油量に制御さ
れるので、ポンプ駆動力の省エネ化が達成される。
次に、第2図に本発明に係る油圧ショベルの油圧回路
の別の実施例を示す。本実施例は、第1図に示す実施例
において、アクチュエータ操作用切換弁22A,24A,26Aな
らびに22B,24B,26Bのセンシング信号ライン54A,54Bに対
してアタッチメント操作用切換弁38Bのセンシング信号
ライン70をそれぞれ高圧選択手段72A,72Bを介して接続
したものである。
このような構成によれば、アタッチメント74の負荷圧
が大きい場合でも、ポンプ10Aおよび/もしくは10Bは前
記アタッチメント負荷圧によって駆動されるので、アタ
ッチメント74に所定の圧油量が供給され、アタッチメン
トが所定の速度で駆動される。なお、アタッチメント操
作用切換弁38は、このように、両ポンプライン28A,28B
を接続する両チェック弁30A,30Bの間に回路リリーフ弁3
6と共に接続されるので、余分の高圧ラインが不要とな
ると共に、第1,第2ポンプ10A,10Bの吐出油を合流して
容易にアタッチメントへ供給することができる利点を有
する。
以上、本発明を好適な実施例について説明したが、本
発明はその精神を逸脱することなく多くの設計変更が可
能である。例えば、アクチュエータの配置に関しては、
第1の複合制御弁に旋回用とブーム用の切換弁を配置
し、第2の複合制御弁にアーム用とバケット用の切換弁
を配置するよう構成しても良い。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明に係る油圧ショベルの油
圧回路は、複数のロードセンシングポンプと、前記各ポ
ンプの吐出油がそれぞれ単独的に供給される複数のクロ
ーズドセンタ型複合制御弁と、前記各複合制御弁内にそ
れぞれ配置される複数のアクチュエータ操作用切換弁と
を設けて複数のポンプ回路を構成し、前記各ポンプ回路
のそれぞれ複合制御弁間に流量調整合流弁を配置してな
る油圧ショベルの油圧回路において、各操作信号によっ
て前記各切換弁が開閉操作されると共にセンシング信号
を発生する切換弁操作回路と、前記各切換弁の操作信号
の少くとも1部を印加されて前記各流量調整合流弁が開
閉操作されると共にセンシング信号を発生する流量調整
合流弁操作回路と、前記各切換弁のセンシング信号と前
記流量調整合流弁のセンシング信号とを高圧選択手段を
介して前記いずれかのロードセンシングポンプの制御部
に印加するポンプ操作回路とが設けられる。
そして、流量調整合流弁は各複合制御弁の切換弁操作
信号を両側部に対向して印加され、これにより該流量調
整合流弁は切換弁操作信号が両側部に印加された場合に
中立の閉塞状態を保持すると共にセンシング信号を発生
せず、切換弁操作信号が一側部に印加された場合に開成
されると共にセンシング信号を他側部に対応する側のポ
ンプへ印加し且つその吐出油を前記一側部に対応する側
のポンプ回路に合流するよう構成される。そして更に、
所定のアクチュエータの切換弁の入口側には流量制御弁
が設けられ、これら流量制御弁はその間に高負荷側の圧
力により低負荷側の開度を絞る手段を有し、また前記流
量調整合流弁はストローク制御手段を有する。
この結果、2つのポンプは操作される切換弁ならびに
その操作量に対応してそれぞれの吐出量を所定に制御さ
れると共に、これら2つのポンプの吐出油は必要に応じ
て互いに合流される。しかも、前記ポンプの吐出量は、
切換弁の中立時における漏洩ロスが少いので最小限に抑
制される。一方、アクチュエータは、アクチュエータの
間に負荷の変動が発生しても低負荷側のアクチュエータ
への圧油通過抵抗が増大されるので、常に切換弁の開度
に比例した圧油量を供給される。
従って、本発明の油圧回路によれば、ポンプ駆動馬力
が低減されると共に、一方、アクチュエータは、複数の
アクチュエータを操作する場合にこれらアクチュエータ
の間に負荷の変動があっても各アクチュエータをそれぞ
れ所定の速度で駆動できると共に、アクチュエータを単
独に駆動する場合にはその速度をアップすることができ
る。このようにして、ポンプ駆動力の省エネ化が達成さ
れると共に、アクチュエータの複合操作性ならびに作業
性が大幅に向上される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る油圧ショベルの油圧回路の一実施
例を示す油圧回路図、第2図は本発明に係る油圧ショベ
ルの油圧回路の別の実施例を示す油圧回路図、第3図な
いし第5図はいずれも従来の油圧回路を示す油圧回路図
である。 10A……第1のロードセンシングポンプ 10B……第2のロードセンシングポンプ 12A……第1のクローズドセンタ型複合制御弁 12B……第2のクローズドセンタ型複合制御弁 14A……ブームシリンダ 16A……バケットシリンダ 18A……左走行モータ、14B……旋回モータ 16B……アームシリンダ、18B……右走行モータ 20A,20B……ブレーキバルブ 22A,24A,26A,22B,24B,26B……アクチュエータ操作用切
換弁 28A,28B……ポンプライン 30A,30B……チェック弁 32A,32B……油圧ライン 34……流量調整合流弁、36……回路リリーフ弁 38……アタッチメント操作用切換弁 42A,44A,42B,44B……流量制御弁 {46A,48A,49A,50A,52A,54A,60A,64A,46B,48B,49B,50B,
52B,54B,60B,64B}……センシング信号ライン 56A,58A,62A,56B,58B,62B……高圧選択手段 66A,66B……制御部 70……センシング信号ライン 72A,72B……高圧選択手段 74……アタッチメント

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のロードセンシングポンプと、前記各
    ポンプの吐出油がそれぞれ単独的に供給される複数のク
    ローズドセンタ型複合制御弁と、前記各複合制御弁内に
    それぞれ配置される複数のアクチュエータ操作用切換弁
    とを設けて複数のポンプ回路を構成し、前記各ポンプ回
    路のそれぞれ複合制御弁間に流量調整合流弁を配置して
    なる油圧ショベルの油圧回路において、 各操作信号によって前記各切換弁が開閉操作されると共
    にセンシング信号を発生する切換弁操作回路と、 前記各切換弁の操作信号の少くとも1部を印加されて前
    記各流量調整合流弁が開閉操作されると共にセンシング
    信号を発生する流量調整合流弁操作回路と、 前記各切換弁のセンシング信号と前記流量調整合流弁の
    センシング信号とを高圧選択手段を介して前記いずれか
    のロードセンシングポンプの制御部に印加するポンプ操
    作回路とを設けることを特徴とする油圧ショベルの油圧
    回路。
  2. 【請求項2】流量調整合流弁は各複合制御弁の切換弁操
    作信号を両側部に対向して印加され、これにより該流量
    調整合流弁は切換弁操作信号が両側部に印加された場合
    に中立の閉塞状態を保持すると共にセンシング信号を発
    生せず、切換弁操作信号が一側部に印加された場合に開
    成されると共にセンシング信号を他側部に対応する側の
    ポンプへ印加し且つその吐出油を前記一側部に対応する
    側のポンプ回路に合流するよう構成してなる請求項1記
    載の油圧ショベルの油圧回路。
  3. 【請求項3】一方の複合制御弁には少くともブーム用切
    換弁とバケット用切換弁を設け、他方の複合制御弁には
    少くとも旋回用切換弁とアーム用切換弁を設け、更にこ
    れらブーム、バケット、旋回、アーム用の各切換弁の入
    口側にはそれぞれ流量制御弁を設けてなる請求項1また
    は2に記載の油圧ショベルの油圧回路。
  4. 【請求項4】ブーム用流量制御弁とバケット用流量制御
    弁との間および旋回用流量制御弁とアーム用流量制御弁
    との間に、それぞれ高負荷側の圧力により低負荷側の流
    量制御弁の開度を低減させる手段を設けてなる請求項3
    記載の油圧ショベルの油圧回路。
  5. 【請求項5】一方の複合制御弁には少くとも旋回用切換
    弁とブーム用切換弁を設け、他方の複合制御弁には少く
    ともアーム用切換弁とバケット用切換弁を設け、更にこ
    れら旋回、ブーム、アーム、バケット用の各切換弁の入
    口側にはそれぞれ流量制御弁を設けてなる請求項1また
    は2に記載の油圧ショベルの油圧回路。
  6. 【請求項6】旋回用流量制御弁とブーム用流量制御弁と
    の間およびアーム用流量制御弁とバケット用流量制御弁
    との間に、それぞれ高負荷側の圧力により低負荷側の流
    量制御弁の開度を低減させる手段を設けてなる請求項5
    記載の油圧ショベルの油圧回路。
  7. 【請求項7】バケット用切換弁を操作したとき流量調整
    合流弁のストロークを規制する手段を設けてなる請求項
    1ないし6のいずれかに記載の油圧ショベルの油圧回
    路。
  8. 【請求項8】一方の複合制御弁のポンプ回路と他方の複
    合制御弁のポンプ回路との間を、左右両チェック弁を介
    して接続し、これら両チェック弁の間に回路リリーフ弁
    ならびにアタッチメント操作用切換弁を接続してなる請
    求項1記載の油圧ショベルの油圧回路。
  9. 【請求項9】ポンプ操作回路は、アタッチメント操作用
    切換弁からセンシング信号を取出し、このセンシング信
    号とアクチュエータ操作用切換弁のセンシング信号とを
    高圧選択手段を介していずれかのロードセンシングポン
    プの制御部に印加してなる請求項8記載の油圧ショベル
    の油圧回路。
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