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JP2745699B2 - 高温で耐摩耗性にすぐれた銅基焼結合金 - Google Patents

高温で耐摩耗性にすぐれた銅基焼結合金

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Publication number
JP2745699B2
JP2745699B2 JP1182098A JP18209889A JP2745699B2 JP 2745699 B2 JP2745699 B2 JP 2745699B2 JP 1182098 A JP1182098 A JP 1182098A JP 18209889 A JP18209889 A JP 18209889A JP 2745699 B2 JP2745699 B2 JP 2745699B2
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JP
Japan
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based sintered
copper
high temperatures
wear resistance
sintered alloy
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JP1182098A
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英俊 阿久津
通 河野
眞人 大槻
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、常温から高温までのいずれの状況下にお
いてもすぐれた耐摩耗性を有する銅基焼結合金、特に高
温下での耐摩耗性にすぐれた銅基焼結合金に関するもの
であり、内燃機関のガイドブッシュ、ターボチャージャ
ーの軸受などとして用いるに適した銅基焼結合金に関す
るものである。
〔従来の技術〕
従来、上記各種部材の製造に、重量%で(以下%は、
重量%を示す。)、Cu−28%Zn−6%Alの代表組成を有
する銅基溶製合金が用いられていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上記の従来の銅基溶製合金は、比較的低温か
ら高温にわたって使用した場合、特に高温下において、
焼付きが発生し、耐摩耗性に問題があった。
最近の内燃機関は、高出力化にともない、従来よりも
摺動部が一層高温に曝らされるため、特に高温下におい
て、焼付きが発生せずかつ耐摩耗性にすぐれた銅基合金
の開発が強く望まれていた。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明者らは、上述のような観点から、特に
上記の従来の銅基溶製合金に着目し、一段とすぐれた耐
焼付き性および耐摩耗性を有する銅基焼結合金を開発す
べく研究を行った結果、 Zn:5〜25%、 Mn:0.1〜3%、 Si:0.1〜2%、 Fe,Ni、およびCoのうち1種または2種以上:0.1〜3
%、 酸素:0.01〜0.5%、 Al:0.1〜0.3%、 を含有し、さらに必要に応じて、 Cr,Mo、およびWのうち1種または2種以上:0.1〜2
%、 を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成、
並びに素地中に微細な酸化物および金属間化合物が均一
に分散しかつ空孔が容積率で1〜15%分布した組織を有
する銅基焼結合金は、常温および高温における耐摩耗性
が向上し、さらに素地中に微細な酸化物および空孔が存
在することにより高温下での耐焼付き性が向上するとい
う知見を得たのである。
この発明は、かかる知見にもとづいてなされたもので
あって、この発明の銅基焼結合金は、上記組成によっ
て、素地中に、1〜40μmの粒度範囲内に分布した酸化
物が0.1〜7%の面積率で均一分散し、かつ同じく1〜2
5μmの粒度範囲内に分布した金属間化合物が1〜8%
の面積率で均一分散し、さらに1〜40μmの粒度範囲内
の空孔が1〜15容量%均一分布した組織を持ち、これら
酸化物と金属間化合物が素地中に存在することによって
常温および高温での耐摩耗性が著しく向上し、これら酸
化物と空孔が素地中に存在することによって高温下での
耐焼付き性が著しく向上するものである。
つぎに、この発明の銅基焼結合金の成分組成および空
孔を上記のごとく限定した理由について説明する。
(a) 空孔 空孔は、摺動面に分布し、特に高温下での耐焼付き性
を改善する作用を有するが、1容量%未満ではその効果
が得られず、一方、15容量%より多く分布すると強度が
低下するのみでなく、熱伝導度が低下することにより逆
に耐熱性が悪くなり、高温下での耐焼付き性が低下し、
また耐摩耗性も低下するので好ましくない。
したがって、空孔の分布量は、1〜15容量%に定め
た。
(b) Zn Znは、Cuとともに素地を形成し、合金の強度および靭
性を向上させる作用があり、さらに酸素と結合して酸化
物を形成し、高温での耐焼付き性並びに常温および高温
での耐摩耗性を改善する作用を有するが、5%未満では
その効果がなく、一方、25%を越えて含有すると、熱伝
導度が低下するとともに高温下での耐焼付き性が低下す
るようになる。
したがって、Znの含有量は、5〜25%に定めた。
(c) MnおよびSi これらの成分は、お互いに結合して素地中に微細に分
散する金属間化合物を形成し、また、Mnの一部は素地に
固溶して銅基焼結合金の強度を向上させる作用があり、
さらにSiは、W,Mo、またはCrと結合して硬くて微細な金
属間化合物を形成し、常温および高温での耐摩耗性およ
び耐焼付き性を改善する作用を有するが、これらの成分
は、それぞれ0.1%未満ではその効果がなく、一方、Mn
は3%を、Siは2%をそれぞれ越えて含有すると逆に耐
焼付き性が低下し相手攻撃性が増すので好ましくない。
したがって、Mnの含有量は0.1〜3%、Siの含有量
は、0.1〜2%にそれぞれ定めた。
(d) 酸素 酸素は、Cu,ZnおよびSi、並びに必要に応じて含有さ
れるAl,W,MoおよびCrと結合して、素地中に均一微細に
分散する酸化物を形成し、常温および高温での耐摩耗性
を向上させ、特に耐焼付き性および耐熱性の改善によっ
て、高温下での耐摩耗性を向上させる作用を有するが、
0.01%未満ではその効果がなく、一方、0.5%を越えて
含有すると、酸化物の粒径が40μmを越えて粗大化する
ばかりでなく、面積率で7%を越えて多くなりすぎ、合
金の強度および靭性を低下させるほか、相手攻撃性を増
し、好ましくない。
したがって、酸素の含有量は、0.01〜0.5%に定め
た。
(e) Fe,NiおよびCo これらの成分は、いずれも素地中に分散して合金の強
度および靭性を向上させるとともにCu、並びに必要に応
じて含有されるAl,W,MoおよびCrと結合して、素地中に
分散する微細な金属間化合物を形成し、耐摩耗性を向上
させるとともに耐熱性を向上させ、耐焼付き性にも効果
があるが、その含有量が0.1%未満では、所望の効果が
得られず、一方、その含有量が3%を越えて含有すると
靭性が低下するとともに熱伝導度が低下することにより
耐焼付き性が劣化するようになるので好ましくない。
したがって、Fe,NiおよびCoの含有量は、0.1〜3%に
定めた。
(f) Al Alは、CuおよびZnとともに高強度および高靭性を有す
る素地を形成するほか酸素と結合して酸化物を形成し、
高温下での耐焼付き性並びに常温および高温下での耐摩
耗性を向上させる作用があるが、その含有量が0.1%未
満では、所望の効果が得られず、一方、その含有量が0.
3%を越えて含有すると熱伝導度が低下し、耐焼付き性
が劣化するようになるので好ましくない。
したがって、Alの含有量は、0.1〜0.3%に定めた。
(g) W,MoおよびCr これらの成分は、いずれもFe,NiおよびCoと結合し
て、素地中に分散する微細な金属間化合物を形成し、ま
た酸素と結合して微細な酸化物を形成し、耐摩耗性を向
上させるとともに耐焼付き性を向上させる効果がある
が、その含有量が0.1%未満では、所望の効果が得られ
ず、一方、その含有量が2%を越えて含有すると靭性が
低下するので好ましくない。
したがって、W,MoおよびCrの含有量は、0.1〜2%に
定めた。
なお、この発明の銅基焼結合金は、不可避不純物とし
てP,Mg,SnおよびPbを含有する場合があるが、その含有
量が合計で1.5%以下であれば、合金特性が何等損なわ
れるものではないので、その含有量を許容できる。
〔実施例〕
つぎに、この発明の銅基焼結合金を実施例により具体
的に説明する。
原料粉末として、いずれも200mesh以下の、Cu−5%Z
n合金粉末、Cu−30%Zn合金粉末、Cu粉末、Zn粉末、Al
粉末、Si粉末、Mo粉末、W粉末、Cr粉末、Fe粉末、Ni粉
末、およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を配合し、
V型ミキサーで3時間粉砕混合したのち、5〜7ton/cm2
の範囲内の所定の圧力で圧粉体にプレス成型し、露点:0
℃〜−30℃の水素ガス中、850〜950℃の範囲内の所定の
温度で1時間保持の条件で焼結し、ついで空孔量をコン
トロールするために、必要に応じて400〜600℃の範囲内
の所定の温度に1分間保持後、再加圧を行うことによ
り、 圧壊荷重測定用として、外径:63mm、内径:54mm、厚
さ:8mmの寸法を有し、第1表に示される組成を有する本
発明Cu基焼結合金1〜10および比較Cu基焼結合金1〜13
からなるリングを、また、 摩耗測定用として第1表の本発明Cu基焼結合金1〜10
および比較Cu基焼結合金1〜13からなる直径:10mm、高
さ:30mmの寸法を有する丸棒および外径:12mm、内径:6m
m、長さ:45mmの寸法を有するパイプを、それぞれ製造し
た。
さらに、通常の溶解法により溶解し鋳造して第1表に
示される成分組成を有する従来Cu基溶製合金からなる上
記寸法のリング、丸棒およびパイプを製造した。
なお、本発明Cu基焼結合金1〜10は、いずれも素地中
に微細な酸化物および金属間化合物が均一に分散した組
織をもつものであった。
また、比較Cu基焼結合金1〜13は、いずれも構成成分
のうちのいずれかの成分含有量または空孔含有量(第1
表に※印を付したもの)がこの発明の範囲から外れたも
のである。
つぎに、この結果得られた各種のCu基焼結合金につい
て、強度および靭性を評価する目的でリングを三分割
し、その1つを試料として常温下の圧壊荷重を測定し、
その結果を第1表に示すとともにさらに高温下での耐摩
耗性を評価する目的で、下記の摩耗試験を行った。
摩耗試験 I 上記直径:10mm、高さ:30mmの寸歩を有する丸棒を加工
して、直径:1.5mmのピンを作製し、さらに相手材として
クロムメッキしたSUH材製ディスクを用意し、上記ディ
スクの裏側よりバーナーにてディスクを620℃に加熱し
ながら周速:2.1m/secで回転せしめ、一方、上記ピンを
押付荷重:8kgで上記ディスクに押付け、5W−30オイルを
滴下しながら摺動距離:15kmを摺動せしめ、相手材に対
する高温での同期特性を評価する目的でピンオンディス
ク摩擦摩耗試験を行ない、トルクメーターにより発生ト
ルクの変化から焼付き発生の有無の調査を行い、この結
果を第1表に示した。
摩耗試験 II 上記外径:12mm、内径:6mm、長さ:45mmの寸法を有し、
第1表に示される各種本発明Cu基焼結合金、比較Cu基焼
結合金および従来Cu基溶製合金からなるパイプをそれぞ
れ加工して外径:11mm、内径:6.5mm、長さ:45mmの寸法を
有するパイプを試料として製造し、一方、相手材として
SUH材を塩クロムメッキ処理した直径:6.42mm、長さ:150
mmの丸棒を用意した。
上記相手材である丸棒を上記試料であるパイプ孔に挿
入し、相手材である丸棒の片端部をバーナーで加熱しつ
つ片端部雰囲気温度を550℃とし、上記試料を相 手材に押付荷重:6kgで押付け、5W−30オイルを滴下しな
がら、上記相手材である丸棒を上記試料であるパイプ孔
の軸方向にストローク摺動距離:15mm、4000ストローク
/分で30分間摺動の条件で摩耗試験を行い、摩耗量を測
定し、さらに焼付きの有無および相手材の表面状態を観
察し、それらの結果を第1表に示した。
なお、相手材の表面状態については、全くキズが見ら
れなかったものを○印、一部焼付きによるキズが見られ
たものを△印、摩耗キズが表面に見られたものを×印を
付して区別した。
〔発明の効果〕
第1表から示される結果から、本発明Cu基焼結合金1
〜10は、いずれも従来Cu基溶製合金に比べて一段とすぐ
れた耐摩耗性および耐焼付き性をもち、また比較Cu基焼
結合金1〜13に見られるように、構成成分および空孔の
うちのいずれかでもこの発明の範囲から外れると、高温
下での耐摩耗性、耐焼付き性もしくは相手攻撃性、また
は常温下での強度および靭性のうち少なくともいずれか
の性質が劣ったものとなることが明らかである。
上述のように、この発明のCu基焼結合金は、高温下で
の耐摩耗性および同期特性を有するので、高出力化に伴
う高温度にさらされる各種機器の構造部材として十分に
対応することができ、実用に際しては、すぐれた性能を
長期にわたって発揮することにより工業上すぐれた効果
をもたらすものである。
なお、この発明のCu基焼結合金は特に高温下で優れた
特性を示すが、常温下でも十分な強度および靭性を有す
るところから常温下でも使用できることは勿論である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Zn:5〜25%、 Mn:0.1〜3%、 Si:0.1〜2%、 Fe,Ni、およびCoのうち1種または2種以上:0.1〜3
    %、 酸素:0.01〜0.5%、 を含有し、さらに、 Al:0.1〜0.3%、 を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成
    (以上重量%)、並びに素地中に微細な酸化物および金
    属間化合物が均一に分散しかつ空孔が1〜15容量%分布
    した組織を有することを特徴とする高温で耐摩耗性にす
    ぐれた銅基焼結合金。
  2. 【請求項2】Zn:5〜25%、 Mn:0.1〜3%、 Si:0.1〜2%、 Fe,Ni、およびCoのうち1種または2種以上:0.1〜3
    %、 酸素:0.01〜0.5%、 を含有し、さらに、 Al:0.1〜0.3%、 Cr,Mo、およびWのうち1種または2種以上:0.1〜2
    %、 を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成
    (以上重量%)、並びに素地中に微細な酸化物および金
    属間化合物が均一に分散しかつ空孔が1〜15容量%分布
    した組織を有することを特徴とする高温で耐摩耗性にす
    ぐれた銅基焼結合金。
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